JPH0523100Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、背杆の前面上部に背もたれを取付け
た椅子における、背もたれ取付部のカバー取付装
置に関するものである。

〔従来の技術〕

背杆の上部に背もたれを取り付けた椅子は、背
もたれが傾動式の場合、背もたれ取付部が大型か
つ複雑となつて見苦しく、また各部材の角部等に
より、人体や他物を損傷することがあるので、通
常カバーをもつて覆つている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし従来のカバーは、着脱が若干面倒であつ
たり、特殊な背もたれ取付部にのみ取付け可能
で、一般的ではなかつた。

〔課題を解決するための手段〕 本考案は、背杆の前面上部に背もたれを取付け
た椅子において、背杆の左右両側面上部要所に係
合孔を穿説し、前記背もたれ取付部を覆いうる大
きさの、前面および下面開口する偏平な箱状をな
すカバーの両側板内面下部における上記係合孔と
対応する個所に、係合孔に弾性係合しうる突起を
突設するとともに、カバーの内面上部に、背杆の
上端に後方より係合しうるフツクを有する係止片
を連設することにより、上述の課題の解決を図つ
たものである。

〔作用〕

カバーは、常時はそのフツクが背杆の上端に係
合するとともに、突起が背杆の係合孔に弾性係合
しているので、背杆より外れ落ちる恐れはなく、
確実に係着し、必要に応じ、カバーの両側板下部
を、若干外側方に強制的に押し拡げて後方に引け
ば、各突起が係合孔より離脱するので、カバーを
若干持ち上げて、フツクを背杆の上端より外せ
ば、カバーを背杆より簡単に取外すことができ
る。

〔実施例〕

第１１図は本考案を適用した椅子を示すもの
で、脚杆１に中央が支持された支基２には、座３
が固着されている。

支基２の左右両側面には、断面形が楕円の管材
よりなり、かつ逆向Ｌ字形に屈曲する左右１対の
互いに平行をなす背杆４，４の下部の水平部前端
が、コイルばね５により上向きに付勢されて傾動
可能に枢支され、両背杆４，４の垂直部上端に
は、背もたれ６が以下に説明するように取り付け
られている。

背もたれ６の合成樹脂の背板７の前面にはクツ
シヨン８が貼設され、後面中央下部には、方形の
突出枠９が形成されている。

背板７における突出枠９に囲まれた部分には、
左右１対の縦枠１０ａと上下１対の横枠１０ｂと
からなる方形枠状の取付枠１０が一体的に形成さ
れている。

取付枠１０に後面における四隅には螺孔１１が
穿設され、また左右の縦枠１０ａの後面中央部に
は凹入部１０ｃが形成されている。

両背杆４，４の前面上端同士は、連結板１２を
もつて連結され、連結板１２は上下両端に曲設し
た後向片１２ａ，１２ａにより、チヤンネル状を
なしている。

両後向片１２ａ，１２ａ間には、両背杆４，４
の対向面の間隔とほぼ等長で、かつ断面形がほぼ
方形をなすゴム等よりなる弾性体１３の前部が、
弛みなく嵌合されている。

１４は左右方向を向き、前面開口するチヤンネ
ル部１４ａの上下両端に、それぞれ上方と下方を
向く垂直片１４ｂ，１４ｂを曲設した、上記弾性
体１３とほぼ等長の取付板である。

背もたれ６は、その背板７の各取付枠１０の凹
入部１０ｃを、弾性体１３を嵌合した連結板１２
の前部に外嵌し、かつ弾性体１３の後部に、取付
板１４のチヤンネル部１４ａを後方より外嵌し
て、取付板１４の両垂直片１４ｂ，１４ｂを、ボ
ルト１５をもつて取付枠１０の各螺孔１１にねじ
止めすることにより、背杆４，４に取付けられて
いる。

そして常時は、弾性体１３の前後両面は連結板
１２と取付板１４のチヤンネル部１４ａとに、ま
た連結板１２の前面は取付枠１０の凹入部１０ａ
に圧接し、連結板１２の下部後向片１２ａの下面
と後面は、チヤンネル部１４ａより若干離間して
いる（第１図参照）。

１６は、上述の背もたれ取付部を覆う、合成樹
脂製のカバーで、前面および下面が開口し、前上
部が背板７の突出枠９に嵌入しうる横幅の、偏平
な箱状をなしている。

カバー１６の後板１６ａの中央下部は前方に凹
入して、両側下部には、背杆４に後方より外嵌し
うる樋状嵌合部１６ｂが形成されている。

カバー１６の両側板１６ｃ，１６ｃの内面下部
には、互に対向する左右１対の係合突起１７，１
７が突設され、同じく上部には、水平をなす左右
１対の係止片１８，１８が連設され、各係止片１
８には、後下方を向くフツク１９が連設されてい
る。

カバー１６は、その前上部を背板７の突出枠９
内に挿入して、各フツク１９を背杆４の上端開口
縁４ａに係止し、かつ下部を前方に押圧して、樋
状嵌合部１６ｂを背杆４に外嵌して、各突起１７
を各背杆４の外側面に穿設した係合孔２０に弾性
係合することにより、両背杆４，４に取り付けら
れている。

第１図に示す状態の上述の装置は、着席者が背
もたれ６に寄り掛かると、第２図に示すように、
弾性体１３が弾性変形して、取付板１４のチヤン
ネル部１４ａの前面が連結板１２の下部の後向片
１２ａの後端に当接するまで、弾性をもつて後傾
するので、不快音を発することはない。

そして弾性体１３の前後両面が、常時連結板１
２と取付板１４に圧接して、空席時は連結板１２
の前面が背板７の取付枠１０の凹入部１０ｃに当
接しているので、背もたれ６が後方にがたつくこ
とはない。

カバー１６は、その両側板１６ｃ，１６ｃの下
部を、若干外側方に強制的に押し拡げて後方に引
けば、各突起１７が係合孔２０より離脱するの
で、フツク１９を背杆４の開口縁４ａより外し
て、カバー１６を背杆４より取り外すことができ
る。

なお、上述の実施例においては、カバー１６を
取付ける背杆４を左右２本としたが、長径が左右
方向を向く１本の長円管を背杆とした場合にも、
本考案を適用することができる。

また、背杆４を充実した丸棒材又は角材等と
し、フツク１９を後方よりそれらの上端前縁に係
合させて実施することもできる。

さらに、背もたれ取付装置は、上述の形式のも
のとは限らず、場合により固定式の背もたれ取付
部にも本考案を適用することができる。

〔考案の効果〕 本考案によれば、カバーを背杆に、ねじ類や工
具等を使用せずに、甚だ簡単に着脱することがで
き、しかも取付けたカバーは背杆に弾性係合して
いるので、がたつくことがなく、体裁も良好であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案を適用した椅子空席時の背も
たれを、クツシヨンを省略して示す中央縦断側面
図、第２図は、後傾時の背もたれを、クツシヨン
を省略して示す中央縦断側面図、第３図は、第１
図の分解側面図、第４図は、第３図のＡ−Ａ線矢
視図、第５図は、第３図のＢ−Ｂ線矢視図、第６
図は、第３図のＣ−Ｃ線矢視図、第７図は、第３
図のＤ−Ｄ線矢視図、第８図は、第３図のＥ−Ｅ
線矢視図、第９図は、第１図のＦ−Ｆ線断面図、
第１０図は、背杆とカバーの係合状態を示す縦断
側面図、第１１図は、本考案を適用した椅子の側
面図である。 １……脚杆、２……支基、３……座、４……背
杆、４ａ……開口縁、５……コイルばね、６……
背もたれ、７……背板、８……クツシヨン、９…
…突出枠、１０……取付枠、１０ａ……縦枠、１
０ｂ……横枠、１０ｃ……凹入部、１１……螺
孔、１２……連結板、１２ａ……後向片、１３…
…弾性体、１４……取付板、１４ａ……チヤンネ
ル部、１４ｂ……垂直片、１５……ボルト、１６
……カバー、１６ａ……後板、１６ｂ……嵌合
部、１６ｃ……側板、１７……突起、１８……係
止片、１９……フツク、２０……係合孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背杆の前面上部に背もたれを取付けた椅子にお
   いて、背杆の左右両側面上部要所に係合孔を穿設
   し、前記背もたれ取付部を覆いうる大きさの、前
   面および下面開口する偏平な箱状をなすカバーの
   両側板内面下部における上記係合孔と対応する個
   所に、係合孔に弾性係合しうる突起を突設すると
   ともに、カバーの内面上部に、背杆の上端に後方
   より係合しうるフツクを有する係止片を連設した
   ことを特徴とする椅子の背もたれ取付部のカバー
   取付装置。