JPH0525305Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両に搭載する燃料タンクに突出状に
取付け、ボデーの外部に燃料供給ガンを挿入する
燃料注入口を設けた燃料注入パイプの、前記燃料
注入口の外周に密着接合する保護カバーパイプに
関するものであつて、燃料注入パイプに簡易に接
合できる構造にするものである。

（従来の技術） 車両に搭載する燃料タンクに突出させて装着し
た燃料注入パイプには、第８，９図に示すように
パイプ本体ａの燃料注入口ｂにリテーナ部材ｃを
挿入して取付け、さらに被追突などの衝撃によつ
て燃料注入口ｂ、及びリテーナ部材ｃが破損する
ことがあるのを予防するため、パイプ本体ａの燃
料注入口ｂの周りに保護カバーパイプｄを嵌めて
溶接を施しているもので、第８図は主として輸出
用車両のパイプ本体ａの縦断面図、第９図は主と
して国内向用車両のパイプ本体ａの縦断面図であ
る。

図によつても明確なように従来は保護カバーパ
イプｄを鉄板により曲げてパイプ形態に製作し、
これをパイプ本体ａに外嵌してCO₂溶接を施して
いるもので、該溶接のあとで保護カバーパイプｄ
とパイプ本体ａとに塗料を吹きつけて塗装を施し
ているから、CO₂溶接がコスト高になる他、パイ
プ本体ａの燃料注入口ｂの付近の外周と保護カバ
ー本体ｄの内面とは塗装できないので、錆の発生
は極く少ないが塗装不良になる欠点を免れ得な
い。

（本考案が解決しようとする問題点） 前記に鑑み本考案は燃料注入パイプに保護カバ
ーパイプを嵌める前に塗装を施したものを使用で
きるようにするため、保護カバーパイプを合成樹
脂により縦方向のヒンジを中心にして二つ割りに
開くことができるようにして、燃料注入パイプと
は別個に内外面ともに塗装できるようにすると共
に、前記の燃料注入パイプより大きい外径の鍔状
部をもつリテーナ部材を該パイプに取付けたあと
からでも、該パイプに溶接を施すことなく保護カ
バーパイプを取付けることができる構造を開発し
ようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前項にのべた問題点を具体的に解決す
ることを目的とするものであつて、燃料注入パイ
プ１の燃料注入口２の外周に密着接合する合成樹
脂カバーパイプ５を、縦方向のヒンジ１０を中心
にして開閉を自由にした約180°ずつの樋状体１
１，１１を以て構成し、該両樋状体の縦方向の開
閉縁に閉合と共に半径方向で重なる重なり縁２
３，２４と、前記注入パイプ１の外周面に形成し
た係合凹凸部３に嵌入する内面の溝もしくは凸部
７を設けたことを特徴とする燃料注入パイプの保
護カバーパイプに係るものである。

本考案の好適な実施例を次に説明する。

（実施例） 第１，２図において１は燃料タンクに取付けて
突出させる燃料注入パイプで、燃料注入口２の開
口近くの外周に係合凸部（又は凹部）３を連続状
に若しくは非連続状に設け、燃料注入口２の開口
に第８，９図と同じリテーナ部材４又は４ａを挿
入して固定する。

５は本考案の合成樹脂製の保護カバーパイプで
あつて下方部分に燃料注入パイプ１の外周に密着
するテーパー６を設け、内周に前記した係合凸部
３に嵌まる溝７を形成した内向鍔８，８とリブ８
ａ，８ａを設け、内向鍔８，８に切込み９を入れ
て縦方向のヒンジ１０を形成して第３，７図の鎖
線に示すように開閉を自由にした約180°ずつの樋
状体１１，１１とする。（溝７は係合凸部とする
こともできる。） 第３，４図は前記した基本形態からなる合成樹
脂製の保護カバーパイプ５の第１実施例を示した
もので、各樋状体１１，１１の上縁に燃料注入パ
イプ１の外周に接する内方折曲の接触縁２１，２
１を設け、樋状体１１の一方に燃料注入パイプ１
に対して切線状をなす内側の重なり縁２２を設
け、他方の樋状体１１に内側の重なり縁２２に対
して半径方向に外側に重なる外側の重なり縁２３
を設ける。それらの重なり縁２２，２３は保護カ
バーパイプ５の外周を円形に保つ範囲で形成する
もので、接触縁２１，２１は第３図に示すように
重なり縁２２，２３の半径方向の重なりのときに
円形のリング形になるように形成する。

本実施例は重なり縁２２，２３を半径方向で溶
着等により接合して、又は第３図実線の状態に連
結し樋状体１１，１１が開かないように固着し、
係合凸部３を溝７に嵌め入れて抜け止めの作用を
生じさせるものである。

第５〜７図は第２実施例を示すものであつて、
一方の樋状体１１に内側の重なり縁２２を設け、
他方の樋状体１１に外側の重なり縁２３を設ける
ことは同じであるが、内側の重なり縁２２に球形
などの嵌込み突起２４を設け、外側の重なり縁２
３に嵌込み突起２４を窮屈に通す嵌込孔２５を形
成する。本実施例においては重なり縁２２，２３
は必ずしも溶着等を施さなくてもよい。

（作用） 本考案は合成樹脂製保護カバーパイプ３をヒン
ジを中心にして約180°ずつの樋状体１１，１１の
内外面に塗装を施す等の処理をし、燃料注入パイ
プ１の燃料注入口２の付近で樋状体１１，１１を
閉合して重なり縁２２，２３を半径方向で重ね、
且つ溶着その他適当な手段で開かないように処理
し、燃料注入パイプ１側で凸起又は凹部３に嵌め
て取付けを施す。

（効果） 本考案は燃料注入パイプ１の燃料注入口２の付
近が強い衝撃により損傷しないようにする保護カ
バーパイプ５を腐食のない合成樹脂製とし、合成
樹脂の弾性を利用して縦方向のヒンジ１０により
開閉を自由にした約180°ずつの樋状体１１，１１
とし、その樋状体１１に閉合により半径方向で重
なり縁２２，２３を設けているものであつて、重
なり縁２２，２３に溶着を施すなどで接合して保
護カバーパイプ５の形態に保持するとともに内側
の溝又は係合凸部７を燃料注入パイプ１の外周に
設けた係合凹凸部３に係合するものであるため、
従来にない弾力をもつ合成樹脂製の保護カバーパ
イプ５と燃料注入パイプ１にCO₂溶接などの溶接
を施すことなく、弾力を保有したままで、従来の
金属製保護カバーパイプの溶接と同様に燃料注入
パイプ１に取付けることができる効果をもつ。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は合成樹脂製保護カバーパイプの取
付けを示した縦断側面図、第３，４図は第１実施
例を示し、第３図は一部切欠平面図、第４図は第
３図Ａ−Ａ線側面図である。第５〜７図は第２実
施例を示し、第５図は平面図、第６図は第５図Ｂ
−Ｂ線切断面図、第７図は斜視図である。第８，
９図は従来構造を示した縦断面図である。 １……燃料注入パイプ、２……燃料注入口、３
……係合凸部（又は凹部）、５……合成樹脂製の
保護カバーパイプ、７……溝、１０……ヒンジ、
１１……樋状体、２２……内側の重なり縁、２３
……外側の重なり縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料注入パイプ１の燃料注入口２の外周に密着
   接合する合成樹脂カバーパイプ５を、縦方向のヒ
   ンジ１０を中心にして開閉を自由にした約180°ず
   つの樋状体１１，１１を以て構成し、該両樋状体
   の縦方向の開閉縁に閉合と共に半径方向で重なる
   重なり縁２３，２４と、前記注入パイプ１の外周
   面に形成した係合凹凸部３に嵌入する内面の溝も
   しくは凸部７を設けたことを特徴とする燃料注入
   パイプの保護カバーパイプ。