JPH05247694A - Zn−Ni合金電気メッキ用可溶性Zn−Niアノード - Google Patents

Zn−Ni合金電気メッキ用可溶性Zn−Niアノード

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JPH05247694A
JPH05247694A JP8032392A JP8032392A JPH05247694A JP H05247694 A JPH05247694 A JP H05247694A JP 8032392 A JP8032392 A JP 8032392A JP 8032392 A JP8032392 A JP 8032392A JP H05247694 A JPH05247694 A JP H05247694A
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JP
Japan
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anode
phase
soluble
weight
metal
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Withdrawn
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JP8032392A
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Inventor
Kenichi Hijikata
研一 土方
Kazuo Watanabe
和男 渡辺
Satoru Takayanagi
悟 高柳
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】Zn−Ni合金電気メッキ用可溶性Zn−Ni
アノードの提供 【構成】Zn−Ni合金電気メッキに用いられる可溶性
アノードであって、δ相、γ相、β1相のZn−Ni金
属間化合物単相またはこれらの混合相からなり、Znお
よびNiの金属相および固溶体相を含まないことを特徴
とする可溶性Zn−Niアノード。 【効果】上記可溶性アノードは、Zn−Ni合金電気メ
ッキのアノードとして用いた場合、ZnとNiが均一に
溶出するので容易にメッキ浴中のNi/Zn比を一定に
保持することができ、また溶解効率も高く、スラッジも
発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はZn−Ni合金電気メッ
キに用いる可溶性Zn−Niアノードに関する。Zn−
Ni合金メッキは優れた耐食性を有することからZn−
Ni合金メッキ鋼板は主に自動車用防錆鋼板として用い
られている。本発明はメッキ浴中のZnイオン濃度およ
びNiイオン濃度を一定に保つことができる可溶性Zn
−Niアノードに関する。
【0002】
【従来技術とその課題】Zn−Fe族(Fe,Co,N
i)合金電気メッキ時には、メッキ浴中のZnイオン濃
度およびFe族元素イオン濃度を一定に調節することが
必要である。このメッキ浴中のイオン濃度調節のために
ZnイオンやFe族元素イオンを補給する方法として、
次のような方法が知られている。 (イ)ZnイオンとFe族イオンを炭酸塩、硫酸塩、塩
化物、水酸化物、酸化物の形で供給する。アノードは不
溶性のものが用いられる。 (ロ)可溶性Znアノードを用い、アノードの溶解によ
ってZnイオンを補給し、Fe族イオンは炭酸塩、硫酸
塩、塩化物、水酸化物、酸化物の形で供給する。 (ハ)可溶性のZnアノードとFe族アノードの2種の
アノードを用い、アノードの溶解によってZnイオンと
Fe族イオンを補給する。 ところが上記(イ)の方法では、水の電気分解によりア
ノードで酸素を発生するため消費電力が増加しガス抜き
対策が必要となる。また金属塩を添加するための装置が
必要であり、さらに余分な陰イオン(SO4,Cl-
ど)を除去しなければならない。また上記(ロ)の方法
では、Znアノードの溶解効率がカソードの析出効率よ
りも高いので、次第にFe族イオン濃度に対するZnイ
オン濃度が増加し、塩の形で供給するFe族の添加量の
調節が難しく、また余分な陰イオン(SO4,Cl-
ど)を除去しなければならないなど操業が極めて繁雑に
なる。さらに上記(ハ)の方法では、ZnアノードとF
e族元素アノードの2種のアノードを用いる必要があ
り、しかもZnアノードに比べてFe族アノードは溶解
効率が低いため、Znイオン濃度とFe族イオン濃度を
所定の割合に制御するのが難しい。ZnアノードとFe
族アノードの2種のアノードを用いる方法に代えて、可
溶性Zn−Fe族合金をアノードに用いる方法が考えら
れるが、ZnとFe族元素は融点および蒸気圧の差が大
きく、通常の溶解方法では所定の組成比を有するZn−
Fe族合金を製造するのは難しい。しかも通常の溶解方
法で得たZn−Fe族合金は、アノードに用いた場合、
ZnとFe族元素の溶出が不均一であることが懸念さ
れ、従ってメッキ浴の濃度調節に利用するのは困難であ
る。
【0003】本発明者等はZn−Ni合金電気メッキに
おける可溶性アノードの開発を試み、Zn−Ni金属間
化合物を用い、その金属組織をδ相、γ相、β1相のZ
n−Ni金属間化合物単相またはこれらの混合相からな
り、ZnおよびNiの金属相および固溶体相を含まない
ように調整すれば、ZnおよびNiが均一に溶解し、溶
解率も高く、メッキ浴中にスラッジも残留しないことを
見出した。本発明は上記知見に基づき、従来の問題を克
服した可溶性アノードを提供することを目的とする。
【0004】
【課題の解決手段:発明の構成】本発明によれば、Zn
−Ni合金電気メッキに用いられる可溶性アノードであ
って、δ相、γ相、β1相のZn−Ni金属間化合物単
相またはこれらの混合相からなり、ZnおよびNiの金
属相および固溶体相を含まないことを特徴とする可溶性
Zn−Niアノードが提供される。またその具体的な態
様として、Ni含有量が9〜52重量%であって、δ−
Ni3Zn22(Ni:9〜10重量%)、γ−Ni5Zn
21(Ni:13〜24重量%)、またはβ1−NiZn
(Ni:45〜52重量%)の金属間化合物単相または
これらの混合相からなる上記可溶性Zn−Niアノード
が提供される。
【0005】目的の組成比に秤量した金属Zn塊と金属
Ni塊を溶解用ルツボに入れ、このルツボを溶解装置に
装入し、2kg/cm2以上の内部圧力が一定に保たれ
るように不活性ガスを導入した後に800〜1200℃
に加熱し、ZnおよびNiを溶解させた後に板状に鋳造
し徐冷する。なお溶解装置はルツボを耐圧石英マッフル
に装入して外部から加熱する外部加熱形式でもよく、ま
たは内部加熱形式の何れでもよい。溶解雰囲気を2kg
/cm2以上の圧力の不活性ガス雰囲気に保つことによ
りZnの蒸発が抑えられ、目的組成のZn−Ni金属間
化合物が得られる。不活性ガスの圧力が大きいほどZn
の蒸発が抑えられるので不活性ガス圧は高いほど好まし
い。不活性ガス圧が2kg/cm2より低いとZnの蒸
発を抑制する効果が充分ではない。可溶性アノードとし
て用いた場合、未反応のNiが残留しているとNiの溶
解効率が金属間化合物の溶解効率よりも低いためにNi
が残留しスラッジとなる。従って完全にNiを溶解させ
るためにはNi−Zn状態図に示される液相温度以上で
の熱処理が必要であるが、Niの融点に比べてZnの融
点が大幅に低いため、大気圧中でNiを完全に溶解する
まで加熱するとZnの蒸発が激しく目的組成の合金を得
ることができない。本発明においては、不活性ガスの加
圧下で溶解するので、Znの蒸発が抑制され目的組成の
合金を得ることができる。また溶解時に気泡が生じない
ので相対密度99%以上のものが得られる。
【0006】上記製造法によれば、Zn:91〜48重
量%、Ni:9〜52重量%であるとき、Ni含有量が
9〜10重量%、13〜24重量%、45〜52重量%
の範囲において、Zn−Ni金属間化合物の金属組織は
δ−Ni3Zn22(Ni:9〜10重量%)、γ−Ni5
Zn21(Ni:13〜24重量%)、或いは β1−Ni
Zn(Ni:45〜52重量%)の金属間化合物単相と
なり、Ni含有量が10〜13重量%未満、24〜45
重量%未満のときはこれら金属間化合物の混合相にな
り、ZnおよびNiの金属相および固溶体相は存在しな
い。なおZnおよびNiの金属相および固溶体相が存在
すると、アノードとして用いた時にZnやNiの金属相
および固溶体相の溶解効率とZn−Ni金属間化合物の
溶解効率とが異なるのでNi/Zn比を一定に保持して
溶解させることが困難になる。Ni含有量が9重量%よ
り少ないと、Zn金属とδ−Ni3Zn22金属化合物相
の2相が共存し、δ−Ni3Zn22よりもZnの溶解効
率が高いためNiよりもZnが多く溶解し、残ったδ−
Ni3Zn22がスラッジとなるので好ましくない。Ni
含有量が52重量%より多いと、Ni金属相ないしNi
−Zn固溶体相とβ1−NiZn金属間化合物相の2相
が共存し、β1−NiZnよりもNi−Zn固溶体相お
よびNi金属相の溶解効率が低いためNi/Zn比を一
定に保持して溶解させるのが困難であり、また金属Ni
およびNi−Zn固溶体がスラッジとなって残留するの
で好ましくない。
【0007】溶解温度はNi含有量によって影響され、
9重量%のNiを含有するZnを完全に溶解するには8
00℃以上に加熱する必要があり、また52重量%のN
iを含有するZnを完全に溶解するには1200℃に加
熱する必要がある。加熱時間は10分〜5時間が適当で
ある。10分以下ではNiとZnの反応が不十分であ
り、未反応の金属Niが残留する。一方、5時間以上加
熱しても溶湯の均一性に変化がない。昇温速度は1〜2
0℃/分が好ましい。1℃/分以下では生産性が低く、
20℃/分以上では急激な加熱によりZnの蒸発が激し
くなるので好ましくない。
【0008】実施例1〜10 表1に示す組成比になるように金属Zn塊と金属Ni塊
を秤量して溶解用グラファイトルツボに入れ、このルツ
ボを内部圧力が一定に保たれる機構を有する内部加熱式
の加圧熱処理炉に装入し、Arガスを導入して内部圧力
を5.8〜9.8kg/cm2に一定に保ちながら500
℃で3時間保持した後に800〜1150℃で2時間加
熱し、金属Znと金属Niを完全に溶解させ、鋳造後、
インゴットを作成した。得られた試料の組成および相状
態を表1に示す。次に、上記インゴットを板状に加工し
て電解槽のアノードとして用い、表2に示す電解条件に
従ってFe板にZn−Ni合金の電気メッキを施した。
メッキ後、メッキ浴を濾過した後に浴中に残留したZn
量およびNi量、カソードのFe板に電着したZn−N
i合金メッキ層のZn量とNi量を各々定量し、アノー
ドから溶出した全Zn量および全Ni量を算定した。ま
た通電量と溶出量からアノードの溶解率を求め、さらに
スラッジの有無を確認した。これらの結果を表3に示し
た。
【0009】
【表1】
【0010】
【表3】
【0011】
【表2】
【0012】比較例1〜5 表4に示す条件以外は上記実施例と同様にZn−Ni化
合物を製造し、これをアノードとして用い、実施例と同
一条件でZn−Ni合金メッキを行なった。この結果を
表5に示した。
【0013】
【表4】
【0014】
【表5】
【0015】
【発明の効果】本発明の可溶性アノードは、Zn−Ni
合金電気メッキのアノードとして用いた場合、ZnとN
iが均一に溶出するので容易にメッキ浴中のNi/Zn
比を一定に保持することができ、また溶解効率も高く、
スラッジも発生しない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 21/14 G

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Zn−Ni合金電気メッキに用いられる
    可溶性アノードであって、δ相、γ相、β1相のZn−
    Ni金属間化合物単相またはこれらの混合相からなり、
    ZnおよびNiの金属相および固溶体相を含まないこと
    を特徴とする可溶性Zn−Niアノード。
  2. 【請求項2】 Ni含有量が9〜52重量%であっ
    て、δ−Ni3Zn22(Ni:9〜10重量%)、γ−
    Ni5Zn21(Ni:13〜24重量%)、またはβ1
    NiZn(Ni:45〜52重量%)の金属間化合物単
    相またはこれらの混合相からなる請求項1の可溶性Zn
    −Niアノード。
  3. 【請求項3】 金属Znと金属Niを圧力2Kg/cm
    2以上の高圧不活性ガス雰囲気中で溶解鋳造して製造さ
    れた請求項1の可溶性Zn−Niアノード。
JP8032392A 1992-03-03 1992-03-03 Zn−Ni合金電気メッキ用可溶性Zn−Niアノード Withdrawn JPH05247694A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010540780A (ja) * 2007-10-05 2010-12-24 クリエイト・ニュー・テクノロジー・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ ガルバニ技術を用いることによる金属合金のめっきシステムおよび方法
CN114507790A (zh) * 2021-12-28 2022-05-17 西安理工大学 高致密度锌镍合金的制备方法

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Effective date: 19990518