JPH0525446Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は服装に取り付ける際に、縦、横、斜
め等のどのような方向に取り付けても、ブローチ
本体が垂れ下がつて下向きになることのないブロ
ーチの止金具を提供しようとするものである。

［従来の技術］ 従来のブローチの止金具は、ピンをブローチ本
体の一端に首振り自在に取り付け、このピンの先
端をブローチ本体の他端に取り付けた抜け止め機
構に着脱するようにしたものであつた。

このような止金具を備えたブローチにおいて
は、ピンを服装に差し込んで装着する場合、特に
ブローチ本体を横向きに取り付けようとすると、
ブローチ本体が垂れ下がつて下向きになつてしま
う。

このような問題を改善するため、ブローチ本体
の下部に、ピンと一定の間隔を置いて突起ないし
突条を突設して垂れ下がるのを防止するようにし
たブローチの止金具も知られている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら上記ブローチの止金具において
も、突起ないし突条が服装に食い込む一方、ピン
が服装を引き伸ばしてしまうので、ほとんどブロ
ーチ本体が垂れ下がつて下向きになつてしまうと
いう欠点は解消されなかつた。

そこでこの考案のブローチの止金具は、従来例
の上記問題点を解消したもので、ブローチ本体上
に服装の押え部を取り付け、この押え部をピンの
長さ方向に平行に、かつピンを挟むように一対設
けてブローチ本体が垂れ下がらないようにした、
優れた機能を有するブローチの止金具を提供しよ
うとするものである。

［問題点を解決するための手段］ すなわちこの考案のブローチの止金具は、ブロ
ーチ本体と、ブローチ本体に首振り自在に取り付
けたピンと、ピンの取付位置と所定の間隔でブロ
ーチ本体に取り付けた、ピンを着脱可能な抜け止
め機構とを備えたブローチの止金具において、ピ
ンと抜け止め機構のそれぞれの取付位置の間に、
ブローチ本体上にピンの長さ方向に平行に、かつ
ピンを挟むように一対の服装の押え部を取り付
け、この押え部がピンの長さ方向に沿つた一端を
ブローチ本体上に固定され、他端を連結して上記
固定部で浮き支持してなることを特徴とするもの
である。

［作用］ 服装の押え部が、ピンの両側にピンの長さ方向
に沿つて設けられ、かつこの押え部がピンの長さ
方向に沿つた一端をブローチ本体上に固定され、
他端を連結して上記固定部で浮き支持してなるの
で、ピンが上記一対の押え部の間にくい込むよう
な形で服装に取り付けられる。したがつて、服装
にしつかりと取り付けられ、ブローチ本体が垂れ
下がつて下向きになつてしまうという欠点は完全
に解消できた。

［実施例］ 以下この考案のブローチの止金具の一実施例を
図面に基いて説明する。

第１図および第２図において、１は貴金属で横
長に形成されたブローチ本体である。この本体１
の片側には、爪止めされて宝石２が保持され、他
方の側には真珠等の取り付けるための支持台３
が、アーム４を介して本体１に連結されている。

上記ブローチ本体１の裏面の片側には、支持ポ
スト６を介して球状の頭部７を有する軸受５が突
設され、ピン８が首振り自在に軸止めされてい
る。またこのピン８の取付位置と所定の間隔をお
いて、ピン８を着脱可能な抜け止め機構９が、本
体１の裏面に取り付けられている。

この抜け止め機構９の一般的な構造を説明する
と、やはり球状の頭部１１を有し、この頭部１１
にはピン８と直角方向に縦溝１２を形成するとと
もに、縦溝１２を横切つてピン８の長さ方向に沿
つて貫通孔１３を設ける。そして上記縦溝１２
に、この貫通孔１３に等しい内径の孔１５を有す
るレバー１４を取り付けたのち、貫通孔１３に軸
用パイプ１６をはめ込んで抜け止めする。さら
に、この軸用パイプ１６をその長さ方向に沿つて
開口する横溝１７を、頭部１２およびレバー１４
を横切つて穿設している。

したがつて、ピン８を横溝１７にはめ込んでレ
バー１４を回すと、横溝１７はレバー１４で閉じ
られてピン８が抜け止めされる。

このようなブローチの止金具において、この考
案はピン８と抜け止め機構９のそれぞれの取付位
置の間に、ピン８を挟むように一対の服装の押え
部２１を取り付けたものである。この押え部２１
は、ピン８と同様の径の貴金属の線材からなり、
その一端はブローチ本体１上に固定されている。
さらに、押え部２１はピン８の長さ方向に平行に
伸ばされ、ピン８とほぼ等しい長さに形成されて
いる。そしてその自由端２３はピン８を交差する
方向に連結され、半円を描いてピン８を取り巻い
ている。

この連結した自由端２３は、上記一端の固定部
２２で浮き支持され、望ましくはピン８を開放す
る方向に付勢されている。

この考案のブローチの止金具の使用に際して
は、ピン８を従来通り服装の布地２４にさし込ん
で先端を布地２４から突き出させ、抜け止め機構
９の横溝１７にはめ込めばよい。そしてレバー１
４を回せばピン８は確実に抜け止めされる。

その際、服装の押え部２１は、第３図のように
ピン８がこの一対の押え部２１の間にくい込むよ
うな形で服装に押し当てられる。したがつて、ブ
ローチ本体１は服装にしつかりと取り付けられ、
ブローチ本体１が垂れ下がつて下向きになつてし
まうことがない。このような、ブローチ本体１を
服装にしつかりと取り付ける効果は、押え部２１
の一端を本体１に固定し、自由端を連結してこの
自由端２３を、上記一端の固定部２２で浮き支持
した上、ピン８を開放する方向に付勢した構造と
すれば、より一層顕著なものとなる。

［考案の効果］ この考案のブローチの止金具は以上のように構
成されているので、薄い布地のものにもしつかり
取り付けることができ、ブローチ本体が垂れ下が
つて装飾性が損なわれる欠点が解消できた。

また、上述のように薄い布地のものにもしつか
り取り付けることができるので、服装のどこにで
も、どのような向きにでも取り付けることができ
る。

さらに、服装の押え部がピンと同様の貴金属線
材で構成され、ピンと平行に取り付けられている
ので、ブローチの装飾性を損なうことがなく、繊
細で上品なデザインのブローチを提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のブローチの止金具の一実施
例を示す側面図、第２図はその底面図、第３図は
取付状態の要部拡大断面図である。 １……ブローチ本体、２……宝石、３……支持
台、４……アーム、５……軸受、６……支持ポス
ト、７……球状頭部、８……ピン、９……抜け止
め機構、１１……球状頭部、１２……縦溝、１３
……貫通孔、１４……レバー、１５……孔、１６
……軸用パイプ、１７……横溝、２１……押え
部、２２……固定部、２３……自由端、２４……
布地。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブローチ本体と、ブローチ本体に首振り自在に
   取り付けたピンと、ピンの取付位置と所定の間隔
   でブローチ本体に取り付けた、ピンを着脱可能な
   抜け止め機構とを備えたブローチの止金具におい
   て、ピンと抜け止め機構のそれぞれの取付位置の
   間に、ブローチ本体上にピンの長さ方向に平行
   に、かつピンを挟むように一対の服装の押え部を
   取り付け、この押え部がピンの長さ方向に沿つた
   一端をブローチ本体上に固定され、他端を連結し
   て上記固定部で浮き支持してなることを特徴とす
   るブローチの止金具。