JPH05234995A - アルミニウム合金配線の形成方法 - Google Patents

アルミニウム合金配線の形成方法

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JPH05234995A
JPH05234995A JP3506192A JP3506192A JPH05234995A JP H05234995 A JPH05234995 A JP H05234995A JP 3506192 A JP3506192 A JP 3506192A JP 3506192 A JP3506192 A JP 3506192A JP H05234995 A JPH05234995 A JP H05234995A
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alloy
film
etching
gas
wiring
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JP3506192A
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English (en)
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Shuichi Noda
周一 野田
Yasushi Igarashi
泰▲史▼ 五十嵐
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アフターコロージョンがなく、長期的信頼性
の高いAl合金配線を形成すること。 【構成】 この発明によれば、Al−1%Si合金配線
のドライエッチングにおいて、バーニングによりレジス
トパターンの断面形状がほぼ半円状となるようにし、こ
のレジストパターンとAl合金膜とのエッチング速度比
が1:1となりかつ塩素系イオンによるエッチングが主
となるような装置及び条件でエッチングを行なうことに
より、Al合金膜のエッチングが終了した時点で上層の
レジストパターンはすべて除去され、しかも、形成され
たAl合金配線の断面は、上層にあったレジストパター
ンと同様にほぼ半円状の断面形状を呈する。エッチング
後、フッ素系ガス、酸素または不活性ガスによる放電を
継続して行なうことにより、Al合金膜の表面がくまな
く入射イオンに曝され、Al合金膜の表面にあった堆積
膜や塩素系付着物は完全に除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種半導体装置にお
けるアルミニウム(Al)合金配線の形成方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来用いられている各種半導体装置のA
l合金配線のエッチング技術については、例えば文献:
「塚田 勉、各種Al合金膜のエッチング技術、月刊S
emiconductor World 1989年、
10月号、131〜136頁、プレスジャーナル発行」
に記載されている。
【0003】図5の(A)〜(C)は、この文献開示の
技術に基づいた従来のエッチング技術を説明するための
工程を概略的に示すものである。まず、下地としてのS
i基板11の表面上に配線としてパターニングされるべ
きAl合金膜を形成し、その上面に設計に応じた任意適
当な形状のレジストパターン15を形成する(図5の
(A))。通常、半導体装置の配線材料は、現在主に、
Al−Si(シリコン)合金が用いられている。また、
Al原子のマイグレーションによる断線を防ぎAl合金
配線の信頼性を向上させるため、Cu(銅)、Ti(チ
タン)、Pd(パラジウム)などが配線材料に添加され
る場合もある。これらの材料をエッチング加工するた
め、反応性イオンエッチング(RIE)装置によるドラ
イエッチングが用いられる。その際、反応ガスには塩素
(Cl)系のガスを用い、蒸気圧の高い塩化アルミニウ
ムを低温プラズマ中で形成し、それにより、レジストパ
ターン15をマスクとしてAl合金膜13のパターン形
成のためのエッチングを行なう(図5の(B))。図
中、Al合金膜パターンを13aで示す。また、残存レ
ジストパターンを15aで示す。
【0004】Al合金のドライエッチングでは、多くの
塩素系反応ガスで容易にエッチングが行なえる。しか
し、Al合金膜13の表面に形成されている薄い自然酸
化膜層(図示せず)が化学的に非常に安定であるため
に、還元性のガス、例えばBCl3 、CCl4 またはS
iCl4 を用いてこの酸化膜層を除去しないと、エッチ
ングは再現性よく進行しない。表面の清浄なAlは、未
解離の塩素ガス(Cl2 )あるいは各種塩素系反応ガス
のプラズマ中での解離により生じた塩素ラジカル(Cl
・)により、活発かつ自発的にエッチングされる。
【0005】そのため、Al合金膜13は、等方的にエ
ッチングされ、エッチングマスクパターンを忠実に再現
したAl合金膜パターン13aを形成することができな
い。このようなパターン寸法の変化を抑制してできるだ
け垂直壁を有するAl合金配線を得るためには、Al合
金膜パターン13aの側壁に保護膜17を形成し(図5
の(B))、横方向のエッチングを抑えればよい。通常
の反応性イオンエッチングでは、有機レジストを用いれ
ば、このレジスト材料が基板11に入射するイオンによ
ってスパッタされ、スパッタされた粒子が自然にパター
ン側壁を覆うために、比較的容易に寸法精度の高いドラ
イエッチングは可能となる。また、レジストのスパッタ
効果を利用しない方法としては、反応ガスに、SiCl
4 、CCl4 、CHCl3 などのポリマを生成し易いガ
スを添加する方法などがある。
【0006】その後、残存しているレジストパターン1
5aを除去して、図5の(C)に示すようにAl合金配
線パターン13aを得る。
【0007】上述のように、Al合金配線の形成のため
には、従来は、塩素系の反応ガスによりドライエッチン
グを行なう。ところが、エッチング後の処理において、
基板11を大気にさらすと、Al合金膜の表面に残った
塩素系反応生成物19(図5の(C)に示す)が大気中
の湿気と反応してCl- イオンを生成してしまう。これ
により、Al合金が腐食されるアフターコロージョンと
いう問題が起こる。これを防止するため、大気中にAl
合金配線形成済みの基板を取り出した後直ちに、純水で
水洗するという方法が多くとられている。これ以外の方
法として、塩素系ガスによるAl合金のドライエッチン
グの後、同一チャンバ(反応室)内でフッ素(F)系ガ
スによるポストエッチングを行ない、塩素系付着物19
を置換する方法、またエッチング装置をマルチチャンバ
構成として、エッチング後、後処理専用のチャンバ内で
レジスト剥離、ベーキングを行ない塩素系付着物19を
除去する方法などがある。
【0008】更に、Al合金配線の信頼性を確保しなけ
ればならない。Al合金配線の信頼性は、エッチング技
術そのものよりも、Al合金配線の材質、配線形成後に
施される層間絶縁膜や絶縁保護膜の材質、または応力に
よって大きく影響をうける。主として断線によるAl合
金配線の信頼性低下は、大別して、エレクトロマイグレ
ーションおよびストレスマイグレーションの2つのメカ
ニズムによってもたらされる。前者はAl合金細線の中
を流れる電流により、後者はAl合金細線にかかる応力
によってAl原子がマイグレーションを起こし、その結
果、断線に至らしめるものである。このような問題に対
処する方法として、Alに添加物を加えマイグレーショ
ン耐性を向上させたり、絶縁層を低応力化するなどの検
討が加えられ、かなりの効果を得ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Al合
金配線形成のためのエッチングおよび後処理、また、そ
の後のAl合金配線の長期信頼性確保には、まだ多くの
解決されるべき問題が残されており、これらの諸問題
が、歩留り及び初期不良の大きな要因となっている。
【0010】第1に、エッチング処理に当たり、高い寸
法精度を得るためポリマーを形成し易い添加ガスを用い
た場合、エッチングマスクパターンやAl合金パターン
の側壁に強固な保護膜が形成されてしまうと、これを簡
単に除去することができなくなり、そのため、エッチン
グの後処理においても、塩素系付着物が残り易くアフタ
ーコロージョンを生じさせる、という問題がある。
【0011】また、エッチングの後工程において、アフ
ターコロージョンをなくすために種々の処理を行なうた
めの専用チャンバを用意してマルチチャンバ化した場
合、装置全体がますます大型化し、しかも複雑化すると
いう問題が派生する。
【0012】この発明はこのような点に鑑みなされたも
のであり、従って、この発明の目的は、小型の同一チャ
ンバ内での1サイクル工程で、エッチング、レジスト除
去、塩素系付着物の除去を行なうことによりアフターコ
ロージョンが生じないAl合金配線のエッチングがで
き、かつAl合金パターンを応力が小さくなる形状に形
成でき、それにより、長期的信頼性を向上させることが
できる、半導体装置におけるAl合金配線の形成方法を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、この発明のアルミニウム(Al)合金配線の形成方
法によれば、(a)Al合金配線を形成することにより
半導体装置を形成するための下地の表面上にAl合金膜
を形成する工程と、(b)前記下地の表面と直交する少
なくとも1つの面内における少なくとも上端部の断面が
実質的に半円形状となっていて、かつ、最大膜厚が前記
Al合金膜の膜厚と実質的に同一であるレジストパター
ンを前記Al合金膜上に形成する工程と、(c)該レジ
ストパターンおよび前記Al合金膜に対するエッチング
速度比が1:1となり、かつ、反応性イオンによるエッ
チング反応が主となる条件で、Al合金膜配線パターン
を形成するためのドライエッチング工程と、(d)該ド
ライエッチング工程を行なったチャンバ内で、該ドライ
エッチングによって得られた構造体に対し、Alに対し
非反応性のガスを用いたガス放電処理を行なう工程とを
含むことを特徴とする。
【0014】また、この発明のAl合金配線の形成方法
によれば、前記(b)工程は、(b1)前記Al合金膜
上にこのAl合金膜の膜厚と実質的に等しい膜厚で予備
レジストパターンを形成する工程と、(b2)該予備レ
ジストパターンの少なくとも前記上端部の断面を半円形
状にするためのベーキング工程とを更に含むことを特徴
とする。
【0015】この発明の実施に当たり、好ましくは、レ
ジストパターンとして有機レジスト材料を用い、かつ、
パターン形成後のベーキングを、前記有機レジスト材料
のガラス転移点以上の温度で行なうのがよい。
【0016】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、反応性イオンとして、塩素系ガスを用いるのがよ
い。
【0017】更に、この発明の実施に当たり、好ましく
は、Alに対し非反応性のガスを、フッ素系ガス、酸素
ガスおよび不活性ガスよりなる群から選択される1種ま
たは複数のガスとするのがよい。
【0018】なお、ここでいう下地とは、シリコン基板
はもとより、そのほか、この基板にエピタキシャル層を
形成したもの、またこれらに限らず基板やエピタキシャ
ル層に素子が作り込まれている中間体など、アルミニウ
ム合金配線が形成されるべき広く下地を意味している。
【0019】
【作用】この発明の構成によれば、ドライエッチング装
置内で、例えばシリコンの下地上にAl合金膜を形成
し、更に、このAl合金膜上に、このAl合金膜と同じ
厚さであってかつ上端部の断面の形状がほぼ半円状とな
っているレジストパターンを形成する。次に、レジスト
パターンとAl合金膜とのエッチング速度比が1:1と
なり、かつ反応性イオン例えば塩素系イオンによるエッ
チング反応が主となるような条件でドライエッチングを
行ない、その後、このドライエッチングを行なったチャ
ンバ内でAlに対し非反応性のガスを用いた、エッチン
グ後のガス放電を行なう。
【0020】上述したこの発明の方法によれば、Al合
金配線形成のためのエッチングの際に同時にレジストパ
ターンも除去されることとなり、従って、従来必要とさ
れていたレジストパターン除去のための専用工程を必要
としない。また、このエッチングの結果、レジストパタ
ーンの半円形断面形状がAl合金配線にも転写されるの
で、その後Al合金配線上に絶縁膜を形成した場合、A
l合金配線自体にかかる応力も軽減する。
【0021】また、Al合金配線形成のためのエッチン
グ処理と、その後のAlに対し非反応性のガスを用いた
ガス放電処理とを同一チャンバ内で連続して行なってい
るので、パターニングされたAl合金配線は大気にさら
されることなく、しかも、ガス放電処理によって、Al
合金表面上の不所望な堆積物や塩素系付着物を確実に除
去できる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明のAl合金
配線の形成方法の実施例を詳細に説明する。
【0023】なお、説明に用いる各図は、この発明が理
解できる程度に、各構成成分の大きさ、形状および配置
関係を概略的に示してあるにすぎない。また次の説明で
は、特定の材料および特定の数値的条件を挙げて説明す
るが、これらの材料および条件は、単なる好適例にすぎ
ず、従って、この発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0024】次に、この発明のAl合金配線の形成方法
の実施例について説明する。図1の(A)〜(C)、お
よび図2(A)〜(B)は、この実施例のAl合金配線
形成方法の説明に供する工程図である。これら工程図か
らなる各図は、主要工程段階で得られた構造体の断面切
り口を示しており、断面を表わすハッチング等を一部分
省略して示してある。図3は、Si基板に形成されたA
l合金配線上を絶縁膜で被覆した際、Al合金断面方向
にかかる剪断応力と、Al合金配線の角部の曲率半径
(R)との間の関係を示す説明図である。この図では、
縦軸に任意尺度の剪断応力をとりかつ横軸に曲率半径
(μm)をとって示してある。また、図4は、Al配線
の角部と、その上に形成された絶縁膜との要部を破断し
て示す斜視図である。次の説明は、これらの図を適宜参
照して行なう。
【0025】まず、この発明では、下地としてシリコン
基板31を用い、その表面上に設計に応じた任意好適な
膜厚となるようにAl−1%Si合金膜33(以下、単
にAl合金膜と称する。)を成膜し、図1の(A)に示
す構造体を得る。次に、このAl合金膜33上の所要個
所に個別およびまたは互いに連続したレジストパターン
37を形成する(図1の(C))。ここでは、一例とし
てレジストパターン37細条の、個別のレジストパター
ンとする。これらのレジストパターン37の、シリコン
基板31の表面と直交する少なくとも1つの面内におけ
る少なくとも上端部の断面形状を実質的に半円形状とな
るようにし、かつ、その頂点からAl膜33の上面まで
の長さ、従って、レジストパターンの最大膜厚をAl合
金膜33の膜厚と実質的に同一となるように形成する。
従って、図示例の断面は、レジストパターン37の長手
方向と直交する横断面として示してある。
【0026】このような上端部が半円形状の断面となる
レジストパターンを形成するため、この実施例では、次
に述べる手法を用いている。
【0027】まず、この実施例の場合、使用するレジス
ト材料は、好ましくは、有機レジスト材料、特にクレゾ
ール−ノボラック系のものとするのがよい。ここではレ
ジスト材料として、例えば東京応化工業製のTSMR−
8800(商品名)を用いる。このレジスト材料からな
る予備レジストパターン35を、従来普通に用いられて
いるホトリソグラフィ技術を用いて、設計に応じた厚み
および幅で形成する(図1の(B))。このとき、予備
レジストパターン35の膜厚をAl合金膜33の膜厚と
実質的に等しくする。
【0028】この予備レジストパターン35の上端面
は、通常は平坦面となっている。このため、この発明で
は、予備レジストパターンの少なくとも上端部を半円形
の断面形状にするためのベーキング処理を行なう。従っ
て、この実施例では、予備レジストパターン35が形成
された基板31を、好ましくは、用いたレジストのガラ
ス転移点付近の温度、例えば約240℃の温度でベーキ
ングする。それにより、予備レジストパターン35は流
動化現象を起こす。その際、予備レジストパターン35
は、ミクロンオーダーの細線であるため、表面張力によ
り少なくとも予備レジストパターンの上端部における断
面が丸みを帯びた半円状の形となって、この発明で必要
な形状を有するレジストパターン37となる(図1の
(C))。
【0029】次に、この半円状の断面を有するレジスト
パターン37をマスクとして、反応性ガスにより、Al
合金膜33のパターニングを行なうためのドライエッチ
ングを行なう。このドライエッチングの条件は、レジス
トパターン37およびAl合金膜33に対するエッチン
グ速度比が1:1で、かつ、反応性イオンによるエッチ
ング反応が主となる条件とする。このため、この実施例
では、反応性イオンは、堆積物を形成し易いもの、例え
ば四塩化ケイ素(SiCl4 )と塩素(Cl2)の混合
ガスを用いる。ドライエッチング装置は、例えば低ガス
圧で高密度プラズマの得られる電子サイクロトロン共鳴
プラズマエッチング装置(以下、ECRプラズマエッチ
ャーと称する。)、あるいはマグネトロンエッチング装
置(以下、MRIEと称する。)を用いる。
【0030】この実施例においては、MRIEを用いた
場合を挙げて説明する。ECRを用いる場合には、基板
にrf(高周波)バイアス電圧が印加できるものでなく
てはならない。
【0031】MRIEでの代表的なエッチング条件の
例: 反応ガス流量(sccm);SiCl4 :Cl2 =4
5:5 反応ガス圧力;0.1Pa 印加高周波電力;0.5W/cm2 (13.56MH
z) 磁束密度;100G 上記の条件で行なうことにより、Al合金膜33とレジ
ストパターン37とのエッチング速度比を1:1とする
ことができる。またその際、反応ガス圧力を、0.1P
a以下の低圧とし、塩素ラジカル(Cl・)密度をでき
るだけ下げる条件とするのが好ましい。
【0032】このような条件でドライエッチングを行な
うと、Al合金膜33は、表面が常に薄い保護膜39で
覆われた状態でエッチングされて行く。また、低ガス圧
であるため塩素ラジカル(Cl・)による化学的エッチ
ング効果は比較的小さい。このため、基板表面すなわち
電極表面に誘起される負の自己バイアス電圧(VDC)に
より塩素イオンが加速され、エッチング表面に垂直入射
する塩素イオンの効果のみによってエッチングが進行す
るようになる。Al合金膜33のエッチングが進み、そ
の間例えば塩素原子のプラズマ発光量の検出を行ないな
がら終点を観察する。Al合金膜のエッチングが完全に
終わると、図2の(A)に示すように、Al合金膜配線
パターン(Al合金配線)33aの断面形状は、上層に
あったレジストパターン37の上端部の断面形状を反映
して、同様に断面がほぼ半円形の形状となる。また、こ
のドライエッチングにより、上層のレジストパターン3
7は、Al合金膜配線パターン33aのエッチング完了
と同時に完全に除去された状態となっている。
【0033】しかしながら、図2の(A)に示す段階
で、Al合金膜配線パターン33aの表面は、薄い保護
膜39で覆われた状態となっている。従って、この発明
では、主としてこの保護膜39を除去する目的で、ドラ
イエッチングを行なったチャンバ内で継続してガス放電
処理を行なう。そこで、この実施例では、チャンバ内の
ガスを、Alに対し非反応性のガス例えば、四フッ化炭
素(CF4 )のようなF(フッ素)系ガス、酸素
(O2 )ガス、またはアルゴン(Ar)のような不活性
ガスに換えて或る一定時間、例えばエッチング時間の約
数10%程度の時間期間放電を持続させる(図2の
(B))。このようにすることにより、保護膜39は、
Alに対し非反応性のガスのイオンによるエッチングあ
るいは物理的なスパッタリングによって飛散されて除去
される。このときの飛散粒子を39aで示す(図2の
(B))。Al合金膜配線パターン33aは半円状の断
面形状を有しているため、F、OまたはArのような入
射イオン40がAl合金の表面全面をたたくこととな
り、保護膜39は完全に除去される。同時に、アフター
コロージョンの原因となる塩素系残留物(図示せず)も
完全に除去される。放電時のガスとして、特に酸素(O
2 )を用いた場合には、Al合金の表面全体に安定な酸
化膜が形成されので、信頼性の高いAl合金配線33a
が得られる。また、放電時のガスとしてフッ素系ガスを
用いた場合、長時間放電を行なうと、Si基板31を痛
める危険性があるため他のガスの場合よりも若干短い放
電時間、例えばエッチング時間の約数10%以下の比較
的短い放電時間で行なうのが好ましい。
【0034】次に、図3および図4を用いて、上述のよ
うに形成されたAl合金配線33aの上に、通常の方法
で絶縁膜を被覆した場合のAl合金配線の信頼性につき
説明する。図4は、Si基板50上にAl合金配線52
を形成し、これを被覆するように絶縁膜54を設けた構
造例を示す。Al合金配線52の上端のかどにはアール
(R)が形成されている。このような構造において、A
l合金配線52の信頼性に関する試験を行なった。その
ときのシミュレーションの結果を次に説明する。
【0035】冒頭の従来例においても述べたように、A
l合金配線の信頼性に大きく影響するエレクトロマイグ
レーション、ストレスマイグレーションは、Al合金膜
52にかかる応力にも依存するものと考えられる。図3
は、Si基板50に形成したAl合金配線52の上を絶
縁膜54で被覆した際、Al合金膜の断面方向にかかる
剪断応力と、図4に示すAl合金膜断面の角部の曲率半
径(R)との関係をプロットしたものである。図におい
て、縦軸に剪断応力をかつ横軸にRをとって示してあ
る。この図から理解できるように、Rが大きくなるに従
い、剪断応力は小さくなっていく。従って、この実施例
のように、ほぼ半円状の断面形状を有するAl配線33
a(図2の(B))の場合、形状的に最も応力が小さく
なる構造となり、従来のものと比べ長期的信頼性の高い
Al合金配線が得られることが理解できる。
【0036】以上、この発明のAl合金配線の形成方法
の実施例について説明したが、この発明は、上述の実施
例に制約されるものではない。例えば、下地に設けられ
た絶縁膜上にこの種のAl合金配線を形成する際にも、
この発明のAl合金配線形成方法を用いて実施すること
ができる。
【0037】なお、上述の実施例では、この発明の形成
方法を一例としてAl−1%Si合金に適用して説明し
たが、Al−Si−Cu合金のほか様ざまのAl合金に
よる配線の形成方法にも適用できる。
【0038】また、上述の実施例では、反応性イオン以
外のガスつまり放電時のガスとしてフッ素系ガス、酸素
または不活性ガスを単独で使用する例を挙げて説明した
が、これらのガス群から選択された2種以上の混合ガス
を用いてもよい。
【0039】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明のAl合金配線形成方法によれば、Al合金配線
の形成のためのドライエッチングにおいて、エッチング
マスクであるレジストパターンの断面形状がほぼ半円状
となるようにし、このレジストパターンとAl合金膜と
の膜厚を実質的に同一としておき、さらに両者に対する
エッチング速度比が1:1となり、かつ、塩素系イオン
によるエッチングが主となるような装置及び条件でエッ
チングを行なうようにしたので、Al膜のエッチングが
終了した時点で上層のレジストパターンはすべて除去さ
れ、しかも、形成されたAl合金配線の断面は、上層に
あったレジストパターンと同様にほぼ半円状の断面形状
となる。また、その後に、フッ素系ガス、酸素または不
活性ガスによる放電を継続して行なうようにしたので、
その際Al膜の表面はくまなく入射イオンに曝されるこ
とになり、Al合金膜の表面にあった堆積膜や塩素系付
着物は完全に除去される。
【0040】従って、この発明のAl合金膜形成方法に
より、次に挙げるような効果が得られる。 (a)レジストパターンの除去工程が不要となる。 (b)Al合金膜表面の堆積膜、塩素系付着物が完全に
除去されるので、アフターコロージョンがなくなる。 (c)エッチング処理から後処理までの工程が、同一装
置内で、1サイクルのエッチング工程で可能となるた
め、工程を簡略化できるとともに、装置の大型化や複雑
化という問題が解消される。 (d)エッチング後の放電時に酸素(O2 )を用いた場
合には、Al合金膜の表面全体に安定な酸化膜も同時に
形成されるため、Al合金配線の信頼性が向上する。 (e)Al合金配線の断面形状を半円状としてあるた
め、次工程で絶縁膜を被覆した場合Al合金配線にかか
る応力が低減され、長期的信頼性の高いAl合金配線が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は、この発明のAl合金配線形
成方法の実施例の説明に供する工程図である。
【図2】(A)および(B)は、実施例の説明に供する
図1に続く工程図である。
【図3】Si基板に形成されたAl合金配線上を絶縁膜
で被覆した際、Al合金膜の断面方向にかかる剪断応力
と、Al合金配線の角部の曲率半径(R)との間の関係
を示す説明図である。
【図4】Al合金配線の角部と、その上に形成された絶
縁膜との要部を破断して示す斜視図である。
【図5】(A)〜(C)は、従来技術の説明に供する工
程図である。
【符号の説明】
31、50:Si基板 33:Al合金膜 33a:Al合金配線(またはAl合金膜配線パター
ン) 35:予備レジストパターン 37:レジストパターン 39:薄い保護膜 39a:飛散粒子 40:入射イオン 52:Al合金配線 54:絶縁膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アルミニウム(Al)合金配線を
    形成することにより半導体装置を形成するための下地の
    表面上にAl合金膜を形成する工程と、 (b)前記下地の表面と直交する少なくとも1つの面内
    における少なくとも上端部の断面が実質的に半円形状と
    なっていて、かつ、最大膜厚が前記Al合金膜の膜厚と
    実質的に同一であるレジストパターンを前記Al合金膜
    上に形成する工程と、 (c)該レジストパターンおよび前記Al合金膜に対す
    るエッチング速度比が1:1となり、かつ、反応性イオ
    ンによるエッチング反応が主となる条件で、Al合金膜
    配線パターンを形成するためのドライエッチング工程
    と、 (d)該ドライエッチング工程を行なったチャンバ内
    で、該ドライエッチングによって得られた構造体に対
    し、Alに対し非反応性のガスを用いたガス放電処理を
    行なう工程とを含むことを特徴とするアルミニウム合金
    配線の形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の(b)工程は、 (b1)前記Al合金膜上に、このAl合金膜の膜厚と
    実質的に等しい膜厚で予備レジストパターンを形成する
    工程と、 (b2)該予備レジストパターンの少なくとも前記上端
    部の断面を半円形状にするためのベーキング工程とを含
    むアルミニウム合金配線の形成方法。
  3. 【請求項3】 レジストパターンとして有機レジスト材
    料を用い、かつ、パターン形成後のベーキングを、前記
    有機レジスト材料のガラス転移点以上の温度で行なう請
    求項1記載のアルミニウム合金配線の形成方法。
  4. 【請求項4】 反応性イオンとして、塩素系ガスを用い
    る請求項1記載のアルミニウム合金配線の形成方法。
  5. 【請求項5】 Alに対し非反応性のガスを、フッ素系
    ガス、酸素ガスおよび不活性ガスよりなる群から選択さ
    れる1種または複数のガスとする請求項1記載のアルミ
    ニウム合金配線の形成方法。
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