JPH05247015A - 新規ピペラジン誘導体 - Google Patents

新規ピペラジン誘導体

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JPH05247015A
JPH05247015A JP4083112A JP8311292A JPH05247015A JP H05247015 A JPH05247015 A JP H05247015A JP 4083112 A JP4083112 A JP 4083112A JP 8311292 A JP8311292 A JP 8311292A JP H05247015 A JPH05247015 A JP H05247015A
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Application number
JP4083112A
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English (en)
Inventor
Jun Adachi
準 安立
Mitsugi Ishida
貢 石田
Takahito Kimura
隆仁 木村
Masahiro Togashi
正弘 富樫
Katsumasa Nagai
克昌 永井
Takeshi Nakao
武司 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Iyakuhin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nihon Iyakuhin Kogyo Co Ltd
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 式 【化1】 [R1〜R5は各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ
基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、エステル基等を表
し;Wは酸素原子もしくはNR6(ここで、R6は水素原
子、低級アルキル基またはアルケニル基等)を表し;A
はC2〜C5のアルキレン、アルケニレンまたはアルキニ
レン鎖を表し;BはC2〜C8のアルキレンまたはアルケ
ニレン鎖を表す]で示されるピペラジン誘導体およびそ
の塩。 【効果】 この化合物は心筋保護、冠血管拡張、心筋梗
塞抑制、不整脈抑制等の作用を有し、虚血性心疾患など
の治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、虚血性心疾患などの治
療ないし処置剤として医薬産業上有用な新規ピペラジン
誘導体に関する。更に詳しくは、本発明は下記一般式
(I)
【0002】
【化2】
【0003】[式中、R1、R2、R3、R4およびR5
同一もしくは相異なり、各々水素原子、ハロゲン原子、
適当な置換基を有していてもよいアルキルもしくはアル
ケニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニ
ルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、アシル基またはエス
テル基を表すか、あるいはR1、R2、R3、R4およびR
5のうち隣接する二つの基は一緒になって式中のベンゼ
ン環と共に縮合環を形成し;Wは酸素原子またはNR6
を表し、ここで、R6は水素原子、低級アルキル基、低
級アルケニル基、アシル基またはスルホニル基を表し;
Aは適当な置換基を有していてもよいC2〜C5のアルキ
レン鎖、C2〜C5のアルケニレンまたはアルキニレン鎖
を表し;BはC2〜C8の直鎖状もしくは分枝鎖状のアル
キレンまたはアルケニレン鎖を表す]で示されるピペラ
ジン誘導体およびそれらの薬学的に許容されうる酸付加
塩に関する。
【0004】
【従来の技術】心筋梗塞などの重篤な虚血性心疾患は、
常に死亡原因の上位を占め、人口の高齢化や食生活の欧
米化とも相俟ってその患者数も増加傾向にあり、医療上
最も重要な治療対象の一つである。虚血性心疾患、特に
狭心症の治療ないし処置においては一般に虚血部位への
血流の増加による酸素供給の改善または心仕事量の低下
による酸素消費の改善を目的とした薬剤が投与され、前
者ではニトログリセリンを始めとする多くの血管拡張薬
が、そして後者の場合には血管拡張薬に加えβ−遮断薬
が用いられている。心筋梗塞では血流の完全な杜絶が起
きるため血流の再開通を目的とした外科的治療も行なわ
れ、さらにこのような虚血性心疾患に付随して起きる不
整脈や心不全に対してそれぞれ抗不整脈剤や強心剤ある
いは血管拡張剤などが対症療法的に用いられている。
【0005】
【発明が解決すべき問題点】先に述べたごとく虚血性心
疾患には冠血流の改善および心筋の酸素需給の改善を目
的とした薬剤の投与、あるいは血流再開を目的とした外
科的治療が行なわれてきたが、近年このような病態にお
いて心筋細胞レベルでのエネルギー代謝の悪化、あるい
はカルシウムを始めとする電解質調節機序の異常が重要
な意義をもつことが相次いで報告されている。こうした
知見から細胞レベルでの心筋細胞保護作用を有する薬物
が虚血性心疾患とそれに付随した心臓疾患に有効な治療
効果を発揮すると考えられ、特に不可逆性心筋障害に直
結する心臓疾患の治療には不可欠であることから、その
出現が強く望まれている。
【0006】
【問題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
心臓細胞保護、とくに細胞内カルシウム異常流入に対し
強力な抑制作用を持つ薬物を開発すべく鋭意研究を重ね
てきた。その結果、今回、従来公知の文献未記載の前記
一般式(I)で示されるピペラジン誘導体およびその塩
類は潅流心臓モデルにおいて虚血再潅流後に発生する心
筋拘縮を抑制し、かつ心機能の抑制作用が弱いことから
虚血心保護作用を示すことを見いだした。さらにこれら
の化合物は、冠血流量の増加作用を有し、冠動脈結紮再
潅流不整脈の発生を抑える作用も示すなど優れた性質を
持っていることがわかった。
【0007】従って、本発明は、前記一般式(I)で示
される新規ピペラジン誘導体およびその薬学的に許容し
うる酸付加塩、ならびにそれらを有効成分として含有す
る虚血性心疾患治療剤を提供するものである。
【0008】本発明において「低級」なる語は、この語
で修飾されている基または化合物の炭素数が6個以下、
特に4個以下であることを表すために使用する。
【0009】「ハロゲン原子」には、フッ素、塩素、臭
素及びヨウ素原子が包含される。また、「アルキル基」
および「アルケニル基」はそれぞれ直鎖状または分枝鎖
状であることができ、アルキル基としては、たとえば、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソ
アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘ
キシル基等が挙げられ、そしてアルケニル基としては、
たとえば、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−ブテ
ニル、3−ブテニル、2−メチル−1−プロペニル基等
が挙げられる。
【0010】「シクロアルキル基」は一般に3〜8個、
好ましくは3〜6個の炭素原子を有することができ、た
とえば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、シクロヘプチル基等が挙げられる。また、「アル
コキシ基」及び「アルケニルオキシ基」は、アルキル部
分及びアルケニル部分がそれぞれ前記の意味を有するア
ルキル−O−基及びアルケニル−O−基であり、アルコ
キシ基としては、たとえば、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec-ブトキシ、te
rt-ブトキシ、ペンチルオキシ基等が挙げられ、そして
アルケニルオキシ基には、たとえば、アリルオキシ、2
−メチル−2−プロペニルオキシ、2−ブテニルオキ
シ、3−ブテニルオキシ基等が包含される。
【0011】「アシル基」は広義に有機酸残基を意味
し、具体的には式R7CO−で示される基「ここで、R7
は有機残基、たとえば、水素原子、低級アルキル基、ア
リール基、アラルキル基等を表す」を例示することがで
きる。より具体的には、たとえば、ホルミル、アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル、フェニルア
セチル基等が挙げられる。
【0012】また、「エステル基」は式(I)中のベン
ゼン環に直結したカルボキシル基のエステルを意味し、
具体的にはR8OCO−で示される基[ここで、R8は低
級アルキル基、低級アルケニル基、アリール基、アラル
キル基等を表す]が包含される。より具体的には、たと
えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、アリ
ルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、ベンジル
オキシカルボニル基等が挙げられる。
【0013】さらに「スルホニル基」は式R9SO2−で
示される基「ここで、R9は低級アルキル基または、ア
リール基を表す」が包含され、具体的にはメタンスルホ
ニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル基
等を例示することができる。
【0014】「アルキレン鎖」、「アルケニレン鎖」及
び「アルキニレン鎖」はそれぞれ直鎖状のものであって
もまたは分枝鎖状のものであってもよく、アルキレン鎖
としては、たとえば、エチレン、プロピレン、1−メチ
ルエチレン、ブチレン、2−メチルプロピレン、3−メ
チルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、ペンチレ
ン、ヘキシレン、ヘプチレン、4−メチルペンチレン、
5−メチルヘキシレン、5−メチルヘプチレン、4,6
−ジメチルヘキシレン等が挙げられ、アルケニレン鎖と
しては、たとえば1−または2−プロペニレン、2−ブ
テニレン、3−ヘキセニレン等が挙げられ、アルキニレ
ン鎖には2−ブチニレンが包含される。
【0015】前記一般式(I)において、R1〜R5によ
って表されうる「適当な置換基を有していてもよいアル
キルもしくはアルケニル基」におけるアルキルもしくは
アルケニル基が有しうる置換基としては、ハロゲン原
子、ヒドロキシル基、低級アルコキシ基、シアノ基、エ
ステル基、アシル基等が挙げられ、該アルキルもしくは
アルケニル基はこれらの置換基の1個または複数個によ
り置換されていることができる。しかして、かかる置換
基を有するアルキルもしくはアルケニル基の例には、ト
リフルオロメチル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシ
エチル、2−メトキシエチル、2−シアノエチル、2−
シアノビニル、エトキシカルボニルメチル、エトキシカ
ルボニルビニル、アセトニル、3−オキソブチル基等が
挙げられる。
【0016】また、R1、R2、R3、R4およびR5のう
ち隣接する2つの基は一緒になって、これらが結合して
いる式(I)中のベンゼン環と共に縮合環を形成しうる
が、そのような縮合環としては、ナフタレン環、テトラ
ヒドロナフタレン環、インダン環等を例示することがで
きる。
【0017】さらに、Aが表す「適当な置換基を有して
いてもよいC2〜C5のアルキレン鎖」における該置換基
の例としては、ヒドロキシル基、ハロゲン原子等が挙げ
られる。しかして、これら置換基を有するアルキレン鎖
としては、たとえば、2−ヒドロキシプロピレン、2−
クロロプロピレン、2−ブロモプロピレン等が挙げられ
る。
【0018】なお、R1〜R5によって表されうるアルケ
ニル基ならびにAおよび/またはBによって表されうる
アルケニレン鎖の二重結合はトランス型またはシス型の
いずれであってもよい。
【0019】かくして、本発明により提供される前記一
般式(I)で示される化合物の具体例として、後記実施
例に示すもの以外に、代表的なものとして、以下のもの
を例示することができる。
【0020】4−[4−(N−4−クロロフェニルアミ
ノ)ブチル]−1−(6−ニトロオキシヘキシル)ピペ
ラジン;4−[3−(N−4−クロロフェニルアミノ)
プロピル]−および4−[4−(N−4−クロロフェニ
ルアミノ)ブチル]−1−(7−ニトロオキシヘプチ
ル)ピペラジン;4−(3−フェニルアミノプロピル)
−および4−(4−フェニルアミノブチル)−1−(6
−ニトロオキシヘキシル)ピペラジン;4−(3−フェ
ニルアミノプロピル)−および4−(4−フェニルアミ
ノブチル)−1−(7−ニトロオキシヘプチル)ピペラ
ジン;4−[3−(N−メチル−N−4−クロロフェニ
ルアミノ)プロピル]−1−(6−ニトロオキシヘキシ
ル)ピペラジン;4−[4−(N−メチル−N−4−ク
ロロフェニルアミノ)ブチル]−1−(7−ニトロオキ
シヘプチル)ピペラジン;4−[3−(N−アリル−N
−4−クロロフェニルアミノ)プロピル]−1−(7−
ニトロオキシヘプチル)ピペラジン;4−[3−(N−
アセチル−N−フェニルアミノ)プロピル]−1−(6
−ニトロオキシヘキシル)ピペラジン;4−[3−(N
−アセチル−N−4−クロロフェニルアミノ)プロピ
ル]−および4−[4−(N−アセチル−N−4−クロ
ロフェニルアミノ)ブチル]−1−(6−ニトロオキシ
ヘキシル)ピペラジン;4−[3−(N−アセチル−N
−4−クロロフェニルアミノ)プロピル]−および4−
[4−(N−アセチル−N−4−クロロフェニルアミ
ノ)ブチル]−1−(7−ニトロオキシヘプチル)ピペ
ラジンなど。
【0021】本発明の化合物はまた、薬学的に許容しう
る酸付加塩の形で存在することができ、そのような酸付
加塩の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸
などの無機酸および酢酸、修酸、マロン酸、マレイン
酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸と
の塩が挙げられる。
【0022】本発明の化合物は、一般式(I)中のWの
種類に応じて、以下に述べる方法で製造することができ
る。
【0023】(1)Wが酸素原子を表す場合の一般式
(I)の化合物は、たとえば、次のようにして製造する
ことができる: a)一般式
【0024】
【化3】
【0025】[式中、R1、R2、R3、R4およびR5
前記定義のとおりである]で示される化合物を一般式
【0026】
【化4】X−A−X (III) [式中、Aは前記定義のとおりであり、2つのXは同一
もしくは相異なり、各々ハロゲン原子を表す]で示され
る化合物と適当な溶媒中で塩基の存在下に反応させ、 b)得られる一般式
【0027】
【化5】
【0028】[式中、R1、R2、R3、R4、R5、Aお
よびXは前記定義のとおりである]で示される化合物を
一般式
【0029】
【化6】
【0030】[式中、R10は水素原子、低級アルキル基
または低級アルコキシ基を表す]で示されるピペラジン
誘導体と塩基の存在下に反応させた後、加水分解し、 c)得られる一般式
【0031】
【化7】
【0032】[式中、R1、R2、R3、R4、R5および
Aは前記定義のとおりである]で示される化合物を一般
【0033】
【化8】Y−B−ONO2 (VII) [式中、Bは前記定義のとおりであり、Yはハロゲン原
子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニル
オキシ基またはニトロオキシ基を表す]で示される化合
物と塩基の存在下に縮合させることによりWが酸素原子
を表す場合の前記一般式(I)の化合物、すなわち一般
【0034】
【化9】
【0035】[式中、R1、R2、R3、R4、R5、Aお
よびBは前記定義のとおりである]で示されるピペラジ
ン誘導体を製造することができる。
【0036】上記工程a)において、式(II)の化合
物に対する式(III)の化合物の使用量は、厳密に制
限されるものではないが、通常、式(II)の化合物1
モルに対し式(III)の化合物は1〜10モル、特に
2〜4モルの割合で使用するのが好適である。
【0037】式(II)の化合物と式(III)の化合
物との反応に際して脱酸縮合剤として使用される塩基と
しては、たとえば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウ
ムエチラートなどを挙げることができ、これらの塩基は
式(II)の化合物1モルに対して通常1〜10当量、
特に2〜4当量の割合で使用することができる。また、
反応溶媒としてはメタノール、エタノールなどのごとき
低級アルコール類;アセトン、2−ブタノンのごときケ
トン類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどのごとき炭
化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど
のごときエーテル類などを例示することができる。さら
に、反応温度は一般に約0〜約150℃、好ましくは室
温〜110℃とすることができる。
【0038】かくして得られる式(IV)の化合物は、
次いで工程b)において、式(V)のピペラジン誘導体
と縮合せしめられる。この縮合反応において、式(V)
のピペラジン誘導体は、式(IV)の化合物1モルに対
して、一般に1〜5モル、好ましくは1〜3モルの割合
で使用することができる。また、縮合反応の温度は通
常、約0〜150℃、好ましくは室温〜100℃とする
ことができる。
【0039】この縮合反応において利用できる塩基とし
ては、たとえば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなどの無機塩基やトリメチルアミ
ン、トリエチルアミンなどの有機塩基を例示することが
でき、これらの塩基は一般に式(IV)の化合物1モル
に対して1〜5当量、好ましくは1〜3当量の割合で使
用することができる。また、上記縮合反応は溶媒中で実
施することが望ましく、使用しうる反応溶媒としてはメ
タノール、エタノールなどのごとき低級アルコール類;
アセトン、2−ブタノンのごときケトン類;ベンゼン、
トルエン、キシレンなどのごとき炭化水素類;ジエチル
エーテル、テトラヒドロフランなどのごときエーテル類
のほかN,N−ジメチルホルムアミドなどを例示するこ
とができる。さらにこの縮合反応には、ヨウ化ナトリウ
ムやヨウ化カリウムのごとき反応促進剤を添加すること
もできる。
【0040】上記縮合反応により下記式
【0041】
【化10】
【0042】[式中、R1、R2、R3、R4、R5、Aお
よびR10は前記定義のとおりである]で示される化合物
が得られるが、本化合物は加水分解することにより対応
する前記式(VI)の化合物に変えることができる。こ
の加水分解は、離脱させるべきアシル基またはエステル
基(−COR10)に応じてそれ自体既知の方法で行なう
ことができ、たとえば、水、低級アルコールまたはそれ
らの混合溶媒中において室温ないし溶媒の還流温度まで
の加熱下に、酸または塩基で処理することにより行なう
ことができる。
【0043】なお、Aが2−ヒドロキシプロピレン鎖を
表す場合の式(VI)の化合物、すなわち、下記一般式
【0044】
【化11】
【0045】[式中、R1、R2、R3、R4およびR5
前記定義のとおりである]で示される化合物はまた、前
記式(II)の化合物をエピハロヒドリンと塩基の存在
下で反応させ、生ずる化合物を前記式(V)のピペラジ
ン誘導体と、適当な溶媒中(例えば、メタノール、エタ
ノールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエンなどの
炭化水素類;エーテル類;N,N−ジメチルホルムアミ
ドなど)で加熱して縮合させ、次いで上記式(VII
I)の化合物について述べたと同様にして加水分解する
ことにより製造することもできる。
【0046】上記工程c)において、かくして得られる
式(VI)の化合物が前記式(VII)の化合物と縮合
せしめられる。この縮合反応は、工程b)で述べた式
(IV)の化合物と式(V)の化合物との反応について
述べたと同様にして行なうことができる。
【0047】上記縮合反応で使用される式(VII)の
化合物は、たとえばC2〜C8の直鎖もしくは分枝ω−ハ
ロアルコール、ω−スルホニルオキシアルコール、ω−
スルホニルオキシハライド、1,ω−ジハライドまたは
1,ω−ジオール化合物などを用いて公知文献(たとえ
ば、Chem. Rev., 1955年,55巻,485ページ;
実験化学講座,1957年,19巻,200ページ,丸
善;Tetrahedron,1974年,30巻,2467ペー
ジ)に記載のニトロエステル化方法に準じて容易に製造
することができる。
【0048】さらに、本発明の前記式(I−1)の化合
物は、下記一般式
【0049】
【化12】
【0050】[式中、R1、R2、R3、R4、R5、Aお
よびBは前記定義のとおりである]で示される化合物
を、それ自体既知の方法(たとえば、上記の公知文献参
照)でニトロエステル化することによっても製造するこ
とができる。
【0051】ここで使用される上記式(X)の化合物
は、たとえば、前記式(VI)の化合物を下記式
【0052】
【化13】Z−B−OH (XI) [式中、Bは前記定義のとおりであり、Zはハロゲン原
子またはアルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基
(たとえば、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホ
ニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ基など)を
表す]で示される化合物と反応させるか、あるいは前記
式(V)の化合物と式(XI)の化合物とから誘導され
る下記式
【0053】
【化14】
【0054】[式中、Bは前記定義のとおりである]で
示される化合物を、前記式(IV)の化合物と反応させ
ることによって製造することができる。
【0055】ここで、式(V)の化合物と式(XI)の
化合物との反応、式(VI)の化合物と式(XI)の化
合物との反応、ならびに式(XII)の化合物と式(I
V)の化合物との反応はそれぞれ、前記工程b)および
c)に述べたと同様の反応条件下で実施することができ
る。
【0056】(2)WがNR6を表す場合の一般式
(I)の化合物は、たとえば、次のようにして製造する
ことができる:すなわち、下記一般式
【0057】
【化15】
【0058】[式中、R1、R2、R3、R4、R5および
6は前記定義のとおりである]で示されるアニリン誘
導体を下記一般式
【0059】
【化16】
【0060】[式中、A、XおよびR10は前記定義のと
おりである]で示される化合物と塩基の存在下に縮合さ
せ、そして必要に応じて、得られる化合物をアルキル化
もしくはアルケニル化した後、加水分解し、得られる下
記一般式
【0061】
【化17】
【0062】[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
よびAは前記定義のとおりである]で示される化合物を
下記式
【0063】
【化18】Y−B−ONO2 (VII) [式中、BおよびYは前記定義のとおりである]で示さ
れる化合物と反応させることにより、WがNR6を表す
場合の前記一般式(I)の化合物、すなわち、一般式
【0064】
【化19】
【0065】[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
AおよびBは前記定義のとおりである]で示されるピペ
ラジン誘導体を製造することができる。
【0066】上記式(XIII)のアニリン誘導体と式
(XIV)の化合物との縮合反応は、前記方法(1)の
工程b)におけると同様にして行なうことができる。
【0067】かくして、下記一般式
【0068】
【化20】
【0069】[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
AおよびR10は前記定義のとおりである]で示される化
合物が得られるが、この化合物中、R6が水素原子であ
る場合の式(XVI)の化合物は、必要に応じて、アル
キル化もしくはアルケニル化することによって、R6
低級アルキル基もしくは低級アルケニル基を表す場合の
対応する式(XVI)の化合物に導くことができる。
【0070】このアルキルもしくはアルケニル化は、た
とえば、R6が水素原子である場合の式(XVI)の化
合物と適当なアルキル化剤もしくはアルケニル化剤(た
とえば、低級アルキルハライド、低級アルケニルハライ
ド、アルキルまたはアリールスルホン酸の低級アルキル
または低級アルケニルエステルなど)とを反応させて行
なうことができる。この反応は、前記方法(1)の工程
b)におけると同様にして行なうことができる。
【0071】以上のごとくして得られる式(XVI)の
化合物は、前記方法(1)の工程c)で述べたと同様に
して加水分解することにより、前記式(XV)の化合物
を生成せしめることができる。さらに、この式(XV)
の化合物と式(VII)の化合物との反応もまた、前記
方法(1)の工程c)で述べたと同様にして行なうこと
ができ、それによって目的とする式(I−2)の化合物
が得られる。
【0072】かようにして得られる式(I−1)または
(1−2)の化合物の単離、精製は、それ自体既知の方
法、たとえば、抽出、蒸留、結晶化、クロマトグラフイ
ー等により行なうことができる。
【0073】また、かくして得られる式(I)の化合物
は、必要に応じて、それ自体既知の方法により、前述し
たごとき無機酸または有機酸で処理することによって酸
付加塩に変えることができる。
【0074】以上に述べたごとくして製造される本発明
の化合物は、以下に示すモルモット潅流心臓標本を用い
たin vitro 試験例およびラットの冠動脈結紮再潅流不
整脈モデルを用いたin vitro 試験例から明らかなよ
うに、虚血再潅流直後に発生する心筋拘縮を抑制し冠血
流を顕著に増強するという心臓保護および冠血流増加作
用を有しており、しかも、心拍数、心収縮力を適度に抑
制する作用があり(この作用は酸素供給不足状態での心
仕事量の減少という面で好ましい効果といえる)、虚血
性心疾患の治療ないしは処置剤として有用である。
【0075】試験例A:摘出潅流心臓標本を用いた虚血
−再潅流障害に対する抑制作用 雄性 Hartley 系モルモット(体重400〜500g)
の心臓を摘出しランゲンドルフ式に潅流した。標本が安
定した後、被検薬(3μg/min)を15分間投与
し、その後潅流を停止することにより40分間の虚血状
態を作成した。さらに、虚血後30分間の再潅流を行な
い、その際に出現する左心室拡張終期圧の上昇に対する
被検薬の影響を検討した。実験結果は、被検薬を15分
間投与した場合の心機能の変化と再潅流時における左心
室拡張終期圧の上昇(最大値)について下記表1に一括
して示す。
【0076】なお、化合物番号は後記実施例に記載の化
合物の番号である(以下同じ)。
【0077】
【表1】
【0078】試験例B:虚血−再潅流不整脈に対する抑
制作用 雄性SD系ラット(体重250〜300g)をペントバ
ルビタール麻酔ののち人工呼吸下に開胸し、左心室冠動
脈主幹に糸を懸けその糸を4分間結紮することにより虚
血状態を作成した。その後、糸の結紮を解除することに
より再潅流を行ない、その際に出現する不整脈の抑制作
用を検討した。なお被検薬(10mg/kg)は、動物
を一晩絶食し、虚血作成1時間前に経口投与した。実験
結果を下記表2に示す。
【0079】
【表2】 表 2 被検薬 不整脈の出現率(出現数/実験数) (化合物番号) 心室性期外収縮 心室性頻拍 心室細動 対照 6/6 6/6 6/6 32 5/5 5/5 5/5 36 2/6* 2/6* 1/6** 38 3/6 0/6** 0/6** 39 4/6 2/6* 1/6** 43 6/6 6/6 6/6 ジルチアゼム 6/6 6/6 6/6 ニコランジル 5/5 4/5 4/5 危険率 *P<0.05、 **P<0.01(Fisherの直接確率計算法)試験例C:急性毒性 発育良好な6週令のddy系マウスを一群5匹とし、
0.5%トラガントゴム溶液に懸濁した被検化合物を3
00mg/kgずつ経口投与した後、1週間の観察を行
なった。死亡の発現を下記表3に示す。
【0080】
【表3】 本発明の化合物を、たとえば虚血性心疾患の治療、処置
などのための薬剤として使用する場合、該化合物は経口
的または非経口的(たとえば静注、筋注、点滴等)に投
与することができ、あるいは直腸投与または局所投与す
ることもできる。その際の本発明の化合物の投与量は厳
密に制限されるものではなく、患者の年令、体重、症状
の軽重、体調、医師の診断等に応じて広い範囲にわたり
変えることができるが、一般に有効投与量は1日1〜1
00mg/kg体重であり、必要に応じて1日数回に分
けて投与することができる。
【0081】本発明の化合物は、投与に際し通常行なわ
れているように、その1種または2種以上を薬学的に許
容しうる担体もしくは希釈剤、その他の製剤助剤と混合
し、さらに場合によっては、他の薬学的に活性な化合物
を配合し、投与方法に適した剤形に製剤化して使用する
ことができる。そのような剤形としては、たとえば、錠
剤、カプセル剤、顆粒剤、経口用液体製剤(シロッ
プ)、注射剤、点滴剤、坐剤、経皮吸収剤(軟膏、貼付
剤等)などを例示することができる。
【0082】経口用の固形製剤を調製するには、たとえ
ば、本発明の化合物またはその塩をそのままあるいは適
当な賦形剤、たとえば乳糖、ブドウ糖、トウモロコシ澱
粉、バレイショ澱粉等のごとき慣用の基剤とともに、結
晶セルロース、セルロース誘導体、アラビアゴム、アル
ギン酸ナトリウム、ゼラチン等のごとき結合剤;バレイ
ショ澱粉、トウモロコシ澱粉、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウムのような崩壊剤;およびタルク、ステア
リン酸マグネシウムのような滑沢剤を組み合わせて、錠
剤、顆粒剤、カプセル剤等とすることができる。
【0083】また、懸濁剤、シロップ剤等の液体製剤を
調製する場合には、担体としてたとえば水、生理食塩
水、単シロップ、デキストロース水溶液、グリセリン、
エタノール等を使用することができる。注射剤を調製す
るには、注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液等
の水性溶剤、または植物油、合成脂肪酸グリセリド、高
級脂肪酸エステル、プロピレングリコール等の非水性溶
剤の溶液もしくは懸濁液とすることができる。
【0084】さらに坐剤を調製する場合には、たとえば
ポリアルキレングリコールや脂肪酸トリグリセリドのよ
うな通常の可塑剤や担体を利用することができる。
【0085】また、これらの剤形の製剤には、必要に応
じて、着色剤、矯味剤、保存剤、pH調整剤、緩衝剤、
溶解補助剤、等張化剤等を添加することもできる。
【0086】次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0087】
【実施例】実施例1 2−アリル−4−tert−ブチルフェノール3.31g、
1,3−ジブロモプロパン7.07g、無水炭酸カリウム
2.42gおよびエタノール80mlの混合物を12時
間加熱還流した。冷後濾過し、濾液を減圧下濃縮後残渣
にエチルエーテル50mlを加え10%水酸化ナトリウ
ム15mlおよび水20mlで洗浄し無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣を減圧蒸留
して3−(2−アリル−4−tert−ブチルフェノキシ)
プロピルブロマイド3.34g(62%)を得た。bp
130−140℃(2mmHg)。
【0088】実施例2 実施例1で得られた化合物1.56gのN,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)3ml溶液にN−ホルミルピペ
ラジン627mgおよびトリエチルアミン0.6mlの
DMF2ml溶液を加え、混合物を室温で24時間撹拌
した。減圧下溶媒を留去し、残渣をクロロホルムに溶か
し水洗後無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下クロロホ
ルムを留去して油状物1.7gを得た。
【0089】この粗製油状物、濃塩酸1mlおよびメタ
ノール20mlの混合物を室温で12時間撹拌した。減
圧下メタノールを留去したのち水2mlを加え、氷冷下
過剰の炭酸カリウムを加えてアルカリ性としクロロホル
ムで抽出、無水炭酸カリウムで乾燥した。減圧下クロロ
ホルムを留去し、残渣をクロロホルム−メタノールを溶
媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフイーで精製し
1−[3−(2−アリル−4−tert−ブチルフェノキ
シ)プロピル]ピペラジン1.24g(78%)を得
た。
【0090】実施例3 2−アリル−4−クロロフェノール16.8gおよび1,
3−ジブロモプロパン40.4gを用いて実施例1と同
様に反応させ3−(2−アリル−4−クロロフェノキ
シ)プロピルブロマイド21.0g(72%)を得た。
bp135−145℃(3mmHg)。
【0091】実施例4 実施例3で得られた化合物89.7g、無水ピペラジン
106.9g、無水炭酸カリウム25.7gおよび2−ブ
タノン860mlの混合物を15時間加熱還流下撹拌し
た。冷後氷水1000mlを加えエチルエーテル500
mlで4回抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄後無水硫
酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣
をクロロホルム−メタノールを溶媒としてシリカゲルカ
ラムクロマトグラフイーで精製し1−[3−(2−アリ
ル−4−クロロフェノキシ)プロピル]ピペラジン7
0.5g(77%)を得た。
【0092】実施例5 2−アリル−4−クロロフェノール2.52g、エピブ
ロモヒドリン8.22gおよび1N−水酸化ナトリウム
57mlの混合物を50℃で2時間撹拌した。冷後酢酸
エチル110mlを加え1N−水酸化ナトリウム40m
l、飽和食塩水40mlで順次洗浄後無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し残渣をトルエン7
0mlに溶かし、N−ホルミルピペラジン3.82gを
加えて16時間加熱還流した。減圧下濃縮した後、残渣
をクロロホルム−メタノールを溶媒とするシリカゲルカ
ラムクロマトグラフイーで精製し4−[3−(2−アリ
ル−4−クロロフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピ
ル]−1−ホルミルピペラジン3.88g(76%)を
得た。
【0093】実施例6 実施例5で得られた化合物3.88g、濃塩酸2mlお
よびメタノール40mlの混合物を室温で18時間撹拌
した。中和量の無水炭酸カリウムと水50mlを加えジ
クロロメタンで抽出し、飽和食塩水で洗浄後無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をク
ロロホルム−メタノールを溶媒としてアルミナカラムク
ロマトグラフイーで精製し1−[3−(2−アリル−4
−クロロフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]ピペ
ラジン2.17g(61%)を得た。
【0094】実施例7 無水酢酸18.8gに0℃以下で発煙硝酸7.11gを滴
下し同温度で30分撹拌した後、7−ヒドロキシヘプチ
ル アセテート8.03gを0℃以下に保ちながら加え
1時間撹拌した。反応液を氷水50mlに注ぎ無水炭酸
ナトリウムで中和し、ジクロロメタンで抽出した。抽出
液を10%炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で順次洗浄
後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残
渣をn−ヘキサン−酢酸エチルを溶媒としてシリカゲル
カラムクロマトグラフイーで精製し7−ニトロオキシヘ
プチル アセテート10.0g(99%)を得た。
【0095】実施例8 実施例7で得られた化合物10.0g、無水炭酸カリウ
ム6.37gおよびメタノール46mlの混合物を室温
で4.5時間撹拌した後、濾過した濾液を減圧下濃縮し
た。残渣にエチルエーテル200mlを加え水洗後無水
硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下溶媒を留去して油状物
7.47gを得た。
【0096】この油状物、トリエチルアミン5.12g
および4−ジメチルアミノピリジン1.03gのジクロ
ロメタン140ml溶液を氷冷しp−トルエンスルホニ
ルクロライド9.66gを加え、混合物を室温で4時間
撹拌した。氷水50mlを加え10%塩酸で洗浄後無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をn
−ヘキサン−酢酸エチルを溶媒としてシリカゲルカラム
クロマトグラフイーで精製し7−ニトロオキシヘプチル
p−トルエンスルホネート13.3g(95%)を得
た。
【0097】実施例9 実施例4で得られた化合物76.7g、実施例8で得ら
れた化合物86.5g、無水炭酸カリウム36.0gおよ
びDMF760mlの混合物を室温で45時間撹拌し
た。氷水1000mlを加え酢酸エチルで抽出し、飽和
食塩水で水洗後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧
下濃縮し、残留物をクロロホルム−メタノールを溶媒と
してシリカゲルカラムクロマトグラフイーで精製して1
−[3−(2−アリル−4−クロロフェノキシ)プロピ
ル]−4−(7−ニトロオキシヘプチル)ピペラジン
(化合物38)75.2g(63%)を得た。
【0098】IR(neat)cm-1:1630 NMR(CDCl3)δ:1.23−2.90(14H,
m)、3.36(2H,br.d)、4.03(2H,
t,J=6Hz)、4.50(2H,t,J=6H
z)、4.90−5.26(2H,m)、5.83−6.2
6(1H,m)、6.70−7.26(3H,m)。
【0099】 2塩酸塩:mp165−168℃(EtOH) 以上に述べた実施例と同様にして下記表4に示す化合物
1〜103を得た。
【0100】
【表4】
【0101】
【表5】
【0102】
【表6】
【0103】
【表7】
【0104】
【表8】
【0105】実施例10 p−クロロアニリン6.42gとエチル4−(3−クロ
ロプロピル)−1−ピペラジンカルボキシレート9.4
1gをDMF80mlに溶解し、これに無水炭酸カリウ
ム12.5gとヨウ化ナトリウム9.0gを加え50℃で
15時間加熱撹拌した。冷後ジクロロメタン200ml
で希釈し濾過後濃縮した。残留物をジクロロメタン−メ
タノールを溶媒とするシリカゲル500mlのカラムク
ロマトグラフイーで精製し、エチル4−[3−(4−ク
ロロフェニルアミノ)プロピル]−1−ピペラジンカル
ボキシレート7.99g(61%)を得た。
【0106】実施例11 実施例10で得られた化合物8.94gにアリルブロマ
イド3.42gとDMF30mlを加え50℃で24時
間加熱した。次いで水150mlおよび2.5N−水酸
化ナトリウム40mlを加え、酢酸エチルで抽出し、抽
出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥後濃縮した。残留物をシリカゲル(150ml)カラ
ムクロマトグラフイー(溶媒ジクロロメタン−メタノー
ル)で精製し橙色油状物6.38gを得た。
【0107】この油状物5.0gをメタノール28ml
に溶かし冷却下水酸化カリウム14.3gを加えた後、
混合物を60〜70℃で4時間加熱した。水200ml
で希釈し酢酸エチルで抽出後、抽出液を飽和食塩水で洗
浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留
去し残留物をアルミナ(300ml)カラムクロマトグ
ラフイー(溶媒ジクロロメタン−メタノール)で精製
し、1−[3−(N−アリル−N−4−クロロフェニル
アミノ)プロピル]ピペラジン2.55g(63.5%)
を得た。
【0108】実施例12 実施例11で得た化合物800mgと6−ニトロオキシ
ヘキシル p−トルエンスルホネート886mgを用い
て実施例9と同様に反応、処理し4−[3−(N−アリ
ル−N−4−クロロフェニルアミノ)プロピル]−1−
(6−ニトロオキシヘキシル)ピペラジン(化合物10
5)621mg(52%)を得た。
【0109】IR(neat)cm-1:1630 NMR(CDCl3)δ:1.2−2.1(10H,m)、
2.1−2.7(12H,m)、3.2−3.7(2H,
m)、3.8−4.1(2H,m)、4.5(2H,t,
J=6Hz)、4.9−5.4(2H,m)、5.5−6.
3(1H,m)、6.5−7.5(4H,m)。
【0110】 3塩酸塩:mp144−149℃(ether−EtOH) 上記実施例と同様にして下記表5に示す化合物104〜
107を得た。
【0111】
【表9】
【0112】次に、本発明の治療剤ないしは処置剤の製
剤例を示すが、本発明は、これによって限定されるもの
ではない。
【0113】活性成分は、式(I)のピペラジン誘導体
およびその塩である。
【0114】製剤例1 上記成分を混合し、プレスして1錠剤とする。
【0115】製剤例2 上記成分を混合し、2号カプセルに詰める。
【0116】製剤例3 次の組成をもつ顆粒剤をつくった。
【0117】 製剤例4 次の組成をもつシロップ剤をつくった。
【0118】 製剤例5 次の組成をもつpH7に調製した注射剤をつくった。
【0119】 製剤例6 上記成分を加温均一とし、金属製モールドに流し込み冷
却固化させた後、モールドから坐剤を取り出す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 克昌 富山県滑川市下梅沢205番地の1 (72)発明者 中尾 武司 富山県滑川市下梅沢205番地の1

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 [式中、R1、R2、R3、R4およびR5は同一もしくは
    相異なり、各々水素原子、ハロゲン原子、適当な置換基
    を有していてもよいアルキルもしくはアルケニル基、シ
    クロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、
    シアノ基、ニトロ基、アシル基またはエステル基を表す
    か、あるいはR1、R2、R3、R4およびR5のうち隣接
    する二つの基は一緒になって式中のベンゼン環と共に縮
    合環を形成し;Wは酸素原子またはNR6を表し、ここ
    で、R6は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル
    基、アシル基またはスルホニル基を表し;Aは適当な置
    換基を有していてもよいC2〜C5のアルキレン鎖、C2
    〜C5のアルケニレンまたはアルキニレン鎖を表し;B
    はC2〜C8の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレンまた
    はアルケニレン鎖を表す]で示されるピペラジン誘導体
    およびそれらの薬学的に許容されうる酸付加塩。
  2. 【請求項2】 Wが酸素原子であり;Aがプロピレン鎖
    またはブチレン鎖であり;BがC2〜C8の直鎖状もしく
    は分枝鎖状のアルキレン鎖である請求項1記載のピペラ
    ジン誘導体およびそれらの酸付加塩。
  3. 【請求項3】 Wが酸素原子であり;Aが2−ブチニレ
    ン鎖であり;BがC2〜C8の直鎖状もしくは分枝鎖状の
    アルキレン鎖である請求項1記載のピペラジン誘導体お
    よびそれらの酸付加塩。
  4. 【請求項4】 WがNR6であり、ここでR6は水素原
    子、低級アルキル基または低級アルケニル基であり;A
    がプロピレン鎖またはブチレン鎖であり;BがC2〜C8
    の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレン鎖である請求項
    1記載のピペラジン誘導体およびそれらの酸付加塩。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のピペラ
    ジン誘導体またはその薬学的に許容されうる酸付加塩を
    有効成分として含有することを特徴とする虚血性心疾患
    治療剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005536559A (ja) * 2002-08-29 2005-12-02 ニコックス エス エイ カルボン酸のニトロオキシアルキル置換エステルの製造法、その方法において有用な中間体およびその製造法

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JP2005536559A (ja) * 2002-08-29 2005-12-02 ニコックス エス エイ カルボン酸のニトロオキシアルキル置換エステルの製造法、その方法において有用な中間体およびその製造法

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