JPH05232538A - 波長変換素子およびその製造方法 - Google Patents

波長変換素子およびその製造方法

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JPH05232538A JP4035302A JP3530292A JPH05232538A JP H05232538 A JPH05232538 A JP H05232538A JP 4035302 A JP4035302 A JP 4035302A JP 3530292 A JP3530292 A JP 3530292A JP H05232538 A JPH05232538 A JP H05232538A
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    • G02F1/35Non-linear optics
    • G02F1/37Non-linear optics for second-harmonic generation
    • G02F1/377Non-linear optics for second-harmonic generation in an optical waveguide structure
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体レーザから発したレーザビームを直接
導波路に導き、第2高調波を得る。 【構成】 Li Nb O3からなる板状の素子基板16
に、導波路19を形成する。導波路19は、分極の方向
が、導波路19の導波方向と素子基板16の主面15の
法線方向とに直交している。更に、導波路19の分極の
方向は、導波路19の導波方向に対して、分極反転層1
4により周期的に反転している。 【効果】 半導体レーザのレーザビームの出射端面と、
導波路の入射端面とを、直接カップリングできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入射したレーザビーム
に応じてその第2高調波を出力する波長変換素子および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザビームの第2高調波を出力する波
長変換素子としては、準位相整合、いわゆるQPM(qu
asi phase matching)を利用した素子が知られている。
QPMは、分極波の出力がその伝幡に伴ってコヒーレン
ス長Lc と呼ばれる干渉距離ごとに極大・極小を周期的
に繰り返すことにより、コヒーレンス長Lc ごとに発生
する分極波の位相を交互に反転させて互いに打消し合う
ことなく逆に加算して第2高調波の出力を増大させる位
相整合の方法である。
【0003】このQPMによる波長変換素子としては、
強誘電体で形成された導波路の導波方向に沿って分極反
転層が周期的に形成された周期分極反転構造が採られて
いる。分極波の位相を周期的に反転するためには非線形
係数の符号を反転すれば良く、強誘電体ではドメインの
反転特性を利用できる。例えばニオブ酸リチウム(Li
Nb O3)結晶の場合、強誘電性のドメイン構造がc軸
方位に180度の反転分域を有し、特に+c面では不純
物や歪応力、熱や電界などのさまざまな外部要因によっ
て分極反転が生じやすいことが利用されている。
【0004】そこで、Li Nb O3結晶を素子基板とす
る場合、例えば図1に示すように、結晶のc軸方向を素
子基板1の厚み方向とし、主面となる+c面2上に周期
反転構造を形成する。この周期反転構造は、例えば素子
基板1の自発分極の方向をc軸方向に揃えてから、Ti
の周期パターンを+c面2上に作製し、キュリー温度よ
り僅かに低い温度(1035℃程度)で約1時間の熱処
理後急冷することにより、所定の間隔ごとに形成された
複数の分極反転層3にて構成される。この分極反転層3
は、分極の方向が元来の素子基板1の分極方向に対して
反対の方向を向く層である。その後、導波路4がプロト
ン交換法により各分極反転層3を横切る方向を導波方向
として低温で作製される。
【0005】このようにして作製された波長変換素子5
において、分極反転層3の分極方向は、図1の矢印に示
すように結晶のc軸方向であるとともに、導波路4の厚
み方向を向いている。しかし、上記波長変換素子と半導
体レーザとを用いて第2高調波を出力する場合、半導体
レーザから放射されるレーザビームは、出射端面にてT
Eモードで放射され、一方、波長変換素子の導波路で導
波される導波モードはTMモードである。そこで、TE
モードのレーザビームを単にレンズを介して波長変換素
子に入射しただけでは導波路で殆どビームを励起できな
かった。故に、モードを一致させる手段が必要となるた
めに、半導体レーザの出射端面と導波路の入射端面とを
直接的にカップリングすることができなかった。従っ
て、図2に示すように、半導体レーザ6と波長変換素子
5との間の光路に、レーザ6側から順にコリメータレン
ズ7、半波長板8、カップリングレンズ9を配置して、
偏光面を回転させてから、波長変換素子5にレーザビー
ムを入射させる構造が採られていた。
【0006】このように、レーザビームの偏光面を90
°回転させるために、第2高調波を出力する装置は、組
み込み部品数が多く低価格化が困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑みなされたもので、例えば半導体レーザから
放射されたレーザビームを直接波長変換素子に入射させ
ることができる構造の波長変換素子およびその製造方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の波長変換素子
は、非線形光学結晶からなり基本波としての入射レーザ
ビームを第2高調波に変換する導波路の形成された波長
変換素子であって、前記導波路は、分極の方向が前記導
波路の導波方向および前記素子基板の主面の法線方向に
直交し、かつ前記導波方向に対して周期的に反転する複
数の分極反転層を有するものである。
【0009】本発明の波長変換素子の製造方法は、非線
形光学結晶ブロックの分極の方向と交差する面に電子ビ
ームを所定の間隔ごとに複数回走査することにより複数
の分極反転層を周期的に形成する工程と、前記分極反転
層が形成された非線形光学結晶ブロックから、前記分極
の方向と垂直な方向を法線方向とする面を主面とする素
子基板を切断する工程と、前記素子基板の主面に前記各
分極反転層の分極方向と垂直な方向を導波方向として伸
長する導波路を形成する工程と、を含むものである。
【0010】
【作用】本発明の波長変換素子によれば、導波路におけ
る分極の方向は、周期的に反転し、かつ導波路の導波方
向および素子基板の主面の法線方向に直交するので、導
波路の導波モードがTEモードになる。故に、例えば半
導体レーザなどから放射されたTEモードのレーザビー
ムを基本波として半波長板やTE−TM変換器などの光
学部品を介すことなく直接波長変換素子に入射させて、
第2高調波を出力することができる。
【0011】また、本発明の製造方法によれば、導波路
の導波方向に対して周期的に形成された複数の分極反転
層の分極の方向が、それぞれ導波路の導波方向および素
子基板の主面の法線方向に直交している波長変換素子を
作製することができる。
【0012】
【実施例】本発明の波長変換素子およびその製造方法を
図3乃至図9に基づいて説明する。図3において、11
は非線形光学結晶の結晶ブロックで、これはLi Nb O
3またはタンタル酸リチウム(Li Ta O3)などの強誘
電体からなり、例えば厚さd1が数mm程度の方形に形成
されている。この結晶ブロック11は、外部からの電場
により自発分極の方向が3本ある結晶軸の1つであるc
軸の+方向(図中、矢印方向)に揃えられている。
【0013】次に、図4に示すように、この結晶ブロッ
ク11の−c面12に電子ビーム13を+c軸方向に照
射しながら所定の間隔ごとに走査する。すると、電子ビ
ーム13にて加熱された領域では自発分極の方向が反転
して−c軸方向を向いた分極反転層14が、c軸方向を
深さ方向として形成される。更に、この分極反転層14
は電子ビーム13の走査間隔に応じて周期的に形成され
ていく。
【0014】次に、図5に示すように、図示しない旋盤
などの機械的加工手段により結晶ブロック11を、各分
極反転層14と略直交する方向で、かつc軸方向に沿う
方向に幅d2で切断して、c軸方向と直交する方向を法
線方向とする面を主面15とする素子基板16を切出
す。この素子基板16の寸法は、例えば幅w:2〜3m
m、厚みd2:0.5mmになっている。
【0015】次に、図6に示すように、素子基板16の
一方の主面15にレジスト膜17を形成し、各分極反転
層14の分極方向と直交する方向を導波方向として伸長
する導波路のパターンを図示しないマスクを用いてレジ
スト膜17に感光する。そして、導波路に相当する開口
パターン18をレジスト膜17に形成する。次に、図7
に示すように、プロトン交換法により、素子基板16の
主面15上の開口パターン17に対応する領域に各分極
反転層14の分極方向と直交する方向を導波方向として
伸長する導波路19を形成する。なお、主面15にTi
を蒸着した後、Ti でストライプ状になるようにマスク
を形成しエッチングした後熱処理を行う、いわゆるTi
拡散法によっても同様の導波路19を形成することがで
きる。そして、導波路19の形成後、レジスト膜17を
除去する。
【0016】次に、図8に示すように、素子基板16の
両端面にそれぞれ形成された導波路19の端面20をそ
れぞれ研磨する。このようにして、準位相整合を用いる
波長変換素子21が作製される。このようにして作製さ
れた波長変換素子21は、導波路19の導波方向に対し
て周期的に分極反転層14が形成され、各分極反転層1
4の分極方向は、導波路19の導波方向に対して垂直で
あるとともに主面15の法線方向に対しても直交してい
る。
【0017】なお、分極反転層14の導波路19の導波
方向に対する長さや分極反転層14の周期は、強誘電体
の種類、導波路19の長さ、および幅などに応じて設定
される。次に本実施例の作用について説明する。上記波
長変換素子21を用いて第2高調波を出力させる場合、
図9に示すように、レーザとして例えば半導体レーザ3
1を用いる。この半導体レーザ31の出射端面32を直
接波長変換素子21の導波路19の一方の端面である入
射端面20aにカップリングさせて、レーザビームを基
本波として波長変換素子21の導波路19の入射端面2
0aに所定条件で入射させる。すると、導波路19で
は、分極反転層14により分極方向が周期的に反転し導
波路19の導波方向および素子基板16の主面15の法
線方向に対して垂直であるから、レーザビームとこのレ
ーザビームの伝幡に伴い発生した分極波とが互いに打消
し合うことなく干渉し加算されて、出力の大きな第2高
調波が得られる。
【0018】一般に、半導体レーザ31から放射される
レーザビームは、偏光面が半導体レーザ素子のPN接合
面に平行であり、半導体レーザ31内に形成された光閉
じ込めのための導波路内での電磁界分布はTEモードに
なっている。この導波路の形状は実効的には幅数μm、
厚さは幅の数分の1から半分程度である。故に、半導体
レーザ31の出射端面(near−field)32に
おける光分布は、導波路の断面形状を反映してPN接合
方向に長軸を有する楕円形になる。さらに、レンズなど
の光学部品を介してレーザビームを波長変換素子21の
導波路19の端面20aに集光した場合でも、集光され
たレーザビームは同様にPN接合方法に対応した方向に
長軸を有する楕円形になる。
【0019】一方、波長変換素子21の導波路19は、
一般に厚みよりも幅が大きいので、導波されるべきビー
ムの電磁界分布は幅方向を長軸とする楕円形になる。ま
た、分極反転層14の分極方向が幅方向と平行になって
いるために、導波されるべきビームの偏光面は幅方向を
向くTEモードになる。従って、半導体レーザ31から
放射されるビームのモードと、導波されるべきビームの
モードとが一致するので、半導体レーザの出射端面と導
波路の入射端面とを直接カップリングすることができ
る。
【0020】このように、従来では用いられていたモー
ドを一致させるための半波長板やTE−TMモード変換
器などの光学部品が不要になるとともに、半導体レーザ
31のレーザビームの出射端面32と導波路19の入射
端面20aとを直接カップリングできるので、第2高調
波を出力させる装置を構成する部品数を少なくできると
ともに、装置を小型化できる。
【0021】また、上記製造方法によれば、一回の分極
反転層14の形成工程を経た結晶ブロック11から複数
の素子基板16を切り出すことができ、分極反転層14
の形成工程を各素子基板16ごとに行わずに済むので、
波長変換素子21の生産性を向上させることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明の波長変換素子によれば、導波方
向に沿って周期的に分極反転層が形成された導波路で
は、分極方向が導波方向および素子基板の主面の法線方
向に対して垂直であり、かつ導波方向に対して周期的に
反転しているので、導波モードをTEモードにすること
ができる。そこで、例えば半導体レーザなどにてTEモ
ードで放射されたレーザビームを直接に波長変換素子に
入射し第2高調波に変換させて出力することができる。
それ故、レーザの出射端面と導波路の入射端面とを直接
カップリングできるので、半波長板やTE−TMモード
変換器などの光学部品が不要となり、第2高調波を出力
する装置を構成する部品数を少なくでき、装置を小型化
できる。
【0023】また、本発明の波長変換素子の製造方法に
よれば、分極反転層が形成された結晶ブロックから複数
の素子基板を切り出すことができ、各素子基板ごとに分
極反転層の形成する必要がないので、波長変換素子の生
産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の波長変換素子を示す斜視図である。
【図2】従来の波長変換素子を用いて第2高調波を出力
する装置の構成図である。
【図3】本発明の波長変換素子が作製される結晶ブロッ
クの斜視図である。
【図4】本発明の波長変換素子の製造工程において分極
反転層を形成する工程を示す説明図である。
【図5】同上結晶ブロックから素子基板を切出す工程を
示す説明図である。
【図6】同上導波路を形成するためのパターニング工程
を示す説明図である。
【図7】同上導波路を形成する工程を示す説明図であ
る。
【図8】本発明の波長変換素子を示す斜視図である。
【図9】同上波長変換素子を用いて第2高調波を出力す
る装置の構成図である。
【主要部分の符号の説明】
11 結晶ブロック 13 電子ビーム 14 分極反転層 15 主面 16 素子基板 19 導波路 20a 入射端面 21 波長変換素子 32 出射端面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非線形光学結晶からなり基本波としての
    レーザビームを第2高調波に変換する導波路の形成され
    た波長変換素子であって、 前記導波路は、分極の方向が前記導波路の導波方向およ
    び前記素子基板の主面の法線方向に直交し、かつ前記導
    波方向に対して周期的に反転する複数の分極反転層を有
    することを特徴とする波長変換素子。
  2. 【請求項2】 非線形光学結晶ブロックの分極の方向と
    交差する面に電子ビームを所定の間隔ごとに複数回走査
    することにより複数の分極反転層を周期的に形成する工
    程と、 前記分極反転層が形成された非線形光学結晶ブロックか
    ら、前記分極の方向と垂直な方向を法線方向とする面を
    主面とする素子基板を切断する工程と、 前記素子基板の主面に前記各分極反転層の分極方向と垂
    直な方向を導波方向として伸長する導波路を形成する工
    程と、を含むことを特徴とする波長変換素子の製造方
    法。
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