JPH0525271Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔概要〕 モールド品のリブによるネジのガイド及び取付
位置決めする部品取付構造に関し、 ヒケの生じない、型費を高くしない部品取付構
造を提供することを目的とし、 モールドカバーの内側底部に取付部品の高さを
位置決めするリブＢと、内側側壁に取付部品の前
後方向の位置決めをする凸部と、該凸部に取付部
品を取付けるための取付穴からなる部品取付構造
であつて、前記リブＢの先端を延長して、前記取
付穴に挿入されたネジの下端を受けるＤ部と、該
Ｄ部を間に前記ネジの外径を挟持するリブＡ、リ
ブＣを設けて前記凸部を形成し、モールド品のヒ
ケを防止する構造とする。

〔産業上の利用分野〕

本考案はモールド品のリブによるネジのガイド
及び取付位置決めする部品取付構造に関する。

電子機器等のカバーは、従来板金等により製作
されていたものが、最近では樹脂製モールド品で
置き換えられたものが多い。

これらモールド品は樹脂でモールド成形され、
そのモールド成型時に、厚肉部があるとヒケを生
じ外観を損ねるため、ヒケのないモールド品が要
望される。

〔従来の技術〕

第２図は従来の電子機器筐体を説明する図であ
る。

第２図において、電子機器１は上カバー２と下
カバー３により覆われ、その内部に各ユニツト類
が内蔵されている。例えば、下カバー３の内部に
装置を制御するプリント板ユニツト４が下カバー
３に設けられているリブＢ上に配設されている。

第３図イ〜ニは従来の部品取付構造図で、第２
図のＡ部分の拡大図である。図イは斜視図、図ロ
は図イの上面図、図ハは図ロの正面図、図ニは図
ハのＥ−Ｅ断面図である。

第３図イ〜ニにおいて、３は下カバーで、下カ
バー３の底部にリブＢがあり、（第２図参照）該
リブＢによりプリント板ユニツトの取付け高さを
位置決めする。６は肉厚部で、突部を内側に形成
し、プリント板ユニツトの前後方向の取付けを位
置決めする。７は取付穴で、該取付穴７によりプ
リント板ユニツトを肉厚部６に固定する。

例えば、第２図のようなプリント板ユニツト４
の取付けは、リブＢ上にプリント板ユニツト４を
載せてプリント板ユニツト４の高さ方向の位置決
めをし、さらに肉厚部６のａ面をプリント板ユニ
ツト取付部ｂに突当てて、プリント板ユニツト４
の前後方向の位置決めをした後、取付穴７にネジ
を通してプリント板ユニツト４を固定する。

また、別の部品取付構造として、第４図イ〜ニ
のようなものがある。第４図イは斜視図、ロはイ
の上面図、ハはロの正面図、ニは図ハのＦ−Ｆ断
面図である。

第４図イ〜ニにおいて、第３図と同じように３
は下カバー、Ｂはリブ、７は取付穴である。８は
エンボス部で第３図の肉厚部６と同じように、リ
ブＢ上に載せたプリント板ユニツト４をエンボス
面Ｃに突当て、プリント板ユニツトの前後方向の
位置決めをした後、取付穴７にネジを通してプリ
ント板ユニツトを固定する。

〔考案が解決しようとする課題〕

第３図の従来の部品取付構造においては、モー
ルド際、モールド型は、第３図ニに示す型の引き
抜き方向，のように引き抜かれるが、モール
ド時に肉厚部６において図示のようなヒケ９が生
じる。その為に外観を損ねる問題があつた。

そのヒケを生じなくする為に、第４図ニのよう
に内部を座ぐり均一な肉厚のエンボス部８として
いる。しかし、この形状にすると、成形時の型の
抜き方向に対しエンボス８が突起してしまう
為、型スライドが必要になる。その為、型費が高
くなつてしまう問題があつた。

そこで、本考案ではヒケの生じない、型費を高
くしない部品取付構造を提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するためには、第１図イ〜ニに
示されるように、モールドカバーの内側底部に取
付部品の高さを位置決めするリブＢと、内側側壁
に取付部品の前後方向の位置決めをする凸部と、
該凸部に取付部品を取付けるための取付穴７から
なる部品取付構造であつて、 前記リブＢの先端を延長して、前記取付穴７に
挿入されたネジの下端を受けるＤ部と、該Ｄ部を
間に前記ネジの外径を挟持するリブＡ、リブＣを
設けて前記凸部を形成し、モールド品のヒケを防
止する構造としている。

〔作用〕

即ち、成型した高低差のある複数のリブＡ，
Ｂ，Ｃで取付部品の高さ方向、前後方向の取付位
置決めがされるので、従来の厚肉部、エンボス部
を必要としない。従つて、肉厚部分がなくなるこ
とにより成形時のヒケがなくなり外観がよい。

また、成形型を型の抜き方向と型の抜き方向
に抜くことができ、型を左側にスライドする必
要がないので、型構造が簡単で型費が安価であ
る。

さらに、取付穴７を通したネジがリブＡ，Ｃ間
にガイドされネジのブレをなくし、リブＢでネジ
の下部が保持されるので、取付作業が簡単にな
る。

〔実施例〕

第１図イ〜ニは本考案の一実施例を説明する図
で、イは斜視図、ロはイの上面図、ハはロの正面
図、ニはハのＧ−Ｇ断面図である。なお、全図を
通し共通する符号は同一対象物を示す。

第１図イ〜ニにおいて、３は下カバーで、該下
カバー３の底部に取付部品（ここではプリント板
ユニツト）を受け、高さを位置決めするリブＢが
ある。さらにリブＢを延長したＤ部を間にしてリ
ブＡとリブＣを設け、リブＡとリブＣの長さＬに
よつて取付部品（第２図ではプリント板ユニツ
ト）の前後方向を位置決めする。７は下カバー３
の側面に設けられた取付穴であり、前記リブＡ、
リブＣの高さＨは取付穴７の上面と同じにし、リ
ブＡの端面とリブＣの端面とで、取付穴７を
通したネジの左右ブレをなくし、リブＢの端面
によりネジが下がるのを防止し、ネジをガイドす
る。

上記のように高低差のある複数のリブを成型す
ることにより、従来の肉厚部、エンボス部の替わ
りとすることができる。従つて、厚肉部がなくな
ることにより成形時のヒケがなくなり、外観がよ
い。

また、取付部をリブＡ，Ｂ，Ｃで構成したこと
により、成形時の型が引き抜き方向，に引き
抜かれ、従来のエンボスのような突起がないの
で、左側への型スライドが必要でなく、型構造が
簡単で型費が安価である。

さらに部品の取付け位置は、リブの高低差を利
用して位置決めできる構造で、簡単である。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、リブによ
り厚肉部をなくしたことによつてヒケを生じなく
なる。また、リブにより左側への型スライドを使
用する必要がなく、型費の安価につながりコスト
ダウンが図れ、さらにリブだけで部品の取付け位
置決めがされ簡単になる。

【図面の簡単な説明】

第１図イ〜ニは本考案の一実施例を説明する
図、第２図は従来の電子機器を説明する図、第３
図イ〜ニは従来の部品取付構造図、第４図イ〜ニ
は従来の別の部品取付構造図である。 図において、３は下カバー、７は取付穴を示
す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 モールドカバーの内側底部に取付部品の高さを
   位置決めするリブＢと、内側側壁に取付部品の前
   後方向の位置決めをする凸部と、該凸部に取付部
   品を取付けるための取付穴７からなる部品取付構
   造であつて、 前記リブＢの先端を延長して、前記取付穴７に
   挿入されたネジの下端を受けるＤ部と、該Ｄ部を
   間に前記ネジの外径を挟持するリブＡ、リブＣを
   設けて前記凸部を形成し、モールド品のヒケを防
   止する構造としたことを特徴とするリブによる部
   品取付構造。