JPH052397Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、乗用田植機等の移動農機におけるバ
ランスウエートの搭載構造に係り、詳しくはバラ
ンスウエートをバンパーに搭載するバランスウエ
ート搭載構造に関する。

(ロ) 従来の技術 従来、移動農機例えば乗用田植機は、機体にお
ける前後の重量バランスを取るためのバランスウ
エートを、機体前端に設けたバンパーに固定して
おり、更に状況に応じて補助ウエートを、該バラ
ンスウエートの上方かバンパーの前方に固定して
搭載している。

そして、肥料タンク等を機体前方に取り付けた
際には機体重心が移動するので、ハンドル作動荷
重を軽減するために、補助ウエート又はバランス
ウエートを適宜取り外すことにて対処している。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかし、上述した従来の乗用田植機では、バラ
ンスウエートや補助ウエートが、バンパーから上
方に突出しているため、苗補給及び肥料補給等の
ためオペレータがステツプ上を歩く際、バランス
ウエート等に足を引掛けて転倒する等の危険を伴
う虞れがある。また、補助ウエート等がバンパー
よりも機体前方に突出されている場合、田植機を
倉庫等に格納しようとする場合、補助ウエート等
が邪魔になつて該倉庫に入り切れなかつたり、ま
た機体が前に長くなるため圃場での回行半径が大
きくなつて、小回りがきかない等の不具合を生じ
る虞れがある。

(ニ) 問題を解決するための手段 本考案は、上述問題点を解決することを目的と
するものであつて、例えば第１図ないし第２図に
示すように、機体２前方にバンパー２０を固定
し、かつ該機体２の両側にステツプ２６を設けて
なる移動農機１であつて、前記バンパー２０の中
央部に、バツテリ２２を収納するバツテリ収納部
２３を形成し、また該バンパー２０両端に、バラ
ンスウエート２７を収納・固定するウエート収納
部２５を設け、かつ該ウエート収納部２５が、そ
の前面、側面及び底面を前記バンパー２０にて形
成されると共に、その上方を前記ステツプにて覆
われ、更にその後方が開放されてなる、ことを特
徴とするものである。

(ホ) 作用 上述構成に基づき、田植等の作業に先立つて、
機体前後の重量バランスを調整する際、オペレー
タはステツプ２６の下方からウエート収納部２５
内にバランスウエート２７を挿入し、ボルト２９
にて固定する。この場合、バランスウエート２７
は、バンパー２０両側のウエート収納部２５，２
５の両方又は一方に搭載され、移動農機１は作業
状況に合つた最良の重量バランスに細かく調整さ
れる。

そして、バランスウエート２７を搭載した移動農
機１は、ステツプ２６上方やバンパー２０の前方
にウエート２７を突出することなく、その安全性
を確保される。

(ヘ) 実施例 以下、図面に沿つて、本考案による実施例につ
いて説明する。

乗用田植機１は、第２図及び第３図に示すよう
に、車輪にて支持されている走行機体２を有して
おり、該走行機体２にはエンジン３を覆うボンネ
ツト５及び運転席６が配設されている。そして、
該運転席６にはハンドル７、シート、及び主変速
レバー９が配設されており、更に該ハンドル７の
前方には操作パネル１０が設けられている。

また、前記ボンネツト５はヒンジ１１を中心に
機体前方に自在に回動し得るようにされていると
共に、その前方上部にセンタポール１２が設置さ
れ、かつ後方下部にはボンネツト５を機体２に固
定・解除するロツク装置の握り１３が回動自在に
設置されている。そして、ボンネツト５の下方の
フレーム２ａには、その機体後方側に断面クラン
ク状のプレート状防振材１５が溶着され、かつそ
の機体前方側に防振ゴム取付孔１６（第１図ａ参
照）が穿設されていると共に、該孔１６には防振
ゴムが嵌合・固定されている。更に、これら防振
ゴム及びプレート状防振材１５上には、エンジン
ベースがその一端を防振材１５にボルト止めして
載置されており、該エンジンベース上にはエンジ
ン３が固定されている。

また、第１図ａ，ｂに示すように、フレーム２
ａの前方には、ブラケツト部２０ａをボルト止め
することによりバンパー２０が固定され、かつ該
バンパー２０の中央には、フレーム２ａの前端に
設けた支持台２１上に載置したバツテリ２２を収
納するバツテリ収納部２３が形成されていると共
に、該バツテリ収納部２３の両側にはウエート収
納部２５，２５がそれぞれ形成されている。そし
て、これらウエート収納部２５，２５は、前方及
び側方を折曲面２０ｂにて囲まれていると共に、
上方を、機体２の両側から前方に亘つて設置した
ステツプ２６，２６の前端部にて覆われ、かつ機
体後方に向いた側を開放されている。従つて、バ
ランスウエート２７，２７を前記ウエート収納部
２５，２５に搭載する際には、機体後方に向いた
開放部から挿入して該収納部２５に載置し、更に
その下方から、バランスウエート２７に形成した
ボルト穴にボルト２９を螺入して固定する。更
に、前記バツテリ２２の上方における、ステツプ
２６，２６それぞれの前端部の間には、バツテリ
カバー３０がこれらステツプ２６，２６にボルト
止めされており、これによりバツテリ２２はその
上方を保護されている。

本実施例は、以上のような構成よりなるので、
乗用田植機１を用いて田植作業を行う際、オペレ
ータは該作業に先立つて、バンパー２０両側のウ
エート収納部２５，２５にバランスウエート２７
を適宜搭載して、機体２の前後のバランスを調整
しておく。この際、バランスウエート２７は、ス
テツプ２６下方にてウエート収納部２５の開放部
から機体前方に向けて挿入され、更に該収納部２
５に載置した状態で、下方からそのボルト穴にボ
ルト２９を螺入されて固定される。これにより、
バランスウエート２７はステツプ２６前端部の下
方に完全に隠されて、該ステツプ２６の上方及び
バンパー２０の前方に突出することは無いので、
オペレータがステツプ２６上やバンパー２０の前
方で作業したり歩行する際に、足を引掛けて転倒
する等の危険を回避することができる。

また、ウエート収納部２５，２５は、その前
方、下方、上方及び側方をバンパー２０及びステ
ツプ２６によつて覆われているため、機体走行時
でも泥土がウエート収納部２５，２５内に入りに
くい。また、バランスウエート２７が外部に露出
しないため、外観が良好である。

一方、機体２の前方に収納されたバツテリ２２
は、バランスウエートと同様の働きをする。従つ
て、バランスウエート２７の重畳はバツテリ２２
の分だけ軽くでき、バランスウエート２７の取付
け及び取外しの作業が楽になる。

そして、作業の状況により、機体２の前方に肥
料タンクを搭載した場合、乗用田植機１は該肥料
タンクの重量によつて機体バランスが変化するた
め、バランスウエート２７，２７のうち一方又は
両方を適宜取外すことにより、機体前後のバラン
スを調整して、ハンドル作動時に荷重を軽減す
る。

なお、本実施例では、バランスウエート２７の
ボルト穴は、該ウエート２７の一側から他側に向
けてボルト２９の螺子部を収納する程度に形成さ
れていたが、第４図ａ，ｂに示すように、バラン
スウエート２７′を断面凸状に形成すると共に、
その段部２７′ａから裏面に貫通するようにボル
ト穴３０を形成して、前記バランスウエート２
７′をウエート収納部２５に収納した際、ボルト
２９′をボルト穴３０の上方から下方に向けて貫
通し、かつウエート収納部２５の下方に突出した
ボルト２９′の先端にナツト３１を螺合して、バ
ランスウエート２７′を前記収納部２５内に固定
するように構成しても良い。

(ト) 考案の効果 以上説明したように、本考案によれば、バラン
スウエート２７を収納・固定するウエート収納部
２５を、バンパー２０の両端のステツプ２６下方
に設けたので、田植作業の際等には、バランスウ
エート２７をウエート収納部２５に容易に収納・
固定して、機体前後の重量バランスを簡単に調整
できると共に、バンパー２０の両端のウエート収
納部２５，２５のバランスウエート２７を収納・
固定することで、機体２の重量バランスを更に細
かく調整して、最適な重量バランスとすることが
できる。また、ウエート２７，２７がそれぞれス
テツプ２６，２６の下方に収納されて、バンパー
２０の前方やステツプ２６の上方に突出すること
がないため、作業中等にバランスウエート２７に
つまずいて転倒したり、ぶつかつて傷を負う等の
危険を招く不具合を確実に防止し、走行時におけ
る泥土の侵入を低減することがでると共に、移動
農機１を倉庫に格納する際や、圃場での旋回作業
の際でも、バランスウエートを邪魔にすることな
く、スムーズに格納したり、旋回することがで
き、安全でかつ外観が良く操作性も良い移動農機
１を提供することができる。

さらに、機体２の前方に収納されたバツテリ２
２は、バランスウエートと同様の働きをする。従
つて、バランスウエート２７の重畳はバツテリ２
２の分だけ軽くでき、バランスウエート２７の取
付け及び取外しの作業が楽になる。またさらに、
バランスウエート２７は、機体２の最前方に取り
付けられているため、最小限の重量で機体２のバ
ランスを調整することができる。したがつて、バ
ランスウエート２７を軽くでき、バランスウエー
ト２７の取付け及び取り外しの作業が楽になる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本考案に係るウエート収納部を示す
斜視図、第１図ｂはその正面断面図、第２図は乗
用田植機を示す側面図、第３図はその平面図、第
４図ａはバランスウエートの他の実施例を示す正
面図である。そして、第４図ｂその斜視図であ
る。 １……移動農機（乗用田植機）、２……機体、
２０……バンパー、２５……ウエート収納部、２
２……バツテリ、２３……バツテリ収納部、２６
……ステツプ、２７……バランスウエート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 機体前方にバンパーを固定し、かつ該機体の両
   側にステツプを設けてなる移動農機であつて、 前記バンパーの中央部に、バツテリを収納する
   バツテリ収納部を形成し、また該バンパー両端
   に、バランスウエートを収納・固定するウエート
   収納部を設け、かつ該ウエート収納部が、その前
   面、側面及び底面を前記バンパーにて形成される
   と共に、その上方を前記ステツプにて覆われ、更
   にその後方が開放されてなる、 移動農機におけるバランスウエート搭載構造。