JPH05239015A - 新規な含硫黄化合物及びその製造方法 - Google Patents

新規な含硫黄化合物及びその製造方法

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JPH05239015A
JPH05239015A JP7915892A JP7915892A JPH05239015A JP H05239015 A JPH05239015 A JP H05239015A JP 7915892 A JP7915892 A JP 7915892A JP 7915892 A JP7915892 A JP 7915892A JP H05239015 A JPH05239015 A JP H05239015A
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phenylthio
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acetic acid
phenylsulfonyl
sulfone
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啓之 畑
Masato Yoshikawa
正人 吉川
Yukio Iida
幸生 飯田
Tokuyuki Hayashisaka
徳之 林坂
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、新規な含硫黄化合物である4−(フ
ェニルスルホニル)フェニル(トリブロモメチル)スル
ホン、該化合物を合成するのに有用な中間体である[4
−(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸またはその塩、
[4−(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸のエステ
ル、並びにこれらの中間体を用いた4−(フェニルスル
ホニル)フェニル(トリブロモメチル)スルホンの製造
方法に関する。 【効果】本発明の4−(フェニルスルホニル)フェニル
(トリブロモメチル)スルホンは、紫外部極大吸収を2
49nmに有するため、紫外線の有効波長254nmを
増感剤を用いなくても光ラジカル開始剤として直接利用
できる可能性がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な含硫黄化合物及
びその製造方法に関する。更に詳しくは光照射によりラ
ジカルを発生する能力を有する含硫黄光ラジカル開始剤
及びその製造方法に関する。(トリハロゲノメチル)フ
ェニルスルホン類は、光照射によりラジカルを生じるた
めに重合反応の開始剤として有用であり、さらに微生物
等に対する抗菌剤としても重要な化合物である。本発明
により製造される新規な4−(フェニルスルホニル)フ
ェニル(トリブロモメチル)スルホン(式(1)で表さ
れる化合物)は、光ラジカル開始剤としての用途が期待
される。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】光重合開
始剤としては、分子内にハロゲンを有する化合物、たと
えば四塩化炭素、四臭化炭素、ヘキサクロロエタン、
α、α、α−トリクロロトルエン、o−ニトロ−α、
α、α−トリブロモアセトフェノン、o−ニトロベンゼ
ンスルフェニルクロライド、ヘキサブロモジメチルスル
ホキシド、トリクロロメチルフェニルスルホン、トリブ
ロモメチルフェニルスルホン、トリブロモメチル−p−
ニトロフェニルスルホン、テトラブロモジメチルスルホ
ンなどが用いられてきた。しかしながら、これらの化合
物においては水銀灯のスペクトル範囲に有効吸収が無い
ため光重合開始剤として用いる場合、増感剤とあわせて
用いる必要があったり、また光は吸収するがラジカルの
発生効率が悪かったりする等の問題点を有している。
【0003】従って、本発明の目的は、水銀灯のスペク
トルを有効に利用しラジカル発生効率のよい光重合開始
剤として有用な新規な含硫黄化合物及びその製造方法を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは水銀灯のス
ペクトルを有効に利用できる化合物を開発すべくトリハ
ロゲノ基を有する光ラジカル開始剤に注目し、ベンゼン
環、ナフタレン環やビナフチルのように複数の環より構
成された芳香環、ピリジンやチオフェンのような複素環
化合物等を基本骨格とする種々のトリハロゲノ化合物を
合成した。そして得られた化合物の紫外線吸収を調べた
結果、4−(フェニルスルホニル)フェニル(トリブロ
モメチル)スルホンが上記の目的に合った優れた化合物
であること、すなわち、4−(フェニルスルホニル)フ
ェニル(トリブロモメチル)スルホンの紫外部吸収極大
は248nmにあり、水銀灯の254nmの光を有効に
利用することができることを見い出し、本発明を完成す
るに到った。
【0005】本発明は上記した知見をもとになされたも
のであり、その要旨は(1)式(1)で表される4−
(フェニルスルホニル)フェニル(トリブロモメチル)
スルホン、
【化12】
【0006】(2)式(2)で表される[4−(フェニ
ルチオ)フェニルチオ]酢酸またはその塩、
【化13】
【0007】(3)式(3)で表される[4−(フェニ
ルチオ)フェニルチオ]酢酸のエステル、
【化14】
【0008】(4)式(4)で表される[4−(フェニ
ルチオ)フェニルチオ]酢酸メチル、
【化15】
【0009】(5)式(5)で表される[4−(フェニ
ルチオ)フェニルチオ]酢酸エチル、
【化16】
【0010】(6)式(2)で表される[4−(フェニ
ルチオ)フェニルチオ]酢酸またはその塩を酸化および
臭素化することを特徴とする式(1)で表される4−
(フェニルスルホニル)フェニル(トリブロモメチル)
スルホンの製造方法、
【0011】(7)式(3)で表される[4−(フェニ
ルチオ)フェニルチオ]酢酸のエステルを加水分解し、
次いで酸化および臭素化することを特徴とする式(1)
で表される4−(フェニルスルホニル)フェニル(トリ
ブロモメチル)スルホンの製造方法、並びに
【0012】(8)式(2)で表される[4−(フェニ
ルチオ)フェニルチオ]酢酸またはその塩を過酸化水素
で酸化することを特徴とする式(6)で表される[4−
(フェニルスルホニル)フェニルスルホニル]酢酸の製
造方法に関する。
【化17】
【0013】本発明の新規な含硫黄化合物は、光重合開
始剤として有用な式(1)で表される4−(フェニルス
ルホニル)フェニル(トリブロモメチル)スルホン、お
よび該目的化合物を合成するための種々の新規な中間体
に関するものである。これらの中間体としては、[4−
(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸またはその塩、そ
のエステル、あるいは[4−(フェニルスルホニル)フ
ェニルスルホニル]酢酸が使用される。
【0014】ここで塩としては、アルカリ金属塩が挙げ
られ、例えばナトリウム塩やカリウム塩が用いられる。
またエステル種としては特に限定されないが、炭素数1
〜6の脂肪族基が好ましく用いられる。具体的にはメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル
基、種々のペンチル基、種々のヘキシル基及びシクロヘ
キシル基等であり、例えば[4−(フェニルチオ)フェ
ニルチオ]酢酸のメチルエステル、エチルエステル等が
好適な例として挙げられる。
【0015】本発明の目的化合物である4−(フェニル
スルホニル)フェニル(トリブロモメチル)スルホン
(式(1)で表される化合物)の製造方法には種々の方
法が考えられるが、その一つとして本発明者らは前記の
ような新規な中間体である[4−(フェニルチオ)フェ
ニルチオ]酢酸、その塩またはそのエステルを原料とす
る方法について検討を加えた。これらの原料は4−フェ
ニルチオベンゼンチオールとクロロ酢酸、ブロモ酢酸あ
るいはそれらのエステルとの反応により容易に合成する
ことができる。4−フェニルチオベンゼンチオールは特
願平3−876164で示したごとく、ジフェニルスル
フィドと一塩化硫黄を反応後還元処理すると容易に得ら
れる。
【0016】4−フェニルチオベンゼンチオールとクロ
ロ酢酸、ブロモ酢酸あるいはそれらのエステルを反応さ
せて、本発明の中間体である[4−(フェニルチオ)フ
ェニルチオ]酢酸あるいはそれらのエステルを得る反応
は、水あるいは水−有機溶媒系中で4−フェニルチオベ
ンゼンチオールをアルカリ塩となし、そこにクロロ酢
酸、ブロモ酢酸あるいはそれらのエステルを加えて反応
を行うことにより得ることができる。
【0017】その際に用いる有機溶媒としては、4−フ
ェニルチオベンゼンチオールの溶解能を有する化合物が
好ましく、その一例としてアルコール類、エーテル類等
を挙げることができる。前記クロロ酢酸またはブロモ酢
酸のエステルにおけるエステル種は、特に限定されない
が、炭素数1〜6の脂肪族基が好ましく用いられる。具
体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プ
ロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル
基、t−ブチル基、種々のペンチル基、種々のヘキシル
基及びシクロヘキシル基等である。また加えるアルカリ
種については4−フェニルチオベンゼンチオールのチオ
ール基をアニオンとなし、求核性を強めさえすれば如何
なるアルカリ種でも用いることができるが、一般に水酸
化ナトリウム又は水酸化カリウムが好適に用いられる。
反応温度は特に制限はないが、クロロ酢酸あるいはその
エステルでは一般的に50℃〜還流温度、ブロモ酢酸あ
るいはそのエステルでは30℃〜還流温度が推奨され
る。
【0018】この反応は容易に進む反応であり、副反応
を伴わないので高収率で生成物を得ることができる。反
応終了後、本発明の中間体の反応液からの単離は有機溶
媒を用いる抽出等により容易に行うことができる。ま
た、[4−(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸の塩
は、4−フェニルチオベンゼンチオールのアルカリ塩と
クロロ酢酸又はブロモ酢酸との反応生成物である[4−
(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸をアルカリで中和
するか、4−フェニルチオベンゼンチオールのアルカリ
塩とクロロ酢酸エステル又はブロモ酢酸エステルとの反
応生成物である[4−(フェニルチオ)フェニルチオ]
酢酸エステルをアルカリ性下で加水分解することにより
得られる。
【0019】このようにして得られる本発明の中間体で
ある、[4−(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸、そ
の塩またはそのエステルを原料とし、目的化合物である
式(1)で表される4−(フェニルスルホニル)フェニ
ル(トリブロモメチル)スルホンを製造する方法とし
て、次の(イ)〜(ハ)の方法が挙げられる。
【0020】(イ)[4−(フェニルチオ)フェニルチ
オ]酢酸またはその塩を酸化し、次いで臭素化すること
による方法、例えば[4−(フェニルチオ)フェニルチ
オ]酢酸を過酸化水素により酸化し、[4−(フェニル
スルホニル)フェニルスルホニル]酢酸となし、次いで
次亜臭素酸塩で処理して4−(フェニルスルホニル)フ
ェニル(トリブロモメチル)スルホンを得ることができ
る。
【0021】(ロ)[4−(フェニルチオ)フェニルチ
オ]酢酸のエステルを加水分解し、次いで酸化および臭
素化することによる方法、例えば[4−(フェニルチ
オ)フェニルチオ]酢酸のエステルを加水分解後、得ら
れた[4−(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸を前記
(イ)と同様にして過酸化水素により酸化し、次いで次
亜臭素酸塩で処理するか、あるいは後記(ハ)と同様に
得られた[4−(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸を
次亜臭素酸塩を用いて酸化および臭素化を同時に行う方
法が挙げられる。
【0022】(ハ)[4−(フェニルチオ)フェニルチ
オ]酢酸またはその塩を、次亜臭素酸塩を用いて酸化お
よび臭素化を同時に行うことによる方法、例えば[4−
(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸を次亜臭素酸塩で
処理する方法が挙げられる。
【0023】前記(イ)において、[4−(フェニルチ
オ)フェニルチオ]酢酸を過酸化水素で酸化するには、
[4−(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸と水あるい
は水−有機溶媒混合溶媒よりなる混合物をほぼ理論量の
過酸化水素で処理すると[4−(フェニルスルホニル)
フェニルスルホニル]酢酸となる。過酸化水素の使用量
は[4−(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸に対して
通常4.0〜4.4倍モルが好ましい。このときタング
ステン酸ナトリウム等を触媒として用いると反応が円滑
に進行する。タングステン酸ナトリウムを触媒とすると
きのpHは約1〜5が好ましい。反応温度は約40℃〜
還流温度であればよく、反応時間は約10分〜3時間で
ある。
【0024】次いで反応系にアルカリを加えて塩基性と
なし、次亜臭素酸塩を添加し、反応を行うことにより4
−(フェニルスルホニル)フェニル(トリブロモメチ
ル)スルホンを得ることができる。本発明で用いる次亜
臭素酸塩としては、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸
カリウム等が挙げられるが、なかでも次亜臭素酸ナトリ
ウムが好適に用いられる。その濃度は任意の濃度のもの
が使用可能であり、実用的な見地からは10〜30%が
好適に用いられる。反応に用いる次亜臭素酸塩の使用量
は、最初に用いた[4−(フェニルチオ)フェニルチ
オ]酢酸に対して通常3〜8倍モル量、好ましくは3.
1〜4.0倍モル量程度が好ましい。3倍モル量より少
ないと反応が完結せず、8倍モル量より多くを用いても
それに見合う効果がなく、経済的に不利である。反応が
進むと本発明の目的化合物である4−(フェニルスルホ
ニル)フェニル(トリブロモメチル)スルホンが反応液
から固体で析出してくる。
【0025】前記(ロ)において、[4−(フェニルチ
オ)フェニルチオ]酢酸のエステルは、簡単に加水分解
することができる。加水分解は酸性条件、塩基性条件の
いずれでも起こるが、塩基性条件下に行うのが一般的で
ある。アルカリ種は特に限定されないが、水酸化ナトリ
ウム又は水酸化カリウムにより反応液をアルカリ性にす
れば加水分解が進む。アルカリ量は基質である[4−
(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸のエステルの当量
以上であれば問題はない。例えば、[4−(フェニルチ
オ)フェニルチオ]酢酸のエステルを含有する反応液に
水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを加える方法も有
効である。この加水分解は室温付近でも進むが、反応速
度を速める目的で加熱するのも有効である。加水分解後
又は加水分解を行いながらエステルの加水分解により生
じたアルコールを反応系外に追い出すと平衡がずれて加
水分解が進むので、酸性条件下でのエステルの加水分解
も可能である。酸性化には塩酸や硫酸が好適に用いられ
る。
【0026】前記(ロ)において加水分解後は、得られ
た[4−(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸を前記
(イ)と同様にして過酸化水素により酸化し、次いで次
亜臭素酸塩で処理してもよく、あるいは(ハ)と同様に
次亜臭素酸塩を用いて酸化および臭素化を同時に行う方
法でもよい。前記(ロ)あるいは前記(ハ)おいて、
[4−(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸を次亜臭素
酸塩で処理することにより、酸化および臭素化を同時に
行い、4−(フェニルスルホニル)フェニル(トリブロ
モメチル)スルホンとすることができる。反応は水中、
又は水−有機溶媒混合溶液中等で行うことができる。有
機溶媒としては水と混和し得る溶媒であれば問題はな
く、ジオキサン等のエーテル系溶媒が好適である。例え
ば[4−(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸と水又は
水−有機溶媒混合溶媒の混合物にアルカリを加え、つい
で次亜臭素酸塩を加えて反応を行う。反応に用いるアル
カリ種としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ金属の水酸化物が挙げられ、その量は[4−
(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸に対して0.1〜
5倍モルで十分である。
【0027】ここで用いられる次亜臭素酸塩としても、
前記(イ)の場合と同様に次亜臭素酸ナトリウム、次亜
臭素酸カリウム等が挙げられるが、なかでも次亜臭素酸
ナトリウムが好適に用いられる。その濃度は任意の濃度
のものが使用可能であり、実用的な見地からは10〜3
0%が好適に用いられる。用いる量は[4−(フェニル
チオ)フェニルチオ]酢酸に対して通常7〜12倍モル
量、好ましくは7.1〜10倍モル量程度である。7倍
モル量より少ないと反応が完結せず、12倍モル量より
多くを用いてもそれに見合う効果がなく、経済的に不利
である。また、反応温度は30〜100℃が好ましく、
反応時間は通常1〜3時間である。
【0028】本発明の目的化合物である4−(フェニル
スルホニル)フェニル(トリブロモメチル)スルホン
は、前記(イ)〜(ハ)のいずれの場合においても有機
溶媒で抽出するか、析出する結晶を濾過することにより
反応液から容易に取得することができる。
【0029】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は本実施例により何等限定されるものでは
ない。 実施例1 [4−(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸の合成 4−(フェニルチオ)ベンゼンチオール2.19グラム
(0.010モル)、水酸化ナトリウム0.52グラム
(0.013モル)、水4グラムよりなる混合物を80
℃で30分間加熱した。続いて、その反応液に同温度で
モノクロロ酢酸ナトリウム1.12グラム(0.012
モル)及び水酸化ナトリウム0.5グラム(0.012
モル)を水4mlに溶解させた液を滴下した。反応液を
100℃に昇温し、同温度で30分間加熱した。この反
応液を液体クロマトグラフィーで分析したところ、原料
の4−(フェニルチオ)ベンゼンチオールは消失してい
た。反応液を冷却、酸性化した後にイソプロパノール−
水より再結晶することにより白色結晶の[4−(フェニ
ルチオ)フェニルチオ]酢酸2.1グラム(0.008
モル)を取得した。収率76%、融点96.0〜97.
5℃、 1H−NMRδ(CDCl3 )7.25〜7.3
5(m,9H,arom)、3.64(s,2H,CH
2 )、IR cm-1(KBr)3080−3000、1
710、1590、1490、1440、1400、9
30、MS m/e 276(M+)、231、21
7、185、109、77
【0030】実施例2 [4−(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸メチルの合
成 4−(フェニルチオ)ベンゼンチオール10.9グラム
(0.050モル)、水酸化ナトリウム2.0グラム
(0.05モル)、水50グラム及びメタノール30グ
ラムよりなる混合物にブロモ酢酸メチル7.7グラム
(0.050モル)を滴下し、その反応液を還流下に3
0分間加熱した。この反応液よりメタノールを留去後、
残留水層を塩化メチレン50グラムで抽出した。この抽
出液を水50グラムで洗浄後、塩化メチレンを留去し、
さらに減圧蒸留して液状の[4−(フェニルチオ)フェ
ニルチオ]酢酸メチル12.3グラム(0.042モ
ル)を取得した。収率84%、沸点250℃/5Tor
r、 1H−NMR δ(CDCl3 )7.2〜7.4
(m,9H,arom)、3.71(s,3H,C
3 )、、3.62(s,2H)、IR cm-1(KB
r)3070、1745、1592、1488、145
0、1400、1295、1160、1020、82
0、745、700、MS m/e 290(M+ )、
230、217、184、153、109、59
【0031】実施例3 [4−(フェニルチオ)フェニルチオ]酢酸エチルの合
成 4−(フェニルチオ)ベンゼンチオール10.9グラム
(0.050モル)、水酸化ナトリウム2.0グラム
(0.05モル)、水40グラム及びメタノール30グ
ラムよりなる混合物にブロモ酢酸エチル8.4グラム
(0.050モル)を滴下し、その反応液を還流下に3
0分間加熱した。この反応液よりメタノールを留去後、
残留水層を塩化メチレン50グラムで抽出した。この抽
出液を水50グラムで洗浄後、塩化メチレンを留去し、
さらに減圧蒸留して液状の[4−(フェニルチオ)フェ
ニルチオ]酢酸エチル12.9グラム(0.042モ
ル)を取得した。収率84%、沸点250℃/2Tor
r、 1H−NMR δ(CDCl3 )7.1〜7.4
(m,9H,arom)、4.16(q,2H,J=
7.2Hz)、3.60(s,2H,CH2 )、1.2
2(t,3H,J=7.2Hz)、IR cm-1(KB
r)3064、2988、1738、1582、148
0、1444、1412、1392、1368、127
2、1132、1104、1024、812、738、
690、MS m/e 304(M+ )、230、21
7、184、153、109、77、29
【0032】実施例4 4−(フェニルスルホニル)フェニル(トリブロモメチ
ル)スルホンの合成 実施例1と同様にして得た[4−(フェニルチオ)フェ
ニルチオ]酢酸2.76グラム(0.010モル)に1
5%水酸化ナトリウム4.0グラム(0.015モ
ル)、水20グラムを添加した。氷冷下、15%水酸化
ナトリウム66.7グラム(0.25モル)と臭素1
6.0グラム(0.10モル)とにより調合した次亜臭
素酸ナトリウム溶液を10分間で滴下し、反応液を60
℃に昇温し、同温度で2時間加熱した。4−(フェニル
スルホニル)フェニル(トリブロモメチル)スルホンの
収量は4.97g(0.0093モル)であった。収率
93%、融点217〜218℃、 1H−NMR δ(C
DCl3 )8.5〜7.6(m,9H,arom)、I
R cm-1(KBr)1345、1160、730、6
75、620、MS m/e 536、534、53
2、520、455、453、451、281、25
5、253、251、249、217、141、77、
紫外部吸収極大249nm
【0033】実施例5 4−(フェニルスルホニル)フェニル(トリブロモメチ
ル)スルホンの合成 実施例2で得た[4−(フェニルチオ)フェニルチオ]
酢酸メチル2.90グラム(0.010モル)に15%
水酸化ナトリウム4.0グラム(0.015モル)、水
20グラムを添加し、80℃で1時間加熱した。つい
で、この液を氷冷下、15%水酸化ナトリウム66.7
グラム(0.25モル)と臭素16.0グラム(0.1
0モル)とにより調合した次亜臭素酸ナトリウム溶液を
10分間で滴下した。反応液を60℃に昇温し、同温度
で2時間加熱した。反応液を冷却した後析出した結晶を
濾過することにより、4−(フェニルスルホニル)フェ
ニル(トリブロモメチル)スルホンを4.55g(0.
0085モル)取得した。収率85%、融点217〜2
18℃
【0034】実施例6 [4−(フェニルスルホニル)フェニルスルホニル]酢
酸の合成 実施例1と同様にして得た[4−(フェニルチオ)フェ
ニルチオ]酢酸2.76グラム(0.010モル)を水
30グラム及びジオキサン20グラムよりなる混合溶媒
に溶解し、硫酸でpH2とした。ここにタングステン酸
ナトリウム0.01グラムを加え、液温を100℃に昇
温した後に35%過酸化水素4.0グラム(0.041
モル)を滴下した。反応液よりジオキサンを留去し、残
った水層をトルエンで抽出した。抽出トルエンは無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固すると[4−(フェニ
ルスルホニル)フェニルスルホニル]酢酸が3.3グラ
ム(0.0097モル)得られた。収率97%、融点1
89〜190℃
【0035】実施例7 4−(フェニルスルホニル)フェニル(トリブロモメチ
ル)スルホンの合成 実施例1と同様にして得た[4−(フェニルチオ)フェ
ニルチオ]酢酸2.76グラム(0.010モル)を水
30グラム及びジオキサン20グラムよりなる混合溶媒
に溶解し、硫酸でpH2とした。ここにタングステン酸
ナトリウム0.01グラムを加え、液温を100℃に昇
温した後に35%過酸化水素4.0グラム(0.041
モル)を滴下した。この反応液に15%水酸化ナトリウ
ム4.0グラム(0.015モル)、水20グラムを添
加し、氷冷下、15%水酸化ナトリウム22.0グラム
(0.083モル)と臭素5.3グラム(0.033モ
ル)とにより調合した次亜臭素酸ナトリウム溶液を10
分間で滴下し、反応液を60℃に昇温し、同温度で2時
間加熱した。反応液を冷却した後析出した結晶を濾過
し、4−(フェニルスルホニル)フェニル(トリブロモ
メチル)スルホン4.70グラム(0.0088モル)
を取得した。収率88%、融点217〜218℃
【0036】実施例8 4−(フェニルスルホニル)フェニル(トリブロモメチ
ル)スルホンの合成 実施例3で得た[4−(フェニルチオ)フェニルチオ]
酢酸エチル3.04グラム(0.010モル)に水20
グラムを添加し、硫酸でpHを1とした。100℃で加
熱し、途中生じたエタノールは留去した。ついで、この
液に水10mlおよびジオキサン30mlを加え、水酸
化ナトリウムで反応液のpHを2とした。ここにタング
ステン酸ナトリウム0.01グラムを加え、液温を10
0℃に昇温した後に35%過酸化水素4.0グラム
(0.041モル)を滴下した。この反応液に15%水
酸化ナトリウム4.0グラム(0.015モル)、水2
0グラムを添加し、氷冷下、15%水酸化ナトリウム2
2.0グラム(0.083モル)と臭素5.3グラム
(0.033モル)とにより調合した次亜臭素酸ナトリ
ウム溶液を10分間で滴下し、反応液を60℃に昇温
し、同温度で2時間加熱した。反応液を冷却した後析出
した結晶を濾過し、4−(フェニルスルホニル)フェニ
ル(トリブロモメチル)スルホン4.77グラム(0.
0089モル)を取得した。収率89%、融点217〜
219℃
【0037】
【発明の効果】従来、光照射によりラジカルを生じる化
合物は一般に紫外部吸収極大が230nmよりも小さい
ために水銀灯の光を利用するために増感剤と一緒に用い
る必要があった。しかし、本発明の化合物、4−(フェ
ニルスルホニル)フェニル(トリブロモメチル)スルホ
ンは、紫外部極大吸収を249nmに有するため、紫外
線の有効波長254nmを増感剤を用いなくても直接利
用できる可能性があり、その意義は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林坂 徳之 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住 友精化株式会社第1研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で表される4−(フェニルスル
    ホニル)フェニル(トリブロモメチル)スルホン。 【化1】
  2. 【請求項2】 式(2)で表される[4−(フェニルチ
    オ)フェニルチオ]酢酸またはその塩。 【化2】
  3. 【請求項3】 式(3)で表される[4−(フェニルチ
    オ)フェニルチオ]酢酸のエステル。 【化3】
  4. 【請求項4】 式(4)で表される[4−(フェニルチ
    オ)フェニルチオ]酢酸メチル。 【化4】
  5. 【請求項5】 式(5)で表される[4−(フェニルチ
    オ)フェニルチオ]酢酸エチル。 【化5】
  6. 【請求項6】 式(2)で表される[4−(フェニルチ
    オ)フェニルチオ]酢酸またはその塩を酸化および臭素
    化することを特徴とする式(1)で表される4−(フェ
    ニルスルホニル)フェニル(トリブロモメチル)スルホ
    ンの製造方法。 【化6】 【化7】
  7. 【請求項7】 式(3)で表される[4−(フェニルチ
    オ)フェニルチオ]酢酸のエステルを加水分解し、次い
    で酸化および臭素化することを特徴とする式(1)で表
    される4−(フェニルスルホニル)フェニル(トリブロ
    モメチル)スルホンの製造方法。 【化8】 【化9】
  8. 【請求項8】 酸化剤が過酸化水素である請求項6また
    は7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 臭素化剤が次亜臭素酸塩である請求項6
    または7記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 酸化および臭素化を次亜臭素酸塩を用
    いて同時に行うことを特徴とする請求項6または7記載
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 式(2)で表される[4−(フェニル
    チオ)フェニルチオ]酢酸またはその塩を過酸化水素で
    酸化することを特徴とする式(6)で表される[4−
    (フェニルスルホニル)フェニルスルホニル]酢酸の製
    造方法。 【化10】 【化11】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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