JPH05255335A - 純粋なテトラヒドロ葉酸のジアステレオマーの塩の製造方法 - Google Patents
純粋なテトラヒドロ葉酸のジアステレオマーの塩の製造方法Info
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- JPH05255335A JPH05255335A JP4340766A JP34076692A JPH05255335A JP H05255335 A JPH05255335 A JP H05255335A JP 4340766 A JP4340766 A JP 4340766A JP 34076692 A JP34076692 A JP 34076692A JP H05255335 A JPH05255335 A JP H05255335A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D487/00—Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00
- C07D487/12—Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00 in which the condensed system contains three hetero rings
- C07D487/14—Ortho-condensed systems
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D475/00—Heterocyclic compounds containing pteridine ring systems
- C07D475/02—Heterocyclic compounds containing pteridine ring systems with an oxygen atom directly attached in position 4
- C07D475/04—Heterocyclic compounds containing pteridine ring systems with an oxygen atom directly attached in position 4 with a nitrogen atom directly attached in position 2
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】単純、安価で、工業規模で実施でき、環境に対
して悪影響を及ぼさずに、純粋なテトラヒドロ葉酸のジ
アステレオマーの塩を製造する方法の提供。 【構成】式(II)の(6RS)−N(10)ホルミル−
5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸の塩を水(水性緩衝
液)に溶解し、好ましくは不活性ガス雰囲気中で、酢酸
あるいは塩酸等とpH5.5−5.7の範囲で長時間混
合し、それに水溶性のアルカリ土類金属塩を加え、生じ
た固型物Aを単離し、該固型物を水に懸濁して、それに
塩酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等を
長時間かけて添加しpHを2.0−1.0の範囲、好ま
しくは1.5の値に安定させ、かくして得られた式
(I)の固型物を分離する、工程よりなる製造法。 〔式中Mはアルカリ金属陽イオンまたはNH4 +;Xは
陰イオンまたは陰イオンの等価物〕
して悪影響を及ぼさずに、純粋なテトラヒドロ葉酸のジ
アステレオマーの塩を製造する方法の提供。 【構成】式(II)の(6RS)−N(10)ホルミル−
5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸の塩を水(水性緩衝
液)に溶解し、好ましくは不活性ガス雰囲気中で、酢酸
あるいは塩酸等とpH5.5−5.7の範囲で長時間混
合し、それに水溶性のアルカリ土類金属塩を加え、生じ
た固型物Aを単離し、該固型物を水に懸濁して、それに
塩酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等を
長時間かけて添加しpHを2.0−1.0の範囲、好ま
しくは1.5の値に安定させ、かくして得られた式
(I)の固型物を分離する、工程よりなる製造法。 〔式中Mはアルカリ金属陽イオンまたはNH4 +;Xは
陰イオンまたは陰イオンの等価物〕
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、純粋なテトラヒドロ葉
酸のジアステレオマーの塩の製造方法に関する。
酸のジアステレオマーの塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】均一な6(S)−あるいは6(R)−の
形態を有する還元葉酸塩の製造方法は、国際特許出願P
CT/FR91/00185ならびに欧州特許出願第9
1 105 715.6号(公開番号第0 455 0
13 A1)に記載されている。本明細書には、さらに
別の従来技術も記載してある。これらの文献に言及する
ことによって、その記載内容も本明細書に開示したもの
とみなすものである。
形態を有する還元葉酸塩の製造方法は、国際特許出願P
CT/FR91/00185ならびに欧州特許出願第9
1 105 715.6号(公開番号第0 455 0
13 A1)に記載されている。本明細書には、さらに
別の従来技術も記載してある。これらの文献に言及する
ことによって、その記載内容も本明細書に開示したもの
とみなすものである。
【0003】N(5),N(10)−メテニル−THF
・Cl- が、中性あるいは塩基性のpH値の水性緩衝液
中で加水分解すると、N(10)−ホルミル−THFが
生じることが知られている。ロビンソン(D. R. Robins
on)、酵素学の方法(Methods in Enzymology )、19
71、第XVIII巻、第B部、184;スミスら(G.
K. Smith, P. A. Benkovic, S. J. Benkovic )、生化
学(Biochem.)、1981、20、4034;ならびに
ラビノウィッツ(J. C. Rabinowitz)、酵素学の方法
(Methods in Enzymology )、1963、6、814を
参照されたい。
・Cl- が、中性あるいは塩基性のpH値の水性緩衝液
中で加水分解すると、N(10)−ホルミル−THFが
生じることが知られている。ロビンソン(D. R. Robins
on)、酵素学の方法(Methods in Enzymology )、19
71、第XVIII巻、第B部、184;スミスら(G.
K. Smith, P. A. Benkovic, S. J. Benkovic )、生化
学(Biochem.)、1981、20、4034;ならびに
ラビノウィッツ(J. C. Rabinowitz)、酵素学の方法
(Methods in Enzymology )、1963、6、814を
参照されたい。
【0004】N(10)−ホルミル−THFを、熱によ
ってN(5)−ホルミル−THFに転化しうることも知
られている。上掲のロビンソン(D. R. Robinson)の論
文を参照されたい。 N(5),N(10)−メテニル
−THF・Cl- の純粋なジアステレオ異性体を加水分
解すると、これと対応したN(10)−ホルミル−TH
Fの純粋なジアステレオ異性体が得られる。上掲のスミ
ス(G. K. Smith )らの論文を参照されたい。
ってN(5)−ホルミル−THFに転化しうることも知
られている。上掲のロビンソン(D. R. Robinson)の論
文を参照されたい。 N(5),N(10)−メテニル
−THF・Cl- の純粋なジアステレオ異性体を加水分
解すると、これと対応したN(10)−ホルミル−TH
Fの純粋なジアステレオ異性体が得られる。上掲のスミ
ス(G. K. Smith )らの論文を参照されたい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、単
純、安価で、工業規模で実施することができ、しかも環
境に対して悪影響を及ぼすことのない、純粋なテトラヒ
ドロ葉酸のジアステレオマーの塩の製造方法を提供する
ことにある。
純、安価で、工業規模で実施することができ、しかも環
境に対して悪影響を及ぼすことのない、純粋なテトラヒ
ドロ葉酸のジアステレオマーの塩の製造方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の構成】式
(I):
(I):
【化10】 で、式中のXが陰イオンあるいは陰イオンの等価物であ
る(6R)−N(5),N(10)−メテニル−5,
6,7,8−テトラヒドロ葉酸の塩、ならびに対応する
酸付加塩および/または対応する分子内塩を製造するに
あたり、式(II):
る(6R)−N(5),N(10)−メテニル−5,
6,7,8−テトラヒドロ葉酸の塩、ならびに対応する
酸付加塩および/または対応する分子内塩を製造するに
あたり、式(II):
【化11】 で、式中のMがアルカリ金属陽イオンあるいはNH4 +
である(6RS)−N(10)−ホルミル−5,6,
7,8−テトラヒドロ葉酸のアンモニウムあるいはアル
カリ金属塩を、水あるいは水性の緩衝液に溶解し、好ま
しくは不活性ガス雰囲気中で、少なくとも1種の酸S1
と、pHの値が5.5−7.5の範囲となるまで長時間
をかけて混合し、次に、得られた混合物に、水溶性のア
ルカリ土類金属塩を加え、次に、生じた固形物Aを単離
し、この固形物を水に懸濁し、酸S2 を、生じた混合物
のpH測定値が2.0−1.0の範囲、好ましくは1.
5の値に安定するまで長時間をかけて加え、そして得ら
れた式(I)の固形物を分離する工程を含むことを特徴
とする方法。
である(6RS)−N(10)−ホルミル−5,6,
7,8−テトラヒドロ葉酸のアンモニウムあるいはアル
カリ金属塩を、水あるいは水性の緩衝液に溶解し、好ま
しくは不活性ガス雰囲気中で、少なくとも1種の酸S1
と、pHの値が5.5−7.5の範囲となるまで長時間
をかけて混合し、次に、得られた混合物に、水溶性のア
ルカリ土類金属塩を加え、次に、生じた固形物Aを単離
し、この固形物を水に懸濁し、酸S2 を、生じた混合物
のpH測定値が2.0−1.0の範囲、好ましくは1.
5の値に安定するまで長時間をかけて加え、そして得ら
れた式(I)の固形物を分離する工程を含むことを特徴
とする方法。
【0007】上記陰イオンXが、塩化物あるいは臭化物
であるのが好ましい。
であるのが好ましい。
【0008】上記酸付加塩が、ヒドロクロリド、ヒドロ
ブロミド、有機スルホン酸塩、たとえばメタンスルホン
酸塩、蟻酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、トリクロロ
酢酸塩、あるいはトリフルオロ酢酸塩であるのが好まし
い。
ブロミド、有機スルホン酸塩、たとえばメタンスルホン
酸塩、蟻酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、トリクロロ
酢酸塩、あるいはトリフルオロ酢酸塩であるのが好まし
い。
【0009】上記酸S1 が、水溶性の低級カルボン酸、
特に蟻酸および酢酸、ならびにハロゲン化水素酸、特に
HClおよびHBrよりなる群から選ばれ、好ましくは
水溶液として使用されるのが好ましい。
特に蟻酸および酢酸、ならびにハロゲン化水素酸、特に
HClおよびHBrよりなる群から選ばれ、好ましくは
水溶液として使用されるのが好ましい。
【0010】上記酸S1 の添加、ならびに上記アルカリ
土類金属塩の添加を、0℃−60℃、特に10℃−40
℃の範囲の温度で行うのが好ましい。
土類金属塩の添加を、0℃−60℃、特に10℃−40
℃の範囲の温度で行うのが好ましい。
【0011】上記アルカリ土類金属塩が、水溶性の低級
カルボン酸、特に蟻酸あるいは酢酸のアルカリ土類金属
塩、またはアルカリ土類金属のハロゲン化物、特に塩化
物および/または臭化物であり、好ましくは対応するカ
ルシウムあるいはマグネシウム塩であるのが好ましい。
カルボン酸、特に蟻酸あるいは酢酸のアルカリ土類金属
塩、またはアルカリ土類金属のハロゲン化物、特に塩化
物および/または臭化物であり、好ましくは対応するカ
ルシウムあるいはマグネシウム塩であるのが好ましい。
【0012】上記アルカリ土類金属塩を、式(II)の
化合物の使用量の、0.5−1.0モル当量、特に0.
7モル当量の量使用するのが好ましい。
化合物の使用量の、0.5−1.0モル当量、特に0.
7モル当量の量使用するのが好ましい。
【0013】式(II)の化合物を得るにあたって、式
(III):
(III):
【化12】 で、式中のXが上記定義の通りである、N(5),N
(10)−メテニル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉
酸の塩または対応する酸付加塩あるいは対応する分子内
塩の(6RS)−ジアステレオマー混合物の、必要に応
じて1種の緩衝液を含有する水性懸濁液に、対応する塩
基、好ましくは水素化ナトリウムあるいはアンモニア
を、20℃−60℃の範囲、特に50℃の温度で、pH
の値が、7.5−9.0の範囲の値、特に8.3に安定
するまでの長時間をかけて加えることを特徴とする方
法。
(10)−メテニル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉
酸の塩または対応する酸付加塩あるいは対応する分子内
塩の(6RS)−ジアステレオマー混合物の、必要に応
じて1種の緩衝液を含有する水性懸濁液に、対応する塩
基、好ましくは水素化ナトリウムあるいはアンモニア
を、20℃−60℃の範囲、特に50℃の温度で、pH
の値が、7.5−9.0の範囲の値、特に8.3に安定
するまでの長時間をかけて加えることを特徴とする方
法。
【0014】上記酸S2 が、塩化水素酸、p−トルエン
スルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、お
よびトリクロロ酢酸よりなる群から選ばれるのが好まし
い。
スルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、お
よびトリクロロ酢酸よりなる群から選ばれるのが好まし
い。
【0015】式(IV):
【化13】 で、式中のYがアルカリ土類金属陽イオン、特にCa2+
あるいはMg2+である(6R)−N(5),N(10)
−メテニル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸のヘミ
アルカリ土類金属塩を製造するにあたり、式(II):
あるいはMg2+である(6R)−N(5),N(10)
−メテニル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸のヘミ
アルカリ土類金属塩を製造するにあたり、式(II):
【化14】 で、式中のMがアルカリ金属陽イオンあるいはNH4 +
である(6RS)−N(10)−ホルミル−5,6,
7,8−テトラヒドロ葉酸のアンモニウムあるいはアル
カリ金属塩を、水あるいは水性の緩衝液に溶解し、好ま
しくは不活性ガス雰囲気中で、少なくとも1種の酸S1
と、pHの値が5.5−7.5の範囲となるまで長時間
をかけて混合し、次に、得られた混合物に、水溶性のア
ルカリ土類金属塩を加え、そして生じた式(IV)の固
形物Aを単離する工程を含むことを特徴とする方法。
である(6RS)−N(10)−ホルミル−5,6,
7,8−テトラヒドロ葉酸のアンモニウムあるいはアル
カリ金属塩を、水あるいは水性の緩衝液に溶解し、好ま
しくは不活性ガス雰囲気中で、少なくとも1種の酸S1
と、pHの値が5.5−7.5の範囲となるまで長時間
をかけて混合し、次に、得られた混合物に、水溶性のア
ルカリ土類金属塩を加え、そして生じた式(IV)の固
形物Aを単離する工程を含むことを特徴とする方法。
【0016】式(IV)は、必要によりX- で示される
陰イオンあるいは陰イオンの等価物を有していてもよ
く、上記陰イオンXが、塩化物あるいは臭化物であるの
が好ましい。
陰イオンあるいは陰イオンの等価物を有していてもよ
く、上記陰イオンXが、塩化物あるいは臭化物であるの
が好ましい。
【0017】上記酸付加塩が、ヒドロクロリド、ヒドロ
ブロミド、有機スルホン酸塩、たとえばメタンスルホン
酸塩、蟻酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、トリクロロ
酢酸塩、あるいはトリフルオロ酢酸塩であるのが好まし
い。
ブロミド、有機スルホン酸塩、たとえばメタンスルホン
酸塩、蟻酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、トリクロロ
酢酸塩、あるいはトリフルオロ酢酸塩であるのが好まし
い。
【0018】上記酸S1 が、水溶性の低級カルボン酸、
特に蟻酸および酢酸、ならびにハロゲン化水素酸、特に
HClおよびHBrよりなる群から選ばれ、好ましくは
水溶液として使用されるのが好ましい。
特に蟻酸および酢酸、ならびにハロゲン化水素酸、特に
HClおよびHBrよりなる群から選ばれ、好ましくは
水溶液として使用されるのが好ましい。
【0019】上記酸S1 の添加、ならびに上記アルカリ
土類金属塩の添加を、0℃−60℃、特に10℃−40
℃の範囲の温度で行うのが好ましい。
土類金属塩の添加を、0℃−60℃、特に10℃−40
℃の範囲の温度で行うのが好ましい。
【0020】上記アルカリ土類金属塩が、水溶性の低級
カルボン酸、特に蟻酸あるいは酢酸のアルカリ土類金属
塩、またはアルカリ土類金属のハロゲン化物、特に塩化
物および/または臭化物であり、好ましくは対応するカ
ルシウムあるいはマグネシウム塩であるのが好ましい。
カルボン酸、特に蟻酸あるいは酢酸のアルカリ土類金属
塩、またはアルカリ土類金属のハロゲン化物、特に塩化
物および/または臭化物であり、好ましくは対応するカ
ルシウムあるいはマグネシウム塩であるのが好ましい。
【0021】上記アルカリ土類金属塩を、式(II)の
化合物の使用量の、0.5−1.0モル当量、特に0.
7モル当量の量使用するのが好ましい。
化合物の使用量の、0.5−1.0モル当量、特に0.
7モル当量の量使用するのが好ましい。
【0022】式(II)の化合物を得るにあたって、式
(III):
(III):
【化15】 で、式中のXが上記定義の通りである、N(5),N
(10)−メテニル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉
酸の塩または対応する酸付加塩あるいは対応する分子内
塩の(6RS)−ジアステレオマー混合物の、必要に応
じて1種の緩衝液を含有する水性懸濁液に、対応する塩
基、好ましくは水素化ナトリウムあるいはアンモニア
を、20℃−60℃の範囲、特に50℃の温度で、pH
の値が、7.5−9.0の範囲の値、特に8.3に安定
するまでの長時間をかけて加えることを特徴とする方
法。
(10)−メテニル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉
酸の塩または対応する酸付加塩あるいは対応する分子内
塩の(6RS)−ジアステレオマー混合物の、必要に応
じて1種の緩衝液を含有する水性懸濁液に、対応する塩
基、好ましくは水素化ナトリウムあるいはアンモニア
を、20℃−60℃の範囲、特に50℃の温度で、pH
の値が、7.5−9.0の範囲の値、特に8.3に安定
するまでの長時間をかけて加えることを特徴とする方
法。
【0023】(6RS)−ジアステレオマー混合物の形
態、または(6R)−あるいは(6S)−ジアステレオ
マーの単独の形態である、式(IV’):
態、または(6R)−あるいは(6S)−ジアステレオ
マーの単独の形態である、式(IV’):
【化16】 で、式中のYがアルカリ土類金属陽イオン、特にCa2+
あるいはMg2+である、N(5),N(10)−メテニ
ル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸のヘミアルカリ
土類金属塩。
あるいはMg2+である、N(5),N(10)−メテニ
ル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸のヘミアルカリ
土類金属塩。
【0024】(6S)−N(5)−メチルTHF、およ
び/または(6S)−N(5)−ホルミルTHFを製造
するにあたっての、式(I)の化合物の出発物質として
の使用。
び/または(6S)−N(5)−ホルミルTHFを製造
するにあたっての、式(I)の化合物の出発物質として
の使用。
【0025】式(V):
【化17】 で、式中のYがアルカリ土類金属陽イオン、特にCa2+
あるいはMg2+である、(6S)−N(5)−ホルミル
−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸のアルカリ土類金
属塩を製造するにあたり、式(II):
あるいはMg2+である、(6S)−N(5)−ホルミル
−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸のアルカリ土類金
属塩を製造するにあたり、式(II):
【化18】 で、式中のMがアルカリ金属陽イオンあるいはNH4 +
である(6RS)−N(10)−ホルミル−5,6,
7,8−テトラヒドロ葉酸のアンモニウムあるいはアル
カリ金属塩を、水あるいは水性の緩衝液に溶解し、好ま
しくは不活性ガス雰囲気中で、少なくとも1種の酸S1
と、pHの値が5.5−7.5の範囲となるまで長時間
をかけて混合し、次に、得られた混合物に、水溶性のア
ルカリ土類金属塩を加え、次に、生じた固形物Aを単離
し、次に、この固形物を水に懸濁し、生じた懸濁液を不
活性ガス雰囲気中で70℃−100℃の温度に加熱する
と同時に、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、およ
び炭酸水素塩よりなる群から選ばれる塩基の水溶液ある
いは懸濁液を連続的に加えることによって、pHの測定
値を5.0−8.0の範囲に保ち、得られた溶液を30
℃−50℃の温度まで冷却し、上記の塩基の1種を加え
ることによって、pHの測定値を6.5−8.5の値ま
で上昇させ、この溶液を、45℃以上の温度で当初の容
積の約3/4まで濃縮し、この45℃以上の温かい濃縮
溶液を徐々に冷却し、24時間以上にわたって室温に保
ち、そして得られた式(V)の固形物を分離する工程を
含むことを特徴とする方法。
である(6RS)−N(10)−ホルミル−5,6,
7,8−テトラヒドロ葉酸のアンモニウムあるいはアル
カリ金属塩を、水あるいは水性の緩衝液に溶解し、好ま
しくは不活性ガス雰囲気中で、少なくとも1種の酸S1
と、pHの値が5.5−7.5の範囲となるまで長時間
をかけて混合し、次に、得られた混合物に、水溶性のア
ルカリ土類金属塩を加え、次に、生じた固形物Aを単離
し、次に、この固形物を水に懸濁し、生じた懸濁液を不
活性ガス雰囲気中で70℃−100℃の温度に加熱する
と同時に、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、およ
び炭酸水素塩よりなる群から選ばれる塩基の水溶液ある
いは懸濁液を連続的に加えることによって、pHの測定
値を5.0−8.0の範囲に保ち、得られた溶液を30
℃−50℃の温度まで冷却し、上記の塩基の1種を加え
ることによって、pHの測定値を6.5−8.5の値ま
で上昇させ、この溶液を、45℃以上の温度で当初の容
積の約3/4まで濃縮し、この45℃以上の温かい濃縮
溶液を徐々に冷却し、24時間以上にわたって室温に保
ち、そして得られた式(V)の固形物を分離する工程を
含むことを特徴とする方法。
【0026】上記酸S1 が、水溶性の低級カルボン酸、
特に蟻酸および酢酸、ならびにハロゲン化水素酸、特に
HClおよびHBrよりなる群から選ばれ、好ましくは
水溶液として使用されるのが好ましい。
特に蟻酸および酢酸、ならびにハロゲン化水素酸、特に
HClおよびHBrよりなる群から選ばれ、好ましくは
水溶液として使用されるのが好ましい。
【0027】上記酸S1 の添加、ならびに上記アルカリ
土類金属塩の添加を、0℃−60℃、特に10℃−40
℃の範囲の温度で行うのが好ましい。
土類金属塩の添加を、0℃−60℃、特に10℃−40
℃の範囲の温度で行うのが好ましい。
【0028】上記アルカリ土類金属塩が、水溶性の低級
カルボン酸、特に蟻酸あるいは酢酸のアルカリ土類金属
塩、またはアルカリ土類金属のハロゲン化物、特に塩化
物および/または臭化物であり、好ましくは対応するカ
ルシウムあるいはマグネシウム塩であるのが好ましい。
カルボン酸、特に蟻酸あるいは酢酸のアルカリ土類金属
塩、またはアルカリ土類金属のハロゲン化物、特に塩化
物および/または臭化物であり、好ましくは対応するカ
ルシウムあるいはマグネシウム塩であるのが好ましい。
【0029】上記アルカリ土類金属塩を、式(II)の
化合物の使用量の、0.5−1.0モル当量、特に0.
7モル当量の量使用するのが好ましい。
化合物の使用量の、0.5−1.0モル当量、特に0.
7モル当量の量使用するのが好ましい。
【0030】上記塩基が水酸化カルシウムあるいはマグ
ネシウムであるのが好ましい。
ネシウムであるのが好ましい。
【0031】このようにして得られた式(I)の化合物
を出発物質として(6S)−N(5)−メチルTHF、
および(6R)−N(5)−ホルミルTHFを製造する
ことが可能である。
を出発物質として(6S)−N(5)−メチルTHF、
および(6R)−N(5)−ホルミルTHFを製造する
ことが可能である。
【0032】上記の固形物Aを適当な溶剤、たとえば水
あるいはホルムアミドに溶解し、HPLCで分析する
と、得られたピークは、メテニル−THFの場合の保持
時間と同一の保持時間を示す。このことから、固形物A
がメテニル−THFの部分構造を示すと考えることがで
きる。さらに、質量スペクトル(FAB/マトリックス
=チオグリセリン)も、同じm+ =456を示す。
あるいはホルムアミドに溶解し、HPLCで分析する
と、得られたピークは、メテニル−THFの場合の保持
時間と同一の保持時間を示す。このことから、固形物A
がメテニル−THFの部分構造を示すと考えることがで
きる。さらに、質量スペクトル(FAB/マトリックス
=チオグリセリン)も、同じm+ =456を示す。
【0033】固形物Aの元素分析では、1/2当量のア
ルカリ土類金属陽イオン(Ca2+あるいはMg2+)が存
在することが示され、このことは、下記にまとめて示す
式: C20H20N7 O6 Me0.5 (式中のMeはアルカリ土類金属陽イオン、たとえばC
a2+およびMg2+)に符合するものである。
ルカリ土類金属陽イオン(Ca2+あるいはMg2+)が存
在することが示され、このことは、下記にまとめて示す
式: C20H20N7 O6 Me0.5 (式中のMeはアルカリ土類金属陽イオン、たとえばC
a2+およびMg2+)に符合するものである。
【0034】以下の部分では、(6R)−メテニル−T
HF・Cl- と固形物A(Ca2+およびMg2+塩)の1
H−NMRスペクトル(400MHz/d3 ホルムアミ
ド中で検出)の違いに着目する。図1は、固形物AのC
a2+塩の1 H−NMRスペクトルの一部を示す。図2
は、固形物AのMg2+塩の1 H−NMRスペクトルの一
部を示す。図3は、(6R)−メテニル−THF・Cl
- の1 H−NMRスペクトルの一部を示す。
HF・Cl- と固形物A(Ca2+およびMg2+塩)の1
H−NMRスペクトル(400MHz/d3 ホルムアミ
ド中で検出)の違いに着目する。図1は、固形物AのC
a2+塩の1 H−NMRスペクトルの一部を示す。図2
は、固形物AのMg2+塩の1 H−NMRスペクトルの一
部を示す。図3は、(6R)−メテニル−THF・Cl
- の1 H−NMRスペクトルの一部を示す。
【0035】上記のCa2+およびMg2+塩のスペクトル
では、C原子に結合した15個の水素原子のすべてが、
はっきりした別々の信号を示した。(6R)−メテニル
−THF・Cl- のスペクトルでは、4.71ppMで
多重線が観察され、これは2つの陽子が一体となったも
のに相当していた。これとは対照的に、上記のCa2+お
よびMg2+塩では、2つの別々の信号、すなわちCa2+
については4.52(1H)および4.71(1H)
が、Mg2+については4.49(1H)および4.71
(1H)が、それぞれ観察された。また、(6R)−メ
テニル−THF・Cl- の場合には、グルタミン酸側鎖
のγ−CH2 基が2.65ppMではっきりした三重線
を示す。これとは対照的に、Ca2+およびMg2+塩の場
合、この基については、2.55ppMおよび2.53
ppMで、多重線がそれぞれ観察された。
では、C原子に結合した15個の水素原子のすべてが、
はっきりした別々の信号を示した。(6R)−メテニル
−THF・Cl- のスペクトルでは、4.71ppMで
多重線が観察され、これは2つの陽子が一体となったも
のに相当していた。これとは対照的に、上記のCa2+お
よびMg2+塩では、2つの別々の信号、すなわちCa2+
については4.52(1H)および4.71(1H)
が、Mg2+については4.49(1H)および4.71
(1H)が、それぞれ観察された。また、(6R)−メ
テニル−THF・Cl- の場合には、グルタミン酸側鎖
のγ−CH2 基が2.65ppMではっきりした三重線
を示す。これとは対照的に、Ca2+およびMg2+塩の場
合、この基については、2.55ppMおよび2.53
ppMで、多重線がそれぞれ観察された。
【0036】以上のデータから、固形物Aが式(IV)
の構造を示すと結論づけることができる。このように、
極めて驚くべきことに、N(5),N(10)−メテニ
ル−THFのヘミアルカリ土類金属塩が見いだされたの
である。この種のアルカリ土類金属塩は、極めて驚くべ
きことに、晶出にあたって選択性の挙動を示すので、
(6R)の形態を蓄積する際にこの選択性を利用するこ
とができる。この種の塩を還元してN(5)−メチル−
THFとしてからキラルカラム上で分析すると、(6
S)の形態のジアステレオマー純度が85−95%であ
るのが観察される。酸S2 は強酸とする必要があり、こ
の酸は、アルカリ土類金属陽イオンで沈殿するものであ
ってはならない。S2 としては、硫酸と燐酸は不安定で
ある。塩化水素酸、とくに塩化水素酸水溶液が好適であ
る。
の構造を示すと結論づけることができる。このように、
極めて驚くべきことに、N(5),N(10)−メテニ
ル−THFのヘミアルカリ土類金属塩が見いだされたの
である。この種のアルカリ土類金属塩は、極めて驚くべ
きことに、晶出にあたって選択性の挙動を示すので、
(6R)の形態を蓄積する際にこの選択性を利用するこ
とができる。この種の塩を還元してN(5)−メチル−
THFとしてからキラルカラム上で分析すると、(6
S)の形態のジアステレオマー純度が85−95%であ
るのが観察される。酸S2 は強酸とする必要があり、こ
の酸は、アルカリ土類金属陽イオンで沈殿するものであ
ってはならない。S2 としては、硫酸と燐酸は不安定で
ある。塩化水素酸、とくに塩化水素酸水溶液が好適であ
る。
【0037】上記の新規なアルカリ土類金属塩を塩酸
(pH約1)で処理すると、公知の化合物である式
(I)の(6R)−N(5),N(10)−メテニル−
THF・Cl- が得られる。スイス国特許出願第02
794/91−0号を参照されたい。
(pH約1)で処理すると、公知の化合物である式
(I)の(6R)−N(5),N(10)−メテニル−
THF・Cl- が得られる。スイス国特許出願第02
794/91−0号を参照されたい。
【0038】式(I)の化合物は、公知の方法にしたが
って、還元により(6S)−N(5)−メチル−THF
・Ca2+に転化したり(ホワイトら(White、Ba
iley、およびGoldman)、生物化学雑誌
(J.Biol.Chem)、(1978)、253、
242参照)、また加水分解により(6S)−N(5)
−ホルミル−THF・Ca2+に転化したり(スイス国特
許明細書第305 574号参照)することができる。
この新規なアルカリ土類金属塩を、(6S)−葉酸アル
カリ土類金属、特に(6S)−葉酸カルシウムに直接転
化できることも見いだした。
って、還元により(6S)−N(5)−メチル−THF
・Ca2+に転化したり(ホワイトら(White、Ba
iley、およびGoldman)、生物化学雑誌
(J.Biol.Chem)、(1978)、253、
242参照)、また加水分解により(6S)−N(5)
−ホルミル−THF・Ca2+に転化したり(スイス国特
許明細書第305 574号参照)することができる。
この新規なアルカリ土類金属塩を、(6S)−葉酸アル
カリ土類金属、特に(6S)−葉酸カルシウムに直接転
化できることも見いだした。
【0039】本発明にしたがって製造したジアステレオ
異性体として純粋な化合物は、前述のロビンソン(D.
R. Robinson)の論文にしたがって、(6S)−N
(5)−ホルミル−THFに転化することができる。
異性体として純粋な化合物は、前述のロビンソン(D.
R. Robinson)の論文にしたがって、(6S)−N
(5)−ホルミル−THFに転化することができる。
【0040】本発明で製造したジアステレオ異性体とし
て純粋な化合物は、公知の方法にしたがって、酸性条件
下で、(6R)−N(5),N(10)−メテニル−T
HFに転化することもできる。前述のラビノウィッツ
(J. C. Rabinowitz)の論文を参照されたい。
て純粋な化合物は、公知の方法にしたがって、酸性条件
下で、(6R)−N(5),N(10)−メテニル−T
HFに転化することもできる。前述のラビノウィッツ
(J. C. Rabinowitz)の論文を参照されたい。
【0041】(6R)−N(5),N(10)−メテニ
ル−THFは、公知の方法にしたがって、(6S)−N
(5)−メチル−THFに還元することもできる。ホワ
イトら(White, B ailey, Goldman)、生物化学雑誌
(J. Biol. Chem.)、1978、253、242を参照
されたい。
ル−THFは、公知の方法にしたがって、(6S)−N
(5)−メチル−THFに還元することもできる。ホワ
イトら(White, B ailey, Goldman)、生物化学雑誌
(J. Biol. Chem.)、1978、253、242を参照
されたい。
【0042】本発明の方法で得られるジアステレオ異性
体の塩は、上述のように、医薬用に用いられる種々の混
合物を製造する原料として用いることができる。
体の塩は、上述のように、医薬用に用いられる種々の混
合物を製造する原料として用いることができる。
【0043】
【実施例】以下の実施例は、本発明を例示するものであ
る。
る。
【0044】実施例1 50gの(6RS)−メテニル−THF・Cl- の45
0mlの水への懸濁液に、温度が50℃の窒素雰囲気中
で、20%NaOHをpHの測定値が8.3で安定する
まで長時間をかけて攪拌しつつ滴下して加えた。得られ
た混合物をHPLCで分析したところ、メテニル−TH
Fは含まれず、かわりに新たなピークを示し、このピー
クは、N(10)−ホルミル−THF・N2 が形成した
ことによると考えられた。次に、得られた溶液に、30
%の酢酸水溶液を、40℃の温度で、混合物のpHの値
が6.8を示すまでの長時間をかけて加えた。次に、1
2gの酢酸カルシウムを加え、混合物を同じ温度でさら
に攪拌したところ、生成物が晶出しはじめた。次に、8
mlの30%酢酸水溶液を3時間にわたって滴下して加え
ると、混合物は6.8のpH値を示した。このようにし
て得られた晶出生成物を濾別し、水で2回、アセトンで
2回洗浄し、最後に60℃の温度で減圧下にて乾燥する
と、12gの黄色の固形物が単離された(収率、25w
/w%)。逆相(RP)カラム上にてHPLCで分析す
ると、化学純度は95%であった。 IR(KBr): 3392、3220、3095、2
930、1650、1601、1559、1510、1
450、1400、1341、1318、1289、1
243、757cm-1。 MS(FAB/マトリックス:チオグリセリン): m
+ =456 UV(H2O/ HCONH2 (99:1)中で20mg/l ): λmax =
360.5nm λmin =303.5nm Amax /Amin =4.24 ジアステレオマー純度を測定するために、15gの上述
の結晶を、1.5mlの1.8%p−トルエンスルホン酸
溶液に溶解した。次に、6mgのNaBH3 CNを加え、
混合物を室温で30分間攪拌したところ、上記の結晶
は、N(5)−メチル−THFに完全に転化した。この
化合物をキラルHPLCカラム(リゾルボシル(RES
OLVOSIL))を用いて分析したところ、ジアステ
レオマー純度は90%(6S)であった。1 H−NMRスペクトル(400MHz/d3 ホルムア
ミド中/参照:TMS):9.66(1H,s);8.
06(2H,d);7.48(2H,d);4.92
(1H,dq);4.71(1H,t);4.51(1
H,dd);4.33(1H,t);4.07(1H,
dd);3.71(1H,m);2.55(2H,d
t);2.34(1H,m);2.20(1H,m)。
0mlの水への懸濁液に、温度が50℃の窒素雰囲気中
で、20%NaOHをpHの測定値が8.3で安定する
まで長時間をかけて攪拌しつつ滴下して加えた。得られ
た混合物をHPLCで分析したところ、メテニル−TH
Fは含まれず、かわりに新たなピークを示し、このピー
クは、N(10)−ホルミル−THF・N2 が形成した
ことによると考えられた。次に、得られた溶液に、30
%の酢酸水溶液を、40℃の温度で、混合物のpHの値
が6.8を示すまでの長時間をかけて加えた。次に、1
2gの酢酸カルシウムを加え、混合物を同じ温度でさら
に攪拌したところ、生成物が晶出しはじめた。次に、8
mlの30%酢酸水溶液を3時間にわたって滴下して加え
ると、混合物は6.8のpH値を示した。このようにし
て得られた晶出生成物を濾別し、水で2回、アセトンで
2回洗浄し、最後に60℃の温度で減圧下にて乾燥する
と、12gの黄色の固形物が単離された(収率、25w
/w%)。逆相(RP)カラム上にてHPLCで分析す
ると、化学純度は95%であった。 IR(KBr): 3392、3220、3095、2
930、1650、1601、1559、1510、1
450、1400、1341、1318、1289、1
243、757cm-1。 MS(FAB/マトリックス:チオグリセリン): m
+ =456 UV(H2O/ HCONH2 (99:1)中で20mg/l ): λmax =
360.5nm λmin =303.5nm Amax /Amin =4.24 ジアステレオマー純度を測定するために、15gの上述
の結晶を、1.5mlの1.8%p−トルエンスルホン酸
溶液に溶解した。次に、6mgのNaBH3 CNを加え、
混合物を室温で30分間攪拌したところ、上記の結晶
は、N(5)−メチル−THFに完全に転化した。この
化合物をキラルHPLCカラム(リゾルボシル(RES
OLVOSIL))を用いて分析したところ、ジアステ
レオマー純度は90%(6S)であった。1 H−NMRスペクトル(400MHz/d3 ホルムア
ミド中/参照:TMS):9.66(1H,s);8.
06(2H,d);7.48(2H,d);4.92
(1H,dq);4.71(1H,t);4.51(1
H,dd);4.33(1H,t);4.07(1H,
dd);3.71(1H,m);2.55(2H,d
t);2.34(1H,m);2.20(1H,m)。
【0045】実施例2 50gの(6RS)−メテニル−THF・Cl- から出
発し、実施例1に記載したのと同様にして、N(10)
−ホルミル−THF・Na2 の溶液を生成した。室温
で、30%酢酸水溶液を、pH値が6.9となるまで滴
下して加えた。次に、15gの固形の酢酸マグネシウム
四水和物を加え、混合物を同じ温度で攪拌したところ、
結晶状の固形物が分離しはじめた。同時に、8mlの30
%酢酸水溶液を10時間にわたって滴下して加えること
によって、pH値を6.8−7.0の範囲に保った。次
に、得られた溶液を温度が0℃となるまで冷却し、この
温度で1時間攪拌した。晶出物を濾過によって単離し、
H2 Oで3回、アセトンで2回洗浄し、60℃の温度で
減圧下にて2時間乾燥した。 収量:14g(28w/w%)の黄色固体。 RPカラム上にてHPLCで分析すると、化学純度は9
5%であった。 IR(KBr): 3340、3110、2950、1
630、1600、1560、1508、1450、1
405、1318、1289、1243、763、65
7、612cm-1。 MS(FAB/マトリックス:チオグリセリン): m
+ =456 UV(H2O/ HCONH2 (99:1)中で20mg/l): λmax =
359nm λmin =301nm Amax /Amin =4.24 マグネシウムの錯滴定: 2.35%のMg (H2 O含量換算の理論値:2.31%) ジアステレオマー純度を測定するために、15gの上述
の結晶を、1.5mlの1.8%p−トルエンスルホン酸
溶液に溶解した。次に、6mgのNaBH3 CNを加え、
混合物を室温で30分間攪拌したところ、上記の結晶
は、N(5)−メチル−THFに完全に転化した。この
化合物をキラルHPLCカラム(リゾルボシル(RES
OLVOSIL))を用いて分析したところ、ジアステ
レオマー純度は88%(6S)であった。1 H−NMRスペクトル(400MHz/d3 ホルムア
ミド中/参照:TMS):9.66(1H,s);8.
06(2H,d);7.47(2H,d);4.92
(1H,dq);4.71(1H,t);4.49(1
H,dd);4.32(1H,t);4.07(1H,
dd);3.71(1H,m);2.53(2H,
m);2.31(1H,m);2.20(1H,m)。
発し、実施例1に記載したのと同様にして、N(10)
−ホルミル−THF・Na2 の溶液を生成した。室温
で、30%酢酸水溶液を、pH値が6.9となるまで滴
下して加えた。次に、15gの固形の酢酸マグネシウム
四水和物を加え、混合物を同じ温度で攪拌したところ、
結晶状の固形物が分離しはじめた。同時に、8mlの30
%酢酸水溶液を10時間にわたって滴下して加えること
によって、pH値を6.8−7.0の範囲に保った。次
に、得られた溶液を温度が0℃となるまで冷却し、この
温度で1時間攪拌した。晶出物を濾過によって単離し、
H2 Oで3回、アセトンで2回洗浄し、60℃の温度で
減圧下にて2時間乾燥した。 収量:14g(28w/w%)の黄色固体。 RPカラム上にてHPLCで分析すると、化学純度は9
5%であった。 IR(KBr): 3340、3110、2950、1
630、1600、1560、1508、1450、1
405、1318、1289、1243、763、65
7、612cm-1。 MS(FAB/マトリックス:チオグリセリン): m
+ =456 UV(H2O/ HCONH2 (99:1)中で20mg/l): λmax =
359nm λmin =301nm Amax /Amin =4.24 マグネシウムの錯滴定: 2.35%のMg (H2 O含量換算の理論値:2.31%) ジアステレオマー純度を測定するために、15gの上述
の結晶を、1.5mlの1.8%p−トルエンスルホン酸
溶液に溶解した。次に、6mgのNaBH3 CNを加え、
混合物を室温で30分間攪拌したところ、上記の結晶
は、N(5)−メチル−THFに完全に転化した。この
化合物をキラルHPLCカラム(リゾルボシル(RES
OLVOSIL))を用いて分析したところ、ジアステ
レオマー純度は88%(6S)であった。1 H−NMRスペクトル(400MHz/d3 ホルムア
ミド中/参照:TMS):9.66(1H,s);8.
06(2H,d);7.47(2H,d);4.92
(1H,dq);4.71(1H,t);4.49(1
H,dd);4.32(1H,t);4.07(1H,
dd);3.71(1H,m);2.53(2H,
m);2.31(1H,m);2.20(1H,m)。
【0046】実施例3 実施例1にしたがって製造した20gの生成物を、温度
30℃の200mlの水に懸濁した。次に、18%塩酸
を、生じた混合物のpH測定値が1.3で安定となるま
で長時間をかけて滴下して加えた。この混合物を、温度
30℃で30分間にわたって攪拌した。生じた固形物を
濾別し、水で2回、アセトンで2回洗浄し、最後に温度
60℃で減圧下にて乾燥した。18.4gの黄色の固形
物、すなわち(6R)−N(5),N(10)−メテニ
ル−THF塩化物が得られた。RPカラム上にてHPL
Cで分析すると、化学純度は100%であった(354
nmで検出)。実施例1に記載したのと同じジアステレ
オマー純度が得られた。
30℃の200mlの水に懸濁した。次に、18%塩酸
を、生じた混合物のpH測定値が1.3で安定となるま
で長時間をかけて滴下して加えた。この混合物を、温度
30℃で30分間にわたって攪拌した。生じた固形物を
濾別し、水で2回、アセトンで2回洗浄し、最後に温度
60℃で減圧下にて乾燥した。18.4gの黄色の固形
物、すなわち(6R)−N(5),N(10)−メテニ
ル−THF塩化物が得られた。RPカラム上にてHPL
Cで分析すると、化学純度は100%であった(354
nmで検出)。実施例1に記載したのと同じジアステレ
オマー純度が得られた。
【0047】実施例4 (6R)−ヘミカルシウム塩の(6S)−葉酸カルシウ
ムへの転化 実施例1に記載したようにして得た100.0gの(6
R)−N(5),N(10)−メテニル−THFのヘミ
カルシウム塩を、800mlの水中で、窒素雰囲気中に
て、温度80℃に加熱した。水酸化カルシウムの水への
25%懸濁液を連続的に加えることによって、反応時の
混合物のpH値を5.8に保った。80℃にて12時間
加熱した後、得られた(6S)−N(5)−ホルミル−
THF溶液を30℃の温度まで冷却し、5.0gの木炭
で処理し、水酸化カルシウムの水への懸濁液を加えるこ
とによってpH値を7.5に調整した。次に、得られた
混合物をセライトの層を通して濾過し、容積が600ml
となるまで、温度50℃で減圧下にて濃縮した。次に、
得られた溶液を32時間かけて徐々に冷却し、温度を5
0℃から室温に制御したところ、所望の(6S)−葉酸
カルシウムが晶出した。生成物を濾別し、再度水から晶
出させた。濾過によって得た晶出物を、水で1回、94
%エタノールで1回洗浄し、減圧下で温度50℃にて乾
燥した。その結果、42.0gの純粋な(6S)−葉酸
カルシウムが単離された。RPカラム上でHPLCによ
って分析したところ、化学純度は99.6%であった。
HPLCによって参照物質〔USP標準/(6RS)−
混合物〕と比較したところ、含量は97.3%であっ
た。ジアステレオマー純度をキラルHPLCカラム(リ
ゾルボシル(RESOLVOSIL))上で調べたとこ
ろ、99.3%の値が得られた。 フィッシャー(Karl Fischer)の方法による水分含量の
測定値:14% エタノ−ルのガスクロマトグラフィーによる測定値:
0.6% カルシウムの錯滴定による測定値:8.0%(理論値:
7.84%)
ムへの転化 実施例1に記載したようにして得た100.0gの(6
R)−N(5),N(10)−メテニル−THFのヘミ
カルシウム塩を、800mlの水中で、窒素雰囲気中に
て、温度80℃に加熱した。水酸化カルシウムの水への
25%懸濁液を連続的に加えることによって、反応時の
混合物のpH値を5.8に保った。80℃にて12時間
加熱した後、得られた(6S)−N(5)−ホルミル−
THF溶液を30℃の温度まで冷却し、5.0gの木炭
で処理し、水酸化カルシウムの水への懸濁液を加えるこ
とによってpH値を7.5に調整した。次に、得られた
混合物をセライトの層を通して濾過し、容積が600ml
となるまで、温度50℃で減圧下にて濃縮した。次に、
得られた溶液を32時間かけて徐々に冷却し、温度を5
0℃から室温に制御したところ、所望の(6S)−葉酸
カルシウムが晶出した。生成物を濾別し、再度水から晶
出させた。濾過によって得た晶出物を、水で1回、94
%エタノールで1回洗浄し、減圧下で温度50℃にて乾
燥した。その結果、42.0gの純粋な(6S)−葉酸
カルシウムが単離された。RPカラム上でHPLCによ
って分析したところ、化学純度は99.6%であった。
HPLCによって参照物質〔USP標準/(6RS)−
混合物〕と比較したところ、含量は97.3%であっ
た。ジアステレオマー純度をキラルHPLCカラム(リ
ゾルボシル(RESOLVOSIL))上で調べたとこ
ろ、99.3%の値が得られた。 フィッシャー(Karl Fischer)の方法による水分含量の
測定値:14% エタノ−ルのガスクロマトグラフィーによる測定値:
0.6% カルシウムの錯滴定による測定値:8.0%(理論値:
7.84%)
【0048】
【発明の効果】本発明の方法によれば、単純、安価で、
工業規模で実施することができ、しかも環境に対して悪
影響を及ぼすことなく、純粋なテトラヒドロ葉酸のジア
ステレオマーの塩または酸付加塩および/または対応す
る分子内塩を製造することができる。
工業規模で実施することができ、しかも環境に対して悪
影響を及ぼすことなく、純粋なテトラヒドロ葉酸のジア
ステレオマーの塩または酸付加塩および/または対応す
る分子内塩を製造することができる。
【図1】 固形物AのCa2+塩の 1H−NMRスペクト
ルの一部を示すグラフである。
ルの一部を示すグラフである。
【図2】 形物AのMg2+塩の 1H−NMRスペクトル
の一部を示すグラフである。
の一部を示すグラフである。
【図3】 (6R)−メテニル−THF・Cl- の1 H
−NMRスペクトルの一部を示すグラフである。
−NMRスペクトルの一部を示すグラフである。
Claims (25)
- 【請求項1】式(I): 【化1】 で、式中のXが陰イオンあるいは陰イオンの等価物であ
る(6R)−N(5),N(10)−メテニル−5,
6,7,8−テトラヒドロ葉酸の塩、ならびに対応する
酸付加塩および/または対応する分子内塩を製造するに
あたり、式(II): 【化2】 で、式中のMがアルカリ金属陽イオンあるいはNH4 +
である(6RS)−N(10)−ホルミル−5,6,
7,8−テトラヒドロ葉酸のアンモニウムあるいはアル
カリ金属塩を、水あるいは水性の緩衝液に溶解し、 好ましくは不活性ガス雰囲気中で、少なくとも1種の酸
S1 と、pHの値が5.5−7.5の範囲となるまで長
時間をかけて混合し、 次に、得られた混合物に、水溶性のアルカリ土類金属塩
を加え、 次に、生じた固形物Aを単離し、 この固形物を水に懸濁し、酸S2 を、生じた混合物のp
H測定値が2.0−1.0の範囲、好ましくは1.5の
値に安定するまで長時間をかけて加え、そして得られた
式(I)の固形物を分離する工程を含むことを特徴とす
る方法。 - 【請求項2】上記陰イオンXが、塩化物あるいは臭化物
であることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】上記酸付加塩が、ヒドロクロリド、ヒドロ
ブロミド、有機スルホン酸塩、たとえばメタンスルホン
酸塩、蟻酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、トリクロロ
酢酸塩、あるいはトリフルオロ酢酸塩であることを特徴
とする請求項1ないし2のいずれかに記載の方法。 - 【請求項4】上記酸S1 が、水溶性の低級カルボン酸、
特に蟻酸および酢酸、ならびにハロゲン化水素酸、特に
HClおよびHBrよりなる群から選ばれ、好ましくは
水溶液として使用されることを特徴とする請求項1ない
し3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】上記酸S1 の添加、ならびに上記アルカリ
土類金属塩の添加を、0℃−60℃、特に10℃−40
℃の範囲の温度で行うことを特徴とする請求項1ないし
4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】上記アルカリ土類金属塩が、水溶性の低級
カルボン酸、特に蟻酸あるいは酢酸のアルカリ土類金属
塩、またはアルカリ土類金属のハロゲン化物、特に塩化
物および/または臭化物であり、好ましくは対応するカ
ルシウムあるいはマグネシウム塩であることを特徴とす
る請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。 - 【請求項7】上記アルカリ土類金属塩を、式(II)の
化合物の使用量の、0.5−1.0モル当量、特に0.
7モル当量の量使用することを特徴とする請求項1ない
し6のいずれかに記載の方法。 - 【請求項8】式(II)の化合物を得るにあたって、式
(III): 【化3】 で、式中のXが上記定義の通りである、N(5),N
(10)−メテニル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉
酸の塩または対応する酸付加塩あるいは対応する分子内
塩の(6RS)−ジアステレオマー混合物の、必要に応
じて1種の緩衝液を含有する水性懸濁液に、対応する塩
基、好ましくは水素化ナトリウムあるいはアンモニア
を、20℃−60℃の範囲、特に50℃の温度で、pH
の値が、7.5−9.0の範囲の値、特に8.3に安定
するまでの長時間をかけて加えることを特徴とする請求
項1ないし7のいずれかに記載の方法。 - 【請求項9】上記酸S2 が、塩化水素酸、p−トルエン
スルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、お
よびトリクロロ酢酸よりなる群から選ばれることを特徴
とする請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。 - 【請求項10】式(IV): 【化4】 で、式中のYがアルカリ土類金属陽イオン、特にCa2+
あるいはMg2+である(6R)−N(5),N(10)
−メテニル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸のヘミ
アルカリ土類金属塩を製造するにあたり、式(II): 【化5】 で、式中のMがアルカリ金属陽イオンあるいはNH4 +
である(6RS)−N(10)−ホルミル−5,6,
7,8−テトラヒドロ葉酸のアンモニウムあるいはアル
カリ金属塩を、水あるいは水性の緩衝液に溶解し、 好ましくは不活性ガス雰囲気中で、少なくとも1種の酸
S1 と、pHの値が5.5−7.5の範囲となるまで長
時間をかけて混合し、 次に、得られた混合物に、水溶性のアルカリ土類金属塩
を加え、そして生じた式(IV)の固形物Aを単離する
工程を含むことを特徴とする方法。 - 【請求項11】上記陰イオンXが、塩化物あるいは臭化
物であることを特徴とする請求項10記載の方法。 - 【請求項12】上記酸付加塩が、ヒドロクロリド、ヒド
ロブロミド、有機スルホン酸塩、たとえばメタンスルホ
ン酸塩、蟻酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、トリクロ
ロ酢酸塩、あるいはトリフルオロ酢酸塩であることを特
徴とする請求項10ないし11のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項13】上記酸S1 が、水溶性の低級カルボン
酸、特に蟻酸および酢酸、ならびにハロゲン化水素酸、
特にHClおよびHBrよりなる群から選ばれ、好まし
くは水溶液として使用されることを特徴とする請求項1
0ないし12のいずれかに記載の方法。 - 【請求項14】上記酸S1 の添加、ならびに上記アルカ
リ土類金属塩の添加を、0℃−60℃、特に10℃−4
0℃の範囲の温度で行うことを特徴とする請求項10な
いし13のいずれかに記載の方法。 - 【請求項15】上記アルカリ土類金属塩が、水溶性の低
級カルボン酸、特に蟻酸あるいは酢酸のアルカリ土類金
属塩、またはアルカリ土類金属のハロゲン化物、特に塩
化物および/または臭化物であり、好ましくは対応する
カルシウムあるいはマグネシウム塩であることを特徴と
する請求項10ないし14のいずれかに記載の方法。 - 【請求項16】上記アルカリ土類金属塩を、式(II)
の化合物の使用量の、0.5−1.0モル当量、特に
0.7モル当量の量使用することを特徴とする請求項1
0ないし15のいずれかに記載の方法。 - 【請求項17】式(II)の化合物を得るにあたって、
式(III): 【化6】 で、式中のXが上記定義の通りである、N(5),N
(10)−メテニル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉
酸の塩または対応する酸付加塩あるいは対応する分子内
塩の(6RS)−ジアステレオマー混合物の、必要に応
じて1種の緩衝液を含有する水性懸濁液に、対応する塩
基、好ましくは水素化ナトリウムあるいはアンモニア
を、20℃−60℃の範囲、特に50℃の温度で、pH
の値が、7.5−9.0の範囲の値、特に8.3に安定
するまでの長時間をかけて加えることを特徴とする請求
項10ないし16のいずれかに記載の方法。 - 【請求項18】(6RS)−ジアステレオマー混合物の
形態、または(6R)−あるいは(6S)−ジアステレ
オマーの単独の形態である、式(IV’): 【化7】 で、式中のYがアルカリ土類金属陽イオン、特にCa2+
あるいはMg2+である、N(5),N(10)−メテニ
ル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸のヘミアルカリ
土類金属塩。 - 【請求項19】(6S)−N(5)−メチルTHF、お
よび/または(6S)−N(5)−ホルミルTHFを製
造するにあたっての、式(I)の化合物の出発物質とし
ての使用。 - 【請求項20】式(V): 【化8】 で、式中のYがアルカリ土類金属陽イオン、特にCa2+
あるいはMg2+である、(6S)−N(5)−ホルミル
−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸のアルカリ土類金
属塩を製造するにあたり、式(II): 【化9】 で、式中のMがアルカリ金属陽イオンあるいはNH4 +
である(6RS)−N(10)−ホルミル−5,6,
7,8−テトラヒドロ葉酸のアンモニウムあるいはアル
カリ金属塩を、水あるいは水性の緩衝液に溶解し、 好ましくは不活性ガス雰囲気中で、少なくとも1種の酸
S1 と、pHの値が5.5−7.5の範囲となるまで長
時間をかけて混合し、 次に、得られた混合物に、水溶性のアルカリ土類金属塩
を加え、 次に、生じた固形物Aを単離し、 次に、この固形物を水に懸濁し、生じた懸濁液を不活性
ガス雰囲気中で70℃−100℃の温度に加熱すると同
時に、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、および炭
酸水素塩よりなる群から選ばれる塩基の水溶液あるいは
懸濁液を連続的に加えることによって、pHの測定値を
5.0−8.0の範囲に保ち、 得られた溶液を30℃−50℃の温度まで冷却し、上記
の塩基の1種を加えることによって、pHの測定値を
6.5−8.5の値まで上昇させ、 この溶液を、45℃以上の温度で当初の容積の約3/4
まで濃縮し、 この45℃以上の温かい濃縮溶液を徐々に冷却し、24
時間以上にわたって室温に保ち、そして得られた式
(V)の固形物を分離する工程を含むことを特徴とする
方法。 - 【請求項21】上記酸S1 が、水溶性の低級カルボン
酸、特に蟻酸および酢酸、ならびにハロゲン化水素酸、
特にHClおよびHBrよりなる群から選ばれ、好まし
くは水溶液として使用されることを特徴とする請求項2
0に記載の方法。 - 【請求項22】上記酸S1 の添加、ならびに上記アルカ
リ土類金属塩の添加を、0℃−60℃、特に10℃−4
0℃の範囲の温度で行うことを特徴とする請求項20な
いし21のいずれかに記載の方法。 - 【請求項23】上記アルカリ土類金属塩が、水溶性の低
級カルボン酸、特に蟻酸あるいは酢酸のアルカリ土類金
属塩、またはアルカリ土類金属のハロゲン化物、特に塩
化物および/または臭化物であり、好ましくは対応する
カルシウムあるいはマグネシウム塩であることを特徴と
する請求項20ないし22のいずれかに記載の方法。 - 【請求項24】上記アルカリ土類金属塩を、式(II)
の化合物の使用量の、0.5−1.0モル当量、特に
0.7モル当量の量使用することを特徴とする請求項2
0ないし23のいずれかに記載の方法。 - 【請求項25】上記塩基が水酸化カルシウムあるいはマ
グネシウムであることを特徴とする請求項20ないし2
4のいずれかに記載の方法。
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