JPH05246784A - 高周波発熱体 - Google Patents

高周波発熱体

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JPH05246784A
JPH05246784A JP35450392A JP35450392A JPH05246784A JP H05246784 A JPH05246784 A JP H05246784A JP 35450392 A JP35450392 A JP 35450392A JP 35450392 A JP35450392 A JP 35450392A JP H05246784 A JPH05246784 A JP H05246784A
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JP
Japan
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heating element
frequency heating
microwave
temperature
base material
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JP35450392A
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English (en)
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Saori Umehara
さをり 梅原
Kazuhide Oe
一英 大江
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Original Assignee
TDK Corp
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  • Constitution Of High-Frequency Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度の立ち上がりが良好で、到達温度が高
く、加工性および耐久性に優れた高周波発熱体を得る。 【構成】 酸化スズに、Sb、TaおよびNbのうちの
少なくとも1種以上を添加したものを、耐熱性セラミッ
クス基材の少なくとも一部に担持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーブン電子レンジ等
の高周波加熱装置に適用される高周波発熱体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子レンジにオーブン機能を備え
たオーブン電子レンジが出現している。
【0003】このオーブン電子レンジに適用されるオー
ブン用ヒーターは、ニクロム線等の導電線に電流を流し
導電線のジュール熱により発熱するものである。
【0004】このような従来のオーブン電子レンジのオ
ーブン用ヒーターは、庫内温度の立ち上がりが遅いた
め、調理時間が長くかかるという問題がある。
【0005】また、マイクロ波エネルギーを吸収して熱
エネルギーに変換するものとして、Ni−Znフェライ
トを発熱体として使用することが検討されている。
【0006】しかし、このものでは、高周波域での発熱
温度が十分でない。このため、立ち上がりが悪く、到達
温度も低い。
【0007】また、特公昭51−16662号公報に
は、「粒径が約1.0mm以下の鉄粉末または鉄の酸化物
粉末と、粒径が約0.04mm以下の炭化硅素の粉末とを
前者が全体の30〜70重量%になるように混合された
焼結体よりなるマイクロ波発熱体。」が開示されてい
る。
【0008】このものでは、到達温度が700〜800
℃程度となることも示されているが、その温度に到達す
るための立ち上がりに時間を要し、温度の立ち上がり特
性が十分でない。また、炭化硅素を含有するため加工性
が悪い。
【0009】さらに、特公昭61−38139号公報に
は、「一般式ABO3 (ただしAはBa,Sr,Ca,
Pbよりなる元素の少なくとも一種、BはTi,Sn,
Zrよりなる元素の少なくとも一種を示す)で表わされ
る組成を主成分とする磁器半導体により一部または全部
を構成したことを特徴とする高周波発熱体。」が開示さ
れている。
【0010】このものでも、到達温度は十分に高いもの
となるが、この温度に到達するのに3分以上の時間を要
し、温度の立ち上がり特性に難点がある。
【0011】このような実状から、本出願人は、先に、
「高周波を発生して被加熱体を加熱する高周波加熱装置
に適用され、前記高周波を受けて発熱する炭化けい素か
らなることを特徴とする高周波加熱装置用発熱体。」を
提案している(実願平3−44090号)。
【0012】このものでは、上記のものに比べて、温度
の立ち上がり特性は改善されるものの、炭化けい素であ
るため加工性に劣る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、温度の立ち上がりが良好で、かつ到達温度が高く、
しかも加工性に富み、耐久性および取り扱い性に優れ、
さらにコスト面でも有利な高周波発熱体を提供すること
にある。また、第2の目的は上記目的に加え、均一でム
ラのない発熱が可能となり、さらに耐久性の向上を図る
ことができる高周波発熱体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(5)の本発明により達成される。 (1)酸化スズに、Sb、TaおよびNbのうちの少な
くとも1種以上を添加したものを、セラミックス製耐火
物基材の少なくとも一部に担持させたことを特徴とする
高周波発熱体。 (2)前記Sb、TaおよびNbのうちの少なくとも1
種以上が金属換算で50モル%以下含有される上記
(1)に記載の高周波発熱体。 (3)前記セラミックス製耐火物基材にPt層を介して
担持させた上記(1)または(2)に記載の高周波発熱
体。 (4)前記セラミックス製耐火物は、コーディエライト
質の耐火物である上記(1)ないし(3)のいずれかに
記載の高周波発熱体。 (5)前記セラミックス製耐火物基材は、ハニカム構造
である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の高周
波発熱体。
【0015】なお、特開昭62−272025号公報に
は、「セラミックス製基体と、該基体に不連続的に担持
された金属もしくは金属酸化物からなる発熱体とからな
るマイクロ波加熱促進器。」が開示されている。そし
て、その実施態様項に示されているセラミックス製基体
は、ケイ酸塩系セラミックス、純酸化物セラミックス、
窒化物セラミックス、炭化物セラミックスおよびホウ化
物セラミックスからなる群から選ばれた少なくとも一種
のセラミックスからなるものであり、発熱体は、金、
銀、白金、アルミニウム、銅、錫、鉛、亜鉛、鉄、マン
ガン、ニッケル、クロム、マグネシウム、ジルコニウ
ム、チタン、タンタル、ベリリウム、ゲルマニウム、ケ
イ素、セレン、テルル、それらの合金および酸化物から
なる群から選ばれた少なくとも一種からなるものであ
る。
【0016】このように、本発明は、上記公報記載の発
明に、少なくとも一部は一致している。ただし、上記公
報の実施例において具体的に示されているのは、基体材
料として酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、または
酸化アルミニウムであり、実施例1では、発熱体層とし
てアルミニウムのプラズマ溶射皮膜を用いている。また
実施例2では、酸化マグネシウムまたは酸化ジルコニウ
ムのグリーンシートを成形し、その上に球状のアルミニ
ウム粒子を配列させて焼成することによりマイクロ波加
熱促進器を得ている。
【0017】従って、上記公報には、発熱体層として酸
化スズにTaを含有させたものを用いた具体例は示され
ていない。また、セラミック製基体も、本発明で、実際
用いているものとは異なるものである。
【0018】また、上記公報には、上記のマイクロ波加
熱促進器のマイクロ波加熱(定格高周波出力:1000
kWの電子レンジを適用)による温度上昇が示されている
が、本発明に比べて、上昇温度(到達温度)は格段と低
く、またその温度に至る時間も長いものとなっている。
【0019】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0020】本発明の高周波発熱体は、酸化スズ(Sn
2 )に、Sb、TaおよびNbのうちの少なくとも1
種以上を添加したものを、セラミックス製耐火物基材の
少なくとも一部に担持させたものである。
【0021】このようなものを担持させることによっ
て、高周波、特にマイクロ波を受けることにより急激に
温度が上昇し、温度の立ち上がり特性が良好で、かつ到
達温度が高くなる。
【0022】このときの担持物は、SnO2 のグレイン
を有し、Sb、Ta、Nbの酸化物(Sb23 、Sb
25 、Ta25 、Nb25 )が入っていると考え
られる。すなわち、Snの一部がSb、Ta、Nbによ
って置換された構造と推定され、複合酸化物を形成して
いると考えられる。
【0023】上記の酸化物の担持物におけるSb、T
a、Nbの含有量は、仕込み組成に応じた組成となり、
目的に応じて仕込み組成等を変化させればよい。また、
Sb、Ta、Nbは1種のみを用いても、2種以上を併
用してもよい。
【0024】担持物におけるSb、Ta、Nbの含有量
は、金属換算で、50モル%以下、さらには0.2〜5
0モル%、またさらには0.2〜20モル%、好ましく
は0.5〜10モル%、さらに好ましくは1〜8モル%
とすればよく、併用するときは合計量で上記範囲とすれ
ばよい。ただし、Sbのみの場合は多くてもかまわず、
40モル%程度であっても好ましい。
【0025】このような含有量とすることによって、本
発明の効果が向上する。これらのものの含有量が少なく
なると、本発明の実効が得られず、また多くなりすぎる
と、Snの作用が十分に発揮されず、マイクロ波照射に
よる発熱体としての機能が発現しなくなる。
【0026】上記における酸化物の担持物の組成等は、
蛍光X線分析による定量分析等によって確認することが
できる。
【0027】なお、熱効率の点からは、基材全体に、上
記担持物を担持させることが好ましいが、場合によって
は一部であってもよい。一部とするときは、基材の全表
面積の20%以上とすることが好ましい。
【0028】また、基材に対する上記酸化物の担持物の
担持量は、基材の幾何表面積1m2当たり1〜300g 、
好ましくは5〜100g とするのがよい。特にハニカム
構造の基材を用いるときの担持量は、基材1g 当たり
0.01〜0.5g 、好ましくは0.04〜0.3g と
するのがよい。
【0029】このような担持量とすることによって本発
明の実効が得られる。この発熱体の原理は抵抗体発熱で
あるので、発熱体が適当な面積抵抗をもっていることが
重量であり、担持量が少なすぎても多すぎても、本発明
の実効が得られず、担持量が多すぎると生産性等の点で
不利になる。
【0030】このときの担持量は、担持後の基材の重さ
と基材そのものの重さの差から求めることができる。ま
た、基材の表面積は計算によって求めることができる。
【0031】なお、上記の酸化物の担持物は、基材表層
に一部存在していてもよい。
【0032】また、本発明において、基材と酸化物の担
持物層との間にPt層を介在させることも好ましい。P
t層を介在させることによって、より均一でムラのない
発熱が可能となる。これは、Pt層でマイクロ波が反射
され、効率よく酸化物の担持物層に吸収され熱エネルギ
ーに変換されるためと思われる。
【0033】特に発熱ムラが防止されることにより、高
温になった部分だけが基材ととも溶解してしまうことな
どがなくなり、耐久性が一段と向上する。
【0034】Pt層、すなわちPt担持物の担持量は、
基材の幾何表面積1m2当たり0.1〜100g 、好まし
くは1〜20g とするのがよい。特にハニカム構造の基
材を用いるときの担持量は、基材1g 当たり0.003
〜0.17g 、好ましくは0.01〜0.1g とするの
がよい。
【0035】Ptの担持量が少なすぎると、均一でムラ
のない発熱を充分に行うことができず、また担持量が多
すぎると生産性等の点で不利になる。
【0036】Ptの組成等は前記と同様にして確認する
ことができ、また、担持量も前記と同様にして求めるこ
とができる。
【0037】なお、Pt担持物は、上記の酸化物の担持
物と、その境界領域において一部混在していてもよく、
また基材の表層に一部存在していてもよい。
【0038】また、Pt層が存在するときの酸化物の担
持物の量は、酸化物の担持物を担持させた後の全体の重
さから、Pt担持後の重さを引いたものとすればよい。
【0039】本発明に用いる基材の材質としては、セラ
ミックス製耐火物であれば特に制限はないが、Pt層や
酸化物層が担持されやすいように適当なざらつきがあ
り、熱衝撃に強く、電波エネルギーから変換された熱エ
ネルギーが有効に外界に放出されるように、より熱容量
の小さな材質が好ましい。例えばコーディエライト(理
論組成:2MgO・2Al23 ・5SiO2 )、ムラ
イト(理論組成:3Al23 ・2SiO2 )、ジルコ
ン(理論組成:ZrO2 ・SiO2 )、ジルコニア(理
論組成:ZrO2 )、マグネシア(理論組成:MgO)
質の耐火物等が挙げられる。
【0040】このような基材を用いることによって、良
好な発熱特性が得られるとともに、耐熱衝撃性が向上
し、破損も少なくなる。このため、取扱い性が良好とな
る。また、炭化ケイ素等と異なり、加工性に優れるため
種々の形状とすることが可能となる。
【0041】基材の形状には特に制限はないが、なかで
もハニカム構造とすることが好ましい。また、他のポー
ラス形状のものであってもよい。本発明の高周波発熱体
は、後述のように、送風により被加熱体を加熱する方式
の装置に好ましく適用されるからである。
【0042】好ましく用いられるハニカム構造におい
て、セル形状には特に制限はなく、四角形等とすればよ
い。また、セル数は1inch2 当たり50個〜1000個
程度、セルピッチは0.5〜5mm程度、壁厚は0.05
〜2mm、気孔率は0.5〜20%程度、平均細孔径は
0.5〜10μm 程度とすればよい。
【0043】また、基材の大きさは、調理物等の被加熱
体の大きさに応じたものとすればよく、目的、用途に応
じて選択すればよい。
【0044】本発明の高周波発熱体を得るには、以下の
工程に従う。まず、Pt層を介在させない場合について
述べる。
【0045】例えば、好ましくはハニカム構造のセラミ
ックス製耐火物(例えばコーディエライト)基材上に、
Sb化合物、Ta化合物およびNb化合物のなかから選
択した1種以上とSn化合物とを、所定量含有させた塗
布液を塗布し、その後焼成する。そして、この塗布およ
び焼成の操作は1回であっても、複数回繰り返してもよ
い。複数回繰り返すときは、通常2〜10回とする。
【0046】なお、塗布に際しては塗布液が基材中に含
浸すると考えられる。
【0047】上記において用いるSn化合物、Sb化合
物、Ta化合物、Nb化合物には特に制限はないが、有
機物系の化合物であることが好ましい。このほか、塩化
物等の無機物であってもよい。
【0048】Sn化合物としては、ジ−n−ブトキシS
n、オクチル酸Sn、SnCl4 等;Sb化合物として
は、SbCl3 等;Ta化合物としては、ブトキシT
a、オクチル酸Ta、TaCl5 等;Nb化合物として
はオクチル酸Nb、ブトキシNb、NbCl5 等;が挙
げられる。
【0049】また、これらを溶解する溶媒としては、エ
タノール、ブタノール、トルエン等が挙げられる。
【0050】上記溶液中における各化合物の量比は、目
的とする担持物の組成に応じたものとすればよい。また
化合物全体で、5〜20wt% の溶液とすればよい。
【0051】上記溶液を用いた塗布方法には制限はな
く、刷子塗り、ディッピング、吹き付け等のいずれであ
ってもよい。
【0052】また、焼成は、空気等の酸素雰囲気中で、
常圧で行なえばよく、焼成温度は400℃以上、さらに
は450℃以上とすればよい。このような焼成温度とす
ることによって、高周波発熱体として繰り返し使用した
ときの安定性が十分となる。
【0053】このような観点から、焼成温度は高いほど
好ましいが、焼成炉等の装置上の制約等の点で、上限は
800℃程度とする。
【0054】また、1回当たりの焼成時間は5〜10分
程度とする。
【0055】このような焼成により、塗布物中のSn化
合物等は酸化されて複合酸化物を形成すると考えられ
る。
【0056】また、Pt層を介在させた構成とするとき
は、基材上にPt層を形成してから上記の酸化物の担持
物層を形成すればよい。
【0057】Pt層は、塗布溶媒に可溶なPt化合物
(塩化Pt酸等のPt塩化物、有機Pt化合物等)を所
定量含有する塗布液を用いて上記の酸化スズ系の担持物
層の場合と同様に塗布、焼成することによって形成する
ことができる。
【0058】なお、塗布に際しては塗布液が基材中に含
浸すると考えられる。また、Ptをターゲットないし蒸
着源とするスパッタ等による物理気相蒸着(PVD)法
や化学気相蒸着(CVD)法によって成膜することもで
きる。
【0059】このようにして得られた高周波発熱体は、
マイクロ波を照射することによって10〜15秒程度で
700〜800℃の高温となる。
【0060】従って、オーブン電子レンジ等の高周波加
熱装置に適用したとき、瞬時に高温が得られ、調理物を
すばやくオーブン加熱調理することが可能となる。ま
た、肉や魚など調理物にはこげ目を付けることもでき
る。
【0061】また、製法も容易であり、コスト面でも有
利である。
【0062】図1には、本発明の高周波発熱体を、発熱
体として適用したオーブン電子レンジの一構成例が示さ
れる。なお、図1には発熱体部分が主に示されている。
【0063】図1に示すように、オーブン電子レンジ1
0は、高周波発熱体1を備え、高周波発熱体1に送風す
るためのファン2を有し、オーブン電子レンジ10内の
調理物等の被加熱体3をオーブン加熱調理するものであ
る。
【0064】図示のように、高周波発熱体1は、ファン
2からの送風が被加熱体3に吹き付けられるよう複数の
通風孔1aを有するものである。
【0065】また、オーブン電子レンジ10は、高周波
発熱体1に照射するマイクロ波Wμを発生するマイクロ
波発生源を具備する。
【0066】上記構成において、高周波発熱体1は、マ
イクロ波発生源からマイクロ波Wμが照射されて、その
表面温度が上昇する。この温度上昇により発熱体1の通
風孔1aを通過した送風は、高温となって被加熱体3に
吹き付けられ、調理物等の被加熱体3は急激にオーブン
加熱調理される。
【0067】本発明の高周波発熱体は、図示例に限ら
ず、種々の形状等で、種々の高周波加熱装置に適用する
ことができる。
【0068】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。
【0069】実施例1(1)サンプルの作製 40mm径5mm厚のハニカム構造をしたコーディエライト
基材上に、表1、表2に示す塗布液を各々用いて塗布
し、マッフル炉で表1、表2に示す条件で焼成した。な
お、塗布液における金属化合物は、Sn化合物として、
ジ−n−ブトキシSn、Sb化合物として、SbCl
3 、Ta化合物として、ブトキシTa、Nb化合物とし
て、ブトキシNbをそれぞれ用いた。
【0070】この塗布および焼成工程は繰り返し行なう
ものとし、工程回数は表1、表2に示すとおりとした。
【0071】このようにして表1、表2に示すサンプル
No. 1〜17を得た。サンプルNo.3において、基材と
担持物との間にPt層を設けるほかは同様にしてサンプ
ルNo. 18を得た。Pt層は塩化Pt酸を含有する塗布
液を用いて上記と同様に塗布し焼成した(表2参照)。
なお、表2に示すとおり、Pt層形成にあたり、塗布お
よび焼成の工程を2回繰り返した。
【0072】サンプルNo. 1〜17においては、表1、
表2に示す金属組成の酸化物が表1、表2の担持量で基
材表面および表層に担持されていると考えられる。ま
た、サンプルNo. 18では、表2に示すように、基材表
面および表層にPtが担持されており、Pt層表面およ
び表層に金属酸化物が担持されていると考えられる。
【0073】なお、上記の金属組成は塗布液における各
金属の仕込み量から求められ、また、蛍光X線分析装置
による定量分析によって確認した。
【0074】また、担持量は、基材1g 当たりの量(g
)であり、基材そのものの重さと焼成後の重さの差と
から求めた。また、Pt層を設けた場合のPt担持量も
同様にして求めた。さらに、Pt層を設けた場合の酸化
物の担持量もこれに準じて求めた。
【0075】なお、基材1m2当たりの量(g )は、基材
の表面積を計算により求め、これより算出した。
【0076】上記におけるコーディエライト基材は、以
下の構造のものを用いた。
【0077】セル形状:四角形 セル数:200個/inch2 セルピッチ:1.8mm 壁厚:0.3mm 気孔率:3.5% 平均細孔径:4μm
【0078】(2)温度特性 サンプルNo. 1〜18を、それぞれ、図2に示すように
設置したオーブン電子レンジ10(定格高周波出力50
0W )の発熱体として用い、各サンプルについて、マイ
クロ波の照射時間と表面温度との関係を調べた。ただ
し、オーブン電子レンジ10には被加熱体は入れないも
のとし、一定時間マイクロ波を照射した後、オーブン電
子レンジのドアを開き、その瞬間の発熱体の表面温度を
図2に示すようなサーマルビデオシステムによりモニタ
ーした。
【0079】図2に示すように、サーマルビデオシステ
ムは、オーブン電子レンジ10内の発熱体の表面温度を
検出する赤外線カメラ20と、この赤外線カメラ20内
をアルゴンガス雰囲気とするためのアルゴンガスを充填
したボンベ21と、サーマルビデオ装置25とを有す
る。このサーマルビデオ装置25は、画面255上に検
出温度の温度分布像を現出するものである。
【0080】結果を表1および表2に示す。なお、比較
のためヒーター(サンプルNo. 20)、SiCからなる
発熱体(サンプルNo. 21)についても同様にして調
べ、表中に記す。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】表1および表2から明らかなように、本発
明のサンプルはいずれも、到達温度が800℃以上であ
り、またこの到達温度に15〜30秒で到達する。ま
た、本発明のサンプルはいずれも、15秒程度で、70
0〜800℃の温度に到達することが確認された。
【0084】また、Pt層を設けたサンプルNo. 18で
は、発熱ムラの発生の点でさらに改善することがわかっ
た。発熱ムラは、図2におけるサーマルビデオ装置25
の画面255上にあらわれる温度分布像により評価し
た。
【0085】これらのサンプルのうち、サンプルNo. 2
についての照射時間と表面温度との関係を図3に、ま
た、サンプルNo. 7についての照射時間と表面温度との
関係を図4にそれぞれ示す。また、図3、図4には、ヒ
ーター(サンプルNo. 20)、SiC(サンプルNo. 2
1)についての同様の関係を示す。
【0086】図3、図4からも、本発明のサンプルは温
度の立ち上がり特性が良好で到達温度も高いことがわか
る。
【0087】さらに、本発明のサンプルについて、上記
のマイクロ波照射を繰り返し行なっても温度特性に劣化
はなく、実用に十分耐えることがわかった。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、温度の立ち上がり特性
が良好で、かつ到達温度が高い。また、加工性に優れ
る。さらに、耐久性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波発熱体をオーブン電子レンジに
適用した一構成例を示す斜視図である。
【図2】発熱体の温度特性を測定するサーマルビデオシ
ステムの模式図である。
【図3】発熱体の温度特性を示すグラフである。
【図4】発熱体の温度特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 高周波発熱体 10 オーブン電子レンジ Wμ マイクロ波 20 赤外線カメラ 25 サーマルビデオ装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化スズに、Sb、TaおよびNbのう
    ちの少なくとも1種以上を添加したものを、セラミック
    ス製耐火物基材の少なくとも一部に担持させたことを特
    徴とする高周波発熱体。
  2. 【請求項2】 前記Sb、TaおよびNbのうちの少な
    くとも1種以上が金属換算で50モル%以下含有される
    請求項1に記載の高周波発熱体。
  3. 【請求項3】 前記セラミックス製耐火物基材にPt層
    を介して担持させた請求項1または2に記載の高周波発
    熱体。
  4. 【請求項4】 前記セラミックス製耐火物は、コーディ
    エライト質の耐火物である請求項1ないし3のいずれか
    に記載の高周波発熱体。
  5. 【請求項5】 前記セラミックス製耐火物基材は、ハニ
    カム構造である請求項1ないし4のいずれかに記載の高
    周波発熱体。
JP35450392A 1991-12-17 1992-12-16 高周波発熱体 Withdrawn JPH05246784A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017022499A1 (ja) * 2015-08-04 2017-02-09 三井金属鉱業株式会社 酸化スズ、燃料電池用電極触媒、膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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