JPH09269430A - 光導波路デバイスの製造方法 - Google Patents
光導波路デバイスの製造方法Info
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Abstract
学特性の安定性と形状の安定性とを向上させ、光導波路
の表面の加工変質層を防止し、基板の主面に対するリッ
ジ型光導波路の側面の角度を制御すること。 【解決手段】基板1と、基板1の主面1a上に突出する
リッジ型光導波路3とを備えている光導波路デバイスを
製造する。アブレーション加工法によってリッジ型光導
波路3を形成する。アブレーション加工の光源5とし
て、波長350nm以下の光を用いることが好ましく、
波長150〜300nmの光を用いることが更に好まし
く、基板の材質は酸化物単結晶が特に好ましい。
Description
高調波発生デバイスや光変調素子として好適に使用でき
る、リッジ型光導波路を備えた光導波路デバイスの製造
方法に関するものである。
器、光スイッチング素子等において期待されている。ま
た、光ピックアップ等に用いられる青色レーザー用光源
として、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウム単結晶
に周期的な分極反転構造を形成した光導波路を使用した
疑似位相整合(Quasi-Phase-Matched :QPM)方式の
第二高調波発生(Second-Harmonic-Generation:SHG)デ
バイスが期待されている。第二高調波発生デバイスは、
光ディスクメモリー用、医学用、光化学用、各種光計測
用等の幅広い応用が可能である。
ては、フォトリソグラフィー技術によって基板上にマス
クパターンを転写し、このマスクパターン以外の部分
を、例えば反応性イオンエッチング法(RIE法)によ
って除去する方法が常識であった。リッジ型の光導波路
に対して変調用の交番電界を印加する電極を形成し、光
の強度、位相、波長等を変調する光変調器の場合には、
リッジ角が90°に近づくほど、電界補正係数が増大
し、駆動電圧を低減できることが理論的には知られてい
る(特開平4−123018号公報)。特開平4−12
3018号公報においては、リッジ型光導波路のd/W
を0.1以上、1.0以下とし、かつリッジ角を90°
±10°とすることによって、電界補正係数を可能な限
り大きくすることを試みている。
は、次の問題が残っていた。即ち、反応性イオンエッチ
ング法においては、例えば3インチウエハーの全体を均
一に数μmの深さまでエッチングしようとした場合に
は、非常に長時間を要するため、加工コストが高かっ
た。また、高エネルギーのイオンを基板に照射するため
に、基板にダメージを与えやすく、肝心の光が通る光導
波路部分に加工変質層が形成されてしまい、光屈折率等
の特性が変化するという問題があった。光導波路デバイ
スのシュミレーションを行う際には、こうした加工変質
層の形成は考慮されていないので、実際の光導波路デバ
イスの特性がシミュレーションの結果と食い違い、劣化
する原因になっていた。
ては、電界補正係数の向上には限界があった。即ち、リ
ッジ型光導波路の表面は、ほぼ平坦であり、リッジ型光
導波路の側面は傾斜しているが、この傾斜した側面およ
びエピタキシャル膜の主面にわたって、変調用の電極膜
が形成される。このために、(社団法人、電子通信学会
資料、OQE77−57、「リッジ形光導波路」197
7年10月24日)で理論的に検討されているように、
光導波路へと変調用の交番電界を印加したときに、リッ
ジ角が90°の場合に比べて、この交番電界による変調
の効率が低くなり、このために駆動電圧が低下する。
由は次のように考えられる。エピタキシャル膜の主面に
リッジ型光導波路が突出するが、この際、リッジ型光導
波路の高さdの幅Wに対する比率d/Wを大きくするた
めには、即ち、リッジ型光導波路を細長く突出させるた
めには、リッジ型光導波路の周囲を、できる限り深くエ
ッチングする必要がある。しかし、基板側とマスクとの
エッチングレートの比率は通常2〜5:1程度であるた
めに、リッジ型光導波路の周囲を深くエッチングするた
めには、これに相応して厚さの大きいマスクを使用する
必要がある。しかし、このように厚いマスクを使用する
と、今度はマスクの周囲でエッチングレートが低下して
くるために、リッジ角θが90°よりも著しく小さくな
ってくる。例えば、リッジ型光導波路の高さWを2μm
以上としたときには、リッジ角θを90°に近くするこ
とは困難であった。
上に突出するリッジ型光導波路とを備えている光導波路
デバイスを製造するのに際して、リッジ型光導波路の形
成に必要な時間を短縮して加工コストを減少させること
であり、この加工時の基板へのダメージを減少させて、
光導波路部分における加工変質層の生成を防止すること
である。更には、リッジ型光導波路の側面を、基板の主
面に対して垂直方向に近づけることである。
基板の主面上に突出するリッジ型光導波路とを備えてい
る光導波路デバイスを製造する方法であって、アブレー
ション加工法によってリッジ型光導波路を形成すること
を特徴とする方法に係るものである。
にリッジ型光導波路を形成する方法について、研究を重
ねていたが、この過程で、基板を、エキシマレーザーを
使用して、直接にアブレーション加工することで、リッ
ジ型光導波路を形成することを想到した。
00nmである紫外領域のレーザー光であり、封入する
ガスの種類によって波長を選択できるという特徴があ
る。アブレーション加工とは、エキシマレーザー光のよ
うな高エネルギーの光を加工対象の材質に照射すること
によって、光の当たった部分を瞬時に分解および気化さ
せ、目的の形状を得る加工方法である。
レーション加工技術を、リッジ型光導波路の形成に利用
することを検討した。また、これと同時に、液中アシス
トエッチング加工法等も、あわせて検討した。
ブレーション加工によると、特にリッジ型光導波路の形
成に有効であり、極めて高い生産性でリッジ型光導波路
を製作できることを発見した。しかも、得られたリッジ
型光導波路について、著しい光学特性の安定性と形状の
安定性とが得られた。
路について、光を伝搬させて見たところ、光の吸収特
性、消光比特性が良好であり、光導波路の表面に加工変
質層も形成されないことを発見し、本発明に到達した。
のd/Wまたはリッジ部(後述)のd/Wを、従来より
も極めて大きい値(1以上、100以下)とすることが
できることが判った。特に、これがd/Wが2以上であ
る細長いリッジ型の光導波路は、前記した理由からイオ
ンエッチング法等によっては作成できなかったものであ
る。しかも、この光導波路のリッジ角をほぼ90°とす
ることができることも確認した。
理由について更に検討した。即ち、光学特性の安定性に
ついては、アブレーション加工では、光の照射された部
分では、基板の材質が瞬時に分解および気化するので、
光が直接には当たらない周辺部分には、熱・応力等の影
響がほとんどなく、このためリッジ型光導波路の側面に
加工変質層がまったく生成しなかったものと考えられ
る。例えば、RIE法によるエッチングを行うと、厚さ
数μmの加工変質層が生成するため、この加工変質層の
部分を予め考慮してリッジ型光導波路の設計を行う必要
がある上、光学的な安定性が低くなっていた。
いては、RIE法によって作製したリッジ型光導波路
は、その側面が基板の主面に対して70〜80度の傾き
を有していた。しかし、本発明によれば、レーザー光の
照射装置のレンズの傾きを最適位置に調整することによ
って、リッジ型光導波路の側面の基板主面に対する傾き
を正確に制御できる。
板の材質の吸収端よりも短波長側の光を使用する必要が
ある。しかし、通常は、350nm以下の波長を有する
光が好ましい。特に、酸化物単結晶からなる基板を加工
する場合には、350nm以下の波長を有する光を使用
することによって、基板に対して照射された光が、極表
面層中で吸収されるために、表面層のみを分解し、基板
の内部には加工ダメージを与えない。
長領域は、加工対象となる結晶の光吸収端の位置によっ
て変動するため、一律には規定できない。しかし、一般
的に光導波路用途に使用される酸化物単結晶は、350
nm以下の波長の領域に光吸収端を有している。このた
め、例えば波長512nmのアルゴンレーザーを使用し
た場合には、良好なアブレーション加工は不可能であっ
た。この理由としては、基板の材質の吸収端よりも長波
長の光であるために、光が酸化物単結晶の内部まで透過
し、表面での吸収によるアブレーションが起こりにくい
からである。
0nm以下とすることが一層好ましい。ただし、実用的
な観点からは、150nm以上とすることが好ましい。
また、現実の光源としては、エキシマレーザー光源の他
に、YAGの四次高調波(266nmのレーザー光)、
エキシマランプ等が、現在のところ実用的である。
は、いわゆる一括露光方式の装置と多重反射方式の装置
とが知られている。多重反射方式の場合には、マスクの
開孔率が小さい場合にも、光の利用率が高いという特徴
を有している。本発明においては、多重反射系によるア
ブレーション加工装置を使用することが一層好ましく、
これによって、1インチ以上の寸法を有するウエハーの
全体にわたって形成されたチッブパターンについて、短
時間で加工することができる。
明する。エキシマレーザーは、紫外線のパルス繰り返し
発振レーザーであり、ArF(波長193nm)、Kr
F(波長248nm)、XeCl(波長308nm)な
どの気体状の化合物が発振する紫外光を、光共振機によ
り方向性を揃えて取り出したものである。エキシマレー
ザーは、紫外線の短波長レーザーであるため、物質を構
成する原子や分子の結合をフォトンのエネルギーで分解
することができ、この化学的作用に基づいた応用が展開
されてきている。
加工は、例えば、ポリイミド等の微細加工のために孔を
開けるのに使用され、良好な形状の微細な孔の形成が可
能であることが報告されている。エキシマレーザーの応
用技術に関する文献としては、「O plus E」1
995年11月号、第64〜108頁の特集「実用期に
入ったエキシマレーザー」を挙げることができる。
てリッジ型光導波路を形成する方法としては、次の三つ
の態様を挙げることができる。 (1)スポットスキャン加工。これは、図1に模式的に
示す方法である。図1において、基板1の主面1aに対
してレーザーの光軸が垂直となるように、スポット状の
光束5を照射し、光束5を、例えば側面1bに垂直な方
向と向かって、矢印Aのように進行させる。この結果、
光束が通過した部分には、横断面が長方形状の溝2Aが
形成される。これと同様にして、溝2Aと平行な溝2B
を形成する。ただし、4の破線は加工予定の部分を示す
ものである。溝2Aと2Bとの間に細長いリッジ型光導
波路3を形成する。この光導波路3の上面3aは基板の
表面と平行であり、一対の側面3bは、基板の主面に対
して略垂直である。
グ加工によって、加工堆積層を除去できる。また、スポ
ット状の光束5の走査によって溝のパターンを形成して
いるので、任意の平面的形状を有するリッジ型光導波路
を形成できる。
的に示す方法である(図1に示した各部分と同じ部分に
は、同じ符号を付け、その説明は省略する)所定の転写
パターンを有するマスクを予め通過した光束6を、基板
1の主面1aに直接に照射し、光束6を移動させること
なく、所定の平面的パターンのリッジ型光導波路3を形
成する。
写パターンを一括して基板上に転写しているので、加工
能率が高く、かつリッジ型光導波路の平面的形状の再現
性が極めて良好である。ただし、大面積のレーザービー
ムを発振させる必要があり、かつレーザービームを透過
させるためのマスクの作製精度を高くし、光学系の精度
も高くする必要がある。
3に模式的に示す方法である。レーザーを、細長いパタ
ーンのスリットを有するマスクに透過させ、細長い長方
形の平面的形状を有するレーザー光束7を得る。この光
束7を基板1の主面1aに照射し、矢印B方向へと移動
させる。この方法によれば、加工によって形成された溝
2Aおよび2Bの底面の形状が特に滑らかになる。ただ
し、この方法では、平面的に見て直線形状である溝しか
形成できず、従って直線形状のリッジ型光導波路しか形
成できない。また、リッジ型光導波路の側面のエッジが
不明瞭になり易い。
は、基板から直接に突出していてよい。また、基板から
突出するリッジ部を形成し、このリッジ部の基部の方
を、基板と同じ酸化物単結晶によって形成し、リッジ部
の頂部の方に、エピタキシャル膜からなるリッジ型光導
波路を形成できる。これによって、後述する理由から、
光導波路中における光の歪みがなくなり、光の伝搬損失
や光ファイバーとの結合損失が一層減少し、かつ消光比
が減少した。
デバイスについて、図4〜図7を参照しつつ、説明す
る。図4(a)の光導波路基板11Aにおいては、基板
16の主面16aから突出するようにリッジ部12Aが
形成されている。ここで、16bは他方の主面であり、
14dは側面である。リッジ部12Aの基部15は、基
板16の材質と同じ酸化物単結晶からなる。基部15の
上に、エピタキシャル膜からなるリッジ型光導波路13
が形成されている。この例においては、エピタキシャル
膜を光導波路として使用するので、エピタキシャル膜の
屈折率を基板16の屈折率よりも大きくする必要があ
る。
は、基板16の主面16aから突出するようにリッジ部
12Bが形成されている。リッジ部12Bの基部15
は、基板材料16を構成する酸化物単結晶からなり、基
部15の上に、エピタキシャル膜17およびリッジ型光
導波路13が形成されている。
ーション加工法によって形成することで、d/Wの比率
が1以上、特には2以上であって、リッジ角がほぼ90
°となるような光導波路またはリッジ部を形成できる。
路13の中を伝搬する光のビーム14の断面形状がほぼ
円形となり、光ビームの歪みが生じない。これは、基部
15が基板16から突出しているのと共に、基部15の
上に光導波路13が形成されているために、光のビーム
が基板16の方に向かって漏れたり、拡散したりしない
からである。更に、光導波路13の側面13bが互いに
平行であって、光導波路13の断面形状が正方形もしく
は長方形であるために、光のビーム14の対称性が高
く、その伝搬の効率が最も高くなるからである。
度、位相を変調するための光変調器なしい光スイッチン
グ素子を作製できる。この際、光を変調するための電極
の形態は特に制限されないが、例えば図5(a)、
(b)および図6に示すような形態の電極を形成するこ
とが好ましい。図5(a)の光導波路デバイスにおいて
は、光導波路基板11Bにおいて、光導波路13の頂面
ないし上面13aに電極20Aを形成すると共に、基板
16の他方の主面ないし底面16b上に、電極20Aと
対向する電極20Bを形成している。これらの一対の電
極20Aと20Bとを、それぞれ電線21によって電力
供給手段(好ましくは交流電源)22に対して、電気的
に接続する。これによって、リッジ部12Bに対して、
その長さ方向(高さ方向)に対してほぼ平行に電圧が印
加され、これによる電界が光導波路13に対して印加さ
れる。
は、光導波路基板11Bの光導波路13の頂面13aに
電極20Aを形成すると共に、基部15の表面15aお
よび基板16の主面16aにわたって延びるように、電
極20Cを形成する。一対の電極20Aと20Cとが、
電線21によって電力供給手段22に対して電気的に接
続されている。これによって、光導波路13に対して、
その高さ方向に向かって電圧が印加される。
ジ部12Bの光導波路13のうち、基板16の主面16
aに対して垂直な一対の側面13b上に、それぞれ電極
20Dが形成されており、各電極20Dがそれぞれ電線
21によって電力供給手段22に対して電気的に接続さ
れている。これによって、光導波路13に対して各電極
20Dによって電圧が印加される。
使用した場合でも、図5(a)、(b)および図6に示
す各形態の光導波路デバイスを作製できることは、言う
までもない。むろん、図5(a)、(b)の場合には、
光導波路13の頂面13aに電極20Aを形成し、図6
の場合には、光導波路13の一対の側面13bにそれぞ
れ電極20Dを形成する。
似位相整合型の周期分極反転構造を有する第二高調波発
生デバイスに対して適用した実施形態を示す、斜視図で
ある。この第二高調波発生デバイス26は、光導波路基
板11Bからなっている。光導波路13内に、周期分極
反転構造25が形成されている。即ち、図7に模式的に
示すように、光導波路13には多数の分極反転部分25
aおよび25bが形成されており、かつ隣り合う分極反
転部分25aと25bとは、分極の方向が逆転してい
る。
めには、基板16を一定の方向に分極させ(好ましくは
主面16aに対して垂直の方向に分極させ)、次いで基
板16上にエピタキシャル膜を形成し、このエピタキシ
ャル膜および基板16の所定部分を、前記のようにアブ
レーション加工する。この際には、エピタキシャル膜の
分極方向は、基板16の分極方向に対して逆転してい
る。次いで、公知の方法に従って、光導波路中に周期分
極反転構造を形成する。
き酸化物単結晶としては、ニオブ酸リチウム、タンタル
酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固
溶体、ニオブ酸リチウムカリウム、タンタル酸カリウム
を例示できる。
が、光のビームの対称性を向上させ、光の伝搬損失を最
も減少させるためには、略正方形とすることが好まし
い。またリッジ部のd/Wを2以上とすることによっ
て、リッジ部内の光導波路に加わる電界が基板の方へと
広がりにくくなるので、好ましい。また、リッジ部のd
/Wを100以下とすることによって、このリッジ部を
備えた光導波路基板の取扱いが容易となり、基板の取扱
いの最中にリッジ部分の破損が生じにくくなる。
板(光学グレード)を準備した。この寸法は直径3イン
チ、厚さ1mmであった。この基板上に、液相エピタキ
シャル法によってニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウ
ム単結晶膜を形成した。具体的には、LiNbO3 ─L
iTaO3 ─LiVO3 擬三元系の溶融体を準備した。
この溶融体の仕込み組成は、LiNbO3 :LiTaO
3 :LiVO3 =4:16:80とした。この溶融体
を、1200℃で3時間以上攪拌し、十分均一な液相の
状態とした。その後、溶融体を950℃まで冷却した
後、12時間以上保持した。この結果、溶融体の内部
で、過飽和分の固溶体が核発生し、固相がルツボの壁面
に析出した。
膜温度940℃まで冷却した。ただちにニオブ酸リチウ
ム単結晶基板を液相部分に接触させ、成膜を行った。得
られた固溶体膜は、LiNb0.70Ta0.30O3 の組成を
有していた。また膜の厚さは10μmであった。
法によって、ニオブ酸リチウム膜を形成した。具体的に
は、LiNbO3 ─LiVO3 擬二元系の溶融体を準備
した。この溶融体の仕込み組成は、LiNbO3 :Li
VO3 =20:80とした。この溶融体を1200℃で
3時間以上攪拌し、十分均一な液相の状態とした。その
後、溶融体を905℃まで冷却した後、12時間以上保
持した。
膜温度900℃まで冷却した。ただちにニオブ酸リチウ
ム単結晶基板を液相部分に接触させ、成膜を行った。得
られたニオブ酸リチウム単結晶膜の厚さは約10μmで
あった。
ブレーション加工を行った。ニオブ酸リチウム単結晶の
吸収端よりも波長の短いKrFエキシマレーザー(波長
248nm)を光源として使用し、図1に示す方法でア
ブレーション加工を行った。この照射した光束の平面的
形状を図8に示す。図8において、8が照射した部分な
いしスポットであり、9が2つの照射スポット8の間に
ある間隙であって、リッジ型光導波路に対応する。aを
200μmとし、bを10μmとし、cを1.0mmと
した。照射エネルギー密度が6J/cm2 となるように
光学系を調節し、パルス幅を15nsecとし、パルス
周波数を600Hzとし、走査速度を1.2mm/秒と
した。長さ20mmのリッジ型光導波路3を形成するの
に必要な時間は、17秒であった。
走査型電子顕微鏡によって観察したところ、溝2A、2
Bの深さは20μmであり、幅は10μmであり、導波
路3の側面3bの主面1aに対する傾斜角度は88〜9
0度であった。波長1.55μmのTE波をリッジ型光
導波路中に入射させ、導波特性を評価した。この結果、
導波光はシングルモードであり、伝搬損失は0.6dB
/cmであった。
30mmのKLNT(組成K3.0 Li2.2 Nb4. 6 Ta
0.2 O12)単結晶基板上に、液相エピタキシャル法によ
って厚さ5μmのKLNエピタキシャル膜(組成K3.0
Li2.2 Nb4.8 O12)を形成した。この基板のエピタ
キシャル膜側について、アブレーション加工を行った。
KLNT単結晶の吸収端よりも波長の短いArFエキシ
マレーザー(波長193nm)を光源として使用し、図
1に示す方法でアブレーション加工を行った。この照射
した光束の平面的形状を、図8に示す。ここで、aを2
00μmとし、bを5μmとし、cを1.0mmとし
た。照射エネルギー密度が6J/cm2 となるように光
学系を調節し、パルス幅を15nsecとし、パルス周
波数を300Hzとし、走査速度を1.2mm/秒とし
た。長さ7mmのリッジ型光導波路3を形成するのに必
要な時間は、6秒であった。
走査型電子顕微鏡によって観察したところ、溝2A、2
Bの深さは8μmであり、幅は5μmであり、導波路3
の側面3bの主面1aに対する傾斜角度は90度であっ
た。波長0.85μmのTE波をリッジ型光導波路中に
入射させ、導波特性を評価した。この結果、導波光はシ
ングルモードであり、伝搬損失は0.8dB/cmであ
った。
上にニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体膜と
ニオブ酸リチウム膜とを順次形成した。リフトオフ法に
よって、幅10μm、厚さ400オングストロームの、
チタン膜のマスクを形成した。C3 F6 ガスを使用して
反応性イオンエッチングを行い、深さ10μm、厚さ2
0mmのリッジ型光導波路を形成した。ガスの圧力を
0.01Torrとした。エッチングレートは40nm
/分であった。
形状を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、リッ
ジ型光導波路は台形をしており、光導波路の側面の基板
主面に対する傾斜角度は60〜70度であり、上面の幅
は10μmであり、底面の幅は22μmであった。波長
1.55μmのTE波をリッジ型光導波路中に入射さ
せ、導波特性を評価した。この結果、導波光はマルチモ
ードとなり、伝搬損失は1.9dB/cmであった。
めて高い生産性でリッジ型光導波路を製作でき、得られ
たリッジ型光導波路について、著しい光学特性の安定性
と形状の安定性とが得られた。そして、こうして得られ
たリッジ型光導波路について、光を伝搬させて見たとこ
ろ、光の吸収特性、消光比特性が良好であり、光導波路
の表面に加工変質層も形成されなかった。しかも、基板
の主面に対するリッジ型光導波路の側面の角度を自由に
制御でき、特に垂直にすることができた。
aに対してスポット状の光束5を照射している状態を模
式的に示す斜視図である。
対して光束6を照射している状態を模式的に示す斜視図
である。
aに対してスリット状の光束7を照射している状態を模
式的に示す斜視図である。
製作できる光導波路基板11A、11Bを模式的に示す
正面図である。
製作できる光導波路デバイスを模式的に示す正面図であ
る。
模式的に示す正面図である。
を有する、疑似位相整合による第二高調波発生デバイス
を模式的に示す斜視図である。
ザーのスポットの形状を示す平面図である。
基板の側面 5 スポット状の光束 2A、2B
溝 3、13 リッジ型光導波路 6 所定の転
写パターンを有するマスクを予め通過した光束6 7
スリット状の光束 11A、11B 光導波路基板
12A、12B リッジ部 15 基部 14
光導波路13の中を伝搬する光のビーム 26第二高
調波発生デバイス 25 周期分極反転構造 25
a、25b 分極反転部分
Claims (8)
- 【請求項1】基板と、この基板の主面上に突出するリッ
ジ型光導波路とを備えている光導波路デバイスを製造す
る方法であって、アブレーション加工法によって前記リ
ッジ型光導波路を形成することを特徴とする、光導波路
デバイスの製造方法。 - 【請求項2】前記アブレーション加工の光源として、3
50nm以下の波長を有する光を用いることを特徴とす
る、請求項1記載の光導波路デバイスの製造方法。 - 【請求項3】前記アブレーション加工の光源として、1
50〜300nmの波長を有する光を用いることを特徴
とする、請求項2記載の光導波路デバイスの製造方法。 - 【請求項4】前記基板の材質として、酸化物単結晶を使
用することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つ
の請求項に記載の光導波路デバイスの製造方法。 - 【請求項5】前記酸化物単結晶として、ニオブ酸リチウ
ム、タンタル酸リチウムおよびニオブ酸リチウム−タン
タル酸リチウム固溶体からなる群より選ばれた一種以上
の酸化物単結晶を使用することを特徴とする、請求項4
記載の光導波路デバイスの製造方法。 - 【請求項6】前記酸化物単結晶として、ニオブ酸リチウ
ムカリウムおよびタンタル酸リチウムカリウムからなる
群より選ばれた一種以上の酸化物単結晶を使用すること
を特徴とする、請求項4記載の光導波路デバイスの製造
方法。 - 【請求項7】前記リッジ部が、酸化物単結晶からなる基
部と、この基部上に形成されている酸化物単結晶のエピ
タキシャル膜からなる光導波路とを備えていることを特
徴とする、請求項1〜6のいずれか一つの請求項に記載
の光導波路デバイスの製造方法。 - 【請求項8】前記リッジ部の高さdと幅Wとの比率d/
Wが2以上、100以下であることを特徴とする、請求
項7記載の光導波路デバイスの製造方法。
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