JPH05242476A - 塗布方法 - Google Patents

塗布方法

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JPH05242476A
JPH05242476A JP7935792A JP7935792A JPH05242476A JP H05242476 A JPH05242476 A JP H05242476A JP 7935792 A JP7935792 A JP 7935792A JP 7935792 A JP7935792 A JP 7935792A JP H05242476 A JPH05242476 A JP H05242476A
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JP
Japan
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roll
coating
film
protective film
magnetic
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JP7935792A
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English (en)
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Yoshio Tanno
嘉雄 丹野
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗膜の表面性を容易に制御しうるとともに、
この塗膜を形成するための装置の小型化を図ることが可
能な塗膜方法を提供する。 【構成】 非磁性支持体3上に真空蒸着法により強磁性
金属薄膜を成膜した後、従来のようにバックロールを用
いずに、上記非磁性支持体3を2つのガイドロール1
3,14により支持し走行させながら、強磁性金属薄膜
の表面に保護膜材料の塗液8を供給する。同時に、上記
ガイドロール13,14間に張られた非磁性支持体3を
上記塗液8の供給手段4に対して押圧する。この時、上
記非磁性支持体3にかけられる張力を調節することによ
って上記強磁性金属薄膜の表面に形成される塗膜の表面
性が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体の表面に
形成される保護膜等の塗膜の塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばビデオテープレコーダ(VTR)
等の分野においては、高画質化を図るために、高密度記
録化が一層強く要求されており、これに対応する磁気記
録媒体として、金属あるいはCo−Ni等の合金からな
る磁性材料をメッキや真空薄膜形成技術(真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法等)により
直接基板上に被着せしめて磁性層を形成する、所謂強磁
性金属薄膜型の磁気記録媒体が提案されている。
【0003】この強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体は、
保磁力、角形比及び短波長域における電磁変換特性に優
れるばかりでなく、磁性層の薄膜化が可能であるために
記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいことや、磁
性層中に非磁性材料である結合剤等を混入する必要がな
いために磁性材料の充填密度を高くできること等、数々
の利点を有しており、例えばCo−Cr薄膜を磁性層と
する垂直磁気記録媒体を利用したシステムも開発されて
いる。
【0004】ところで、上述のような高密度記録化に伴
い、磁気記録媒体のトラック密度や記録密度の増加が図
られている。このように記録密度が高められると、スペ
ーシングロスが大きくなるので、その悪影響を防止する
ために磁気記録媒体の表面は平滑化される傾向にある。
ところが、磁気記録媒体の表面が平滑すぎると、磁気ヘ
ッドと媒体が吸着を引起し、摩擦力が増大する。このた
め、媒体に生じる剪断力が大きくなり、磁気記録媒体が
大きな損傷を受けてしまう。
【0005】これに対して、強磁性金属薄膜上にカーボ
ン膜やSiO2 膜等からなる保護膜を形成することによ
り、磁気ヘッドと媒体間の摩擦力を低下させて、耐摩耗
性、摺動耐久性の向上を図る方法が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような保護膜を形
成する方法としては、従来よりグラビア方式による塗布
方法が一般に採用されている。このグラビア方式による
塗布方法においては、例えば図4に示すような構成を有
する塗布装置が使用されている。この塗布装置において
は、図中反時計回り方向に回転するようになされたグラ
ビアロール53と、図中時計回り方向に回転するように
なされたバックロール52とが図中上下方向に対向配設
される。これら一対のグラビアロール53とバックロー
ル52間には、強磁性金属薄膜が成膜された非磁性支持
体51が順次送り込まれ、上記バックロール52の表面
で支持され走行される非磁性支持体51上の強磁性金属
薄膜の表面に、上記グラビアロール53の表面に供給さ
れた保護膜材料56が転写されて塗膜が形成される。
【0007】上記グラビアロール53の側方には、該グ
ラビアロール53よりも小径のニーダーロール54が近
接配置され、このニーダーロール54と上記グラビアロ
ール53の間の空間に、その上方に配設された塗液ノズ
ル55から保護膜材料56の塗液が供給される。そし
て、この保護膜材料56は、上記ニーダーロール54の
表面により押圧されて上記グラビアロール53の表面に
設けられたV字型の溝内に入り込み、所定量の保護膜材
料56が上記グラビアロール53の表面に保持されて上
記グラビアロール53の回転とともに運ばれて、上述の
ように強磁性金属薄膜の表面に供給される。この時、上
記バックロール52により上記非磁性支持体51が上記
グラビアロール53の表面に押圧され、上記保護膜材料
56が強磁性金属薄膜の表面に確実に転写されるように
なされるとともに、得られる塗膜の塗布厚が均一になる
ようになされている。
【0008】ところが、このような装置構成を有する塗
布装置を用いた場合、上記バックロール52が大径であ
ることから、装置が大きくなり、装置の小型化を図る上
で非常に不利である。
【0009】また、上記バックロール52の表面に傷が
生じていたり、付着物が存在していたりすると、該バッ
クロール52の表面形状が上記塗膜の表面に転写され、
突起や窪みが形成されることによって得られる保護膜の
表面性が劣化するという問題が生じる。更に、このよう
なバックロール52の表面の傷や付着物によって上記グ
ラビアロール53の表面が損傷を受ける虞れもある。
【0010】そこで本発明は、上述の従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、保護膜をはじめ磁気記録媒体
の表面に形成される塗膜の表面性を容易に制御しうると
ともに、この塗膜を形成するための装置の小型化を図る
ことが可能な塗布方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究の結果、塗膜を成膜する際
に、従来のようにバックロールを使用せず、走行してい
る非磁性支持体にかけられるテンションを利用すること
によって磁気記録媒体の表面を押圧することにより、得
られる塗膜の表面性が良好に制御されることを見出し、
本発明を完成するに到った。
【0012】即ち、本発明は、磁気記録媒体の表面に塗
膜を形成するに際し、前記磁気記録媒体を一対のガイド
ロール間に張架して走行せしめ、これらガイドロール間
に張架された磁気記録媒体を表面に塗液が供給された塗
布ロールに押圧することを特徴とするものである。
【0013】本発明の塗布方法は、磁気記録媒体の表面
に塗膜を形成する際に用いられるものであり、例えば保
護膜を形成する工程に使用して好適である。また、この
他、非磁性支持体の表面に下塗り膜を形成する工程やバ
ックコート層、トップコート層等を形成する工程等に広
く適用することができ、特に限定されない。本発明で
は、これら塗膜を形成を形成するに際し、磁気記録媒体
を連続的に走行させながら、該磁気記録媒体の表面に所
定の塗液を供給して塗膜を形成する。
【0014】この時、従来のようにバックロールを使用
せず、一対のガイドロール間に上記磁気記録媒体を張架
して走行せしめ、これらガイドロール間に張架された磁
気記録媒体のテンションを利用して塗液の転写を行う。
これにより、大掛かりな装置構成を必要とせずに所定の
塗液を磁気記録媒体の表面に連続的に供給することがで
きると同時に、得られた塗膜の表面性を容易に制御する
ことができる。また、バックロールにより押圧する場合
のように、バックロール表面の傷や付着物による塗膜の
表面性の劣化を回避することができる。
【0015】なお、上記一対のガイドロールには、テン
ションベルトを掛けわたし、このテンションベルトによ
って上記磁気記録媒体の背面側を支持するようにしても
良い。これにより、上記ガイドロール間に張架された磁
気記録媒体のテンションを均一にかけることができ、得
られる塗膜の表面性の向上を図る上で有効となる。
【0016】上記塗液を磁気記録媒体の表面に供給する
手段としては、塗布ロールが使用される。この塗布ロー
ルは、表面に塗液を保持し、その回転とともに前記塗液
を運搬して、上記ガイドロール間を走行している磁気記
録媒体の表面に供給するような構成を有するものであ
る。この塗布ロールとしては、例えばグラビアロールが
一般に使用されるが、この他ゴムロール等が使用可能で
ある。
【0017】また、本発明では、上記塗布ロールの表面
に塗液を供給する手段として、ニーダーロールが使用さ
れることが望ましい。このニーダーロールは、上記塗布
ロールと接して配設され、これらニーダーロールと塗布
ロールの間の空間に塗液を供給することによってニーダ
ーロールの表面により塗液が塗布ロールの表面に押し付
けられるために、該塗液を塗布ロールの表面に確実に保
持せしめることができる。
【0018】この時、塗布ロールとしてゴム製のものが
使用させる場合には、塗布ロールの表面に保持される塗
液の量を制御するために、表面に所定のグラビアパター
ンを有するニーダーロールが使用されることが望まし
い。
【0019】更に、本発明では、上記塗布ロールと接し
てドクターロールが配設されることが望ましい。このド
クターロールは、塗布ロールの表面に供給された塗液の
量を規制するものであり、上記塗液を磁気記録媒体の表
面に供給する前に、このドクターロールを上記塗液が保
持された塗布ロールの表面に押圧することにより、得ら
れる塗膜の表面性が一層向上される。
【0020】なお、上記塗液の種類は、特に限定される
ものではなく、形成すべき機能膜の種類に応じて適宜選
定されれば良い。例えば、本発明を保護膜の形成工程に
適用する場合、上記塗液の材料としては、カーボン、S
iO2 等が挙げられる。
【0021】また、本発明が適用される磁気記録媒体と
しては、磁性層が真空蒸着法により得られる強磁性金属
薄膜からなる、所謂強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体が
好適である。上記真空蒸着法としては、通常の真空蒸着
法の他、電界、磁界、電子ビーム照射等により蒸気流の
イオン化、加速化等を行って蒸発化学種等の平均自由行
程の大きい雰囲気にて非磁性支持体上に磁性薄膜を成膜
させる方法でも良い。
【0022】この真空蒸着法により強磁性金属薄膜を成
膜するに際し、典型的には斜方蒸着法が採用される。こ
の斜方蒸着法とは、非磁性支持体を所定の方向に回転す
るようになされた冷却キャンの外周面に沿って移動走行
させながら、この非磁性支持体の表面に蒸発源から蒸発
せしめられた磁性材料を所定の入射角をなす方向から入
射させて直接被着せしめる方法である。
【0023】上記強磁性金属薄膜の構成材料としては、
一般的に使用されるものであれば何れでも良いが、具体
的に例示すれば、Fe、Co、Ni等の磁性金属や、F
e−Co、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−Co
−Cr、Co−Ni−Cr、Fe−Co−Ni−Cr等
が挙げられる。また、上記非磁性支持体としては、通常
この種の磁気記録媒体において使用されるものが何れも
使用可能であり、例えばポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル
樹脂や芳香族ポリアミドフィルム、ポリイミド樹脂フィ
ルム等が挙げられる。
【0024】
【作用】磁気記録媒体の表面に塗膜を形成するに際し、
磁気記録媒体を一対のガイドロール間に張架して走行さ
せる。これにより、従来のように大径を有するバックロ
ールを使用しなくても、非磁性支持体が順次走行せしめ
られ、連続的に磁気記録媒体の表面に所定の塗液を供給
できる。
【0025】またこの時、上記一対のガイドロール間に
張架された磁気記録媒体を表面に塗液が供給された塗布
ロールに押圧することにより、バックロールにより押圧
する場合のように、バックロール表面の傷や付着物によ
って塗膜の表面性を劣化させることなく、上記塗布ロー
ルの表面に保持された塗液が磁気記録媒体の表面に確実
に転写される。
【0026】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。実施例1 本実施例は、一対のガイドロールに非磁性支持体を張架
して走行させながら、この非磁性支持体上に形成された
強磁性金属薄膜の表面に保護膜を形成した例である。
【0027】先ず、本実施例において保護膜を成膜する
工程において使用した塗布装置の構成について説明す
る。
【0028】この塗布装置においては、図1に示すよう
に、強磁性金属薄膜が成膜された非磁性支持体3が巻き
出しロール1から巻き取りロール2に亘って順次走行さ
れる中途部に、図中反時計回り方向に回転するようにな
されたグラビアロール4(ここでは外径250mmのも
のを使用した。)が配設される。このグラビアロール4
は、上記巻き出しロール1から送り出された非磁性支持
体3の図中下方に配設され、このグラビアロール4上を
上記非磁性支持体3が通過する際に、該非磁性支持体3
上に形成された強磁性金属薄膜の表面に保護膜材料の塗
液8が塗布されるような構成とされている。
【0029】このグラビアロール4は、金属製〔本実施
例では、鋼材(SS41)を使用し、その表面を10μ
m厚のクロムメッキ処理を施した。〕の円筒状体であ
り、上記非磁性支持体3の幅と略等しい幅を有するとと
もに、表面に所定のパターンでV字型の溝が形成されて
いる。
【0030】一方、このグラビアロール4の側方には、
該グラビアロール4より小径で且つ図中時計回り方向に
回転するようになされたニーダロール6(ここでは外径
100mmのものを使用した。)が近接して設けられ
る。このニーダロール6と上記グラビアロール4の間の
空間には、その上方に配設された塗料ノズル7より保護
膜材料の塗液8が供給される。そして、この塗液8は、
上記ニーダロール6の表面によって上記グラビアロール
4の表面に設けられた溝内に押し付けられ、所定量の塗
液8が保持されて上記グラビアロール4の回転とともに
運ばれ、上記強磁性金属薄膜の表面に供給される。ここ
で、強磁性金属薄膜の表面に形成される塗膜の塗布厚を
一定とするために、上記溝の対向する2つの傾斜面のな
す角を90°とし、この溝内に供給される塗液8の量を
制御している。また、この溝は、その延在方向が該グラ
ビアロール4の軸方向に対して65°の角度をなすパタ
ーンで形成される。これにより、溝内に保持された塗液
8が上記強磁性金属薄膜の表面に良好に転写することが
できる。
【0031】なお、上記グラビアロール4及びニーダロ
ール6の回転速度は、必ずしも上記非磁性支持体3の送
り速度を等しくする必要はない。
【0032】また、上記グラビアロール4の図中上方に
は、アーム部5aと、該アーム部5aに対して直角に枝
分かれしたロール支持部5b,5cとから構成されてな
る圧力調節手段5が配設される。この圧力調節手段5に
おいては、上記アーム部5aの一端部15が固定され、
この一端部15を支点として該アーム部5aが図中A方
向に回動自在とされ、且つ互いに離間して設けられる上
記ロール支持部5b,5cにガイドロール13,14が
それぞれ取り付けられている。そして、これらガイドロ
ール13,14の外周面により上記巻き出しロール1か
ら送り出された非磁性支持体3が支持され走行されるよ
うになされるとともに、上記ガイドロール13,14間
を走行する非磁性支持体3が上記グラビアロール4に対
して押圧するようになされている。
【0033】これにより、非磁性支持体3を連続的に走
行させながら、この非磁性支持体3上の強磁性金属薄膜
の表面に保護膜材料を供給することができる。また、上
記アーム部5aを図中A方向に回動操作させることによ
り、上記ガイドロール13,14間を走行する非磁性支
持体3にかかる張力を適宜調節することができるので、
上記グラビアロール4に対する圧力を常に一定とするこ
とができる。従って、上記グラビアロール4の回転速度
や上記非磁性支持体3の送り速度等の変化に応じて上記
非磁性支持体3の張力を制御することができるので、上
記保護膜材料の塗膜の表面性を良好に制御することがで
きる。
【0034】また、このグラビアロール4と上記巻き取
りロール2の間には、乾燥室9が設けられる。この乾燥
室9は、上記グラビアロール4により塗液8が供給さ
れ、保護膜材料の塗膜が形成された上記非磁性支持体3
が通過するようになされており、この乾燥室9内を前記
非磁性支持体3が移動する間に上記塗膜が乾燥され、保
護膜として成膜される。
【0035】なお、この乾燥室9と上記グラビアロール
4の間には、バースムーザー10が配設されており、こ
のバースムーザー10により上記塗膜の表面がより平滑
化されるようになされている。また、このバースムーザ
ー10と上記乾燥室9の間には、サクションロール11
が配設され、このサクションロール11により上記非磁
性支持体3を支持し走行させるとともに、該非磁性支持
体3の走行方向を90°転換している。
【0036】また、上記巻き出しロール1と上記グラビ
アロール4との間、及び上記乾燥室7と上記巻き取りロ
ール2との間には、ガイドロール9a,9b及びガイド
ロール9cがそれぞれ配設されており、上記巻き出しロ
ール1から巻き取りロール2に亘って移動走行される上
記非磁性支持体3に対して適当なテンションをかけつ
つ、円滑な走行が行われるようになされている。
【0037】従って、このような塗布装置においては、
上記巻き出しロール1から送り出された非磁性支持体3
が上記ガイドロール13,14により支持され走行さ
れ、この非磁性支持体3上の強磁性金属薄膜の表面に上
記グラビアロール4表面の溝内に保持されて運搬された
保護膜材料の塗液8が供給されるとともに、上記ガイド
ロール13,14間に張られた非磁性支持体3が上記グ
ラビアロール4に対して押圧されるようになされてい
る。このため、従来のように大径を有するバックロール
を使用しなくても、強磁性金属薄膜の表面に保護膜材料
の塗膜を表面が均一となるように良好に形成することが
できるので、装置の小型化が図られるとともに、バック
ロール表面の傷や付着物によって塗膜の表面性を劣化さ
せることなく、容易に塗膜の表面性を制御することがで
きる。
【0038】そこで、非磁性支持体上に通常の手法によ
り真空蒸着を行って強磁性金属薄膜を成膜した後、上述
のような構成を有する塗布装置を用いて保護膜を成膜し
て磁気テープを製造した。保護膜の成膜に際し、上記保
護膜材料としてパーフルオロポリエーテル系油(完全フ
ッ素化油)6重量部をフロン113(商品名)100重
量部に溶解して得られた塗液(粘度4cps)を用い、
この塗液を上記グラビアロールとニーダーロールの間に
流量3l/分で供給しながら、上記非磁性支持体を80
m/分の送り速度で連続的に走行させて、この非磁性支
持体上の強磁性金属薄膜の表面に上記塗液を転写して塗
膜を形成した。また、上記グラビアロールの周速は10
0m/分とし、グラビア抱角は30°とした。一方、上
記圧力調節手段に取り付けられた2つのガイドロール間
を走行する非磁性支持体の張力が常に80g/cmとな
るように適宜設定した。
【0039】そして、得られた磁気テープと、比較用と
して従来のグラビア方式による塗布方法により保護膜を
形成した場合(比較例1とする。)とについて、保護膜
の膜厚を測定するとともに、該保護膜の表面に生じた押
し跡等の形状劣化の個数及び厚みムラを調べた。この結
果を下記の表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示すように、従来のグラビア方式を
適用した場合では、従来のようにバックロールにより押
圧した場合に比べて、本実施例では、形状劣化が極めて
すくなく、厚みムラも抑えられていることが判った。
【0042】実施例2 次に、図2に示すように、上記実施例1において使用し
た塗布装置の圧力調節手段5に取り付けられた2つのガ
イドロール13,14の外周面にテンションベルト16
を掛けわたし、それ以外は上述の塗布装置と全く同じ構
成を有する塗布装置を用いて上記実施例1と同様の条件
で保護膜を成膜して磁気テープを製造した。なお、図2
中、上記実施例1において使用した塗布装置と同じ部材
については、同一番号を付して説明を省略した。
【0043】即ち、この塗布装置では、上記巻き出しロ
ール1から送り出された非磁性支持体3の背面側が上記
ガイドロール13,14に巻き付けられたテンションベ
ルト16によって支持される。
【0044】これにより、上記ガイドロール13,14
間を走行する非磁性支持体3がグラビアロール4を押圧
する力がより均等に加えられるようになり、上記保護膜
材料の塗膜の表面性をより良好に制御することができ
る。なお、上記テンションベルト16として、本実施例
では、積層された3枚の布とクロロプレンゴム(商品
名;ネオプレンゴム)が組み合わされたもの(厚さ4.
5mm)を使用したが、特に限定されるものではない。
【0045】そして、この塗布装置を用いて保護膜が成
膜された磁気テープについて、上述と同様に保護膜の膜
厚、形状劣化の個数及び厚みムラを調べ、この結果を上
記表1に併せて示した。
【0046】表1に示すように、本実施例のように、非
磁性支持体をテンションベルトにより押圧した場合で
は、従来のバックロールを使用した場合よりも、形状劣
化が少なく、且つ保護膜の厚みムラが極めて小さくなっ
ており、より均一な保護膜を得ることができた。
【0047】実施例3 本実施例では、上記実施例1において使用した塗布装置
のグラビアロールの代わりに、表面にグラビアパターン
を有しないゴムロールを使用し、同時に該ゴムロールの
側方に配設されるニーダーロールの表面に所定のグラビ
アパターンで溝を形成して(これをグラビアニーダーロ
ールと称する。)、それ以外は上述の塗布装置と全く同
じ構成を有する塗布装置を用いて上記実施例1と同様の
条件で保護膜を成膜して磁気テープを製造した。
【0048】即ち、この塗布装置では、上記塗料ノズル
を介して供給される保護膜材料の塗液は、上記グラビア
ニーダーロールの表面に設けられた溝により一定の量の
みが上記ゴムロールの表面に保持されるようになされ、
このゴムロールの回転とともに運ばれて、上記強磁性金
属薄膜の表面に供給される。このように、上記塗液を凹
凸のないゴムロールの表面に保持せしめ、これを上記強
磁性金属薄膜の表面に転写させることにより、グラビア
パターンのない塗膜を得ることができ、表面性に優れた
保護膜を形成することができる。
【0049】なお、上記ゴムロールとして、本実施例で
は、ブチルゴム製のもの(外径100mm)を使用した
が、これに限るものではない。また、上記グラビアニー
ダーロールとしては、表面がサンドブラスト加工により
所定のグラビアパターン(グラビア抱角30°)に加工
されてなる金属製のもの(外径50mm)を使用した。
【0050】そして、この塗布装置を用いて保護膜が成
膜された磁気テープと、比較用として従来のグラビア方
式による塗布方法により保護膜を形成した場合(比較例
2とする。)を用いて、上述と同様に保護膜の膜厚、形
状劣化の個数を調べ、更に各磁気テープの耐久性を調べ
た。この結果を下記の表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】表2に示すように、本実施例のように、保
護膜材料をゴムロールを用いて上記強磁性金属薄膜の表
面に供給した場合には、従来法により成膜した場合に比
べて、保護膜表面の形状劣化が少なく、表面性に優れた
保護膜を形成することができる。また、本実施例では、
得られる保護膜の膜厚が薄くても良好な保護膜効果が得
られ、耐久性が著しく向上することが判った。
【0053】実施例4 本実施例は、図3に示すように、上記実施例3において
使用した塗布装置のゴムロール4の側方に、該ゴムロー
ル4より小径のドクターロール17が配設された塗布装
置を用いて上記実施例1と同様の条件で保護膜を成膜し
て磁気テープを製造した。なお、この塗布装置は、上記
実施例1において使用した塗布装置と基本的な装置構成
を同じくするものであり、従って図3中、上記実施例1
において使用した塗布装置と同じ部材については、同一
番号を付して説明を省略した。
【0054】即ち、この塗布装置では、上記塗料ノズル
7より供給され、ニーダーロール19により所定量のみ
が上記ゴムロール18の表面に保持されて運搬されるよ
うになされた塗液8が、上記ガイドロール13,14間
を走行する非磁性支持体3上の強磁性金属薄膜の表面に
供給される前に、上記ドクターロール17により押圧さ
れる。これにより、上記ゴムロール18の表面に保持さ
れている塗液8が上記ドクターロール17により掻き落
とされ、更にその厚みが薄くされるとともに、表面が均
一にされる。この結果、上記強磁性金属薄膜の表面に形
成される塗膜の表面がより均一にされ、且つその膜厚が
上記ゴムロール18に対する上記ドクターロール17の
圧力を適宜制御することによって任意に制御できるよう
になる。
【0055】なお、上記ニーダーロール19及び上記ド
クターロール17としては、表面がテフロン処理されて
なるブチルゴム製のもの(外径50mm)をともに使用
した。そして、この塗布装置を用いて保護膜が成膜され
た磁気テープと、比較用として従来のグラビア方式によ
る塗布方法により保護膜を形成した場合(比較例2とす
る。)を用いて、上述と同様に保護膜の膜厚、形状劣化
の個数を調べ、更に各磁気テープの耐久性を調べた。こ
の結果を上記表2に併せて示した。
【0056】表2に示すように、本実施例のように、保
護膜材料を強磁性金属薄膜の表面に供給する前に、該保
護膜材料をドクターロールにより押圧した場合では、保
護膜表面の形状劣化が少なく、表面性に優れた保護膜を
形成することができるだけでなく、保護膜を極めて薄く
形成することができた。また、本実施例では、保護膜の
膜厚が僅か200Åであるにもかかわらず、極めて良好
な保護膜効果が得られ、優れた耐久性を実現することが
できた。このように、保護膜の膜厚を極めて薄くできる
ことは、スペーシングロスを抑えて、高電磁変換特性を
確保する上でも非常に有利である。
【0057】なお、本実施例では、上記塗布装置により
保護膜を形成したが、これに限らず、例えばバックコー
ト層を形成する際にも使用することが可能である。
【0058】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、従来のように大径のバックロールを用いずに、
2つのガイドロールのみで磁気記録媒体を連続的に走行
させながら塗液の転写を行っているので、装置の小型化
を図ることができるとともに、バックロールにより押圧
する場合のように、バックロール表面の傷や付着物によ
って塗膜の表面性を劣化させることなく、良好に塗膜の
表面性を制御することができる。また、本発明では、従
来のように、バックロールの損傷に伴うロール交換等が
不必要となるので、メンテナンス性の点でも有利であ
る。
【0059】また、本発明によれば、得られた保護膜の
表面性が良好となるので、走行耐久性を著しく向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した保護膜の形成工程において使
用される塗布装置の構成の一例を示す模式的な断面図で
ある。
【図2】本発明を適用した保護膜の形成工程において使
用される塗布装置の構成の他の例を示す模式的な断面図
である。
【図3】本発明を適用した保護膜の形成工程において使
用される塗布装置の構成の更に他の例を示す模式的な断
面図である。
【図4】従来のグラビア方式を適用した保護膜の塗布手
段の構成を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
3・・・非磁性支持体 4・・・グラビアロール 5・・・圧力調節手段 6・・・ニーダーロール 8・・・塗液 9・・・乾燥室 13,14・・・ガイドロール 16・・・テンションベルト 17・・・ドクターロール 18・・・ゴムロール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体の表面に塗膜を形成するに
    際し、前記磁気記録媒体を一対のガイドロール間に張架
    して走行せしめ、これらガイドロール間に張架された磁
    気記録媒体を表面に塗液が供給された塗布ロールに押圧
    することを特徴とする塗布方法。
  2. 【請求項2】 前記一対のガイドロールにテンションベ
    ルトを掛けわたし、該テンションベルトによって磁気記
    録媒体の背面側を支持することを特徴とする請求項1記
    載の塗布方法。
  3. 【請求項3】 塗布ロールと接してニーダーロールが設
    けられ、該ニーダーロールと塗布ロールの間の空間に塗
    液が供給されることを特徴とする請求項1記載の塗布方
    法。
  4. 【請求項4】 塗布ロールと接して該塗布ロールの表面
    に供給された塗液の量を規制するドクターロールが設け
    られていることを特徴とする請求項1記載の塗布方法。
JP7935792A 1992-02-29 1992-02-29 塗布方法 Withdrawn JPH05242476A (ja)

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