JPH05246167A - 感熱性孔版印刷用原紙 - Google Patents

感熱性孔版印刷用原紙

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JPH05246167A
JPH05246167A JP5087592A JP5087592A JPH05246167A JP H05246167 A JPH05246167 A JP H05246167A JP 5087592 A JP5087592 A JP 5087592A JP 5087592 A JP5087592 A JP 5087592A JP H05246167 A JPH05246167 A JP H05246167A
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JP
Japan
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film layer
heat
sensitive stencil
printing
stencil printing
Prior art date
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Pending
Application number
JP5087592A
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English (en)
Inventor
Masahiro Yamana
政宏 山名
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度を低下させることなく印刷インキのにじ
みを少なくし、孔版印刷の画像再現性を向上した感熱性
孔版印刷用原紙を提供する。 【構成】 加熱穿孔性フィルム層と、このフィルム層を
支持し、インキ透過性に優れた有孔性支持体とからな
り、前記フィルム層が有孔性支持体の表面部分に埋没し
た構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱性孔版印刷用原紙
に関するものである。さらに詳しく述べるならば、本発
明は、表面が平滑で、画像の再現性が良好な感熱性孔版
印刷用原紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の事務能率化の進展に伴い、社内印
刷分野においては製版および印刷の操作が簡単な孔版印
刷が普及している。孔版印刷において、印刷版に担当す
るものは、画像の部分にインキを透過させるための、画
像の形に従った開口部を有する、いわゆるステンシルと
呼ばれるものである。ステンシルを作成するための原紙
としては、加熱によって穿孔可能な薄い合成樹脂フィル
ムと、紙、不織布等のインキ透過性の支持体とを接着剤
で貼り合せたもの、いわゆる感熱性孔版印刷用原紙が用
いられている。
【0003】感熱性孔版印刷用原紙に穿孔するには2つ
の方法がある。ひとつの方法は、原稿と感熱性孔版印刷
用原紙とを重ね合せ、赤外線等を全面照射して、画像の
部分を、その赤外線等の吸収が他の部分より大きいこと
を利用して穿孔するものである。
【0004】もうひとつの方法は、原稿をスキャニング
して読み取った信号を熱ヘッドに送って、ドットごとに
穿孔する、いわゆるデジタル孔版方式である。このデジ
タル孔版方式は、赤外線方式に比較して解像度がよく、
またコンピューターの文書データを利用しやすい利点が
あるので、最近においては、ほとんどこの方式が用いら
れている。
【0005】ところで、このようにして作成した孔版印
刷版を用いて印刷を行なうときに、問題となるのは解像
力ないしは画像の再現性である。すなわち、印刷インキ
は加熱穿孔したフィルムの開口部を通過し、さらに有孔
性の支持体を通過して、紙等の被印刷シート到達するの
であるが、この際、フィルムの開口部が正確であるとし
ても、インキはその下の支持体を通過するときに水平に
広がり、このためにじみを生じてしまう。そしてこのに
じみは、有孔性支持体の厚みが厚いほど大きくなり、印
刷された画像の再現性を低下させる。
【0006】そこで、にじみを少なくするには有孔性支
持体を薄くすればよいが、そのようにすると孔版印刷版
の強度が低下するので、有孔性支持体の厚さを減少させ
るには限界がある。そこで孔版印刷版の強度を低下させ
ずに、にじみを少なくし、印刷品質を向上させる手段が
求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、加熱によって穿孔するフィルムと、インキ
透過性に優れた支持体とを貼り合せてなる感熱性孔版印
刷用原紙において、印刷時の、印刷インキのにじみを最
小にし、これによって印刷画像の再現性を向上させ、し
かも実用上十分な強度を保持することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前述の従来
の感熱性孔版印刷用原紙の有する問題点を解消するため
鋭意研究した結果、加熱によって穿孔可能なフィルム層
が、有孔性支持体の表面部分に埋没した構成にすること
により、強度を低下させることなく印刷時のインキのに
じみが少なくなり、かつ印刷画像の再現性が向上した感
熱性孔版印刷用原紙が得られることを見出し、本発明を
完成したものである。
【0009】すなわち、本発明の感熱性孔版印刷用原紙
は、加熱によって穿孔可能なフィルム層と、このフィル
ム層の穿孔温度では実質的に変化せず、インキ透過性に
優れ、かつ前記フィルム層を支持している有孔性支持体
とを有し、上記フィルム層が上記支持体の表面部分に実
質的に埋没した構造を有することを特徴とするものであ
る。
【0010】
【作用】本発明の感熱性孔版印刷用原紙において、加熱
によって穿孔可能なフィルム層が、それを支持している
有孔性支持体の中に実質的に埋没していることによっ
て、印刷インキが通過する経路はそれだけ短くなり、し
たがってにじみも小さくなるのである。従来の感熱性孔
版印刷用原紙は、厚さ20〜30μmの支持体に、厚さ
2〜3.5μmの加熱穿孔性フィルム層と塗布厚さ、
1.5〜5μmの接着剤層とからなり、合計厚さ3〜8
μmの接着フィルム層を積層した構造となっており、支
持体の厚さは、そのまま印刷インキの通過経路となって
いる。しかし、本発明においては、厚さ2〜5μmの加
熱穿孔性フィルムを、支持体中に実質的に埋没させた構
造とすることにより、支持体中を通過する印刷インキの
経路はそれだけ短くなり、従ってにじみが少なくなるの
である。上記支持体とフィルムの厚さの差により、支持
体にはフィルムを埋没していない部分が残るが、この部
分は加熱によって溶融したフィルム溶融物を吸収するの
に有用なものである。
【0011】本発明の原紙において、にじみを少なくす
るために支持体の厚さを従来よりも薄くする必要がない
ので、強度低下の問題が生じることはなく、それと同時
に、加熱穿孔性フィルムが埋没している支持体部分は一
種の繊維強化複合材料のような構造となっているので、
感熱性孔版印刷用原紙の剛度が向上する。
【0012】また、本発明による感熱性孔版印刷用原紙
は、接着剤を用いないことが特徴である。本発明におい
ては、加熱穿孔性フィルムは、それが完全に固化する前
に支持体と合体されるので、支持体と接着することがで
きると同時に、支持体中に埋没されることによる投錨効
果もあるので、接着剤を必要としない。接着剤を使用し
ないことにより、感度、再現性、耐溶剤性も改善され
る。
【0013】次に、本発明を添付図面によって説明す
る。図1は、従来の感熱性孔版印刷用原紙を用いて製版
した孔版印刷版の印刷状態を示す断面説明図であり、加
熱穿孔性フィルム層1は、接着剤5を介して有孔性支持
体3上に形成接着されており、フィルム層1に形成され
た開口部2を印刷インキ4が通過して印刷が行われる。
【0014】図2は、本発明の感熱性孔版印刷用原紙か
ら製版された孔版印刷版の印刷状態を示す断面説明図で
あり、加熱穿孔性フィルム層1は、有孔性支持体3の表
面部分に埋没した構造になっている。
【0015】本発明の感熱性孔版印刷用原紙を製造する
一つの方法は、加熱穿孔性フィルム層を、活性エネルギ
ー線硬化性の樹脂を用いて形成する方法である。例え
ば、キャストドラム上に電子線硬化性樹脂組成物を塗布
し、この塗工層に有孔性支持体を圧着して、塗工層を実
質的に支持体中に埋没せしめる。しかる後、これに電子
線照射を施して樹脂塗工層を硬化せしめ、全体をキャス
トドラムから剥離すれば、本発明の感熱性孔版印刷用原
紙が得られる。
【0016】必要ならば、活性エネルギー線硬化性樹脂
を塗工後に、弱い活性エネルギー線照射を行なって樹脂
を部分的に硬化せしめ、これを有孔性支持体と合体せし
めた後に再度活性エネルギー線照射を行なって、仕上げ
てもよい。
【0017】本発明の感熱性孔版印刷用原紙を製造する
もう一つの方法は、押出しラミネートによる方法であ
る。例えば、加熱穿孔性フィルムを構成する樹脂を、押
出機によってスリットダイから押し出し、このフィルム
がまだ流動性を保持している間に有孔性支持体を重ね合
せ、クーリングロール上で圧着して、フィルム層を実質
的に支持体中に埋没せしめれば、本発明の感熱性孔版印
刷用原紙が得られる。
【0018】勿論、本発明の構造が得られるならば、上
記以外のどのような方法で製造してもよい。
【0019】本発明において、加熱穿孔性フィルムを電
子線硬化性樹脂を用いて形成する場合は、用いられる電
子線硬化性樹脂は、例えば下記のような不飽和有機化合
物の群から選ぶことができ、それらの単独あるいは2種
以上の組み合せを用いることができる。
【0020】(1)脂肪属、脂環属、芳香脂肪属の、1
〜6価のアルコール及びポリアルキレングリコールのア
クリレート化合物類 (2)脂肪属、脂環属、芳香脂肪属の、1〜6価のアル
コールにアルキレンオキサイドを付加させたもののアク
リレート化合物類 (3)ポリアクリロイルアルキルリン酸エステル類 (4)カルボン酸と、ポリオールと、アクリル酸との反
応生成物 (5)イソシアネートと、ポリオールと、アクリル酸と
の反応生成物 (6)エポキシ化合物と、アクリル酸との反応生成物 (7)エポキシ化合物と、ポリオールと、アクリル酸と
の反応生成物
【0021】本発明において、加熱穿孔性フィルムの厚
さは、有孔性支持体に埋没せしめる前の厚さを2〜5μ
mとするのが、印刷効果にとって良好である。この厚さ
が2μmより薄いと穿孔が破れて大きくなりやすく、ま
た、それが5μmより厚いと感度が低下する。
【0022】本発明の感熱性孔版印刷用原紙を、押出し
ラミネート法によって製造する場合、フィルム形成用の
樹脂は、下記のような熱可塑性樹脂から選ぶことができ
る。すなわち、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩
化ビニル樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル樹脂共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合
樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂等である。
【0023】本発明に使用される支持体は、フィルムの
加熱穿孔温度では実質的に変化せず、かつインキ透過性
に優れたものであればよく、例えば不織布、織布、メッ
シュ等も用いることもできるが、坪量5〜12g/m2
の薄葉紙が最も適当である。その坪量が5g/m2 より
低いと得られる原紙の強度が不足し、また、それが12
g/m2 より高いと得られる印刷物の品質が低下する。
【0024】本発明の有孔性支持体としては上記薄葉紙
が用いられることが好ましいが、この薄葉紙の抄造に用
いられる繊維原料としては、木材パルプの他に、マニラ
麻等の靱皮繊維、あるいはビニロン繊維、ポリエステル
繊維等の合成繊維を用いることができる。薄葉紙の厚さ
は20〜40μmであることが好ましい。
【0025】
【実施例】本発明を下記実施例によって更に詳細に説明
するが、本発明の範囲はこれらの例によって限定される
ものではない。
【0026】実施例1 下記の電子線硬化性樹脂組成物を調製した。 成 分 重量部 ウレタンアクリレートオリゴマー 60 (商標:ビームセット550B、荒川化学工業製) 2官能アクリレートモノマー 40 (商標:A220、石原産業製)
【0027】上記成分の樹脂組成物を、ワイヤー・バー
を用いて、クロームメッキを施した金属板上に、塗布量
が4.0g/m2 になるように塗布した。この塗布層
に、マニラ麻繊維から抄紙され、8.5g/m2 の坪量
を有する多孔性薄葉紙を重ね合せ、プレス機により、6
kg/cm2 の圧力をかけて圧着し、これに、加速電圧16
5kV吸収線量3Mradの条件で電子線照射を施して、
前記樹脂組成物を硬化させた後、全体を金属板から剥離
して、積層体を得た。この積層体の断面を顕微鏡観察し
たところ、電子線硬化性樹脂の層は、その厚さの大部分
が多孔性薄葉紙の組織の中に埋没していた。
【0028】実施例2 実施例1と同様の薄葉紙の片面上に、エチレン−アクリ
ル酸エチル共重合樹脂(商標:NUC6220、日本ユ
ニカー製)を実験用押出しラミネート装置を用いてスリ
ットダイから押出し、樹脂層の重量が5g/m2 となる
ようにラミネートした。この押出被覆工程において、樹
脂温度は320度とし、クーリングロールにおけるニッ
プ圧を20kg/cm2 とした。得られた積層体の断面を顕
微鏡観察したところ、樹脂層は、その厚さの大部分が多
孔性支持体の中に埋没していた。
【0029】比較例1 厚さ2μmの、2軸延伸ポリエステルフィルムを、クロ
ムメッキした金属板に粘着テープで固定し、接着剤とし
てポリ酢酸ビニルのメタノール溶液を、乾燥後の塗布量
が2g/m2 となるように塗布してヘアドライヤーで乾
燥し、これに実施例1と同様の薄葉紙を重ね合わせこれ
をプレス機で圧着した後、全体を金属板から剥離して感
熱性孔版印刷用原紙を得た。
【0030】テスト 実施例1,2および比較例1で作成した感熱性孔版印刷
用原紙を、市販の340dpi の感熱転写方式のワードプ
ロセッサーに挿入して穿孔印字した。このようにして製
版した孔版印刷版を、リソー科学製の卓上孔版印刷機
(商標:プリントゴッコ)に装着して、印刷物のインキ
のにじみによる文字の字画のつぶれを比較した。その結
果、実施例1における文字字画のつぶれが最も少なく、
実施例2において、実用上満足できるものであったが、
比較例1においては、実施例1および2よりはるかに劣
っていた。
【0031】
【発明の効果】本発明により、孔版印刷の印刷品質、特
に画像の再現性が改善されるので、孔版印刷の応用範囲
が広がり、事務合理化に対する寄与が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の感熱性孔版印刷用原紙から製版した孔版
印刷版による印刷状態を示す断面説明図である。
【図2】本発明の感熱性孔版印刷用原紙から製版した孔
版印刷版による印刷状態を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1…加熱穿孔性フィルム層 2…開口部 3…有孔性支持体 4…印刷インキ浸透部分 5…接着剤層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱によって穿孔可能なフィルム層と、
    このフィルム層の穿孔温度では実質的に変化せず、イン
    キ透過性に優れ、かつ前記フィルム層を支持している有
    孔性支持体とを有し、上記フィルム層が上記支持体の表
    面部分に実質的に埋没した構造を有することを特徴とす
    る感熱性孔版印刷用原紙。
  2. 【請求項2】 前記フィルム層が、鏡面上でキャスト成
    型され、かつ活性エネルギー線硬化性樹脂を活性エネル
    ギー線照射により硬化したものであることを特徴とす
    る、請求項1に記載の感熱性孔版印刷用原紙。
  3. 【請求項3】 前記フィルム層が、押し出しラミネート
    法によって成型されたものであることを特徴とする、請
    求項1に記載の感熱性孔版印刷用原紙。
JP5087592A 1992-03-09 1992-03-09 感熱性孔版印刷用原紙 Pending JPH05246167A (ja)

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