JPH05242440A - 回転ドラム装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、回転ドラム装置において、簡易な構
成で調整作業無しに所望の円筒度を得るものである。 【構成】ドラム支えに、上及び下ドラムに応じた半径を
有する円弧面で、上ドラムに接触して保持する第１のド
ラム当接面と、その第１のドラム当接面と同じ半径で半
径中心が円筒度に応じて異なる円弧面で、下ドラムに接
触して保持する第２のドラム当接面とを設けるようにし
た。これにより、上及び下ドラムをそれぞれ第１及び第
２のドラム当接面に接触させて締結することにより、所
望の円筒度を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は回転ドラム装置に関し、
特に上ドラム固定構造を有する回転ドラム装置に適用し
得る。

【０００２】

【従来の技術】従来、下ドラムに対して上ドラムが固定
されたいわゆる上ドラム固定構造の回転ドラム装置にお
いては、上ドラム及び下ドラム間に配置された中ドラム
上に磁気ヘツドが搭載されている。そして中ドラムが回
転することにより、上及び下ドラムの周側面に斜めに巻
着された磁気テープをヘリカルスキヤンし、所望のビデ
オ信号やオーデイオ信号を記録したり再生し得るように
なされている。

【０００３】すなわち、図４に示すように上ドラム固定
構造を有する回転ドラム装置１においては、上及び下ド
ラム２及び３を固定する構造上ドラム支え４を有する。
このドラム支え４のドラム当接面４Ａには、ドラム外径
と同一の曲率Ｒを有する円弧面が形成されており、この
円弧面に上及び下ドラム２及び３の外径を組み合わせる
ことにより、上及び下ドラム２及び３の周側面をドラム
当接面４Ａの広い面積で受け、これをボルト等で締結し
て下ドラム３に対して上ドラム２が固定されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところでかかる構成の
回転ドラム装置１においては、磁気テープをヘリカルス
キヤンするため、上ドラム２及び下ドラム３は所定のオ
フセツトを有する円筒度として取り付けることが必要に
なる。

【０００５】ところが上述の回転ドラム装置１の構成で
は、ドラム支え４のドラム当接面４Ａが、上及び下ドラ
ム２及び３に対する面ともに、円弧の半径中心が一致し
ているため、このまま上及び下ドラム２及び３を取り付
けると、所望の円筒度が出せない。従つて従来はスペー
サ５を上又は下ドラム２又は３とドラム支え４の間に入
れて、所望の円筒度を得るようになされている。

【０００６】実際上この円筒度の調整作業として、例え
ば下ドラム３とドラム支え４の間にスペーサ５を入れる
場合には、ドラム支え４を下ドラム３より取り外さなけ
ればならず煩雑な手間がかかり、さらに一回の作業で所
望の円筒度が得られない場合には、下ドラム３を取り外
してスペーサ５を入れる作業を繰り返し行わなければな
らい問題があつた。

【０００７】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、簡易な構成で調整作業無しに所望の円筒度を得るこ
とのできる回転ドラム装置を提案しようとするものであ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、上ドラム１１及び下ドラム１２間
に配置された中ドラム１６に磁気ヘツド１７が搭載さ
れ、上及び下ドラム１１及び１２の周側面に巻着された
磁気テープをヘリカルスキヤンする回転ドラム装置１０
において、上及び下ドラム１１及び１２を保持するドラ
ム支え１３に、上及び下ドラム１１及び１２に応じた半
径Ｒを有する円弧面でなり、上ドラム１１に接触して保
持する第１のドラム当接面１３Ａと、その第１のドラム
当接面１３Ａと同じ半径Ｒで、半径中心Ｏ１が円筒度に
応じて第１のドラム当接面１３Ａと異なる円弧面でな
り、下ドラム１２に接触して保持する第２のドラム当接
面１３Ｂとを設けるようにした。

【０００９】

【作用】ドラム支え１３に、上及び下ドラム１１及び１
２に応じた半径Ｒを有する円弧面で、上ドラム１１に接
触して保持する第１のドラム当接面１３Ａと、その第１
のドラム当接面１３Ａと同じ半径Ｒで半径中心Ｏ１が円
筒度に応じて異なる円弧面で、下ドラム１２に接触して
保持する第２のドラム当接面１３Ｂとを設けるようにし
たことにより、上及び下ドラム１１及び１２をそれぞれ
第１及び第２のドラム当接面に接触させて締結すること
により、所望の円筒度を得ることができる。

【００１０】

【実施例】以下図面について、本発明の一実施例を詳述
する。

【００１１】（１）回転ドラム装置の全体構成 図３において、１０は全体として本発明を適用した回転
ドラム装置の全体構成を示し、上ドラム１１及び下ドラ
ム１２がドラム支え１３で固定されたいわゆる上ドラム
固定構造を有している。この上及び下ドラム１１及び１
２はそれぞれ同一の外径を有する円筒形形状で、内部に
所定の空間を有して形成され、上下方向に所定のすき間
を有するように、ドラム支え１３を通じてボルト等で締
結されている。

【００１２】また上及び下ドラム１１及び１２の内部に
は、ドラム軸１４に連通したモータ１５に駆動されて回
転する中ドラム１６が配置され、この中ドラム１６上に
磁気ヘツド１７が搭載されている。磁気ヘツド１７は先
端が上及び下ドラム１１及び１２のすき間から僅かに突
出するようになされ、モータ１５の回転駆動によつて中
ドラム１６が回転することにより、上及び下ドラム１１
及び１２の周側面に斜めに巻着された磁気テープ（図示
せず）をヘリカルスキヤンし、所望のビデオ信号やオー
デイオ信号を記録したり再生し得るようになされてい
る。

【００１３】ドラム軸１４は下ドラム１２の内部に形成
された円筒形状の軸受部と、下ドラム１２の下部に配置
されたモータ１５のハウジングにそれぞれベアリング１
８を介して回転自在に取り付けられている。また中ドラ
ム１６は、上下に例えば８チヤンネル分の回転トランス
１９Ａ及び１９Ｂが一体に配置されたフランジ２０を介
してドラム軸１４に取り付けられている。さらにこれら
の回転トランス１９Ａ及び１９Ｂに対向するように、回
転トランスのステータ組立部２１Ａ及び２１Ｂが配置さ
れている。

【００１４】中ドラム１６の上部には増幅回路等が配置
され、中ドラム１６と共に回転するアンプ基板２２が取
り付けられ、これにより磁気ヘツド１７より得られる再
生信号が増幅され、それぞれ回転トランス１９Ａ及び１
９Ｂとステータ組立部２１Ａ及び２１Ｂとを通じて外部
の信号処理回路に送出されたり、逆に外部の信号処理回
路から、それぞれステータ組立部２１Ａ及び２１Ｂと回
転トランス１９Ａ及び１９Ｂとを通じて入力された記録
信号を増幅して磁気ヘツド１７に供給するようになされ
ている。

【００１５】またこの回転ドラム装置１０においては、
モータ１５の下部にスリツプリング２３が配置されてお
り、これにより例えば磁気ヘツド１７として圧電素子で
なるバイモルフを用いて、磁気ヘツド１７のドラム軸１
４方向の高さを可変制御するＤＴヘツドを用いる場合の
制御電圧を外部より供給し得るようになされている。

【００１６】（２）実施例の回転ドラム装置 ここでこの実施例の回転ドラム装置１０の場合、図３と
の対応部分に同一符号を付した図１に示すように、ドラ
ム支え１３にはそれぞれ上及び下ドラム１１及び１２に
当接する第１及び第２のドラム当接面１３Ａ及び１３Ｂ
が形成されている。

【００１７】実際上、この第１及び第２のドラム当接面
１３Ａ及び１３Ｂは、その円弧形状の半径中心Ｏ及びＯ
１がドラム支え１３の任意の点Ｐを中心に、上及び下ド
ラム１１及び１２の取り付け後の円筒度に応じた角度θ
だけずらされて配置されている。

【００１８】従つて図２に示すように、ドラム支え１３
の第１及び第２のドラム当接面１３Ａ及び１３Ｂに、そ
れぞれ上及び下ドラム１１及び１２を接触させ、例えば
ボルト等で締結することにより、取り付け後の上及び下
ドラム１１及び１２に所望の円筒度を得るようになされ
ている。

【００１９】以上の構成によれば、ドラム支え１３に、
上及び下ドラム１１及び１２に応じた半径Ｒの円弧面
で、上ドラム１１に対する第１のドラム当接面１３Ａ
と、その第１のドラム当接面１３Ａと同じ半径Ｒで半径
中心Ｏ１が円筒度に応じて異なる円弧面で、下ドラム１
２に対する第２のドラム当接面１３Ｂとを設けるように
したことにより、上及び下ドラム１１及び１２をそれぞ
れ第１及び第２のドラム当接面に接触させて締結するこ
とにより、調整作業無しに常に所望の円筒度を得ること
ができる回転ドラム装置１０を実現できる。

【００２０】（３）他の実施例 （３−１）上述の実施例においては、第１及び第２のド
ラム当接面１３Ａ及び１３Ｂを、その円弧形状の半径中
心Ｏ及びＯ１がドラム支え１３の任意の点Ｐを中心に、
上及び下ドラム１１及び１２の取り付け後の円筒度に応
じた角度θだけずしたが、これに代え、ドラム当接面の
加工用工具の中心をずらして上下のドラム当接面の半径
中心を一致させないようにしても上述の実施例と同様の
効果を実現できる。

【００２１】

【発明の効果】上述のように本発明によれば、ドラム支
えに、上及び下ドラム及びに応じた半径を有する円弧面
で、上ドラムに接触して保持する第１のドラム当接面
と、その第１のドラム当接面と同じ半径で半径中心が円
筒度に応じて異なる円弧面で、下ドラムに接触して保持
する第２のドラム当接面とを設けるようにしたことによ
り、上及び下ドラム及びをそれぞれ第１及び第２のドラ
ム当接面に接触させて締結することにより、簡易な作業
で常に所望の円筒度を得ることができる回転ドラム装置
を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による回転ドラム装置のドラム支えの一
実施例を示す略線的平面図である。

【図２】図１のドラム支えに上及び下ドラムを取り付け
た状態を示す略線的平面図である。

【図３】本発明を適用した回転ドラム装置の全体構成を
一部断面をとつて示す側面図である。

【図４】従来の回転ドラム装置を示す略線的平面図であ
る。

【図５】図４の回転ドラム装置における円筒度の調整方
法を示す略線的平面図である。

【符号の説明】

１、１０……回転ドラム装置、２、１１……上ドラム、
３、１２……下ドラム、４、１３……ドラム支え、４
Ａ、１３Ａ、１３Ｂ……ドラム当接面、１４……ドラム
軸、１５……モータ、１６……中ドラム、１７……磁気
ヘツド、１８……ベアリング、１９Ａ、１９Ｂ……回転
トランス、２０……フランジ、２１Ａ、２１Ｂ……回転
トランスのステータ組立部、２２……アンプ基板、２３
……ボルト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上ドラム及び下ドラム間に配置された中ド
   ラムに磁気ヘツドが搭載され、上記上及び下ドラムの周
   側面に巻着された磁気テープをヘリカルスキヤンする回
   転ドラム装置において、 上記上及び下ドラムを保持するドラム支えに、 上記上及び下ドラムに応じた半径を有する円弧面でな
   り、上記上ドラムに接触して保持する第１のドラム当接
   面と、 当該第１のドラム当接面と同じ上記半径で、半径中心が
   円筒度に応じて上記第１のドラム当接面と異なる円弧面
   でなり、上記下ドラムに接触して保持する第２のドラム
   当接面とを具えることを特徴とする回転ドラム装置。