JPH0524372U - インクリボンカセツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印字時にインクリボンが記録紙にとられて印
字不良を生じたり、インクリボンが蛇行したり、たるん
だりするおそれのないインクリボンカセットを提供する
こと。 【構成】 インクリボンの一対の巻取・供給ハブを収納
したカセット内に、上記インクリボンにバックテンショ
ンを付与するバックテンション付与手段と、上記インク
リボンの弛みを取るたるみ取り手段とを備え、該カセッ
トの表と裏を反転させて装置に装着することにより、一
対の巻取・供給ハブにおけるそれぞれの巻取り機能及び
供給機能が逆転する反転使用可能なインクリボンカセッ
トにおいて、 上記バックテンション付与手段は、一対
の巻取・供給ハブの巻取側となる方の上面と該上面に対
向するカセットの上ハーフ内面、及び他方の巻取・供給
ハブの下面と該下面に対向するカセットの下ハーフ内面
とに形成或いはその間に配される摩擦付与手段であり、
且つ前記それぞれの対向ハブ面とハーフ面はカセット上
面側の位置にある際に、非接触状態となるように配せら
れていることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は反転使用可能なインクリボンカセットに係り、詳しくは印字時にイン クリボンが記録紙にとられて印字不良が生じたり、インクリボンが蛇行したり、 たるんだりするおそれのないインクリボンカセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

通常反転使用可能なインクリボンカセットは、本体内に一対の巻取・供給ハブ を有し、カセットの表と裏を反転させてプリンターに装着することにより、一対 の巻取・供給ハブにおけるそれぞれの巻取り機能及び供給機能も逆転するように なっている。

【０００３】 通常このようなカセットにはインクリボンのたるみを取るたるみ取りスプリン グと、巻取時にインクリボンの供給側からバックテンションを付与してインクリ ボンの蛇行を防止するバックテンション付与スプリングとが配置してある。 そして、上記インクリボンカセットのうち、反転使用可能なインクリボンカセ ットは、カセット内に配置された一対のハブがそれぞれ巻取ハブとして使用され るため、上記バックテンション付与スプリングをカセットの左右側壁であって、 それぞれの巻取・供給ハブの側方に配置して、いずれのハブでインクリボンを巻 き取る際にも供給側のインクリボンにバックテンションが作用するようにしてあ る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の反転使用可能なインクリボンカセットにおいては、カセ ット内の左右位置にそれぞれバックテンション付与スプリングを配置してあるた め、必要とされる供給側だけでなく巻取側のインクリボンにもバックテンション が作用し、巻取側ハブの巻取トルクが弱められ、インクリボンが記録紙にとられ て印字不良を引き起こしたり、インクリボンが蛇行したり、たるんだりするおそ れがあった。

【０００５】 従って、本考案の目的は、印字時にインクリボンが記録紙にとられて印字不良 を生じたり、インクリボンが蛇行したり、たるんだりするおそれのないインクリ ボンカセットを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、インクリボンの一対の巻取・供給ハブを収納したカセット内に、上 記インクリボンにバックテンションを付与するバックテンション付与手段と、上 記インクリボンの弛みを取るたるみ取り手段とを備え、該カセットの表と裏を反 転させて装置に装着することにより、一対の巻取・供給ハブにおけるそれぞれの 巻取り機能及び供給機能が逆転する反転使用可能なインクリボンカセットにおい て、上記バックテンション付与手段は、一対の巻取・供給ハブの巻取側のなる方 の上面と該上面に対向するカセットの上ハーフ内面、及び他方の巻取・供給ハブ の下面と該下面に対向するカセットの下ハーフ内面とに形成或いはその間に配さ れる摩擦付与手段であり、且つ前記それぞれの対向ハブ面とハーフ面はカセット 上面側の位置にある際に、非接触状態となるように配せられていることを特徴と するインクリボンカセットを提供することにより、上記目的を達成したものであ る。

【０００７】

【作用】

本考案のインクリボンカセットによれば、一対の巻取・供給ハブの巻取側とな る方の上面と該上面に対向するカセットの上ハーフ内面、及び他方の巻取・供給 ハブの下面と該下面に対向するカセットの下ハーフ内面に摩擦付与手段を設け、 それぞれの対向ハブ面とハーフ面はカセットの上面側の位置にある際に、非接触 状態となるように配されており、上記ハブ面が上面となるときの巻取・供給ハブ を巻取り機能として作用するようにプリンターに装着すると、その巻取り側のハ ブ上面は上ハーフ内面から離れるので、何等摩擦付与手段が機能しない。一方、 供給側のハブの摩擦付与手段はそのハブの下側にあり、そのハブの自重によりハ ブ下面と下ハーフ内面が押圧されているので、摩擦付与機能を十分に発揮し、リ ボンの走行時そのリボンにバックテンションを十分付与する。

【０００８】 従って、それぞれ設けた摩擦付与手段により、バックテンションがインクリボ ンの走行時及び反転走行時において、供給ハブ側のインクリボンに作用し、巻取 ハブ側のインクリボンには作用せず、巻取側ハブの巻取トルクを弱めず、インク リボンが記録紙にとられて印字不良が生じるおそれがなく、インクリボンが蛇行 したり、たるんだりするおそれがない。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案のインクリボンカセットの一実施例を図面を参照して説明する。 図１乃至図５は、本考案のインクリボンカセットの一実施例を示しており、図１ はインクリボンカセットの外観を示す斜視図、図２は図１に示すインクリボンカ セット内部の平面図、図３は図２に示す実施例における走行時のＡ−Ａ線矢視断 面図、図４は図１に示す実施例における巻取機能として働く巻取・供給ハブの上 面と該ハブとの対向する部分とを分解して示した部分拡大斜視図、図５は図２に 示す実施例における反転走行時のＡ−Ａ線矢視断面図である。

【００１０】 本実施例のインクリボンカセット４は、図１及び図２に示す如く、一定の厚み を有する矩形状のケーシングであり、カセット４内にはインクリボン用巻取・供 給ハブ２、３が収納されている。インクリボン１は、巻取・供給ハブ２から案内 ピン９ａ、案内ローラ９ｂ、９ｃ、９ｄ、９ｅ及び案内ピン９ｆを介して巻取・ 供給ハブ３に張設されている。また、カセット４には凹部４ａ、４ｂが形成され 、各凹部におけるインクリボン１はカセット４から露出している。

【００１１】 インクリボンカセット４は通常平らな面を水平方向に向けてプリンター内に載 置される。そして、図１においてカセット４のＡ面を上面として、プリンター内 に載置すると、巻取・供給ハブ２は巻取ハブとして働き、巻取・供給ハブ３は供 給ハブとして働く。また、このとき凹部４ａには印字ヘッド７が臨むようになる 。一方、カセット４の裏面であるＢ面を上面として、プリンター内に載置すると 、巻取・供給ハブ２は供給ハブとなり、巻取・供給ハブ３は巻取ハブとなり、凹 部４ｂには印字ヘッド７が臨むようになる。即ち、カセット４は反転使用可能な 構成となっている。

【００１２】 凹部４ａと４ｂとの間には上記インクリボン１のたるみ取り手段であるスプリ ング６が配せられており、スプリング６はリボン１の側面を付勢力により押圧し 、そのたるみを除いている。 本考案のインクリボンカセットにおける上記バックテンション付与手段５、５ は、図３に示す如く一方の巻取・供給ハブ２の上部及び他方の巻取・供給ハブ３ の下部にそれぞれ形成されている。ハブ２及び３それぞれの両端は小径に形成さ れ、各小径部はカセット４の上ハーフ４１及び下ハーフ４２に形成された軸受け 孔に回転可能に遊嵌挿入されている。ハブ２の上部のバックテンション付与手段 ５は、軸受け孔からはみ出したハブ２の大径部の上面２ａと、該上面２ａに対向 する上ハーフ４１の内面４１ａとによって構成されている。上面２ａ及び上ハー フ４１の内面４１ａには、図４に示す如く、それぞれ凹凸５ａが形成され、両面 が接触すると摩擦抵抗が大きくなるようになっている。また、他方のハブ３の下 面３ｂと該下面３ｂに対向する下ハーフ４２の内面４２ａとにも、上記の供給側 のハブ２に設けたものと同様のバックテンション付与手段５が形成され、このバ ックテンション付与手段５は図３において両面が接触した状態となっている。尚 、軸受け孔からはみ出したハブ２、３の大径部分の長さは、上ハーフ４１と下ハ ーフ４２との離間距離より短くなっている。

【００１３】 以上の如く構成された本考案に係るインクリボンカセットにおいて、カセット ４のＡ面を上面としてプリンターにセットすると、図３に示す如く、走行時には 通常巻取・供給ハブ２、３の下面２ｂ、３ｂは、下ハーフ４２の内面４２ａと回 転自在に当接しているので、上記バックテンション付与手段５の凹凸５ａが設け られている供給側ハブ３の下面３ｄと下ハーフ４２の内面４２ａとの間に大きな 摩擦が発生し、巻取側ハブ２の下面２ａとしたハーフの内面４２ａとの間にはほ とんど摩擦が発生しない。

【００１４】 また、図５に示す如く、カセット４のＢ面を上にした反転走行時には、図３に 示す上述の作用とは全く反対の作用が生じる。即ち、巻取・供給ハブ３、２の下 面３ａ、２ａは、上ハーフ４１と回転自在に当接しているので、上記凹凸５ａの 有無により、供給側ハブ２に大きな摩擦が発生し、巻取側ハブ３にはほとんど摩 擦が発生しない。

【００１５】 従って、本実施例のインクリボンカセットによれば、巻取・供給ハブ２、３の いずれを巻取ハブとして使用しても、供給ハブ側におけるインクリボン１のみに バックテンションが作用することになり、巻取側ハブの巻取トルクを弱めること がなく、インクリボン１が記録紙にとられて印字不良が生じたり、インクリボン １が蛇行したり、たるんだりするおそれがない。

【００１６】 次に、本考案の別の実施例を図６について説明する。図６は別の実施例におけ る図３相当図で、本実施例はバックテンション付与手段１５を変化させた以外は 、図１〜図５に示す実施例と同様に構成されている。 即ち、別の実施例においては、一方の巻取（供給）ハブ１２の上面１２ａに対 向する上ハーフ４１の内面４１ａ、及び他方の（巻取）供給ハブ１３の下面１３ ｂに対向する下ハーフ４２の内面４２ａにそれぞれ摩擦係数の高いフィルム１５ ａを、貼付けるか又はコーティングにより設けてある。本実施例の場合、図６に 示す如く、走行時には通常巻取・供給ハブ１２、１３の下面は、下ハーフ４２と 回転自在に当接しているので、上記フィルム１５ａの有無により、供給側ハブ１ ３に大きな摩擦が発生し、巻取側ハブ１２にはほとんど摩擦が発生しない。

【００１７】 従って、この実施例による場合も、先の実施例のインクリボンカセットによる 場合と同様に、印字時にインクリボン１１が記録紙にとられて印字不良が生じた り、インクリボン１１が蛇行したり、たるんだりするおそれがない。 本考案のインクリボンカセットは上記実施例に示すものに限定されるものでは なく、例えば、上記バックテンション付与手段は、上記インクリボン走行時に供 給側ハブに摩擦を付与する構造となっていればよい。

【００１８】

【考案の効果】

本考案のインクリボンカセットは、巻取・供給ハブそれぞれに設けられたバッ クテンション付与手段が適宜に働くので、印字時にインクリボンが記録紙にとら れて印字不良が生じたり、インクリボンが蛇行したり、たるんだりするおそれが ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のインクリボンカセットの一実施例をイ
ンクリボンカセットの外観を示す斜視図である。

【図２】図１に示す実施例のインクリボンカセット内部
の平面図である。

【図３】図２に示す実施例のインクリボンの走行時のＡ
−Ａ線矢視断面図である。

【図４】図１に示す実施例のインクリボンの巻取機能と
して働く巻取・供給ハブの上面と該ハブとの対向する部
分とを分解して示した部分拡大斜視図である。

【図５】図１に示す実施例のインクリボンの反転走行時
のＡ−Ａ線矢視断面図である。

【図６】別の実施例における図３相当図である。

【符号の説明】

１ インクリボン ２ 巻取・供給ハブ（巻取側ハブ） ２ａ 巻取側ハブ上面 ３ 巻取・供給ハブ（供給側ハブ） ３ｂ 供給側ハブ下面 ４ カセット ４１ 上ハーフ ４２ 下ハーフ ４１ａ 上ハーフの内面 ４２ａ 下ハーフの内面 ５ バックテンション付与手段 ５ａ 凹凸 ６ たるみ取りスプリング

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクリボンの一対の巻取・供給ハブを
   収納したカセット内に、上記インクリボンにバックテン
   ションを付与するバックテンション付与手段と、上記イ
   ンクリボンの弛みを取るたるみ取り手段とを備え、該カ
   セットの表と裏を反転させて装置に装着することによ
   り、一対の巻取・供給ハブにおけるそれぞれの巻取り機
   能及び供給機能が逆転する反転使用可能なインクリボン
   カセットにおいて、 上記バックテンション付与手段は、一対の巻取・供給ハ
   ブの巻取側のなる方の上面と該上面に対向するカセット
   の上ハーフ内面、及び他方の巻取・供給ハブの下面と該
   下面に対向するカセットの下ハーフ内面とに形成或いは
   その間に配される摩擦付与手段であり、且つ前記それぞ
   れの対向ハブ面とハーフ面はカセット上面側の位置にあ
   る際に、非接触状態となるように配せられていることを
   特徴とするインクリボンカセット。
2. 【請求項２】 上記摩擦付与手段が、ハブの上面若しく
   は下面、又は／及び該ハブの上面若しくは下面に対向す
   るハーフの内面に設けた凹凸部からなる、請求項１記載
   のインクリボンカセット。
3. 【請求項３】 上記摩擦付与手段が、ハブの上面若しく
   は下面、又は／及び該ハブの上面若しくは下面に対向す
   るハーフの内面に貼付けた又はコーティングにより設け
   た、摩擦係数の高いフィルムからなる、請求項１記載の
   インクリボンカセット。