JPH0523377Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《考案の分野》 この考案は、自動車用ドアトリムにおけるウエ
ザーストリツプの取付構造の改良に関する。

《従来技術とその問題点》 従来のウエザーストリツプの取付構造を第５図
を例示して説明する。

まず、ウエザーストリツプ１は、内部に芯金２
を埋設して一体に射出成形してなり、このウエザ
ーストリツプ１の一側面側には、図示しないウイ
ンドガラスと摺接する舌片３が条設されていると
ともに、他方側面には芯金２を切起こして、適宜
箇所に係止爪４が突設形成されている。

このウエザーストリツプ１はドアトリム上縁に
位置するガーニツシユ５の折曲端側面５ａに装着
されるが、この折曲端側面５ａに取付穴６が適宜
設けられ、この取付穴６内に前述の係止爪４を挿
入し折曲固定することにより、ウエザーストリツ
プ１をガーニツシユ５に取付けるようにしてい
る。

しかしながら、自動車室内においては、日中、
夜間の温度差が相当あり、かつ経年変化等によ
り、上述のようなウエザーストリツプの取付構造
にあつては、ガーニツシユ５の樹脂芯材７と、ウ
エザーストリツプの芯金２とでは熱収縮率に大き
な開きがあることから、芯金２と芯材７のうちど
ちらか一方が収縮する結果となる。この収縮が生
じた場合、芯金２に形成した係止爪４が起こさ
れ、取付部が緩み、ガタつきを生じる。特に両側
部がこの影響を受けやすく、ウエザーストリツプ
の両側部が反り上る傾向にある。

そのため、ウインドガラス昇降操作のたびにウ
エザーストリツプがガタつき円滑な昇降操作が期
待できないばかりか、見栄えも悪く、シール機能
も低下する等種々の不具合が指摘されていた。

さらに、この取付部の緩みが極端な場合には、
稀にウエザーストリツプが外れてしまうことも予
想され、ウエザーストリツプを確実かつ堅固にド
アトリムに取付けることが急務とされていた。

《考案の目的》 本考案は、上述の事情に鑑みてなされたもの
で、本考案の目的とするところは、ウエザースト
リツプの芯金とドアトリム側ガーニツシユとの間
に熱伸縮率差による変形歪が生じたとしても、ウ
エザーストリツプがガタつくことなく、確実かつ
堅固にドアトリムに取付けられるウエザーストリ
ツプの取付構造を提供することにある。

《考案の構成と効果》 前記目的を達成するために、本考案は、可撓性
を備えた弾性体からなり、一方側面にウインドガ
ラスと摺接する舌片を設けたウエザーストリツプ
本体と、このウエザーストリツプ本体内に埋設さ
れるか、あるいは本体の他方側面に取着され、ウ
エザーストリツプ本体を保持する金属製芯金とか
ら構成されるウエザーストリツプであつて、 前記芯金の適宜箇所を後方に切起し、ウエザー
ストリツプの背面側に突設形成した係止爪を、ド
アトリム上縁に位置するガーニツシユに設けた取
付穴に挿入固定し、ウエザーストリツプをガーニ
ツシユに装着するとともに、このウエザーストリ
ツプとガーニツシユとの両側部をＵ字状クリツプ
により、ウエザーストリツプ並びにガーニツシユ
の端縁とＵ字状クリツプ中央部との間に所定間〓
を確保して、側方から挾着保持するようにしたこ
とを特徴とする。

すなわち、前記構成によれば、日中、夜間の温
度変化あるいは経年変化等によりガーニツシユと
ウエザーストリツプの芯金との間で、両者の熱伸
縮率の差異により、変形歪が生じたとしても、ウ
エザーストリツプの両側部は、Ｕ字状クリツプに
よりガーニツシユ両側部に確実かつ堅固に固定さ
れ、かつ、ウエザーストリツプ並びにガーニツシ
ユの端縁とＵ字状クリツプ中央部との間には所定
間〓が設定されているものであるから、変形歪を
この間〓により吸収でき、ウエザーストリツプと
ガーニツシユとの間に間〓が生じたり、またウエ
ザーストリツプがガーニツシユから外れてしまう
ことを確実に防止できることは勿論のこと、特に
ウエザーストリツプの両側部が反り上るという不
具合を有効に解決することができ、ウインドガラ
スの円滑な昇降操作が期待できるとともに、見栄
えの低下も防ぎ、かつ、確実なシール機能を長期
に亘り維持することができる等の利点を有する。

さらにこのＵ字状クリツプの装着については、
ウエザーストリツプをドアガーニツシユ側面に装
着した後、Ｕ字状クリツプを側方からスライドさ
せて装着するだけで組付けが完了するものなの
で、従来のウエザーストリツプの取付工数と比べ
てそれ程取付工数を増大させることなく、前述し
た種々の利点を有する。

《実施例の説明》 以下、本考案に係る一実施例を添付図面を参照
しながら詳細に説明する。

第１図はウエザーストリツプをガーニツシユに
取付ける状態を説明する分解斜視図、第２図は同
取付状態図、第３図は同取付状態を示す断面図、
第４図は別実施例を示す断面図である。

図面において、ウエザーストリツプ１０は、一
方側面にシール舌片１１ａを形成した軟質塩ビ樹
脂、ゴム等の弾性体からなるウエザーストリツプ
本体１１と、このウエザーストリツプ本体１１の
後面に取着され、ウエザーストリツプ本体１１の
下縁に巻込み固定される芯金１２とからなつてい
る。

なおこの芯金１２には、所定ピツチ毎に係止爪
１３が切り起こされ、ウエザーストリツプ１０の
後面側に突設形成されている。

これらウエザーストリツプ本体１１と芯金１２
とは、押出し成形機により、一体的に押出し成形
される。

一方、ガーニツシユ２０は、湾曲状に成形され
た複合樹脂製芯材２１と、この芯材２１の表面に
ウレタンフオーム等の緩衝材２２を介してPVC
シート等の表皮材２３で被覆することにより構成
されている。そしてこのガーニツシユ２０の形状
は、複合樹脂芯材２１を折曲し、折曲端２０ａを
形成し、この折曲端２０ａ面は、ウエザーストリ
ツプ１０を安定して取付けるため、フラツト面に
形成されているとともに、所定ピツチ毎に前述し
たウエザーストリツプ１０の係止爪１３を挿入固
定するための取付穴２４が設けられている。

次に、このように構成されたガーニツシユ２０
に対して、ウエザーストリツプ１０を取付けるに
あたつては、ウエザーストリツプ１０をガーニツ
シユ２０に対して位置決めした後、係止爪１３を
ガーニツシユ側の取付穴２４に挿入した後折曲固
定する。

さらに本願の取付構造にあつては、ウエザース
トリツプ１０の取付強度をさらに確実なものと
し、かつウエザーストリツプ１０芯金１２とガー
ニツシユ２０側の芯材２１との熱収縮率の差異に
より、両者間に生じる変形歪により、ウエザース
トリツプ１０の取付けに悪影響を及ぼすことを防
止するため、Ｕ字状クリツプ３０を、ウエザース
トリツプ１０とガーニツシユ２０との両者を挾着
保持することを特徴としている。

このＵ字状クリツプ３０は、バネ鋼をＵ字状に
曲成し、一対の脚片３１，３２を設けるととも
に、一方側の脚片３１を、他方側の脚片３２より
その寸法を長く設定し、Ｕ字状クリツプ３０の挿
入時、この脚片３１をガイド片として作用させ、
その挿入作業を容易なものとしている。そしてこ
のＵ字状クリツプ３０の装着にあたつては、第２
図に示すように、ウエザーストリツプ１０ならび
にガーニツシユ２０の両側端とこのクリツプ３０
の中央部３０ａとの間に間〓ｄを設け、ガーニツ
シユ２０の芯材２１ならびにウエザーストリツプ
１０のいずれか一方に伸縮が生じたとしても、こ
の間〓ｄにより吸収することが可能なようになつ
ている。なお図中符号３３は一方側の脚片３１内
面に切り起こされた抜け止め用の係止爪を示す。

さらに上記クリツプ３０の取付態様としては、
第４図に示すように、ウエザーストリツプ１０の
芯金１２とガーニツシユ２０の両者を挟みこむよ
うに構成しても良い。この場合もクリツプ３０の
中央部３０ａとガーニツシユ２０の芯材２１の側
部間に間〓ｄが設けられ、芯材２１と芯金１２間
の変形歪を吸収するようになつているのは前述実
施例と同様である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るウエザーストリツプの
ガーニツシユに取付ける状態を説明する分解斜視
図、第２図は本考案に係るウエザーストリツプを
ガーニツシユ側に取付けた状態を示す斜視図、第
３図は第２図中１−１線断面図、第４図は別実施
例を示すウエザーストリツプの取付構造を示す断
面図、第５図は従来のウエザーストリツプの取付
構造を示す全体斜視図である。 １０……ウエザーストリツプ、１１……ウエザ
ーストリツプ本体、１２……芯金、１３……係止
爪、２０……ガーニツシユ、２１……芯材、２４
……取付穴、３０……クリツプ、３１，３２……
脚片、３３……抜け止め用爪、ｄ……間〓。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 可撓性を備えた弾性体からなり、一方側面に
   ウインドガラスと摺接する舌片を設けたウエザ
   ーストリツプ本体と、このウエザーストリツプ
   本体内に埋設されるか、あるいは本体の他方側
   面に取着され、ウエザーストリツプ本体を保持
   する金属性芯金とから構成されるウエザースト
   リツプであつて、 前記芯金の適宜箇所を後方に切起し、ウエザ
   ーストリツプの背面側に突設形成した係止爪
   を、ドアトリム上縁に位置するガーニツシユに
   設けた取付穴に挿入固定し、ウエザーストリツ
   プをガーニツシユに装着するとともに、このウ
   エザーストリツプとガーニツシユとの両側部を
   Ｕ字状クリツプにより、ウエザーストリツプ並
   びにガーニツシユの端縁とＵ字状クリツプ中央
   部との間に所定間〓を確保して、側方から挾着
   保持するようにしたことを特徴とする自動車用
   ドアトリムにおけるウエザーストリツプの取付
   構造。 (2) 前記Ｕ字状クリツプを構成する一対の脚片の
   うち一方側は、他方側より長く設定し、ガーニ
   ツシユとウエザーストリツプの両側部にこのク
   リツプを挾着するとき、この長寸脚片がガイド
   片を構成することを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の自動車用ドアトリムにお
   けるウエザーストリツプの取付構造。 (3) 前記Ｕ字状クリツプを構成する脚片のいずれ
   か一方側の内面には抜け止め用爪が切起されて
   いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の自動車用ドアトリムにおけるウエ
   ザーストリツプの取付構造。