JPH0524490A - 自動車部品加熱ヒータ用電源装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、通電スイッチの動作を確実にし
た自動車部品加熱ヒータ用電源装置を得る。 【構成】 自動車上の部品に装着されて部品を加熱する
ためのヒータ３と、ヒータに電力を供給するための電源
手段１及び２と、ヒータに対して選択的に通電するため
の通電スイッチ５とを備えた自動車部品加熱ヒータ用電
源装置において、通電スイッチを閉成するための通電制
御信号を昇圧する昇圧手段７及び８を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動車上の部品を加
熱するためのヒータに給電する電源装置に関し、特にヒ
ータに給電するための通電スイッチの動作を確実にした
自動車部品加熱ヒータ用電源装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、自動車上の部品には種々のヒー
タが装着されており、これらのヒータには、共有のバッ
テリから電力が供給されている。例えば、外気温度が低
い場合には、エンジンの各気筒に吸入される空気温度も
低くなって着火能力が低下するため、吸入空気を加熱す
る必要がある。特にディーゼルエンジンの場合には、始
動時の着火が困難になるため、グローヒータが必要とな
る。又、フロントガラスの霜付を防止するためにウィン
ドヒータを駆動する必要があり、更に、排気ガス処理用
の触媒の機能が低温時に劣化するため、触媒ヒータによ
り加熱する必要がある。

【０００３】通常、これらの各種ヒータの消費電力は、
例えば触媒ヒータの場合、数ｋＷに達するため、バッテ
リ電圧が12Ｖであれば400Ａ程度の電流を要し、自動車の
バッテリに対して大きな負荷となっている。

【０００４】図２は従来の自動車部品加熱ヒータ用電源
装置を示すブロック図である。図において、１は整流器
を含む交流発電機即ちオルタネータ、２はオルタネータ
１により充電されるバッテリであり、これらはヒータ
(後述する)に電力を供給するための電源手段を構成して
いる。３は自動車上の部品(例えば、触媒)に装着されて
その部品を加熱するためのヒータであり、オルタネータ
１とバッテリ２との接続点から給電されている。

【０００５】４はヒータ３の周辺温度即ち部品温度を検
出する温度センサである。５はヒータ３に対して選択的
に通電するための通電スイッチであり、例えば電磁駆動
の機械式スイッチからなり、ヒータ３とグランドとの間
に挿入されている。６は温度センサ４からの温度信号Ｔ
に基づいて通電スイッチ５に通電制御信号Ｃを出力する
制御回路である。尚、図示しないが、制御回路６と通電
スイッチ５との間には、電圧手段の出力電圧に基づいて
通電制御信号Ｃに応じた通電スイッチ５の動作電圧を生
成する駆動回路が挿入されている。

【０００６】次に、図２に示した従来の自動車部品加熱
ヒータ用電源装置の動作について説明する。通常の運転
中において、オルタネータ１は、エンジンと共に回転し
て３相交流発電を行い、３相交流を例えば12Ｖの直流電
圧に変換して出力してバッテリ２を充電する。

【０００７】運転中又は停車中に部品(例えば、触媒)の
温度が低下し、温度センサ４が所定の下限値以下の温度
信号Ｔを出力すると、制御回路６は、通電制御信号Ｃを
出力して通電スイッチ５を閉成する。これにより、ヒー
タ３は、電源手段即ちオルタネータ１及びバッテリ２に
より給電され、触媒を下限値以上の温度に加熱して所望
の排気ガス処理機能を確保させる。

【０００８】しかし、ヒータ３に対して給電を開始する
と、バッテリ２の電圧が瞬時に降下するため、特にバッ
テリ２が過放電等で能力が劣化している場合には、通電
制御信号Ｃに基づく駆動電圧が充分に得られず通電スイ
ッチ５の動作閾値電圧以下となり、通電スイッチ５がオ
フモード(開放)となってしまうことがある。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】従来の自動車部品加熱
ヒータ用電源装置は以上のように、電源手段からの出力
電圧を通電スイッチ５の動作電圧としているので、ヒー
タ３への給電時に出力電圧が降下して通電スイッチ５が
開放されてしまうという問題点があった。

【００１０】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、通電スイッチのオン(閉成)動作
を確実にした自動車部品加熱ヒータ用電源装置を得るこ
とを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この発明に係る自動車部
品加熱ヒータ用電源装置は、通電スイッチを閉成するた
めの通電制御信号を昇圧する昇圧手段を設けたものであ
る。

【００１２】

【作用】この発明においては、通電制御信号に従って、
電源手段の出力電圧を昇圧して通電スイッチを駆動する
ので、通電スイッチの閉成動作が確実となり、ヒータへ
の給電が確保される。

【００１３】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図１はこの発明の一実施例を示すブロック図であ
り、１〜６は前述と同様のものである。この場合、通電
スイッチ５は、半導体スイッチ即ちＮ型のＭＯＳＦＥＴ
からなり、電源手段(オルタネータ１及びバッテリ２)と
ヒータ３との間に挿入されている。又、ヒータ３の他端
は接地されている。

【００１４】７は電源手段１及び２の出力電圧を昇圧す
る昇圧回路、８は昇圧された電圧により通電スイッチ５
を動作させるための駆動回路であり、これらは通電スイ
ッチ５を閉成するための通電制御信号Ｃを昇圧する昇圧
手段を構成している。

【００１５】次に、図１に示したこの発明の一実施例の
動作について説明する。いま、触媒の温度が正常であっ
て温度信号Ｔが低温状態を示さなければ、制御回路６か
らの通電制御信号Ｃは開放指令を示しており、通電スイ
ッチ５は開放されている。

【００１６】しかし、温度信号Ｔが低温状態を示せば、
制御回路６は通電制御信号Ｃを出力し、これにより、駆
動回路８は、昇圧回路７によって昇圧された電源手段の
出力電圧を、通電スイッチ５に対する駆動電圧としてＭ
ＯＳＦＥＴのゲートに印加する。

【００１７】従って、バッテリ２の給電能力が低下して
いたとしても、ヒータ３の通電後も通電スイッチ５は確
実に動作を続け、ヒータ３の通電状態を保持することが
できる。又、通電スイッチ５をヒータ３の上流側に設け
たので、ヒータ３に短絡故障等が発生しても通電スイッ
チ５が遮断されれば給電されず、電力を浪費することも
ない。

【００１８】尚、上記実施例では、通電スイッチ５を半
導体スイッチで構成したが、機械式スイッチで構成して
も同等の効果を奏することは言うまでもない。

【００１９】

【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、通電ス
イッチを閉成するための通電制御信号を昇圧する昇圧手
段を設けたので、通電スイッチの閉成動作を確実にした
自動車部品加熱ヒータ用電源装置が得られる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示すブロック図である。

【図２】従来の自動車部品加熱ヒータ用電源装置を示す
ブロック図である。

【符号の説明】

１ オルタネータ ２ バッテリ ３ ヒータ ５ 通電スイッチ ７ 昇圧回路 ８ 駆動回路

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 自動車上の部品に装着されて前記部品を
   加熱するためのヒータと、 前記ヒータに電力を供給するための電源手段と、 前記ヒータに対して選択的に通電するための通電スイッ
   チと、 を備えた自動車部品加熱ヒータ用電源装置において、 前記通電スイッチを閉成するための通電制御信号を昇圧
   する昇圧手段を設けたことを特徴とする自動車部品加熱
   ヒータ用電源装置。