JPH05238993A - 新規1,2−アミノアルコール誘導体 - Google Patents

新規1,2−アミノアルコール誘導体

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JPH05238993A
JPH05238993A JP4092480A JP9248092A JPH05238993A JP H05238993 A JPH05238993 A JP H05238993A JP 4092480 A JP4092480 A JP 4092480A JP 9248092 A JP9248092 A JP 9248092A JP H05238993 A JPH05238993 A JP H05238993A
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JP
Japan
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dichloromethane
mixture
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JP4092480A
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English (en)
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武久 ▲国▼枝
Takehisa Kunieda
Tadao Ishizuka
忠男 石塚
Korekazu Kimura
是一 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Tanabe Seiyaku Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05238993A publication Critical patent/JPH05238993A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式 〔式中、Rは水素原子又は低級アルキル基、X及びY
は一方が基:−NRであり、他方が水酸基、A及
びBは、Aがメチレン基、Bがエチレン基であるか又は
共にo−フェニレン基、R及びRは同一又は異なっ
て水素原子、低級アルキル基、低級アルキルスルホニル
基、低級アルキルフェニル置換スルホニル基等であるこ
とを表す。〕で示される新規1,2−アミノアルコール
誘導体。 【効果】 この化合物は、優れた不斉誘導効果を示すた
め、合成反応における不斉誘起触媒或いは不斉補助剤と
して有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキラルな新規1,2−ア
ミノアルコール誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成化学の分野においては、光学
活性化合物を直接合成する不斉合成に関する研究が種々
行われている。それらのうち、エバンス等はある種の2
−オキサゾリドン誘導体が不斉合成反応の補助剤として
広く使用できることを報告している〔ジャーナル アメ
リカン ソサエィー,1988,Vol.110,12
38〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、更に優れた
不斉誘起効果を有し、不斉触媒或いは不斉補助剤として
種々の合成反応に応用可能な新規化合物を提供するもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は次の一般
式〔I〕で示されるキラルな新規1,2−アミノアルコ
ール誘導体又はその塩に関する。
【0005】
【化2】
【0006】〔式中、Rは水素原子又は低級アルキル
基を表し、X及びYは、一方が基:−NRであ
り、他方が水酸基であることを表し、A及びBは、Aが
メチレン基でありBがエチレン基であるか、又はA及び
Bが共にo−フェニレン基であることを表し、R及び
は同一又は異なって水素原子、低級アルキル基、低
級アルキルスルホニル基、低級アルキルフェニル置換ス
ルホニル基又はトリハロゲノ低級アルキルスルホニル基
であることを表す。〕本発明の目的物〔I〕は、構造的
にリジッドであるとともに大きな立体障害を有するた
め、優れた不斉誘導作用を示し、不斉合成反応に広く応
用できる不斉触媒あるいは不斉補助剤として、有用な化
合物である。
【0007】本発明の目的物の具体例としては、一般式
〔I〕において、Rが水素原子又は炭素数1〜4のア
ルキル基、とりわけメチル基であり、A及びBは、Aが
メチレン基、環Bがエチレン基であるか、又はA及びB
が共にo−フェニレン基であり、X及びYの一方が基:
−NRであり、他方が水酸基であり、R及びR
は同一又は異なって水素原子、炭素数1〜4のアルキ
ル基、とりわけメチル基;炭素数1〜4の低級アルキル
スルホニル基、とりわけメタンスルホニル基;炭素数1
〜4の低級アルキルフェニル置換スルホニル基、とりわ
けp−トルエンスルホニル基;又はトリハロゲンで置換
された炭素数1〜4の低級アルキルスルホニル基、とり
わけトリフルオロメタンスルホニル基である化合物があ
げられる。本発明の目的物の塩としては、ナトリウム、
カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシ
ウムなどのアルカリ土類金属塩、或いは亜鉛、チタン、
アルミニウムとの塩などをあげることができる。本発明
の目的物〔I〕は、一般式〔II〕
【0008】
【化3】
【0009】〔但し、X及びYは、一方が基:−N
−であり、他方が酸素原子であることを表し、他の
記号は前記と同一意味を有する。〕で示されるキラルな
オキサゾリジノン誘導体〔II〕を加水分解して、一般
式〔I−a〕
【0010】
【化4】
【0011】〔但し、X及びYは、一方が基:−N
HRであり、他方が水酸基であることを表し、他の記
号は前記と同一意味を有する。〕で示されるアミノアル
コール化合物〔I−a〕を製し、所望により該化合物
〔I−a〕のアミノ基を基Rに対応するアルキル化剤
又はスルホニル化剤と反応させることにより製造でき
る。
【0012】化合物〔II〕の加水分解は溶媒中、塩基
の存在化で実施できる。塩基としては水酸化アルカリ土
類金属(水酸化バリウム、水酸化カルシウム等)水酸化
アルカリ金属(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等)、炭酸アルカリ金属(炭酸セシウム等)を好適に使
用することができる。溶媒としてはメタノール、エタノ
ール等の低級アルカノール、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、水あるいはそれらの混合物があげられる。本反
応は加温乃至溶媒の還流温度で好適に進行する。
【0013】かくして得られる化合物〔I−a〕のアル
キル化は、溶媒中、アルキル化剤と反応させるなど、常
法により実施できる。アルキル化剤としては、例えば、
ホルムアルデヒドなどの炭素数1〜4のアルデヒド、或
いはメチルアイオダイドなどの炭素数1〜4の低級アル
キルハライドをあげることができる。アルキル化剤とし
て低級アルキルハライドを用いる場合は塩基の存在下で
実施するのが好ましく、この様な塩基としては、例え
ば、n−ブチルリチウムなどの低級アルキルアルカリ金
属、トリエチルアミンなどの有機アミン、水素化ナトリ
ウム等の水素化アルカリ金属等をあげることができる。
溶媒としては、アルデヒドとの反応においては、蟻酸等
を、一方、アルキルハライドとの反応においてはテトラ
ヒドロフラン、塩化メチレン等をあげることができる。
上記反応はいずれも加温乃至溶媒の還流温度で好適に進
行する。
【0014】また、化合物〔I−a〕のスルホニル化
は、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、塩化メチレン
等)中、塩基の存在下でスルホニル化剤と反応させて実
施できる。スルホニル化剤としては、低級アルキルスル
ホニル基、低級アルキルフェニル置換スルホニル基又は
トリハロゲノ低級アルキルスルホニル基を導入できるス
ルホニル化剤であればいずれも利用でき、例えば、対応
するスルホニルクロリド、スルホン酸無水物などを使用
することができる。塩基としては上記アルキル化の説明
であげたものをいずれも使用することがでる。本反応は
冷却下(−80〜0度)で行なうのが望ましい。
【0015】更に、本発明の目的物のうち、Rがメチ
ル基である化合物は、オキサゾリジノン誘導体〔II〕
を還元的に開環することにより製造することもできる。
化合物〔II〕の還元は、溶媒中、還元剤の存在下で実
施できる。還元剤としては水素化リチウムアルミニウム
等が、また溶媒としてはテトラヒドロフラン、エーテル
等が好適にあげられる。本反応は加温乃至溶媒の還流温
度で好適に進行する。また、上記の反応はいずれも立体
配置を保持したまま進行するため、所望の立体配置を有
する出発原料を用いれば、それと同一の立体配置を有す
る目的物が得られる。
【0016】なお、原料化合物のオキサゾリジノン誘導
体〔II〕も新規化合物であり、このうち一般式〔I
I〕において、A及びBが共にoーフェニレン基である
化合物は、アントラセン又は9,10−ジ低級アルキル
アントラセンと、アセチル基等でイミノ基を保護した2
−オキサゾロンとを溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレ
ン)中、加圧及び加熱下でディールズ−アルダー反応に
付した後、常法により該保護基を除去してラセミ型の化
合物〔III〕、即ち次の一般式〔III−a〕及び
〔III−b〕
【0017】
【化5】
【0018】〔但し、A及びBは共にo−フェニレ
ン基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。〕で
示される化合物の混合物を製し、次に該ラセミ型化合物
〔III〕をテトロヒドロフラン中、n−ブチルリチウ
ムの存在下、2−アルコキシ−1−アポカンファンカル
ボン酸又はその反応性誘導体等のキラルなアシル化試薬
と反応させてジアステレオマー(混合物)を製し、該生
成物をカラムクロマトグラフィーに付して各ジアステレ
オマーに光学分割し、次いで水素化硼素リチウム、ベン
ジルチオリチウムなどで処理して各異性体〔III−
a〕又は〔III−b〕を得た後、所望により、そのイ
ミノ基をアルキル化又はスルホニル化して製することが
できる。アルキル化又はスルホニル化は前記で説明した
と同様にして行なうことができる。
【0019】一方、一般式〔II〕において、Aがメチ
レン基でありBがエチレン基である原料化合物は、シク
ロペンタジエン又は2,5−ジ低級アルキルシクロペン
タジエンと、アセチル基等でイミノ基を保護した2−オ
キサゾロンとを上記アントラセンとの反応で説明したと
同様に処理して、次の一般式〔1V−a〕又は〔1V−
b〕
【0020】
【化6】
【0021】〔但し、Aはメチレン基を表し、他の記
号は前記と同一意味を有する。〕で示されるそれぞれの
異性体を製し、ついで該化合物〔IV−a〕又は〔IV
−b〕を常法により還元した後、所望によりイミノ基を
アルキル化又はスルホニル化して製することができる。
なお、シクロペンタジエン化合物又は2,5−ジ低級ア
ルキルシクロペンタジエンと2−オキサゾロン化合物と
のディールズ−アルダー反応においては、上記一般式
〔IV−a〕又は〔IV−b〕に示した通り、シクロペ
ンタジエンのメチレン基(A)とオキサゾロン環にお
ける−O−CO−NH−基とは、新たに形成される結合
に対し互いに反対側になるように進行する。
【0022】
【作用】
(応用例1)(2S,3R)−3−N,N−ジメチルア
ミノ−2−ヒドロキシ−ジベンゾ〔e,h〕ビシクロ
〔2,2,2〕オクタ−6,8−ジエン(0.106
g)をトルエン(3.0ml)に溶解し、アルゴン雰囲
気下ジエチル亜鉛(1.02Min ヘキサン2.35
ml)を室温で加え30分間攪拌し、ベンズアルデヒド
(0.212g)のトルエン溶液(5.0ml)を加
え、室温で24時間攪拌した。1M塩酸(20ml)を
加えた後、エチルエーテル(50ml×3)で抽出し、
有機相を飽和食塩水(50ml×3)で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン:ヘキサ
ン=1:1〜ジクロロメタン)で精製し、1−フェニル
プロパノールを無色油状物(0.247g)として得
た。得られた生成物を光学活性カラムを用いたHPLC
(使用充填剤:キラルセル OD、ダイセル社製)によ
り定量したところ、S−体((1S)−1−フェニルプ
ロパノール):R−体((1R)−1−フェニルプロパ
ノール)の比は98:2(不斉収率:96%e.e)で
あった。
【0023】(応用例2〜11)下記第1表記載の本発
明のアミノアルコール誘導体及びアルデヒド化合物を反
応例1と同様に処理して、光学活性1−置換プロパノー
ルを得た。結果を第1表に示す。
【0024】
【表1】
【0025】(応用例12〜13 )下記第2表記載の
アミノアルコール誘導体((2S−3R)−体)及びベ
ンズアルデヒドを反応例1と同様に処理することによ
り、光学活性1−フェニルプロパノールを得た。結果を
第2表に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【実施例】
実施例1 (1)後記参考例1で得た(−)−3−オキサ−5−ア
ザージベンゾ〔h,k〕トリシクロ〔5.2.2.0
2.6〕ウンデカ−8,10−ジエン−4−オン(1.
00g)をテトラヒドロフラン(30ml)に溶解し、
アルゴン雰囲気下0℃でn−ブチルリチウム(1.58
M in ヘキサン2.4ml)を滴下し、ヨウ化メチ
ル(0.71ml)を加え、室温で2時間攪拌した。反
応終了後、シリカゲルショートカラム(溶媒:酢酸エチ
ル)で濾過し、濾液を減圧下留去した。シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ(溶媒:ジクロロメタン〜ジクロロ
メタン:酢酸エチル=8:2)で精製することにより、
5−メチル−3−オキサ−5−アザ−ジベンゾ〔h,
k〕トリシクロ〔5.2.2.02.6〕ウンデカ−
8,10−ジエン−4−オンの無色結晶(1.06g)
を得た。 H−NMR(60MHZ/CDCl)δ:2.7
(3H,s),3.7−4.0(1H,m),4.49
−4.75(3H,m),7.02−7.39(8H,
m).
【0028】(2)リチウムアルミニウムヒドリド
(0.435g)をテトラヒドロフラン(20ml)に
懸濁させ、これに本品(1.06g)のテトラヒドロフ
ラン溶液(30ml)を氷冷下滴下し、その後3時間加
熱還流した。反応終了後、水(1.0ml)を氷冷下滴
下し、4M塩酸で酸性とした後、反応液をジクロロメタ
ン(50ml×2)で洗浄した。水相を4M水酸化カリ
ウム水溶液でアルカリ性とし、ジクロロメタン(50m
l×3)で抽出した。抽出液を飽和食塩水(50ml×
3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を
減圧下留去することにより、(2S,3R)−3−N,
N−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ−ジベンゾ〔e,
h〕ビシクロ〔2.2.2.〕オクタ−6,8−ジエン
の無色結晶(0.972g)を得た。 mp.195℃(エタノールから再結晶). 〔α〕 29=−32.1°(c=1.00,クロロホ
ルム). H−NMR(400MHz/CDCl)δ:2.3
7(6H,s),2.51(1H,dd,J=7.7,
1.8HZ),3.8−4.6(1H,brs),4.
04(1H,dd,J=7.7,4.0Hz),4.4
1(1H,d,J=1,8Hz),4.52(1H,
d,J=4.0Hz),7.09−7.37(8H,
m).
【0029】実施例2 後記参考例1で得た生成物(942mg)をエタノール
(19.5ml)/水(1.5ml)の混合溶媒に溶解
し、水酸化バリウム(21.44g)を加え、45時間
加熱還流した。6M塩酸で酸性にし、析出物を濾取し、
6M塩酸で数回洗浄した後、濾液をエチルエーテル(1
00ml×3)で洗浄した。水相を水酸化カリウムでア
ルカリ性とし、エチルエーテル(100ml×3)で抽
出した。抽出液を飽和食塩水(50ml×3)で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去
することにより、(2S,3R)−3−N−メチルアミ
ノ−2−ヒドロキシ−ジベンゾ〔e,h〕ビシクロ
〔2.2.2〕オクタ−6,8−ジエンの無色結晶
(0.830g)を得た。 mp.164℃(エタノールから再結晶). 〔α〕 29=−1.92°(c=1.04,クロロホ
ルム). 〔α〕 29=+16.53°(c=1,00,メタノ
ール). H−NMR(400MHz/CDCl)δ:2.4
9(3H,s),2.0−3.0(2H,brs),
2.92(1H,dd,J=8.1,2.9Hz),
3.90(1H,dd,J=8.1,3.3Hz),
4.36(1H,d,J=2.9Hz),4.22(1
H,d,J=3.3Hz),7.11−7.38(8
H,m).
【0030】実施例3 (1)後記参考例1で得た生成物(1.00g)をテト
ラヒドロフラン(30ml)に溶解し、アルゴン雰囲気
下0℃でn−ブチルリチウム(1.61M in へキ
サン2.36ml)を滴下し、メタンスルホニルクロリ
ド(0.59ml)を加え、0℃で2時間攪拌した。反
応終了後、シリカゲルショートカラム(溶媒:酢酸エチ
ル)で濾過し、濾液を減圧下留去した。シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ(溶媒:ジクロロメタン〜ジクロロ
メタン:酢酸エチル=9:1)で精製することにより、
5−メタンスルホニル−3−オキサ−5−アザジベンゾ
〔h,k〕トリシクロ〔5.2.2.02.6〕ウンデ
カ−8,10−ジエン−4−オンの無色結晶(1.28
0g)を得た。 H−NMR(400MHz/CDCl)δ:3.1
7(3H,s),4.62(1H,dd,J=8.8,
3.3Hz),4.70(1H,d,J=3.7H
z),4.88(1H,dd,J=8.8,3.7H
z),4.95(1H,d,J=3.3Hz),7.2
0−7.41(8H,m).
【0031】(2)本品(1.234g)をメタノール
(36.1ml)に溶解し、炭酸セシウム(1.178
g)を加え、50℃で3時間加熱攪拌した。反応終了
後、クエン酸(0.760g)を加え、シリカゲルショ
ートカラム(溶媒:酢酸エチル)で濾過し、濾液を減圧
化留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶
媒:ジクロロメタン:酢酸エチル=19:1 8:2)
で精製することにより、(2S,3R)−3−N−メタ
ンスルホニルアミノ−2−ヒドロキシ−ジベンゾ〔e,
h〕ビシクロ〔2.2.2〕オクタ−6,8−ジエンの
無色結晶(1.068g)を得た。 mp.178℃(メタノールから再結晶). 〔α〕 29=+8.2°(c=1.00,クロロホル
ム) H−NMR(400MHz/CDCl)δ:2.0
9(1H,br),2.95(3H,s),3.79−
3.84(1H,m),4.22(1H,br),4.
39−4.44(3H,m),7.15−7.37(8
H,m).
【0032】実施例4 (1)後記参考例1で得た生成物(1.001g)をテ
トラヒドロフラン(20ml)に溶解し、アルゴン雰囲
気下0℃でn−ブチルリチウム(1.66Min ヘキ
サン2.29ml)を滴下し、p−トルエンスルホニル
クロリド(1.450g)のテトラヒドロフラン(10
ml)溶液を加え、0℃で2時間攪拌した。反応終了
後、酢酸エチル(200ml)を加え、飽和重曹水(5
0ml×3)及び飽和食塩水(50ml×3)で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタ
ン:ヘキサン=1:1〜ジクロロメタン)で精製するこ
とにより、5−p−トルエンスルホニル−3−オキサ−
5−アザジベンゾ〔h,k〕トリシクロ〔5.2.2.
2.6〕ウンデカ−8,10−ジエン−4−オンの無
色結晶(1.523g)を得た。 H−NMR(400MHz/CDCl)δ:2.4
5(3H,s),4.58(1H,dd,J=8.8,
2.9Hz),4.63(1H,d,J=3.7H
z),4.77(1H,dd,J=8.8,3.7H
z),4.93(1H,d,J=2.9Hz),7.0
3−7.42(10H,m),7.91(2H,d,J
=8.1Hz).
【0033】(2)本品(1.492g)をメタノール
(35.7ml)に溶解し、炭酸セシウム(1.164
g)を加え、50℃で3時間加熱攪拌した。反応終了
後、クエン酸(0.751g)を加え、シリカゲルショ
ートカラム(溶媒:酢酸エチル)で濾過し、濾液を減圧
下留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶
媒:ジクロロメタン〜ジクロロメタン:酢酸エチル=
9:1)で精製することにより、(2S,3R)−3−
N−p−トルエンスルホニルアミノ−2−ヒドロキシ−
ジベンゾ〔e,h〕ビシクロ〔2.2.2〕オクタ−
6,8−ジエンの無色結晶(1.399g)を得た。 mp.200℃(エタノールから再結晶). 〔α〕 28=−35.1°(c=1.01,クロロホ
ルム). H−NMR(400MHz/CDCl)δ:1.6
8(1H,br),2.44(3H,s),3.60
(1H,dd,J=8.1,2.6Hz),4.02
(1H,dd,J=8.1,3.3Hz),4.18
(1H,d,J=2.6Hz),4.34(1H,d,
J=3.3Hz),4.62(1H,d,J=8.4H
z),7.11−7.29(8H,m),7.32(2
H,d,J=8.4Hz),7.75(2H,d,J=
8.4Hz).
【0034】実施例5 (1)後記参考例1で得た生成物(1.003g)をテ
トラヒドロフラン(30ml)に溶解し、アルゴン雰囲
気下0℃でn−ブチルリチウム(1.61Min ヘキ
サン2.4ml)を滴下し、トリフルオロメタンスルホ
ン酸無水物(1.28ml)を加え、0℃で2時間攪拌
した。反応終了後、ジクロロメタン(250ml)を加
え、飽和重曹水(50ml×3)及び飽和食塩水(50
ml×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を減圧下留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィ(溶媒:ジクロロメタン:ヘキサン=1:1〜ジクロ
ロメタン)で精製することにより、5−トリフルオロメ
タンスルホニル−3−オキサ−5−アザジベンゾ〔h,
k〕トリシクロ〔5.2.2.02.6〕ウンデカ−
8,10−ジエン−4−オンの無色結晶(1.401
g)を得た。 H−NMR(400MHz/CDCl)δ:4.6
0(1H,dd,J=8.8,3.3Hz),4.73
(1H,d,J=3.7Hz),4.88(1H,d,
J=3.3Hz),4.97(1H,dd,J=8.
8,3.7Hz),7.22−7.31(4H,m),
7.38=7.44(4H,m).
【0035】(2)本品(1.401g)をメタノール
(35.4ml)に溶解し、炭酸セシウム(1.155
g)を加え、50℃で24時間加熱攪拌した。反応終了
後、クエン酸(0.745g)を加え、シリカゲルショ
ートカラム(溶媒:酢酸エチル)で濾過し、濾液を減圧
下留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶
媒:ジクロロメタン〜ジクロロメタン:酢酸エチル=
9:1)で精製することにより、(2S,3R)−3−
N−トリフルオロメタンスルホニルアミノ−2−ヒドロ
オキシ−ジベンゾ〔e,h〕ビシクロ−〔2,2,2〕
オクタ−6,8−ジエンの無色結晶(1.305g)を
得た。 mp.81℃(四塩化炭素から再結晶) 〔α〕 26=−7.34(c=1.01,クロロホル
ム). H−NMR(400MHz/CDCl)δ:1.7
5(1H,br),3,98(1H,ddd,J=8.
2,8.1,2.6Hz),4.29(1H,dd,J
=8.1,3.3Hz),4.41(1H,d,J=
3.3Hz),4.44(1H,d,J=2.6H
z),5.25(1H,brd,J=8.2Hz),
7.15−7.26(4H,m),7.30−7.88
(4H,m)
【0036】実施例6 (1)後記参考例2で得た(+)−3−オキサ−5−ア
ザ−トリシクロ〔5.2.1.02.6〕デカ−4−オ
ン(1.077g)をエタノール(35.8ml)/水
(3.3ml)の混合溶媒に溶解し、水酸化バリウム
(40.12g)を加え、24時間加熱還流した。6M
塩酸で酸性にし、析出物を濾取し、6M塩酸で数回洗浄
した後、濾液をジクロロメタン(50ml×2)で洗浄
した。水相を水酸化カリウムでアルカリ性とし、ジクロ
ロメタン(50ml×7)で抽出した。抽出液を飽和食
塩水(50ml×5)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を減圧下留去することにより、(2R,
3S)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−ビシクロ−
〔2,2,1〕ヘプタンの無色結晶(0.743g)を
得た。 H−NMR(60MHz/CDCl)δ:0.96
−2.63(11H,m),3.08(1H,dd,J
=4.9Hz),3.25(1H,dd,J=4.9H
z).
【0037】(2)本品(0.640g)を蟻酸(1.
73ml)に溶解し、ホルマリン(1.070g)を加
え、120℃で24時間加熱還流した。濃塩酸(50m
l)を加え、溶媒を減圧留去後4N水酸化カリウム水溶
液でアルカリ性とし、エチルエーテル(20ml×5)
で抽出し、有機相を飽和食塩水(30ml×3)で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去
することにより、(2R,3S)−3−N,N−ジメチ
ルアミノ−2−ヒドロキシ−ビシクロ−〔2,2,1〕
ヘプタンの無色結晶(0.669g)を得た。 mp.85℃ 〔α〕 24=6.92°(c=1.01,クロロホル
ム). H−NMR(400MHz/CDCl)δ:1.2
1−1.37(4H,m),1.43−1.53(1
H,m),1.92(1H,ddd,J=17.6,
8.8,2.4Hz),2.07−2.10(1H,
m),2.21(1H,s),2.24(6H,s),
2.27(1H,s),3.56(1H,br),3.
82−3.86(1H,m).
【0038】実施例7 (1)後記参考例2で得た生成物(0.611g)をテ
トラヒドロフラン(20ml)に溶解し、アルゴン雰囲
気下0℃でn−ブチルリチウム(1.58Min ヘキ
サン2.8ml)を滴下し、p−トルエンスルホニルク
ロリド(1.520g)のテトラヒドロフラン(10m
l)溶液を加え、0℃で2時間攪拌した。反応終了後、
酢酸エチル(200ml)を加え、飽和重曹水(50m
l×3)及び飽和食塩水(50ml×3)で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィ(溶媒:ジクロロメタ
ン:ヘキサン=1:1〜ジクロロメタン)で精製するこ
とにより、(2R,6S)−5−p−トルエンスルホニ
ル−3−オキサ−5−アザトリシクロ〔5.2.1.0
2.6〕デカ−4−オンの無色結晶(1.141g)を
得た。 H−NMR(60MHz/CDCl)δ:0.99
−2.55(9H,m),3.37(3H,s),2.
99−3.49(1H,m),3.66−4.08(1
H,m),5.22(1H,brd,J=6.4H
z),7.16(2H,d,J=8.2Hz),7.6
4(2H,d,J=8.2Hz).
【0039】(2)本品(1.141g)をメタノール
(37.1ml)に溶解し、炭酸セシウム(1.213
g)を加え、2時間加熱還流した。反応終了後、クエン
酸(0.780g)を加え、シリカゲルショートカラム
(酢酸エチル)で濾過し、濾液を減圧下留去した。シリ
カゲルカラムクロマトグラフィ(溶媒:ジクロロメタ
ン:酢酸エチル=19:1〜8:2)で精製し、(2
R,3S)−3−N−p−トルエンスルホニルアミノ−
2−ヒドロキシ−ビシクロ−〔2,2,1〕ヘプタンの
無色結晶(1.021g)を得た。 mp.116℃(四塩化炭素). 〔α〕 29=+47.0°(c=1.01,エタノー
ル). H−NMR(400MHz/CDCl)δ:1.2
1−1.30(4H,m),1.50−1.55(1
H,m),1.72−1.76(1H,m),2.05
(1H,br),2.15(1H,s),2.31(1
H,s),2.42(3H,s),3.30−3.36
(1H,m),3.94(1H,dd,J=4.4,
9.5Hz),5.25(1H,brd,J=7.3H
z),7.30(2H,d,J=8.1Hz),7.7
7(2H,d,J=8.1Hz)
【0040】実施例8 実施例2で得た(2S,3R)−3−N−メチルアミノ
−2−ヒドロキシ−ジベンゾ〔e,h〕ビシクロ〔2.
2.2〕オクタ−6,8−ジエン(0.437g)をジ
クロロメタン(15.7ml)に溶解し、トリエチルア
ミン(0.27ml)を加え、−78度に冷却下トリフ
ルオロメタンスルホン酸無水物(0.29ml)を滴下
した。混合物を1.5時間かく拌した。反応終了後、シ
リカゲルショートカラム(溶媒:酢酸エチル)で濾過
し、濾液を減圧下留去した。シリカゲルカラムクロマト
グラフィ(溶媒:ジクロロメタン:酢酸エチル=19:
1〜8:2)で精製することにより、(2S,3R)−
3−(N−トリフルオロメタンスルホニル−N−メチル
アミノ)−2−ヒドロキシ−ジベンゾ〔e,h〕ビシク
ロ〔2.2.2〕オクタ−6,8−ジエンの無色結晶
(0.511g)を得た。
【0041】参考例1 (1)3−アセチル−2−オキサゾロン(9.9g)と
アントラセン(10.87g)をm−キシレン(16m
l)に溶解し、ボンベンロール中139℃で加熱攪拌し
た後、反応混合物をシリカゲルカラムクロマト(溶媒:
ジクロロメタン:ヘキサン=l:1〜ジクロロメタン)
で精製して得たデイールス−アルダー付加体(5,00
g)をメタノール(164ml)に溶解し、炭酸セシウ
ム(1.071g)を加え40℃で1時間攪拌した。シ
リカゲルショートカラム(溶媒:酢酸エチル)で濾過
し、溶媒を減圧留去後シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィ(溶媒:ジクロロメタン:アセトン=1:1)で分離
精製することにより、(dl)−3−オキサ−5−アザ
−ジベンゾ〔h,k〕トリシクロ〔5.2.2.0
2.6]ウンデカ−8,10−ジエン−4−オンの無色
結晶(4.251g)を得た。
【0042】(2)本品(264mg)をテトラヒドロ
フラン(8ml)に溶解し、水素化ナトリウム(60%
in oil,80mg)を加え、室温で1時間攪拌
した。これに(1S)−2−エキソ−メトキシ−7,7
−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−1−カル
ボン酸(258mg)を塩化チオニル(10ml)に溶
解し、1時間加熱還流して得られる黄色油状酸クロライ
ドを加え室温で15時間攪拌した。シリカゲルショート
カラム(溶媒:上記に同じ)で濾過し、溶媒を減圧留去
後シリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶媒:上記に同
じ)で分離精製することにより、(+)及び(−)−5
−((1S)−2−エキソ−メトキシ−7,7−ジメチ
ルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−1−カルボニル)
−3−オキサ−5−アザ−ジベンゾ〔h,k〕トリシク
ロ〔5.2.2.02.6〕ウンデカ−8,10−ジエ
ン−4−オンをそれぞれ無色結晶として得た。本品の絶
対配置はX線結晶解析により、(−)−体は(2S,6
R)配置であり、(+)−体はそれぞれ(2R,6S)
配置と決定した。 (−)−体:収量;209mg 〔α〕 29−119.9°(c=1.01,クロロホ
ルム). (+)−体:収量;220mg mp.227℃(四塩化炭素.ヘキサン混液から再結
晶). 〔α〕 25+79.2°(c=1.01,クロロホル
ム).
【0043】(3)上記(2)で得た(−)−体(1.
767g)をテトラヒドロフラン(53ml)に溶解
し、アルゴン雰囲気下0℃でリチウムボロヒドリド
(2.0Min テトラヒドロフラン15.9ml)及
びメタノール(2.5ml)のテトラヒドロフラン溶液
(15.0ml)を滴下し、室温で2時間攪拌した。6
N塩酸を加えて酸性として室温で30分間攪拌後ジクロ
ロメタン(200ml)を加えて飽和食塩水で洗浄し
(50ml×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を減圧留去後シリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶
媒:ジクロロメタン:酢酸エチル=19:1〜1:1)
で分離精製することにより、(−)−3−オキサ−5−
アザ−ジベンゾ〔h,k〕トリシクロ〔5.2.2.0
2.6〕ウンデカ−8,10−ジエン−4−オンの無色
結晶(792mg)を得た。 mp.244℃(ジクロロメタン.ヘキサン混液から再
結晶) 〔α〕 27−60.7°(c=1.00,メタノー
ル). H−NMR(400MHz/CDCl)δ:4.0
5(1H,dd,J=3.3,8.8Hz),4.36
(1H,d,J=3.3Hz),4.67(1H,d,
J=3.7Hz),4.86(1H,dd,J=4.
0,8.8Hz),5.93(1H,s),7.16−
7.29(6H,m),7.34−7.39(2H,
m). IR(Nujol):1730,1760cm−1(C
=O)
【0044】参考例2 (1)3−アセチル−2−オキサゾロン(5.0g)及
びペンタジエン(27.5ml)をm−キシレン(20
ml)に溶解し、ボンベンロール中139℃で加熱かく
拌した後、シリカゲルカラムクロマト(溶媒:ジクロロ
メタン:ヘキサン=2:1〜ジクロロメタン)で精製し
て得た(dl)−5−アセチル−3−オキサ−5−アザ
トリシクロ〔5.2.1.02.6〕デカ−8−エン−
4−オン(5.249g)をメタノール(100ml)
に溶解した。これに炭酸セシウム(1.770g)をメ
タノール(30ml)に溶かしたものを加え室温下6時
間攪拌した後、シリカゲルショートカラム(溶媒:酢酸
エチル)で濾過し、溶媒を減圧留去した。残査をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン:酢酸エ
チル=8:2,1:1及び3:7)で分離精製すること
により、(dl)−3−オキサ−5−アザ−トリシクロ
〔5.2.1.02.6〕デカ−8−エン−4−オンの
無色結晶(3.927g)を得た。
【0045】(2)本品(0.9043g)をテトラヒ
ドロフラン(48ml)に溶解し、アルゴン雰囲気下−
78℃でn−ブチルリチウム(1.55M in ヘキ
サン4.2ml)を滴下した。これに、(1S)−2−
エキソ−メトキシ−7,7−ジメチルビシクロ〔2.
2.1〕ヘプタン−1−カルボン酸(1.308g)を
塩化チオニル(50ml)に溶解し、2時間加熱還流し
て得られる黄色油状酸クロライドのテトラヒドロフラン
(10ml)溶液を室温で3時間攪拌した。シリカゲル
ショートカラム(溶媒:酢酸エチル)で濾過し、ろ液を
減圧留去後シリカゲルショートカラムクロマトグラフィ
(溶媒:ジクロロメタン:ヘキサン=1:2,1:1,
2:1及びジクロロメタン)で分離精製することによ
り、(+)及び(−)−5−((1S)−2−エキソ−
メトキシ−7,7−ジメチルピシクロ〔2.2.1〕ヘ
プタン−1−カルボニル〕−3−オキサ−5−アザトリ
シクロ〔5.2.1.02.6〕デカ−8−エン−4−
オンそれぞれ無色結晶として得た。本品の絶対配置はX
線結晶解析により、(−)−体は(2S,6R)配置で
あり、(+)−体は(2R,6S)配置と決定した。 (−)−体:収量:916mg 〔α〕 30−150.5°(c=1.0,クロロホル
ム) (+)−体:収量:924m 〔α〕 31+103.9°(c=1.1,クロロホル
ム)
【0046】(3)上記(2)で得た(+)−体(3.
084g)をテトラヒドロフラン(124ml)に溶解
し、アルゴン雰囲気下0℃でリチウムボロヒドリド
(2.0M in テトラヒドロフラン(37.2m
l)及びメタノール(5.9ml)のテトラヒドロフラ
ン溶液(34ml)を加え、0℃で1.5時間続、室温
で2時間攪拌した。シリカゲルショートカラム(溶媒:
酢酸エチル)で濾過し、ろ液を減圧留去後シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン,ジクロロメタ
ン:酢酸エチル=9:1,7:3及び1:1)で分離精
製することにより、(1S,2R,6S,7R)−
(+)−3−オキサ−5−アザトリシクロ〔5.2.
1.02.6〕デカ−8−エン−4−オンの無色結晶
(877mg)を得た。 m.p.189℃(酢酸エチルから再結晶) 〔α〕 27+85.54°(c=1.00,メタノー
ル) H−NMR(400MHz/CDCl)δ:1.2
0(1H,d,j =9.5Hz),1.47(1H,dd,J=1.8,
9.5Hz),2.92(1H,s),3.14(1
H,s),3.99(1H,dd,J=3.3,8.4
Hz),4.91(1H,dd,J=4.0,8.4H
z),6.07(1H,dd,J=2.9,5.9H
z),6.12(1H,dd,J=2.9,5.9H
z),7.57(1H,brs). IR(Nujol):1710,1730cm−1(C
=O)
【0047】(4)本品(443mg)をメタノール
(44.0ml)に溶解し、パラジウム炭素(219.
8mg)を加え水素雰囲気下室温で終夜攪拌した。セラ
イトパッドを通してパラジウム炭素を濾別し、ろ液を減
圧濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶媒:ジ
クロロメタン:酢酸エチル=9:1〜7:3)で精製す
ることにより、(1R,2R,6S,7S)−(+)−
3−オキサ−5−アザ−トリシクロ〔5.2.1.0
2.6〕デカ−4−オンの無色結晶(443mg)を得
た。 mp.181℃(四塩化炭素及びクロロホルム混液から
再結晶) 〔α〕 28+51.3°(c=1.01,クロロホル
ム) IR(Nujol):1700,1740cm−1(C
=O)
【0048】
【発明の効果】上記応用例から明らかな通り、本発明の
アミノアルコール誘導体を用いてアルデヒド類化合物の
不斉アルキル化を行った場合、最高98%eeという高
い不斉収率で、かつ化学的な収率もよく目的とする光学
活性な生成物が得られる。このように本発明の1,2−
アミノアルコール誘導体は、優れた不斉誘導効果を有す
るため、例えば、上記の如きアルキル化反応の他、還元
反応、ディールス−アルダー反応、アルドール反応、マ
イケル付加反応、シクロプロパン化反応などにおける不
斉誘起触媒として、あるいはアルキル化、アルドール反
応、マイケル付加反応における不斉補助剤として用いる
ことができ、不斉合成反応に広く利用することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 〔但し、Rは水素原子又は低級アルキル基を表し、X
    及びYは、一方が基:−NRであり、他方が水酸
    基であることを表し、A及びBは、Aがメチレン基であ
    りBがエチレン基であるか、又はA及びBが共にo−フ
    ェニレン基であることを表し、R及びRは同一又は
    異なって水素原子、低級アルキル基、低級アルキルスル
    ホニル基、低級アルキルフェニル置換スルホニル基又は
    トリハロゲノ低級アルキルスルホニル基であることを表
    す。〕で示される1,2−アミノアルコール誘導体又は
    その塩。
  2. 【請求項2】 Aがメチレン基、Bがエチレン基である
    請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 A及びBが共にo−フェニレン基である
    請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】 Rが水素原子又メチル基、X及びYの
    一方が基:−NRであり、他方が水酸基、R
    びRが同一又は異なって水素原子、メチル基、メタン
    スルホニル基、p−トルエンスルホニル基又はトリフル
    オロメタンスルホニル基である請求項2〜3記載の化合
    物。
  5. 【請求項5】 Rが水素原子である請求項4記載の化
    合物。
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