JPH05258623A - 超電導線の銅安定化層を電気メッキ法により形成する方法 - Google Patents

超電導線の銅安定化層を電気メッキ法により形成する方法

Info

Publication number
JPH05258623A
JPH05258623A JP8783892A JP8783892A JPH05258623A JP H05258623 A JPH05258623 A JP H05258623A JP 8783892 A JP8783892 A JP 8783892A JP 8783892 A JP8783892 A JP 8783892A JP H05258623 A JPH05258623 A JP H05258623A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
electroplating
superconducting wire
acid
oxygen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8783892A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisaki Sakamoto
久樹 坂本
Kiyoshi Yamada
清 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP8783892A priority Critical patent/JPH05258623A/ja
Publication of JPH05258623A publication Critical patent/JPH05258623A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超電導線の銅安定化層を電気メッキ法により
高純度に形成する方法を提供する。 【構成】 超電導線材上に銅安定化層を電気メッキ法に
より形成する方法において、電気メッキを、電解浴に酸
で洗浄した無酸素銅材を硫酸に溶解した硫酸銅浴を用
い、アノードに酸で洗浄した無酸素銅材を用いて行う。 【効果】 電解浴が清浄に保持され、その為電気メッキ
された銅安定化層が高純度に、即ち RRRが大きい値に形
成され、依って得られる超電導線のIcが高い値のもの
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導線の銅安定化層
を電気メッキ法により高純度に形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】NbTiやNb3 Sn等の超電導線は、
使用中に擾乱が起きて常電導に遷移し超電導線が焼損す
ることがある。この為前記超電導線は周囲に熱及び電気
伝導性が良好な銅,アルミニウム,銀等の金属材料を複
合し安定化して用いられる。超電導線の周囲に銅等の金
属材料を複合するには、多数本の超電導素線を銅管内に
充填して複合ビレットとなし、この複合ビレットを延伸
加工する方法によりなされている。 ところで、銅管に
は熱及び電気伝導性が良好な高純度の無酸素銅が用いら
れるが、純度が高く、従って変形抵抗の小さい銅管内に
変形抵抗の大きい超電導素線を充填した複合ビレット
は、銅管の肉厚が厚くなると内外層が均一に塑性変形さ
れず、超電導素線の異常変形や断線等により臨界電流値
(Ic)が低下する。この為銅管には薄肉のものを用
い、安定化材として必要な残りの銅層は延伸加工後の線
材に電気メッキ法により付加する方法が取られていた。
この電気メッキ法では、電解浴に市販の硫酸銅を稀硫酸
に溶解した硫酸銅浴が用いられ、アノードには水道水で
水洗しただけの電気銅材が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来法により製造される超電導線の銅安定化層の残留抵抗
比(300Kと10K における電気抵抗比、以下 RRRと略記す
る。)は低く、その為十分な安定化の為にはより多くの
銅安定化部を必要とし、得られる銅安定化超電導線はI
cが低下するという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる状況に
鑑み鋭意研究を行ない、従来法により製造される超電導
線の銅安定化層の RRRが低い原因は、電解浴の汚染にあ
ることを突き止め、更に研究を重ねて完成するに至った
ものである。即ち、本発明は、超電導線の銅安定化層を
電気メッキ法により形成する方法において、電気メッキ
を、電解浴に酸で洗浄した無酸素銅材を硫酸に溶解した
硫酸銅水溶液を用い、アノードに酸で洗浄した無酸素銅
材を用いて行うことを特徴とするものである。
【0005】本発明方法において、電気メッキのアノー
ドに無酸素銅材を用いる理由は、無酸素銅材は不純物が
少なく、電解浴へのアノードからの不純物混入が低減さ
れる為である。又アノードとなす無酸素銅材を酸で洗浄
するのは、無酸素銅材上の酸化物や鉄粉等の不純物を除
去して電解浴への不純物の混入を防止する為である。無
酸素銅材を洗浄する酸には、硝酸,塩酸,硫酸又はこれ
らを混合した酸等、銅を溶解し得る任意の酸が適用され
る。硫酸以外の酸を用いた場合は酸で洗浄後脱イオン水
や蒸留水等で十分水洗するのが好ましい。酸で洗浄した
無酸素銅材はアノード又は硫酸銅浴の銅原料として用い
られる。硫酸銅浴は前記の酸で洗浄した無酸素銅を稀硫
酸等に溶解して作製する。銅原料溶解の為の硫酸は電子
工業用等の純度の高いものが好ましい。本発明方法にお
いて、銅安定化層を電気メッキする超電導線には、銅等
が複合されていない無垢の超電導線、無垢の超電導線上
に銅層が薄く被覆されたもの、銅等の金属マトリックス
中に無垢の超電導線が多数本埋設されたもの等が適用さ
れる。上記において、銅層が被覆された超電導線は、電
気メッキ層の密着性が良好となり好ましい。又電気メッ
キ後の超電導線は更に延伸加工して、形状を整え、メッ
キ層を高密度化するのが好ましい。請求項2の発明は、
電気メッキ法により形成した銅安定化層中の不純物量を
限定したもので、その量はトータルで 0.4ppm 以下に抑
えるのが、RRRを高度に保持できて好ましい。
【0006】
【作用】本発明方法では、超電導線の銅安定化層を電気
メッキ法により形成する方法において、電気メッキを、
電解浴に酸で洗浄した無酸素銅材を硫酸に溶解した硫酸
銅浴を用い、アノードに酸で洗浄した無酸素銅材を用い
て電気メッキを行うので、電解浴が高純度に保持され、
従って得られる超電導線には純度の高い、つまりRRRの
大きい銅安定化層が形成される。従って線材全体に対す
る安定化材の割合を大きくすることなく、即ち線材全体
のIcを損なうことなく、高安定化の線材を得ることが
できる。
【0007】
【実施例】
実施例1 内径 102mmφ, 肉厚10mmの無酸素銅管に、Cu−Sn合
金(ブロンズ)マトリックス中にNbフィラメントを多
数本複合した外径 100mmφの超電導素材を、Ta箔を介
在させて充填して複合ビレットを作製した。次にこの複
合ビレットにCIP処理を施したのち、熱間押出し,ス
エージング加工,伸線加工を順次施して0.7mmφの超電
導線材となした。次にこの超電導線材に無酸素銅を電気
メッキして 1.0mmφの超電導線材となし、この超電導線
材に伸線及びツイスト加工を施して0.92mmφの超電導線
材となした。電気メッキは、カソードとなす前述の 0.7
mmφの超電導線、アノードとなす10mmφの無酸素銅棒及
び電解浴原料の無酸素銅片をそれぞれ脱脂、稀硝酸洗
浄、脱イオン水洗浄して表面に付着した酸化物や鉄粉等
の汚れを十分除去したのち、これを乾燥して調製した。
次に前記の電解浴作製用無酸素銅片を市販の工業用硫酸
溶液に溶解して銅40g/リットルの硫酸銅浴を作製し
た。次にこの硫酸銅浴内にアノードとして前記無酸素銅
棒を配置し、前記 0.7mmφの超電導線をカソードとして
20mm/min の速度で走行させて銅を電気メッキした。
【0008】比較例1 実施例1において、アノード及び電解浴原料に電気銅を
用いた他は、実施例1と同じ方法により0.92mmφの超電
導線材を作製した。 比較例2 実施例1において、カソードとなす 0.7mmφの超電導線
材、アノードとなす無酸素銅材をそれぞれ水道水で洗浄
して調製し、電解浴原料の銅に市販の硫酸銅薬剤(Cu
SO4 ・5H2 O)を用いた他は、実施例1と同じ方法
により0.92mmφの超電導線材を作製した。 比較例3 実施例1にて作製したのと同じ外径 100mmφの超電導線
材に、内径 102mm, 肉厚36mmの無酸素銅管をTa箔を介
在させて複合して複合ビレットとなし、この複合ビレッ
トにCIP処理後、熱間押出し、スエージング加工、伸
線加工を順次施して 1.0mmφの超電導線材となした。次
にこの超電導線材に伸線及びツイスト加工を施して0.92
mmφの超電導線材を作製した。
【0009】このようにして得られた各々の0.92mmφの
超電導線材に 650℃× 100時間の加熱処理を施してNb
3 Sn超電導線を作製した。この超電導線は、フィラメ
ント径が2μm,フィラメント本数 16300本, ブロンズ
比 3.0,Taバリア厚さ10μm,銅比 2.0,ツイストピ
ッチ20mmであった。次に前記各々のNb3 Sn超電導線
について臨界電流値(Ic)を、10Tの磁場下で液体H
e(4.2 K)中で測定した。又電気メッキ層の RRRは、
0.7mmφのSUS304 製棒上に無酸素銅を実施例1又は
比較例1又は比較例2とそれぞれ同じ方法により電気メ
ッキし、これを 650℃× 100時間加熱処理したものにつ
いて調べた。結果を RRRを併記して表1に示した。
【0010】
【表1】 伸線及びツイスト前の超電導線材(超電導線の径0.57
mmφ)の銅安定化銅の厚さ。複合法:銅管による安定化
銅で内側、メッキ:メッキによる安定化銅で外側、単位
μm。a:アノード,d:電解浴用原料。
【0011】表1より明らかなように、本発明例のNo1
は、電気メッキに用いたアノード,カソード及び電解浴
用無酸素銅材等の電気メッキ材を脱脂−稀硝酸洗浄−純
水洗浄−乾燥という一連の清浄化処理を施した為、電気
メッキ材表面に付着していた酸化物や鉄粉が十分除去さ
れて、電解浴が清浄化して、得られた超電導線の銅安定
化層の純度が向上して、 RRRで 302という高い値が得ら
れた。これに対し、比較例のNo2はアノード及び電解浴
用原料に電気銅を用いた為、又No3はアノードに無酸素
銅を用いたが洗浄を水道水で行ない、しかも硫酸銅浴の
銅原料に市販の硫酸銅薬剤を用いた為、いずれも得られ
た超電導線の銅安定化層に不純物が混入して RRRが低く
なり、超電導線の安定化材として適合しないものとなっ
た。又No4は銅安定化層を全て複合ビレット法で複合し
た為に、均一な加工を施すことができず、Icが低下し
た。
【0012】実施例1,比較例1,比較例2の電気メッ
キして付加した銅安定化層について化学分析を行った。
結果は、下記の表2に示したように、本発明例のNo1は
不純物が極めて少なかったが、比較例のNo2,3は不純
物量が極めて多かった。不純物は主にアノード及び硫酸
銅浴原料の電気銅、無酸素銅表面又は硫酸銅薬剤等から
混入したものであった。
【0013】
【表2】
【0014】
【効果】以上述べたように、本発明方法によれば、超電
導線の銅安定化層を電気メッキ法により高純度に形成す
ることができ、従ってIc特性に優れ、且つ十分に安定
な超電導線が得られ、工業上顕著な効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導線の銅安定化層を電気メッキ法に
    より形成する方法において、電気メッキを、電解浴に酸
    で洗浄した無酸素銅材を硫酸に溶解した硫酸銅浴を用
    い、アノードに酸で洗浄した無酸素銅材を用いて行うこ
    とを特徴とする超電導線の銅安定化層を電気メッキ法に
    より形成する方法。
  2. 【請求項2】 電気メッキ法により形成した銅安定化層
    中の不純物量が 0.4ppm 以下であることを特徴とする請
    求項1記載の超電導線の銅安定化層を電気メッキ法によ
    り形成する方法。
JP8783892A 1992-03-10 1992-03-10 超電導線の銅安定化層を電気メッキ法により形成する方法 Pending JPH05258623A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8783892A JPH05258623A (ja) 1992-03-10 1992-03-10 超電導線の銅安定化層を電気メッキ法により形成する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8783892A JPH05258623A (ja) 1992-03-10 1992-03-10 超電導線の銅安定化層を電気メッキ法により形成する方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05258623A true JPH05258623A (ja) 1993-10-08

Family

ID=13926063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8783892A Pending JPH05258623A (ja) 1992-03-10 1992-03-10 超電導線の銅安定化層を電気メッキ法により形成する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05258623A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7048840B1 (en) * 2000-08-19 2006-05-23 Adelwitz Technologiezentrum Gmbh Method for metal coating the surface of high temperature superconductors
JP2007100113A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Meiko:Kk 銅めっき方法とそれに用いる塩素イオン電解除去装置
JP2017503915A (ja) * 2013-11-22 2017-02-02 インフォテック エスピー.オー.オー.Inphotech Sp. O. O. 導電性コーティングを有する光ファイバを金属要素に接着させる方法
CN110970171A (zh) * 2019-11-14 2020-04-07 西部超导材料科技股份有限公司 一种提高NbTi超导线材RRR值和屈服强度的方法
CN114293192A (zh) * 2021-12-29 2022-04-08 江苏东光电子有限公司 一种陶瓷放电管用无氧铜材料清洗剂及其清洗方法
US11643011B2 (en) 2017-12-19 2023-05-09 Mekra Lang Gmbh & Co. Kg View system for capturing a vehicle environment

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7048840B1 (en) * 2000-08-19 2006-05-23 Adelwitz Technologiezentrum Gmbh Method for metal coating the surface of high temperature superconductors
JP2007100113A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Meiko:Kk 銅めっき方法とそれに用いる塩素イオン電解除去装置
JP2017503915A (ja) * 2013-11-22 2017-02-02 インフォテック エスピー.オー.オー.Inphotech Sp. O. O. 導電性コーティングを有する光ファイバを金属要素に接着させる方法
US11643011B2 (en) 2017-12-19 2023-05-09 Mekra Lang Gmbh & Co. Kg View system for capturing a vehicle environment
CN110970171A (zh) * 2019-11-14 2020-04-07 西部超导材料科技股份有限公司 一种提高NbTi超导线材RRR值和屈服强度的方法
CN114293192A (zh) * 2021-12-29 2022-04-08 江苏东光电子有限公司 一种陶瓷放电管用无氧铜材料清洗剂及其清洗方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007042355A (ja) 複合被覆銅線及び複合被覆エナメル銅線
JPH05258623A (ja) 超電導線の銅安定化層を電気メッキ法により形成する方法
US5071713A (en) Metal fibers obtained by bundled drawing
JPS6117325B2 (ja)
CN112143932A (zh) 一种铜基钯涂层键合引线及其制作方法
KR100227581B1 (ko) 구리재 표면에 강인한 전기 절연층의 형성방법
US5030520A (en) Electrical conductor, in particular suitable for use as an insoluble anode in electrowinning processes, and in electrochemical processes in general, and process for producing it
JP5076165B2 (ja) 強固に付着した銅めっき安定化材を有するNb−Al系超伝導線材とその製造方法
JPH0649685A (ja) 鉄被覆複合材の製造方法
JP3108506B2 (ja) CuNiシース超電導線の製造方法
CN110936051A (zh) 一种自动tig用绞股焊丝
JP2005163096A5 (ja)
US2742687A (en) Low tin content, durable, tinned copper conductor
JP3687346B2 (ja) Nb3 Al系超電導線およびその製造方法
JP2007077505A (ja) Cu−Ag合金線および同軸ケーブル用Cu−Ag合金線
JPH05342933A (ja) Nb3Sn系化合物超電導線の製造方法
Verhoeven et al. The influence of coarsening treatments upon properties of in situ Nb 3 Sn-Cu superconducting wire
JPS63102115A (ja) 超電導合金線材の製造方法
JPH06333449A (ja) 超電導線の製造方法
JPS6262406B2 (ja)
JPS60170110A (ja) 銅被覆ΝbTi超電導線
JPH04277415A (ja) 交流用Nb3Sn超電導線の製造方法
Mizomata et al. The effect of Mn additions on the hysteresis loss and critical current density of power-metallurgy processed superconducting Nb/sub 3/Sn wires
JPH05114321A (ja) Nb3Sn超電導線の製造方法
JPH0344453A (ja) 電子部品および機器用リード線の製造方法