JPH05256134A - 水冷式内燃機関の冷却装置 - Google Patents

水冷式内燃機関の冷却装置

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JPH05256134A
JPH05256134A JP1029393A JP1029393A JPH05256134A JP H05256134 A JPH05256134 A JP H05256134A JP 1029393 A JP1029393 A JP 1029393A JP 1029393 A JP1029393 A JP 1029393A JP H05256134 A JPH05256134 A JP H05256134A
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water jacket
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Takashi Moriya
隆史 守谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水冷式内燃機関において、そのシリンダヘッ
ド及びシリンダブロックの水ジャケット相互間の連通孔
形成に伴う機関本体の強度低下を抑えつつ、特にシリン
ダヘッドに対する冷却効果を向上させる。 【構成】 ブロック側水ジャケット47内の冷却水がヘ
ッド側水ジャケット42内を経てヘッド側の排出口44
より排出されるようにした冷却装置において、水ポンプ
Pからの冷却水をヘッド側水ジャケットとブロック側水
ジャケットとに分配流入させるべく、該水ポンプの吐出
通路25をヘッド側水ジャケットの流入口43及びブロ
ック側水ジャケットの流入口48にそれぞれ連通させ、
ヘッド側水ジャケットの流入口43には、該ヘッド側水
ジャケット内に流入する冷却水の流量を調整するための
流量調整弁46を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水冷式内燃機関の、冷却
効率を高めた冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の水冷式内燃機関においては、シリ
ンダブロックに取付けられた水ポンプからの加圧冷却水
を先ず前記シリンダブロックに形成したブロック側水ジ
ャケットに流入させた後、そこからシリンダヘッド側水
ジャケットに流入させ、該水ジャケットから冷却回路に
流れるように構成されたものが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところがシリンダブロ
ックは、一般にシリンダヘッドよりも熱容量が大きく、
熱の授受に伴う温度変化が少ない(即ち昇温しにくい)
ので、前述のようにシリンダヘッド側水ジャケットに先
だってブロック側水ジャケットに冷たい冷却水を流入さ
せるようにすると、機関の低温始動時の水温の立上りが
比較的遅くなって、冷却回路に接続されるヒータのヒー
タ特性が不良となり、また機関の高負荷運転域では、最
も高温に加熱されるシリンダヘッドの燃焼室及び点火プ
ラグ周りの冷却能率が悪い等の不具合があり、更に水ポ
ンプからヘッド側水ジャケットに向かう冷却水は全てブ
ロック側水ジャケットを経由することになるため、その
必要流量を確保すべく、ブロック側水ジャケットとヘッ
ド側水ジャケット間の連通孔の総開口面積を充分大きく
設定しなければならず、それだけ該連通孔の構造が複雑
で加工も面倒になると共に、該連通孔形成に伴う機関本
体の強度低下が大きくなる等の不具合もある。
【0004】本発明は上記に鑑み提案されたもので、従
来技術の上記不具合を全て解決し得る、水冷式内燃機関
の冷却装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そして上記目的を達成す
るために本発明は、相互間を一体的に結着されたシリン
ダブロック及びシリンダヘッドを備えた機関本体に、前
記シリンダブロックに形成したブロック側水ジャケット
と前記シリンダヘッドに形成したヘッド側水ジャケット
との間を連通させる連通孔を穿設し、前記ヘッド側水ジ
ャケットに排出口を開口し、前記ブロック側水ジャケッ
ト内の冷却水が前記連通孔及びヘッド側水ジャケットを
経て前記排出口より排出されるようにした、水冷式内燃
機関の冷却装置において、前記機関本体に水ポンプを設
け、この水ポンプからの冷却水を前記ヘッド側水ジャケ
ットとブロック側水ジャケットとに分配流入させるべ
く、該水ポンプの吐出通路を前記ヘッド側水ジャケット
の流入口及びブロック側水ジャケットの流入口にそれぞ
れ連通させ、前記ヘッド側水ジャケットの流入口には、
該ヘッド側水ジャケット内に流入する冷却水の流量を調
整するための流量調整弁を設けたことを特徴とする。
【0006】
【作用】熱容量が比較的小さく昇温し易いシリンダヘッ
ド側の水ジャケット内に該ヘッド側水ジャケットの流入
口より、水ポンプからの比較的低温の冷却水を、ブロッ
ク側水ジャケットを経ることなく直接導入することがで
きるから、その冷却水による熱交換能率が高められ、機
関の冷間始動時には冷却水温度の立ち上がりが早くな
る。また機関の高負荷運転時には、特に高温に加熱され
るシリンダヘッドの燃焼室及び点火プラグ周りが、水ポ
ンプからヘッド側水ジャケットに直接導入される比較的
冷たい冷却水によって効率よく有効に冷やされる。
【0007】また水ポンプからヘッド側水ジャケット内
に直接導入される冷却水の流量は上記流量調整弁によっ
て精度よく直接調整される。
【0008】更に水ポンプからの冷却水の一部がヘッド
側水ジャケット内へ直接流入することにより、それだけ
ブロック側水ジャケットを経てヘッド側水ジャケットへ
流れる冷却水量を減らすことができるから、そのブロッ
ク側水ジャケットとヘッド側水ジャケット間の連通孔の
総開口面積を比較的小さくすることができる。
【0009】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例について
説明する。機関本体Eは、一体化された、シリンダブロ
ック1、シリンダヘッド2およびクランクケース3を備
える。クランクケース3には、クランク軸4が回転自在
に支承され、またシリンダヘッド2には、クランク軸4
により調時伝動機構Tを介して回転駆動される動弁カム
軸5が回転自在に支承され、クランク軸4は通常のよう
にコンロッド7を介してピストン9に連動され、該ピス
トン9はシリンダブロック1内のシリンダに摺動自在に
嵌合される。また前記動弁カム軸5には吸、排気用の複
数の動弁カム10,11が一体に形成される。これらの
動弁カム10,11は通常のように動弁機構を作動す
る。シリンダヘッド2上には、前記動弁機構を被覆する
ヘッドカバー8が被冠される。
【0010】動弁カム軸5の調時伝動機構Tと反対側の
他端には、連結端子5aが一体に形成され、この連結端
子5aはシリンダヘッド2の一側端より外部に突出して
おり、その一端面には、前記連結端子5aを覆うように
してポンプケース18が固着され、このポンプケース1
8の軸受筒18aは、一側端の軸受6の軸受孔内にパッ
キン19を介して嵌挿される。前記ポンプケース18の
軸受筒18aには水ポンプPのポンプ軸20がボール軸
受21を介して回転自在に支承され、該ポンプ軸20の
軸線は、前記動弁カム軸5の軸線と同一線上にある。そ
して前記ポンプ軸20の基端には他の連結端子20aが
一体に形成され、該連結端子20aは、動弁カム軸5の
一端の連結端子5aと着脱自在に連結され、動弁カム軸
5とポンプ軸20とが直結される。ポンプ軸20の先端
には、ポンプケース18のポンプ室内にあるインペラ2
2が固着されこのインペラ22と前記ボール軸受21間
には、メカニカルシール23およびオイルシール24が
介在され、ポンプ室と、シリンダヘッド2内の動弁カム
室とは液密にシールされる。動弁カム軸5が回転される
と、これに直結される水ポンプPを直接駆動することが
できる。ポンプケース18に形成される吐出通路25
は、シリンダヘッド2に形成した冷却水導入通路45に
連通され、該導入通路45は、後に詳細に述べるように
シリンダヘッド2およびシリンダブロック1にそれぞれ
形成した水ジャケット42,47に分岐連通される。
【0011】前記ポンプケース18の吸込側開口端面に
は、サーモスタットケース29の出口側端面がパッキン
30を介して一体に結合されてユニットケースUが形成
される。サーモスタットケース29内にはワックス式の
サーモスタットSが収容支持される。このサーモスタッ
トSは従来公知のもので、サーモスタット弁31とバイ
パス弁32とが併設される。前記ユニットケースUには
ラジエタ38を介装したラジエタ回路CR に通じる第1
の流入ポート33、ヒータ39を介装したヒータ回路C
H に通じる第2の流入ポート34、およびバイパス回路
B に通じる第3の流入ポート35が開口され、さらに
前記水ポンプPの吐出通路25に通じる1つの出口ポー
ト36が開口される。前記第1の流入ポート33は前記
サーモスタット弁31を介して吸込口37に連通され、
また前記第3の流入ポート35は、前記バイパス弁32
を通って吸込口37に連通され、さらに前記第2の流入
ポート34は、前記サーモスタット弁31およびバイパ
ス弁32の開閉に無関係に吸込口37に連通される。機
関の始動時の如き、その冷間時には、図示の如くサーモ
スタット弁31が閉弁されるのに対してバイパス弁32
が開弁されているので、水ポンプPの作動により流動す
る冷却水はバイパス回路CB を流れ、また機関の運転継
続により冷却水温が上昇してくると、前記サーモスタッ
ト弁31が開弁し、一方バイパス弁32は閉弁し、冷却
水はラジエタ回路CR を流れる。
【0012】尚、前記ヒータ回路CH はサーモスタット
弁31およびバイパス弁32の開閉に関係なく常時冷却
水が流れ、ヒータ39は作動状態におかれる。
【0013】前記機関本体E内において、シリンダヘッ
ド2には、燃焼室40を取囲むようにヘッド側水ジャケ
ット42が該シリンダヘッド2の長手方向に縦通形成さ
れ、この水ジャケット42の一側に流入口43が、その
他側に排出口44がそれぞれ開口される。前記ヘッド側
水ジャケット42の一側には、前記流入口43に連通す
る冷却水導入通路45が形成され、該導入通路45の入
口は前記水ポンプケース18の吐出通路25に連通され
る。
【0014】前記ヘッド側水ジャケット42の流入口4
3には、該流入口43の開度を調節するための流量調整
弁、この実施例では感温弁46が設けられる。この感温
弁46は、前記流入口43を流れる冷却水の水温が上昇
すると、上方に撓曲して流入口43の開度を大きくし、
逆に下降すると下方に撓曲して流入口43の開度を小さ
くするように作用する。
【0015】またシリンダブロック1には、サイアミー
ズシリンダ41を取囲むようにブロック側水ジャケット
47が形成され、この水ジャケット47の一側に流入口
48が開口され、この流入口48は、ガスケットGを貫
通して前記冷却水導入通路45に連通される。またブロ
ック側水ジャケット47とヘッド側水ジャケット42と
は、通常のようにガスケットGを貫通する複数の連通孔
49を通して互いに連通されている。シリンダヘッド2
の他側に開口される、前記排出口44には、第1,第2
および第3の流出ポート50,51および52が連通さ
れ、第1の流出ポート50は前記ラジエタ回路CR に、
第2の流出ポート51は前記ヒータ回路CH に、第3の
流出ポート52は前記バイパス回路CB にそれぞれ連通
される。
【0016】次に本発明の実施例の作用について説明す
る。 いま機関が運転され、クランク軸4が回転する
と、前記調時伝動機構Tを介して動弁カム軸5が駆動さ
れ、この動弁カム軸5に直結される水ポンプPが駆動さ
れる。
【0017】機関の始動時の如き、機関本体Eの冷却時
には、図1に示すようにサーモスタットSのサーモスタ
ット弁31が閉じまたそのバイパス弁が開いているの
で、冷却水はバイパス回路CB を通って水ポンプPと機
関本体E間を循環し、また機関が暖機されると、今度は
サーモスタット弁31が開き、バイパス弁32を閉じる
ので、冷却水はラジエタ回路CR を通って水ポンプPと
機関本体E間を循環する。
【0018】ブロック側水ジャケット47内に流入した
冷却水は、シリンダブロック1内の主としてサイアミー
ズシリンダ41の周りを冷却した後、複数の連通孔49
を通ってヘッド側水ジャケット42の、流入口43及び
流出口44間の中間各部へ流入する。ヘッド側水ジャケ
ット42内の冷却水はシリンダヘッド2の主として燃焼
室40の周りを冷却する。そして前記排出口44よりバ
イパス回路CB もしくはラジエタ回路CR と、ヒータ回
路CH へと流れる。
【0019】ところで機関本体E内では冷却水は次のよ
うに流れる。即ち、水ポンプPからの加圧冷却水は、吐
出通路25を通ってシリンダヘッド2内の冷却水導入路
45内に流入し、ここから前記流入口43,48をそれ
ぞれ経てヘッド側水ジャケット42とブロック側水ジャ
ケット47内に分配流入される。これにより、熱容量が
比較的小さく昇温し易いシリンダヘッド2側の水ジャケ
ット42内へも水ポンプPからの比較的低温の冷却水を
直接導入できるようになるので、その冷却水の熱交換能
率が高められ、機関の冷間始動時の水温の立ち上がりが
早くなって前記ヒータ39の特性が高められるから、暖
房効果が向上する。また機関の高負荷運転時には、特に
高温に加熱されるシリンダヘッド2の燃焼室40及び点
火プラグ(図示せず)の周囲が、水ポンプPからヘッド
側水ジャケット42に直接導入される比較的冷たい冷却
水によって効果的に冷却されるから、ノッキング等の異
常燃焼の発生を抑えられると共に吸,排気弁のシートや
ガイド部分の摩耗が低減される。
【0020】而して水ポンプPから前記各水ジャケット
42,47にそれぞれ直接導入される冷却水の流量割合
は、前記流量調整弁としての感温弁46によって制御さ
れる。即ちこの感温弁46は、例えば機関の始動直後の
如き機関本体Eの冷間時に於いては流入口43の開度を
比較的小さくしながらも、冷却水の一部を流入口43を
通してヘッド側水ジャケット42へ直接流入させ、一
方、機関の運転継続により機関本体Eが暖機されて高負
荷運転される時には、冷却水の温度は上昇するので、前
記感温弁46は開き方向に作動して流入口43の開度を
大きくする。
【0021】かくして、この実施例のように上記感温弁
46によって、水ポンプPからヘッド側水ジャケット4
2内に直接導入される冷却水の流量を、その冷却水の高
温時に低温時よりも大きくなるよう調整すると、シリン
ダヘッド2や冷却水の昇温が未だ十分でない暖機運転中
に於いてはシリンダヘッド2各部の、上記冷却水による
過冷却が回避されて暖機運転の安定が図られる一方、前
述の如く高負荷運転時に於いてはヘッド側水ジャケット
42に直接導入される比較的多量の冷却水によって、シ
リンダヘッド2の高温部を効率よく冷却することができ
る。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、相互間を
一体的に結着されたシリンダブロック及びシリンダヘッ
ドを備えた機関本体に、前記シリンダブロックに形成し
たブロック側水ジャケットと前記シリンダヘッドに形成
したヘッド側水ジャケットとの間を連通させる連通孔を
穿設し、前記ヘッド側水ジャケットに排出口を開口し、
前記ブロック側水ジャケット内の冷却水が前記連通孔及
びヘッド側水ジャケットを経て前記排出口より排出され
るようにした、水冷式内燃機関の冷却装置において、前
記機関本体に水ポンプを設け、この水ポンプからの冷却
水を前記ヘッド側水ジャケットとブロック側水ジャケッ
トとに分配流入させるべく、該水ポンプの吐出通路を前
記ヘッド側水ジャケットの流入口及びブロック側水ジャ
ケットの流入口にそれぞれ連通させ、前記ヘッド側水ジ
ャケットの流入口には、該ヘッド側水ジャケット内に流
入する冷却水の流量を調整するための流量調整弁を設け
たので、熱容量が比較的小さく昇温し易いシリンダヘッ
ド側の水ジャケット内へ該ヘッド側水ジャケットの流入
口より、水ポンプからの比較的低温の冷却水を、ブロッ
ク側水ジャケットを経ることなく直接導入することがで
きて、その冷却水の熱交換能率を大いに高めることがで
き、その結果、機関の冷間始動時の水温の立ち上がりが
早くなってヒータ特性を高めることができるから、暖房
効果の向上を図ることができる。しかも機関の高負荷運
転時には、特に高温に加熱されるシリンダヘッドの燃焼
室及び点火プラグ周りを、水ポンプからヘッド側水ジャ
ケットに直接導入される比較的冷たい冷却水によって効
果的に冷却することができるから、シリンダヘッドの冷
却性を高めてノッキング等の異常燃焼の発生を抑えると
共に吸,排気弁のシートやガイド等の可動部分の摩耗を
低減することができる。
【0023】また上記水ポンプからヘッド側水ジャケッ
ト内に直接導入される冷却水の流量は、該ヘッド側水ジ
ャケットの流入口に設けた上記流量調整弁によって直接
調整されるから、その流量制御を常に精度よく的確に行
うことができる。
【0024】更に水ポンプからの冷却水の一部がヘッド
側水ジャケット内へ直接流入することにより、それだけ
ブロック側水ジャケットを経てヘッド側水ジャケットへ
流れる冷却水量を減らすことができるから、そのブロッ
ク側水ジャケットとヘッド側水ジャケット間の連通孔の
総開口面積を小さくすることができて、それだけ該連通
孔の構造が簡単で加工も容易であると共に、該連通孔形
成に伴う機関本体の強度低下を少なくすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明装置を備えた内燃機関の一実施例
を示す概略側面図
【図2】図2は本発明装置の要部縦断面図
【図3】図3は図2の一部拡大断面図
【符号の説明】
E 機関本体 P 水ポンプ 1 シリンダブロック 2 シリンダヘッド 25 吐出通路 42 ヘッド側水ジャケット 43 流入口 44 排出口 45 冷却水導入通路 46 流量制御弁 47 ブロック側水ジャケット 48 流入口 49 連通孔
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】そして上記目的を達成す
るために本発明は、相互間を一体的に結着されたシリン
ダブロック及びシリンダヘッドを備えた機関本体に、前
記シリンダブロックに形成したブロック側水ジャケット
と前記シリンダヘッドに形成したヘッド側水ジャケット
との間を連通させる連通孔を穿設し、前記ヘッド側水ジ
ャケットに排出口を開口し、前記ブロック側水ジャケッ
ト内の冷却水が前記連通孔及びヘッド側水ジャケットを
経て前記排出口より排出されるようにした、水冷式内燃
機関の冷却装置において、前記機関本体に水ポンプを設
け、この水ポンプからの冷却水を前記ヘッド側水ジャケ
ットとブロック側水ジャケットとに分配流入させるべ
く、該水ポンプの吐出通路を前記ヘッド側水ジャケット
の流入口及びブロック側水ジャケットの流入口にそれぞ
れ連通させ、前記ヘッド側水ジャケットの流入口には、
該ヘッド側水ジャケット内に流入する冷却水の流量を調
整するための流量調整弁を設け、前記ヘッド側水ジャケ
ットの流入口及び排出口が、該ヘッド側水ジャケット
の、シリンダヘッド長手方向の一側部および他側部にそ
れぞれ開口されたことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】更に水ポンプからの冷却水の一部は、ヘッ
ド側水ジャケット一側部の流入口より同ジャケット内に
直接流入し、同ジャケット内を通り抜けて同ジャケット
他側部の排出口より排出されるから、ヘッド側水ジャケ
ットの一側部から他側部に亘る略全域に比較的冷たい冷
却水を十分に流通させることができる。その上、このよ
うに水ポンプからの冷却水の一部がブロック側水ジャケ
ットを経ずにヘッド側水ジャケットを直接通り抜けるこ
とで、それだけブロック側水ジャケットを経てヘッド側
水ジャケットへ向かう冷却水量を減らすことができるか
ら、水ジャケット間の連通孔の総開口面積を小さくす
ることができる。しかもブロック側水ジャケット内に導
入された冷却水はその大部分が上記連通孔を経てヘッド
側水ジャケット内に流入して、該ヘッド側水ジャケット
内を前述の如く直接通り抜けようとする冷却水と合流す
るから、その合流の際に冷却水に乱流を効果的に生じさ
せてヘッド側水ジャケット内における冷却水の淀みを少
なくすることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】前記機関本体E内において、シリンダヘッ
ド2には、燃焼室40を取囲むようにヘッド側水ジャケ
ット42が該シリンダヘッド2の長手方向に縦通形成さ
れ、この水ジャケット42の、前記長手方向の一側部に
流入口43が、またその他側部には排出口44がそれ
ぞれ開口される。前記ヘッド側水ジャケット42の一側
には、前記流入口43に連通する冷却水導入通路45が
形成され、該導入通路45の入口は前記水ポンプケース
18の吐出通路25に連通される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によれば熱容量が
比較的小さく昇温し易いシリンダヘッド側の水ジャケッ
ト内へ該ヘッド側水ジャケットの流入口より、水ポンプ
からの比較的低温の冷却水を、ブロック側水ジャケット
を経ることなく直接導入することができるので、その冷
却水の熱交換能率を大いに高めることができ、その結
果、機関の冷間始動時の水温の立ち上がりが早くなって
ヒータ特性を高めることができるから、暖房効果の向上
を図ることができる。しかも機関の高負荷運転時には、
特に高温に加熱されるシリンダヘッドの燃焼室及び点火
プラグ周りを、水ポンプからヘッド側水ジャケットに直
接導入される比較的冷たい冷却水によって効果的に冷却
することができるから、シリンダヘッドの冷却性を高め
てノッキング等の異常燃焼の発生を抑えると共に吸,排
気弁のシートやガイド等の可動部分の摩耗を低減するこ
とができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】更に水ポンプからの冷却水の一部は、ヘッ
ド側水ジャケット一側部の流入口より同ジャケット内に
直接流入し、同ジャケット内を通り抜けて同ジャケット
他側部の排出口より排出されるから、ヘッド側水ジャケ
ットの一側部から他側部に亘る略全域に比較的冷たい冷
却水を十分に流通させてシリンダヘッドを全体的に効率
よく冷却することができる。その上、このように水ポン
プからの冷却水の一部がブロック側水ジャケットを経ず
にヘッド側水ジャケットを直接通り抜けることで、それ
だけブロック側水ジャケットを経てヘッド側水ジャケッ
トへ向かう冷却水量を減らすことができるから、その
水ジャケット間の連通孔の総開口面積を小さくすること
ができて、該連通孔形成に伴う機関本体の強度低下を少
なくすることができる。しかもブロック側水ジャケット
内に導入された冷却水はその大部分が上記連通孔を経て
ヘッド側水ジャケット内に流入して、該ヘッド側水ジャ
ケット内を前述の如く直接通り抜けようとする冷却水と
合流するから、その合流の際に冷却水に乱流を効果的に
生じさせることができ、従ってその乱流効果によりヘッ
ド側水ジャケット内における冷却水の淀みを少なくする
ことができて、シリンダヘッドを一層効率よく冷却する
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互間を一体的に結着されたシリンダブ
    ロック(1)及びシリンダヘッド(2)を備える機関本
    体(E)に、前記シリンダブロック(1)に形成したブ
    ロック側水ジャケット(47)と前記シリンダヘッド
    (2)に形成したヘッド側水ジャケット(42)との間
    を連通させる連通孔(49)を穿設し、前記ヘッド側水
    ジャケット(42)に排出口(44)を開口し、前記ブ
    ロック側水ジャケット(47)内の冷却水が前記連通孔
    (49)及びヘッド側水ジャケット(42)を経て前記
    排出口(44)より排出されるようにした、水冷式内燃
    機関の冷却装置において、前記機関本体(E)に水ポン
    プ(P)を設け、この水ポンプ(P)からの冷却水を前
    記ヘッド側水ジャケット(42)とブロック側水ジャケ
    ット(47)とに分配流入させるべく、該水ポンプ
    (P)の吐出通路(25)を前記ヘッド側水ジャケット
    (42)の流入口(43)及びブロック側水ジャケット
    (47)の流入口(48)にそれぞれ連通させ、前記ヘ
    ッド側水ジャケット(42)の流入口(43)には、該
    ヘッド側水ジャケット(42)内に流入する冷却水の流
    量を調整するための流量調整弁(46)を設けたことを
    特徴とする、水冷式内燃機関の冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記流量調整弁(46)は感温弁であっ
    て、前記ヘッド側水ジャケット(42)を流れる冷却水
    の温度上昇に伴ってその開度を増すようにした、請求項
    1に記載の水冷式内燃機関の冷却装置。
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