JP2004225556A - エンジンの冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリンダヘッドの触火面温度の気筒差低減およびライナー温度の気筒差低減を図れるエンジンの冷却装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ウォータホンプ8と、シリンダヘッド3を冷却する第1冷却水通路r1とシリンダライナ11周りを冷却する第2冷却水通路r2とを含む冷却水回路Rとを有し、冷却水を冷却水回路Aで循環させるエンジンの冷却装置において、ウォータポンプ8は冷却水を第1冷却水通路r1へ供給し、第1冷却水通路r1にはウォーターポンプ8からの冷却水が流入され、軸方向一端側から他端側に向けて流通させるように形成され他端側に冷却水導出部28を有し、第2冷却水通路r2は冷却水導出部28からの冷却水を導入する冷却水導入部30を有すると共に冷却水を吸気側又は排気側の一方を通して軸方向一端側に流通させ、その後吸気側又は排気側の他方を通して軸方向他端側に流通させる。
【選択図】 図1
【解決手段】ウォータホンプ8と、シリンダヘッド3を冷却する第1冷却水通路r1とシリンダライナ11周りを冷却する第2冷却水通路r2とを含む冷却水回路Rとを有し、冷却水を冷却水回路Aで循環させるエンジンの冷却装置において、ウォータポンプ8は冷却水を第1冷却水通路r1へ供給し、第1冷却水通路r1にはウォーターポンプ8からの冷却水が流入され、軸方向一端側から他端側に向けて流通させるように形成され他端側に冷却水導出部28を有し、第2冷却水通路r2は冷却水導出部28からの冷却水を導入する冷却水導入部30を有すると共に冷却水を吸気側又は排気側の一方を通して軸方向一端側に流通させ、その後吸気側又は排気側の他方を通して軸方向他端側に流通させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、水冷式内燃機関で用いられる冷却装置、特に、シリンダヘッドおよびシリンダブロックの両冷却水通路にウォーターポンプからの冷却水を循環させ、エンジン冷却を図るエンジンの冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の水冷式内燃機関の冷却装置においては、エンジン本体(シリンダブロック及びシリンダヘッド)内に配設されたウォータージャケットにウォーターポンプを用いて冷却水を循環させ、更に、ウォータージャケットの冷却水出口と冷却水入り口の間を連結する主循環路にラジエータを配備して冷却水の冷却を行なっている。しかも、主循環路の冷却水出口近傍にサーモスタットを配備し、サーモスタットを介して分岐路を延出させ、その分岐路の下流端を冷却水入り口に直接接続している。
【0003】
これにより、冷態時にサーモスタットが冷却水を分岐路に流して暖機を促進させ、暖気完了後はサーモスタットが冷却水を主循環路に流して冷却を促進させるようにしている。
ところで、エンジン本体の冷却水通路であるウォータージャケットはシリンダブロックとシリンダヘッドとに分離して配備され、これらの両ウォータージャケットに冷却水を循環させるにあたり、各種の循環方式が提案されている。
【0004】
例えば、 図5に示すように、ウォーターポンプ100から吐出された冷却水をシリンダブロック110内のライナー回りに回流させ、その後に冷却水をシリンダヘッド120に導き、シリンダヘッド120の長手方向に流し、次いでシリンダヘッド流出口130からの冷却水をラジエータ140を有する主循環路raを介しサーモスタット150に導き、或いは、分岐したバイパス路rbを介し直接サーモスタット150に導き、このサーモスタット150が低温時にバイパス路rbを、高温時に主循環路raを選択的に開いてウォーターポンプ100に冷却水を流入するというボトム・バイパス方式を採っている。この場合、シリンダヘッド120の縦流れf1を強化でき、シリンダヘッドの触火面温度の気筒差低減を図り易く、しかも、冷却水をUターン流れf2としてライナー回りに回流させるので、ライナー温度の気筒差低減を図り易い。
【0005】
次に、図6に示すように、サーモスタット150からの冷却水が流入するウォーターポンプ100を備え、同ポンプ100の吐出流を左右シリンダヘッド120L、120R、左右シリンダブロック110L、110Rに分岐して流し、その上で、左右シリンダヘッド120L、120R、より流出する冷却水を直接戻し路160に、左右シリンダブロック110R、110Lより流出する冷却水をウォーターコントロールバルブ170を介し戻し路160に、それぞれ戻している。この戻し路160は分岐されてバイパス路180を介し直接サーモスタット150に、あるいはラジエータ側主路190を介しサーモスタット150にそれぞれ連結され、これにより2系統冷却方式を構成している。
【0006】
この場合、暖気時にウォーターコントロールバルブ170を閉じて左右シリンダブロック110R、110Lの過冷却を確実に防止できる。
更に、上述の2系統冷却方式を構成するものであって、高出力時にはウォーターポンプの吐出流をシリンダヘッドに流してからシリンダブロックに流下させる、シリンダヘッド先行冷却タイプ(不図示)のものも知られている。
なお、シリンダヘッドとシリンダブロックにこの順で冷却水を流し、しかも、それぞれにおいて、Uターン流れで冷却水を回流させるようにした冷却装置が特許第3185581号(特許文献1)に開示される。
【0007】
【特許文献1】
特許第3185581号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述された図5のボトム・バイパス方式の場合、冷態時のシリンダブロック110の過冷却防止のため、シリンダブロック110の冷却水流量を絞ったり、止めたりすると、シリンダヘッド120の流量も同時に絞られたり止まったりするという問題がある。
一方、図6の2系統冷却方式の場合、高出力時にノック抑制のため、シリンダヘッドとシリンダブロックを共に冷却するには、冷却水がシリンダヘッド120L、120Rとシリンダブロック110R、110Lとに2分割されている関係上、ウォーターポンプ100の吐出容量を比較的大きくする必要があり、駆動力損失が大きくなる。
【0009】
更に、2系統冷却方式を構成するもので、シリンダヘッド先行冷却タイプ(不図示)のものでは、シリンダヘッドよりシリンダヘッドガスケットを通過してシリンダブロックに冷却水を流すので、冷却水流れの速度成分による、流れの方向付けが困難であり、ライナー列回りにUターン流れを形成することも困難であった。
【0010】
このため、エンジンの冷却装置として、特に、縦流およびUターン流れを併設した方式の利点である、シリンダヘッドの触火面温度の気筒差低減を図れ、ライナー温度の気筒差低減を図れ、しかも、 エンジン冷態時のシリンダブロックの過冷却を防止のため、シリンダブロックの冷却水流量を調整したとしても、そのの変動の影響をシリンダヘッド側が受けることがないものが望まれている。しかも、エンジンの冷却装置、特に、2系統冷却方式のように、ウォーターポンプの吐出容量を過度に増加させ駆動力損失を招くということも避けることが望まれている。
【0011】
本発明は、以上のような課題に基づきなされたもので、シリンダブロックの冷却水流量を調整したとしても、その変動の影響をシリンダヘッド側が受けることがない上に、シリンダヘッドの触火面温度の気筒間格差低減およびライナー温度の気筒間格差低減を図れ、しかも、吐出容量を過度に増加させることのないエンジンの冷却装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明は、エンジンによって駆動されるウォータホンプと、上記エンジンのシリンダヘッド内に形成されて該シリンダヘッドを冷却する第1冷却水通路と上記エンジンのシリンダブロック内に形成されてシリンダライナ周りを冷却する第2冷却水通路とを含む冷却水回路と、を有し、上記ウォータポンプからの冷却水を上記冷却水回路内で循環させて上記エンジンを冷却するエンジンの冷却装置において、上記ウォータポンプは、上記冷却水を上記第1冷却水通路へ供給し、上記第1冷却水通路は、上記エンジンのクランク軸方向一端側で上記ウォーターポンプからの冷却水が流入され、該冷却水を上記軸方向一端側から他端側に向けて流通させるように形成されるとともに、該他端側に上記第2冷却水通路へ上記冷却水を導出する冷却水導出部を有し、上記第2冷却水通路は、上記軸方向他端側に上記冷却水導出部から導入される冷却水を導入する冷却水導入部を有すると共に、この冷却水導入部から流入される冷却水を、上記エンジンの吸気側又は排気側の一方を通して上記軸方向一端側に向かって流通させ、その後上記吸気側又は上記排気側の他方を通して同他方における上記軸方向他端側に向かって流通させるように形成されることを特徴とする。
【0013】
ここで、ウォーターポンプから吐出後の冷却水が全てシリンダヘッド内の第1冷却水通路を通過してから冷却水導出部及び冷却水導入部を経てシリンダブロックの第2冷却水通路に流入し、ここで、エンジンの吸気側又は排気側の一方を通して軸方向一端側に向かって流通した上で吸気側又は排気側の他方へと回流し、Uターン流れを生成できる。
このように第1冷却水通路から第2冷却水通路に流入する冷却水は分流することがない上、一方向流れを容易に形成できるので、流動抵抗が少ない状態でウォーターポンプの吐出流量のほぼ全量をシリンダヘッドとシリンダブロックとに順次流すことができ、ウォーターポンプの駆動損失が低減され、エンジンの冷却効率が向上し、耐ノック性が向上する。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1記載のエンジンの冷却装置において、上記冷却水回路は、上記第1冷却水通路の上記軸方向他端側と上記ウォーターポンプとを連通する第1連通路と、上記第2冷却水通路の上記吸気側又は上記排気側の他方における軸方向他端側に形成した開口部と上記ウォーターポンプとをラジエータを介して連通する第2連通路と、上記冷却水の温度が所定値以下のときには、上記第1連通路の冷却水の流通を許容するとともに上記第2連通路の冷却水の流通を遮断し、上記冷却水温度が所定値を超えるときには、上記第1連通路の冷却水の流通を遮断するとともに上記第2連通路の冷却水の流通を許可する制御弁と、を有することを特徴とする。
ここで、冷却水の温度が所定値以下で制御弁は第1連通路にのみ冷却水の流通を許可して暖気促進を図り、冷却水温度が所定値を超えると制御弁は第2連通路の流通を許可してラジエータで冷却水を冷却してエンジンの冷却効率を向上させ、耐ノック性を向上させる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載のエンジンの冷却装置において、上記冷却水導入部は、上記冷却水導出部から流入する冷却水の速度成分を、上記軸方向他端側から上記軸方向一端側へ向かう方向に変更する速度成分変更部を有することを特徴とする。
ここで、冷却水導入部は速度成分変更部により、同部を通過する冷却水の速度成分を軸方向他端側から軸方向一端側へ向かう方向に変更するので、同導入部より冷却水に方向付けが成されると共に冷却水に速度成分が付与されることより、第2冷却水通路に流入した冷却水が一方向流れを容易に形成でき、エンジンの冷却効率が向上し、耐ノック性が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1、2に示すエンジンの冷却装置は、図示しない車両のエンジン1に搭載され、循環する冷却水によってエンジン本体を水冷する。このエンジン1はシリンダブロック2の上下にシリンダヘッド3、オイルパン4を一体結合してエンジン本体を構成し、エンジン本体の前方(図1で右側、図2で左側)に上下パイプ6、7を用いて接続されているラジエータ5が配置され、しかも、シリンダブロック2の後側(図1で左側、図2で右側)に不図示のクランクシャフトの回転に伴って駆動されるウォーターポンプ8が一体的に取り付けられる。
【0017】
シリンダブロック2は前後左右に略矩形状を成すように縦向きの外壁9を連続形成し、それらに囲まれた内部に、4つのシリンダライナ11を各軸線方向を縦向きにした状態でシリンダブロック2の長手方向であるエンジン長手方向Xに順次直列状に配備している。しかも、各シリンダライナ11の上端及び下端は上壁12及び下壁13で相互に連結され、外壁9側と一体形成される。更に、下壁13の下方には不図示のクランク軸を枢支する軸受け部14およびその下方のクランク室15等が順次配備され、これらは一体的に鋳造されている。なお、場合により、上壁12はこれがシリンダブロックの一部として形成されないようにし、シリンダガスケット24により形成されるようにしても良い。
【0018】
このようなシリンダブロック2は外壁9と4つのシリンダライナ11からなるシリンダ列Mとの間に環状にシリンダブロック側ウォータジャケット16を形成している。
シリンダブロック側ウォータージャケット16(以後単に下ジャケットと記す)の前端側、即ち、吸気側又は排気側の一方のクランク軸方向他端側(図1で右側、図2で左側)の上部と対向する上壁12および外壁9にわたり冷却水導入部30が形成され、吸気側又は排気側の他方のクランク軸方向他端側である前端側の外壁9に開口部としての排出口39が形成される。この下ジャケット16は後述の冷却水回路Aに接続されている。
【0019】
図2、3および図4(a)に示すように、冷却水導入部30はシリンダヘッド3に形成される後述の冷却水導出部28から導出される冷却水を下ジャケット16に導入する部分で、上壁12およびガスケット24に形成された上開口部29とその下端に連続して形成され、下方に向けて徐々に長手方向Xに向けて扁平化される扁平部31、扁平部31の下部側で後方に湾曲して上下に末広がり状に拡大形成された縦長開口部32とで形成される。扁平部31の下端側には上開口部29側より縦長開口部32側に向けて連続して湾曲する速度成分変更部としての湾曲底壁33が形成される。
【0020】
湾曲底壁33は上開口部29側で下向き流であった冷却水を縦長開口部32においては横向き、すなわち、エンジン長手方向Xであって、下ジャケット16の内、エンジン1の排気側(軸方向一端側)部位E1に向かって流出させるよう機能する。即ち、冷却水導入部30はシリンダヘッド3の冷却水導出部28から下向きに流出する冷却水の速度成分を確保した状態で下ジャケット16の排気側部位E1に向け、上下に拡散した状態で冷却水を流出させるよう、即ち、方向付けすることができるよう機能する。
【0021】
なお、図4(a)に示すように、冷却水導入部30の扁平部31の上部側はガスケット24を介してシリンダヘッド3の下壁17に対向していたが、これに代えて、図4(b)に示すように、冷却水導入部30aの扁平部31aの上部側を湾曲壁面Faに形成し、扁平部31aの縦長開口部32aをシリンダヘッド3の下壁17側より下方にずらして形成し、これにより、縦長開口部32aから排出される冷却水の流速をより高めるようにしても良い。
【0022】
図1に示すように、下ジャケット16は環状に形成され、排気側部位E1に流出した冷却水は、シリンダ列Mに沿って流動し、端部でUターンして、エンジン1の吸気側(軸方向他端側)部位E2に向かって流動し、吸気側部位E2の下流端に位置する前端側の外壁9に形成された開口部としての排出口39に流入するという第2冷却水通路r2を流動する。排出口39は下パイプ7を介しラジエータ5に連通する。
【0023】
開口部としての排出口39は下ジャケット16の吸気側部位E2の直状延長線上に位置し、吸気側部位E2を流動する冷却水を湾曲させることなく速やかに流出させることができる。一方、冷却水導入部30の縦長開口部32から流出する冷却水は速度成分を確保した状態で下ジャケット16の排気側部位E1に確実に流出でき、一方、排出口39に向かう冷却水はシリンダ列Mの外周の下ジャケットをUターンして流動し、スムーズに第2冷却水通路r2を流動できる。このため、縦長開口部32から流出する冷却水が分岐して直接排出口39に向かうという流れfbを排除でき、 第2冷却水通路r2は流動抵抗の低減を図れ、ポンプ駆動損失を低減でき、しかも、気筒間で冷却特性にばらつきが生じることを確実に防止できる。
【0024】
シリンダヘッド3はシリンダブロック2の上壁12にガスケット24を介して重ねられる下壁17を有し、その周縁より縦向きに延出する環状の外壁18と、外壁18の上端側に一体結合する上壁19とを備える。シリンダヘッド3の下壁17はシリンダブロック2側の各シリンダライナ11に対向する部位が凹状に形成され、エンジン1の各ボア部Cの上壁部Bを形成している。
【0025】
シリンダヘッド3の下壁17の上には不図示の動弁系、点火系の部材と干渉しない状態でシリンダヘッド側ウォータージャケットが形成され、同シリンダヘッド側ウォータージャケット21(以後単に上ジャケット記す)は後述の冷却水回路Aに接続されている。シリンダヘッド3の上ジャケット21はシリンダヘッド長手方向であるエンジン長手方向Xに連続する水路である第1冷却水通路r1を形成するもので、その前後端には出口22および入口23が形成される。入口23にはシリンダブロック2に配置されたウォーターポンプ8から吐出された冷却水が供給され、出口22は制御弁としてのサーモスタット26に連結される。
【0026】
ウォーターポンプ8はその流入口25が主パイプ27を介してサーモスタット26に連結され、吐出口36がシリンダヘッド3の上ジャケット21の入口23に連結される。
制御弁としてのサーモスタット26は上ジャケット21の出口22に連結された第1流入口41とラジエータ5に連結された第2流入口42と主パイプ27に連結された流出口43とを備える。
【0027】
なお、ここでは上ジャケット21の出口22よりサーモスタット26の第1流入口41、主パイプ27を経てウォーターポンプ8の流入口25に連通する通路を第1連通路sr1とする。更に、下ジャケット16の開口部である排出口39よりラジエータ5、第2流入口42、主パイプ27を経てウォーターポンプ8の流入口25に連通する通路を第2連通路sr2とする。
【0028】
制御弁としてのサーモスタット26は、冷却水の温度が所定の低温域にあると上ジャケット21からの冷却水を第1連通路sr1に沿って主パイプ27及びウォーターポンプ8に、冷却水の温度が所定の高温域にあると下ジャケット16からの冷却水を第2連通路sr2に沿ってラジエータ5、主パイプ27及びウォーターポンプ8に、それぞれ流動させるように切換え作動する。
【0029】
シリンダヘッド3の前端側(図1で右側)の下壁17でエンジン1の排気側部位(図2で手前側)には下向きに冷却水を導出させる断面円形の開口である冷却水導出部28が形成され、同冷却水導出部28の下端はシリンダブロックの冷却水導入部30の上開口部29に連結される。サーモスタット26の第1流入口41の閉鎖時にこの冷却水導出部28からこれに直結する冷却水導入部30に冷却水が流動することとなる。
【0030】
なお、シリンダヘッド3にはヒータ側流出口34が形成され、同ヒータ側流出口34から流出した冷却水はヒータコア35を介し主パイプ27の合流部dに連通する。なお、ヒータコア35は冷却水の暖気完了後に不図示の開閉弁の選択的な操作により冷却水をコア35に循環させることができ、車室の暖気に利用される。
【0031】
このような構成のエンジン冷却装置の作動を説明する。
エンジン1の駆動力によってウォーターポンプ8が駆動されると、ウォーターポンプ8は吸入口25から吸入した冷却水をその吐出口36より上ジャケット21の入口23に向けて吐出する。そして上ジャケット21に供給された冷却水は上ジャケット21内を前端側に向けて流動する。
【0032】
この場合、エンジン1が冷態時にあると、サーモスタット26は第2流入口42側の第2連通路sr2を閉じ、第1流入口41側の第1連通路sr1を開く。即ち、冷却水の温度が所定の低温域にあると、上ジャケット21の第1冷却水通路r1と第1連通路sr1側である、サーモスタット26と、主パイプ27と、ウォーターポンプ8とを循環する暖気サイクルR1で冷却水を流すこととなる。
【0033】
この暖気サイクルR1においてサーモスタット26は第2流入口42が閉鎖されることにより、シリンダヘッド3の冷却水導出部28及びシリンダブロック2の冷却水導入部30を介してシリンダブロック2側の下ジャケット16へ冷却水が供給され第2冷却水通路r2における冷却水の流動は阻止され、シリンダ列M側の過冷却は防止され、暖気促進が図られる。
【0034】
このように、シリンダブロック2での冷却水の流動を遮断、或いは低減調整したとしても、その変動の影響をシリンダヘッド3側が受けることがない。
エンジン1の暖機運転が進み、冷却水の温度が所定の高温域に達すると、サーモスタット26は第1流入口41側の第1連通路sr1を閉じ、第2流入口42側の第2連通路sr2側を開く。即ち、冷却水の温度が所定の高温域にあると、冷却水は上ジャケット21の第1冷却水通路r1から冷却水導出部28を通過してシリンダブロック2の冷却水導入部30に流下し、同部の縦長開口部32から下ジャケット16の排気側部位E1に流出する。
【0035】
この際、冷却水導出部28の扁平部31および縦長開口部32が冷却水を上下に末広がり状に拡散するので、下ジャケット16の排気側部位E1に冷却水を上下に拡散して流すことができる。しかも、速度成分変更部としての湾曲底壁33が下向きに流入してきた冷却水の速度成分をスムーズに湾曲させ、扁平部31および縦長開口部32を通過後の冷却水に下ジャケット16の排気側部位E1の延出方向である長手方向Xに向かう流速を付与でき、即ち、方向付けすることができる。
【0036】
このため、下ジャケット16の排気側部位E1に達した冷却水は速度成分をエンジン長手方向に確保した状態でシリンダ列Mに沿ってスムーズに流動し、端部でUターンして、エンジン1の吸気側部位E2に沿って流動し、吸気側部位E2の下流端(前側端)に位置する外壁9の排出口39に流入し、第2冷却水通路r2をスムーズに流動できる。
【0037】
この第2冷却水通路r2通過後の冷却水は第2連通路sr2側である、排出口39、下パイプ7、ラジエータ5を経て、サーモスタット26の第2流入口42を経て主パイプ27、ウォーターポンプ8へと流動し、冷却サイクルR2で冷却水を流すこととなる。
このように、冷却水温度の変化に応じてサーモスタット26が切り換わり、その影響を受けず、常にシリンダヘッド3側には冷却水が流れることとなる。
【0038】
更に、冷却サイクルR2でサーモスタット26の第1流入口41が閉鎖されていることより、シリンダヘッド3の第1冷却水通路r1を通過した冷却水を、シリンダブロック2側の第2冷却水通路r2へ循環させ、シリンダ列Mの冷却を行なうことができる。即ち、冷却サイクルR2において、ウォーターポンプ8からの冷却水を第1冷却水通路r1および第2冷却水通路r2に順次循環させることができ、第1冷却水通路r1を直状に流動する冷却水がシリンダヘッド3の触火面温度の気筒差低減を図りつつ冷却でき、しかも、第2冷却水通路r2をUターン流れとして流動する冷却水がライナー温度の気筒間格差を低減するように確実に安定して冷却できる。このように、ポンプ吐出容量を過度に増加させることなく、無駄の無い冷却駆動を行なえ、エンジンの冷却効率が向上し、耐ノック性が向上する。
【0039】
更に、暖気サイクルR1および冷却サイクルR2のいずれの場合も高温化し易いシリンダヘッド3側の第1冷却水通路r1に冷却水を先に流すので、冷却性能が安定する。
特に、冷却水導入部30は流入してきた冷却水の速度成分を第2冷却水路r2における排気側部位E1での流動方向に変更した状態で下ジャケット16の排気側部位E1に流出し、冷却水に方向付けを行なえる。排気側部位E1に達した冷却水はシリンダ列Mの後端側でUターンし、エンジン1の吸気側部位E2に沿って流動し、その上で吸気側部位E2を直状に延ばした延長状の位置にある排出口39に向かって流動する。
【0040】
このため、縦長開口部32から流出する冷却水は方向付けが成されており、しかも、この冷却水と排出口39に向かう冷却水の水流とが略シリンダ列Mの厚さ分だけ相互に離れて対向することより、相互に干渉し流動抵抗が増えるということを確実に防止できる。しかも、縦長開口部32から流出する冷却水が分岐して直接排出口39に向かう流れfbの発生を排除でき、第2冷却水通路r2の流動抵抗の低減を図れ、ポンプ駆動損失を比較的小さく抑えられる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明は、ウォーターポンプから吐出された冷却水がシリンダヘッド内の第1冷却水通路を通過してから冷却水導出部及び冷却水導入部を経てシリンダブロックの第2冷却水通路に流入し、ここで、エンジンの吸気側又は排気側の一方を通して軸方向一端側に向かって流通した上で吸気側又は排気側の他方へと回流し、Uターン流れを生成できるため、一方向流れを容易に形成できるので、流動抵抗が少ない状態でウォーターポンプから吐出される冷却水をシリンダヘッドとシリンダブロックとに順次流すことができ、ウォーターポンプの駆動損失が低減され、エンジンの冷却効率が向上し、耐ノック性が向上する。
【0042】
請求項2の発明は、冷却水の温度が所定値以下で制御弁は第1連通路へ冷却水を流して暖気促進を図り、冷却水温度が所定値を超えると制御弁は第2連通路へ冷却水を流して第2冷却水通路へ冷却水を供給するとともにラジエータで冷却水を冷却してエンジンの冷却効率を向上させ、耐ノック性を向上させる。
【0043】
請求項3の発明は、冷却水導入部は速度成分変更部により、同部を通過する冷却水の速度成分を軸方向他端側から軸方向一端側へ向かう方向に変更するので、同導入部より冷却水に方向付けが成されることより、第2冷却水通路に流入した冷却水が一方向流れを容易に形成でき、エンジンの冷却効率が向上し、耐ノック性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例としてのエンジンの冷却装置をエンジンに装着した状態の概略構成図である。
【図2】図1のエンジンの冷却装置の概略側面図である。
【図3】図1のシリンダブロックおよびシリンダヘッドにわたり設けられた冷却水導出部および冷却水導入部の拡大断面図である。
【図4】図1のシリンダブロックおよびシリンダヘッドにわたり設けられた冷却水導出部および冷却水導入部の外側面拡大斜視図を示し、(a)は図3の実施形態例、(b)は他の実施形態例である。
【図5】
従来のエンジンの冷却装置の概略構成図である。
【図6】
従来の他のエンジンの冷却装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 エンジン
3 シリンダヘッド
5 ラジエータ
8 ウォータホンプ
11 シリンダライナ
26 サーモスタット(制御弁)
27 冷却水導入部
28 冷却水導出部
39 排出口
r1 第1冷却水通路
r2 第2冷却水通路
sr1 第1連通路
sr2 第2連通路
A 冷却水回路
【産業上の利用分野】
本発明は、水冷式内燃機関で用いられる冷却装置、特に、シリンダヘッドおよびシリンダブロックの両冷却水通路にウォーターポンプからの冷却水を循環させ、エンジン冷却を図るエンジンの冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の水冷式内燃機関の冷却装置においては、エンジン本体(シリンダブロック及びシリンダヘッド)内に配設されたウォータージャケットにウォーターポンプを用いて冷却水を循環させ、更に、ウォータージャケットの冷却水出口と冷却水入り口の間を連結する主循環路にラジエータを配備して冷却水の冷却を行なっている。しかも、主循環路の冷却水出口近傍にサーモスタットを配備し、サーモスタットを介して分岐路を延出させ、その分岐路の下流端を冷却水入り口に直接接続している。
【0003】
これにより、冷態時にサーモスタットが冷却水を分岐路に流して暖機を促進させ、暖気完了後はサーモスタットが冷却水を主循環路に流して冷却を促進させるようにしている。
ところで、エンジン本体の冷却水通路であるウォータージャケットはシリンダブロックとシリンダヘッドとに分離して配備され、これらの両ウォータージャケットに冷却水を循環させるにあたり、各種の循環方式が提案されている。
【0004】
例えば、 図5に示すように、ウォーターポンプ100から吐出された冷却水をシリンダブロック110内のライナー回りに回流させ、その後に冷却水をシリンダヘッド120に導き、シリンダヘッド120の長手方向に流し、次いでシリンダヘッド流出口130からの冷却水をラジエータ140を有する主循環路raを介しサーモスタット150に導き、或いは、分岐したバイパス路rbを介し直接サーモスタット150に導き、このサーモスタット150が低温時にバイパス路rbを、高温時に主循環路raを選択的に開いてウォーターポンプ100に冷却水を流入するというボトム・バイパス方式を採っている。この場合、シリンダヘッド120の縦流れf1を強化でき、シリンダヘッドの触火面温度の気筒差低減を図り易く、しかも、冷却水をUターン流れf2としてライナー回りに回流させるので、ライナー温度の気筒差低減を図り易い。
【0005】
次に、図6に示すように、サーモスタット150からの冷却水が流入するウォーターポンプ100を備え、同ポンプ100の吐出流を左右シリンダヘッド120L、120R、左右シリンダブロック110L、110Rに分岐して流し、その上で、左右シリンダヘッド120L、120R、より流出する冷却水を直接戻し路160に、左右シリンダブロック110R、110Lより流出する冷却水をウォーターコントロールバルブ170を介し戻し路160に、それぞれ戻している。この戻し路160は分岐されてバイパス路180を介し直接サーモスタット150に、あるいはラジエータ側主路190を介しサーモスタット150にそれぞれ連結され、これにより2系統冷却方式を構成している。
【0006】
この場合、暖気時にウォーターコントロールバルブ170を閉じて左右シリンダブロック110R、110Lの過冷却を確実に防止できる。
更に、上述の2系統冷却方式を構成するものであって、高出力時にはウォーターポンプの吐出流をシリンダヘッドに流してからシリンダブロックに流下させる、シリンダヘッド先行冷却タイプ(不図示)のものも知られている。
なお、シリンダヘッドとシリンダブロックにこの順で冷却水を流し、しかも、それぞれにおいて、Uターン流れで冷却水を回流させるようにした冷却装置が特許第3185581号(特許文献1)に開示される。
【0007】
【特許文献1】
特許第3185581号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述された図5のボトム・バイパス方式の場合、冷態時のシリンダブロック110の過冷却防止のため、シリンダブロック110の冷却水流量を絞ったり、止めたりすると、シリンダヘッド120の流量も同時に絞られたり止まったりするという問題がある。
一方、図6の2系統冷却方式の場合、高出力時にノック抑制のため、シリンダヘッドとシリンダブロックを共に冷却するには、冷却水がシリンダヘッド120L、120Rとシリンダブロック110R、110Lとに2分割されている関係上、ウォーターポンプ100の吐出容量を比較的大きくする必要があり、駆動力損失が大きくなる。
【0009】
更に、2系統冷却方式を構成するもので、シリンダヘッド先行冷却タイプ(不図示)のものでは、シリンダヘッドよりシリンダヘッドガスケットを通過してシリンダブロックに冷却水を流すので、冷却水流れの速度成分による、流れの方向付けが困難であり、ライナー列回りにUターン流れを形成することも困難であった。
【0010】
このため、エンジンの冷却装置として、特に、縦流およびUターン流れを併設した方式の利点である、シリンダヘッドの触火面温度の気筒差低減を図れ、ライナー温度の気筒差低減を図れ、しかも、 エンジン冷態時のシリンダブロックの過冷却を防止のため、シリンダブロックの冷却水流量を調整したとしても、そのの変動の影響をシリンダヘッド側が受けることがないものが望まれている。しかも、エンジンの冷却装置、特に、2系統冷却方式のように、ウォーターポンプの吐出容量を過度に増加させ駆動力損失を招くということも避けることが望まれている。
【0011】
本発明は、以上のような課題に基づきなされたもので、シリンダブロックの冷却水流量を調整したとしても、その変動の影響をシリンダヘッド側が受けることがない上に、シリンダヘッドの触火面温度の気筒間格差低減およびライナー温度の気筒間格差低減を図れ、しかも、吐出容量を過度に増加させることのないエンジンの冷却装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明は、エンジンによって駆動されるウォータホンプと、上記エンジンのシリンダヘッド内に形成されて該シリンダヘッドを冷却する第1冷却水通路と上記エンジンのシリンダブロック内に形成されてシリンダライナ周りを冷却する第2冷却水通路とを含む冷却水回路と、を有し、上記ウォータポンプからの冷却水を上記冷却水回路内で循環させて上記エンジンを冷却するエンジンの冷却装置において、上記ウォータポンプは、上記冷却水を上記第1冷却水通路へ供給し、上記第1冷却水通路は、上記エンジンのクランク軸方向一端側で上記ウォーターポンプからの冷却水が流入され、該冷却水を上記軸方向一端側から他端側に向けて流通させるように形成されるとともに、該他端側に上記第2冷却水通路へ上記冷却水を導出する冷却水導出部を有し、上記第2冷却水通路は、上記軸方向他端側に上記冷却水導出部から導入される冷却水を導入する冷却水導入部を有すると共に、この冷却水導入部から流入される冷却水を、上記エンジンの吸気側又は排気側の一方を通して上記軸方向一端側に向かって流通させ、その後上記吸気側又は上記排気側の他方を通して同他方における上記軸方向他端側に向かって流通させるように形成されることを特徴とする。
【0013】
ここで、ウォーターポンプから吐出後の冷却水が全てシリンダヘッド内の第1冷却水通路を通過してから冷却水導出部及び冷却水導入部を経てシリンダブロックの第2冷却水通路に流入し、ここで、エンジンの吸気側又は排気側の一方を通して軸方向一端側に向かって流通した上で吸気側又は排気側の他方へと回流し、Uターン流れを生成できる。
このように第1冷却水通路から第2冷却水通路に流入する冷却水は分流することがない上、一方向流れを容易に形成できるので、流動抵抗が少ない状態でウォーターポンプの吐出流量のほぼ全量をシリンダヘッドとシリンダブロックとに順次流すことができ、ウォーターポンプの駆動損失が低減され、エンジンの冷却効率が向上し、耐ノック性が向上する。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1記載のエンジンの冷却装置において、上記冷却水回路は、上記第1冷却水通路の上記軸方向他端側と上記ウォーターポンプとを連通する第1連通路と、上記第2冷却水通路の上記吸気側又は上記排気側の他方における軸方向他端側に形成した開口部と上記ウォーターポンプとをラジエータを介して連通する第2連通路と、上記冷却水の温度が所定値以下のときには、上記第1連通路の冷却水の流通を許容するとともに上記第2連通路の冷却水の流通を遮断し、上記冷却水温度が所定値を超えるときには、上記第1連通路の冷却水の流通を遮断するとともに上記第2連通路の冷却水の流通を許可する制御弁と、を有することを特徴とする。
ここで、冷却水の温度が所定値以下で制御弁は第1連通路にのみ冷却水の流通を許可して暖気促進を図り、冷却水温度が所定値を超えると制御弁は第2連通路の流通を許可してラジエータで冷却水を冷却してエンジンの冷却効率を向上させ、耐ノック性を向上させる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載のエンジンの冷却装置において、上記冷却水導入部は、上記冷却水導出部から流入する冷却水の速度成分を、上記軸方向他端側から上記軸方向一端側へ向かう方向に変更する速度成分変更部を有することを特徴とする。
ここで、冷却水導入部は速度成分変更部により、同部を通過する冷却水の速度成分を軸方向他端側から軸方向一端側へ向かう方向に変更するので、同導入部より冷却水に方向付けが成されると共に冷却水に速度成分が付与されることより、第2冷却水通路に流入した冷却水が一方向流れを容易に形成でき、エンジンの冷却効率が向上し、耐ノック性が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1、2に示すエンジンの冷却装置は、図示しない車両のエンジン1に搭載され、循環する冷却水によってエンジン本体を水冷する。このエンジン1はシリンダブロック2の上下にシリンダヘッド3、オイルパン4を一体結合してエンジン本体を構成し、エンジン本体の前方(図1で右側、図2で左側)に上下パイプ6、7を用いて接続されているラジエータ5が配置され、しかも、シリンダブロック2の後側(図1で左側、図2で右側)に不図示のクランクシャフトの回転に伴って駆動されるウォーターポンプ8が一体的に取り付けられる。
【0017】
シリンダブロック2は前後左右に略矩形状を成すように縦向きの外壁9を連続形成し、それらに囲まれた内部に、4つのシリンダライナ11を各軸線方向を縦向きにした状態でシリンダブロック2の長手方向であるエンジン長手方向Xに順次直列状に配備している。しかも、各シリンダライナ11の上端及び下端は上壁12及び下壁13で相互に連結され、外壁9側と一体形成される。更に、下壁13の下方には不図示のクランク軸を枢支する軸受け部14およびその下方のクランク室15等が順次配備され、これらは一体的に鋳造されている。なお、場合により、上壁12はこれがシリンダブロックの一部として形成されないようにし、シリンダガスケット24により形成されるようにしても良い。
【0018】
このようなシリンダブロック2は外壁9と4つのシリンダライナ11からなるシリンダ列Mとの間に環状にシリンダブロック側ウォータジャケット16を形成している。
シリンダブロック側ウォータージャケット16(以後単に下ジャケットと記す)の前端側、即ち、吸気側又は排気側の一方のクランク軸方向他端側(図1で右側、図2で左側)の上部と対向する上壁12および外壁9にわたり冷却水導入部30が形成され、吸気側又は排気側の他方のクランク軸方向他端側である前端側の外壁9に開口部としての排出口39が形成される。この下ジャケット16は後述の冷却水回路Aに接続されている。
【0019】
図2、3および図4(a)に示すように、冷却水導入部30はシリンダヘッド3に形成される後述の冷却水導出部28から導出される冷却水を下ジャケット16に導入する部分で、上壁12およびガスケット24に形成された上開口部29とその下端に連続して形成され、下方に向けて徐々に長手方向Xに向けて扁平化される扁平部31、扁平部31の下部側で後方に湾曲して上下に末広がり状に拡大形成された縦長開口部32とで形成される。扁平部31の下端側には上開口部29側より縦長開口部32側に向けて連続して湾曲する速度成分変更部としての湾曲底壁33が形成される。
【0020】
湾曲底壁33は上開口部29側で下向き流であった冷却水を縦長開口部32においては横向き、すなわち、エンジン長手方向Xであって、下ジャケット16の内、エンジン1の排気側(軸方向一端側)部位E1に向かって流出させるよう機能する。即ち、冷却水導入部30はシリンダヘッド3の冷却水導出部28から下向きに流出する冷却水の速度成分を確保した状態で下ジャケット16の排気側部位E1に向け、上下に拡散した状態で冷却水を流出させるよう、即ち、方向付けすることができるよう機能する。
【0021】
なお、図4(a)に示すように、冷却水導入部30の扁平部31の上部側はガスケット24を介してシリンダヘッド3の下壁17に対向していたが、これに代えて、図4(b)に示すように、冷却水導入部30aの扁平部31aの上部側を湾曲壁面Faに形成し、扁平部31aの縦長開口部32aをシリンダヘッド3の下壁17側より下方にずらして形成し、これにより、縦長開口部32aから排出される冷却水の流速をより高めるようにしても良い。
【0022】
図1に示すように、下ジャケット16は環状に形成され、排気側部位E1に流出した冷却水は、シリンダ列Mに沿って流動し、端部でUターンして、エンジン1の吸気側(軸方向他端側)部位E2に向かって流動し、吸気側部位E2の下流端に位置する前端側の外壁9に形成された開口部としての排出口39に流入するという第2冷却水通路r2を流動する。排出口39は下パイプ7を介しラジエータ5に連通する。
【0023】
開口部としての排出口39は下ジャケット16の吸気側部位E2の直状延長線上に位置し、吸気側部位E2を流動する冷却水を湾曲させることなく速やかに流出させることができる。一方、冷却水導入部30の縦長開口部32から流出する冷却水は速度成分を確保した状態で下ジャケット16の排気側部位E1に確実に流出でき、一方、排出口39に向かう冷却水はシリンダ列Mの外周の下ジャケットをUターンして流動し、スムーズに第2冷却水通路r2を流動できる。このため、縦長開口部32から流出する冷却水が分岐して直接排出口39に向かうという流れfbを排除でき、 第2冷却水通路r2は流動抵抗の低減を図れ、ポンプ駆動損失を低減でき、しかも、気筒間で冷却特性にばらつきが生じることを確実に防止できる。
【0024】
シリンダヘッド3はシリンダブロック2の上壁12にガスケット24を介して重ねられる下壁17を有し、その周縁より縦向きに延出する環状の外壁18と、外壁18の上端側に一体結合する上壁19とを備える。シリンダヘッド3の下壁17はシリンダブロック2側の各シリンダライナ11に対向する部位が凹状に形成され、エンジン1の各ボア部Cの上壁部Bを形成している。
【0025】
シリンダヘッド3の下壁17の上には不図示の動弁系、点火系の部材と干渉しない状態でシリンダヘッド側ウォータージャケットが形成され、同シリンダヘッド側ウォータージャケット21(以後単に上ジャケット記す)は後述の冷却水回路Aに接続されている。シリンダヘッド3の上ジャケット21はシリンダヘッド長手方向であるエンジン長手方向Xに連続する水路である第1冷却水通路r1を形成するもので、その前後端には出口22および入口23が形成される。入口23にはシリンダブロック2に配置されたウォーターポンプ8から吐出された冷却水が供給され、出口22は制御弁としてのサーモスタット26に連結される。
【0026】
ウォーターポンプ8はその流入口25が主パイプ27を介してサーモスタット26に連結され、吐出口36がシリンダヘッド3の上ジャケット21の入口23に連結される。
制御弁としてのサーモスタット26は上ジャケット21の出口22に連結された第1流入口41とラジエータ5に連結された第2流入口42と主パイプ27に連結された流出口43とを備える。
【0027】
なお、ここでは上ジャケット21の出口22よりサーモスタット26の第1流入口41、主パイプ27を経てウォーターポンプ8の流入口25に連通する通路を第1連通路sr1とする。更に、下ジャケット16の開口部である排出口39よりラジエータ5、第2流入口42、主パイプ27を経てウォーターポンプ8の流入口25に連通する通路を第2連通路sr2とする。
【0028】
制御弁としてのサーモスタット26は、冷却水の温度が所定の低温域にあると上ジャケット21からの冷却水を第1連通路sr1に沿って主パイプ27及びウォーターポンプ8に、冷却水の温度が所定の高温域にあると下ジャケット16からの冷却水を第2連通路sr2に沿ってラジエータ5、主パイプ27及びウォーターポンプ8に、それぞれ流動させるように切換え作動する。
【0029】
シリンダヘッド3の前端側(図1で右側)の下壁17でエンジン1の排気側部位(図2で手前側)には下向きに冷却水を導出させる断面円形の開口である冷却水導出部28が形成され、同冷却水導出部28の下端はシリンダブロックの冷却水導入部30の上開口部29に連結される。サーモスタット26の第1流入口41の閉鎖時にこの冷却水導出部28からこれに直結する冷却水導入部30に冷却水が流動することとなる。
【0030】
なお、シリンダヘッド3にはヒータ側流出口34が形成され、同ヒータ側流出口34から流出した冷却水はヒータコア35を介し主パイプ27の合流部dに連通する。なお、ヒータコア35は冷却水の暖気完了後に不図示の開閉弁の選択的な操作により冷却水をコア35に循環させることができ、車室の暖気に利用される。
【0031】
このような構成のエンジン冷却装置の作動を説明する。
エンジン1の駆動力によってウォーターポンプ8が駆動されると、ウォーターポンプ8は吸入口25から吸入した冷却水をその吐出口36より上ジャケット21の入口23に向けて吐出する。そして上ジャケット21に供給された冷却水は上ジャケット21内を前端側に向けて流動する。
【0032】
この場合、エンジン1が冷態時にあると、サーモスタット26は第2流入口42側の第2連通路sr2を閉じ、第1流入口41側の第1連通路sr1を開く。即ち、冷却水の温度が所定の低温域にあると、上ジャケット21の第1冷却水通路r1と第1連通路sr1側である、サーモスタット26と、主パイプ27と、ウォーターポンプ8とを循環する暖気サイクルR1で冷却水を流すこととなる。
【0033】
この暖気サイクルR1においてサーモスタット26は第2流入口42が閉鎖されることにより、シリンダヘッド3の冷却水導出部28及びシリンダブロック2の冷却水導入部30を介してシリンダブロック2側の下ジャケット16へ冷却水が供給され第2冷却水通路r2における冷却水の流動は阻止され、シリンダ列M側の過冷却は防止され、暖気促進が図られる。
【0034】
このように、シリンダブロック2での冷却水の流動を遮断、或いは低減調整したとしても、その変動の影響をシリンダヘッド3側が受けることがない。
エンジン1の暖機運転が進み、冷却水の温度が所定の高温域に達すると、サーモスタット26は第1流入口41側の第1連通路sr1を閉じ、第2流入口42側の第2連通路sr2側を開く。即ち、冷却水の温度が所定の高温域にあると、冷却水は上ジャケット21の第1冷却水通路r1から冷却水導出部28を通過してシリンダブロック2の冷却水導入部30に流下し、同部の縦長開口部32から下ジャケット16の排気側部位E1に流出する。
【0035】
この際、冷却水導出部28の扁平部31および縦長開口部32が冷却水を上下に末広がり状に拡散するので、下ジャケット16の排気側部位E1に冷却水を上下に拡散して流すことができる。しかも、速度成分変更部としての湾曲底壁33が下向きに流入してきた冷却水の速度成分をスムーズに湾曲させ、扁平部31および縦長開口部32を通過後の冷却水に下ジャケット16の排気側部位E1の延出方向である長手方向Xに向かう流速を付与でき、即ち、方向付けすることができる。
【0036】
このため、下ジャケット16の排気側部位E1に達した冷却水は速度成分をエンジン長手方向に確保した状態でシリンダ列Mに沿ってスムーズに流動し、端部でUターンして、エンジン1の吸気側部位E2に沿って流動し、吸気側部位E2の下流端(前側端)に位置する外壁9の排出口39に流入し、第2冷却水通路r2をスムーズに流動できる。
【0037】
この第2冷却水通路r2通過後の冷却水は第2連通路sr2側である、排出口39、下パイプ7、ラジエータ5を経て、サーモスタット26の第2流入口42を経て主パイプ27、ウォーターポンプ8へと流動し、冷却サイクルR2で冷却水を流すこととなる。
このように、冷却水温度の変化に応じてサーモスタット26が切り換わり、その影響を受けず、常にシリンダヘッド3側には冷却水が流れることとなる。
【0038】
更に、冷却サイクルR2でサーモスタット26の第1流入口41が閉鎖されていることより、シリンダヘッド3の第1冷却水通路r1を通過した冷却水を、シリンダブロック2側の第2冷却水通路r2へ循環させ、シリンダ列Mの冷却を行なうことができる。即ち、冷却サイクルR2において、ウォーターポンプ8からの冷却水を第1冷却水通路r1および第2冷却水通路r2に順次循環させることができ、第1冷却水通路r1を直状に流動する冷却水がシリンダヘッド3の触火面温度の気筒差低減を図りつつ冷却でき、しかも、第2冷却水通路r2をUターン流れとして流動する冷却水がライナー温度の気筒間格差を低減するように確実に安定して冷却できる。このように、ポンプ吐出容量を過度に増加させることなく、無駄の無い冷却駆動を行なえ、エンジンの冷却効率が向上し、耐ノック性が向上する。
【0039】
更に、暖気サイクルR1および冷却サイクルR2のいずれの場合も高温化し易いシリンダヘッド3側の第1冷却水通路r1に冷却水を先に流すので、冷却性能が安定する。
特に、冷却水導入部30は流入してきた冷却水の速度成分を第2冷却水路r2における排気側部位E1での流動方向に変更した状態で下ジャケット16の排気側部位E1に流出し、冷却水に方向付けを行なえる。排気側部位E1に達した冷却水はシリンダ列Mの後端側でUターンし、エンジン1の吸気側部位E2に沿って流動し、その上で吸気側部位E2を直状に延ばした延長状の位置にある排出口39に向かって流動する。
【0040】
このため、縦長開口部32から流出する冷却水は方向付けが成されており、しかも、この冷却水と排出口39に向かう冷却水の水流とが略シリンダ列Mの厚さ分だけ相互に離れて対向することより、相互に干渉し流動抵抗が増えるということを確実に防止できる。しかも、縦長開口部32から流出する冷却水が分岐して直接排出口39に向かう流れfbの発生を排除でき、第2冷却水通路r2の流動抵抗の低減を図れ、ポンプ駆動損失を比較的小さく抑えられる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明は、ウォーターポンプから吐出された冷却水がシリンダヘッド内の第1冷却水通路を通過してから冷却水導出部及び冷却水導入部を経てシリンダブロックの第2冷却水通路に流入し、ここで、エンジンの吸気側又は排気側の一方を通して軸方向一端側に向かって流通した上で吸気側又は排気側の他方へと回流し、Uターン流れを生成できるため、一方向流れを容易に形成できるので、流動抵抗が少ない状態でウォーターポンプから吐出される冷却水をシリンダヘッドとシリンダブロックとに順次流すことができ、ウォーターポンプの駆動損失が低減され、エンジンの冷却効率が向上し、耐ノック性が向上する。
【0042】
請求項2の発明は、冷却水の温度が所定値以下で制御弁は第1連通路へ冷却水を流して暖気促進を図り、冷却水温度が所定値を超えると制御弁は第2連通路へ冷却水を流して第2冷却水通路へ冷却水を供給するとともにラジエータで冷却水を冷却してエンジンの冷却効率を向上させ、耐ノック性を向上させる。
【0043】
請求項3の発明は、冷却水導入部は速度成分変更部により、同部を通過する冷却水の速度成分を軸方向他端側から軸方向一端側へ向かう方向に変更するので、同導入部より冷却水に方向付けが成されることより、第2冷却水通路に流入した冷却水が一方向流れを容易に形成でき、エンジンの冷却効率が向上し、耐ノック性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例としてのエンジンの冷却装置をエンジンに装着した状態の概略構成図である。
【図2】図1のエンジンの冷却装置の概略側面図である。
【図3】図1のシリンダブロックおよびシリンダヘッドにわたり設けられた冷却水導出部および冷却水導入部の拡大断面図である。
【図4】図1のシリンダブロックおよびシリンダヘッドにわたり設けられた冷却水導出部および冷却水導入部の外側面拡大斜視図を示し、(a)は図3の実施形態例、(b)は他の実施形態例である。
【図5】
従来のエンジンの冷却装置の概略構成図である。
【図6】
従来の他のエンジンの冷却装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 エンジン
3 シリンダヘッド
5 ラジエータ
8 ウォータホンプ
11 シリンダライナ
26 サーモスタット(制御弁)
27 冷却水導入部
28 冷却水導出部
39 排出口
r1 第1冷却水通路
r2 第2冷却水通路
sr1 第1連通路
sr2 第2連通路
A 冷却水回路
Claims (3)
- エンジンによって駆動されるウォータホンプと、
上記エンジンのシリンダヘッド内に形成されて該シリンダヘッドを冷却する第1冷却水通路と上記エンジンのシリンダブロック内に形成されてシリンダライナ周りを冷却する第2冷却水通路とを含む冷却水回路と、を有し、
上記ウォータポンプからの冷却水を上記冷却水回路内で循環させて上記エンジンを冷却するエンジンの冷却装置において、
上記ウォータポンプは、上記冷却水を上記第1冷却水通路へ供給し、
上記第1冷却水通路は、上記エンジンのクランク軸方向一端側で上記ウォーターポンプからの冷却水が流入され、該冷却水を上記軸方向一端側から他端側に向けて流通させるように形成されるとともに、該他端側に上記第2冷却水通路へ上記冷却水を導出する冷却水導出部を有し、
上記第2冷却水通路は、上記軸方向他端側に上記冷却水導出部から導出される冷却水を導入する冷却水導入部を有すると共に、この冷却水導入部から流入される冷却水を、上記エンジンの吸気側又は排気側の一方を通して上記軸方向一端側に向かって流通させ、その後上記吸気側又は上記排気側の他方を通して同他方における上記軸方向他端側に向かって流通させるように形成される、
ことを特徴とするエンジンの冷却装置。 - 上記冷却水回路は、
上記第1冷却水通路の上記軸方向他端側と上記ウォーターポンプとを連通する第1連通路と、
上記第2冷却水通路の上記吸気側又は上記排気側の他方における軸方向他端側に形成した開口部と上記ウォーターポンプとをラジエータを介して連通する第2連通路と、
上記冷却水の温度が所定値以下のときには、上記第1連通路の冷却水の流通を許容するとともに上記第2連通路の冷却水の流通を遮断し、上記冷却水温度が所定値を超えるときには、上記第1連通路の冷却水の流通を遮断するとともに上記第2連通路の冷却水の流通を許可する制御弁と、
を有する、ことを特徴とする請求項1記載のエンジンの冷却装置。 - 上記冷却水導入部は、上記冷却水導出部から流入する冷却水の速度成分を、上記軸方向他端側から上記軸方向一端側へ向かう方向に変更する速度成分変更部を有する、ことを特徴とする請求項1又は2記載のエンジンの冷却装置。
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CN114592986A (zh) * | 2021-02-09 | 2022-06-07 | 长城汽车股份有限公司 | 用于车辆的发动机和车辆 |
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2003
- 2003-01-20 JP JP2003011047A patent/JP2004225556A/ja active Pending
Cited By (1)
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CN114592986A (zh) * | 2021-02-09 | 2022-06-07 | 长城汽车股份有限公司 | 用于车辆的发动机和车辆 |
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