JPH05230452A - ハロゲン化物蛍光体の製造方法およびそれにより製造された蛍光体およびそれを用いたx線画像変換シート - Google Patents

ハロゲン化物蛍光体の製造方法およびそれにより製造された蛍光体およびそれを用いたx線画像変換シート

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JPH05230452A
JPH05230452A JP9230792A JP3079292A JPH05230452A JP H05230452 A JPH05230452 A JP H05230452A JP 9230792 A JP9230792 A JP 9230792A JP 3079292 A JP3079292 A JP 3079292A JP H05230452 A JPH05230452 A JP H05230452A
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phosphor
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JP9230792A
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Shinji Tadaki
進二 只木
Hiroshi Kano
博司 鹿野
Nobuhiro Iwase
信博 岩瀬
Masami Hasegawa
正巳 長谷川
Soichiro Hidaka
総一郎 日高
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ユーロピウムで賦活したハロゲン化バリウム
を主体とするハロゲン化物蛍光体の改良に関し、感度を
向上させた輝尽性蛍光体を提供することを目的とする。 【構成】 蛍光体原料を混合して下記組成式(S0)で表さ
れる化学量論的相対比を有する混合物を形成し、この混
合物をHX’(但し、X’はCl、Br、Iのうちのい
ずれかである)ガス雰囲気中またはこのHX’ガスと不
活性ガスもしくは還元性ガスとの混合ガス雰囲気中で5
00〜1100℃の温度で焼成することにより、下記組
成式(P0)で表されるユーロピウム賦活ハロゲン化物蛍光
体を生成させるように構成する。 BaX2:xEu ....(S0), Ba(X1-b X'b )2:xEu2+ ....(P0),
(但し、X はF, Cl, Br またはI 、X'はCl, BrまたはI
、0.0001≦x≦0.1 、0 ≦b<0.1 )

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ユーロピウムで賦活し
たハロゲン化バリウムを主体とするハロゲン化物蛍光体
の改良に関する。X線画像のような放射線画像は、病気
診断用等に多く用いられている。このX線画像を得るた
めに、被写体を透過したX線を蛍光体層(蛍光スクリー
ン)に照射し、これにより可視光を生じさせ、この可視
光を銀塩を使用したフィルムに照射した、いわゆる放射
線写真が利用されている。
【0002】一方、高感度・高解像度のX線システムと
して、従来の銀塩感光剤をシート状に塗布したフィルム
に間接あるいは直接に放射線の二次元像を記録する方法
に代わり、蓄積性蛍光体を使用する方法が利用され始め
ている。このような方法に関しては、その基本的な方式
について米国特許第3,859,527号に詳しく説明
されている。このシステムに使用される蛍光体は、X線
等の放射線のエネルギーを受けると、その蛍光体結晶中
にエネルギーが蓄積される。この状態は比較的安定であ
り、しばらくあるいは長時間にわたって保持される。こ
の状態にある蛍光体に、励起光として働く第一の光を照
射すると、蓄積されているエネルギーが第二の光となっ
て放出される。その際、第一の光としては、可視光に限
らず赤外線から紫外線まで広い波長範囲の光が用いられ
る。第二の光についても同様に赤外線から紫外線まで各
種の波長のものが用いられる。これら第一および第二の
光はいずれも、使用する蛍光体材料に応じて選択され
る。
【0003】
【従来の技術】希土類元素で賦活したハロゲン化物蛍光
体の1種として、従来からユーロピウム賦活アリカリ土
類複合ハロゲン化物蛍光体(BaXX’:Eu、但し
X、X’はF、Cl、Br、Iから選択されるハロゲ
ン)が知られている。この蛍光体はX線、電子線、紫外
線等の放射線で励起した後、可視から赤外までの領域の
電磁波で励起すると近紫外発光(輝尽発光)を生じ、放
射線像変換方法に用いられる輝尽性蛍光体として有用で
あることが見出されている。例えば、特公昭ダイ51−
28591号公報には、下記組成式で表される2価のユ
ーロピウム賦活2価金属フルオロハライド蛍光体が示さ
れている。
【0004】(Ba1-x-y-p Srx Cay Eup 2+)F
(Cl1-a-b Bra b ) (但し、x、y、p、a、bは、x+y+p≦1,y≦
0.20,0.001≦p≦0.20,a+b≦1なる
条件を満たす数である)上記の蛍光体は、X線、紫外
線、電子線等で励起すると390nm付近に発光スペク
トル分布を持った近紫外発光を示す。特に、この蛍光体
はX線に対する吸収効率が高く、また上記近紫外発光が
X線フィルムの分光感度に一致しているところから、X
線増感紙用の蛍光体として実用されている。また、上記
の近紫外発光を誘起する励起スペクトル分布は580n
m付近にピークを持ち、主にHe−Neレーザーにより
励起される。
【0005】上記特公昭第51−28591号公報に開
示されているような輝尽性蛍光体は、蛍光体原料を60
0〜1000℃の温度で適当な時間焼成することによっ
て製造することができる。上記蛍光体を成形または塗布
することによりX線写真撮影用のイメージングプレート
として使用する場合、被写体が被曝するX線量をできる
だけ低減することが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、被写体の被
曝量を低減するために感度を向上させた輝尽性蛍光体を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本願第1
本発明によれば、蛍光体原料を混合して下記組成式(S
0)で表される化学量論的相対比を有する混合物を形成
し、この混合物をHX’(但し、X’はCl、Br、I
のうちのいずれかである)ガス雰囲気中またはこのH
X’ガスと不活性ガスもしくは還元性ガスとの混合ガス
雰囲気中で500〜1100℃の温度で焼成することに
より、下記組成式(P0)で表されるユーロピウム賦活
ハロゲン化物蛍光体を生成させることを特徴とするハロ
ゲン化物蛍光体の製造方法により達成される。
【0008】BaX2 :xEu ・・・・(S0) Ba(X1-b X’b ) 2 :xEu2+ ・・・(P0) (但し、XはF、Cl、Br、Iのいずれか1種のハロ
ゲンであり、X’はCl、Br、Iのいずれか1種のハ
ロゲンであり、xは0.0001≦x≦0.1の範囲の
数値である)bは0≦b<0.1の範囲の数値であ
る。)上記の目的は、本願第2発明によれば、蛍光体原
料を混合して下記組成式(S1)で表される化学量論的
相対比を有する混合物を形成し、この混合物をHX’
(但し、X’はCl、Br、Iのうちのいずれかであ
る)ガス雰囲気中またはこのHX’ガスと不活性ガスも
しくは還元性ガスとの混合ガス雰囲気中で500〜11
00℃の温度で焼成することにより、下記組成式(P
1)で表されるユーロピウム賦活ハロゲン化物蛍光体を
生成させることを特徴とするハロゲン化物蛍光体の製造
方法によっても達成される。
【0009】 (Ba1-a a )X2 :xEu ・・・(S1) (Ba1-a a )(X1-b X’b ) 2 :xEu2+ ・・・(P1) (但し、MはBe、Mg、Ca、Srから選択される少
なくとも1種のアルカリ土類金属であり、XはF、C
l、Br、Iのいずれか1種のハロゲンであり、X’は
Cl、Br、Iのいずれか1種のハロゲンであり、xは
0.0001≦x≦0.1の範囲の数値であり、aは0
<a≦1の範囲の数値であり、bは0≦b<0.1の範
囲の数値である。)上記の目的は、本願第3発明のよれ
ば、蛍光体原料を混合して下記組成式(S2)で表され
る化学量論的相対比を有する混合物を形成し、この混合
物をHX’(但し、X’はCl、Br、Iのうちのいず
れかである)ガス雰囲気中またはこのHX’ガスと不活
性ガスもしくは還元性ガスとの混合ガス雰囲気中で50
0〜1100℃の温度で焼成することにより、下記組成
式(P2)で表されるユーロピウム賦活ハロゲン化物蛍
光体を生成させることを特徴とするハロゲン化物蛍光体
の製造方法によっても達成される。
【0010】 (Ba1-f/2 1 f )X2 :xEu ・・・(S2) (Ba1-f/2 1 f )(X1-b X’b ) 2 :xEu2+ ・・・(P2) (但し、M1 はLi、Na、K、Rb、Csから選択さ
れる少なくとも1種のアルカリ金属であり、XはF、C
l、Br、Iのいずれか1種のハロゲンであり、X’は
Cl、Br、Iのいずれか1種のハロゲンであり、xは
0.0001≦x≦0.1の範囲の数値であり、fは0
<f<0.2の範囲の数値であり、bは0≦b≦0.1
の範囲の数値である。)上記の目的は、本願第4発明に
よれば、蛍光体原料を混合して下記組成式(S3)で表
される化学量論的相対比を有する混合物を形成し、この
混合物をHX’(但し、X’はCl、Br、Iのうちの
いずれかである)ガス雰囲気中またはこのHX’ガスと
不活性ガスもしくは還元性ガスとの混合ガス雰囲気中で
500〜1100℃の温度で焼成することにより、下記
組成式(P3)で表されるユーロピウム賦活ハロゲン化
物蛍光体を生成させることを特徴とするハロゲン化物蛍
光体の製造方法によっても達成される。
【0011】 (Ba1-3h/23 h )X2 :xEu ・・・(S3) (Ba1-3h/23 h )(X1-b X’b ) 2 :xEu2+ ・・・(P3) (但し、M3 はSc、Y、Ce、Pr、Nd、Pm、G
d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、A
l、Ga、In、Tlから選択される少なくとも1種の
3価金属であり、XはF、Cl、Br、Iのいずれか1
種のハロゲンであり、X’はCl、Br、Iのいずれか
1種のハロゲンであり、xは0.0001≦x≦0.1
の範囲の数値であり、hは0<h<0.2の範囲の数値
であり、bは0≦b≦0.1の範囲の数値である。)上
記の目的は、本願第5発明によれば、蛍光体原料を混合
して下記組成式(S4)で表される化学量論的相対比を
有する混合物を形成し、この混合物をHX’(但し、
X’はCl、Br、Iのうちのいずれかである)ガス雰
囲気中またはこのHX’ガスと不活性ガスもしくは還元
性ガスとの混合ガス雰囲気中で500〜1100℃の温
度で焼成することにより、下記組成式(P4)で表され
るユーロピウム賦活ハロゲン化物蛍光体を生成させるこ
とを特徴とするハロゲン化物蛍光体の製造方法。
【0012】 (Ba1-(f/2+3h/2)1 f 3 h )X2 :xEu ・・・(S4) (Ba1-(f/2+3h/2)1 f 3 h )(X1-b X’b ) 2 :xEu2+ ・・・(P4) (但し、M1 はLi、Na、K、Rb、Csから選択さ
れる少なくとも1種のアルカリ金属であり、M3 はS
c、Y、Ce、Pr、Nd、Pm、Gd、Tb、Dy、
Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga、In、T
lから選択される少なくとも1種の3価金属であり、X
はF、Cl、Br、Iのいずれか1種のハロゲンであ
り、X’はCl、Br、Iのいずれか1種のハロゲンで
あり、xは0.0001≦x≦0.1の範囲の数値であ
り、fは0<f<0.2の範囲の数値であり、hは0<
h<0.2の範囲の数値であり、bは0≦b≦0.1の
範囲の数値である。)また、本発明によれば、上記いず
れかの方法によって製造されるハロゲン化物蛍光体また
この蛍光体を蛍光層に含んだX線画像変換シートが提供
される。
【0013】本発明のユーロピウム賦活ハロゲン化物蛍
光体の製造方法においては、原料の混合は、各種ミキサ
ー、V型ブレンダー、ボールミル、ロッドミル等の通常
の混合機によって行われる。BaX2 および水溶性の賦
活剤を用いる場合には、湿式で混合した後に乾燥させて
使用してもよい、また、湿式混合の際、濾過等の手段に
より不純物の除去を行うことが望ましい。なお、賦活剤
原料が溶液として用いられる場合には、この賦活剤原料
溶液を含む調合物を予め乾燥し、その後上記混合を行っ
てもよい。
【0014】上記混合された蛍光体原料をアルミナ坩
堝、石英坩堝、石英ボート等の耐熱性容器に充填して焼
成炉内に入れて焼成を行う。焼成雰囲気としては、H
X’(但し、X’はCl、Br、Iのうちのいずれかで
ある)ガス雰囲気またはこのHX’ガスと不活性ガスも
しくは還元性ガスとの混合ガス雰囲気を用いる。還元雰
囲気としては窒素ガスあるいは不活性ガスに30容量%
以下の水素ガスを混合した雰囲気等が用いられる。また
不活性雰囲気としては、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス
雰囲気、ヘリウムガス雰囲気等が用いられる。焼成温度
は蛍光体原料の種類および組成等により異なるが、一般
に従来の製造方法と同じく500〜1100℃の範囲が
適当であり、好ましくは700〜950℃の範囲であ
る。焼成時間は蛍光体原料の種類・組成、蛍光体原料の
耐熱容器への充填量、焼成温度等によって異なるが、上
記焼成温度範囲においては一般に1〜12時間の焼成が
適当であり、好ましくは1〜2時間である。
【0015】粉砕および分級は、吸湿を防止するために
乾燥雰囲気中、中性ガス雰囲気中で行うことは望まし
い。
【0016】
【作用】本発明においては、原料を前記組成式(S
0)、(S1)、(S2)、(S3)、または(S4)
に対応する相対比となるように混合・調製し、得られた
混合物をハロゲン化水素の存在化で焼成することによ
り、それぞれ前記組成式(P0)、(P1)、(P
2)、(P3)、または(P4)で表されるユーロピウ
ム賦活ハロゲン化物蛍光体を生成させる。
【0017】ハロゲンXとハロゲンX’とが同種(X=
X’)である場合は、ハロゲン化水素HX中で焼成する
ことにより、ハロゲンXの濃度調整およびEuの拡散が
促進されて、蛍光体の感度が向上する。また、ハロゲン
XとハロゲンX’とが異種(X≠X’)である場合は、
異種のハロゲンが導入されることにより蛍光体の励起ス
ペクトルが変化するので、読み取り波長に適合したピー
クを持つ励起スペクトルとすることにより、実質的に感
度を向上させることができる。スペクトルの変化は、ハ
ロゲンの種類・濃度および焼成条件により制御できる。
【0018】輝尽性蛍光体を成形または塗布することに
よりX線写真撮影用のイメージングプレートとして使用
する場合、被写体が被曝するX線量はイメージングプレ
ートの読み出し波長における輝尽発光強度により決ま
り、輝尽励起スペクトルを読み出し波長に適する形に変
化させることにより、蛍光体の高感度化が可能である。
以下に、添付図面を参照し、実施例によって本発明を更
に詳細に説明する。
【0019】
【実施例】
〔実施例1〕本願第1発明に従ってユーロピウム賦活ハ
ロゲン化物蛍光体を製造した。BaBr2 :0.001
Euを調製し、石英ボートいれてチューブ炉内で焼成し
た。焼成は、ヘリウムガスを流速4リットル/分、HB
rガスを流速1リットル/分で流しながら、温度845
℃で5分間行った。
【0020】焼成後は同様の雰囲気中で室温まで徐冷し
た後、焼結物を取り出しメノウ乳鉢で粉砕して粉末状の
蛍光体を得た。図1に、得られた蛍光体粉末の輝尽励起
スペクトルを示す。同図中には、比較のため、ハロゲン
化水素ガス(この場合HBrガス)を用いない従来法に
より得られた蛍光体粉末についての輝尽励起スペクトル
も合わせて示す。
【0021】本発明の蛍光体は、従来の蛍光体に比べて
全波長範囲で輝尽発光強度が上昇しており、感度が向上
していることが分かる。 〔実施例2〕本願第1発明に従ってユーロピウム賦活ハ
ロゲン化物蛍光体を製造した。BaBr2 :0.001
Euを調製し、石英ボートいれてチューブ炉内で焼成し
た。焼成は、ヘリウムガスを流速4リットル/分、HC
lガスを流速1リットル/分で流しながら、温度845
℃で5分間行った。
【0022】焼成後は同様の雰囲気中で室温まで徐冷し
た後、焼結物を取り出しメノウ乳鉢で粉砕して粉末状の
蛍光体を得た。図1に、得られた蛍光体粉末の輝尽励起
スペクトルを示す。同図中には、比較のため、ハロゲン
化水素ガス(この場合HClガス)を用いない従来法に
より得られた蛍光体粉末についての輝尽励起スペクトル
も合わせて示す。
【0023】本発明の蛍光体は、励起スペクトルのピー
クが移動しており、読み取り波長とピークとを適合させ
ることにより、実質感度が向上することが分かる。 〔実施例3〕実施例1で作製した蛍光体粉末を10〜3
0μmに分級し、有機バインダーおよび有機溶媒と混合
し、ガラス板上に塗布した。乾燥後、塗布面上にガラス
の保護膜を接着してX線画像変換シートを作製した。得
られたX線画像変換シートは実施例1の蛍光体粉末に対
応した感度を示した。 〔実施例4〕本願第2〜第5発明に従ってユーロピウム
賦活ハロゲン化物蛍光体を製造した。
【0024】表1の左欄に示す原料を秤量し、ボールミ
ルにより粉砕・混合した。得られた蛍光体原料混合物を
石英ボートに入れてチューブ炉内で焼成を行った。焼成
は、ヘリウムガスを流速5リットル/分で流しながら、
これに20容量%のHBrガスを混合して行った。比較
のため、ハロゲン化水素(この場合HBrガス)を用い
ない従来の焼成も行った。焼成時間は5分間であった。
焼成後は同様の雰囲気中で室温まで徐冷した後、焼結物
を取り出しメノウ乳鉢で粉砕して粉末状の蛍光体を得
た。同表の右欄に、得られた蛍光体のPSL強度(輝尽
発光強度)を示す。
【0025】いずれの組成の場合も、本発明により製造
した蛍光体(A1、A2、A3)は、従来法によるもの(X 、
X1、X2、X3)に比べて感度が向上していることが分か
る。 〔表1〕 ─────────────────────────────── 組成(モル比) PSL強度(780 nm) ─────────────────────────────── BaBr2:0.001Eu X 100 ─────────────────────────────── Ba0.99Ca0.01Br2:0.001Eu X1 116 A1 140 ─────────────────────────────── Ba0.998Gd0.002Br2:0.001Eu X2 108 A2 133 ─────────────────────────────── Ba0.998Rb0.001Gd0.001Br2:0.001Eu X3 115 A3 135 ───────────────────────────────
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば感
度を著しく向上させたユーロピウム賦活ハロゲン化物蛍
光体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】HBrガスの存在下で焼成した本発明の蛍光体
の輝尽励起スペクトルを従来の蛍光体と比較して示すグ
ラフである。
【図2】HClガスの存在下で焼成した本発明の蛍光体
の輝尽励起スペクトルを従来の蛍光体と比較して示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 正巳 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 日高 総一郎 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体原料を混合して下記組成式(S
    0)で表される化学量論的相対比を有する混合物を形成
    し、この混合物をHX’(但し、X’はCl、Br、I
    のうちのいずれかである)ガス雰囲気中またはこのH
    X’ガスと不活性ガスもしくは還元性ガスとの混合ガス
    雰囲気中で500〜1100℃の温度で焼成することに
    より、下記組成式(P0)で表されるユーロピウム賦活
    ハロゲン化物蛍光体を生成させることを特徴とするハロ
    ゲン化物蛍光体の製造方法。 BaX2 :xEu ・・・・(S0) Ba(X1-b X’b ) 2 :xEu2+ ・・・(P0) (但し、XはF、Cl、Br、Iのいずれか1種のハロ
    ゲンであり、 X’はCl、Br、Iのいずれか1種のハロゲンであ
    り、 xは0.0001≦x≦0.1の範囲の数値である)b
    は0≦b<0.1の範囲の数値である。)
  2. 【請求項2】 蛍光体原料を混合して下記組成式(S
    1)で表される化学量論的相対比を有する混合物を形成
    し、この混合物をHX’(但し、X’はCl、Br、I
    のうちのいずれかである)ガス雰囲気中またはこのH
    X’ガスと不活性ガスもしくは還元性ガスとの混合ガス
    雰囲気中で500〜1100℃の温度で焼成することに
    より、下記組成式(P1)で表されるユーロピウム賦活
    ハロゲン化物蛍光体を生成させることを特徴とするハロ
    ゲン化物蛍光体の製造方法。 (Ba1-a a )X2 :xEu ・・・(S1) (Ba1-a a )(X1-b X’b ) 2 :xEu2+ ・・・(P1) (但し、MはBe、Mg、Ca、Srから選択される少
    なくとも1種のアルカリ土類金属であり、 XはF、Cl、Br、Iのいずれか1種のハロゲンであ
    り、 X’はCl、Br、Iのいずれか1種のハロゲンであ
    り、 xは0.0001≦x≦0.1の範囲の数値であり、 aは0<a≦1の範囲の数値であり、 bは0≦b<0.1の範囲の数値である。)
  3. 【請求項3】 蛍光体原料を混合して下記組成式(S
    2)で表される化学量論的相対比を有する混合物を形成
    し、この混合物をHX’(但し、X’はCl、Br、I
    のうちのいずれかである)ガス雰囲気中またはこのH
    X’ガスと不活性ガスもしくは還元性ガスとの混合ガス
    雰囲気中で500〜1100℃の温度で焼成することに
    より、下記組成式(P2)で表されるユーロピウム賦活
    ハロゲン化物蛍光体を生成させることを特徴とするハロ
    ゲン化物蛍光体の製造方法。 (Ba1-f/2 1 f )X2 :xEu ・・・(S2) (Ba1-f/2 1 f )(X1-b X’b ) 2 :xEu2+ ・・・(P2) (但し、M1 はLi、Na、K、Rb、Csから選択さ
    れる少なくとも1種のアルカリ金属であり、 XはF、Cl、Br、Iのいずれか1種のハロゲンであ
    り、 X’はCl、Br、Iのいずれか1種のハロゲンであ
    り、 xは0.0001≦x≦0.1の範囲の数値であり、 fは0<f<0.2の範囲の数値であり、 bは0≦b≦0.1の範囲の数値である。)
  4. 【請求項4】 蛍光体原料を混合して下記組成式(S
    3)で表される化学量論的相対比を有する混合物を形成
    し、この混合物をHX’(但し、X’はCl、Br、I
    のうちのいずれかである)ガス雰囲気中またはこのH
    X’ガスと不活性ガスもしくは還元性ガスとの混合ガス
    雰囲気中で500〜1100℃の温度で焼成することに
    より、下記組成式(P3)で表されるユーロピウム賦活
    ハロゲン化物蛍光体を生成させることを特徴とするハロ
    ゲン化物蛍光体の製造方法。 (Ba1-3h/23 h )X2 :xEu ・・・(S3) (Ba1-3h/23 h )(X1-b X’b ) 2 :xEu2+ ・・・(P3) (但し、M3 はSc、Y、Ce、Pr、Nd、Pm、G
    d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、A
    l、Ga、In、Tlから選択される少なくとも1種の
    3価金属であり、 XはF、Cl、Br、Iのいずれか1種のハロゲンであ
    り、 X’はCl、Br、Iのいずれか1種のハロゲンであ
    り、 xは0.0001≦x≦0.1の範囲の数値であり、 hは0<h<0.2の範囲の数値であり、 bは0≦b≦0.1の範囲の数値である。)
  5. 【請求項5】 蛍光体原料を混合して下記組成式(S
    4)で表される化学量論的相対比を有する混合物を形成
    し、この混合物をHX’(但し、X’はCl、Br、I
    のうちのいずれかである)ガス雰囲気中またはこのH
    X’ガスと不活性ガスもしくは還元性ガスとの混合ガス
    雰囲気中で500〜1100℃の温度で焼成することに
    より、下記組成式(P4)で表されるユーロピウム賦活
    ハロゲン化物蛍光体を生成させることを特徴とするハロ
    ゲン化物蛍光体の製造方法。 (Ba1-(f/2+3h/2)1 f 3 h )X2 :xEu ・・・(S4) (Ba1-(f/2+3h/2)1 f 3 h )(X1-b X’b ) 2 :xEu2+ ・・・(P4) (但し、M1 はLi、Na、K、Rb、Csから選択さ
    れる少なくとも1種のアルカリ金属であり、 M3 はSc、Y、Ce、Pr、Nd、Pm、Gd、T
    b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、G
    a、In、Tlから選択される少なくとも1種の3価金
    属であり、 XはF、Cl、Br、Iのいずれか1種のハロゲンであ
    り、 X’はCl、Br、Iのいずれか1種のハロゲンであ
    り、 xは0.0001≦x≦0.1の範囲の数値であり、 fは0<f<0.2の範囲の数値であり、 hは0<h<0.2の範囲の数値であり、 bは0≦b≦0.1の範囲の数値である。)
  6. 【請求項6】 前記焼成雰囲気として、圧縮したHX’
    ガス、またはX’のガスもしくは液体と水素ガスとを混
    合して調製したガスを用いることを特徴とする請求項1
    から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記混合物を酸化性雰囲気中で焼成した
    後に前記焼成を行うことを特徴とする請求項1から6ま
    でのいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から7までのいずれか1項記載
    の方法により製造されたことを特徴とするハロゲン化物
    蛍光体。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のハロゲン化物蛍光体を蛍
    光層内に含むことを特徴とするX線画像変換シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5492776A (en) * 1994-01-25 1996-02-20 Eastman Kodak Company Highly oriented metal fluoride thin film waveguide articles on a substrate
JP2001518687A (ja) * 1997-09-29 2001-10-16 コンセーイュ・デ・エコル・ポリテクニック・フェデラル・ド・ラ・コンフェデラスィヨン・エルヴェティック 放電ランプ

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US5492776A (en) * 1994-01-25 1996-02-20 Eastman Kodak Company Highly oriented metal fluoride thin film waveguide articles on a substrate
JP2001518687A (ja) * 1997-09-29 2001-10-16 コンセーイュ・デ・エコル・ポリテクニック・フェデラル・ド・ラ・コンフェデラスィヨン・エルヴェティック 放電ランプ

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