JPH05249667A - 感光材料および画像形成方法 - Google Patents

感光材料および画像形成方法

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JPH05249667A JP29583490A JP29583490A JPH05249667A JP H05249667 A JPH05249667 A JP H05249667A JP 29583490 A JP29583490 A JP 29583490A JP 29583490 A JP29583490 A JP 29583490A JP H05249667 A JPH05249667 A JP H05249667A
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Abstract

(57)【要約】 電子出願以前の出願であるので 要約・選択図及び出願人の識別番号は存在しない。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、ハロゲン化銀による重合反応を利用 した感光材料、特に印刷版に適した感光材料およ び、それを用いて画像または印刷版を形成する方 法に関する。
[発明の背景] ハロゲン化銀、還元剤および重合性化合物を含 む感光材料を画像露光およびハロゲン化銀の現像 をして、画像状に重合性化合物を重合させてポリ マー画像を形成する方法は、特公昭45−111 49号公報(米国特許3697275号、西独国 特許1720665号および英国特許11312 00号)に記載されている。この方法において は、ハロゲン化銀を還元した還元剤の酸化体ラジ カルにより重合が開始される。
さらに、ハロゲン化銀と重合性化合物を分離 し、それぞれを別個に含む二つの層、すなわち感 光層(感光性ハロゲン化銀写真乳剤層)と重合層 が支持体上に設けられた感光材料が、特開昭58 −121031号公報(米国特許4547450 号および西独国特許公開3300817A号)に 記載されている。
このように感光層と重合層を分離した態様の感 光材料においては、ハロゲン化銀を還元した還元 剤の酸化体ラジカルが感光層から重合層へ移動す ることが画像形成のために不可欠である。特開昭 58−121031号公報に記載されているよう に、感光層で生成した酸化体ラジカルが重合層に 拡散し重合を開始することは、ラジカルの不安定 さを考えると驚くべきことであった。
特開昭58−121031号公報に記載されて いる画像形成の方法では、現像液を用いる湿式処 理を採用している。このため現像時に現像液が感 光層から重合層へ浸透する。また、同公報記載の 還元剤は水溶性である。従って、感光層で生成し た酸化体ラジカルは、現像液と共に(具体的には 現像液中の水を媒体または担体として)感光層か ら重合層へ移動する。
一方、ハロゲン化銀の現像を加熱によって行な い、乾式処理だけでポリマー画像を形成する方法 が特開昭61−69062号および特開昭61− 73145号各公報(米国特許4629676号 および欧州特許公開番号0174634A号)に 記載されている。また、この乾式処理の画像形成 方法を利用した印刷版の製造に好適な感光材料 が、特開昭64−17047号公報に記載されて いる。
上記の乾式処理は実質的に水を含まない条件下 で実施する。水、すなわち上記特開昭58−12 1031号公報に記載の湿式処理の画像形成方法 における還元剤の酸化体ラジカルの媒体または担 体が存在していない。従って、乾式処理におい て、感光層と重合層の分離は困難と考えられてい た。このため、乾式処理の画像形成方法において 感光層と重合層を分離した態様の感光材料は、ほ とんど提案されていなかった。
熱現像処理において、還元剤そのものが2つの 層の間を移動できることは、本発明者により確認 されている。このため、本発明者は、還元剤その ものを重合禁止剤として作用させる画像形成方法 に限って、ハロゲン化銀と重合性化合物を分離し た感光材料の態様を提案している(特開昭61− 75342号公報および米国特許4649098 号の第2図参照)。この態様では、支持体上にハ ロゲン化銀および(重合禁止剤としての機能を有 する)還元剤を含むハロゲン化銀層および重合性 化合物および光重合開始剤を含む光重合層が設け られている。
しかし、前述した特開昭58−121031号 公報に記載されているように、還元剤の酸化体ラ ジカルは、還元剤そのものと比較して非常に不安 定である。熱により還元剤の酸化体ラジカルが2 つの層の間を移動することは全く考えらず、試み られてもいなかった。
[発明の要旨] 本発明者が研究を進めたところ、驚くべきこと に、還元剤の酸化体ラジカルは、現像時の熱によ り2つの層の間を(すなわち、感光層から重合層 へ)移動できるのである。この本発明者の発見に より、乾式処理においても感光層と重合層の分離 が可能であることが明らかとなった。
本発明の目的は、高感度で熱現像により機械的 強度の大きいポリマー画像を形成することができ る感光材料を提供することにある。
また、本発明の目的は、感光層と重合層の分離 された感光材料を用いて乾式処理により画像を形 成する方法を提供することでもある。
さらに、本発明の目的は、印刷原版に適した感 光材料および印刷版の製造に適した画像形成方法 を提供することである。
ところで、現像時における感光材料内の反応 は、アルカリ性の条件下で進行する。前述したよ うに、特開昭58−121031号公報では、現 像液を用いる湿式処理を採用されている。この現 像液はアルカリ性であるため、塩基性の物質を感 光材料に内蔵する必要はない。従って、特開昭5 8−121031号公報には、塩基または塩基プ レカーサーについて全く記載がない。
一方、本発明が提供しようとする熱現像用感光 材料および乾式の画像形成方法では、塩基または 塩基プレカーサーを感光材料中に内蔵することが 実質的に必要である。
本発明は、ハロゲン化銀、還元剤、重合性化合 物または/および架橋性ポリマー、および塩基ま たは/および塩基プレカーサーを含む感光材料で あって、 支持体上に重合層、その上に感光層が順次設け られており、重合層が重合性化合物または/およ び架橋性ポリマーを含み、感光層がハロゲン化 銀、および塩基または/および塩基プレカーサー を含むことを特徴とする感光材料を提供する。
なお、還元剤は、感光層または/および重合層 に含まれている。
また、本発明は、ハロゲン化銀、還元剤、重合 性化合物または/および架橋性ポリマー、および 塩基または/および塩基プレカーサーを含む感光 材料であって、 支持体上に重合層、その上に感光層が順次設け られており、重合層が重合性化合物または/およ び架橋性ポリマーを含み、そして感光層がハロゲ ン化銀、および塩基または/および塩基プレカー サーを含む感光材料を、 画像露光し、それと同時にまたはその後、実質 的に水を含まない条件下で60〜200℃の範囲 の温度で加熱して、ハロゲン化銀を現像するとと もに重合層を画像状に硬化し、これによりポリマ ー画像を形成することを特徴とする画像形成方 法も提供する。
なお、本明細書において、実質的に水を含まな い条件とは、感光材料に含まれている水分の総量 が感光層の総量の10重量%未満であることを意 味する。
本発明の好ましい態様を以下に記す。
1)感光層が塩基プレカーサーを含む。塩基その ものよりも、熱現像時に熱分解によって塩基を放 出する塩基プレカーサーを用いる方が、感光材料 の保存性の点でより好ましい。
2)熱現像促進剤をいずれかの層に含むのが好ま しい。熱現像促進剤は、熱現像による画像形成を 促進し、熱現像処理時間を短縮しあるいは重合を 促進する機能を持つ。熱現像促進剤は、加熱時に 溶融し、反応物質の溶解や拡散を促進したり、あ るいはバインダーポリマーを室温あるいは加熱時 に、より可塑性にし、それらの結果、塩基プレカ ーサーの分解、発生した塩基や還元剤の酸化体ラ ジカルの拡散、ハロゲン化銀の現像、重合性化合 物の重合または架橋性ポリマーの硬化を促進させ るものと考えられる。
3)還元剤は一般にいずれの層に含まれていても よい。なお、硬化画像の機械的強度を向上させる 必要がある場合、あるいは、還元剤が硬化阻害作 用(たとえばラジカルを捕捉)を有する場合に は、感光層に含まれていることが好ましい。
4)重合層が重合性化合物を含む。重合性化合物 は、エチレン性不飽和重合性化合物であることが 好ましい。
5)重合層が架橋性バインダーポリマーを含む。
架橋性バインダーポリマーとして側鎖にエチレン 性不飽和二重結合基を有するものが好ましい。
6)重合層が重合性化合物およびバインダーポリ マーの双方を含む。
バインダーポリマーは一般には限定されない が、上記の架橋性バインダーポリマーであること がより好ましい。
7)重合層に含まれるバインダーポリマーが、分 子中に酸性基を有する。
酸性基を有することにより、熱現像後、有機溶 剤を用いることなく、アルカリ性水溶液中で未硬 化部分(非画像部)を除去することが出来る。
さらにバインダーポリマーが、上記の架橋性バ インダーポリマーでかつ酸性基を有するものがさ らに好ましい。
8)重合層が、重合性化合物および架橋性でかつ 酸性基を有するバインダーポリマーを有する。
この態様が、硬化速度と硬化率が最も優れ、か つアルカリ性水溶液で非画像部の除去ができるの で、最も好ましい。
なお、バインダーポリマーは、重合層の上に水 性の感光層を塗布するときに溶けず、また得られ るポリマー画像が印刷時に高いインキ受容性をも つポリマーが望ましい。従って、酸性基の有無に かかわらず、一般にバインダーポリマーは油溶性 かつ疎水性であることが好ましい。
9)感光層が親水性バインダーポリマーを含有す る。親水性ポリマーとしては、水溶性ポリマーま たは水膨潤性ポリマーが好ましい。
感光材料の表面を空気から遮断して熱現像を行 なう場合は、上記親水性バインダーポリマーは限 定されない。しかし、空気中に開放して熱現像を 行なう場合は、空気中の酸素が重合層に浸透して ラジカルによる重合または架橋反応を阻害するの を防ぐため、酸素の透過率が低い親水性バインダ ーポリマーを用いるのが好ましい。
この場合は、ポリマー膜の酸素透過係数は 1.0 ×10-11 cc・cm /cm2・sec・cm Hg 以下であることが好ましい。
具体的には、ポリビニルアルコールまたはゼラ チンが好ましい。特に、けん化度が70%、より 好ましくは80%以上、さらに好ましくは95% 以上のポリビニルアルコールが好ましい。その塗 布量は0.5g〜10g/m2の範囲であることが 好ましく、1.0g〜5g/m2の範囲であること がさらに好ましい。分子量は約3000〜50万 の範囲であることが好ましい。
10)感光層の上にさらにオーバーコート層が設 けられている。このオーバーコート層に、上記の 酸素の透過率が低い親水性バインダーポリマーを 含めるのが好ましい。
11)感光層がマット剤を含有する。
12)感光層または重合層が着色物質を含有す る。
着色物質はポリマー画像を可視化すると共に、 それが吸収する光の波長がハロゲン化銀のそれと 重なる場合は、ハレーション防止剤として その 効果を有する。着色物質は、ハロゲン化銀への影 響(減感、現像抑制等)が少なく、硬化(重合、 架橋)を阻害しにくいものが好ましい。
13)感光層かイラジエーション防止染料を含有 する。
イラジエーション防止染料は、ハロゲン化銀へ の影響(減感、現像抑制等)が少なく、硬化(重 合、架橋)を阻害しにくいものが好ましい。
14)いずれかの層が、かぶり防止剤を含有す る。
15)いずれかの層が有機銀塩酸化剤を含有す る。感光層に含まれていることが好ましい。
16)いずれかの層が、界面活性剤を含有する。
17)支持体がアルミニウム板である。
特に印刷版用に砂目立ておよび陽極酸化された ものが好ましい。
18)画像形成方法において、感光層の表面を空 気から遮断した状態で加熱する。
感光層の親水性バインダーポリマーの酸素透過 率が高い場合には、この方法を用いることが好ま しい。
19)画像形成方法において、感光層の表面を空 気中に開放した状態で加熱する。
感光層の水溶性バインダーポリマーの酸素透過 率が充分に低い場合には、この方法の方が、上記 (18)の方法より、画像にムラ、かぶり、にじ み等が少なく、また現像ラチチュードが広いた め、好ましい。
20)熱現像後、未硬化部分の溶解除去をアルカ リ性水溶液中で行なう。
21)熱現像後、感光層を水洗除去した後、重合 層の未硬化部分を溶解するエッチング液で処理し て、重合層の非画像部を溶解除去する。
22)熱現像後、直接エッチング液で処理して、 感光層を全面的に溶解除去すると同時に、重合層 の非画像部を溶解除去する。
本発明の感光材料において、最も好ましい態様 は次の通りである。
(A)支持体上に、重合性化合物、架橋性でかつ 酸性基を有するバインダーポリマーおよび還元剤 を含む重合層、およびその上に、ハロゲン化銀、 塩基プレカーサー、熱現像促進剤および親水性バ インダーポリマーを含む感光層が設けられた感光 材料。
(B)上記の態様(A)において、親水性バイン ダーポリマーの40重量%以上が、けん化度70 %以上のポリビニルアルコールである感光材料。
(C)支持体上に、重合性化合物および架橋性で かつ酸性基を有するバインダーポリマーを含む重 合層、およびその上に、ハロゲン化銀、塩基プレ カーサー、熱現像促進剤、還元剤および親水性バ インダーポリマーを含む感光層が設けられた感光 材料。
(D)上記の態様(C)において、親水性バイン ダーポリマーの40重量%以上が、けん化度70 %以上のポリビニルアルコールである感光材料。
(E)支持体上に、重合性化合物、架橋性でかつ 酸性基を有するバインダーポリマー、および還元 剤を含む重合層、ハロゲン化銀、塩基プレカーサ ー、熱現像促進剤、および親水性バインダーポリ マーを含む感光層、およびケン化度70%以上の ポリビニルアルコールからなるオーバーコート層 がこの順で設けられた感光材料。
(F)支持体上に、重合性化合物、および架橋性 でかつ酸性基を有するバインダーポリマーを含む 重合層、ハロゲン化銀、塩基プレカーサー、熱現 像促進剤、還元剤および親水性バインダーポリマ ーを含む感光層、およびケン化度70%以上のポ リビニルアルコールからなるオーバーコート層が この順で設けられた感光材料。
[発明の効果] 本発明は、感光層と重合層が分離された熱現像 用感光材料を提供するものである。この感光材料 を用いることにより以下の効果が得られる。
1。本発明においては塩基または塩基プレカー サーが感光材料に内蔵されているため、外部の現 像液等から塩基を供給することなく、熱現像だけ によってポリマー画像を形成することができる。
2。感光層と重合層を分離した本発明の感光材 料では、ハロゲン化銀、塩基および塩基プレカー サーのような成分は重合層には含まれない。従っ て重合層はほとんどポリマー画像を形成する物質 だけで構成されるので、得られるポリマー画像は より機械的強度において優れている。さらに、形 成されるポリマー画像は、単層の感光材料の場合 よりも耐水性に優れている。この効果は、感光材 料を印刷原版として用いる場合に、非常に有利で ある。
一方、着色物質を一部イラジエーション防止剤 として感光層に入れる場合は別として、画像の着 色およびハレーション防止の目的で添加する顔料 または染料は重合層に含ませることができるの で、ハロゲン化銀を感光させる波長の光を吸収し て感度を低下させることがなく、充分な画像濃度 とハレーション防止効果が得られる。
3。塩基(または塩基プレカーサーから発生す る塩基)は、露光により潜像が形成されたハロゲ ン化銀の還元剤による現像および引き続くラジカ ルの発生を促進するものであり、重合反応には直 接は関与しない。感光層と重合層を分離した本発 明の感光材料においては、塩基または塩基プレカ ーサーは、それが必要とされる感光層に配置され る。このため、塩基または塩基プレカーサーの作 用は、(重合層が酸性成分または緩衝作用を有す る成分を含む場合でも)重合層の成分から影響さ れない。従って、効率良くハロゲン化銀の現像及 びラジカルの発生が促進される。
4。感光層が重合層の上に設けられるため、熱 現像時に空気中の酸素が重合層へ拡散しにくく、 酸素の重合阻害作用が緩和され、従って重合反応 は単層感光材料の場合より効率良く起こる。
5。感光層の上に、酸素透過率の低いオーバー コート層を設けるか、あるいはオーバーコート層 なしで感光層のバインダーポリマーとして、酸素 透過率の低いポリマーを用いる本発明の態様にお いては、感光材料の表面を空気中に開放して熱現 像を行なうことができる。表面を空気中に開放し て熱現像を行なうと、画質が改善される場合が多 い。
[発明の詳細な記述] 添付の図面を参照しながら、本発明の感光材料 および画像形成方法について説明する。
第1図は、本発明の感光材料の好ましい態様の 1つ(前述した態様(A)に相当する)を示す断 面模式図である。
第1図に示されるように、感光材料は、支持体 (1)上に、重合性化合物、架橋性でかつ酸性基 を有するバインダーポリマーおよび還元剤(△) を含む重合層(2)が設けられている。さらに重 合層(2)の上に、ハロゲン化銀(□)、塩基プ レカーサー(▽)、熱現像促進剤(○)および親 水性バインダーポリマーを含む感光層(3)が設 けられている。
第2図は、第1図に示した感光材料を用いる画 像形成方法の画像露光の工程を示す断面模式図で ある。
第2−A図は、画像露光の工程における感光材 料内の反応を示す模式図である。
第2図および第2−A図に示されているよう に、露光部(22)において、ハロゲン化銀の潜 におけるハロゲン化銀(□)は変化しない。
第3図は、第1図に示した感光材料を用いる画 像形成方法の熱現像の工程を示す断面模式図であ る。
第3−A図は、熱現像の工程における感光材料 内の反応を示す模式図である。
第3図および第3−A図に示されているように 加熱により次の3種の反応が同時に進行する。
a)塩基プレカーサー(▽)が塩基(▼)を感 光層(31および32)内に放出し、感光層がア ルカリ性の雰囲気下となる。
b)還元剤(△)が重合層(33および34) から感光層(31および32)へ移動し、感光層 の露光部(32)において、ハロゲン化銀の潜像 体ラジカル(▲)が形成される。
c)還元剤の酸化体ラジカル(▲)が、感光層 の露光部(32)から、重合層の露光部(34) へ移動し、このラジカルの作用により重合性化合 物が硬化し、バインダーポリマーが架橋する。
以上のように、重合層の露光部(34)におい て、機械的強度が高いポリマー画像が形成され る。このように形成されたポリマー画像は、様々 な方法で利用することができる。その一例を第4 図に示す。
第4図は、第1図に示した感光材料を用いる画 像形成方法のエッチング処理の工程を示す断面模 式図である。
第4図に示されるように、エッチング液で感光 層の全部および重合層の未露光部を除去すること ができる。これにより、重合層の露光部に形成さ れたポリマー画像(41)が残る。このポリマー 画像は、印刷版として好ましく利用することがで きる。
支持体としては、紙、合成紙、合成樹脂(例え ばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン 等)をラミネートした紙、プラスチックフィルム (例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカ ーボネート、ポリイミド、ナイロン、セルロー ス、トリアセテート等からなるフィルム)、金属 板(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、 亜鉛、鉄、銅等の板)、上記のような金属がラミ ネートあるいは蒸着された紙やプラスチックフィ ルム、などが用いられる。
特に、平版印刷版に用いる場合は、上記の支持 体のうち、アルミニウム板、ポリエチレンテレフ タレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、 紙、合成紙が好ましい。また、特公昭48−18 327号公報に記載されているような、ポリエチ レンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシ ートが貼設された複合シートも好ましい。なお、 紙支持体については、特開昭61−3797号お よび同61−112150号の各公報に記載があ る。
支持体としてアルミニウム板を用いる場合を例 に以下に説明する。
支持体は、必要に応じて表面粗面化処理(砂目 立て処理)、あるいは表面親水化処理などの表面 処理が施される。
表面処理(砂目立て処理)は、アルミニウム板 を、例えば、塩酸または硝酸電解液中で電流を流 して砂目立てする電気化学的砂目立て法、および アルミニウムの表面を金属ワイヤーでひっかくワ イヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアル ミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、 ナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブ ラシグレイン法、のような機械的砂目立て法を単 独または組み合せて用いる方法などにより実施さ れる。
次に、このように砂目立て処理したアルミニウ ム板は、酸またはアルカリにより化学的にエッチ ングされる。工業的に有利な方法は、アルカリを 用いるエッチングである。アルカリ剤としては、 炭酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、メタ珪 酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、水酸化ナトリウ ム、水酸化カリウム、および水酸化リチウム等が 挙げられる。このアルカリ溶液の濃度は、1〜 50重量%の範囲、またアルカリ処理の温度は、 20〜100℃の範囲が好ましく、アルミニウム の溶解量が5〜20g/mとなるような条件が好 ましい。
さらに、通常、アルカリエッチングの後その表 面に残る汚れ(スマット)を除去するために酸洗 いが行なわれる。酸としては、硝酸、硫酸、燐 酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ酸などが好まし い。
なお、電気化学的粗面化処理後のスマット除去 処理には、特開昭53−12739号公報に記載 されているように、50〜90℃の温度で15〜 65重量%の濃度の硫酸と接触させる方法、ある いは特公昭48−28123号公報に記載されて いる方法が有効である。
以上のように表面粗面化されたアルミニウム支 持体は、必要に応じて、陽極酸化処理あるいは化 成処理を施すことができる。
陽極酸化処理は公知の方法で行なうことができ る。具体的には、硫酸、燐酸、クロム酸、シュウ 酸、スルファミン酸、ベンゼンスルフォン酸等を 単独または組み合せた溶液中で、アルミニウムに 直流または交流の電流を流すことによりアルミニ ウム表面に陽極酸化皮膜を形成する。陽極酸化の 条件は使用される電解液によって変化するが、一 般的には電解液の濃度が1〜80重量%、電解液 の温度が5〜70℃、電流密度が0.5〜60ア ンペア/dm、電圧が1〜100v、電解時間が 10〜100秒の範囲にあることが好ましい。
陽極酸化法は、英国特許第1412768号明 細書に記載されている、硫酸中で高電流密度で陽 極酸化する方法、あるいは米国特許第35116 61号明細書に記載されている、燐酸を電解浴と して陽極酸化する方法が特に好ましい。
陽極酸化処理されたアルミニウム板は、さらに 米国特許第2714066号および同31814 61号の各明細書に記載されているように、アル カリ金属シリケート処理(例えば珪酸ナトリウム の水溶液で浸せきなどの方法により処理)した り、あるいはアルミ支持体と重合層の接着性、印 刷特性等を改良する目的で、アルミ支持体表面に 下塗り層を設けることが出来る。
下塗り層を構成する成分としては、カゼイン、 ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェ ノール樹脂、スチレンー無水マレイン酸樹脂、ポ リアクリル酸、モノエタノールアミン、ジエタノ ールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパ ノールアミンおよびそれらの塩酸塩、シュウ酸 塩、燐酸塩、アミノ酢酸、アラニン等のモノアミ ノモノカルボン酸、セリン、スレオニン、ジヒド ロキシエチルグリシン等のオキシアミノ酸、シス テイン、シスチン等の硫黄を含むアミノ酸、アス パラギン酸、グルタミン酸等のモノアミノジカル ボン酸、リシン等のジアミノモノカルボン酸、 p−ヒドロキシフェニルグリシン、フェニルアラ ニン、アントラニル酸等の芳香族核を持つアミノ 酸、トリプトファン、プロリン等の複素環を持つ アミノ酸、スルファミン酸、シクロヘキシルスル ファミン酸等の脂肪族アミノスルホン酸、エチレ ンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢 酸、ヒドロキシエチルイミノニ酢酸、ヒドロキシ エチルエチレンジアミン酢酸、エチレンジアミン 二酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジエチ レントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジア ミン四酢酸等の(ポリ)アミノポリ酢酸及びこれ らの化合物の酸基の1部または全部がナトリウム 塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の塩を構成し たものを挙げることができる。これらは二種以上 併用して用いることもできる。
以下の本発明の感光材料の重合層に用いられる 重合性化合物、架橋性ポリマー、バインダーポリ マー、着色物質についてさらに詳しく説明する。
本発明の重合層は、ラジカル(またはその他の 活性種)によって硬化することの出来る層であ り、硬化反応として例えば以下のような反応が考 えられるが、これに限定されるものではない。
(1)重合性化合物の重合による硬化; (2)重合性化合物の重合過程に存在する生長ラ ジカルが、ポリマー分子中の付加しうる官能基 (例えば二重結合基)に付加することによる架橋 硬化; (3)生長ラジカルまたは重合開始ラジカルがポ リマー分子中の原子(例えば水素原子、ハロゲン 原子等)を引き抜いて生じたポリマーラジカル、 あるいはラジカルがポリマー分子中の付加しうる 官能基に付加して生じたポリマーラジカルが、さ らに重合性化合物に付加して重合を起すグラフト 反応による硬化; (4)上記のポリマーラジカル同士の再結合によ る架橋硬化; 重合層に含まれる重合性化合物の例として は、付加重合性または開環重合性を有する化合物 を挙げることができる。付加重合性を有する化合 物としては、エチレン性不飽和基を有する化合 物、開環重合性を有する化合物としては、エポキ シ基を有する化合物等があるが、エチレン性不飽 和基を有する化合物が特に好ましい。
感光材料に使用することができるエチレン性不 飽和基を有する化合物の例としては、アクリル酸 およびその塩、アクリル酸エステル類、アクリル アミド類、メタクリル酸およびその塩、メタクリ ル酸エステル類、メタクリルアミド類、無水マレ イン酸、マレイン酸エステル類、イタコン酸エス テル類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニル エステル類、N−ビニル複素環類、アリルエーテ ル類、アリスエステル類およびそれらの誘導体等 を挙げることができる。
上記エチレン性不飽和基を有する化合物として は、アクリル酸エステル類もしくはメタクリル酸 エステル類が好ましい。アクリル酸エステル類の 具体例としては、n−ブチルアクリレート、シク ロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルア クリレート、ベンジルアクリレート、フルフリル アクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレ ート、トリシクロデカニルオキシアクリレート、 ノニルフェニルオキシエチルアクリレート、 1,3−ジオキソランアクリレート、ヘキサンジ オールジアクリレート、ブタンジオールジアクリ レート、ネオペンチルグリコールジアクリレー ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、 トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、 ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ ンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペン タエリスリトールヘキサアクリレート、ポリオキ シエチレン化ビスフェノールAのジアクリレー ト、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエ チル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル− 1,3−ジオキサンジアクリレート、2−(2− ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5,5 −ジヒドロキシメチル−1,3−ジオキサントリ アクリレート、トリメチロールプロパンのプロピ レンオキサイド付加物のトリアクリレート、ヒド ロキシポリエーテルのポリアクリレート、ポリエ ステルアクリレートおよびポリウレタンアクリレ ート等を挙げることができる。
またメタクリル酸エステル類の具体例として は、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレー ト、エチレングリコールジメタクリレート、ブタ ンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリ コールジメタクリレート、トリメチロールプロパ ントリメタクリレート、ペンタエリスリトールト リメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラ メタクリレートおよびポリオキシアルキレン化ビ スフェノールAのジメタクリレート等を挙げるこ とができる。
重合性化合物はまた、市販品から選んで用いる こともできる。市販の重合性化合物としては、例 えば、東亜合成化学工業(株)製の、アロニックスM −309、M−310、M−315、M−400 、M−6100、M−8030、M−8100、 日本化薬(株)製の、カヤラッドHX−220、HX −620、R−551、TMPTA、D−330 、DPHA、DPCA−60、R604、R68 4等が挙げられる。
上記重合性化合物は、単独で使用しても二種以 上を併用してもよい。二種以上の重合性化合物を 併用した感光材料については、特開昭62−21 0445号公報に記載がある。なお、還元剤また は色画像形成物質の化学構造にビニル基やビニリ デン基等の重合性官能基を導入した物質も重合性 化合物として使用できる。上記のように還元剤と 重合性化合物、あるいは色画像形成物質と重合性 化合物を兼ねた物質の使用も感光材料の態様に含 まれることは勿論である。
重合性化合物は重合層中に、層の全量に対して 3〜90重量%の範囲で含まれていることが好ま しく、より好ましくは15〜60重量%の範囲で ある。
本発明の重合層には架橋性ポリマーを使用する こともできる。
架橋性ポリマーとは、 (A)ラジカル(重合性化合物の重合過程の生長 ラジカルまたは重合開始ラジカル)が付加するこ とができる二重結合基を、分子の側鎖中または主 鎖中に有するポリマー、あるいは (B)ラジカルによって主鎖または側鎖の原子 (水素原子、塩素等のハロゲン原子等)が容易に 引きぬかれてポリマーラジカルが生じるポリマー である。
上記Aとしては、ポリマー側鎖にエチレン性不 飽和二重結合基を有するポリマー、例えば、アリ ル(メタ)アクリレートの重合物(共重合物を含 む)、1,2−ポリブタジエン、1,2−ポリイ ソプレン;ポリマーの主鎖に不飽和二重結合基を 有するポリマー、例えば、ポリ−1,4−ブタジ エン、ポリ−1,4−イソプレン(共重合物を含 む)、天然および合成ゴム等を挙げることができ る。
また上記Bとしては、活性水素原子を有するポ リマー、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、 酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、(メ タ)アクリル酸エステル等のポリマー(共重合物 も含む);塩素化ポリエチレン、ポリビニルフォ ルマール、ポリビニルブチラール、メチルセルロ ーズ、エチルセルローズ、ブチルセルローズ等を 挙げることができる。
これらの架橋性ポリマーは、例えば、「高分子 反応」(高分子学会編/共立出版、1978年 刊)の147頁〜192頁に記載されている。
上記の架橋性ポリマーの重合層中の含有量は、 前記重合性化合物の重合層中の含有量と同じであ る。
重合層に含まれるバインダーポリマーは二種以 上用いてもよいが、そのうち少なくとも一種は分 子中に酸性基を有するのが好ましい。他のバイン ダーポリマーは酸性基を有していてもよく、酸性 基を有していなくてもよい。酸性基を有するポリ マーは、酸性基を有するビニルモノマーのホモポ リマー、またはそれと酸性基を含まないビニルモ ノマーとのコポリマーであることが好ましい。酸 性基を有するビニルモノマーの例としては、アク リル酸、メタクリル酸、スチレンスルフォン酸お よび無水マレイン酸などが挙げられる。上記酸性 基を有するモノマーと共重合させるコモノマーと しては、共重合可能なビニルモノマーから任意に 選ぶことができ、具体例としては、メチル(メタ) アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブ チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル( メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ ート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アク リレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル (メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリレー ト類、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリロ ニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどが挙 げられる。これらのモノマーのうち、ビニル基と 、更にエチレン性不飽和二重結合基を持ったアリ ル(メタ)アクリレート等のモノマーが特に好ま しい。
酸性基を持つモノマーのコポリマー中における モル含量は、1%〜50%以上、より好ましくは 5%〜30%以上の範囲である。
酸性基をもつバインダーポリマーは、酸性基を 持たないモノマーから合成したホモポリマーまた はコポリマーにカルボキシル基やスルフォン基な どの酸性基を導入したものでもよい。
上記の酸性基を持つポリマーと、他の酸性基を もたないバインダーポリマーを併用することもで きる。併用できる酸性基をもたないバインダーポ リマーは、広範なポリマーの中から選ぶことがで きる。具体例として、ポリ(メタ)アクリレー ト、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー ル、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、酢 酸ビニル−エチレンコポリマー、ポリ塩化ビニ ル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−塩化ビニ リデンコポリマー、塩化ビニリデン−アクリロニ トリルコポリマー、塩素化ポリエチレン、塩素化 ポリプロピレン、ポリカーボネート、ジアセチル セルローズ、セルローズアセテートブチレート、 トリアセチルセルローズ、エチルセルローズ、ポ リビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール等が 挙げられる。これらのポリマーのうち、ビニル基 と、更にエチレン性不飽和二重結合基を持ったア リル(メタ)アクリレート等のモノマーのポリマ ーまたはコポリマーが特に好ましい。これは重合 性化合物が重合する際、バインダーポリマーの二 重結合と反応して硬化が速く、かつ強いポリマー 画像が形成されることによると考えられる。
バインダーポリマーの分子量は約3000〜 50万の範囲が好ましい。
分子中に酸性基を有するバインダーポリマーは 重合層に含まれる全バインダーポリマーに対して 10〜100重量%の範囲の割合で含まれている ことが好ましい。より好ましくは50〜100重 量%の範囲である。また、側鎖にエチレン性不飽 和二重結合基を有するバインダーポリマーを併用 する場合、それが酸性基を有する場合は全バイン ダーポリマー中、10〜100重量%の範囲で含 まれていることが好ましく、より好ましくは 50〜100重量%の範囲である。また、それが 酸性基を有しない場合は、10〜95重量%の範 囲の割合で含まれていることが好ましい。より好 ましくは50〜90重量%の範囲である。
なお、側鎖にエチレン性不飽和二重結合基を有 するバインダーポリマーを用いる場合は、重合性 化合物を用いなくても画像は得られるが、一般に は重合性化合物を併用する方が、硬化度をより高 くすることができ、より好ましい、また重合層が バインダーポリマーを含まず、重合性化合物だけ を含む場合にも画像は得られるが、重合性化合物 が液体の場合には、重合層が柔らかすぎるのでバ インダーポリマーを併用することが好ましい。
着色物質(着色剤)には特に制限がなく、公知 の顔料または染料を用いることができる。着色剤 はまた、ハレーション防止剤としての機能も有す るので重合層に添加されていることが好ましい。
またイラジュエーション防止の目的で感光層に添 加することもできる。
その中で顔料としては、市販のものの他、各種 文献等に記載されている公知のものが利用でき る。文献に関しては、カラーインデックス(C. I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協 会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」 (CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技 術」(CMC出版、1984年刊)等がある。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、橙 色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔 料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、 重合体結合色素が挙げられる。具体的には、不溶 性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キ レートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アント ラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、 チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオ キサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノ フタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔 料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光 顔料、無機顔料等が使用できる。
本発明に使用できる顔料は表面処理をせずに用 いてもよく、表面処理をほどこして用いてもよ い。表面処理の方法には樹脂やワックスを表面コ ートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反 応性物質(例えば、シランカップリング剤やエポ キシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面 に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処 理方法は、例えば、次の文献等に記載されてい る。「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印 刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)、 「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年 刊)。
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲に あることが好ましく、0.05μm〜1μmの範 囲にあることがさらに好ましい。
顔料の重合層への導入は、該層の塗布液中に添 加、分散させる方法が利用できる。顔料を分散す る方法としては、インク製造やトナー製造等に用 いられる公知の分散技術が使用できる。分散機と しては、超音波分散器、サンドミル、アトライタ ー、パールミル、スーパーミル、ボールミル、イ ンペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミ ル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダ ー等があげられる。詳細は、「最新顔料応用技 術」(CMC出版、1986年刊)に記載があ る。
着色剤として染料も使用することができる。そ れ自身が着色している物質である染料は、市販の ものの他、各種文献(例えば「染料便覧」有機合 成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されてい る公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染 料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ア ントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボ ニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料など の染料が挙げられる。
着色剤の含有量はその吸光度によって大幅に変 化するが、0.01〜2g/m、より好ましくは 0.05〜1g/mの範囲が好ましい。
重合層は、重合性化合物、酸性基を有するバイ ンダーポリマー、着色剤等を適当な有機溶剤に溶 解、分散して塗布液を調製し、これを前記の支持 体上に塗布、乾燥させることにより設けることが できる。
重合層の層厚は0.3〜7μmの範囲にあるこ とが好ましく、より好ましくは0.5〜3μmの 範囲である。層が0.3μm以下ではポリマー画 像層が薄すぎて耐印性が低下する、また7μm以 上では重合層の底面まで十分に硬化しにくい。
重合性化合物およびバインダーポリマーの塗布量 は、上記の混合比および層厚から計算できるが、 重合性化合物は0.03〜2g/mの範囲にある ことが好ましく、より好ましくは0.1〜0.7 g/mの範囲である。また全バインダーポリマー は0.1〜7g/mの範囲にあることが好まし く、より好ましくは0.3〜3g/mの範囲であ る。
次に、本発明の感光材料に用いられるハロゲン 化銀、塩基あるいは塩基プレカーサー、熱現像促 進剤、バインダーポリマー、カブリ防止剤、ある いは安定剤、現像停止剤等について説明する。
ハロゲン化銀として、塩化銀、臭化銀、沃化銀 あるいは塩臭化銀、塩沃化銀、沃臭化銀、塩沃臭 化銀のいずれの粒子も用いることができる。
ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面 体のような規則的な結晶を有するもの、球状、板 状のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面 などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの 複合形でもよい。
ハロゲン化銀の粒径は、約0.01ミクロン以 下の微粒子でも、投影面積直径が約10ミクロン に至るまでの大サイズ粒子でもよい。また多分散 乳剤でも、米国特許第3574628号、同36 55394号および英国特許第1413748号 明細書などに記載された単分散乳剤でもよい。
また、アスペクト比が約5以上であるような平 板状粒子も使用できる。平板状粒子は、ガトフ 著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・ エンジニアリング(Gutoff,Photographic Sci- ence and Engineering)、第14巻、248〜 257頁(1970年);米国特許第44342 26号、同4414310号、同4433048 号、同4439520号および英国特許第211 2157号などに記載の方法により簡単に調製す ることができる。
結晶構造は一様なものでも、内部と外部とが異 質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構 造をなしていてもよい。またエピタキシャル接合 によって組成の異るハロゲン化銀が接合されてい てもよく、また例えばロダン銀、酸化鉛などのハ ロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよ い。
ハロゲン化銀粒子は、例えば、銅、タリウム、 鉛、ビスマス、カドミウム、亜鉛、カルコゲン (例えば、硫黄、セレニウム、テルリウム)、金 及び第VIII属の貴金属(例えば、ロジウム、イリジ ム、鉄、白金、パラジウム)を常法に従って、そ れぞれの塩の形で粒子形成時又は、粒子形成後に 添加して、含有させることができる。具体的方法 は、米国特許第1,195,432号、同第1, 951,933号、同第2,448,060号、 同第2,628,167号、同第2,950,9 72号、同第3,488,709号、同第3,7 37,313号、同第3,772,031号、同 第4,269,927号等の明細書に開示されて おり、また、リサーチ・ディスクロージャー(R D)誌、第134巻、No.13452(1975 年6月)などに記載されている。
本発明において、高照度短時間露光で画像を形 成させる場合、イリジウムイオンを、ハロゲン化 銀1モル当たり10−8〜10−3モルを用いることが 好ましく、より好ましくは10−7〜10−5モルで ある。
さらにハロゲン組成、晶癖、粒子サイズ等が異 なった二種以上のハロゲン化銀粒子を併用するこ ともできる。
ハロゲン化銀は乳剤の形で用いるのが好まし い。
本発明に使用できるハロゲン化銀乳剤は、例え ばリサーチ・ディスクロージャー(RD)誌、 No.17643(1978年12月)、22〜 23頁、”I.乳剤製造(Emulsion preparation and types)”、および同No.18716(19 79年11月)、648頁、などに記載された方 法を用いて調製することができる。
ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化学熱 成および分光増感を行なったものを使用する。こ のような工程で使用される添加剤はリサーチ・デ ィスクロージャー誌、No.17643および同 No.18716に記載されている。化学増感剤に ついては、No.17643(23頁)およびNo. 18716(648頁右欄)に、分光増感剤につ いては、No.17643(22〜24頁)および No.18716(648頁右欄〜)に、強色増感 剤については、No.18716(649頁右欄 〜)に、それぞれ記載されている。また、上記以 外の本発明に使用できる公知の添加剤も上記の2 つのリサーチ・ディスクロージャー誌に記載され ている。例えば、感度上昇剤については、No.1 8716(648頁右欄)に、かぶり防止剤およ び安定剤については、No.17643(22〜2 5頁)およびNo.18716(649頁右欄〜) にそれぞれ記載されている。
なお、上記ハロゲン化銀粒子としては、特開昭 63−68830号公報記載の感光材料のように 比較的低いカブリ値のハロゲン化銀粒子を用いる ことが好ましい。
ハロゲン化銀乳剤は、ネガ型ハロゲン化銀であ ってもよく、又直接ポジ像が得られる反転型ハロ ゲン化銀であってもよい。
本発明においては、感光層中に感光性ハロゲン 化銀と共に、有機金属塩を酸化剤として併用する こともできる。このような有機金属塩のうち、有 機銀塩は特に好ましく用いられる。
上記の有機銀塩を形成するのに使用し得る有機 化合物としては、米国特許第4500626号明 細書の第52〜53欄等に記載のベンゾトリアゾ ール類、脂肪酸その他の化合物がある。また特開 昭60−113235号公報記載のフェニルプロ ピオール酸銀などのアルキニル基を有するカルボ ン酸の銀塩や、特開昭61−249044号、同 64−57256号の各公報記載のアセチレン銀 も有用である。有機銀塩は2種以上を併用しても よい。
以上の有機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モル あたり、0〜10モル、好ましくは0〜1モル使 用される。感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の塗布 量合計は、感光層に銀換算で1mg〜5g/m、 好ましくは10mg〜0.5g/mの範囲が適当 である。
感光層に含まれる塩基および塩基プレカーサー としては、無機の塩基及び有機の塩基、またはそ れらの塩基プレカサー(脱炭酸型、熱分解型、反 応型および錯塩形成型など)が使用できる。
無機塩基としては特開昭62−209448号 公報記載の無機塩基が挙げられる。有機塩基とし ては特開昭62−170954号公報記載の第3 級アミン化合物、特開昭63−316760号公 報記載のビスあるいはトリスあるいはテトラアミ ジン化合物、特開昭64−68746号公報記載 のビスあるいはトリスあるいはテトラグアニジン 化合物などが挙げられる。本発明においては、 pk7以上の塩基が好ましい。
本発明においては、感光材料の保存安定性の点 から塩基プレカーサーが好ましい。
好ましい塩基プレカーサーとしては、特開昭 63−316760号、同64−68746号、 同59−180537号、同61−313431 号各公報記載の加熱より脱炭酸する有機酸と塩基 の塩、特開昭63−96159号公報記載の加熱 により塩基を放出する尿素化合物などが挙げられ る。また、反応を利用して塩基を放出させる方法 としては、特開昭63−25208号公報記載の 遷移金属アセチリド、遷移金属オインに対しアセ チリドアニオン以上の親和性を有するアニオンを 含む塩との反応や、特開平1−3282号公報記 載の水に難溶な塩基性金属化合物およびこの塩基 性金属化合物を構成する金属イオンに対し水を媒 体として錯形成反応し得る化合物を含有させ、水 の存在下でこれらの2つの化合物の間の反応によ る塩基を放出させる方法が挙げられる。
本発明の塩基プレカーサーとしては、50℃〜 200℃で塩基を放出するものであることが好ま しく、80℃〜160℃で塩基を放出するもので あることがさらに好ましい。
なお、塩基または塩基プレカーサーを用いた感 光材料については特開昭62−264041号公 報に記載がある。また、塩基として、第三級アミ ンを用いた感光材料については特開昭62−11 70954号公報に、融点が80〜180℃の疎 水性有機塩基化合物の微粒子状分散物を用いた感 光材料については特開昭62−209523号公 報に、溶解度0.1%以下のグアニジン誘導体を 用いた感光材料については特開昭63−7084 5号公報に、アルカリ金属またはアルカリ土類金 属の水酸化物または塩を用いた感光材料について は特開昭62−209448号公報にそれぞれ記 載がある。
さらに、塩基プレカーサーとしてアセチリド化 合物を用いた感光材料については特開昭63−2 4242号公報に、塩基プレカーサーとしてプロ ピオール酸塩を用い、さらに銀、銅、銀化合物ま たは銅化合物を塩基生成反応の触媒として含む感 光材料については特開昭63−46446号公報 に、上記プロピオール酸塩と上記銀、銅、銀化合 物または銅化合物を互いに隔離した状態で含む感 光材料については特開昭63−81338号公報 に、上記プロピオール酸塩および上記銀、銅、銀 化合物または銅化合物に加えて遊離状態にある配 位子を含む感光材料については特開昭63−97 942号公報に、塩基プレカーサーとしてプロピ オール酸塩を用い、さらに熱溶融性化合物を塩基 生成反応の反応促進剤として含む感光材料につい ては特開昭63−46447号公報に、塩基プレ カーサーとしてスルホニル酢酸塩を用い、さらに 熱溶融性化合物を塩基生成反応の反応促進剤とし て含む感光材料については、特開昭63−484 53号公報に、塩基プレカーサーとして有機塩基 にイソシアネートまたはイソチオシアネートを結 合させた化合物を用いた感光材料については特開 昭63−96652号公報に、さらにこの化合物 の分解促進剤として求核剤を含む感光材料につい ては、特開昭63−173039号公報にそれぞ れ記載がある。
塩基プレカーサーとして脱炭酸しうるカルボン 酸のビスあるいはトリスアミジン塩を用いた感光 材料については、特開昭64−9441号公報 に、ビスあるいはトリスグアニジン塩を用いた感 光材料については、特開昭64−68749号公 報にそれぞれ記載がある。塩基または塩基プレカ ーサーは、ハロゲン化銀1モル当たり0.5〜 50モルの範囲で使用されることが好ましく、よ り好ましくは1〜20モルの範囲である。
熱現像促進剤としては、加熱により層内で溶融 して種々の物質を溶解する。従来、「熱溶剤」と して公知の物質例えば米国特許第3347675 号明細書に記載のポリエチレングリーコル類、ポ リエチレンオキサイドのオレイン酸エステル等の 誘導体、みつろう、モノステアリン、−SO− および−CO−基を有する高誘電率の化合物、米 国特許第3667959号明細書記載の極性物 質、リサーチ・ディスクロージャー誌、1976 年12月号、26−28頁に記載の1,10−デ カンジオール、アニス酸メチル、スベリン酸ビフ ェニル、特開昭62−151841号、同62− 151743号、同62−183450号の各公 報に記載のスルフォンアミド誘導体、ポリエチレ ングリコール誘導体、環状アミド化合物や、特開 昭63−243835号、同63−253934 号の各公報に記載の熱溶融性化合物などが挙げら れる。
熱現像促進剤としてはまた、いずれかの層のバ インダーポリマーに対して、室温または加熱時に 可塑化作用を有する物質、たとえば高分子化合物 可塑剤として知られている公知の化合物が用いら れる。このような可塑剤としては、「プラスチッ ク配合剤」(大成社;21−26頁)「プラスチ ックスアディテイブズ第二版」(Plastics Ad- ditives,Second Editin;Hanser Publishers, Chapter 5 p.251-296)、「サーモプラスチック アディテイブズ」(Thermoplastic Additives, Marcel Dekker Inc,Chapter 9 p.345-379)、 「プラスチックスアディテイブズ アン インダ ストリアル ガイド」(Plastics Additives:An Industrial Guide,Noyes Publications,Sec- tion-14,p.333-485)、「ザ テクノロジー オ ブ ソルベンツ アンド プラスティサイザー ズ」(The Technology of Solvents and Plasti- cizers,John Wiley & Sons Inc.Chapter 15, p.903-1027)、「インダストリアル プラステ イサイザーズ」(Industrial Plasticizers, Pergamom Press)、「プラスティサイザーテクノ ロジー第1巻」(Plasticizer Technology Vol. 1,Reinhold Publishing corp.)、「プラステイ サイゼーション アンド プラステイサイザー プロセス」(Plasticization and Plasticizer process,American Chemistry)に記載のものが 用いられる。
特に本発明に好ましい熱現像促進剤としては、 尿素、エチレン尿素、メチル尿素、ジメチル尿 素、エチル尿素、プロピレン尿素等の尿素類、ア セトアミド、プロピレンアミド等のアミド類、ス ルファミド類、スルファンアミド類、ソルビトー ル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロ パン、ペンタエリスリトール、グリセリン、エチ レングリコール、プロピレングリコール、ブタン ジオール、ヘキサンジオール等の多価アルコール 類や糖類、尿素樹脂、フェノール樹脂などが挙げ られる。なお、熱現像促進剤は二種以上を組み合 わせて使用することができ、また異なる種類の熱 現像促進剤を含有させることができる。
感光層に用いられる親水性バインダーとは、分 子構造内に親水性の基または/および結合を有す るバインダーであって、親水性の基としては、カ ルボキシル基、水酸基、フェノール性水酸基、ス ルホン酸基、スルホンアミド基、スルホンイミド 基またはアミド基等が例示される。親水性の結合 としては、ウレタン結合、エーテル結合、アミド 結合等が例示される。
親水性バインダーポリマーとしては、水溶性ポ リマーまたは/および水膨潤性ポリマーが用いら れる。水膨潤性ポリマーとは、水に対して親和性 を有するが、バインダー自身が架橋構造等を有す る為に、水には完全には溶解しないものを言う。
水溶性もしくは水膨潤性のバインダーとして は、天然もしくは合成の高分子化合物が使用でき る。天然高分子としては、デンプン誘導体、セル ロース誘導体、アルギン酸、ペクチン酸、アラビ アゴム、プルラン、デキストランその他の水溶性 多糖類、ガゼイン、ゼラチン等のタンパク質類を 例示することができる。これらは、必要に応じて 人工的に変性されたものでもかまわない。また、 塗布乾燥時に変性ないし架橋させて用いることも できる。合成高分子として、水溶性モノマーの重 合体もしくはこれと他のモノマーとの共重合体な どが使用できる。この場合の水溶性モノマーとし ては、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、ス ルホン酸(塩)基、アミド基、アミノ基、エーテ ル基のような化学構造を有するモノマーを例示す ることができる。具体的なモノマーについては、 「水溶性高分子の応用と市場」(CMC 16-18 頁)に例示されているモノマー等が使用できる。
これらのモノマーを重合もしくは他のモノマーと 共重合した共重合体を架橋することによって得ら れる共重合体も使用することができる(例えば、 米国特許4913998号明細書に記載されてい る共重合体)。
この他の合成高分子としては、ポリビニルアル コール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリ ドン、ポリエチレンオキシドおよびこれらの誘導 体・変性体が使用できる。
例えば、ポリビニルアルコールの場合は、種々 のケン化度のものが使用でき、また、共重合変性 ポリビニルアルコールが使用出来る。共重合変性 は、酢酸ビニルと他のモノマーとの共重合体をケ ン化して変性ポバールとする方法である。共重合 するモノマーとしては酢酸ビニルと共重合するも のであればいずれも使用できる。例えば、エチレ ン、高級カルボン酸ビニル、高級アルキルビニル エーテル、メチルメタクリレート、アクリルアミ ド等が共重合モノマーとして例示できる。後変性 は、ポリビニルアルコールの水酸基に対して反応 性を有する化合物で高分子反応により変性するも のである。水酸基をエーテル化、エステル化、ア セタール化などの修飾したものを例示することが できる。さらに、架橋化したポリビニルアルコー ルを使用することもできる。この場合、架橋剤と してはアルデヒド、メチロール化合物、エポキシ 化合物、ジイソシアネート、ジビニル化合物、ジ カルボン案、あるいは硼酸、チタン、銅などの無 機系架橋剤などを使用してポリビニルアルコール を架橋することができる。これら変性ポリビニル アルコール、架橋性ポリビニルアルコールについ ては「ポバール」第3編、高分子刊行会(281- 285頁および256-260頁に例示されている。
これらの親水性ポリマーの分子量は約3000 〜50万の範囲が好ましい。塗布量は、0.05 〜20g/m、より好ましくは、0.1〜10g /mの範囲である。
感光層は、熱現像時に空気中の酸素が重合層に 浸透してラジカルによる重合または架橋を阻害す るのを防ぐのが好ましい。このため上記水溶性バ インダーポリマーは酸素の透過率が低い物質であ ることが必要であり、酸素透過係数が1.0× 10−11cc・cm/ cm2・sec cm Hg以下であるのが好 ましい。
このような物質としては、ポリビニルアルコー ル系重合体、ゼラチン、塩化ビニリデンのコポリ マー等が好ましい。ここでポリビニルアルコール 系重合体とは、ポリビニルアルコールおよび変性 ポリビニルアルコール(たとえばポリ酢酸ビニル と他のモノマーのブロック共重合体をケン化した もの等)を意味する。分子量は特に制限はないが 約3000〜50万の範囲が好ましい。
これらの内、特にケン化度が50%以上、より 好ましくは80%以上、さらに好ましくは95% 以上の、ポリビニルアルコールを含有するのが好 ましい。
いずれかの層に、写真特性を改良するため、種 々のカブリ防止剤、現像促進剤、安定剤等の添加 剤を含有することができる。それらの例としては リサーチ・ディスクトージャー誌、No.1764 3、24〜25頁(1978年)に記載のアゾー ル類やアザインデン類、特開昭59−16844 2号公報記載の窒素を含むカルボン酸類およびリ ン酸類、あるいは特開昭59−111636号公 報記載のメルカプト化合物およびその金属塩、特 開昭62−87957号公報記載されているアセ チン化合物等などが用いられる。カブリ防止剤は 重合層に導入することもできるが、感光層に導入 されていることが好ましい。使用量はハロゲン化 銀1モル当たり10−7モル〜1モルの範囲である。
還元剤は、重合層または/および感光層に含ま れる。還元剤は、ハロゲン化銀を還元する機能お よび/または重合性化合物の重合を促進(または 抑制)する機能を有する。上記機能を有する還元 剤としては、様々な種類の物質がある。上記還元 剤には、ハイドロキノン類、カテコール類、p− アミノフェノール類、p−フェニレンジアミン 類、3−ピラゾリドン類、3−アミノピラゾール 類、4−アミノ−5−ピラゾロン類、5−アミノ ウラシル類、4,5−ジヒドロキシ−6−アミノ ピリミジン類、レダクトン類、アミノレダクトン 類、o−またはp−スルホンアミドフェノール 類、o−またはp−スルホンアミドナフトール 類、2,4−ジスルホンアミドフェノール類、 2,4−ジスルホンアミドナフトール類、o−ま たはp−アシルアミノフェノール類、2−スルホ ンアミドインダノン類、4−スルホンアミド−5 −ピラゾロン類、3−スルホンアミドインドール 類、スルホンアミドピラゾロベンズイミダゾール 類、スルホンアミドピラゾロトリアゾール類、α −スルホンアミドケトン類、ヒドラジン類等があ る。上記還元剤の種類や量等を調整することで、 ハロゲン化銀の潜像が形成された部分あるいは潜 像が形成されない部分のいずれかの部分の重合性 化合物を重合させることができる。
還元剤としてヒトラジン類を単独又は、他の還 元剤と併用すると一般に、ハロゲン化銀の潜像が 形成された部分において重合が起る。また還元剤 として、ヒドラジン類を併用せずに、1−フェニ ル−3−ピラゾリドン類、ハイドロキノン類、ス ルホンアミドフェノール類を用いるとハロゲン化 銀の潜像が形成されない部分において重合が起 る。但し、この場合には、加熱または光照射によ って分解して一様にラジカルを発生する重合開始 剤を感光層(又は重合層)中に添加する必要があ る。
熱重合開始剤は、たとえば高分子学会・高分子 実験学編集委員会編「付加重合・開環重合」(1 983年、共立出版)の6〜18頁等に記載され ている。熱重合開始剤の具体例としては、アゾビ スイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(1 −シクロヘキサンカルボニトリル)、ジメチル− 2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’− アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビ スジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物、過酸 化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、 ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパ ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等 の有機過酸化物、過酸化水素、過硫酸カリウム、 過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物、p−トル エンスルフィン酸ナトリウム等を挙げることがで きる。
光重合開始剤は、例えば、Oster他著「Chem- ical Review」第68巻(1968年)の125 〜151頁およびKosar著「Light-Sensitive System」(John Wiley & Sons,1965年)の 158〜193頁に記載されているような、カル ボニル化合物(例えば、α−アルコキシフェニル ケトン類、多環式キノン類、ベンゾフェノン誘導 体、キサントン類、チオキサントン類、ベンゾイ ン類)、含ハロゲン化合物(例えば、クロロスル ホニルおよびクロロメチル多核芳香化合物、クロ ロスルフォニルおよびクロロメチル複素環式化合 物、クロロスルフォニルおよびクロロメチルベン ゾフェノン類、フルオレノン類)、ハロアルカン 類、α−ハロ−α−フェニルアセトフェノン類、 光還元性色素と還元剤とのレドックスカップル 類、有機硫黄化合物、過酸化物、光半導体(例え ば、二酸化チタン、酸化亜鉛)、金属化合物(例 えば、鉄(I)塩、金属カルボニル、金属錯体、 ウラニル塩)、ハロゲン化銀、アゾおよびジアゾ 化合物、などが用いられる。
光重合開始剤の具体例としては、2−ジメトキ シ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル− {4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリ ノ−1−プロパノン、ベンゾインブチルエーテ ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフ ェノン、ミヒラースケトン、4,4’−ジエチル アミノベンゾフェノン、クロロメチルベンゾフェ ノン、クロロスルホニルベンゾフェノン、9, 10−アンスラキノン、2−メチル−9.10− アンスラキノン、クロロスルホニルアンスラキノ ン、クロロメチルアンスラキノン、9,10−フ ェナンスレンキノン、キサントン、クロロキサン トン、チオキサントン、クロロチオキサントン、 2,4−ジエチルチオキサントン、クロロスルホ ニルチオキサントン、クロロメチルベンゾチアゾ ール、クロロスルホニルベンゾキサゾール、クロ ロメチルキノリン、フルオレン、四臭化炭素、な どが挙げられる。また、光還元性色素の例として は、メチレンブルー、チオニン、ローズベンガ ル、エリスロシン−β、エオシン、ローダミン、 フロキシン−β、サフラニン、アクリフラビン、 リボフラビン、フルオレッセイン、ウラニン、べ ンゾフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジン イエロー、ベンザンスロンなどが挙げられる。
これらの色素とともに用いる還元剤(水素供与 性化合物)としては、ジメドン、アセチルアセト ン等のβ−ジケトン類、トリエタノールアミン、 ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジ エチルアミン、トリエチルアミン類のアミン類、 p−トルエンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン 酸等のスルフィン酸およびそれらの塩、N−フェ ニルグリシン、L−アスコルビン酸およびその 塩、チオ尿素、アリルチオ尿素などが挙げられ る。光還元性色素と還元剤のモル比は、1: 0.1〜1:10の範囲が好ましい。
光重合開始剤としては、市販のもの、例えばチ バガイギー社製の“イルガキュア−651、同− 907”なども好適に用いられる。
重合開始剤は、重合性化合物1g当り、 0.001〜0.5gの範囲で用いることが好ま しく、より好ましくは0.01〜0.2gの範 囲で用いることができる。
なお、このシステムについては、特開昭61− 75342号、同61−243449号、同62 −70836号、同62−81635号の各公 報、米国特許4649098号およびEP特許0 202490号の各明細書に記載されている。
上記機構を有する各種還元剤については、特開 昭61−183640号、同61−188535 号、同61−228441号、特開昭62−70 836号、同62−86354号、同62−86 355号、同62−206540号、同62−2 64041号、同62−109437号、同63 −254442号、特開平1−267536号の 各公報、および特願昭63−296774号、同 63−296775号、特願平1−27175号 、同1−54101号、同1−91162号等の 各明細書に記載されている(現像薬またはヒドラ ジン誘導体として記載ものを含む)。また上記 還元剤については、T.James著“The Theory of the Photographic Process”第4版、291〜3 34頁(1977年)、リサーチ・ディスクロー ジャー誌、Vol.170、第17029号、9〜1 5頁、(1978年6月)、および同誌、Vol.1 76、第17643号、22〜31頁、(197 8年12月)にも記載がある。また特開昭62− 210446号公報記載の感光材料のように、還 元剤に代えて加熱条件下あるいは塩素との接触状 態等において還元剤を放出することができる還元 剤前駆体を用いてもよい。本明細書における感光 材料にも、上記各公報、明細書および文献記載の 還元剤および還元剤前駆体が有効に使用できる。
よって、本明細書におけ『還元剤』には、上記各 公報、明細書および文献記載の還元剤および還元 剤前駆体が含まれる。
又、これらの還元剤のうち、酸と塩を形成する 塩基性を有するものは、適当な酸との塩の形で使 用することもできる。これらの還元剤は、単独で 用いてもよいが、上記各明細書にも記載されてい るように、二種以上の還元剤を混合して使用して もよい。二種以上の還元剤を併用する場合におけ る、還元剤の相互作用としては、第一に、いわゆ る超加生性によってハロゲン化銀(および/また は有機銀塩)の還元を促進すること、第二に、ハ ロゲン化銀(および/または有機銀塩)の還元に よって生成した第一の還元剤の酸化体が共存する 他の還元剤との酸化還元反応を経由して重合性化 合物の重合を引き起すこと(または重合を抑制す ること)等が考えられる。但し、実際の使用時に おいては、上記のような反応は同時に起り得るも のであるため、いずれの作用であるかを特定する ことは困難である。
還元剤は、ハロゲン化銀1モル当たり0.1〜 10モルの範囲で使用される、より好ましくは 0.5〜5モルの範囲である。
上記還元剤の具体例を以下に示す。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) 感光材料には現像時の処理温度および処理時間 に対し、常に一定の画像を得る目的で種々の現像 停止剤を用いることができる。ここでいう現像停 止剤とは、適正現像後、速やかに塩基を中和また は塩基と反応して層中の塩基濃度を下げ現像を停 止させる化合物または銀および銀塩と相互作用し て現像を抑制させる化合物である。具体的には、 加熱により酸を放出する酸プレカーサー、加熱に より共存する塩基と置換反応を起こす親電子化合 物、または含窒素ヘテロ環化合物、メルカプト化 合物およびその前駆体等が挙げられる。更に詳し くは、特開昭62−253159号公報の31〜 32頁、特願平1−72479号、同1−347 1号の各明細書に記載されている。これらは重合 層、感光層のいずれに含まれていてもよい。
本発明に用いられる界面活性剤は、ノニオン活 性剤(フッ素系を含む)、アニオン活性剤、カチ オン活性剤等の、特開平2−195356号公報 などで公知の界面活性剤が用いられる。特に、ソ ルビタン類、ポリオキシエチレン類、含フッ素界 面活性剤が好ましい。
感光層は、前述したように、感光体ハロゲン化 銀、還元剤、塩基または塩基プレカーサー、およ び酸性基を有しない水溶性バインダーポリマー、 (および任意成分)を水に分散あるいは溶解して 塗布液を調製し、これを前記重合層の上に塗布、 乾燥させることにより設けることができる。
なお、支持体上に重合層を設け、重合層とは別 の支持体上に感光層を設けて、感光層と重合層を 重ねあわせ、次いで感光層側の支持体を剥離する ことにより、重合層上に感光層を形成することも できる。
感光層の層厚は、0.5〜20μmの範囲にあ ることが好ましく、より好ましくは1〜10 μmの範囲である。
オーバコート層は、熱現像時に空気中の酸素が 感光層および重合層に浸透してラジカルによる重 合硬化反応を阻害するのを防ぐ機能を有する。こ のため此の層は酸素の透過率が低く、また、後述 するエッチング処理のため、水溶性または水に分 散されやすい物質で形成されていることが好まし い。
このような物質としては、前述した感光層に含 ませることができる親水性のバインダーポリマー を使用することができる。これらの中で、特に、 ケン化度が50%以上、より好ましくは85%以 上、更に好ましくは95%以上のポリビニルアル コールが好ましい。オーバコート層の層厚(膜 厚)は、0.5〜10g/m、より好ましくは、 1.0〜5g/mの範囲である。
なお、オーバコート層は、水に不溶の重合体を 使用して形成することもできる。この場合、重合 体は、溶剤に溶かして、またはラテックスとして 使用される。このようにして形成されたオーバコ ート層は、エッチング処理に先立ち、剥離され る。
マット剤は、オーバコート層の粘着性を下げ、 感光材料を重ねた時の接着を防止する場合に用い ることができる。マット剤としては、種々のポリ マー粉体(たとえば、でんぶん等の天然物、ポリ エチレン等の合成ポリマー)が用いられ、粒径は 約1〜50μmの範囲が好ましい。
本発明の感光材料は、以上述べたように、支持 体上に重合層および感光層(好ましくは、さらに オーバーコート層)が設けられているが、さらに 各層の間に中間層を設けることができる。例え ば、着色物質を含むハレーション防止層として中 間層を設けることができる。また重合層と感光層 の間または感光層とオーバーコート層の間に、添 加成分の層間の拡散や混合を防止する等の目的で 中間層を設けることができる。中間層の材料は任 意であり、膜厚は約10μm以下であることが好 ましい。
次に、本発明の感光材料を利用した画像形成方 法について説明する。
本発明の感光材料は、画像露光してハロゲン化 銀に潜像を形成し、その後(またはそれと同時 に)均一加熱する。加熱により潜像が形成された ハロゲン化銀は熱現像され、同時にその部分の (あるいは潜像の形成されない部分の)重合性化 合物が重合硬化する。その後、未硬化の部分(非 画像部)を溶解除去する等の方法により支持体上 に密着したポリマー画像が形成される。
潜像が形成されない部分を重合させる場合(前 述した還元剤を用いた場合)は、重合開始剤とし て光重合開始剤を用いた感光材料では、熱現像 後、全面に光照射して重合させてからアルカリ水 溶液で処理する。光照射量は、約10〜10 erg/cm2の範囲である。光源としては、光重合 開始剤の吸収する波長の光を放射するもので、下 記の光源から選んで使用できる。重合開始剤とし ては、熱重合開始剤を用いた感光材料では、ハロ ゲン化銀の熱現像の時に同時に重合も起こるので 再加熱をする必要は一般にない。
画像露光は、ハロゲン化銀の分光感度(増感色 素)に応じた波長の光を放射する光源を用いて行 なう。このような光源としては、例えばタングス テンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、 水銀ランプ、カーボンアークランプ等のランプ、 各種のレーザー(半導体レーザー、ヘリウムネオ ンレーザー、アルゴンレーザー、ヘリウムカドミ ウムレーザー等)、発光ダイオード、CRT管な どが用いられる。露光波長は一般に可視光、近紫 外光、近赤外光が好ましい。露光量は主にハロゲ ン化銀乳剤の感度によって決まるが、一般に、 0.01〜10000ergs/cm2の範囲が好まし く、より好ましくは0.1〜1000ergs/cm2の 範囲である。
上記光源を用いて感光材料を像様露光すること により露光部分においてハロゲン化銀の潜像が形 成される。
なお、支持体が透明である場合は、支持体の裏 側から支持体を通して露光することも出来る。
熱現像処理は上記の像様露光と同時に、または 像様露光後に行なわれる。
熱現像処理は、加熱した物体(例えば、板ロー ラー)に接触する、あるいは赤外線に富んだラン プの放射熱で加熱する等の方法で行なうことがで きる。感光材料の重合層側の表面は、空気中に開 放して加熱することもできる。例えば、加熱した 物体に感光材料の支持体背面を密着して加熱す る。重合層側を空気から遮断し(例えば、加熱し て物体表面に密着して)加熱することもできる。
しかし、画像にむら、にじみ、カブリが多く、現 像のラチチュードが狭く、良好な画質は得られな い場合がある。加熱の温度は、80〜200℃の 範囲あることが好ましく、より好ましくは100 〜150℃の範囲である。また加熱時間は1〜1 80秒の範囲、より好ましくは5〜60秒の範囲 である。
未硬化部分を溶解除去する液(エッチング液) は重合層の未硬化部分を除去できるものなら任意 の溶剤が使用可能であり、特に限定されるもので はないが、好ましくは、アルカリ性溶剤が使用さ れる。ここで言う、アルカリ性溶剤とは、アルカ リ性化合物を含有する水溶液もしくは、アルカリ 性化合物を含有する有機溶剤もしくは、アルカリ 性化合物を含有する水溶液と有機溶剤との混合物 である。アルカリ性化合物としては、水酸化ナト リウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ 酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナト リウム、メタケイ酸カリウム、リン酸ナトリウ ム、リン酸カリウム、アンモニア、およびモノエ タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ ノールアミン等のアミノアルコール類等などの有 機および無機の任意のアルカリ性化合物を挙げる ことができる。
エッチング液の溶媒としては前述のように、水 もしくは多くの有機溶媒を使用することが出来る が、臭気、公害性の点から水を主体としたエッチ ング液が好ましく使用される。水を主体としたエ ッチング液には、必要に応じて各種の有機溶剤を 添加することも出来る。好ましい有機溶剤として は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ タノール、ベンジルアルコール、フェネチルアル コール等の低級アルコールや芳香族アルコールお よびエチレングリコール、ジエチレングリコー ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリ コール、セルソルブ類、およびモノエタノールア ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ ン等のアミノアルコール類等を挙げることが出来 る。また、エッチング液には界面活性剤、消泡 剤、その他必要に応じて各種の添加剤を含有した ものが使用される。
エッチング液としては、市販の印刷版用の現像 液が好適に用いることが出来る。
アルカリ性水溶液に浸漬すると、感光層は、全 面的に溶出し、重合層は、未硬化部分(非画像部 分)だけが溶出される。なお直接アルカリ性水溶 液に浸漬せず、まず水に浸漬して重合層を全面的 に溶出してから、アルカリ性水溶液に浸漬して重 合層の未硬化部分を溶出してもよい。
なお、熱現像で得られたポリマー画像を可視化 (現像)する方法として、上記の記述では、エッ チングによる未硬化部分を溶解除去する方法を例 に挙げて説明したが、この他にも例えば次のよう な種々の方法を用いて、画像を得ることが出来 る。
オーバーコート層および感光層を剥離または溶 解除去したのち、 1。重合層の未硬化部分を、その粘着性を利用 し、別の受像シートへ転写して画像を得る。
2。重合層の未硬化部分に、その粘着性を利用し て、着色物質(トナー)を付着させる。
3。重合層の未硬化部分又は、硬化部分を選択的 に染着する。
こうして得られた画像は、印刷版、カラープル ーフ、ハードコピー、レリーフ等に用いられる。
特に本発明の高感度で高耐刷力を生かして、印刷 版として用いるのが最も好ましい。
以下に実施例を記載し、本発明の感光材料を更 に詳細に説明する。ただし、本発明は、これらの 例に限定されない。
[実施例1] [感光材料の作成] アルミ支持体の作成 厚さ0.30mmのアルミニウム板をナイロン ブラシと400メッシュのパミストンの水懸濁液 とを用い、その表面を砂目立てしたのち、よく水 で洗浄した。次いで、10%水酸化ナトリウムに 70℃で60秒間浸漬してエッチングしたのち、 流水で水洗後20%硝酸水溶液で中和洗浄し、水 洗した。これを陽極時電圧が12.7Vで陽極時 電気量に対する陰極時電気量の比が0.8の条件 下で正弦波の交番波3電流を用いて1%硝酸水溶 液中で160クーロン/dmの陽極時電気量で電 解粗面化処理を行なった。この時の表面粗さを測 定したところ0.6μm(Ra表示)であった。
引き続いて、30%の硫酸水溶液中に浸漬し55 ℃で2分間デスマットしたのち、20%硫酸水溶 液中、電流密度2A/dmにおいて厚さが2.7 g/dmになるように陽極酸化処理した。
重合層の形成 トリメチロールプロパントリアクリレート(重 合性化合物)0.28gとエチルセルローズ(商 品名;N−200、ハーキュレス社製)0.17 gをメチルエチルケトン48gに溶解した。この 溶液に顔料(商品名;マイクロリス−レッド17 7A、チバガイギー社製)0.33gを加えて、 超音波分散器で30分間処理して、顔料を微分散 した。次に、得られた分散物にアリルメタクリレ ート/メタクリル酸コポリマー(共重合比=83 /17)の20%プロピレングリコールモノメチ ルエーテル溶液5.5gを混合して塗布液を調製 した。この塗布液を前記アルミニウム支持体上に 塗布し、乾燥し、重合層を設けた。重合層の層厚 は1.0μmであった。
感光層の形成 ハロゲン化銀乳化剤の調製 攪拌中のゼラチン水溶液(水1500ml中に ゼラチン16gと塩化ナトリウム0.5gを加 え、1Nの硫酸でpH3.2に調整し、50℃に 保温したもの)に臭化カリウム71gを含有する 水溶液300mlと硝酸銀水溶液(水300ml に硝酸銀0.59モルを溶解させたもの)を同時 に50分間にわたって等流量で添加した。これが 終了して1分後に沃化カリウム4.3gを含有す る水溶液200mlを5分間にわたって一定流量 で添加した。この乳化にポリ(インブチレン−コ −マレイン酸モノナトリウム)を1.2g加えて 沈降させ、水洗して脱塩した後、ゼラチン24g を加えて溶解し、更にチオ硫酸ナトリウムを5 mgおよび下記の増感色素を0.5g加えて、 60℃で15分間化学増感を行ない、収量100 0gのハロゲン化銀乳剤を調製した。
(増感色素) 還元剤を含む乳化物の調製 下記の還元剤(a)1.3g、下記の還元剤 (b)2.4g、下記の化合物(c)0.004 8gおよび下記の化合物(d)0.027gを、 プロピレングリコールモノメチルエーテル3.5 gと塩化メチレン8gの混合溶剤に溶かしたの ち、得られた混合溶液をポリビニルアルコールの 10%水溶液60g中にホモジナイザーを用いて 乳化した。
(還元剤(a)) (還元剤(b)) (化合物(c)) (化合物(d)) 塩基プレカーサー分散液の調製 下記の塩基プレカーサーの粉末250gを、ダ イノミル分散器を用いて、ポリビニルアルコール の3重量%水溶液750g中に分散した。塩基プ レカーサーの粒子サイズは約0.5μm以下であ った。
(塩基プレカーサー) 感光層の形成 水40gに、上記の還元剤を含む乳化物13. 2g、塩基プレカーサーの分散液3.7g、尿素 の40%水溶液1.1gおよび下記の界面活性剤 の5%水溶液3.7gを加え、さらに前記のハロ ゲン化銀乳剤10gとポリビニルアルコールの1 0%水溶液20gを混合した液2.7gを加え、 良く混合して感光層の塗布液を調製した。これを 前記の重合層の上に塗布、乾燥して感光層を設 け、本発明に従う感光材料を作成した。感光層の 層厚は3.0μmであった。
(界面活性剤) [画像形成方法およびその評価] 上記で得た感光材料(印刷原版)から以下のよ うにして印刷版を作成し、評価した。
感光材料に原稿フィルムを密着して500Wの タングステンランプを用いて50ルックスの照度 で一秒間露光した。次に、これを130℃に加熱 した熱板に25秒間密着させて熱現像したとこ ろ、露光された部分に銀画像が見られた。次にこ れをトリエタノールアミンの10重量%の水溶液中 に室温で1分間浸漬した後、良く水洗したとこ ろ、感光層の全部および未露光部分の重合層は溶 出除去されて、露光部分に赤色に着色したポリマ ーのレリーフ画像が形成された。こうして得られ た印刷版をハイデルKOR−D印刷機に取り付け て印刷した所良好な印刷物が得られた。
[実施例2] [感光材料の作成] 実施例1において、重合層の塗布液を調製する 際にエチルセルロースを使用しなかった以外は実 施例1と同様にして塗布液を調製し、本発明に従 う感光材料を作成した。なお、顔料は塗布液中で の微分散されず、かなり凝集していた。
[画像形成方法およびその評価] 上記で得られた感光材料を使用した以外は、前 記実施例1と同様な方法で画像形成方法を実施 し、評価した。その結果、レリーフ画像は実施例 1と同様に得られたが、顔料の凝集のために画質 は良くなかった。
[比較例1] [感光材料の作成] トリメチロールプロパントリアクリレート(重 合性化合物)0.28gとエチルセルローズ(商 品名;N−200、ハーキュレス社製)0.17 gをメチルエチルケトン48gに溶解した。この 溶液に顔料(商品名;マイクロリス−レッド17 7A、チバガイギー社製)0.33gを加えて、 超音波分散器で30分間処理して、顔料を微分散 した。次に、得られた分散物に、アリルメタクリ レート/メタクリル酸コポリマー(共重合比=8 3/17)の20%プロピレングリコールモノメ チルエーテル溶液5.5g、以下前記実施例1で 使用した、還元剤(a)0.28g、還元剤 (b)0.7g、化合物(c)0.0014gお よび化合物(d)0.008gをそれぞれ加え、 溶解した。得られた混合液に、実施例1で使用し た塩基プレカーサーの分散液1.46gを加え、 ホモジナイザーで分散した。次に、得られ分散液 に実施例1で使用したハロゲン化銀乳剤1.7g を加え、ホモジナイザーを用いて乳化し、感光層 の塗布液を調製した。得られた塗布液を実施例1 で使用したアルミニウム支持体上に塗布、乾燥し て単一の層からなる感光層を形成した。感光層の 膜厚は3μmであった。
さらに感光層の上に、ポリビニルアルコールの 10重量%水溶液を乾燥膜厚が約2μmになるよ うに塗布、乾燥して保護膜を設け、比較用の感光 材料を作成した。
上記で得られた感光材料を用いて実施例1と同 様な方法で画像を形成した。その結果、感光層の ほとんどが溶出され、画像は得られなかった。
[実施例3] [感光材料の作成] 重合層の形成 ジペンタエリスリトール ヘキサアクリレート 2.5g 下記の還元剤 2.0g アリルメタクリレート/メタクリル酸 コポリマー(共重合比=83/17) の20重量%プロピレングリコール モノメチルエーテル溶液 37.5g 下記の顔料分散液 13.0g メチルエチルケトン 74.0g からなる液を実施例1のアルミニウム支持体上 に塗布し、乾燥して、乾燥膜厚が約1.3μmの 重合層を設けた。
(還元剤) (顔料分散液) クロモフタルレッドA2B 18.0g ベンジルメタクリレート/ メタクリル酸コポリマー 12.0g (共重合比=80/20)
シクロヘキサノン
30.0g プロピレングリコールモノ メチルエーテル 40.0g 感光層の形成 ハロゲン化銀乳剤の調製 水1500ml中にゼラチン16gと塩化ナト リウム0.5gを加え、1Nの硫酸でpH3.2 に調整し、50℃に保温したゼラチン水溶液に、 臭化カリウム71gを含有する水溶液300ml と硝酸銀水溶液(水300mlに硝酸銀0.59 モルを溶解させたもの)を同時に50分間にわた って等流量で添加した。これが終了して1分後に 沃化カリウム4.3gを含有する水溶液200 mlを5分間にわたって一定流量で添加した。こ の乳剤にポリ(インブチレン−コ−マレイン酸モ ノナトリウム)を1.2g加えて沈降させ、水洗 して脱塩した後、ゼラチン24gを加えて溶解 し、更にチオ硫酸ナトリウムを5mgおよび下記 の増感色素を0.5g加えて、60℃で15分間 化学増感を行ない、収量1000gのハロゲン化 銀乳剤を調製した。
(増感色素) 塩基プレカーサー分散液の調製 下記の塩基プレカーサーの粉末250gをダイ ノミル分散器を用いて、ポリビニルアルコール (商品名:PVA−205、クラレ(株)製)の3重 量%水溶液750g中に分散した。塩基プレカー サーの粒子サイズは約0.5μm以下であった。
(塩基プレカーサー) 感光層の形成 ケン化度88%のポリビニルアルコール(商品 名:PVA−205、クラレ(株)製)の10重量% 水溶液 13.2g 上記の塩基プレカーサー分散液 1.24g エチレン尿素 0.40g 下記の添加剤(1)の0.13重量% メタノール溶液 0.54g 下記の添加剤(2)の0.22重量% メタノール溶液 0.54g 上記のハロゲン化銀乳剤 0.37g 下記の界面活性剤の 5重量%水溶液 1.8g 水 1.9g からなる液を、前記の重合層の上に塗布、乾燥 して、乾燥膜厚が約4.0μmの感光層を設け て、感光材料(印刷原版)を作成した。
(添加剤1) (添加剤2) (界面活性剤) [画像形成方法およびその評価] 印刷原版に原稿フィルムを密着し、500Wの タングステンランプを用いて50ルックスの照度 で1秒間露光した。次にこれを135度に加熱し た熱板に感光材料の感光層の表面を密着して25 秒間熱現像したところ、露光された部分に銀画像 が見られた。次にこれを富士PS現像液DN−3 C(富士写真フイルム(株)製)に室温で1分間浸漬 した後、良く水洗したところ、未露光部分の感光 層は溶出除去されて、露光部分に赤色に着色した ポリマーのレリーフ画像が形成された。画像には 一部かぶりが見られた。こうして得られた印刷版 をハイデルKOR−D印刷機に取つけて印刷した ところ、一部にかぶりのある印刷物が得られた。
[実施例4] 実施例3の感光材料を実施例3と同様に露光し た後、感光層の表面を空気中に開放して(支持体 側を熱板に密着して)135℃で25秒間加熱 し、実施例3と同様に前記現像液DN−3Cで処 理、水洗したところ、濃度の低い画像しか得られ なかった。
[実施例5] 実施例3において、感光層の塗布液に用いた ポリビニルアルコールの10重量%水溶液(商品 名;PVA−205、ケン化度88.0%、クラ レ(株)製)の代りに、ポリビニルアルコール(商品 名;PVA−110、ケン化度98.5%、クラ レ(株)製)の10重量%水溶液を同量用いる以外 は、同様にして感光材料を作成した。
得られた感光材料を実施例4と同様に、感光材 料の表面を空気中に開放した状態で加熱処理した ところ、かぶりのない良好な赤色画像が得られ た。さらにこれを用いて印刷したところかぶりの ない良好な印刷物が得られた。
[実施例6] 実施例3において、重合層の塗布液から還元剤 を除いた塗布液を使用した以外は同様にして、還 元剤を含まない重合層を設けた。
還元剤分散液の調製 実施例3の還元剤の粉末10gを、ダイノミル 分散器を用いて、ポリビニルアルコール(商品名 ;PVA−205、ケン化度88.0%、クラレ (株)製)の3重量%水溶液90g中に分散した。還 元剤の粒子サイズは約0.5μm以下であった。
次に、 ポリビニルアルコール (商品名;PVA−205; ケン化度88.0%)の 10重量%水溶液 13.2g 上記の還元剤の分散液 0.90g 実施例3の塩基プレカーサー分散液 1.24g エチレン尿素 0.40g 実施例3の添加剤1の0.13 重量%メタノール溶液 0.54g 実施例3の添加剤2の0.22 重量%メタノール溶液 0.54g 実施例3のハロゲン化銀乳剤 0.37g 実施例3の界面活性剤の5重量% 水溶液 1.8g 水 1.9g からなる液を上記の重合層の上に塗布、乾燥し て、乾燥膜厚が約4.0μmの感光層を設け、本 発明に従う感光材料(印刷原版)を作成した。還 元剤の塗布量は前記実施例3と同じであった。
得られた感光材料を用いて実施例3と全く同様 に画像形成方法を実施したところ、実施例3とほ とんど同じ画像が得られ、また得られた印刷版を 用いて実施例3と同様な方法で印刷したところ、 同様な印刷物が得られた。
[実施例7] 実施例4において、実施例6で得た感光材料を 使用した以外は、実施例4と同様にして画像形成 方法を実施し、印刷版を製造した。その結果、濃 度の低い画像しか得られなかった。
[実施例8] 実施例6において、感光層の塗布液に用いた ポリビニルアルコールの10重量%水溶液(商品 名;PVA−205、けん化度88.0%、クラ レ(株)製)の代りに、ポリビニルアルコール(商品 名;PVA−110、けん化度98.5%、クラ レ(株)製)の10重量%水溶液を同量用いる以外 は、同様にして感光材料を作成した。
実施例4において、上記で得た感光材料を使用 した以外は、実施例4と同様にして画像形成方法 を実施し、印刷版を作成した。その結果、良好な 赤色画像が得られた。更にこれを用いて印刷した ところ、かぶりのない良好な印刷物が得られた。
[実施例9] (重合層に含まれるバインダーが酸性基を有しな いバインダーである場合の例) 実施例3において、重合層に含まれるバインダ ーとしてアリルメタクリレート/メタクリル酸コ ポリマー(共重合比=83/17)の代りに、ア リルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリ レート(共重合比=90/10)を同量用い、か つ顔料分散液として、実施例3の顔料分散液に代 えて下記の顔料分散液を同量用いる以外は、実施 例3とまったく同様にして本発明に従う感光材料 を作成した。
(顔料分散液) クロモフタルレッドA2B 18.0g アリルメタクリレート/ ヒドロキシエチル メタクリレート共重合体 12.0g プロピレングリコール モノメチルエーテル 40.0g これを実施例3と同様にして画像露光および熱 現像した後、現像液(商品名;富士PS現像液D N−3C、富士写真フイルム(株)製)中で、1分間 スポンジを用いて感光材料の表面をこすり、未露 光部分を溶出除去し、水洗した。こうして印刷版 を作成し、これを用いて印刷した。その結果、印 刷版は、実施例3とほぼ同様な画像を有してお り、また同様な印刷物がえられた。
[比較例2] (塩基プレカーサーを感光層に含有せず、重合 層に含有した比較用感光材料) 実施例3において、重合層に含まれるバインダ ーとして、アリルメタクリレート/メタクリル酸 コポリマー(共重合比=83/17)の代りに、 アリルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタク リレート(共重合比=90/10)を同量用い、 かつ顔料分散液として、実施例3の顔料分散液に 代えて実施例9の顔料分散液を同量用いた以外 は、実施例3と同様にして重合層塗布原液を作成 した。
さらに、上記重合層塗布原液中に、実施例3で 作成した塩基プレカーサー分散液13.0gを添 加し、ホモジナイザーを用い13000回転/分 で5分間攪拌して重合層塗布液を作成した。
上記で得た重合層塗布液を使用した以外は、実 施例3と全く同様にして重合層を設けた。
次に、実施例3の感光層塗布液から塩基プレカ ーサー分散液を除き、それを用いた以外は実施例 3と同様にして感光層を設けた。
以上のようにして、塩基プレカーサーを感光層 に含有せず、重合層に含有した比較用の感光材料 感光材料を作成した。
次に、これを用いて、実施例9と同様にして画 像形成を行なったところ、実施例3および実施例 9の場合より画像濃度がかなり低い画像しか得ら れなかった。
[比較例3] (重合層に含まれるバインダーとして、酸性基を 有するポリマーを用い、かつ塩基プレカーサーを 感光層に含有せず、重合層に含有した比較用感光 材料) 実施例3の重合層塗布液に、更に実施例3の塩 基プレカーサー分散液13.0gを添加し、ホモ ジナイザーを用いて13000回転/分で5分間 攪拌し、これを重合層塗布液とした。そしてこれ を用いて実施例3と全く同様にして重合層を設け た。
次に、実施例3の感光層塗布液から塩基プレカ ーサー分散液を除き、それを用いた以外は実施例 3と全く同様にして感光層を設けた。
このようにして、重合層に含まれるバインダー として、酸性基を有するポリマーを用い、かつ塩 基プレカーサーを感光層に含有せず、重合層に含 有した比較用の感光材料を作成した。
次に、得られた感光材料を用いて、実施例3と 同様にして画像形成を行なったところ、ほとんど 画像は得られなかった。
[実施例10] 実施例3において、ハロゲン化銀乳剤を下記の 方法で調製したものを用いたこと以外は、実施例 3と同様にして感光材料を作成した。
また、上記の感光材料を用いて画像形成を行う 際に、画像形成時の露光方法として780nmの 波長の半導体レーザーを用い、強度を変えて、ス キャニング露光を行ったこと以外は、実施例3と 同様にして印刷版を作成した。そしてこれを用い て印刷したところ、良好な印刷物が得られた。
ハロゲン化銀乳剤の調製 ゼラチンと臭化カリウムと水が入った55℃に 加温された容器に、適当量のアンモニアを入れた 後、反応容器中のpAg値を7.60に保ちつつ 硝酸銀水溶液と、銀に対するイリジウムのモル比 で10−7モルとなるようにヘキサクロロイリジウ ム(III)酸塩を添加した臭化カリウム水溶液とを ダブルジェット法により添加して平均粒子サイズ が0.25μmの単分散臭化銀乳剤粒子を調製し た。これらの乳剤粒子は、平均粒子サイズの± 40%以内に全粒子数の98%が存在していた。
これらの乳剤を脱塩処理後、pHを6.2、pA gを8.6に合わせ、次で、下記の赤外増感色 素、強白増感剤、及び安定剤を順次攪拌状態で添 加し、60℃で15分間保ちハロゲン化銀乳剤と した。
(赤外増感色素) メタノール溶液(9.0×10−4M/l) 70cc/kg乳剤 (安定剤) メタノール溶液(2.8×10−2M/l) 35cc/kg乳剤 (強色増感剤) 4,4’−ビス[4,6−ジ(ナフチル−2− オキシ)ピリミジン−2−イルアミノ]スチルベ ンゼン2,2’−ジスルホン酸ナトリウム塩 メタノール溶液(4.4×10−3M/l) 99cc/kg乳剤 [実施例11] 実施例3において、ハロゲン化銀乳剤を下記の 方法で調製したものを用いた以外は、実施例3と 同様にして感光材料を作成した。
また、上記の感光材料を用いて画像形成を行う 際に、画像形成時の露光方法として、488nm の波長のアルゴンイオンレーザーを光源として、 強度を変えて、スキャニング露光を行なった以外 は、実施例3と同様にして印刷版を製造した。そ してこれを用いて印刷したところ、良好な印刷物 が得られた。
ハロゲン化銀乳剤の調製 ゼラチンと臭化カリウムと水が入った55℃に 加温された容器に適当量のアンモニウムを入れた 後、反応容器中のpAg値を7.60に保ちつつ 硝酸銀水溶液と、銀に対するイリジウムのモル比 で10−7モルとなるようにヘキサクロロイリジウ ム(III)酸塩を添加した臭化カリウム水溶液とを ダブルジエット法により添加し、次いで沃化カリ ウムを添加し平均粒子サイズが0.25μmの単 分散沃臭化銀乳剤沃化銀含量0.2モル%粒子を 調製した。これらの乳剤粒子は、平均粒子サイズ の±40%以内に全粒子数の98%が存在してい た。これらの乳剤を脱塩処理後、pHを6.2、 pAgを8.6に合わせてからチオ硫酸ナトリウ ムと塩化金酸とにより金・硫黄増感を行ない、次 いで下記の分光増感色素を添加し、60℃で15 分間攪拌保持して、ハロゲン化銀乳剤とした。
(分光増感色素) メタノール溶液(2.0M/l) 200cc/kg乳剤 [実施例12] [感光材料の作成] 重合層の形成 ジペンタエリスリトール ヘキサアクリレート 2.5g 下記の還元剤 2.0g アリルメタクリレート/メタクリル酸 コポリマー(共重合比=83/17) の20重量%プロピレングリコール モノメチルエーテル溶液 37.5g 下記の顔料分散液 12.0g メチルエチルケトン 74.0g からなる液を実施例1のアルミニウム支持体上 に塗布し、乾燥して、乾燥膜厚が約1.3μmの 重合層を設けた。
(還元剤) (顔料分散液) クロモフタルレッドA2B 18.0g ベンジルメタクリレート/ メタクリル酸コポリマー 12.0g (共重合比=80/20) シクロヘキサノン 30.0g プロピレングリコールモノ メチルエーテル 40.0g 感光層の形成 ハロゲン化銀乳剤の調製 水1500ml中にゼラチン16gと塩化ナト リウム0.5gを含み、1Nの硫酸でpH3.2 に調整し、50℃に保温したゼラチン水溶液に、 臭化カリウム71gを含有する水溶液300ml と硝酸銀水溶液(水300mlに硝酸銀0.59 モルを溶解させたもの)を同時に50分間にわた って等流量で添加した。これが終了して1分後か らさらに沃化カリウム4.3gを含有する水溶液 200mlを5分間にわたって一定流量で添加し た。この乳剤にポリ(インブチレン−コ−マレイ ン酸モノナトリウム)を1.2g加えて沈降さ せ、水洗して脱塩した後、ゼラチン24gを加え て溶解し、更にチオ硫酸ナトリウムを5mgおよ び下記の増感色素を0.5g加えて、60℃で 15分間化学増感を行ない、収量1000gのハ ロゲン化銀乳剤を調製した。
(増感色素) 塩基プレカーサー分散液の調製 下記の塩基プレカーサーの粉末250gを、ダ イノミル分散器を用いて、ポリビニルアルコール の3重量%水溶液750g中に分散した。塩基プ レカーサーの粒子サイズは約0.5μm以下であ った。
(塩基プレカーサー) 感光層の形成 けん化度88%のポリビニルアルコール(商品 名:PVA−205、クラレ(株)製)の10重量% 水溶液 66.0g 上記の塩基プレカーサー分散液 6.2g エチレン尿素 2.0g 下記の添加剤−1の0.13重量% プロピレングリコールモノ メチルエーテル溶液 2.7g 上記のハロゲン化銀乳剤 1.8g メタノール溶液 下記の界面活性剤の5重量%水溶液 9.0g 水 13.0g からなる液を、前記の重合層の上に塗布、乾燥 して、乾燥膜厚が約4.0μmの感光層を設け た。
(添加剤−1) (界面活性剤) オーバーコート層の形成 ポリビニルアルコール(商品名;PVA−11 7、ケン化度98.5%、クラレ(株)製)の10重 量%水溶液100gと、上記の界面活性剤の5重 量%水溶液4gを混合し、塗布液を調製した。こ れを感光層上に塗布し、乾燥して、乾燥膜厚が約 3.0μmのオーバーコート層を設け、本発明に 従う感光材料(印刷原版)を作成した。
[画像形成方法および評価] 印刷原版に原稿フイルムを密着して500Wの タングステンランプを用いて50ルックスの照度 で1秒間露光した。次にこれを135℃に加熱し た熱板に感光材料の背面(アルミ支持体の裏側) を密着し、オーバーコート層面は空気中に開放し た状態で25秒間熱現像したところ、露光された 部分に銀画像が見られた。次にこれを現像液(商 品名;富士PS現像液DN−3C、富士写真フイ ルム(株)製)に室温で1分間浸漬した後よく水洗し たところ、オーバーコート層及び感光層の全部と 未露光部分の重合層は溶出除去されて、露光部分 に赤色に着色したポリマーのレリーフ画像が形成 された。こうして得られた印刷版をハイデルKO R−D印刷機に取付けて印刷したところ、良好な 印刷物が得られた。
さらに、エチレン尿素を同量のソルビトールに 置換えて感光材料を作成した。この感光材料を同 様に評価したあところ、同じように良好な結果 (画像および印刷物)が得られた。
[比較例4] 実施例12の熱現像において、感光材料のオー バーコート層側を熱板に密着する以外は、実施例 12と全く同様に実施したところ、非画像部は地 汚れが多く、画線の周囲ににじみや太りがひど く、画像むらも多く、画質は悪かった。
[比較例5] 実施例12において、オーバーコート層を設け ない感光材料を用いた以外は、全く同様に画像形 成方法を実施したところ、重合層は十分硬化せ ず、うすい画像しか得られなかった。
[実施例13] [感光材料の作成] 重合層の形成 ジベンタエリスリトール ヘキサアクリレート 2.5g 下記の還元剤 2.0g アリルメタクリレート/ メタクリル酸コポリマー (共重合比=83/17)の 20重量%プロピレングリコール モノメチルエーテル溶液 37.5g 下記の顔料分散液 12.0g をメチルエチルケトン74.0gに溶解、分散 して、実施例1のアルミニウム支持体上に塗布、 乾燥して、乾燥膜厚が約1.3μmの重合層を設 けた。
(還元剤) (顔料分散液) クロモフタルレッドA2B 18.0g ベンジルメタクリレート/ メタクリル酸コポリマー (共重合比=80/20) 12.0g シクロヘキサノン 30.0g プロピレングリコール モノメチルエーテル 40.0g 感光層の形成 ハロゲン化銀乳剤の調製 水1500ml中にゼラチン16gと塩化ナト リウム0.5gを加え、1Nの硫酸でpH3.2 に調整し、50℃に保温したゼラチン水溶液中に 臭化カリウム71gを含有する水溶液300ml と硝酸銀0.59モルを含有する水溶液300 mlと同時に50分間にわたって等流量で添加し た。これが終了して1分後に沃化カリウム4.3 gを含有する水溶液200mlを5分間にわたっ て一定流量で添加した。この乳剤にポリ(インブ チレン−コ−マレイン酸モノナトリウム)を 112g加えて沈降させ、水洗、脱塩した後、ゼ ラチン24gを加えて溶解し、更にチオ硫酸ナト リウムを5mgおよび下記の増感色素を0.5g 加えて、60℃で15分間化学増感を行ない、収 量1000gのハロゲン化銀乳剤を調製した。
(増感色素) 塩基プレカーサー分散液の調製 下記の塩基プレカーサーの粉末250gを、ダ イノミル分散器を用いて、ポリビニルアルコール の3重量%水溶液750g中に分散した。塩基プ レカーサーの粒子サイズは約0.5μm以下であ った。
(塩基プレカーサー) 感光層の形成 ポリビニルアルコール (商品名;PVA−117、 けん化度98.5%、クラレ(株)製) の10重量%水溶液 70.0g ポリビニルアルコール (商品名;PVA−205、 けん化度88.0%、クラレ(株)製) の10重量%水溶液 30.0g 上記の塩基プレカーサー分散液 6.2g エチレン尿素 2.0g 下記の添加剤−1の0.13重量% プロピレングリコールモノ メチルエーテル溶液 2.7g 上記ハロゲン化銀乳剤 1.8g 下記の界面活性剤の5重量%水溶液 9.0g 水 13.0g からなる液を、前記の重合層の上に塗布、乾燥 して、乾燥膜厚が約6.0μmの感光層を設け、 感光材料(印刷原版)を作成した。
(添加剤−1) (界面活性剤) [画像形成方法およびその評価]
印刷原版に原稿フィ
ルムを密着して500Wの タングステンランプを用いて50ルックスの照度 で1秒間露光した。次に、此を135℃に加熱し た熱板に感光材料の背面(アルミ支持体の裏側) を密着し、感光層面は空気中に開放した状態で 25秒間感光材料熱現像したところ、露光された 部分に銀画像が見られた。次にこれを現像液(商 品名;富士PS現像DN−3c、富士写真フイル ム(株)製)に室温で1分間浸漬した後よく水洗した ところ感光層の全部と、未露光部分の重合層は溶 出除去されて、露光部分に赤色に着色したポリマ ーのリレーフ画像が形成された。こうして得られ た印刷版をハイデルKOR−D印刷機に取り付け て印刷した所良好な印刷物が得られた。
[比較例6] 実施例13の熱現像において、感光材料の感光 層側を熱板に密着する他は実施例13と全く同様 に実施したところ、非画像部は汚れが多く、画線 の周囲ににじみや太りがひどく、画像むらも多 く、画質は悪かった。
[比較例7] 実施例13において、感光層の作成において、 ポリビニルアルコールとして、PVA−117を 用いず、PVA−205の10重量%水溶液を 100g用いる以外は、実施例13と全く同様に して感光材料を作成した。これを用いて画像形成 を行ったところ、重合層は十分硬化せず、うすい 画像しか得られなかった。
[実施例14] [感光材料の作成] 重合層の形成 ジペンタエリスリトール ヘキサアクリレート 2.5g 下記の還元剤 2.0g アリルメタクリレート/メタクリル酸 コポリマー(共重合比=83/17) の20重量%プロピレングリコール モノメチルエーテル溶液 37.5g 下記の顔料分散液 12.0g メチルエチルケトン 74.0g からなる液を実施例1のアルミニウム支持体上 に塗布し、乾燥して、乾燥膜厚が約1.3μmの 重合層を設けた。
(還元剤) (顔料分散液) クロモフタルレッドA2B 18.0g ベンジルメタクリレート/ メタクリル酸コポリマー 12.0g (共重合比=80/20) シクロヘキサノン 30.0g プロピレングリコールモノ メチルエーテル 40.0g 感光層の形成 ハロゲン化銀乳剤の調製 水1500ml中にゼラチン16gと塩化ナト リウム0.5gを含み、1Nの硫酸でpH3.2 に調整し、50℃に保温したゼラチン水溶液に、 臭化カリウム71gを含有する水溶液300ml と硝酸銀水溶液(水300mlに硝酸銀0.59 モルを溶解させたもの)を同時に50分間にわた って等流量で添加した。これが終了して1分後か らさらに沃化カリウム4.3gを含有する水溶液 200mlを5分間にわたって一定流量で添加し た。この乳剤にポリ(インブチレン−コ−マレイ ン酸モノナトリウム)を1.2g加えて沈降さ せ、水洗して脱塩した後、ゼラチン24gを加え て溶解し、更にチオ硫酸ナトリウムを5mgおよ び下記の増感色素を0.5g加えて、60℃で 15分間化学増感を行ない、収量1000gのハ ロゲン化銀乳剤を調製した。
(増感色素) 塩基プレカーサー分散液の調製 下記の塩基プレカーサーの粉末250gを、ダ イノミル分散器を用いて、ポリビニルアルコール の3重量%水溶液750g中に分散した。塩基プ レカーサーの粒子サイズは約0.5μm以下であ った。
(塩基プレカーサー) 感光層の形成 けん化度88%のポリビニルアルコール(商品 名:PVA−205、クラレ(株)製)の10重量% 水溶液 13.2g 上記の塩基プレカーサー分散液 1.24g エチレン尿素 0.40g 下記の添加剤−1の0.13重量% メタノール溶液 0.54g 下記の添加剤−2の0.22重量% メタノール溶液 0.54g 上記のハロゲン化銀乳剤 0.37g メタノール溶液 下記の界面活性剤の5重量%水溶液 1.8g 水 1.9g からなる液を、前記の重合層の上に塗布、乾燥 して、乾燥膜厚が約4.0μmの感光層を設け た。
(添加剤−1) (添加剤−2) (界面活性剤) オーバーコート層の形成 ポリビニルアルコール(商品名;PVA−11 0、ケン化度98.5%、クラレ(株)製)の10重 量%水溶液100gと、上記の界面活性剤の5重 量%水溶液4gを混合し、塗布液を調製した。こ れを感光層上に塗布し、乾燥して、乾燥膜厚が約 3.0μmのオーバーコート層を設け、本発明に 従う感光材料(印刷原版)を作成した。
[画像形成方法および評価] 印刷原版に原稿フイルムを密着して500Wの タングステンランプを用いて50ルックスの照度 で1秒間露光した。次にこれを135℃に加熱し た熱板に感光材料の背面(アルミ支持体の裏側) を密着して、オーバーコート層面は空気中に開放し た状態で25秒間熱現像したところ、露光された 部分に銀画像が見られた。次にこれを現像液(商 品名;富士PS現像液DN−3C、富士写真フイ ルム(株)製)に室温で1分間浸漬した後よく水洗し たところ、オーバーコート層及び感光層の全部と 未露光部分の重合層は溶出除去されて、露光部分 に赤色に着色したポリマーのレリーフ画像が形成 された。こうして得られた印刷版をハイデルKO R−D印刷機に取付けて印刷したところ、良好な 印刷物が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の感光材料の好ましい態様の 1つを示す断面模式図である。 第2図は、第1図に示した感光材料を用いる画 像形成方法の画像露光の工程を示す断面模式図で ある。 第2−A図は、画像露光の工程における感光材 料内の反応を示す断面模式図である。 第3図は、第1図に示した感光材料を用いる画 像形成方法の熱現像の工程を示す断面模式図であ る。 第3−A図は、熱現像の工程における感光材料 内の反応を示す断面模式図である。 第4図は、第1図に示した感光材料を用いる画 像形成方法のエッチング処理の工程を示す断面模 式図である。 1:支持体 2:重合層 3:感光層 21、31:感光層の未露光部 22、32:感光層の露光部 33:重合層の未露光部 34、44:重合層の露光部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀、還元剤、重合性化合物ま
    た は/および架橋性ポリマー、および塩基または/ および塩基プレカーサーを含む感光材料であっ て、 支持体上に重合層、その上に感光層が順次設け られており、重合層が重合性化合物または/およ び架橋性ポリマーを含み、感光層がハロゲン化 銀、および塩基または/および塩基プレカーサー を含むことを特徴とする感光材料。
  2. 【請求項2】 重合層が重合性化合物および酸性基を有
    す るポリマーを含み、かつ感光層が親水性ポリマー を含む特許請求の範囲第1項記載の感光材料。
  3. 【請求項3】 感光層の上にさらにオーバーコート層が
    設 けられていることを特徴とする特許請求の範囲第 1項記載の感光材料。
  4. 【請求項4】 オーバーコート層が、ケン化度が70%
    以 上のポリビニルアルコールを含むことを特徴とす る特許請求の範囲第3項記載の感光材料。
  5. 【請求項5】 感光層が、ケン化度が70%以上のポリ
    ビニ ルアルコールを含むことを特徴とする特許請求の 範囲第1項記載の感光材料。
  6. 【請求項6】 ハロゲン化銀、還元剤、重合性化合物ま
    た は/および架橋性ポリマー、および塩基または/ および塩基プレカーサーを含む感光材料であっ て、 支持体上に重合層、その上に感光層が順次設け られており、重合層が重合性化合物または/およ び架橋性ポリマーを含み、そして感光層がハロゲ ン化銀、および塩基または/および塩基プレカー サーを含む感光材料を、 画像露光し、それと同時にまたはその後、実質 的に水を含まない条件下で60〜200℃の範囲 の温度で加熱して、ハロゲン化銀を現像するとと もに重合層を画像状に硬化し、これによりポリマ ー画像を形成することを特徴とする画像形成方 法。
  7. 【請求項7】 ハロゲン化銀の現像により還元剤の酸化
    体 が形成、または/および酸化体がさらに反応して ラジカルが形成され、その酸化体および/または ラジカルが感光層から重合層へ移動し、その作用 により重合層が画像状に硬化することを特徴とす る特許請求の範囲第6項記載の方法。
  8. 【請求項8】 感光材料の表面を空気中に開放した状態
    で 加熱することを特徴とする特許請求の範囲第6項 記載の方法。
  9. 【請求項9】 感光材料の表面を空気から遮断した状態
    で 加熱することを特徴とする特許請求の範囲第6項 記載の方法。
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