JPH05239243A - 物体の表面処理方法 - Google Patents
物体の表面処理方法Info
- Publication number
- JPH05239243A JPH05239243A JP7685791A JP7685791A JPH05239243A JP H05239243 A JPH05239243 A JP H05239243A JP 7685791 A JP7685791 A JP 7685791A JP 7685791 A JP7685791 A JP 7685791A JP H05239243 A JPH05239243 A JP H05239243A
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- JP
- Japan
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- water
- fluoroalkylsilane
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- chamber
- vacuum
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- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 真空槽31内に光学部品などの処理すべき物品
25を入れ、真空排気する。必要によりヒータ13で容器11
内のフルオロアルキルシラン15および水17を加熱し、バ
ルブ21を開け、配管23から真空槽31内にフルオロアルキ
ルシラン15および水17を蒸発させ、フルオロアルキルシ
ラン15で物品を処理し、物品の表面に撥水性、撥油性な
どを付与する。 【効果】 乾式法により簡単に物品をフルオロアルキル
シラン処理でき、作業性や環境安全性が良好である。
25を入れ、真空排気する。必要によりヒータ13で容器11
内のフルオロアルキルシラン15および水17を加熱し、バ
ルブ21を開け、配管23から真空槽31内にフルオロアルキ
ルシラン15および水17を蒸発させ、フルオロアルキルシ
ラン15で物品を処理し、物品の表面に撥水性、撥油性な
どを付与する。 【効果】 乾式法により簡単に物品をフルオロアルキル
シラン処理でき、作業性や環境安全性が良好である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フルオロアルキルシラ
ンを用いて物体の表面を処理する方法に関する。
ンを用いて物体の表面を処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】化1で表わされるパーフルオロアルキル
基変性シラン等のフルオロアルキルシランは、非粘着
性、耐熱性、耐薬品性、潤滑性等のフルオロアルキル基
の有する優れた性質を具え、また、官能基(この場合、
アルコキシル基)の反応性により基体(物体)表面で反
応する。
基変性シラン等のフルオロアルキルシランは、非粘着
性、耐熱性、耐薬品性、潤滑性等のフルオロアルキル基
の有する優れた性質を具え、また、官能基(この場合、
アルコキシル基)の反応性により基体(物体)表面で反
応する。
【0003】
【化1】CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3
【0004】この反応により、フルオロアルキルシリル
基が基体表面に固定化されて、基体に撥水性、撥油性、
離型性、防汚性、潤滑性などが付与される。
基が基体表面に固定化されて、基体に撥水性、撥油性、
離型性、防汚性、潤滑性などが付与される。
【0005】従来、フルオロアルキルシランによる基体
の表面処理は、パーフルオロアルキルシランなどを、芳
香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素な
どの溶剤で希釈し、この溶液を用いて浸漬法、ハケ塗り
法、スプレー法などにより基体表面に塗布、乾燥するこ
とにより行なっていた。
の表面処理は、パーフルオロアルキルシランなどを、芳
香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素な
どの溶剤で希釈し、この溶液を用いて浸漬法、ハケ塗り
法、スプレー法などにより基体表面に塗布、乾燥するこ
とにより行なっていた。
【0006】しかしながら、溶剤を使用するため、環境
対策や防火対策が必要となり、作業環境も良くなかっ
た。また、フルオロアルキルシランが水と反応して分解
するため、水の混入防止などの対策が必要であった。さ
らに、光学部品などの傷付きやすいものを浸漬処理する
際には、浸漬用治具に光学部品を取り付ける必要があ
り、工程数の増加を招き作業性が悪かった。
対策や防火対策が必要となり、作業環境も良くなかっ
た。また、フルオロアルキルシランが水と反応して分解
するため、水の混入防止などの対策が必要であった。さ
らに、光学部品などの傷付きやすいものを浸漬処理する
際には、浸漬用治具に光学部品を取り付ける必要があ
り、工程数の増加を招き作業性が悪かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、湿式法によ
る上記従来法の欠点を解消し、フルオロアルキルシラン
を用いて乾式法により物体の表面処理をすることを目的
とする。
る上記従来法の欠点を解消し、フルオロアルキルシラン
を用いて乾式法により物体の表面処理をすることを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の物体の表面処理
方法は、フルオロアルキルシランを気化せしめ物体の表
面に接触せしめて物体を処理し、物体の表面上に被膜を
形成することを特徴とする。
方法は、フルオロアルキルシランを気化せしめ物体の表
面に接触せしめて物体を処理し、物体の表面上に被膜を
形成することを特徴とする。
【0009】
【実施例】図1は、本発明の表面処理方法の実施例を示
す説明図である。真空排気ポンプ35が取り付けられた真
空槽31(処理室)内には、ホルダ33に支持された物品(基
体)25が収納されている。このホルダ33は、レンズの真
空蒸着の際に使用される基板ホルダと同様の構造であ
る。真空槽31の外部には、ヒータ13を具え付けた容器11
内にフルオロアルキルシラン15および水17が充填されて
いる。これら容器11からは、バルブ21を介してそれぞれ
配管23が真空槽31内まで延設されており、配管23は真空
槽31内で開口している。
す説明図である。真空排気ポンプ35が取り付けられた真
空槽31(処理室)内には、ホルダ33に支持された物品(基
体)25が収納されている。このホルダ33は、レンズの真
空蒸着の際に使用される基板ホルダと同様の構造であ
る。真空槽31の外部には、ヒータ13を具え付けた容器11
内にフルオロアルキルシラン15および水17が充填されて
いる。これら容器11からは、バルブ21を介してそれぞれ
配管23が真空槽31内まで延設されており、配管23は真空
槽31内で開口している。
【0010】表面処理に際しては、真空排気ポンプ35に
より真空槽31内を所定の真空度まで排気したのち、ホル
ダ33を図中の矢印のように回転しながら、フルオロアル
キルシラン15および水17を真空槽31内に導入する。フル
オロアルキルシラン15および水17は常温、常圧で液体で
あるが、必要によりヒータ13により加熱し、真空槽31の
真空度を調整することにより、蒸発し、真空槽31内に導
かれた配管23の開口部(先端部)より真空槽31内に導入さ
れ、物品25上に被膜を形成する。なお、図示を省略して
あるが、配管23内でフルオロアルキルシラン15あるいは
水17が凝結しないように、配管23をシースヒータ等で加
熱することが望ましい。
より真空槽31内を所定の真空度まで排気したのち、ホル
ダ33を図中の矢印のように回転しながら、フルオロアル
キルシラン15および水17を真空槽31内に導入する。フル
オロアルキルシラン15および水17は常温、常圧で液体で
あるが、必要によりヒータ13により加熱し、真空槽31の
真空度を調整することにより、蒸発し、真空槽31内に導
かれた配管23の開口部(先端部)より真空槽31内に導入さ
れ、物品25上に被膜を形成する。なお、図示を省略して
あるが、配管23内でフルオロアルキルシラン15あるいは
水17が凝結しないように、配管23をシースヒータ等で加
熱することが望ましい。
【0011】この表面処理は、図2のように水とフルオ
ロアルキルシランの官能基とが反応してトリヒドロキシ
化合物となり、これが物品の表面の−OH基と縮合して
表面上にRf−Si基(Rf:フルオロアルキル基)が固
定される。また、隣り合うRf−Si基間の間でも縮合
が起こり、Rf−Si基が網目状に結合して被膜を形成
する。すなわち、H2Oは、触媒として作用することに
なる。ここで、物品の表面の−OH基は、一般に物品表
面に単分子吸着した水分子により供給され、また、ガラ
スやSiO2(SiO)被膜の場合のように素材自体のも
つ−OH基が関与することもある。
ロアルキルシランの官能基とが反応してトリヒドロキシ
化合物となり、これが物品の表面の−OH基と縮合して
表面上にRf−Si基(Rf:フルオロアルキル基)が固
定される。また、隣り合うRf−Si基間の間でも縮合
が起こり、Rf−Si基が網目状に結合して被膜を形成
する。すなわち、H2Oは、触媒として作用することに
なる。ここで、物品の表面の−OH基は、一般に物品表
面に単分子吸着した水分子により供給され、また、ガラ
スやSiO2(SiO)被膜の場合のように素材自体のも
つ−OH基が関与することもある。
【0012】このようにRf−Si基が表面に固定され
ることにより、フルオロアルキル基の有する優れた性質
が物品の表面に付与されて極めて低いエネルギー表面と
なり、撥水性、撥油性、防汚性、潤滑性、離型性などが
表面に付与される。
ることにより、フルオロアルキル基の有する優れた性質
が物品の表面に付与されて極めて低いエネルギー表面と
なり、撥水性、撥油性、防汚性、潤滑性、離型性などが
表面に付与される。
【0013】なお、図1では、物品の上面および下面を
処理する場合を想定して2組の配管23により物品の両面
側からフルオロアルキルシラン15および水17を供給して
いるが、片面のみ処理する場合は上面あるいは下面の片
方向からのみでもよい。また、フルオロアルキルシラン
15および水17の廻り込みが起こりやすい配置や、配管23
の開口位置を工夫することにより、一組の配管23のみで
両面を表面処理することも可能である。
処理する場合を想定して2組の配管23により物品の両面
側からフルオロアルキルシラン15および水17を供給して
いるが、片面のみ処理する場合は上面あるいは下面の片
方向からのみでもよい。また、フルオロアルキルシラン
15および水17の廻り込みが起こりやすい配置や、配管23
の開口位置を工夫することにより、一組の配管23のみで
両面を表面処理することも可能である。
【0014】さらに、触媒として作用する水を供給する
ことなく、真空槽31内に存在する水や、物品25の表面に
吸着している水を利用して、図2に示した反応、処理を
実現することも可能である。また、真空槽31外に物品を
搬出した後、大気中の水(湿気)を利用して、図2に示し
た反応、処理をより完結させることも可能である。
ことなく、真空槽31内に存在する水や、物品25の表面に
吸着している水を利用して、図2に示した反応、処理を
実現することも可能である。また、真空槽31外に物品を
搬出した後、大気中の水(湿気)を利用して、図2に示し
た反応、処理をより完結させることも可能である。
【0015】フルオロアルキルシラン15としては、フル
オロアルキル基と、物品表面の水酸基と結合可能な官能
基あるいはその前駆体となる基(アルコキシル等)を有す
るシラン化合物が使用でき、例えば、以下の化2および
化3で示される化合物が例示できる。
オロアルキル基と、物品表面の水酸基と結合可能な官能
基あるいはその前駆体となる基(アルコキシル等)を有す
るシラン化合物が使用でき、例えば、以下の化2および
化3で示される化合物が例示できる。
【0016】
【化2】CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3
【0017】
【化3】CF3CH2CH2Si(OCH3)3
【0018】物品としては、ガラス、金属、プラスチッ
クなどの各種材質の物品を表面処理することができ、身
近な例として、眼鏡レンズを表面処理して曇り防止を施
すことが挙げられる。レンズ等の光学部品などにおいて
は、各物品がホルダに入れられて薄膜形成されるので、
このホルダに入れた状態のまま本発明の表面処理を実施
することができ、作業性が良好である。
クなどの各種材質の物品を表面処理することができ、身
近な例として、眼鏡レンズを表面処理して曇り防止を施
すことが挙げられる。レンズ等の光学部品などにおいて
は、各物品がホルダに入れられて薄膜形成されるので、
このホルダに入れた状態のまま本発明の表面処理を実施
することができ、作業性が良好である。
【0019】表面処理に使用するフルオロアルキルシラ
ン15、水17を使い切った場合は、バルブ21を閉じてフル
オロアルキルシラン15、水17を容器11に補給したり、容
器11ごと交換することができ、真空槽31の真空雰囲気を
破ったり、真空槽31内で作業する必要がない。
ン15、水17を使い切った場合は、バルブ21を閉じてフル
オロアルキルシラン15、水17を容器11に補給したり、容
器11ごと交換することができ、真空槽31の真空雰囲気を
破ったり、真空槽31内で作業する必要がない。
【0020】よって、補充・交換作業が極めて容易であ
り、また、表面処理用真空槽の前段および後段にそれぞ
れ予備排気室(搬入室)および取出室を設けて連続処理す
るのに適している。
り、また、表面処理用真空槽の前段および後段にそれぞ
れ予備排気室(搬入室)および取出室を設けて連続処理す
るのに適している。
【0021】また、溶液を蒸発させるのではなく、フル
オロアルキルシラン、水を直接蒸発させるものである。
溶液を蒸発させる場合は、溶媒と溶質の異なる蒸気圧の
ために蒸発制御上困難を伴なう。これに対して溶媒を用
いない本法は、蒸発制御上有利である。
オロアルキルシラン、水を直接蒸発させるものである。
溶液を蒸発させる場合は、溶媒と溶質の異なる蒸気圧の
ために蒸発制御上困難を伴なう。これに対して溶媒を用
いない本法は、蒸発制御上有利である。
【0022】図3は、光学部品の連続薄膜形成装置に本
発明の表面処理方法を組み合わせた実施例を示す説明図
である。
発明の表面処理方法を組み合わせた実施例を示す説明図
である。
【0023】ホルダ33にセットして予備排気室41から薄
膜形成室43に送られ、薄膜形成室43で真空蒸着、スパッ
タリングなどにより薄膜形成された光学部品等の物品
(図示を省略)は、取出室45に送られる。47はゲートバル
ブを示す。本発明の表面処理方法は、薄膜形成ほどの真
空度や基板加熱を必ずしも要求されないので、この取出
室45にフルオロアルキルシラン15および水17を供給し、
取出室45での滞留時間を利用して表面処理を施すことが
できる。なお、この表面処理の詳細は、図1に示した通
りである。
膜形成室43に送られ、薄膜形成室43で真空蒸着、スパッ
タリングなどにより薄膜形成された光学部品等の物品
(図示を省略)は、取出室45に送られる。47はゲートバル
ブを示す。本発明の表面処理方法は、薄膜形成ほどの真
空度や基板加熱を必ずしも要求されないので、この取出
室45にフルオロアルキルシラン15および水17を供給し、
取出室45での滞留時間を利用して表面処理を施すことが
できる。なお、この表面処理の詳細は、図1に示した通
りである。
【0024】図4は、本発明の表面処理方法のさらに他
の実施例を示す説明図である。表面処理すべき物品25が
置かれた処理室51内には、フルオロアルキルシラン15お
よび水17が供給されて、物品25に表面処理が施される。
ヒータ19を具えた容器11,11内にはフルオロアルキルシ
ラン15および水17がそれぞれ入れられており、フルオロ
アルキルシラン15は乾燥N2ガスでバブリングされ、こ
の乾燥N2ガスに同伴されて配管23から処理室51内に送
られる。フルオロアルキルシラン15は水と反応して分解
するため、乾燥空気、乾燥窒素のような乾燥ガスに同伴
させる。一方、水17は窒素ガスによりバブリングされ、
これに同伴されて配管23により処理室51内に送られる。
窒素ガスに代えて空気を送る場合は、空気中の水分が反
応に利用できるので、水17のバブリングを省略すること
もできる。バブリング量、ヒータによる加熱の程度など
を制御することにより、フルオロアルキルシラン15およ
び水17の供給量を調整できる。また、ヒータ19に代えて
冷却器を使用し、フルオロアルキルおよび/または水を
冷却することもできる。
の実施例を示す説明図である。表面処理すべき物品25が
置かれた処理室51内には、フルオロアルキルシラン15お
よび水17が供給されて、物品25に表面処理が施される。
ヒータ19を具えた容器11,11内にはフルオロアルキルシ
ラン15および水17がそれぞれ入れられており、フルオロ
アルキルシラン15は乾燥N2ガスでバブリングされ、こ
の乾燥N2ガスに同伴されて配管23から処理室51内に送
られる。フルオロアルキルシラン15は水と反応して分解
するため、乾燥空気、乾燥窒素のような乾燥ガスに同伴
させる。一方、水17は窒素ガスによりバブリングされ、
これに同伴されて配管23により処理室51内に送られる。
窒素ガスに代えて空気を送る場合は、空気中の水分が反
応に利用できるので、水17のバブリングを省略すること
もできる。バブリング量、ヒータによる加熱の程度など
を制御することにより、フルオロアルキルシラン15およ
び水17の供給量を調整できる。また、ヒータ19に代えて
冷却器を使用し、フルオロアルキルおよび/または水を
冷却することもできる。
【0025】処理室51は、真空排気する必要がなく、常
圧で表面処理が行なえる。図4ではブロア53により処理
室51を排気する場合を示しているが、これを省略するこ
ともできる。また真空排気してもよいが、その場合もロ
ータリー真空ポンプで達成されるような低真空度で十分
である。
圧で表面処理が行なえる。図4ではブロア53により処理
室51を排気する場合を示しているが、これを省略するこ
ともできる。また真空排気してもよいが、その場合もロ
ータリー真空ポンプで達成されるような低真空度で十分
である。
【0026】図1に示した方法に準拠して眼鏡レンズの
表面処理(曇り防止)を行なった。眼鏡レンズとして反
射防止コート付きのプラスチックレンズ(CR39)を用
いた。この眼鏡レンズ10枚をホルダ33に入れ真空槽31内
にセットした。
表面処理(曇り防止)を行なった。眼鏡レンズとして反
射防止コート付きのプラスチックレンズ(CR39)を用
いた。この眼鏡レンズ10枚をホルダ33に入れ真空槽31内
にセットした。
【0027】ロータリーポンプと油拡散ポンプを組み合
わせた真空排気ポンプ35により、真空槽31内を1×10-5
Torrまで排気した。
わせた真空排気ポンプ35により、真空槽31内を1×10-5
Torrまで排気した。
【0028】パーフルオロアルキルシラン15および水17
は下側の1組のみを用い、またフルオロアルキルシラン
15としては下記の化4のパーフルオロアルキルシラン
(信越化学工業(株)製、KBM7803)を用いた。
は下側の1組のみを用い、またフルオロアルキルシラン
15としては下記の化4のパーフルオロアルキルシラン
(信越化学工業(株)製、KBM7803)を用いた。
【0029】
【化4】CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3
【0030】このパーフルオロアルキルシランと水の蒸
気圧と温度の関係を図5に示した。水17(15℃)のバルブ
21を開け、バルブ21の開度を調整して真空槽31内が 7.5
×10-5Torrになるように水17を配管23から真空槽31内に
導入した。
気圧と温度の関係を図5に示した。水17(15℃)のバルブ
21を開け、バルブ21の開度を調整して真空槽31内が 7.5
×10-5Torrになるように水17を配管23から真空槽31内に
導入した。
【0031】ついで、ヒータ13によりフルオロアルキル
シラン15を60℃に加熱した状態でバルブ21を開け、その
開度を調整して真空槽31が2×10-4Torrとなるまでフル
オロアルキルシラン15を真空槽内に導入した。この状態
で約10分間眼鏡レンズ25を処理したのち、フルオロアル
キルシラン15および水17のバルブ21,21を閉じて処理を
終了し、真空槽31をリークした。
シラン15を60℃に加熱した状態でバルブ21を開け、その
開度を調整して真空槽31が2×10-4Torrとなるまでフル
オロアルキルシラン15を真空槽内に導入した。この状態
で約10分間眼鏡レンズ25を処理したのち、フルオロアル
キルシラン15および水17のバルブ21,21を閉じて処理を
終了し、真空槽31をリークした。
【0032】眼鏡レンズ25は、肉視でその反射防止コー
トの反射色(グリーン)に特に変化が見られなかった。
トの反射色(グリーン)に特に変化が見られなかった。
【0033】測定は眼鏡レンズに水を滴下して連続して
5回行ない、測定結果に若干のバラツキは見られるもの
の、手払きによっても急激な変化が認められないことが
確認された。
5回行ない、測定結果に若干のバラツキは見られるもの
の、手払きによっても急激な変化が認められないことが
確認された。
【0034】
【表1】 測定回 条 件 接触角(度) 本発明品 1 保存のまま 86 2 シルボン紙による空払き 84 3 メタノールによる手払き 85 4 メタノールによる手払き 83 5 メタノールによる手払き 85
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、フルオロアルキルシラ
ンを気化せしめ、物体の表面と接触させて表面上に被膜
を形成することにより、乾式法で簡単にフルオロアルキ
ル基を物体表面に固定して、撥水性等を付与することが
できる。
ンを気化せしめ、物体の表面と接触させて表面上に被膜
を形成することにより、乾式法で簡単にフルオロアルキ
ル基を物体表面に固定して、撥水性等を付与することが
できる。
【図1】図1は、本発明の表面処理方法の実施例を示す
説明図である。
説明図である。
【図2】図2は、フルオロアルキルシランによる表面処
理の機構を示す説明図である。
理の機構を示す説明図である。
【図3】図3は、本発明の表面処理方法の他の実施例を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図4】図4は、本発明のさらに他の実施例を示す説明
図である。
図である。
【図5】図5は、実施例で用いたパーフルオロアルキル
シランおよび水の蒸気圧を示すグラフである。
シランおよび水の蒸気圧を示すグラフである。
【符号の説明】 11 容器 13 ヒータ 15 フルオロアルキルシラン 17 水 19 ヒータ 21 バルブ 23 配管 25 物品(基体) 31 真空槽 33 ホルダ 35 真空排気ポンプ 41 予備排気室 43 薄膜形成室 45 取出室 47 ゲートバルブ 51 処理室 53 ブロア
Claims (5)
- 【請求項1】 フルオロアルキルシランを気化せしめ物
体の表面に接触せしめて物体を処理し、物体の表面上に
被膜を形成することを特徴とする物体の表面処理方法。 - 【請求項2】 さらに、水を気化せしめて処理する請求
項1に記載の物体の表面処理方法。 - 【請求項3】 処理室内を真空排気する請求項1または
2に記載の表面処理方法。 - 【請求項4】 処理室外で、フルオロアルキルシラン、
あるいはさらに水を気化せしめて処理室内に導く請求項
3に記載の表面処理方法。 - 【請求項5】 同伴ガスに同伴させて、フルオロアルキ
ルシランあるいはさらに水を物体表面に導く請求項1ま
たは2に記載の表面処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7685791A JPH05239243A (ja) | 1991-03-15 | 1991-03-15 | 物体の表面処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7685791A JPH05239243A (ja) | 1991-03-15 | 1991-03-15 | 物体の表面処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05239243A true JPH05239243A (ja) | 1993-09-17 |
Family
ID=13617324
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7685791A Pending JPH05239243A (ja) | 1991-03-15 | 1991-03-15 | 物体の表面処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05239243A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0770699A3 (de) * | 1995-10-26 | 1998-11-11 | MERCK PATENT GmbH | Herstellung von wasserabweisenden Beschichtungen auf optischen Substraten |
WO2009125803A1 (ja) * | 2008-04-09 | 2009-10-15 | 株式会社 アルバック | 成膜装置及び成膜方法 |
WO2010026887A1 (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-11 | 株式会社シンクロン | 成膜方法及び撥油性基材 |
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