JP4839943B2 - 直接形電力変換器の制御方法 - Google Patents
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Description
図7において、20は三相交流電源、30はフィルタ、40は三相負荷、R,S,Tは入力端子(入力相)、U,V,Wは出力端子(出力相)であり、マトリクスコンバータ10は、フィルタ30の出力側の三相各相と前記出力端子U,V,Wとの間にそれぞれ接続された双方向スイッチS1〜S9により構成されている。
すなわち、期間aでは単方向スイッチS11,S12をオン、期間bではS11,S12,S21をオン、期間cではS12,S21をオン、期間dではS12,S21,S22をオン、期間eではS21,S22をオンさせるシーケンスにより、双方向スイッチS1から双方向スイッチS2への転流時における電源短絡及び負荷端開放を防止している。
なお、他の双方向スイッチ間の転流時や電圧の大小関係が異なる場合についても、基本的には同様な動作となる。
このことから分かるように、電源の各相電圧の大小関係を正確に検出することは重要であるが、特に電源の2相の電圧値がほぼ等しい場合においては、検出誤差等によって電圧の大小関係を正確に決定することが非常に困難であり、その結果、転流失敗を招き、短絡電流が流れる場合があった。
このため従来では、短絡電流が半導体スイッチに及ぼす影響を軽減させるため、半導体スイッチの電流定格を必要以上に大きくする必要があり、これが装置全体の大形化や高価格化を招いていた。
制御装置内部で大小関係が決定された三相交流電圧のうち最大電圧相と一の出力相との間に接続された第1の双方向スイッチと、中間電圧相と前記出力相との間に接続された第2の双方向スイッチと、のオンオフを切り替えて転流させる際に、
第1の双方向スイッチ内の、前記出力相から前記最大電圧相に電流を流す単方向スイッチと、第2の双方向スイッチ内の、前記出力相から前記中間電圧相に電流を流す単方向スイッチと、をオンし、かつ、
三相交流電圧のうち最小電圧相と前記出力相との間に接続された第3の双方向スイッチ内の、前記最小電圧相から前記出力相に電流を流す単方向スイッチをオンする状態を介して、
第1,第2の双方向スイッチのオンオフを切り替えるようにした直接形電力変換器の制御方法において、
第3の双方向スイッチ内の、前記最小電圧相から前記出力相に電流を流す単方向スイッチを、第1,第2の双方向スイッチの間で転流が行われる期間だけオンし、当該期間以外の期間はオフするものである。
制御装置内部で大小関係が決定された三相交流電圧のうち中間電圧相と一の出力相との間に接続された第2の双方向スイッチと、最小電圧相と前記出力相との間に接続された第3の双方向スイッチと、のオンオフを切り替えて転流させる際に、
第2の双方向スイッチ内の、前記中間電圧相から前記出力相に電流を流す単方向スイッチと、第3の双方向スイッチ内の、前記最小電圧相から前記出力相に電流を流す単方向スイッチと、をオンし、かつ、
三相交流電圧のうち最大電圧相と前記出力相との間に接続された第1の双方向スイッチ内の、前記出力相から前記最大電圧相に電流を流す単方向スイッチをオンする状態を介して、
第2,第3の双方向スイッチのオンオフを切り替えるようにした直接形電力変換器の制御方法において、
第1の双方向スイッチ内の、前記出力相から前記最大電圧相に電流を流す単方向スイッチを、第2,第3の双方向スイッチの間で転流が行われる期間だけオンし、当該期間以外の期間はオフするものである。
まず、図1は本発明の第1実施形態に係る転流シーケンスであり、請求項1に係る発明に相当する。すなわち、図7に示したようなマトリクスコンバータ10の制御装置が、2相の電源電圧(例えばR相電圧VR及びS相電圧VS)の大小関係として、2相の電圧の大きさが等しい場合を含めてR相電圧VRが最大、S相電圧VSが中間である(各相電圧波形を示す図5における期間Aに相当する)と判断し、R相と出力側のU相との間に接続された双方向スイッチ(図7,図8におけるS1)から、S相とU相との間に接続された双方向スイッチ(同じくS2)へ転流する場合の転流シーケンスである。
つまり、期間aでは単方向スイッチS11,S12をオン、期間bではS11,S12,S32をオン、期間cではS12,S32をオン、期間dではS12,S22,S32をオン、期間eではS22,S32をオン、期間fではS21,S22,S32をオン、期間gではS21,S22をオンさせるシーケンスにより、双方向スイッチS1から双方向スイッチS2へ転流時する場合の電源短絡及び負荷端開放を防止している。
図5の期間Aにおいて、制御装置内部では、各相電圧の検出値から、R相電圧VRがS相電圧VSよりも大きいと判断して大小関係を決定した上で転流を実行する。
この場合、本実施形態では、図1,図2の転流期間における期間dのように、出力側のU相から電源側のR相へ電流を流す単方向スイッチS12(U相から制御装置内部で決定された最大相に電流を流す単方向スイッチ)をオンし、U相から電源側のS相へ電流を流す単方向スイッチS22(U相から制御装置内部で決定された中間相に電流を流す単方向スイッチ)をオンし、電源側のT相からU相へ電流を流す単方向スイッチS32(制御装置内部で決定された最小相からU相に電流を流す単方向スイッチ)をオンする状態を設けている。
例えば、図2の期間dにおいて、S相電圧VSがR相電圧VRより大きいとしても、S相からR相またはT相への短絡経路は存在しないと共に、負荷電流の通流経路は負荷電流の極性に関わらずオン状態の単方向スイッチS12,S22,S32によって確保されるため、電源電圧の大小関係に関わらず、短絡経路の生成や負荷端の開放を防止することができる。
この実施形態は、制御装置が、例えばS相電圧VS及びT相電圧VTの大小関係として、2相の電圧の大きさが等しい場合を含めてS相電圧VSが中間、T相電圧VTが最小である(図5における期間Aに相当する)と判断し、S相とU相との間に接続された双方向スイッチS2から、T相とU相との間に接続された双方向スイッチS3へ転流する場合の転流シーケンスである。
この実施形態において、期間aでは単方向スイッチS21,S22をオン、期間bではS12,S21,S22をオン、期間cではS12,S21をオン、期間dではS12,S21,S32をオン、期間eではS12,S32をオン、期間fではS12,S31,S32をオン、期間gではS31,S32をオンさせるシーケンスにより、双方向スイッチS2から双方向スイッチS3への転流時における電源短絡及び負荷端開放を防止している。
このシーケンスが図9,図10と大きく異なる点は、双方向スイッチS2から双方向スイッチS3への転流にも関わらず、転流に関与しない双方向スイッチS1を構成する単方向スイッチS12を一時的にオンさせる点である。
図5の期間Aにおいて、制御装置内部では、S相電圧VSがT相電圧VTよりも大きいと判断して転流を実行する。
本実施形態では、図3,図4の転流期間における期間dのように、U相からR相へ電流を流す単方向スイッチS12(U相から制御装置内部で決定された最大相に電流を流す単方向スイッチ)をオンし、S相からU相へ電流を流す単方向スイッチS21(制御装置内部で決定された中間相からU相に電流を流す単方向スイッチ)をオンし、T相からU相へ電流を流す単方向スイッチS32(制御装置内部で決定された最小相からU相に電流を流す単方向スイッチ)をオンする状態を設けている。
つまり、図4の期間dにおいて、S相電圧VSがT相電圧VTより小さいとしても、T相からS相、またはR相からS相への短絡経路は存在しないと共に、負荷電流の通流経路は負荷電流の極性に関わらずオン状態の単方向スイッチS12,S21,S32によって確保されるため、電源電圧の大小関係に関係なく短絡経路の生成や負荷端の開放を防止することができる。
前記第1実施形態の転流シーケンスでは、図5の期間Aにおいて、図2の期間dのようにU相からR相に電流を流す単方向スイッチS12と、U相からS相に電流を流す単方向スイッチS22と、T相からU相に電流を流す単方向スイッチS32とをオンする状態を設けている。
20:三相交流電源
30:フィルタ
40:三相負荷
R,S,T:入力端子(入力相)
U,V,W:出力端子(出力相)
S1〜S9:双方向スイッチ
S11〜S32:単方向スイッチ
Claims (4)
- 第1の端子から第2の端子に流れる電流を制御可能な半導体単方向スイッチと第2の端子から第1の端子へ流れる電流を制御可能な半導体単方向スイッチとを組み合わせてなる双方向スイッチを少なくとも3個用いて、三相交流電圧をその大きさ及び周波数が異なる多相交流電圧に直接変換する直接形電力変換器の制御方法であって、
制御装置内部で大小関係が決定された三相交流電圧のうち最大電圧相と一の出力相との間に接続された第1の双方向スイッチと、中間電圧相と前記出力相との間に接続された第2の双方向スイッチと、のオンオフを切り替えて転流させる際に、
第1の双方向スイッチ内の、前記出力相から前記最大電圧相に電流を流す単方向スイッチと、第2の双方向スイッチ内の、前記出力相から前記中間電圧相に電流を流す単方向スイッチと、をオンし、かつ、
三相交流電圧のうち最小電圧相と前記出力相との間に接続された第3の双方向スイッチ内の、前記最小電圧相から前記出力相に電流を流す単方向スイッチをオンする状態を介して、
第1,第2の双方向スイッチのオンオフを切り替えるようにした直接形電力変換器の制御方法において、
第3の双方向スイッチ内の、前記最小電圧相から前記出力相に電流を流す単方向スイッチを、第1,第2の双方向スイッチの間で転流が行われる期間だけオンし、当該期間以外の期間はオフすることを特徴とする直接形電力変換器の制御方法。 - 第1の端子から第2の端子に流れる電流を制御可能な半導体単方向スイッチと第2の端子から第1の端子へ流れる電流を制御可能な半導体単方向スイッチとを組み合わせてなる双方向スイッチを少なくとも3個用いて、三相交流電圧をその大きさ及び周波数が異なる多相交流電圧に直接変換する直接形電力変換器の制御方法であって、
制御装置内部で大小関係が決定された三相交流電圧のうち中間電圧相と一の出力相との間に接続された第2の双方向スイッチと、最小電圧相と前記出力相との間に接続された第3の双方向スイッチと、のオンオフを切り替えて転流させる際に、
第2の双方向スイッチ内の、前記中間電圧相から前記出力相に電流を流す単方向スイッチと、第3の双方向スイッチ内の、前記最小電圧相から前記出力相に電流を流す単方向スイッチと、をオンし、かつ、
三相交流電圧のうち最大電圧相と前記出力相との間に接続された第1の双方向スイッチ内の、前記出力相から前記最大電圧相に電流を流す単方向スイッチをオンする状態を介して、
第2,第3の双方向スイッチのオンオフを切り替えるようにした直接形電力変換器の制御方法において、
第1の双方向スイッチ内の、前記出力相から前記最大電圧相に電流を流す単方向スイッチを、第2,第3の双方向スイッチの間で転流が行われる期間だけオンし、当該期間以外の期間はオフすることを特徴とする直接形電力変換器の制御方法。 - 請求項1に記載した制御方法において、
前記最大電圧相の電圧と前記中間電圧相の電圧との差が所定値以下である場合に第1,第2の双方向スイッチのオンオフを切り替えて転流させることを特徴とする直接形電力変換器の制御方法。 - 請求項2に記載した制御方法において、
前記中間電圧相の電圧と前記最小電圧相の電圧との差が所定値以下である場合に第2,第3の双方向スイッチのオンオフを切り替えて転流させることを特徴とする直接形電力変換器の制御方法。
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