JP2801768B2 - 新規な光学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩及びその製法、並びにこの塩を用いる光学活性メトプロロールの製法 - Google Patents
新規な光学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩及びその製法、並びにこの塩を用いる光学活性メトプロロールの製法Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C217/00—Compounds containing amino and etherified hydroxy groups bound to the same carbon skeleton
- C07C217/02—Compounds containing amino and etherified hydroxy groups bound to the same carbon skeleton having etherified hydroxy groups and amino groups bound to acyclic carbon atoms of the same carbon skeleton
- C07C217/04—Compounds containing amino and etherified hydroxy groups bound to the same carbon skeleton having etherified hydroxy groups and amino groups bound to acyclic carbon atoms of the same carbon skeleton the carbon skeleton being acyclic and saturated
- C07C217/28—Compounds containing amino and etherified hydroxy groups bound to the same carbon skeleton having etherified hydroxy groups and amino groups bound to acyclic carbon atoms of the same carbon skeleton the carbon skeleton being acyclic and saturated having one amino group and at least two singly-bound oxygen atoms, with at least one being part of an etherified hydroxy group, bound to the carbon skeleton, e.g. ethers of polyhydroxy amines
- C07C217/30—Compounds containing amino and etherified hydroxy groups bound to the same carbon skeleton having etherified hydroxy groups and amino groups bound to acyclic carbon atoms of the same carbon skeleton the carbon skeleton being acyclic and saturated having one amino group and at least two singly-bound oxygen atoms, with at least one being part of an etherified hydroxy group, bound to the carbon skeleton, e.g. ethers of polyhydroxy amines having the oxygen atom of at least one of the etherified hydroxy groups further bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring
- C07C217/32—Compounds containing amino and etherified hydroxy groups bound to the same carbon skeleton having etherified hydroxy groups and amino groups bound to acyclic carbon atoms of the same carbon skeleton the carbon skeleton being acyclic and saturated having one amino group and at least two singly-bound oxygen atoms, with at least one being part of an etherified hydroxy group, bound to the carbon skeleton, e.g. ethers of polyhydroxy amines having the oxygen atom of at least one of the etherified hydroxy groups further bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring the six-membered aromatic ring or condensed ring system containing that ring being further substituted
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は新規な光学活性メトプロロール・酒石酸誘
導体塩及びその製法、並びにこの塩を用い光学活性メト
プロロールの製法に係り、その目的は新規な(2S)−1
−イソプロピルアミノ−3−〔p−(2−メトシキシエ
チル)フェノキシ〕−2−プロパノール−(2S′,3
S′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩の(2R)−1
−イソプロピルアミノ−3−〔p−(2−メトキシエチ
ル)フェノキシ〕−2−プロパノール(2R′,3R′)−
0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩及びその製法を提供
することにより、本能性高血圧症、狭心症、煩脈性不整
脈等の治療薬であるメトプロロールの光学活性体を簡便
且つ工業的に生産できる製法を提供することにある。
導体塩及びその製法、並びにこの塩を用い光学活性メト
プロロールの製法に係り、その目的は新規な(2S)−1
−イソプロピルアミノ−3−〔p−(2−メトシキシエ
チル)フェノキシ〕−2−プロパノール−(2S′,3
S′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩の(2R)−1
−イソプロピルアミノ−3−〔p−(2−メトキシエチ
ル)フェノキシ〕−2−プロパノール(2R′,3R′)−
0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩及びその製法を提供
することにより、本能性高血圧症、狭心症、煩脈性不整
脈等の治療薬であるメトプロロールの光学活性体を簡便
且つ工業的に生産できる製法を提供することにある。
(発明の背景) メトプロロール(式3)のようなβ−受容器遮断剤
は、狭心症、高血圧、血管調整神経衰弱症、ある種の型
の不整脈等を引き起こす心臓病、及び血管病等に優れた
治療効果を有することが知られている。
は、狭心症、高血圧、血管調整神経衰弱症、ある種の型
の不整脈等を引き起こす心臓病、及び血管病等に優れた
治療効果を有することが知られている。
一般にβ−受容器活性剤の薬理学的に活性な形態は、
一方の光学的対掌体である。
一方の光学的対掌体である。
従って、一方を純粋に合成することによって、他方に
よる作用等の確認が可能となる。
よる作用等の確認が可能となる。
(従来技術及びその欠点) 従来、この純粋な光学的対掌体及びこれに類する化合
物の合成方法としては、英国特許第1598867号及び15986
68号、特開昭61−47447号公報に開示された技術が存在
する。
物の合成方法としては、英国特許第1598867号及び15986
68号、特開昭61−47447号公報に開示された技術が存在
する。
しかしながら、これらの技術は全て多くの工程を要す
る煩雑な合成方法であるため生産効率が悪く工業的な製
造方法としては採用できなかった。
る煩雑な合成方法であるため生産効率が悪く工業的な製
造方法としては採用できなかった。
また、ラセミ体を光学分割して双方の光学対掌体に分
割する方法も知られている。(J.Chromatog.316 605〜6
16(1984),J.Chromatog.350 1,328〜331(1985)) しかしながら、これらの方法は、ガスクロマトグラフ
ィー、液体クロマトグラフィー等により分離する方法で
あるため大量に生産できる方法ではなく、工業的な生産
方法として適した方法ではなかった。
割する方法も知られている。(J.Chromatog.316 605〜6
16(1984),J.Chromatog.350 1,328〜331(1985)) しかしながら、これらの方法は、ガスクロマトグラフ
ィー、液体クロマトグラフィー等により分離する方法で
あるため大量に生産できる方法ではなく、工業的な生産
方法として適した方法ではなかった。
(発明の解決課題) 上記実情に鑑み、簡便に工業的な規模で生産できる光
学活性メトプロロールの製法の創出が望まれていた。
学活性メトプロロールの製法の創出が望まれていた。
(発明の解決手段) 上記課題に鑑み、この発明者らは鋭意検討の結果、
(2S)−1−イソプロピルアミノ−3−〔p−(2−メ
トキシエチル)フェノキシ〕−2−プロパノール−(2
S′,3S′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩(次式
1)又は(2R)−1−イソプロピルアミノ−3−〔p−
(2−メトキシエチル)フェノキシ〕−2−プロパノー
ル−(2R′,3R′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩
(次式2)である新規な光学活性メトプロロール・酒石
酸誘導体塩、及び光学的対掌体の双方を含有するメトプ
ロロール(次式3)に(+)−(2S,3S)−0,0−ジ−p
−トルオイル酒石酸(次式4)を溶剤中で反応させて塩
とし、この得られた塩を溶剤中で再結晶して次式1で示
される光学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩を得る
製法と光学的対掌体の双方を含有するメトプロロール
(次式3)に(−)−(2R,3R)−0,0−ジ−p−トルオ
イル酒石酸(次式5)を溶剤中で反応させて塩とし、こ
の得られた塩を溶剤中で再結晶して次式2で示される光
学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩を得る製法、並
びにこの光学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩(次
式1)を加水分解して光学活性メトプロロール(次式
6)とする製法と光学活性メトプロロール・酒石酸誘導
体塩(次式2)を加水分解して光学活性メトプロロール
(次式7)とする製法が上記課題を悉く解決することを
見い出し、この発明を完成するに至った。
(2S)−1−イソプロピルアミノ−3−〔p−(2−メ
トキシエチル)フェノキシ〕−2−プロパノール−(2
S′,3S′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩(次式
1)又は(2R)−1−イソプロピルアミノ−3−〔p−
(2−メトキシエチル)フェノキシ〕−2−プロパノー
ル−(2R′,3R′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩
(次式2)である新規な光学活性メトプロロール・酒石
酸誘導体塩、及び光学的対掌体の双方を含有するメトプ
ロロール(次式3)に(+)−(2S,3S)−0,0−ジ−p
−トルオイル酒石酸(次式4)を溶剤中で反応させて塩
とし、この得られた塩を溶剤中で再結晶して次式1で示
される光学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩を得る
製法と光学的対掌体の双方を含有するメトプロロール
(次式3)に(−)−(2R,3R)−0,0−ジ−p−トルオ
イル酒石酸(次式5)を溶剤中で反応させて塩とし、こ
の得られた塩を溶剤中で再結晶して次式2で示される光
学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩を得る製法、並
びにこの光学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩(次
式1)を加水分解して光学活性メトプロロール(次式
6)とする製法と光学活性メトプロロール・酒石酸誘導
体塩(次式2)を加水分解して光学活性メトプロロール
(次式7)とする製法が上記課題を悉く解決することを
見い出し、この発明を完成するに至った。
(但し、S及びRは立体配置を示す。) (発明の構成) この発明に係る光学活性メトプロロール・酒石酸誘導
体塩は、次式1で示される(2S)−1−イソプロピルア
ミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕
−2−プロパノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−ト
ルオイル酒石酸塩及び次式2で示される(2R)−1−イ
ソプロピルアミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)
フェノキシ〕−2−プロパノール−(2R′,3R′)−0,0
−ジ−p−トルオイル酒石酸塩である。
体塩は、次式1で示される(2S)−1−イソプロピルア
ミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕
−2−プロパノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−ト
ルオイル酒石酸塩及び次式2で示される(2R)−1−イ
ソプロピルアミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)
フェノキシ〕−2−プロパノール−(2R′,3R′)−0,0
−ジ−p−トルオイル酒石酸塩である。
(但し、S及びRは立体配置を示す。) この(2S)−1−はイソプロピルアミノ−3−〔p−
(2−メトキシエチル)フェノキシ〕−2−プロパノー
ル−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩
(前式1)は、無色の結晶でその融点は96.0〜97.0℃の
物質である。
(2−メトキシエチル)フェノキシ〕−2−プロパノー
ル−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩
(前式1)は、無色の結晶でその融点は96.0〜97.0℃の
物質である。
また、旋光度〔α〕25は+90.6゜(C=1.13,メタノ
ール)であった。
ール)であった。
この塩の赤外線吸収スペクトルの吸収波数(cm-1)
は、3400(br)、3020(m)、2980(m)、2920
(m)、2860(m)、1720(s)、1610(s)、1510
(s)、1380(m)、1290(s)、1250(s)、1180
(s)、1110(s)、750(s)であった。(第1図参
照) 尚、測定はKBr錠剤法で行なった。
は、3400(br)、3020(m)、2980(m)、2920
(m)、2860(m)、1720(s)、1610(s)、1510
(s)、1380(m)、1290(s)、1250(s)、1180
(s)、1110(s)、750(s)であった。(第1図参
照) 尚、測定はKBr錠剤法で行なった。
プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz,CD3OD)のδ
値は1.276(6H,dd,J=2.0,6.4Hz)、2.381(6H,S)、2.
774(2H,t,J=6.8Hz)、3.040(1H,dd,J=9.5,12.2H
z)、3.25〜3.40(4H,m)、3.544(2H,t,J=7.1Hz)、
3.884(2H,ddd,J=5.1,10.0,23.0Hz)、4.15〜4.25(1
H,m)、5.874(2H,S)、6.816(2H,d,J=8.5Hz)、7.11
3(2H,d,J=8.5Hz)、7.263(4H,d,J=8.3Hz)、8.003
(4H,d,J=8.3Hz)であった。(第2図参照) 更に、元素分析結果は、Cが92.90%、Hが6.57%、
Nが2.11%であった。
値は1.276(6H,dd,J=2.0,6.4Hz)、2.381(6H,S)、2.
774(2H,t,J=6.8Hz)、3.040(1H,dd,J=9.5,12.2H
z)、3.25〜3.40(4H,m)、3.544(2H,t,J=7.1Hz)、
3.884(2H,ddd,J=5.1,10.0,23.0Hz)、4.15〜4.25(1
H,m)、5.874(2H,S)、6.816(2H,d,J=8.5Hz)、7.11
3(2H,d,J=8.5Hz)、7.263(4H,d,J=8.3Hz)、8.003
(4H,d,J=8.3Hz)であった。(第2図参照) 更に、元素分析結果は、Cが92.90%、Hが6.57%、
Nが2.11%であった。
C35H43NO11の計算値はCが92.72%、Hが6.58%、N
が2.14%であることから、この物質の示性式はC35H43NO
11であると判る。
が2.14%であることから、この物質の示性式はC35H43NO
11であると判る。
以上の結果からこの塩は構造式が上記の式1で示され
る(2S)−1−イソプロピルアミノ−3−〔p−(2−
メトキシエチル)フェノキシ〕−2−プロパノール−
(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩であ
ると同定される。
る(2S)−1−イソプロピルアミノ−3−〔p−(2−
メトキシエチル)フェノキシ〕−2−プロパノール−
(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩であ
ると同定される。
また、(2R)−1−イソプロピルアミノ−3−〔p−
(2−メトキシエチル]フェノキシ〕−2−プロパノー
ル−(2R′,3R′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩
(前式2)は、無色の結晶でその融点が95.5〜96.5℃の
物質である。
(2−メトキシエチル]フェノキシ〕−2−プロパノー
ル−(2R′,3R′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩
(前式2)は、無色の結晶でその融点が95.5〜96.5℃の
物質である。
また、旋光度〔α〕25は−90.4゜(C=0.467メタノ
ール)であった。
ール)であった。
尚、赤外線吸収スペクトル図及びプロトン核磁気共鳴
スペクトル図は、(2S)−1−イソプロピルアミノ−3
−〔p−(2−メトキシエチル〕フェノキシ〕−2−プ
ロパノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−トルオイル
酒石酸塩(前式1)と同じであった。
スペクトル図は、(2S)−1−イソプロピルアミノ−3
−〔p−(2−メトキシエチル〕フェノキシ〕−2−プ
ロパノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−トルオイル
酒石酸塩(前式1)と同じであった。
更に、元素分析結果は、Cが92.70%、Hが6.60%、
Nが2.13%であった。
Nが2.13%であった。
C35H43N11の計算値はCが92.72%、Hが6.58%、Nが
2.14%であることから、この物質の示性式はC35H43N11
であると判る。
2.14%であることから、この物質の示性式はC35H43N11
であると判る。
以上の結果からこの塩は構造式が上記の式2で示され
る(2R)−1−イソプロピルアミノ−3−〔p−(2−
メトキシエチル)フェノキシ〕−2−プロパノール−
(2R′,3R′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩であ
ると同定される。
る(2R)−1−イソプロピルアミノ−3−〔p−(2−
メトキシエチル)フェノキシ〕−2−プロパノール−
(2R′,3R′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩であ
ると同定される。
次に、これらの塩の製法について詳述する。
一方の出発原料として、純粋な光学活性体でないメト
プロロール(次式3)、即ち光学的対掌対の双方を同量
含有するラセミ体メトプロロール、或いは光学的対掌対
の双方を異なる量含有するメトプロロールを用いる。
プロロール(次式3)、即ち光学的対掌対の双方を同量
含有するラセミ体メトプロロール、或いは光学的対掌対
の双方を異なる量含有するメトプロロールを用いる。
このメトプロロール(前式3)のラセミ体は特開昭58
−159446号に開示された方法により3−〔p−(2−メ
トキシエチル)フェノキシ〕−1,2−プロパンジオール
を出発原料として製造できる。
−159446号に開示された方法により3−〔p−(2−メ
トキシエチル)フェノキシ〕−1,2−プロパンジオール
を出発原料として製造できる。
他方の出発原料としてS−体の酒石酸誘導体である
(+)−(2S,3S)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸
(前式4)又はR−体の酒石酸誘導体である(−)−
(2R,3R)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸(前式5)
を使用する。
(+)−(2S,3S)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸
(前式4)又はR−体の酒石酸誘導体である(−)−
(2R,3R)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸(前式5)
を使用する。
(但し、S及びRは立体配置を示す。) メトプロロール(前式3)とS−体の酒石酸誘導体
(前式4)とを反応させると(2S)−1−イソプロピル
アミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキ
シ〕−2−プロパノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p
−トルオイル酒石酸塩(前式1)とそのジアステレオマ
ー塩とが生成される。
(前式4)とを反応させると(2S)−1−イソプロピル
アミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキ
シ〕−2−プロパノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p
−トルオイル酒石酸塩(前式1)とそのジアステレオマ
ー塩とが生成される。
また、メトプロロール(前式3)とR−体の酒石酸誘
導体(前式5)とを反応させると(2R)−1−イソプロ
ピルアミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノ
キシ〕−2−プロパノール−(2R′,3R′)−0,0−ジ−
p−トルオイル酒石酸塩(前式2)とそのジアステレオ
マー塩とが生成される。
導体(前式5)とを反応させると(2R)−1−イソプロ
ピルアミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノ
キシ〕−2−プロパノール−(2R′,3R′)−0,0−ジ−
p−トルオイル酒石酸塩(前式2)とそのジアステレオ
マー塩とが生成される。
この反応に用いる溶剤としては、極性溶剤が好適に使
用でき、より好ましくはメタノール、エタノール等のア
ルコール系溶剤、ジクロルメタン、クロロホルム等のハ
ロゲン系溶剤、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系
溶剤が望ましく、最も好ましい溶剤としてはジクロルメ
タンが例示できる。
用でき、より好ましくはメタノール、エタノール等のア
ルコール系溶剤、ジクロルメタン、クロロホルム等のハ
ロゲン系溶剤、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系
溶剤が望ましく、最も好ましい溶剤としてはジクロルメ
タンが例示できる。
メトプロロール(前式3)に対しての酒席酸誘導体
(前式4及び前式5)の配合量は、1当量が最も好まし
い。
(前式4及び前式5)の配合量は、1当量が最も好まし
い。
この反応に於ける反応温度は、0℃〜溶剤の沸点、よ
り好ましくは0℃〜室温までがよい。
り好ましくは0℃〜室温までがよい。
このようにして得られたジアステレオマー塩を混合す
る光学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩(前式1及
び前式2)は、溶剤中で再結晶することにより、それぞ
れのジアステレオマーと分離されてこの発明に係る光学
活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩(前式1及び前式
2)とされる。
る光学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩(前式1及
び前式2)は、溶剤中で再結晶することにより、それぞ
れのジアステレオマーと分離されてこの発明に係る光学
活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩(前式1及び前式
2)とされる。
即ち、再結晶することにより(2S)−イソプロピルア
ミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕
−2−プロパノール−(2S′,3S′)−0,0−p−トルオ
イル酒石酸塩(前式1)はそのジアステレオマー塩と分
離され、再結晶することにより(2R)−イソプロピルア
ミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕
−2−プロパノール−(2R′,3R′)−0,0−p−トルオ
イル酒石酸塩(前式2)はそのジアステレオマー塩と分
離される。
ミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕
−2−プロパノール−(2S′,3S′)−0,0−p−トルオ
イル酒石酸塩(前式1)はそのジアステレオマー塩と分
離され、再結晶することにより(2R)−イソプロピルア
ミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕
−2−プロパノール−(2R′,3R′)−0,0−p−トルオ
イル酒石酸塩(前式2)はそのジアステレオマー塩と分
離される。
この再結晶に用いる溶剤としては、ジクロルメタン、
クロロホルム等のハロゲン系溶剤、ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香
族系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶
剤、ヘキサン、ペンタン等の炭化水素系溶剤、及びこれ
らの混合溶剤等が例示できる。
クロロホルム等のハロゲン系溶剤、ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香
族系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶
剤、ヘキサン、ペンタン等の炭化水素系溶剤、及びこれ
らの混合溶剤等が例示できる。
このようにして得た光学活性メトプロロール・酒石酸
誘導体塩(前式1及び前式2)は、光学純度が高い光学
活性体である。
誘導体塩(前式1及び前式2)は、光学純度が高い光学
活性体である。
この光学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩(前式
1)は、エーテルと水との混合溶剤等の溶剤中で水酸化
ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで容易に加水
分解され、光学活性メトプロロール(次式6)とされ
る。
1)は、エーテルと水との混合溶剤等の溶剤中で水酸化
ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで容易に加水
分解され、光学活性メトプロロール(次式6)とされ
る。
(但し、Sは立体配置を示す。) 同様にして、光学活性メトプロロール・酒石酸誘導体
塩(前式2)は、光学活性メトプロロール(次式7)と
される。
塩(前式2)は、光学活性メトプロロール(次式7)と
される。
(但し、Rは立体配置を示す。) 得られたこれらのメトプロロール(前式6及び7)は
光学純度が高い光学活性体である。
光学純度が高い光学活性体である。
以下に実施例を示し、この発明の効果をより一層明確
にする。
にする。
(実施例1) (2S)−イソプロピルアミノ−3−〔p−(2−メト
キシエチル)フェノキシ〕−2−プロパノール−(2
S′,3S′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩の合成
例。
キシエチル)フェノキシ〕−2−プロパノール−(2
S′,3S′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩の合成
例。
(±)−メトプロロール(300g,1.12mmol)をメタノ
ール(500ml)に溶解した。
ール(500ml)に溶解した。
室温で(+)−(2S,3S)−0,0−ジ−p−トルオイル
酒石酸・1水和物(454g,1.12mmol)を添加し、30分間
撹拌して完全に溶解させた。
酒石酸・1水和物(454g,1.12mmol)を添加し、30分間
撹拌して完全に溶解させた。
この溶液を減圧濃縮して、シロップ状の残査731gを得
た。
た。
この残査をジクロルメタン:ジエチルエーテル1:1の
溶剤中で再結晶させて、(2S)−1−イソプロピルアミ
ノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕−
2−プロパノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−トル
オイル酒石酸塩を225g(収率31%)得た。
溶剤中で再結晶させて、(2S)−1−イソプロピルアミ
ノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕−
2−プロパノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−トル
オイル酒石酸塩を225g(収率31%)得た。
尚、光学純度は99%e.eであった。
この光学純度の測定は、CHIRALCEL OD等の光学活性体
分離カラムを装着したHPLCで行なった。(以下の実施例
も同様である。) この物質は、無色の結晶で融点は96.0〜97.0℃であっ
た。
分離カラムを装着したHPLCで行なった。(以下の実施例
も同様である。) この物質は、無色の結晶で融点は96.0〜97.0℃であっ
た。
また、〔α〕25は+90.6゜(C=1.13,メタノール)
であった。
であった。
この物質の赤外線吸収スペクトルの吸収波数(cm-1)
は、3400(br)、3020(m)、2980(m)、2920
(m)、2860(m)、1720(s)、1610(s)、1510
(s)、1380(m)、1290(s)、1250(s)、1180
(s)、1110(s)、750(s)であった。(第1図参
照) 尚、測定はKBr錠剤法で行なった。
は、3400(br)、3020(m)、2980(m)、2920
(m)、2860(m)、1720(s)、1610(s)、1510
(s)、1380(m)、1290(s)、1250(s)、1180
(s)、1110(s)、750(s)であった。(第1図参
照) 尚、測定はKBr錠剤法で行なった。
プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz,CD3OD)のδ
値は1.276(6H,dd,J=2.0,6.4Hz)、2.381(6H,S)、2.
774(2H,t,J=6.8Hz)、3.040(1H,dd,J=9.5,12.2H
z)、3.25〜3.40(4H,m)、3.544(2H,t,J=7.1Hz)、
3.884(2H,ddd,J=5.1,10.0,23.0Hz)、4.15〜4.25(1
H,m)、5.874(2H,S)、6.816(2H,d,J=8.5Hz)、7.11
3(2H,d,J=8.5Hz)、7.263(4H,d,J=8.3Hz)、8.003
(4H,d,J=8.3Hz)であった。(第2図参照) 更に、元素分析結果は、Cが92.90%、Hが6.57%、
Nが2.11%であった。
値は1.276(6H,dd,J=2.0,6.4Hz)、2.381(6H,S)、2.
774(2H,t,J=6.8Hz)、3.040(1H,dd,J=9.5,12.2H
z)、3.25〜3.40(4H,m)、3.544(2H,t,J=7.1Hz)、
3.884(2H,ddd,J=5.1,10.0,23.0Hz)、4.15〜4.25(1
H,m)、5.874(2H,S)、6.816(2H,d,J=8.5Hz)、7.11
3(2H,d,J=8.5Hz)、7.263(4H,d,J=8.3Hz)、8.003
(4H,d,J=8.3Hz)であった。(第2図参照) 更に、元素分析結果は、Cが92.90%、Hが6.57%、
Nが2.11%であった。
C35H43NO11の計算値はCが92.72%、Hが6.58%、N
が2.14%であることから、この物質の示性式はC35H43NO
11であると判る。
が2.14%であることから、この物質の示性式はC35H43NO
11であると判る。
(実施例2) (2R)−1−イソプロピルアミノ−3−〔p(2−メ
トキシエチル)フェノキシ〕−2−プロパノール−(2
R′,3R′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩の合成
例。
トキシエチル)フェノキシ〕−2−プロパノール−(2
R′,3R′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩の合成
例。
(+)−(2S,3S)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸
・1水和物の代わりに(−)−(2R,3R)−0,0−ジ−p
−トルオイル酒石酸・1水和物を使用した以外は、実施
例1と同様にして、(2R)−1−イソプロピルアミノ−
3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕−2−
プロパノール−(2R′,3R′)−0,0−ジ−p−トルオイ
ル酒石酸塩を262g(収率36%)得た。
・1水和物の代わりに(−)−(2R,3R)−0,0−ジ−p
−トルオイル酒石酸・1水和物を使用した以外は、実施
例1と同様にして、(2R)−1−イソプロピルアミノ−
3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕−2−
プロパノール−(2R′,3R′)−0,0−ジ−p−トルオイ
ル酒石酸塩を262g(収率36%)得た。
尚、光学純度は99%e.eであった。
この物質は、無色の結晶で融点は95.5〜96.5℃であっ
た。
た。
また、〔α〕25は−90.4゜(C=0.467,メタノール)
であった。
であった。
尚、赤外線吸収スペクトル図及びプロトン核磁気共鳴
スペクトル図は、実施例1の(2S)−1−イソプロピル
アミノ−3−〔p(2−メトキシエチル)フェノキシ〕
−2−プロパノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−ト
ルオイル酒石酸塩と同じであった。
スペクトル図は、実施例1の(2S)−1−イソプロピル
アミノ−3−〔p(2−メトキシエチル)フェノキシ〕
−2−プロパノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−ト
ルオイル酒石酸塩と同じであった。
更に、元素分析結果は、Cが92.70%、Hが6.60%、
Nが2.13%であった。
Nが2.13%であった。
C35H43N11の計算値はCが92.72%、Hが6.58%、Nが
2.14%であることから、この物質の示性式はC35H43N11
であると判る。
2.14%であることから、この物質の示性式はC35H43N11
であると判る。
(実施例3) (+)−メトプロロールの合成例。
実施例1で得た(2S)−1−イソプロピルアミノ−3
−〔p(2−メトキシエチル)フェノキシ〕−2−プロ
パノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒
石酸塩(225g,344mmol)を1規定水酸化ナトリウム水溶
液(688ml)とジエチルエーテル(1200ml)の不均一溶
剤中に混合し、氷冷下で1時間激しく撹拌した。
−〔p(2−メトキシエチル)フェノキシ〕−2−プロ
パノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒
石酸塩(225g,344mmol)を1規定水酸化ナトリウム水溶
液(688ml)とジエチルエーテル(1200ml)の不均一溶
剤中に混合し、氷冷下で1時間激しく撹拌した。
有機層を分離し、水層をジエチルエーテル(400ml)
で2回抽出し、先に分離した有機層と混合して硫酸ナト
リウムで乾燥した。
で2回抽出し、先に分離した有機層と混合して硫酸ナト
リウムで乾燥した。
濾過後、濃縮して無色の結晶である(+)−メトプロ
ロールを82g(収率90%)得た。
ロールを82g(収率90%)得た。
尚、光学純度は99%e.eであった。
この物質の融点は44.5℃、〔α〕23は+0.47゜(C=
1.82,メタノール)であった。
1.82,メタノール)であった。
この物質の赤外線吸収スペクトルの吸収波数(cm-1)
は、3420(br)、2960(s)、2920(s)、2860
(s)、1605(m)、1510(s)、1450(m)、1380
(m)、1240(s)、1175(m)、1110(s)、1020
(m)であった。(第3図参照) 尚、測定はKBr錠剤法で行なった。
は、3420(br)、2960(s)、2920(s)、2860
(s)、1605(m)、1510(s)、1450(m)、1380
(m)、1240(s)、1175(m)、1110(s)、1020
(m)であった。(第3図参照) 尚、測定はKBr錠剤法で行なった。
プロトン核磁気強共鳴スペクトル(400MHz,CDCl3)の
δ値は1.073(6H,d,J=6.3Hz)、2.40(br,3H)、2.702
(1H,dd,J=7.8,12,0Hz)、2.75〜2.90(3H,m)、3.333
(3H,S)、3.546(2H,t,J=7.1Hz)、3.90〜4.05(3H,
m)、6.829(2H,m)、7.112(2H,m)であった。(第4
図参照) 更に、元素分析結果は、Cが67.15%、Hが9.35%、
Nが5.20%であった。
δ値は1.073(6H,d,J=6.3Hz)、2.40(br,3H)、2.702
(1H,dd,J=7.8,12,0Hz)、2.75〜2.90(3H,m)、3.333
(3H,S)、3.546(2H,t,J=7.1Hz)、3.90〜4.05(3H,
m)、6.829(2H,m)、7.112(2H,m)であった。(第4
図参照) 更に、元素分析結果は、Cが67.15%、Hが9.35%、
Nが5.20%であった。
C15H25NO3の計算値はCが67.44%、Hが9.36%、Nが
5.24%であることから、この物質の示性式はC15H25NO3
であると判る。
5.24%であることから、この物質の示性式はC15H25NO3
であると判る。
(実施例4) 実施例2で得た(2R)−1−イソプロピルアミノ−3
−〔p(2−メトキシエチル)フェノキシ〕−2−プロ
パノール−(2R′,3R′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒
石酸塩262gから、実施例3と同様にして(−)−メトプ
ロロール99g(収率93%)を得た。
−〔p(2−メトキシエチル)フェノキシ〕−2−プロ
パノール−(2R′,3R′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒
石酸塩262gから、実施例3と同様にして(−)−メトプ
ロロール99g(収率93%)を得た。
尚、光学純度は99%e.eであった。
この物質の融点は44.5℃、〔α〕23は−0.47゜(C=
1.50,メタノールであった。
1.50,メタノールであった。
この物質の赤外線吸収スペクトル図及びプロトン核磁
気共鳴スペクトル図は、前記実施例3で得た(+)−メ
トプロロールと同じであった。
気共鳴スペクトル図は、前記実施例3で得た(+)−メ
トプロロールと同じであった。
更に、元素分析結果は、Cが67.43%、Hが9.37%、
Nが5.20%であった。
Nが5.20%であった。
C15H25NO3の計算値はCが67.44%、Hが9.36%、Nが
5.24%であることから、この物質の示性式はC15H25NO3
であると判る。
5.24%であることから、この物質の示性式はC15H25NO3
であると判る。
(発明の効果) この発明に係る新規な光学活性メトプロロール・酒石
酸誘導体塩及びその製法、並びにこの塩を用いる光学活
性メトプロロールの製法は、(2S)−1−イソプロピル
アミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキ
シ〕−2−プロパノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p
−トルオイル酒石酸塩又は(2R)−1−イソプロピルア
ミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕
−2−プロパノール−(2R′,3R′)−0,0−ジ−p−ト
ルオイル酒石酸塩である新規な光学活性メトプロロール
・酒石酸誘導体塩、及び光学的対掌体の双方を含有する
メトプロロールに(+)−(2S,3S)−0,0−ジ−p−ト
ルオイル酒石酸を溶剤中で反応させて塩とし、この得ら
れた塩を溶剤中で再結晶して(2S)−イソプロピルアミ
ノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕−
2−プロパノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−トル
オイル酒石酸塩を得る方法と光学的対掌体の双方を含有
するメトプロロールに(−)−(2R,3R)−0,0−ジ−p
−トルオイル酒石酸を溶剤中で反応させて塩とし、この
得られた塩を溶剤中で再結晶して(2R)−1−イソプロ
ピルアミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノ
キシ〕−2−プロパノール−(2R′,3R′)−0,0−ジ−
p−トルオイル酒石酸塩を得ることを特徴とする光学活
性メトプロロール・酒石酸誘導体塩の製法、並びにこれ
らの光学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩を加水分
解してそれぞれの光学活性メトプロロールとすることを
特徴とする製法であるから、簡便且つ工業的規模での生
産が行える光学活性メトプロロールの製法である。
酸誘導体塩及びその製法、並びにこの塩を用いる光学活
性メトプロロールの製法は、(2S)−1−イソプロピル
アミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキ
シ〕−2−プロパノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p
−トルオイル酒石酸塩又は(2R)−1−イソプロピルア
ミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕
−2−プロパノール−(2R′,3R′)−0,0−ジ−p−ト
ルオイル酒石酸塩である新規な光学活性メトプロロール
・酒石酸誘導体塩、及び光学的対掌体の双方を含有する
メトプロロールに(+)−(2S,3S)−0,0−ジ−p−ト
ルオイル酒石酸を溶剤中で反応させて塩とし、この得ら
れた塩を溶剤中で再結晶して(2S)−イソプロピルアミ
ノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕−
2−プロパノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−トル
オイル酒石酸塩を得る方法と光学的対掌体の双方を含有
するメトプロロールに(−)−(2R,3R)−0,0−ジ−p
−トルオイル酒石酸を溶剤中で反応させて塩とし、この
得られた塩を溶剤中で再結晶して(2R)−1−イソプロ
ピルアミノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノ
キシ〕−2−プロパノール−(2R′,3R′)−0,0−ジ−
p−トルオイル酒石酸塩を得ることを特徴とする光学活
性メトプロロール・酒石酸誘導体塩の製法、並びにこれ
らの光学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩を加水分
解してそれぞれの光学活性メトプロロールとすることを
特徴とする製法であるから、簡便且つ工業的規模での生
産が行える光学活性メトプロロールの製法である。
第1図はこの発明に係る(2S)−1−イソプロピルアミ
ノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕−
2−プロパノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−トル
オイル酒石酸塩の赤外線吸収スペクトル図、第2図は同
じく(2S)−1−イソプロピルアミノ−3−〔p−(2
−メトキシエチル)フェノキシ〕−2−プロパノール−
(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩のプ
ロトン核磁気共鳴スペクトル図、第3図は(+)−メト
プロロールの赤外線吸収スペクトル図、第4図は同じく
(+)−メトプロロールのプロトン核磁気共鳴スペクト
ル図である。
ノ−3−〔p−(2−メトキシエチル)フェノキシ〕−
2−プロパノール−(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−トル
オイル酒石酸塩の赤外線吸収スペクトル図、第2図は同
じく(2S)−1−イソプロピルアミノ−3−〔p−(2
−メトキシエチル)フェノキシ〕−2−プロパノール−
(2S′,3S′)−0,0−ジ−p−トルオイル酒石酸塩のプ
ロトン核磁気共鳴スペクトル図、第3図は(+)−メト
プロロールの赤外線吸収スペクトル図、第4図は同じく
(+)−メトプロロールのプロトン核磁気共鳴スペクト
ル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 西独国公開3330005(DE,A1) Journal of Chrowa tography,1984,316,605− 616 Angewandte Chemi e,1984.96(7),516−517 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 217/32 C07C 213/10 REGISTRY(STN) CA(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】次式1又は次式2で示される新規な光学活
性メトプロロール・酒石酸誘導体塩。 (但し、S及びRは立体配置を示す。) - 【請求項2】光学的対掌体の双方を含有するメトプロロ
ール(次式3)に(+)−(2S,3S)−0,0−ジ−p−ト
ルオイル酒石酸(次式4)を溶剤中で反応させて塩と
し、この得られた塩を溶剤中で再結晶して前式1で示さ
れる光学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩を得る製
法、及び光学的対掌体の双方を含有するメトプロロール
(次式3)に(−)−(2R,3R)−0,0−ジ−p−トルオ
イル酒石酸(次式5)を溶剤中で反応させて塩とし、こ
の得られた塩を溶剤中で再結晶して前式2で示される光
学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩を得ることを特
徴とする請求項第(1)項記載の光学活性メトプロロー
ル・酒石酸誘導体塩の製法。 (但し、S及びRは立体配置を示す。) - 【請求項3】前記光学活性メトプロロール・酒石酸誘導
体塩(前式1)を加水分解して光学活性メトプロロール
(次式6)とする製法、及び光学活性メトプロロール・
酒石酸誘導体塩(前式2)を加水分解して光学活性メト
プロロール(次式7)とすることを特徴とする光学活性
メトプロロールの製法。 (但し、S及びRは立体配置を示す。)
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2312492A JP2801768B2 (ja) | 1990-11-17 | 1990-11-17 | 新規な光学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩及びその製法、並びにこの塩を用いる光学活性メトプロロールの製法 |
EP91310439A EP0487237A1 (en) | 1990-11-17 | 1991-11-12 | New optically active metoprolol tartrate salts, and method of preparing them, and method of preparing optically active metoprolol from the tartrate salts |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2312492A JP2801768B2 (ja) | 1990-11-17 | 1990-11-17 | 新規な光学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩及びその製法、並びにこの塩を用いる光学活性メトプロロールの製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04182459A JPH04182459A (ja) | 1992-06-30 |
JP2801768B2 true JP2801768B2 (ja) | 1998-09-21 |
Family
ID=18029870
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2312492A Expired - Lifetime JP2801768B2 (ja) | 1990-11-17 | 1990-11-17 | 新規な光学活性メトプロロール・酒石酸誘導体塩及びその製法、並びにこの塩を用いる光学活性メトプロロールの製法 |
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Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0487237A1 (ja) |
JP (1) | JP2801768B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
CN101732248B (zh) * | 2010-01-20 | 2011-08-17 | 白求恩医科大学制药厂 | 一种酒石酸美托洛尔注射液及其制备方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB1136919A (en) * | 1965-06-16 | 1968-12-18 | Ici Ltd | Amines |
US3868460A (en) * | 1967-02-06 | 1975-02-25 | Boehringer Sohn Ingelheim | Therapeutic compositions and method |
IT1149846B (it) * | 1980-10-16 | 1986-12-10 | Blasinachim Spa | Processo per la sintesi di 1-ammino-3-p(b-metossi-etil)-fenosi-2-propanolo |
US4463176A (en) * | 1982-09-13 | 1984-07-31 | Mead Johnson & Company | Process for resolution of optical isomers |
SE8404073D0 (sv) * | 1984-08-13 | 1984-08-13 | Haessle Ab | Method for the synthesis of pharmacologically acitve compounds and intermediates for such synthesis |
AU589594B2 (en) * | 1985-02-13 | 1989-10-19 | Gist-Brocades N.V. | Process for the preparation of arylglycidyl ethers and 3-substituted 1-alkylamino-2-propanlos |
-
1990
- 1990-11-17 JP JP2312492A patent/JP2801768B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1991
- 1991-11-12 EP EP91310439A patent/EP0487237A1/en not_active Withdrawn
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
Angewandte Chemie,1984.96(7),516−517 |
Journal of Chrowatography,1984,316,605−616 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04182459A (ja) | 1992-06-30 |
EP0487237A1 (en) | 1992-05-27 |
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