JPH05237715A - 正面フライス - Google Patents

正面フライス

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JPH05237715A
JPH05237715A JP12913092A JP12913092A JPH05237715A JP H05237715 A JPH05237715 A JP H05237715A JP 12913092 A JP12913092 A JP 12913092A JP 12913092 A JP12913092 A JP 12913092A JP H05237715 A JPH05237715 A JP H05237715A
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JP
Japan
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chamfering
cutting edge
tool body
tip
outer peripheral
Prior art date
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Pending
Application number
JP12913092A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Arai
辰夫 新井
Takanobu Saitou
貴宣 斉藤
Hiroaki Hayashizaki
弘章 林崎
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 平面加工と面取り加工とを同時に行い得る正
面フライスを提供する。 【構成】 切刃チップ13の主切刃16及び副切刃17
を、工具本体11の外周面11c及び先端面11dから
突出させる一方、この切刃チップ13に対して工具本体
11の周方向へずらした位置には、面取り用チップ19
を取り付ける。この面取り用チップ19の一の切刃26
を、工具本体11の先端側から後端側へ向かうに従い主
切刃16よりも工具本体11の径方向外周側へ次第に大
きく突出させて面取り刃27として用いる。また面取り
用チップ19を工具本体11の軸線X方向へ移動自在と
するとともに、これを押圧固定する楔部材23も同方向
に移動可能とすることにより、クランプ状態を一定に保
ちつつ面取り量の変化に対応可能とする。さらに工具本
体11には、面取り刃27の軸線X方向の位置を示す目
盛り30を刻印する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、工具本体の先端外周
部に、当該工具本体の外周面から突出する主切刃と、当
該工具本体の先端面から突出する副切刃とが設けられて
なる正面フライスに関する。
【0002】
【従来の技術】被削材に平面加工を施す切削工具とし
て、図12に示すように、略円盤状の工具本体1の先端
外周部に、当該工具本体1の外周面1aから突出する主
切刃2と、当該工具本体1の先端面1bから突出する副
切刃3とが設けられた、いわゆる正面フライスが知られ
ている。そして、このような正面フライスでは、工具本
体1がその軸線Xの回りに回転せしめられるとともに被
削材Wに対して略径方向へ相対移動せしめられることに
より、主切刃2が被削材Wに所定深さ切り込まれ、続い
て副切刃3が主切刃2による加工面をなぞりつつ移動し
て該被削材に所望の平面P1が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の正面フライスによる切削では、被削材Wを常に全面
に渡って平面加工するとは限らず、図12において図面
と直交する方向に工具本体1を移動させて被削材Wの一
部にのみ平面P1を形成する、いわゆるショルダー加工
を行うことも多い。そして、このような加工を行なった
場合には、主切刃2によって形成される壁面P2と被削
材上面P3との稜線部Eが鋭利な角部として残されてし
まうので、加工後に改めて別の面取り工具で稜線部Eに
面取り加工を施す必要があった。このために、加工工数
が増加して加工効率の低下やコストの増加が避けられな
かった。
【0004】また、このような正面フライスでは、被削
材Wの上記稜線部Eは切削が進行しても常に鋭利な角部
として残されてしまうため、主切刃2の工具回転方向後
方側に連なる外周逃げ面において、この稜線部Eの位置
に相当する部位に境界部逃げ面摩耗が生じ易く、これに
よって切刃寿命が短縮されてしまうという問題もあっ
た。この発明は、このような背景の下になされたもの
で、被削材にショルダー加工を施す際に必要となる面取
り加工を工具交換することなく行って加工効率を大幅に
向上させるとともに、境界部逃げ面摩耗を抑えて切刃寿
命の延長が可能な正面フライスを提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の正面フライスは、工具本体の先端外周部
に、当該工具本体の外周面から突出する主切刃と、当該
工具本体の先端面から突出する副切刃とが設けられてな
る正面フライスであって、上記工具本体の外周部に、当
該工具本体の先端側から後端側へ向かうに従って、上記
主切刃よりも上記工具本体の径方向外周側へ漸次大きく
突出する面取り刃が設けられてなるものである。ここ
で、面取り刃を設ける位置は、主切刃の切込み深さに応
じて適宜定められるが、主切刃の切込み深さが変化し得
る場合には、上記工具本体の軸線方向における上記副切
刃から上記面取り刃までの距離を調整可能にすると良
い。この場合、面取り刃の形成手段としては、上記工具
本体の外周部に面取り用チップを当該工具本体に対して
着脱自在にかつ上記副切刃に対して上記工具本体の軸線
方向に接近離間可能に装着し、該面取り用チップのすく
い面と逃げ面との稜線部に形成された切刃を上記面取り
刃とすることが望ましい。
【0006】そして、面取り用チップを上記工具本体の
外周部に取り付けられる押圧部材によって上記工具本体
の周方向へ押圧した場合には、当該押圧部材を上記面取
り用チップと同一方向へ移動可能とすることが好まし
い。また、上記副切刃から面取り刃までの距離を調整可
能とした場合には、この面取り刃の上記軸線方向の位置
を示す目盛りを工具本体に表示することが望ましい。さ
らに、上記主切刃及び上記副切刃を周方向へ間隔をおい
て複数設けた場合には、これら主切刃及び副切刃の周方
向の間隔を、上記面取り刃が挟まれる部分が他の部分よ
りも大きくなるように定めることが好ましい。
【0007】
【作用】上記構成によれば、主切刃によって形成される
壁面に当該主切刃よりも工具本体の外周側へ突出する面
取り刃が切り込まれて面取り加工が施されるので、平面
加工後に工具を交換して面取り加工を行う必要がない。
面取り刃から副切刃までの距離を調整可能とすれば、主
切刃の切込み深さの変化に対応して面取り刃の位置を変
化させることにより、切込み深さの大小に拘らず面取り
量を一定に保ち、あるいは切込み深さを一定に保ちつつ
面取り量を変化させることができる。そして、押圧部材
も移動可能とされているので、面取り刃の位置変化に応
じて押圧部材を移動させることにより、面取り刃のクラ
ンプ状態を常に一定に保つことができる。また、工具本
体に上述のように目盛りを表示することにより、面取り
刃の位置設定をきわめて容易に行なうことができるとと
もに、このような面取り刃が複数設けられているような
場合でも、各面取り刃の軸線方向の位置を容易に一致せ
しめることが可能となる。さらに、面取り刃が挟まれる
主切刃間の間隔を、他の部分の主切刃間よりも大きくと
れば、面取り刃に隣接する主切刃や副切刃の背後の肉厚
を十分に確保することができる。
【0008】しかも上記構成の正面フライスでは、面取
り刃は主切刃の後端側に配置されて、上述した鋭利な角
部として残される被削材の稜線部を切削して行くことと
なるため、主切刃に連なる外周逃げ面の上記稜線部に相
当する部位に境界部逃げ面摩耗が生じることはない。ま
た、この面取り刃は工具本体の先端側から後端側に向か
って工具本体の径方向外周側に漸次突出するように配設
されているので、主切刃によって切削される被削材の壁
面と面取り刃によって切削される面取り加工面とは鈍角
に交差するように形成されることとなる。従って、上記
構成の正面フライスによれば、この壁面と面取り加工面
とがなす稜線部を主切刃や面取り刃が切削して行って
も、これによって該主切刃や面取り刃に連なる逃げ面に
生じる境界部逃げ面摩耗を小さく抑えることができる。
さらに、上記面取り加工面と被削材の上面も鈍角に交差
するように形成されることとなるので、これら面取り加
工面と被削材上面との稜線部に相当する部位において
も、面取り刃に連なる逃げ面の境界逃げ面摩耗を小さく
抑えることが可能である。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を説
明する。まず、図4及び図5によって本実施例に係る正
面フライスの構成を概説すると、図示の正面フライス1
0においては、中心孔11a及びボス面11bを有する
円盤状の工具本体11の先端側外周部に、当該工具本体
11の外周面11c及び先端面11dに開口する複数の
チップ取付溝12…が周方向へ等しい間隔をおいて形成
され、これらチップ取付溝12に、超硬合金やセラミッ
クスなどの硬質材料を略三角形平板状に形成してなる切
刃チップ13…が保持具14を介して挿入され、これら
切刃チップ13が図示せぬクランプネジで締め付けられ
る楔部材15によって工具本体11の周方向へ押圧され
固定されている。
【0010】図3により詳細に示すように、切刃チップ
13は、3つのコーナ部Cの一方に主切刃16が形成さ
れ、他方に副切刃17が形成されてなるもので、チップ
取付溝12に装着された状態においていずれか一のコー
ナ部Cが工具本体11の先端外周部へ突き出されること
により、該コーナ部Cに連なる一の主切刃16が工具本
体11の外周面11cから所定量突き出されるととも
に、副切刃17が工具本体11の先端面11dから所定
量突き出されるようになっている。
【0011】一方、図4及び図5に示すように、工具本
体11の外周部には、2つの面取りチップ取付溝18・
18が周方向へ180゜ 隔てて形成されている。これら
面取りチップ取付溝18には、面取り用チップ19がボ
ルト20によって取り付けられた保持具21が挿入さ
れ、これら保持具21はクランプボルト22で締め付け
られる楔部材23によって周方向に押圧されて面取りチ
ップ取付溝18内に拘束されている。
【0012】図1〜図3により詳細に示すように、面取
り用チップ19は、超硬合金などの硬質材料を略三角形
平板状に形成してなるもので、面取りチップ取付溝18
内に取り付けられた状態において、それぞれのすくい面
24と逃げ面25との交差稜線部に形成された三つの切
刃26のいずれか一つが、工具本体11の外周面11c
から突出せしめられるようになっている。そして、図3
に示すように、工具本体11の外周へ突出する切刃26
は、工具本体11の軸線Xを含む平面上での軌跡におい
てその先端側が主切刃16と交差し、かつ工具本体11
の先端側から後端側へ向かうに従って主切刃16よりも
漸次工具本体11の径方向外周側へ大きく突出せしめら
れている。これにより当該切刃26が本実施例の正面フ
ライス10における面取り刃27とされている。
【0013】図1、図2及び図4に示すように、面取り
チップ19を保持する保持具21は、面取りチップ取付
溝18よりも短く形成されることによって面取りチップ
取付溝18内を移動可能とされ、これにより、面取り用
チップ19に形成された面取り刃27から副切刃17ま
での工具本体11の軸線X方向の距離が調整可能とされ
ている。そして、保持具21の端面21aには調整ネジ
28が螺合され、この調整ネジ28の頭部28aがチッ
プ取付溝18の壁面18aに突き当てられた状態で調整
ネジ28の保持具21へのねじ込み量が調整されること
により、保持具21のチップ取付溝18内における位置
が調整されて、面取り刃27が位置決めされるようにな
っている。
【0014】また、保持具21を押さえつける楔部材2
3も、保持具21と同様、面取りチップ取付溝18より
短く形成されることによって面取りチップ取付溝18内
を移動可能とされ、保持具21が最下端に配置される場
合(図1)でも、上方へ移動せしめられる場合(図2)
でも、保持具21に追従してその位置が調整されてクラ
ンプボルト22で締め付けられるようになっている。そ
して、図1、図2及び図5に示すように、クランプボル
ト22は、面取りチップ取付溝18に形成されたボルト
取付溝29の拡幅部29aにその頭部22aが挿入され
ることによって楔部材23の移動方向と同一方向へ移動
可能とされ、この状態で雄ねじ部22bがボルト取付溝
29から突出して楔部材23の雌ねじ23aにねじ込ま
れることにより、該楔部材23がチップ取付溝18に引
き込まれるようになっている。なお、クランプボルト2
2の雄ねじ部22bの先端には当該クランプボルト22
を回転させるレンチ(図示略)と嵌合するレンチ穴22
cが形成されている。また、ボルト取付溝29の一端側
には、クランプボルト22の頭部22aを拡幅部29a
に挿入するための頭部挿入孔29bが形成されている。
【0015】さらに、工具本体11の外周面11cの面
取りチップ取付溝18に連なる部分には、保持具21の
上記軸線X方向の位置、すなわち面取り刃27の軸線X
方向の位置を示す目盛り30が適宜量刻印により表示さ
れていて、この目盛り30によって面取り刃27の位置
を調整した際の移動量を把握することが可能とされてい
る。なお、この目盛り30は工具本体11の2つの面取
りチップ取付溝18・18の双方に表示されており、か
つこれらの目盛り30・30は上記軸線X方向の同じ位
置において同一の目盛りを表示するように刻印されてい
る。
【0016】ここで、面取り刃27の移動量は、主切刃
16の切込み深さT(図3参照)の変化し得る範囲及び
被削材Wの稜線部Eに施すべき面取り幅Ceの範囲に応
じて適宜定められるが、図示の例では、主切刃16の切
込み深さTが4〜22mmの範囲で変化するのに対し、工
具本体11の軸線Xを含む平面上の軌跡における面取り
刃27と主切刃16との交差位置Sから副切刃17まで
の距離t1が、3〜17mmの範囲で変化するようになっ
ている。また、図5に示すように、本実施例の正面フラ
イス10における主切刃16同士の周方向の間隔は、面
取り刃27を挟む部分の間隔φ1であると、その他の部
分の間隔φ2であるとを問わずすべて等しくなってい
る。但し、特に刃数が多いフライスでは、工具本体11
の面取り刃27が介在される部分が面取りチップ取付溝
18によって堀り込まれ、これにより切刃チップ13の
背後の強度に不足を来すおそれがあるため、面取り刃2
7を挟む部分の間隔φ1が他の部分の間隔φ2よりも大き
くなるように定めることが望ましい。
【0017】次に、以上のように構成された正面フライ
ス10の作用を説明する。本実施例の正面フライス10
においては、工具本体11がその軸線Xの回りに回転せ
しめられるとともに被削材Wに対して略径方向へ相対移
動せしめられることにより、主切刃16が被削材Wに所
定深さT切り込まれ、続いて副切刃17が主切刃16に
よる加工面をなぞりつつ移動して該被削材Wに所望の平
面P1が形成される。そして、この平面P1の形成過程に
おいて、工具本体11の外周に配置された面取り刃27
は主切刃16による壁面P2と被削材上面P3との稜線部
Eに切り込まれて該稜線部Eを所定の面取り量Ceだけ
面取り加工し、該稜線部Eに面取り加工面P4を形成す
る。
【0018】このように、本実施例の正面フライス10
では、平面P1を加工するための主切刃16及び副切刃
17に加えて、面取り刃27を同一の工具本体11に取
り付けているので、平面P1を加工しつつ面取り加工を
行って加工工数の削減を図ることができる。しかも、面
取り刃27と副切刃17との距離t1が調整可能とされ
ているので、切込み深さTの変化に応じて面取り刃27
を移動させて切込み深さTの大小に拘らず面取り量Ce
を一定に保つことができる一方で、切込み深さTを一定
としつつ面取り量Ceを変化させることもできる。
【0019】さらに、面取り用チップ19の保持具21
に対応して楔部材23をも移動可能としたため、保持具
21を移動させた場合でもクランプボルト22及び楔部
材23と保持具21との位置関係を同一に保つことがで
き、これにより保持具21の位置を問わずにクランプ状
態を一定に保って面取り用チップ19の取付精度を高精
度に維持できる。ちなみに、楔部材23を移動させない
場合には、保持具21の移動範囲が限定されて面取り量
eの調整範囲が著しく狭められるおそれがあり、しか
も楔部材23の締め付け位置と保持具21の位置との変
化によってクランプ状態が変化して面取り用チップ19
の取付精度が狂うおそれが大きい。
【0020】さらにまた、本実施例では工具本体11の
面取りチップ取付溝18に連なる部分に目盛り30が刻
印されているので、面取り刃27と副切刃17との距離
1を調整する際には、この目盛り30に合わせて保持
具21を適宜移動させればよく、これによって面取り刃
27の位置設定をきわめて容易に行なうことが可能とな
る。また、本実施例のように移動可能な面取り刃27が
工具本体11に複数設けられているような場合には、こ
れらの面取り刃27の軸線X方向の位置を等しくしてそ
の軸線X回りの回転軌跡が一致するように各面取り刃2
7の位置を設定しなければならない。ところがこのよう
な場合でも、上述のように各面取りチップ取付溝18に
表示される目盛り30をそれぞれ軸線X方向の同じ位置
においては同一の目盛りを示すように形成しておけば、
この目盛りに合わせて各保持具21の位置を調整するこ
とによって各面取り刃27の軸線X方向の位置を容易に
一致させることが可能となる。
【0021】一方、このような構成の正面フライスで
は、主切刃16によって削り取られる被削材Wの壁面P
2と被削材Wの上面P3とがなす稜線部Eは、図3に示す
ように面取り用チップ19の面取り刃27によって削り
取られて行くため、主切刃16の図3において符号Ce
で示す範囲の部分は殆ど切削に関与することはない。従
って、主切刃16の工具回転方向後方に連なる切刃チッ
プ13の外周逃げ面においても、上記稜線部Eに相当す
る部位にこのような稜線部Eによる境界部逃げ面摩耗が
生じることはない。
【0022】また、面取り刃27は工具本体11の先端
側から後端側に向かうに従って径方向外周側に漸次突出
するように配設されているので、この面取り刃27によ
って形成される面取り加工面P4と主切刃16によって
形成される壁面P2、及び面取り加工面P4と被削材の上
面P3とは、それぞれ図3に示すように鈍角に交差する
ことになる。従って本実施例によれば、これら面取り加
工面P4と壁面P2とがなす稜線部や、面取り加工面P4
と上面P3とがなす稜線部を主切刃16や面取り刃27
が切削して行く際に、主切刃16に連なる切刃チップ1
3の外周逃げ面や、面取り刃27に連なる面取り用チッ
プ19の逃げ面25において、これらの稜線部に相当す
る部位に生じる境界部逃げ面摩耗を小さく抑えることが
可能となり、これによって主切刃16や面取り刃27の
切刃寿命を延長せしめて耐用性の向上を図ることができ
る。
【0023】例えば、図6は本実施例の正面フライスに
よってショルダー加工を行なった場合の切刃チップ13
の摩耗状況を示すものであり、また図7は図12に示し
たような従来の正面フライスの切刃チップの摩耗状況を
示すものであり、さらに図8は本実施例の正面フライス
の面取り用チップ19の摩耗状況を示すものであるが、
これらの図に示されるように、従来の正面フライスでは
切刃2に連なる外周逃げ面の上記稜線部Eに相当する部
位S1(図12参照)において大きな境界部逃げ面摩耗
が発生しているのに対し、本実施例の正面フライスでは
このような稜線部Eに相当する部位S1(図3参照)に
おいては摩耗は認められず、面取り加工面P4と壁面P2
との稜線部に相当する部位S2において僅かな摩耗が認
められる程度であった。また、図8に示すように面取り
用チップ19に生じた摩耗も僅かなものであった。ちな
みに、従来の正面フライスでは上記部位S1における境
界部逃げ面摩耗の大きさa1が0.44mmであったのに対
し、本実施例の正面フライスでは上記部位S1における
境界部逃げ面摩耗の大きさa2は0.07mmであり、また
上記部位S2における境界部逃げ面摩耗の大きさa3
0.23mmに抑えられていた。ただし、当該ショルダー
加工における切削条件は、被削材WがSUS304、工
具本体1,11の有効径がφ125、切削速度が170
m/min、送り(テーブル送り)が87mm/min、切込みが
4mm、面取り幅C1、切削幅85mm、切削時間は12分
で単刃切削であった。
【0024】なお、上記の実施例で示した保持具21や
楔部材23を移動可能とする構成については、図示の態
様に限定されることなくその他種々の態様が考えられ
る。例えば、図9〜図11に示すように楔部材を廃し
て、クランプボルト22によって保持具21を直接締め
付けるようにしても良い。この場合には、面取りチップ
取付溝18の周方向の幅が図1に示す例よりも小さくな
るので、工具本体11の剛性を確保する点で有利であ
る。また、本実施例では面取り用チップ19を2枚設け
ているが、1以上任意数設けてよい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、平面加工用の主切刃及び面取り刃を備えた工具本体
に面取り刃を加えているので、工具交換を行うことなく
平面加工と同時に面取り加工が行われ、これにより加工
効率が向上する。そして、面取り刃から副切刃までの距
離を調整可能とすることにより、主切刃の切込み深さに
応じて面取り量を調整して常に一定の面取り量を確保
し、あるいは切込み量を一定に保持しつつ面取り量を調
整できる。また、面取り刃を取り付ける押圧部材をも移
動自在とすることにより、クランプ状態を常に一定に保
って面取り刃の取付精度を高精度に維持できる。さら
に、工具本体に面取り刃の位置を示す目盛りを表示する
ことによって該面取り刃の位置設定を容易に行なうこと
が可能となる。さらにまた、面取り刃が挟まれる部分に
おける主切刃間の間隔を、他の部分よりも大きく設定す
ることで、これら面取り刃に隣接する主切刃及び副切刃
背後の肉厚を確保して工具本体の剛性低下を防止するこ
とができる。
【0026】一方、本発明の正面フライスを用いたショ
ルダー加工では、主切刃によって切削される被削材の壁
面と被削材の上面との稜線部が上記面取り刃によって削
り取られることとなるので、本発明によれば主切刃に連
なる外周逃げ面において、この稜線部に相当する部位に
境界部逃げ面摩耗が生じるのを防ぐことができる。ま
た、これら被削材の壁面及び上面と面取り刃によって形
成される面取り加工面とは、それぞれ鈍角に交差するよ
うに形成されることとなる。このため本発明によれば、
主切刃や面取り刃に連なる各逃げ面において、これらの
面の稜線部に相当する部位に生じる境界部逃げ面摩耗を
小さく抑えることが可能となり、これによって切刃寿命
の延長を図って工具耐用性を向上できるという利点も得
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における面取り用チップ19
の周囲の構成を拡大して示す側面図である。
【図2】図1に示す状態から面取り用チップ19の位置
を変化させた状態を示す図である。
【図3】本発明の一実施例における主切刃16及び副切
刃17と面取り刃27との位置関係を、工具本体11の
軸線Xを含む平面上での軌跡において示す図である。
【図4】本発明の一実施例における正面フライスの軸方
向断面図である。
【図5】本発明の一実施例における正面フライスの底面
図である。
【図6】本発明の一実施例における正面フライスによっ
てショルダー加工を行なった場合の切刃チップ13の摩
耗状況を示す、(イ)すくい面側からの図、(ロ)図
(イ)におけるロ方向視の図、(ハ)図(イ)における
ハ方向視の図である。
【図7】従来の正面フライスによってショルダー加工を
行なった場合の切刃チップの摩耗状況を示す、(イ)す
くい面側からの図、(ロ)図(イ)におけるロ方向視の
図、(ハ)図(イ)におけるハ方向視の図である。
【図8】本発明の一実施例における正面フライスによっ
てショルダー加工を行なった場合の面取り用チップ19
の摩耗状況を示す、(イ)すくい面24側からの図、
(ロ)図(イ)におけるロ方向視の図、(ハ)図(イ)
におけるハ方向視の図である。
【図9】図1に示す実施例の変形例を示す図である。
【図10】図9におけるY方向視の図である。
【図11】図9に示す正面フライスの底面の一部を示す
図である。
【図12】従来の正面フライスの軸方向断面図である。
【符号の説明】
11 工具本体 13 切刃チップ 16 主切刃 17 副切刃 18 面取りチップ取付溝 19 面取り刃用チップ 21 保持具 23 楔部材(押圧部材) 27 面取り刃 30 目盛り W 被削材 X 工具本体11の軸線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具本体の先端外周部に、当該工具本体
    の外周面から突出する主切刃と、当該工具本体の先端面
    から突出する副切刃とが設けられてなる正面フライスに
    おいて、 上記工具本体の外周部に、当該工具本体の先端側から後
    端側へ向かうに従って、上記主切刃よりも上記工具本体
    の径方向外周側へ漸次大きく突出する面取り刃を設けた
    ことを特徴とする正面フライス。
  2. 【請求項2】 上記工具本体の軸線方向における上記副
    切刃から上記面取り刃までの距離が調整可能とされてい
    ることを特徴とする請求項1記載の正面フライス。
  3. 【請求項3】 上記工具本体の外周部に面取り用チップ
    が当該工具本体に対して着脱自在にかつ上記副切刃に対
    して上記工具本体の軸線方向に接近離間可能に装着さ
    れ、該面取り用チップのすくい面と逃げ面との稜線部に
    形成された切刃が上記面取り刃とされていることを特徴
    とする請求項2記載の正面フライス。
  4. 【請求項4】 上記面取り用チップが、上記工具本体の
    外周部に取り付けられる押圧部材によって上記工具本体
    の周方向へ押圧され、この押圧部材は上記面取り用チッ
    プと同一方向へ移動可能とされていることを特徴とする
    請求項3記載の正面フライス。
  5. 【請求項5】 上記工具本体には、上記軸線方向におけ
    る上記面取り刃の位置を示す目盛りが表示されているこ
    とを特徴とする請求項2〜4のいずれか一に記載の正面
    フライス。
  6. 【請求項6】 上記工具本体の外周部に、上記主切刃及
    び上記副切刃が周方向へ間隔をおいて複数設けられ、こ
    れら主切刃及び副切刃の周方向の間隔は、上記面取り刃
    を挟む部分が、他の部分よりも大きくなるように定めら
    れていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に
    記載の正面フライス。
JP12913092A 1991-12-13 1992-05-21 正面フライス Pending JPH05237715A (ja)

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