JPH05234422A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

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JPH05234422A
JPH05234422A JP4069242A JP6924292A JPH05234422A JP H05234422 A JPH05234422 A JP H05234422A JP 4069242 A JP4069242 A JP 4069242A JP 6924292 A JP6924292 A JP 6924292A JP H05234422 A JPH05234422 A JP H05234422A
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JP
Japan
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parts
weight
temperature coefficient
capacitor
inductor
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Withdrawn
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JP4069242A
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English (en)
Inventor
Shusaku Ueda
周作 上田
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インダクタとコンデンサの両機能を有する積
層複合部品において、LC同時焼成の際に生じるインダ
クタ部の温度係数の減少を償うために容量の温度係数を
増加させるような誘電体磁器組成物を提供する。 【構成】 主成分であるTiO2 の 100重量部に対し、
CuOの 1〜 7重量部、Mn3 4 の 0.5〜 3重量部、
およびNiOの 2〜10重量部が添加された組成物であっ
て、さらに温度係数調整用に 5〜20重量部のMgCO3
が添加されてなる。なお、MgCO3 の量とεの温度係
数の関係は図1のABCDAで囲まれた範囲内において
適合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LCフィルタやLCト
ラップ等として用いられている複合部品におけるコンデ
ンサ部を構成する誘電体磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、LCフィルタやLCトラップ
等に代表されるインダクタとコンデンサの両機能を兼ね
備えた複合部品は、一般に次のようにして製造されてき
た。まず、フェライトおよび誘電体材料からなるグリー
ンシートと、これらのシートに内部電極用Agペースト
によって内部電極パターンを印刷したシートとを所定の
順に積層し、インダクタ部とコンデンサ部を構成する。
次いで、この積層体を圧着した後、インダクタ部とコン
デンサ部とを同時焼成し、内部電極末端部が導出された
端面に外部電極を形成する。
【0003】上記のような方法で複合部品を製造する場
合、フェライトおよび誘電体材料は、Agの融点以下で
ある900℃前後の低温で焼結できなければならない。
また、上記のような複合部品は、フィルタ、トラップ回
路におけるLC共振周波数f0 が、L値およびC値によ
って決定されるため、インダクタンス値の温度特性を相
殺することができるコンデンサ材料が必要となる。
【0004】そのため、従来の技術では、上記複合部品
におけるコンデンサ部を構成する材料として、コンデン
サ容量の温度係数が−700ppm/℃であるTiO2 (ルチ
ル型)、インダクタ部を構成する材料として、インダク
タンス値の温度係数が+700ppm/℃であるNi−Zn系
フェライトが用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような材料を用いて複合部品を製造すると、焼成後にイ
ンダクタ部の温度係数が変化してしまうという問題点が
あった。これは、インダクタ部を構成するNi−Zn系
フェライトが、コンデンサ部を構成するルチル型TiO
2 よりも熱膨張係数が大きいためである。すなわち、L
C同時焼成後の冷却過程において、熱膨張係数の大きい
インダクタ部が、コンデンサ部よりも大きく縮もうとす
るため、インダクタ部がコンデンサ部から引張応力を受
け、その結果、インダクタ部におけるインダクタンス値
の温度係数が、単体とした場合におけるインダクタンス
値の温度係数よりも減少してしまうのである。このよう
に、インダクタ部におけるインダクタンス値の温度係数
が減少すると、コンデンサ部におけるコンデンサ容量の
温度係数と相殺することができなくなり、f0 が変化し
てしまっていた。
【0006】そこで本発明は、上述従来の技術の問題点
を解決し、インダクタとコンデンサの両機能を有する積
層複合部品において、インダクタ部におけるインダクタ
ンス値の温度係数が、単体の場合におけるインダクタン
ス値の温度係数よりも減少する分だけ、コンデンサ部に
おけるコンデンサ容量の温度係数を増加させ、インダク
タ部におけるインダクタンス値の温度係数と相殺するこ
とを可能にした誘電体組成物を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究の結果、誘電体材料の主成分である
ルチル型TiO2 に、焼結性を向上させると共にεを増
大させる目的でCuOおよびMn3 4 、Q値を向上さ
せる目的でNiO、温度係数を増加させる目的でMgC
3 を、それぞれ所定量ずつ添加することにより、上記
課題が解決されることを見い出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、主成分とするTiO
2 100重量部に対し、MgCO3 が5〜20重量部、Cu
Oが 1〜 7重量部、Mn3 4 が 0.5〜 3重量部、Ni
Oが2〜10重量部の割合で添加されてなることを特徴と
する誘電体磁器組成物を提供するものである。
【0009】
【作用】本発明の誘電体磁器組成物は、温度係数が−70
0ppm/℃である主成分TiO2100重量部に対し、Cu
O、Mn3 4 、NiOおよびMgCO3 をそれぞれ 1
〜 7重量部、 0.5〜 3重量部、 2〜10重量部および 5〜
20重量部の割合で添加することにより、コンデンサ部容
量の温度係数を増加させて、インダクタ部の温度係数と
の相殺を可能にしている。すなわち、焼成後得られる焼
結体構造において、Ti−Cu−Mn−Ni−Mg−O
系の2次結晶相ができ、この結晶相がコンデンサ容量の
温度係数を上昇させるのである。
【0010】本発明において、主成分TiO2 に添加す
る補助成分の添加量を上記のように定めた理由は次の通
りである。
【0011】CuO:焼結性の向上とともにεを増大さ
せる成分であるが、 1重量部未満では所望の効果が得ら
れず、 7重量部を超えるとQ値が劣化するため、その添
加量を 1〜 7重量部とした。
【0012】Mn3 4 :焼結性の向上とともにεを増
大させる成分であるが、 0.5重量部未満では所望の効果
が得られず、 3重量部を超えるとQ値が劣化するため、
その添加量を 0.5〜 3重量部とした。
【0013】NiO:Q値向上成分であるが、 2重量部
未満では所望の効果が得られず、10重量部を超えると焼
結性が低下すると共にεが低下するため、その添加量を
2〜10重量部と定めた。
【0014】MgCO3 :温度係数を増加させる成分で
あるが、 5重量部未満では所望の効果が得られず、20重
量部を越えると焼結性が低下すると共にεが低下するた
め、その添加量を 5〜20重量部と定めた。
【0015】
【実施例】
1.インダクタ部の作製 市販のFe2 3 、CuO、NiOおよびZnOを用い
たFe2 3 48モル%、CuO24モル%、NiO18モル
%およびZnO10モル%からなる混合物 100重量部を、
水 200重量部およびメディアとしてのウレタン玉石と共
にボールミルに装入し、15時間湿式混合を行った。この
スラリーを乾燥後、大気中で 750℃で 1時間仮焼し、得
られた仮焼物 100重量部に対し、再び水 200重量部を加
え、ウレタン玉石をメディアとしてボールミルにより15
時間粉砕し、乾燥してインダクタ用原料粉末を得た。次
いで、得られた原料粉末に樹脂バインダーを加えて混練
し、ドクターブレード法によりフェライトグリーンシー
トを作製した。
【0016】次に、このグリーンシートを用い、次のよ
うにインダクタ部用シートを作製した。まず、図2
(A)ないし(J)に示すフェライトグリーンシート1
の(A)の位置、(B)の位置、(D)の位置にそれぞ
れ穿孔機でスルーホール2を開けたものを各2枚、並び
に同グリーンシートの(C)の位置にスルーホール2を
開けたものを3枚用意した。次に、導体パターン3の端
部がスルーホール2にかかるように(A)のシート上に
(E)パターンを印刷したものを2枚、(B)のシート
上に(F)パターンを印刷したものを2枚、(C)のシ
ート上に(G)パターンを印刷したものを2枚と(I)
パターンを印刷したものを1枚、(D)のシート上に
(H)パターンを印刷したものを2枚及びスルーホール
の無いシート上に(J)パターンを印刷したものを1枚
それぞれ用意した。
【0017】なお、上記導体パターンは、Ag電極ペー
ストを用いてスクリーン印刷法により印刷形成した。ま
た、スルーホール2を有するシートについては、表面及
び裏面が導通するように、スルーホール2にAg電極ペ
ーストを埋め込んだ。
【0018】2.コンデンサ部の作製 まず、市販のTiO2 、CuO、Mn3 4 、NiOお
よびMgCO3 をそれぞれ 100、 5、 1、 4および 7重
量部となるように秤量、配合したものの他、上記CuO
以下の成分を所定の量に変化させて配合を行った。次い
で、これら混合粉 100重量部に対して水 200重量部とメ
ディアとしてのアルミナボールを加え、ボールミルによ
り15時間湿式混合を行った。このスラリーを乾燥後、大
気中 750℃で 2時間仮焼し、得られた仮焼塊 100重量部
に対し、水 200重量部を加え、再度アルミナボールを加
えボールミルにより15時間粉砕し、乾燥してコンデンサ
用原料粉末を得た。
【0019】次に、原料粉末に樹脂バインダを加えて混
練し、ドクターブレード法によりセラミック誘電体グリ
ーンシート4を作製した。次いで、作製したシート4
に、市販のAgペーストを使用して、積層、切断した際
内部電極が対向するように図2の(K)に示す導体パタ
ーン3を印刷したシートを3枚、(L)に示す導体パタ
ーン3を印刷したシートを3枚用意した。
【0020】上記のようにして作製した各シートを、図
3および図4に示すように積層した。すなわち、コンデ
ンサ部として、導体パターン3が印刷されていない2枚
のダミーシートの間に図2(K)パターンと図2(L)
パターンが交互に重なるよう、計6枚の導体パターン印
刷済シートを積層した。一方、このコンデンサ部の下
に、インダクタ部として、導体パターン3が印刷されて
いない3枚のフェライトダミーシートを重ね、次に、図
2(I)、(F)、(H)、(G)、(F)、(E)、
(H)、(G)、(I)に示す導体パターンが形成され
たシートを上から順に10枚重ね、その下に再び導体パタ
ーン3が印刷されていない2枚のフェライトのダミーシ
ートを重ねた。
【0021】このように全てのシートを積層した後、 1
20℃に加熱保持し、圧力 300kg/cm2 に加圧して熱圧着
し積層圧着体5とし、これを図5(a)に示す切断線6
によりチップ形状に切断した(図5(b))。次に、こ
のチップ素体7を大気中10℃/min の昇温速度で室温か
ら 500℃まで昇温し、 500℃に10分間保持した後、10℃
/min の冷却速度で室温まで冷却して脱バインダ処理を
行った。脱バインダ処理後のチップを 5℃/min の昇温
速度で 860℃に昇温し、 1時間保持した後 5℃/min の
冷却速度で室温まで冷却した。得られた焼結体に市販の
外部電極用Agペーストを内部電極露出端面に塗布し、
大気中 800℃で10分間焼き付けて外部電極8を形成し、
3.2× 1.6mmのチップ状の焼結体積層LCトラップ9を
得た(図5(c))。
【0022】次に、上記のようにして作製した積層LC
トラップ9における外部電極8をカッターによりLC接
合部分10にて切断し(図5(c))、L特性およびC
特性の評価を別々に行い、その測定結果を表1に示し
た。なお、インダクタ部におけるインダクタンス値の温
度係数は−25および+ 125℃におけるインダクタンス値
の測定から求めた。
【0023】
【表1】
【0024】表1からもわかるように、焼成温度が低い
場合( 820℃)、焼結が充分でなく、Q値が実用レベル
(30以上)よりも低く、一方、焼成温度が高い場合( 8
90℃)、Ag電極が素地内に拡散し、その結果電極の電
気抵抗が増加してQ値が低下した。したがって、焼成温
度は 845〜 970℃の範囲が好ましく(試料番号2〜
4)、Lの温度係数は+10から± 5%の幅を許容して+
450ppm/℃であることがわかる。
【0025】一方、コンデンサ部の容量値の温度係数も
同様に−25および+ 125℃における測定値から求めた。
絶縁抵抗IRおよび品質係数Qは室温における測定より
求めた。また、焼結体を研磨し、内部電極間距離、内部
電極面積を測定し、室温の容量値から比誘電率εを算出
した。これらの結果を表2および表3に示す。なお、表
2および表3においては、丸で囲んだ試料番号の試料が
本発明組成物の組成範囲であり、本発明の目的に適うコ
ンデンサ部のC特性を有している。
【0026】
【表2】 上記測定結果から、主成分TiO2 の他に温度係数を償
うために添加される諸成分の添加量、焼成温度がコンデ
ンサ部のC特性に及ぼす影響について以下に説明する。
【0027】MgCO3 は、温度係数を増加させる効果
を有するため、適量(TiO2 100重量部に対して 5〜
20重量部)添加することにより、Lの温度特性を± 5%
以下で相殺することができるが(試料番号 6、 8、
9)、その添加量が少ないと温度係数が小さすぎ(試料
番号 7)、添加量が多いと所望の温度係数を越えてしま
い(試料番号10)、使用不可である。なお、上記試料番
号 6〜 9の試料におけるMgCO3 の添加量、εの温度
係数、および焼成温度(Xは 870℃焼成ライン、Yは 8
60℃焼成ライン、Zは 845℃焼成ライン)の相関関係を
示すグラフを図1に示した。
【0028】CuO、Mn3 4 は焼結を促進し、Ni
Oは緻密化を抑制する効果を有するため、低温焼成( 8
45℃)にてCuO、Mn3 4 の最小添加量、NiOの
最大添加量が決定される。そのため、CuO、Mn3
4 が少なすぎる場合もしくはNiOが過多の場合には、
焼結は進行せず、IRおよびQが劣化する(試料番号1
2、13、14)。また、高温焼成( 870℃)にてCuO、
Mn3 4 の最大添加量、NiOの最小添加量が決定さ
れる。そのため、CuO、Mn3 4 が過多の場合もし
くはNiOが少なすぎる場合には、焼結が進みすぎて素
地が半導体化し、IRおよびQが劣化する(試料番号1
6、17、18)。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の誘電体磁
器組成物によれば、LC同時焼成の際、減少するインダ
クタ部の温度係数を償うために、容量の温度係数を増加
して相殺できる組成物が提供可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組成物に関する材料組成において、M
gCO3 の添加量、εの温度係数および焼成温度の相関
関係を示すグラフである。
【図2】フェライトグリーンシート上に形成したスルー
ホール位置((A)〜(D))、および導体パターン
((E)〜(J))、並びに誘電体グリーンシート上に
形成した導体パータン((K)、(L))を示す平面図
である。
【図3】インダクタ部を構成する各種シートの積層態様
を示す分解斜視図である。
【図4】コンデンサ部を構成する各種シートの積層態様
を示す分解斜視図である。
【図5】インダクタ部とコンデンサ部からなる積層圧着
体(a)、裁断されたチップ素体(b)、完成した積層
LCトラップ(c)、およびLC接合部分の外部電極を
切断した積層LCトラップ(d)を示す斜視図である。
【符号の説明】
1‥‥‥フェライトグリーンシート 2‥‥‥スルーホール 3‥‥‥導体パターン 4‥‥‥誘電体グリーンシート 5‥‥‥積層圧着体 6‥‥‥切断線 7‥‥‥チップ素体 8‥‥‥外部電極 9‥‥‥積層LCトラップ 10‥‥‥LC接合部 X‥‥‥ 870℃焼成ライン Y‥‥‥ 860℃焼成ライン Z‥‥‥ 845℃焼成ライン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分とするTiO2 100重量部に対
    し、MgCO3 が 5〜20重量部、CuOが 1〜 7重量
    部、Mn3 4 が 0.5〜 3重量部、NiOが 2〜10重量
    部の割合で添加されてなることを特徴とする誘電体磁器
    組成物。
JP4069242A 1992-02-18 1992-02-18 誘電体磁器組成物 Withdrawn JPH05234422A (ja)

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