JPH05256563A - 断熱箱体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、冷蔵庫の断熱箱体において、真空
断熱材を内外箱空間の内箱や外箱に貼り付けた場合、あ
とで注入した独立気泡硬質ウレタン断熱材が発泡充填す
る過程で、前記の熱溶着された周縁辺が流動性を阻害
し、ボイドや低密度箇所を発生させ、気温の変化で独立
気泡硬質ウレタン断熱材の発泡剤であるフロンガスの圧
力変化が生じて、内箱や外箱が変形するという問題を解
消し、真空断熱材の使用箇所を需要者が目にする外観を
要求する部分にも拡大した断熱箱体を提供するものであ
る。 【構成】 周縁辺１６を有する凹形状に成形した真空断
熱材４を内箱２と外箱３とからなる空間１０の内箱２あ
るいは外箱３面に貼る付け、前記空間１０に独立気泡硬
質ウレタン断熱材１１を発泡充填した断熱箱体１とその
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫、ショ−ケ−ス
などに使用される断熱箱体に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、冷蔵庫の断熱箱体は省電力のた
め、真空断熱材を断熱箱体内に配設して断熱箱体の断熱
性能を飛躍的に向上している。

【０００３】以下、図面を参照しながら、上述した真空
断熱材を配設した断熱箱体について説明する。

【０００４】図２４〜図２８は従来例を示す。１は断熱
箱体であり、２はプラスチック製の内箱、３は鉄板製の
外箱である。４は真空断熱材であり、アルミなどの金属
をラミネ−トした低ガス透過性のプラスチックフィルム
袋５と前記袋５内のパ−ライト粉末または連通硬質ウレ
タンフォ−ムなどの芯材６と水酸化カルシウム、活性炭
などのガス吸着剤７とからなる。実公昭６１−２５５８
５号公報、実公昭６１−２５５８７号公報では、芯材６
がパ−ライト粉末であるが、芯材６が連通硬質ウレタン
フォ−ムの場合の真空断熱材４もある。真空断熱材４
は、袋５内を９．３Pa以下の真空状態に保持されてい
て、熱伝導率で０.００３４から０.００５８W/mKの優れ
た断熱性能を示す。ここで、前記真空断熱材４の袋５
は、２枚のプラスチックフィルムの４つの周縁辺８を熱
溶着したものであるため、真空断熱材４の形状は、芯材
６の形状になる。

【０００５】つまり、パ−ライト粉末の場合は、市販食
品のレトルトパック形状となり、連通硬質ウレタンフォ
−ムの場合では、周縁辺８を周囲に有する直方体とな
り、前記周縁辺８は、波うったり、しわが寄ったりして
いる。なお、周縁辺８は、熱溶着する必要から最低１５
から２０mmの長さがある。

【０００６】また、前記真空断熱材４は、前記内箱２や
外箱３にホットメルトや両面テ−プなどの接着層９で接
着固定され、前記内箱２と外箱３でできた空間１０に独
立気泡硬質ウレタン断熱材１１が発泡充填されている。
独立気泡硬質ウレタン断熱材１１は、最も優れた断熱性
能を有するものでも熱伝導率が約０．０１２８W/mKであ
り、前記真空断熱材４を断熱壁１２に用いることで、冷
蔵庫の省電力ができる。例えば、断熱壁１２の壁厚の半
分を真空断熱材４にすると、断熱箱体１全体の断熱性能
は、１.３から１.５倍になり、４００リットルクラスの
冷蔵庫では１０から１３％の冷蔵庫の省電力が達成でき
る。したがって、真空断熱材４の使用する容積が増えれ
ば増えるほど、省電力が達成できることになる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
に構成された断熱箱体は、真空断熱材を内箱や外箱に貼
り付けると、独立気泡硬質ウレタン断熱材が発泡充填す
る過程で熱溶着され、波うったり、しわが寄ったりして
いる周縁辺が独立気泡硬質ウレタン断熱材の流動性を阻
害し、ボイドや低密度箇所が発生し、気温の変化で独立
気泡硬質ウレタン断熱材の発泡剤であるフロン１１（Ｃ
Ｃｌ₃Ｆ）やフロン２２（ＣＨＣｌＦ₂）やフロン１２３
（ＣＨＣｌ₂ＣＦ₃）やフロン１４１ｂ（ＣＨ₃ＣＣｌ
₂Ｆ）やフロン１４２ｂ（ＣＨ₃ＣＣｌＦ₂）などのフロ
ンガスに圧力変化が生じて、内箱や外箱に変形部分が発
生するという問題があった。これを防止するため、熱溶
着された周縁辺をできる限り短くしたり、折り畳んだり
したり（図２７参照）するということもされているが、
プラスチックフィルムの周縁辺を傷つけないように処理
する必要から、４つの周縁辺を完全に流動性を阻害しな
いようにすることができなかった。

【０００８】また、内箱と外箱の板厚を厚くして剛性を
あげ変形を解決するということもされているが板厚を
１．５から３倍以上アップする必要があり、断熱壁厚が
板厚の増える分減ってしまい断熱性が一部犠牲になって
しまう点や重量増、コスト増などの別の問題があり、解
決できなかった。つまり、冷蔵庫のドアや側面及び庫内
など需要者が目にする外観を要求する部分には、真空断
熱材が適用できず、真空断熱材の使用箇所を冷蔵庫の背
面などの需要者が目にしない部分にしか適用できず、真
空断熱材の使用箇所を増やせないという問題があった。

【０００９】本発明は上記問題点に鑑み、前記の真空断
熱材を内箱や外箱に貼り付けると、独立気泡硬質ウレタ
ン断熱材が発泡充填する過程で前記の熱溶着された周縁
辺が独立気泡硬質ウレタン断熱材の流動性を阻害し、ボ
イドや低密度箇所が発生し、気温の変化で独立気泡硬質
ウレタン断熱材の発泡剤であるフロンガスの圧力変化が
生じて、内箱や外箱が変形するという問題を解消し、真
空断熱材の使用箇所を需要者が目にする外観を要求する
部分にも拡大した断熱箱体を提供するものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本課題を解決するため、
本発明の断熱箱体は、周縁辺を有する凹形状に成形し、
凹形状底部に金属箔を貼り付けた金属蒸着フィルムと、
前記凹形状部に配設した連通硬質ウレタンフォ−ムおよ
びシ−ト型吸着材と、前記連通硬質ウレタンフォ−ムを
おおい内部を真空に保ち、周縁辺を熱溶着した金属ラミ
ネ−トフィルムシ−トとからなる真空断熱材と、内箱ま
たは外箱と金属ラミネ−トフィルムシ−ト間の接着層
と、前記空間を満たす独立発泡硬質ウレタン断熱材から
なる構成である。

【００１１】また、本課題を解決するため、本発明の断
熱箱体は、周縁辺を有しない凹形状に成形した２つの金
属蒸着フィルムと、前記２つの金属蒸着フィルム間にい
れた連通硬質ウレタンフォ−ムおよびシ−ト型吸着材
と、前記凹形状の４つの側面に超音波溶着部を有する真
空断熱材と、内箱または外箱と金属蒸着フィルム面の接
着層と、前記空間を満たす独立気泡硬質ウレタン断熱材
からなる構成である。

【００１２】また、本課題を解決するため、本発明の断
熱箱体を、金属蒸着フィルムを周縁辺を有する凹形状に
真空成形し凹形状底部に金属箔を貼り付け、次に前記凹
形状部に同形状した連通硬質ウレタンフォ−ムとシ−ト
型吸着材とを配設し、そのうえに金属ラミネ−トフィル
ムシ−トをかぶせ、真空チャンバ−内の凹形状の保持治
具で固定し、真空状態で周縁辺を熱溶着して真空断熱材
作り、内箱と外箱とからなる空間の内箱あるいは外箱面
に金属ラミネ−トフィルムシ−ト面を貼り付け固定した
後、独立気泡硬質ウレタン断熱材を発泡充填して製造す
る方法である。

【００１３】また、本課題を解決するため、本発明の断
熱箱体は、アルミ蒸着フィルムを真空成形し、周縁辺を
有しない凹形に成形し、次に前記凹形状部に同形状した
連通硬質ウレタンフォ−ムとシ−ト型吸着材とを配設
し、そのうえにもう一つの前記凹形状金属蒸着フィルム
をかぶせ真空チャンバ−内の凹形状の保持治具で固定
し、真空状態で凹形状の側面部の金属蒸着フィルムの重
ね代部分を超音波溶着して真空断熱材を作り、内箱ある
いは外箱面に貼り付け固定した後、独立気泡硬質ウレタ
ン断熱材を発泡充填して製造する方法である。

【００１４】

【作用】本発明は、上記した構成によって、真空断熱材
の袋を周縁辺を有する凹形状に成形し、凹形状底部に金
属箔を貼り付けた金属蒸着フィルムと、金属ラミネ−ト
フィルムシ−トとを周縁辺で熱溶着した袋としたので、
熱溶着した周縁辺が金属ラミネ−トフィルムシ−ト面に
一致し、かつ、波うったり、しわが寄ったりしていない
ため、内箱あるいは外箱面に金属ラミネ−トフィルムシ
−ト面を貼り付け固定した場合、前記周縁辺が内箱と外
箱からなる空間の中空に位置することがなく、内箱ある
いは外箱面に貼り付け固定されるため、独立気泡硬質ウ
レタン断熱材が発泡充填する過程で前記周縁辺が独立気
泡硬質ウレタン断熱材の流動性を阻害することがなく、
ボイドや低密度箇所が発生しない。したがって、気温の
変化で独立気泡硬質ウレタン断熱材の発泡剤であるフロ
ンガスに圧力変化が生じても、内箱や外箱が変形するこ
とは無く、真空断熱材の使用容積を需要者が目にする外
観を要求する部分にも拡大できるという効果がある。

【００１５】本発明は、上記した構成によって、真空断
熱材の袋を周縁辺を有しない凹形状に成形し、２つの凹
形状金属蒸着フィルムの４つの側面を超音波溶着した袋
としたので、周縁辺がなく、内箱あるいは外箱面に貼り
付け固定した場合、周縁辺がないため、独立気泡硬質ウ
レタン断熱材が発泡充填する過程で流動性を阻害するこ
とがなく、ボイドや低密度箇所が発生しない。したがっ
て、気温の変化で独立気泡硬質ウレタン断熱材の発泡剤
であるフロンガスに圧力変化が生じても、内箱や外箱が
変形することは無く、真空断熱材の使用容積を需要者が
目にする外観を要求する部分にも拡大できるという効果
がある。

【００１６】本発明は、金属蒸着フィルムを周縁辺を有
する凹形状に真空成形し、凹形状底部にアルミ箔を貼り
付け、次に前記凹形状部に同形状した連通硬質ウレタン
フォ−ムとシ−ト型吸着材とを配設し、そのうえに金属
ラミネ−トフィルムシ−トをかぶせ−真空チャンバ−内
の凹形状の保持治具で固定し、真空状態で周縁辺を熱溶
着して真空断熱材作ることを可能とした。

【００１７】本発明は、金属蒸着フィルムを真空成形
し、周縁辺を有しない凹形状に成形し、次に前記凹形状
部に同形状した連通硬質ウレタンフォ−ムとシ−ト型吸
着材とを配設し、そのうえにもう一つの前記凹形状金属
蒸着フィルムをかぶせ真空チャンバ−内の凹形状の保持
治具で固定し、真空状態で凹形状の側面部の金属蒸着フ
ィルムの重ね代部分を超音波溶着して真空断熱材を作る
ことを可能とした。

【００１８】

【実施例】図１〜図２３は本発明の一実施例の断熱箱体
を示す。図２４〜図２８で説明した従来例と同一構成に
ついては、同一番号を付してその詳細な説明を省略す
る。

【００１９】本発明は、図１から図４において、１５は
周縁辺１６を有する凹形状のアルミ蒸着フィルムであ
り、１７は凹形状底部に貼ったアルミ箔である。１８は
前記凹形状部に配設した連通硬質ウレタンフォ−ムで、
１９はシ−ト型吸着材である。２０はアルミラミネ−ト
フィルムシ−トで、凹形状のアルミ蒸着フィルム１５と
周縁辺１６で熱溶着してある。アルミ蒸着フィルム１５
は、ポリエステル、ポリエチレン、塩化ビニル等のプラ
スチックフィルムを数百μの多層に接着し、その一部に
数μから十数μのアルミ蒸着を施したものであり、独立
気泡硬質ウレタン断熱材１１に含まれるフロンガスや炭
酸ガスを遮断する機能を有する。ここでアルミは、銅や
金など他の金属でもよい。

【００２０】また、アルミラミネ−トフィルムシ−ト２
０は、前記多層のプラスチックフィルムの一部に十数μ
のアルミ箔を挟み込んだものであり、同じく前記ガスを
遮断する機能を有する。アルミ蒸着とアルミ箔を使い分
けているのは、アルミ蒸着フィルム１５は凹形状に成形
する必要からであり、そのためガス遮断性がアルミラミ
ネ−トフィルムシ−ト２０より劣るため、アルミ箔１７
を別途接着している。連通硬質ウレタンフォ−ム１８
は、気泡がすべて連続気泡の硬質のウレタンフォ−ムで
あり、真空脱気した場合の大気圧にも耐える強度を有す
る。シ−ト型吸着材１９は、従来例と同じ水酸化カルシ
ウム、活性炭などのガス吸着剤を接着材と混合し圧縮し
てシ−ト状に加工したものである。

【００２１】このような構成において、真空断熱材４の
周縁辺１６は、アルミラミネ−トフィルムシ−ト２０面
に一致し、かつ、波うったり、しわが寄ったりしていな
いため、内箱２あるいは外箱３面に、接着層９でぴった
りと隙間なく固定できるため、独立気泡硬質ウレタン断
熱材１１が発泡充填する過程で前記周縁辺１６が独立気
泡硬質ウレタン断熱材１１の流動性を阻害することがな
く、ボイドや低密度箇所１３が発生しない。したがっ
て、気温の変化で独立気泡硬質ウレタン断熱材１１の発
泡剤であるフロンガスに圧力変化が生じても、内箱や外
箱が変形することは無く、真空断熱材の使用容積を需要
者が目にする外観を要求する部分（断熱箱体１の背面だ
けでなくドアや側面、天面）にも拡大できるという効果
がある（図２３参照）。

【００２２】次に、断熱箱体を製造する方法を図５から
図１２に示す。図１〜図４また図２４〜図２８で説明し
た従来例と同一構成については、同一番号を付してその
詳細な説明を省略する。

【００２３】アルミ蒸着フィルム１５を周縁辺１６を有
する凹形状に真空成形し、凹形状底部にアルミ箔１７を
貼り付け、つぎに前記凹形状部に同形状した連通硬質ウ
レタンフォ−ム１１とシ−ト型吸着材１９とを配設し、
そのうえにアルミラミネ−トフィルムシ−ト２０をかぶ
せ、真空チャンバ−２１内の凹形状の保持治具２２で固
定し、溶着治具２３で９．３Pa以下の真空状態で周縁辺
１６を熱溶着して真空断熱材４作る。次に内箱２と外箱
３とからなる空間１０の内箱ふあるいは外箱３面に前記
アルミラミネ−トフィルムシ−ト２０面を接着層９で貼
り付け固定し、さらに前記空間１０に独立気泡硬質ウレ
タン断熱材１１を発泡してつくる断熱箱体１の製造方法
である。

【００２４】このような製造方法においては、真空成形
による凹形状の成形と、保持治具２２で固定しながらの
周縁辺１６の熱溶着のため、周縁辺１６がアルミラミネ
−トフィルムシ−ト２０面に一致し、かつ、波うった
り、しわが寄ったりせず、真空断熱材４を極めて容易に
製造することができ、真空断熱材の使用容積を需要者が
目にする外観を要求する部分（断熱箱体１の背面だけで
なくドアや側面、天面）にも拡大した断熱箱体１を、安
定して容易に製造することができるという効果がある。

【００２５】また、図１３から図１５において説明す
る。図１〜図１２また図２４〜図２８で説明した従来例
と同一構成については、同一番号を付してその詳細な説
明を省略する。

【００２６】２４は周縁辺８がない凹形状のアルミ蒸着
フィルムであり、２５は２４と上下蓋のはめ合になる凹
形状のアルミ蒸着フィルムである。１７は凹形状底部に
貼ったアルミ箔であり、１８は前記凹形状部に配設した
連通硬質ウレタンフォ−ムで、１９はシ−ト型吸着材で
ある。２６は超音波溶着部である。

【００２７】このような構成において、真空断熱材４
は、超音波溶着部２６が本体の側面にあるため周縁辺８
をもたないため、内箱２あるいは外箱３面に接着層９で
固定した場合に、独立気泡硬質ウレタン断熱材１１が発
泡充填する過程で流動性を阻害することがなく、ボイド
や低密度箇所１３が発生しない。したがって、気温の変
化で独立気泡硬質ウレタン断熱材１１の発泡剤であるフ
ロンガスに圧力変化が生じても、内箱や外箱が変形する
こと、は無く、真空断熱材の使用容積を需要者が目にす
る外観を要求する部分（断熱箱体１の背面だけでなくド
アや側面、天面）にも拡大できるという効果がある（図
２３参照）。

【００２８】次に、断熱箱体を製造する方法を図１６か
ら図２２に示す。図１〜図１５また図２４〜図２８で説
明した従来例と同一構成については、同一番号を付して
その詳細な説明を省略する。

【００２９】アルミ蒸着フィルム２４または２５を周縁
辺８を有しない凹形状に真空成形し、アルミ蒸着フィル
ム２４の凹形状底部にアルミ箔１７を貼り付け、つぎに
前記アルミ蒸着フィルム２４の凹形状部に同形状した連
通硬質ウレタンフォ−ム１１とシ−ト型吸着材１９とを
配設し、そのうえにアルミ蒸着フィルム２５をかぶせ、
真空チャンバ−２１内の凹形状の保持治具２２で固定す
る。保持治具２２には、アルミ蒸着フィルム２５の周縁
の側面部分と密着して超音波溶着端子２７が配設してあ
り、真空チャンバ−２１内が９．３Pa以下の真空状態に
なると前記アルミ蒸着フィルム２４と２５の側面の重ね
代部分２６を超音波溶着して、超音波溶着部２７を形成
し、真空断熱材４を作る。さらに内箱２と外箱３とから
なる空間１０の内箱ふあるいは外箱３面に前記アルミ蒸
着フィルム２５の面を接着層９で貼り付け固定し、さら
に前記空間１０に独立気泡硬質ウレタン断熱材１１を発
泡してつくる断熱箱体１の製造方法である。

【００３０】このような製造方法においては、真空成形
による周縁辺８を持たない凹形状の成形及び、超音波溶
着端子２８を持つ保持治具２２で固定しながら超音波溶
着部２７の作成により、真空断熱材４の製造を極めて容
易にすることができるので、真空断熱材の使用容積を需
要者が目にする外観を要求する部分（断熱箱体１の背面
だけでなくドアや側面、天面）にも拡大した断熱箱体１
を、安定して容易に製造することができるという効果が
ある。

【００３１】

【発明の効果】以上の説明から明かな様に本発明の断熱
箱体は、周縁辺を有する凹形状に成形し、凹形状底部に
金属箔を貼り付けた金属蒸着フィルムと、前記凹形状部
に配設した連通硬質ウレタンフォ−ムおよびシ−ト型吸
着材と、前記連通硬質ウレタンフォ−ムをおおい内部を
真空に保ち、周縁辺を熱溶着した金属ラミネートフィル
ムシートとからなる真空断熱材と、金属ラミネ−トフィ
ルムシ−ト面の接着層と、内箱と外箱とからなる空間の
内箱あるいは外箱面の被接着面と前記空間を満たす独立
気泡硬質ウレタン断熱材からなる構成であるため、真空
断熱材の周縁辺は、金属ラミネ−トフィルムシ−ト面に
一致し、かつ、波うったり、しわが寄ったりしていない
ので、内箱あるいは外箱面に、接着層でぴったりと隙間
なく固定できるため独立気泡硬質ウレタン断熱材が発泡
充填する過程で前記周縁辺が独立気泡硬質ウレタン断熱
材の流動性を阻害することがなく、ボイドや低密度箇所
が発生しない。したがって、気温の変化で独立気泡硬質
ウレタン断熱材の発泡剤であるフロンガスに圧力変化が
生じても、内箱や外箱が変形することは無く、真空断熱
材の使用容積を需要者が目にする外観を要求する部分
（断熱箱体背面だけでなくドアや側面、天面）にも拡大
できるという効果がある。

【００３２】また、本発明は、周縁辺を有しない凹形状
に成形した２つの金属蒸着フィルムと、前記２つの金属
蒸着フィルム間にいれた連通硬質ウレタンフォ−ムおよ
びシ−ト型吸着材と、前記凹形状の４つの側面に超音波
溶着部を有する真空断熱材と、金属蒸着フィルム面の接
着層と、内箱と外箱とからなる空間の内箱あるいは外箱
面の被接着面と前記空間を満たす独立発泡硬質ウレタン
断熱材からなる構成であるため、真空断熱材の袋に周縁
辺がないことにより、独立気泡硬質ウレタン断熱材が発
泡充填する過程で流動性を阻害されることがなく、ボイ
ドや低密度箇所が発生しない。したがって、気温の変化
で独立気泡硬質ウレタン断熱材の発泡剤であるフロンガ
スに圧力変化が生じても、内箱や外箱が変形することは
無く、真空断熱材の使用容積を需要者が目にする外観を
要求する部分にも拡大できるという効果がある。

【００３３】更に、本発明の断熱箱体の製造方法は、請
求項１の断熱箱体を、まず金属蒸着フィルムを周縁辺を
有する凹形状に真空成形し凹形状底部に金属箔を貼り付
け、次に前記凹形状部に同形状した連通硬質ウレタンフ
ォ−ムとシ−ト型吸着材とを配設し、そのうえに金属ラ
ミネ−トフィルムシ−トをかぶせ−真空チャンバ−内の
凹形状の保持治具で固定し、真空状態で周縁辺を熱溶着
して真空断熱材作り、内箱と外箱とからなる空間の内箱
あるいは外箱面に金属ラミネ−トフィルムシ−ト面を貼
り付け固定した後、独立気泡硬質ウレタン断熱材を発泡
充填して製造する方法であるので、真空成形による凹形
状の成形と保持治具で固定しながらの周縁辺の熱溶着の
ため、周縁辺が金属ラミネ−トフィルムシ−ト面に一致
し、かつ、波うったり、しわが寄ったりしていない真空
断熱材を極めて容易に製造することができ、真空断熱材
の使用容積を需要者が目にする外観を要求する部分（断
熱箱体１の背面だけでなくドアや側面、天面）にも拡大
した断熱箱体を、安定して容易に製造することができる
という効果がある。

【００３４】また、金属蒸着フィルムを真空成形し、周
縁辺を有しない凹形に成形し、次に前記凹形状部に同形
状した連通硬質ウレタンフォ−ムとシ−ト型吸着材とを
配設し、そのうえにもう一つの前記凹形状金属蒸着フィ
ルムをかぶせ、真空チャンバ−内の凹形状の保持治具で
固定し、真空状態で凹形状の側面部の金属蒸着フィルム
の重ね代部分を超音波溶着して真空断熱材を作り、内箱
あるいは外箱面に貼り付け固定した後、独立気泡硬質ウ
レタン断熱材を発泡充填して製造するため、真空成形に
よる周縁辺を持たない凹形状の成形と超音波溶着端子を
持つ保持治具で固定しながらの超音波溶着部の作成によ
り、真空断熱材の製造を極めて容易にすることができる
ので、真空断熱材の使用容積を需要者が目にする外観を
要求する部分（断熱箱体の背面だけでなくドアや側面、
天面）にも拡大した断熱箱体を、安定して容易に製造す
ることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の請求項１の実施例における断熱箱体の
真空断熱材の断面図

【図２】本発明の請求項１の実施例における断熱箱体の
真空断熱材の一部切り欠き斜視図

【図３】本発明の請求項１の実施例における断熱箱体の
断面図

【図４】本発明の請求項１の実施例における断熱箱体の
要部断面図

【図５】本発明の請求項３の実施例における断熱箱体の
製造工程のアルミ蒸着フィルムの斜視図

【図６】本発明の請求項３の実施例における断熱箱体の
製造工程の真空成形したアルミ蒸着フィルムの斜視図

【図７】本発明の請求項３の実施例における断熱箱体の
製造工程のうち、真空成形したアルミ蒸着フィルムにア
ルミ箔を貼り付けている工程の斜視図

【図８】本発明の請求項３の実施例における断熱箱体の
製造工程のうち、真空成形したアルミ蒸着フィルムにア
ルミ箔貼り付け後、連通硬質ウレタンフォ−ムとシ−ト
型吸着材を配設している工程の斜視図

【図９】本発明の請求項３の実施例における断熱箱体の
製造工程のうち、真空成形したアルミ蒸着フィルムに連
通硬質ウレタンフォ−ムとシ−ト型吸着材を配設後、さ
らにアルミラミネ−トフィルムシ−トを配設している工
程の斜視図

【図１０】本発明の請求項３の実施例における断熱箱体
の製造工程のうち、真空成形したアルミ蒸着フィルムに
連通硬質ウレタンフォ−ムとシ−ト型吸着材、アルミラ
ミネ−トフィルムシ−トを配設後、真空チャンバ−内で
周縁辺を熱溶着して真空断熱材をつくる工程の斜視図

【図１１】本発明の請求項３の実施例における断熱箱体
の製造工程によりできた真空断熱材の斜視図

【図１２】本発明の請求項３の実施例における断熱箱体
の製造工程のうち、真空断熱材を外箱に接着し、独立発
泡硬質ウレタン断熱材を発泡充填してできた断熱箱体の
断面図

【図１３】本発明の請求項２の実施例における断熱箱体
の真空断熱材の断面図

【図１４】本発明の請求項２の実施例における断熱箱体
の真空断熱材の一部切り欠き斜視図

【図１５】本発明の請求項２の実施例における断熱箱体
の要部断面図

【図１６】本発明の請求項４の実施例における断熱箱体
の製造工程のアルミ蒸着フィルムの斜視図

【図１７】本発明の請求項４の実施例における断熱箱体
の製造工程の真空成形したアルミ蒸着フィルムの斜視図

【図１８】本発明の請求項４の実施例における断熱箱体
の製造工程のうち、真空成形したアルミ蒸着フィルムに
アルミ箔を貼り付けている工程の斜視図

【図１９】本発明の請求項４の実施例における断熱箱体
の製造工程のうち、真空成形したアルミ蒸着フィルムに
アルミ箔貼り付け後、連通硬質ウレタンフォ−ムとシ−
ト型吸着材を配設し、さらにもうひとつの真空成形した
アルミ蒸着フィルムをかぶせている工程の斜視図

【図２０】本発明の請求項４の実施例における断熱箱体
の製造工程のうち、真空成形したアルミ蒸着フィルムに
連通硬質ウレタンフォ−ムとシ−ト型吸着材、アルミラ
ミネ−トフィルムシ−トを配設後、真空チャンバ−内で
重ね代部分を熱溶着して真空断熱材をつくる工程の斜視
図

【図２１】本発明の請求項４の実施例における断熱箱体
の製造工程によりできた真空断熱材の斜視図

【図２２】本発明の請求項４の実施例における断熱箱体
の製造工程のうち、真空断熱材を外箱に接着し、独立発
泡硬質ウレタン断熱材を発泡充填してできた断熱箱体の
断面図

【図２３】本発明の請求項１または３の応用例における
断熱箱体の斜め後方からの一部切り欠き斜視図

【図２４】従来例の断熱箱体の断面図

【図２５】従来例の断熱箱体の真空断熱材の断面図

【図２６】従来例の断熱箱体の真空断熱材の断面図

【図２７】従来例の断熱箱体の真空断熱材の断面図

【図２８】従来例の断熱箱体の要部断面図

【符号の説明】

１ 断熱箱体 ２ 内箱 ３ 外箱 ４ 真空断熱材 ９ 接着層 １０ 空間 １１ 独立気泡硬質ウレタン断熱材 １５ 周縁辺のある凹形状に成形するアルミ蒸着フィル
ム １６ 周縁辺 １７ アルミ箔 １８ 連通硬質ウレタンフォ−ム １９ シ−ト型吸着材 ２０ アルミラミネ−トフィルムシ−ト ２１ 真空チャンバ− ２２ 保持治具 ２４ 周縁辺のない凹形状に成形するアルミ蒸着フィル
ム ２５ 周縁辺のない凹形状に成形するアルミ蒸着フィル
ム ２６ 重ね代部分 ２７ 超音波溶着部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 室野 芳朗 大阪府東大阪市高井田本通３丁目22番地 松下冷機株式会社内 (72)発明者 谷本 康明 大阪府東大阪市高井田本通３丁目22番地 松下冷機株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 周縁辺を有する凹形状に成形し、凹形状
   底部に金属箔を貼り付けた金属蒸着フィルムと、前記凹
   形状部に配設した連通硬質ウレタンフォ−ムおよびシ−
   ト型吸着材と、前記連通硬質ウレタンフォ−ムをおおい
   内部を真空に保ち、周縁辺を熱溶着した金属ラミネ−ト
   フィルムシ−トとからなる真空断熱材と、内箱または外
   箱と金属ラミネ−トフィルムシ−ト間の接着層と、内箱
   と外箱と前記空間を満たす独立気泡硬質ウレタン断熱材
   とからなる断熱箱体。
2. 【請求項２】 周縁辺を有しない凹形状に成形した２つ
   の金属蒸着フィルムと、前記２つの金属蒸着フィルム間
   にいれた連通硬質ウレタンフォ−ムおよびシ−ト型吸着
   材と、前記凹形状の４つの側面に超音波溶着部を有する
   真空断熱材と、内箱または外箱と金属蒸着フィルム間の
   接着層と、内箱と外箱と前記空間を満たす独立気泡硬質
   ウレタン断熱材とからなる断熱箱体。
3. 【請求項３】 金属蒸着フィルムを周縁辺を有する凹形
   状に真空成形し、凹形状底部に金属箔を貼り付け、次に
   前記凹形状部に同形状した連通硬質ウレタンフォ−ムと
   シ−ト型吸着材とを配設し、そのうえに金属ラミネ−ト
   フィルムシ−トをかぶせ、真空チャンバ−内の凹形状の
   保持治具で固定し、真空状態で周縁辺を熱溶着して真空
   断熱材作り、次に内箱と外箱とからなる空間の内箱ある
   いは外箱面に前記金属ラミネ−トフィルムシ−ト面を貼
   り付け固定し、さらに前記空間に独立気泡硬質ウレタン
   断熱材を発泡してつくった断熱箱体の製造方法。
4. 【請求項４】 金属蒸着フィルムを真空成形し、周縁辺
   を有しない凹形状に成形し、次に前記凹形状部に同形状
   した連通硬質ウレタンフォ−ムとシ−ト型吸着材とを配
   設し、そのうえにもう一つの前記凹形状金属蒸着フィル
   ムをかぶせ、真空チャンバ−内の凹形状の保持治具で固
   定し、真空状態で凹形状の側面部の金属蒸着フィルムの
   重ね代部分を超音波溶着して真空断熱材を作り、次に内
   箱と外箱とからなる空間の内箱あるいは外箱面に前記真
   空断熱材を貼り付け固定し、さらに前記空間に独立気泡
   硬質ウレタン断熱材を発泡してつくった断熱箱体の製造
   方法。