JPH0523482U - 方向転換ロール及びこのロールを備えた通電加熱装置 - Google Patents

方向転換ロール及びこのロールを備えた通電加熱装置

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JPH0523482U JP8105591U JP8105591U JPH0523482U JP H0523482 U JPH0523482 U JP H0523482U JP 8105591 U JP8105591 U JP 8105591U JP 8105591 U JP8105591 U JP 8105591U JP H0523482 U JPH0523482 U JP H0523482U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続送給される被加熱材の通電範囲内に方向
転換ロールがある場合に、被加熱材の振動だけでなく、
方向転換ロール内での通電電流のショートパスや、方向
転換ロールの誘導加熱による発熱などに起因するスパー
クの発生も防止することができるようにする。 【構成】 方向転換ロール25のロール基材26を被磁
性材料によって構成すると共に、ロール基材26の表面
に電気絶縁性被膜27を形成する。方向転換ロール25
の前後で帯状鋼板10が振動しても、帯状鋼板10と方
向転換ロール25との接触開始点A及び接触終了点Bに
おいてスパークは発生しない。さらに、帯状鋼板10の
通電電流Iが接触開始点Aで分流して方向転換ロール2
5の中をショートパスして接触終了点Bまで流れるよう
な現象が阻止され、その接触終了点Bでのスパークの発
生も防止される。また、帯状鋼板10の通電電流Iによ
る磁界によって方向転換ロール25が誘導加熱されるこ
とは殆どなく、方向転換ロール25のサーマルクラウン
発生が抑制されて、スパークの発生が防止される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、連続送給される被加熱材の通電範囲内でその被加熱材の送給方向を 変えるための方向転換ロール及びこのロールを備えた通電加熱装置に係り、例え ば帯状鋼板を焼入れ、焼なまし、メッキ用予熱などの各種熱処理のために加熱す る際に用いられる方向転換ロール及び通電加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば帯状鋼板を焼入れ、焼なまし、メッキ用予熱などの各種熱処 理のために加熱する装置として、連続送給される帯状鋼板をその送給路に沿って 所定間隔を隔てて配置された通電ロールに接触させ、これら両通電ロールの間に 電圧を印加して帯状鋼板を通電加熱する通電加熱装置がある。 この種の通電加熱装置においては、例えば図6に示すように、通電ロール1、 2の間即ち帯状鋼板3に通電電流が流れている範囲内で、その帯状鋼板3を金属 製の方向転換ロール4に接触させて送給方向を変えることが多々行われる。 このように、帯状鋼板3が方向転換ロール4の表面に所定角度で巻き付けられ ている場合、方向転換ロール4の前後で帯状鋼板3が振動することによって、帯 状鋼板3と方向転換ロール4との接触開始点A及び接触終了点Bにおいて、帯状 鋼板3と方向転換ロール4との間でスパークが発生し易い。これにより、方向転 換ロール4の表面及び帯状鋼板3の表面にスパーク疵が入り、特に方向転換ロー ル4のスパーク疵は以後継続的に帯状鋼板3に転写疵を生じさせてしまう。この 結果、方向転換ロール4の寿命低下、帯状鋼板3の品質低下などが問題となって いた。 このような問題の対策として、例えば実公平1−16765号公報には、帯状 鋼板と通電ロールとの間でのスパーク防止に関するものではあるが、通電ロール の近傍に帯状鋼板の振動を防止するための押えロールを設けることが開示されて いる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したようなスパークの原因は、帯状鋼板3の振動だけでな く、次のような現象にも起因する。 即ち、帯状鋼板3を流れる電流Iが接触開始点Aで分流し、この分流した電流 I′が方向転換ロール4の中を矢印で示すようにショートパスして接触終了点B まで流れる。そして、この接触終了点Bで電流I′が再び帯状鋼板3に流れよう とする際に、スパークが発生するのである。 また、帯状鋼板3の通電電流Iにより磁界が発生し、この磁界によって方向転 換ロール4が誘導加熱されて発熱する。しかも、方向転換ロール4は円柱状で最 も誘導加熱され易い形状である上に、帯状鋼板3に無理な変形力を与えないよう に直径が相当大きいので、この方向転換ロール4の温度上昇は著しいものである 。この結果、方向転換ロール4にサーマルクラウン(温度偏差によるロール軸方 向における直径偏差)が生じ、特に帯状鋼板3のエッジ部では微妙に方向転換ロ ール4に接触しない場合が起こり、スパークが発生するのである。
【0004】 そこで本考案は、連続送給される被加熱材の通電範囲内に方向転換ロールがあ る場合に、被加熱材の振動だけでなく、方向転換ロール内での通電電流のショー トパスや、方向転換ロールの誘導加熱による発熱などに起因するスパークの発生 も防止することができるようにした方向転換ロール及び通電加熱装置を提供する ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案は、連続送給されつつ通電加熱される被加 熱材の通電範囲内で、前記被加熱材に接触してその被加熱材の送給方向を変える 方向転換ロールであって、ロール基材を非磁性材料によって構成すると共に、前 記ロール基材の表面に電気絶縁性被膜を形成したものである。 また、本考案は、連続送給される被加熱材の送給路に沿って所定間隔を隔てて 配置された加熱入側の通電ロール及び加熱出側の通電手段と、これら通電ロール 及び通電手段の間で前記被加熱材に接触してその被加熱材の送給方向を変える方 向転換ロールとを具備する通電加熱装置であって、前記方向転換ロールのロール 基材を非磁性材料によって構成すると共に、前記ロール基材の表面に電気絶縁性 被膜を形成したものである。
【0006】
【作用】
上記のように構成された本考案によれば、ロール基材の表面に形成された電気 絶縁性被膜によって、被加熱材の振動による方向転換ロールとの接触開始点及び 接触終了点でのスパークの発生が防止されると共に、被加熱材を流れる電流が接 触開始点で分流して方向転換ロールの中をショートパスするような現象も阻止さ れるので、接触終了点でのスパークの発生も防止される。また、ロール基材が非 磁性材料によって構成されているので、被加熱材の通電電流による磁界によって 方向転換ロールが誘導加熱されることは殆どなく、方向転換ロールのサーマルク ラウン発生が抑制され、これに起因するスパークの発生が防止される。
【0007】
【実施例】
以下、本考案による方向転換ロール及び通電加熱装置の一実施例を図面を参照 して説明する。なお、この実施例は、帯状鋼板を亜鉛メッキするために予熱する 装置である。
【0008】 図2は装置全体の部分切欠き正面図であり、帯状鋼板10の送給路Lに沿って 、加熱入側の通電用のロール対20、方向転換ロール25、加熱出側の通電手段 である金属浴30が配置されている。
【0009】 まず、加熱入側のロール対20は、ゴム材等がライニングされた押えロール2 1と導電性の通電ロール22との対によって構成され、帯状鋼板10を挟んで対 向配置されている。押えロール21及び通電ロール22はそれぞれ回転自在であ り、通電ロール22は帯状鋼板10の矢印方向への連続送給に同期してモータに より回転駆動される場合もある。押えロール21は例えばシリンダ40等からな る圧下手段により圧下力が付与されて帯状鋼板10に圧着されている。なお、ロ ール対20は同一のものが2組配置されており、一方が故障等した場合は他方が 代用される。
【0010】 次に、帯状鋼板10の送給方向を変えるための方向転換ロール25は、円柱状 に形成され、回転自在に構成されている。なお、方向転換ロール25は帯状鋼板 10に無理な変形力を与えないように充分に大きな直径となっている。 図1において、方向転換ロール25のロール基材26は、比透磁率μS が小さ い(例えばμS ≦2)非磁性材料によって構成されており、この例では、μS ≒ 1のオーステナイト系ステンレス材が用いられている。 そして、ロール基材26の表面には電気絶縁性皮膜27が形成されている。こ の電気絶縁性皮膜27は非磁性かつ高硬度で、耐剥離性、耐熱性、耐磨耗性を有 する材料が用いられ、例えばアルミナ系(Al2 3 )、アルミナ−ジルコニア 系(Al2 3 −ZrO2 )、ジルコニア−イットリア系(ZrO2 −Y2 3 )等のセラミック材料を溶射することによって形成することができる。また、電 気絶縁性被膜27が厚いほど磨耗に対する寿命は長いが、過度に厚くするとロー ル基材26の表面に対する密着性が悪くなるので、電気絶縁性皮膜27の厚みは 10〜500μm程度、好ましくは200μm程度とする。
【0011】 次に、加熱出側の金属浴30は、浴槽31に溶融亜鉛32を満たすことにより 構成されている。帯状鋼板10は溶融亜鉛32の中に浸されて送給され、ロール 33を介して上方に引き上げられる。
【0012】 次に、この実施例装置においては、帯状鋼板10への通電手段として、通電ロ ール22と金属浴30との間において帯状鋼板10の外周囲に複数の環状トラン ス50が配置されている。これら環状トランス50は、図3にも示すように、例 えば磁路として好適な性質を有する珪素鋼板を矩形環状に形成して所定の長さに 積層した環状鉄心51と、この環状鉄心51の内外周に沿って巻回させた一次コ イル52とによって構成されている。その環状鉄心51の環内に帯状鋼板10が 挿通されている。そして、環状トランス50の一次コイル52は、パワーコント ロールスイッチを有する交流電源60に接続されている。
【0013】 次に、前記通電ロール22は例えばその軸22aに受電部を有し、この受電部 に摺動子71が摺接されている。そして、この摺動子71と前記金属浴30との 間に導電部材(いわゆるブスバー)70が架設され、これによって通電ロール2 2と金属浴30との間が電気的に接続されている。この導電部材70は、所定の 幅及び厚さを有する銅材などの良導電材が用いられる。ここで、通電ロール22 と金属浴30との間における帯状鋼板10の電気抵抗R1と導電部材70の電気 抵抗R2との関係は、R1>>R2に設定されている。帯状鋼板10は比較的電 気抵抗が大きく、銅材などからなる導電部材70は電気抵抗が極めて小さい上に 断面積などを任意に設定可能であるので、R1>>R2にすることは極めて容易 である。
【0014】 そして、摺動子71に接続された導電部材70の接続部70aは環状トランス 50の直前で上側部70bと下側部70cとに分岐され、図3にも示すように、 これら上側部70bと下側部70cとが環状トランス50の上下両側に近接して ほぼ等間隔で配設されている。さらに、図4及び図5にも示すように、上側部7 0bと下側部70cとは方向転換ロール25及び帯状鋼板10の上下両側に近接 してほぼ等間隔で配設されている。そして、上側部70b及び下側部70cの先 端が電極部材72に接続され、この電極部材72が前記溶融亜鉛32に浸されて いる。なお、導電部材70の上下の分岐は帯状鋼板10の左右両外方で行われる 。また、導電部材70の各部要所には可撓性導電部材が結合されており、導電部 材70の熱膨脹を吸収可能となっている。
【0015】 なお、実施例装置においては、加熱出側の金属浴30が接地されており、加熱 入側の通電ロール22の直前には、漏れ電圧を防止するためのチョーク80が設 けられている。チョーク80は、珪素鋼板などを積層した環状鉄心によって構成 され、帯状鋼板10の外周囲に近接配置されている。さらに、チョーク80の直 前には帯状鋼板10を挟持する接地ロール81が配置されており、この接地ロー ル81は接地専用ケーブル(図示せず)によって金属浴30に接続されて、無用 な迷走電流が他の部分に流れないようにしている。 また、通電ロール22の直後には帯状鋼板10を挟持するシールロール85が 配置され、このシールロール85の直後から金属浴30近傍までは、帯状鋼板1 0が密封管体86内を送給されるように構成されている。密封管体86の内部に は主に窒素ガス等が封入され、帯状鋼板10を無酸素状態で加熱してメッキ前に 酸化膜が生じないようにしている。なお、密封管体86は非磁性材料により形成 され、その先端に前記電極部材72が取付けられている。
【0016】 上記のように構成された実施例装置においては、交流電源60から環状トラン ス50の一次コイル52に一次電圧が印加されると、一次コイル52の環内に挿 通された帯状鋼板10が二次コイルとして機能するので、その帯状鋼板10に二 次電圧が誘起される。通電ロール22と金属浴30との間が導電部材70によっ て電気的に接続されているので、通電ロール22と金属浴30とを介して帯状鋼 板10及び導電部材70によって短絡回路が形成され、帯状鋼板10に発生した 二次電流は導電部材70を帰線として流れることになる。帯状鋼板10に誘起さ れた二次電圧は、帯状鋼板10における電圧降下と導電部材70における電圧降 下とによって消費されるが、(帯状鋼板10の電気抵抗)>>(導電部材70の 電気抵抗)に設定されているので、二次電圧の殆どが帯状鋼板10の加熱のため に消費され、導電部材70における損失は極めて少ない。これにより、帯状鋼板 10が極めて効率良く通電加熱される。そして、所定の温度に加熱された帯状鋼 板10は金属浴30において溶融亜鉛32が付着されて亜鉛メッキされる。
【0017】 なお、この内部トランス方式の場合、帯状鋼板10の内部で発生した電圧が帯 状鋼板10自身の電圧降下により消費されるので、通電ロール22及び金属浴3 0にかかる電圧は導電部材70の内部で発生する電圧降下に等しくなる。導電部 材70の電気抵抗は極めて小さいので、通電ロール22及び金属浴30にかかる 電圧は極めて小さな電圧になる。例えば、この実施例のように接地された金属浴 30側を基準にすると、通電ロール22に現れる電圧は僅か数ボルトである。従 って、付近の作業者の感電事故や周辺機器の損傷などを未然に防止することがで き、安全性を著しく向上させることができる。 さらに、漏れ電圧がチョーク80部分の帯状鋼板10に現れると、チョーク8 0のリアクタンスによって帯状鋼板10に逆向きの電圧が発生し、電圧の漏れが 阻止されるが、通電ロール22にかかる電圧が非常に低いので、小型軽量のチョ ーク80を用いることができる。
【0018】 ところで、図1に示すように、方向転換ロール25のロール基材26の表面に 電気絶縁性被膜27が形成されているので、方向転換ロール25の前後で帯状鋼 板10が振動しても、帯状鋼板10と方向転換ロール25との接触開始点A及び 接触終了点Bにおいてスパークが発生することはない。さらに、帯状鋼板10を 流れる電流Iが接触開始点Aで分流して方向転換ロール25の中をショートパス して接触終了点Bまで流れるような現象が阻止されるので、その接触終了点Bで のスパークの発生も防止される。 また、方向転換ロール25のロール基材26が非磁性材料によって構成されて いるので、帯状鋼板10の通電電流Iによる磁界によって方向転換ロール25が 誘導加熱されて発熱することは殆どない。これにより、方向転換ロール25のサ ーマルクラウン発生が抑制され、特に帯状鋼板10のエッジ部でのスパークの発 生が防止される。
【0019】 なお、実施例装置においては、導電部材70が帯状鋼板10の上下両側に近接 してほぼ等間隔で配設されているので、上側部70bを流れる電流は下側部70 cを流れる電流とほぼ同一の値となり、何れも帯状鋼板10を流れる電流の1/ 2の値となる。従って、上側部70bと帯状鋼板10との間に生じる電磁力は、 下側部70cと帯状鋼板10との間に生じる電磁力と等しくて方向が逆になる。 これらの電磁力が釣り合うことによって、帯状鋼板10は上下何れにも殆ど動か ず、帯状鋼板10の振動を防止することができる。 さらに、導電部材70が帯状鋼板10の両側に配設された場合、磁気的並列回 路となり、片側のみの配設に比べインダクタンスが1/2となる。この結果、力 率が良くなって加熱の効率が高くなる。従って、所定電流を流すために余分の電 圧を必要としないため、設備容量を低減することができると共に設備費用も削減 することができる。
【0020】 また、導電部材70が環状トランス50の上下両側に近接してほぼ等間隔で配 設されているので、上側部70bを流れる二次電流と帯状鋼板10を流れる二次 電流とによる磁束を、これらの間にある環状トランス50の一次コイル51を流 れる一次電流による磁束で打ち消し、下側部70cを流れる二次電流と帯状鋼板 10を流れる二次電流とによる磁束を、これらの間にある環状トランス50の一 次コイル51を流れる一次電流による磁束で打ち消すため、一次回路と二次回路 との磁気結合が良くなり、インダクタンスが小さくなる。この結果、力率が良く なって加熱の効率が高くなる。従って、所定電流を流すために余分の電圧を必要 としないため、設備容量を低減することができると共に設備費用も削減すること ができる。
【0021】 ところで、実施例装置においては、図1に示すように、方向転換ロール25の 上下両側にも導電部材70の上側部70b及び下側部70cが配設されているの で、その方向転換ロール25は、帯状鋼板10を流れる電流Iと下側部70cを 流れる電流I/2との往復電流によって生じる強い交番磁界の内部に位置するこ とになる。しかしながら、方向転換ロール25のロール基材26が非磁性材料に よって構成されているので、その強い交番磁界によって誘導加熱されることも殆 どない。 以上のように、導電部材70を帯状鋼板10及び環状トランス50の上下両側 に近接して配設することによって、帯状鋼板10の振動が防止されると共に加熱 効率が高められる。それでいて、方向転換ロール25の最適な材料選定によって 、方向転換ロール25が無用に誘導加熱されることも防止することができる。
【0022】 なお、通電加熱の際には、帯状鋼板10のサイズ、送給速度、比熱、所定昇温 温度などから予め求められる所要電力、所要電流、所要電圧の何れかを帯状鋼板 10に与えるように、環状トランス50への入力を予め所定の値に設定して運転 するプリセット方式が採られる。また、加熱出側で帯状鋼板10の温度を測定し 、この測定値と予定された温度との間に差異がある場合には、その測定値と予定 値とに基づいて交流電源60のパワーコントロールスイッチを制御して、差異に 相当する電力、電流、電圧の何れかを調整するフィードバック方式が採られても 良い。
【0023】 以上、本考案の一実施例に付き説明したが、本考案は上記実施例に限定される ことなく、本考案の技術的思想に基づいて各種の有効な変更並びに応用が可能で ある。例えば、ロール基材の材料及び電気絶縁性被膜の材料などは実施例以外に も様々な効果的な材料を用いることができる。また、実施例では加熱出側の電極 手段を金属浴としたが、一般的な通電ロールであっても良い。さらに、実施例で は環状トランスによって帯状鋼板に電圧を誘起させて加熱する構成を説明したが 、電源供給手段(交流電源及び外部トランス)から通電ロール及び通電手段に直 接給電する構成でも良い。なお、本考案は、帯状鋼板をメッキのために予熱する 場合以外に、各種の被加熱材を各種目的のために通電加熱する際の方向転換ロー ル及び通電加熱装置に適用可能である。
【0024】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、方向転換ロールのロール基材の表面に 電気絶縁性被膜を形成することによって、被加熱材の振動を防止する押えロール 等を設けることなく、被加熱材の振動に起因するスパークと共に、方向転換ロー ル内での通電電流のショートパスに起因するスパークも防止することができる。 また、ロール基材を非磁性材料にて構成することによって、方向転換ロールの誘 導加熱による発熱を抑制することができるので、方向転換ロールのサーマルクラ ウン発生を抑えてスパークの発生を防止することができる。従って、方向転換ロ ールの長寿命化並びに被加熱材の品質向上を図ることができると共に、方向転換 ロールにおける熱損失がないので被加熱材の加熱効率を大幅に向上させることが できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例における方向転換ロール部分
の断面図である。
【図2】本考案の一実施例における装置全体の部分切欠
き正面図である。
【図3】図2のIII−III線における拡大断面図で
ある。
【図4】図2のIV−IV線における拡大断面図であ
る。
【図5】図2のV−V線における拡大断面図である。
【図6】従来の方向転換ロール部分の概略図である。
【符号の説明】
10 帯状鋼板(被加熱材) 22 加熱入側の通電ロール 25 方向転換ロール 26 ロール基材 27 電気絶縁性被膜 30 加熱出側の金属浴(通電手段) 50 環状トランス 51 環状鉄心 52 一次コイル 60 交流電源 70 導電部材

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続送給されつつ通電加熱される被加熱
    材の通電範囲内で、前記被加熱材に接触してその被加熱
    材の送給方向を変える方向転換ロールであって、 ロール基材を非磁性材料によって構成すると共に、前記
    ロール基材の表面に電気絶縁性被膜を形成したことを特
    徴とする方向転換ロール。
  2. 【請求項2】 連続送給される被加熱材の送給路に沿っ
    て所定間隔を隔てて配置された加熱入側の通電ロール及
    び加熱出側の通電手段と、これら通電ロール及び通電手
    段の間で前記被加熱材に接触してその被加熱材の送給方
    向を変える方向転換ロールとを具備する通電加熱装置で
    あって、 前記方向転換ロールのロール基材を非磁性材料によって
    構成すると共に、前記ロール基材の表面に電気絶縁性被
    膜を形成したことを特徴とする通電加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記通電ロールと通電手段との間で前記
    被加熱材の外周囲に配置された環状トランスと、前記通
    電ロールと通電手段との間を電気的に接続する導電部材
    とを具備する請求項2記載の通電加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記通電ロールと通電手段とに電圧を印
    加するための電源供給手段を具備する請求項2記載の通
    電加熱装置。
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