JPH05259140A - 半導体基板の洗浄液 - Google Patents

半導体基板の洗浄液

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JPH05259140A
JPH05259140A JP4052580A JP5258092A JPH05259140A JP H05259140 A JPH05259140 A JP H05259140A JP 4052580 A JP4052580 A JP 4052580A JP 5258092 A JP5258092 A JP 5258092A JP H05259140 A JPH05259140 A JP H05259140A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体基板を過酸化水素系洗浄液で洗浄する
際の金属不純物の基板表面への付着を防止する。 【構成】 酸性もしくは塩基性の過酸化水素水溶液から
なる洗浄液にホスホン酸系キレート剤と界面活性剤を添
加する。 【効果】 洗浄液が金属不純物により汚染されても、基
板表面への付着が抑制されるので、基板より作製した半
導体素子の素子特性が安定化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体基板の洗浄液に関
する。更に詳しくは半導体基板を過酸化水素系の洗浄液
で洗浄する際の改良された洗浄液に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の製造プロセスでは、シリコ
ンウエハーを始めとする半導体基板に対し表面に付着し
た金属、有機物、微粒子等の汚染物質を除去するための
薬液洗浄が行われている。この洗浄液には過酸化水素を
主成分とする洗浄液が多用されており、例えば塩酸と過
酸化水素の混合水溶液、硫酸と過酸化水素の混合水溶
液、フッ化水素酸と過酸化水素の混合水溶液、アンモニ
アと過酸化水素の混合水溶液などが知られている。
【0003】洗浄液に使用される薬剤については当然の
ことながら高純度の精製が必要となり、金属不純物につ
いては各薬剤とも1ppb以下に制御されるのが普通で
ある。しかしながら、こうした高純度に精製された薬剤
を用いて洗浄を行っても、実際には環境からの汚染、容
器等からの汚染、基板より除去された金属の再付着汚染
などがあり基板表面に対する金属による微量付着は避け
られなかった。問題となる金属は鉄、銅、ニッケルなど
の重金属であり、これらの付着は少数キャリアのライフ
タイムを変化させ、また基板に格子欠陥を生ずる為、半
導体素子の電気物性に大きな影響を与える。特に鉄はア
ンモニアと過酸化水素の混合水溶液のような塩基性の洗
浄液において基板への付着が大きく問題となっている。
酸性の洗浄液では金属の付着量は少なくなるが、それで
もフッ化水素酸と過酸化水素の混合水溶液などでは銅が
付着しやすく問題となっている。
【0004】この様に、基板表面に付着した微量金属は
半導体素子の電気物性に悪影響を与える為、出来得る限
り少なくする必要があり、特に半導体素子の高集積化が
進んだ現在では付着金属量を1×1010 atoms/cm2
下、即ち付着金属量の分析法として広く使用されている
全反射蛍光X線分析装置の検出下限以下とする必要性が
指摘されている。
【0005】過酸化水素系の洗浄液に対する添加剤の添
加により、これらの金属不純物付着量を少なくしようと
する試みはドイツ公開特許第3822350号において
見られ、そこではキレート剤のエチレンジアミンテトラ
カルボン酸(EDTA)の添加が提案されている。しか
しながら、EDTAの添加は実際にはほとんど効果が認
められなかった。これに対し本発明者らはホスホン酸系
のキレート剤が金属付着の抑制に効果があることを見い
出し、先に提案した。このホスホン酸系のキレート剤の
添加は金属付着量を著しく低減し、半導体素子製造の歩
留まりを大きく改善した。しかし、ホスホン酸系キレー
ト剤の添加をもってしても、基板への金属付着量が1×
1010 atoms/cm2 以下は達成されておらず、より改良
された対策が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前記の
問題点を解決し、洗浄後の基板表面の金属付着量が1×
1010 atoms/cm2 以下であるような新しい過酸化水素
系の半導体基板洗浄液を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成すべく鋭意検討を行った結果、ホスホン酸系のキ
レート剤に加えて、洗浄液の基板表面への濡れ性を改良
する界面活性剤を添加することによって基板表面の金属
付着量を1×1010 atoms/cm2 以下にできることを見
い出し本発明を完成するに至った。即ち本発明は酸性も
しくは塩基性の過酸化水素洗浄液に対し、ホスホン酸系
キレート剤と界面活性剤を添加することを特徴とする半
導体基板洗浄液である。
【0008】本発明で使用するホスホン酸系キレート剤
は少なくとも2つのホスホン酸基を有するキレート剤で
あれば特に制限はないが、この代表例としては、アミノ
トリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデ
ン−1、1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ
(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテト
ラ(メチレンホスホン酸)、プロピレンジアミンテトラ
(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ
(メチレンホスホン酸)、トリエチレンテトラミンヘキ
サ(メチレンホスホン酸)、トリアミノトリエチルアミ
ンヘキサ(メチレンホスホン酸)、トランス−1、2−
シクロヘキサンジアミンテトラ(メチレンホスホン
酸)、グリコールエーテルジアミンテトラ(メチレンホ
スホン酸)、及びテトラエチレンペンタミンヘプタ(メ
チレンホスホン酸)などが挙げられる。これらのうち特
に好ましいホスホン酸系キレート剤としてはエチレンジ
アミンテトラ(メチレンホスホン酸)やジエチレントリ
アミンペンタ(メチレンホスホン酸)などを挙げること
ができる。これらの本発明で使用されるキレート剤は遊
離酸の形で使用されるのが望ましいが、溶解度が不足す
る場合はアンモニウム塩等の塩の形で使用することも出
来る。
【0009】ホスホン酸系キレート剤の添加量には特に
制限はないが通常、洗浄液全量に対し1 ppb〜1000
ppm の濃度で添加される。添加法は洗浄液を調製後添加
しても良いし、過酸化水素、水、アンモニア、有機アミ
ン、塩酸、硫酸、フッ化水素酸、等に予め添加し、しか
る後にこれらを混合して調製しても良い。
【0010】本発明において使用される界面活性剤とし
てはスルホン酸系界面活性剤、硫酸エステル系界面活性
剤、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸系界面活性
剤、ポリカルボン酸型の界面活性剤などのアニオン界面
活性剤、アミン系界面活性剤、4級アンモニウム塩型の
界面活性剤などのカチオン界面活性剤、エチレオキサイ
ド付加型の界面活性剤、エチレンオキサイドプロピレン
オキサイド共重合型の界面活性剤、グリセリンエステル
型界面活性剤などの非イオン界面活性剤などがいずれも
使用できる。また、これらを一部フッ素化したフッ素系
の界面活性剤を使用することもできる。なかでも好まし
いのはスルホン酸系界面活性剤、ポリカルボン酸型界面
活性剤、エチレンオキサイド付加型の界面活性剤であ
る。更に、基板表面への洗浄液の濡れ性を良くする水溶
性の有機添加剤であれば、いずれも本発明の界面活性剤
として使用可能である。
【0011】これらの界面活性剤として使用し得る水溶
性の有機添加剤の例としてはエタノール、イソプロパノ
ール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコー
ル類、エチレングリコール、プロピレングリコール等の
グリコール類、酢酸、プロピオン酸、エナント酸等のカ
ルボン酸類、グリコール酸、酒石酸、クエン酸等のヒド
ロキシカルボン酸類、グリセリン、ソルビット、ポリビ
ニルアルコール等の多価アルコール類などが使用でき
る。
【0012】これらの界面活性剤の添加量には特に制限
はないが、洗浄液の表面張力が60dyne/cm以下になる
か、もしくは基板表面への洗浄液の接触角が50度以下
になるように添加されるのが好ましい。
【0013】界面活性剤の添加法は洗浄液を調製後添加
しても良いし、過酸化水素、水、アンモニア、有機アミ
ン、塩酸、硫酸、フッ化水素酸、等に予め添加し、しか
る後にこれらを混合して調製しても良い。
【0014】本発明はアンモニアと過酸化水素の混合水
溶液からなる洗浄液に対して特に好適に用いられるが、
アンモニアと過酸化水素混合水溶液以外ではコリン(ハ
イドロキシルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイ
ド)と過酸化水素の混合水溶液、TMAH(テトラメチ
ルアンモニウムハイドロオキサイド)と過酸化水素の混
合水溶液、フッ化水素酸と過酸化水素の混合水溶液、塩
酸と過酸化水素の混合水溶液、硫酸と過酸化水素の混合
水溶液などにも使用することができる。アンモニアと過
酸化水素の混合水溶液の場合の組成は、通常アンモニア
濃度が0.1〜1重量%、過酸化水素濃度が0.1〜3
0重量%で使用される。
【0015】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。
【0016】実施例1 予備洗浄した3インチのシリコン基板を高純度アンモニ
ア(28重量%)と高純度過酸化水素(30重量%)及
び超純水を1:4:20の割合(重量比)に混合し、更
に表1に示す添加剤を添加した洗浄液を用いて85℃で
10分間浸漬し洗浄した。更に超純水でリンスした後、
風乾して全反射蛍光X線分析装置により鉄、銅の付着量
を分析した。同時に85℃における洗浄液の表面張力と
基板に対する接触角を測定し、更に調製直後の洗浄液中
の鉄及び銅の含有量を原子吸光分析により定量した。
尚、表面張力の測定には協和界面科学(株)製自動表面
張力計CBVP−A3型(ウイルヘルミー式)を使用し
た。また、接触角の測定には協和界面科学(株)製接触
角計CA−D型(液滴法)を使用し、液適下後10秒後
の状態で測定した。結果を表1に示す。
【0017】(表 1) 実験 添加剤 洗浄液中 洗浄液の表面 洗浄液の 基板表面の付着 No. の金属量 張力 接触角 金属量 (ppb) (dyne/cm) ( 度) (1010atoms/cm2 Fe Cu Fe Cu (1) なし 0.4 0.1 65 59 120 5 (2) EDTMP 0.4 0.1 64 59 5 3 10ppb (3) EDTMP 0.4 0.1 65 58 4 3 10ppm (4) EDTMP 0.6 0.2 61 <5 <1 <1 10ppb アルキルヘ゛ンセ゛ ンスルホン酸 100ppm (5) EDTMP 0.5 0.1 62 51 3 2 10ppb アルキルヘ゛ンセ゛ ンスルホン酸 10ppm (6) EDTMP 0.7 0.1 60 49 <1 <1 10ppm ホ゜リアクリル 酸 100ppm
【0018】(表1の続き) 実験 添加剤 洗浄液中 洗浄液の表面 洗浄液の 基板表面の付着 No. の金属量 張力 接触角 金属量 (ppb) (dyne/cm) ( 度) (1010atoms/cm2 Fe Cu Fe Cu (7) EDTMP 0.5 0.1 58 45 <1 <1 10ppm 2-エチルー1,3 ヘキサンシ゛オール 500ppm (8) 2-エチルー1,3 0.5 0.1 58 44 95 4 ヘキサンシ゛オール 500ppm (注)表1中EDTMPはエチレンジアミンテトラ(メ
チレンホスホン酸)を示す。また、アルキルベンゼンス
ルホン酸にはライオン(株)のライポンLH−500
を、ポリアクリル酸には花王(株)のポイズ520を使
用した。
【0019】実施例2 予備洗浄した3インチのシリコン基板を高純度フッ化水
素酸(50重量%)と高純度過酸化水素(30重量%)
及び超純水を1:15:85(重量比)の割合に混合
し、更に表2に示す添加剤を添加した洗浄液を用いて3
0℃で10分間浸漬し洗浄した。更に超純水でリンスし
た後、風乾して全反射蛍光X線分析装置により鉄及び銅
の付着量を分析した。同時に30℃における洗浄液の表
面張力と基板に対する接触角を測定し、更に調製直後の
洗浄液中の鉄及び銅の含有量を原子吸光分析により定量
した。結果を表2に示す。
【0020】(表 2) 実験 添加剤 洗浄液中の 洗浄液の表面 洗浄液の 基板表面の付着 No. 金属量 張力 接触角 金属量 (ppb) (dyne/cm) ( 度) (1010atoms/cm2 Fe Cu Fe Cu (9) なし 0.3 0.1 70 81 1 3 (10)DTPMP 0.3 0.1 70 80 1 1 1ppm (11)DTPMP 0.5 0.1 28 <5 <1 <1 1ppm PEGアルキル フェニルエーテル 100ppm (注)表2中DTPMPはジエチレントリアミンペンタ
(メチレンホスホン酸)を示す。また、PEGアルキル
フェニルエーテルはポリエチレングリコールアルキルフ
ェニルエーテルを示し、花王(株)のエマルゲン147
を使用した。
【0021】
【発明の効果】本発明の洗浄液を使用すれば基板表面の
金属付着量が1×1010 atoms/cm2以下となるような効
果的な半導体基板の洗浄が可能となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性もしくは塩基性の過酸化水素洗浄液
    に対し、ホスホン酸系キレート剤と界面活性剤を添加す
    ることを特徴とする半導体基板洗浄液。
  2. 【請求項2】 洗浄液の表面張力が60dyne/cm以下で
    あるか、もしくは基板表面に対する洗浄液の接触角が5
    0度以下である請求項1記載の半導体基板洗浄液。
  3. 【請求項3】 界面活性剤がスルホン酸系の界面活性剤
    である請求項1記載の半導体基板洗浄液。
  4. 【請求項4】 界面活性剤がエチレンオキサイド付加型
    非イオン界面活性剤である請求項1記載の半導体基板洗
    浄液。
  5. 【請求項5】 界面活性剤がポリカルボン酸型の界面活
    性剤である請求項1記載の半導体基板洗浄液。
  6. 【請求項6】 過酸化水素洗浄液がアンモニアと過酸化
    水素の混合水溶液である請求項1記載の半導体基板洗浄
    液。
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