JPH05230236A - 耐熱樹脂微粒子含有ポリエステルフィルム - Google Patents

耐熱樹脂微粒子含有ポリエステルフィルム

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JPH05230236A
JPH05230236A JP3332592A JP3332592A JPH05230236A JP H05230236 A JPH05230236 A JP H05230236A JP 3332592 A JP3332592 A JP 3332592A JP 3332592 A JP3332592 A JP 3332592A JP H05230236 A JPH05230236 A JP H05230236A
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heat
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fine particles
polyester
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JP3332592A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nishizawa
広 西沢
Kenji Suzuki
健司 鈴木
Osamu Hirai
修 平井
Toshiaki Ishimaru
敏明 石丸
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0373Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement containing additives, e.g. fillers

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルムポリマーとの親和性、滑り性、耐摩
耗性及び耐久走行性に優れた耐熱樹脂微粒子含有ポリエ
ステルフィルムを提供する。 【構成】 一般式(I)、一般式(II)又は一般式(II
I)で表される繰り返し単位を有し、平均粒径が5μm
以下の耐熱樹脂微粒子を0.01〜5重量%含有するこ
とを特徴とする耐熱樹脂微粒子含有ポリエステルフィル
ム。 【化1】 (式中、R1、R3、R5、R6は2価の有機基を表し、R
2は4価の有機基を表し、R4は3価の有機基を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な耐熱樹脂微粒子含
有ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムにはフィルムの製
造工程及びその加工工程における作業性を向上させる目
的で種々の無機及び有機の微粒子を少量含有させてい
る。これによって、ポリエステルフィルムに滑り性、耐
摩耗性及び耐久走行性が付与される。従来、無機微粒子
としてはシリカ、炭酸カルシウム、アルミナ等の微粒子
が用いられているが、これらはポリエステルフィルムを
製造する過程で受ける300℃以上の熱履歴に対して十
分な耐熱性を有しているもののそれ自身が非常に硬いた
め高速走行時にフィルムに擦り傷が発生したり、摩耗粉
が生成する問題がある。また、無機微粒子はポリエステ
ルとの親和性に劣るので、ポリエステルフィルムを延伸
加工する過程などで無機微粒子とポリエステルとの界面
に空隙が生じ易く、これがフィルムの機械的性質などの
低下を生じる問題がある。一方、有機微粒子としてはア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂等の微粒子が検討されて
いるが、これらはポリエステルとの親和性はある程度改
善されるものの耐熱性が不十分である。また、無機微粒
子に比べて固さは著しく改善されるものの逆に柔らか過
ぎて滑り性、耐久走行性等が損なわれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、フィル
ムポリマーとの親和性に優れる耐熱樹脂微粒子を用いて
滑り性、耐摩耗性及び耐久走行性に優れた耐熱樹脂微粒
子含有ポリエステルフィルムを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式(I)、
一般式(II)又は一般式(III)で表される繰り返し単
位を有し、平均粒径が5μm以下の耐熱樹脂微粒子を
0.01〜5重量%含有することを特徴とする耐熱樹脂
微粒子含有ポリエステルフィルムに関する。
【化2】 (式中、R1、R3、R5、R6は2価の有機基を表し、R
2は4価の有機基を表し、R4は3価の有機基を表す)
【0005】本発明でいうポリエステルとしては、例え
ばテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸のよ
うな芳香族ジカルボン酸又はそのエステルと、エチレン
グリコールを主たる出発原料として得られるポリエステ
ルが用いられるが、必要に応じて他の酸及びグリコール
成分を併用することができる。他の酸成分としては、例
えばイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル
酸、p−オキシエトキシ安息香酸などが用いられる。他
のグリコール成分としては、例えばジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが用
いられる。また、本発明におけるポリエステルフィルム
としては、上記したポリエステルから得られる少なくと
も一軸配向されたポリエステルフィルムが用いられる。
フィルム化の方法としては、通常、常法によって、例え
ば270〜320℃で溶融押出しした後、適宜な冷却と
延伸を行う方法が好ましく用いられる。
【0006】本発明の耐熱樹脂微粒子含有ポリエステル
フィルムはポリエステルフィルム中に平均粒径5μm以
下の耐熱樹脂微粒子を0.01〜5重量%含有するもの
である。本発明における一般式(I)、一般式(II)又
は一般式(III)で表される繰り返し単位を有し、平均
粒径が5μm以下の耐熱樹脂微粒子としては、例えば以
下に示すものが用いられる。
【0007】まず、一般式(I)で表される繰り返し単
位を有する耐熱樹脂としては、通常、常法によりテトラ
カルボン酸二無水物とジアミン又はジイソシアナートを
反応させて得られるポリイミド樹脂が好ましく用いられ
る。
【0008】上記テトラカルボン酸二無水物としては、
例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二
無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン
酸二無水物、4,4′−スルホニルジフタル酸二無水
物、m−ターフェニル−3,3″,4,4″−テトラカ
ルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,3″,4,
4″−テトラカルボン酸二無水物、4,4′−オキシジ
フタル酸無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキ
シフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3
−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水
物、2,2−ビス〔4,(2,3−又は3,4−ジカル
ボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス
〔4−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)フェニル〕プロパン二無水物、1,3−ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン二無水物等の芳香族テトラカルボン
酸二無水物、これらの芳香族テトラカルボン酸二無水物
の水素還元体及び下記化合物等の脂環式テトラカルボン
酸二無水物などが用いられる。
【化3】 これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独でも2種類
以上を組み合わせても使用することができるが、より好
ましくは芳香族テトラカルボン酸二無水物が用いられ
る。
【0009】上記ジアミンとしては、例えば脂肪族系、
脂環族系、複素環族系、芳香族系、シリコン系等のジア
ミンが使用できる。なかでも、4,4′−ジアミノジフ
ェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−
メチレン−ビス−(2,6−ジメチルアニリン)、4,
4′−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリ
ン)、4,4′−メチレン−ビス−(2−メチル−6−
エチルアニリン)、4,4′−ジアミノジフェニルスル
ホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、4,
4′−ベンゾフェノンジアミン、3,3′−ベンゾフェ
ノンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレ
ンジアミン、4,4′−ジ(4−アミノフェノキシ)フ
ェニルスルホン、4,4′−ジ(3−アミノフェノキ
シ)フェニルスルホン、4,4′−ジ(4−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、3,3′−ジ(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、4,4′−ジ(3−アミノフェノキシ)
ベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミ
ノトルエン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、
4,4′−ジアミノフェニル、2,2−ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2
−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン等の芳香族ジアミン、及びこれら芳香族ジアミンの
水素還元体である脂環式ジアミンなどが用いられる。
【0010】耐熱性および溶媒溶解性を考慮すると、
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン、4,4′−ベンゾフェノンジ
アミン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、2,
2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プ
ロパン、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジメチ
ルアニリン)、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−
ジエチルアニリン)、4,4′−メチレン−ビス−(2
−メチル−6−エチルアニリン)などの芳香族ジアミン
が特に好ましい。
【0011】また、上記したジアミンの一部に3官能性
以上のポリアミンを使用することにより、架橋性ポリイ
ミド樹脂を得ることができる。このようなポリアミンと
しては例えば1,2,4−トリアミノベンゼン等の芳香
族トリアミン、1,2,4,5−テトラアミノベンゼ
ン、3,3′−ジアミノベンジジン等の芳香族テトラア
ミン、下記の一般式(IV)で表される芳香族ポリアミン
【化4】 (mは0〜10の整数)などが用いられる。上記ジイソ
シアネートとしては、例えば上記したジアミンをホスゲ
ン又は塩化チオニルと反応させて得られるジイソシアネ
ートが用いられる。またポリアミンを同様に処理して得
られるポリイソシアネート又はジイソシアネートを三量
化反応させて得られるイソシアヌレート環含有ポリイソ
シアネートも用いられる。
【0012】耐熱性、コスト面を考慮すると4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルエーテルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジ
フェニル−4,4′−ジイソシアネート、トリレンジイ
ソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、この芳香族
ジイソシアネートを縮合反応させて得られるカルボジイ
ミド基含有芳香族ジイソシアネート及びイソシアヌレー
ト環含有ポリイソシアネートなどが好ましく用いられ
る。
【0013】本発明における一般式(II)で表される繰
り返し単位を有する耐熱樹脂としては、通常、常法によ
りトリメリット酸の反応性酸誘導体とジアミン又はジイ
ソシアナートとを反応させて得られるポリアミドイミド
樹脂が好ましく用いられる。
【0014】トリメリット酸の反応性酸誘導体として
は、例えば、トリメリット酸無水物、トリメリット酸無
水物モノクロライド、1,4−ジカルボキシ−3−N,
N−ジメチルカルバモイルベンゼン、1,4−ジカルボ
キシ−3−カルボフェノキシベンゼン、1,4−ジカル
ボメトキシ−3−カルボキシベンゼン、トリメリット酸
とアンモニア、ジメチルアミン、トリエチルアミンなど
からなるアンモニウム塩類などが用いられる。特にトリ
メリット酸無水物、トリメリット酸無水物モノクロライ
ドが好ましい。
【0015】ジアミン及びジイソシアナートとしては、
上記したジアミン及びジイソシアナートが用いられる。
これらジアミン及びジイソシアナートの一部に上記した
3官能性以上のポリアミン又はポリイソシアナートを用
いることができる。
【0016】本発明における一般式(III)で表される
繰り返し単位を有する耐熱樹脂としては、通常、常法に
よりジカルボン酸とジアミン又はジイソシアナートある
いはジカルボン酸クロライドとジアミンとを反応させて
得られるポリアミド樹脂が好ましく用いられる。
【0017】ジカルボン酸としては、例えば、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、4,4′−ジフェニルエーテルジ
カルボン酸、4,4′−ジフェニルメタンジカルボン
酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,
4′−ジフェニルジカルボン酸、トリメリット酸無水物
等の三塩基酸無水物2モルと4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート等のジイソシアネート1モルとから
得られるジイミドジカルボン酸、トリメリット酸無水物
等の三塩基酸無水物1モルとε−カプロラクタム等のラ
クタム又はアミノカプロン酸等のアミノカルボン酸1モ
ルとから得られるモノイミドジカルボン酸などの芳香族
ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカンジ酸、トリデカンジ酸、テトラデ
カンジ酸、ダイマー酸、マロン酸、グルタール酸、ピメ
リン酸、分子量数千程度のジカルボン酸型テレキーリッ
クゴムなどの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフ
タル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカル
ボン酸などが用いられる。
【0018】また、上記したジカルボン酸の一部に3官
能性以上のポリカルボン酸を使用することにより、架橋
性ポリアミド樹脂を得ることができる。このようなポリ
カルボン酸としては、例えばトリメリット酸、トリメシ
ン酸、トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレー
トなどのトリカルボン酸が用いられる。
【0019】ジカルボン酸クロライドとしては、例えば
上記したジカルボン酸を塩化チオニル等と反応させて得
られるジカルボン酸クロライドが用いられる。同様に上
記したポリカルボン酸から得られるポリカルボン酸クロ
ライドが用いられる。
【0020】ジアミン及びジイソシアナートとしては、
例えば上記したジアミン及びジイソシアナートが用いら
れる。これらジアミン及びジイソシアナートの一部に上
記した3官能性以上のポリアミン又はポリイソシアナー
トを用いることができる。
【0021】本発明における一般式(I)、(II)及び
(III)の耐熱樹脂を得るための出発原料として、上記
したポリアミン、ポリイソシアナート、ポリカルボン酸
及びポリカルボン酸クロライドを用いる場合には、それ
ぞれの耐熱樹脂は一般式(I)、(II)及び(III)で
表される繰り返し単位と異なる繰り返し単位(分岐した
繰り返し単位あるいは三次元橋かけした繰り返し単位)
を含むことができる。
【0022】本発明において好ましく用いられる耐熱樹
脂は一般式(II)で表される繰り返し単位を有するポリ
アミドイミド樹脂である。この耐熱樹脂は耐摩耗性に優
れている。特にトリメリット酸無水物と4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアナート等の芳香族ジイソシアナ
ート及び必要に応じて用いる芳香族ジイソシアナート以
外の芳香族ポリイソシアナートとを反応させて得られる
ポリアミドイミド樹脂が、耐熱性、耐摩耗性及び価格の
バランスに優れる点で好ましく用いられる。
【0023】本発明における耐熱樹脂微粒子を得る方法
としては、例えば上記した耐熱樹脂の溶液から回収した
粉末を機械粉砕する方法、耐熱樹脂の溶液を貧溶媒に加
えながら高せん断下に微粒子化する方法、耐熱樹脂の溶
液の噴霧油滴を乾燥して微粒子を得る方法、細孔を通し
て形成した微粒子から回収する方法(膜乳化法)あるい
は、上記した一般式(I)、(II)及び(III)の耐熱
樹脂の出発原料を用いて非水分散重合法(特公昭60−
48531号公報、特開昭59−230018号公
報)、沈殿重合法(特開昭59−108030号公報、
特開昭60−221425号公報)、膜乳化法(特開平
2−95433号公報)で直接合成によって得る方法等
があり、任意の方法が用いられる。特に非水分散重合法
及び膜乳化法で得られる耐熱樹脂微粒子が好ましく用い
られる。非水分散重合法及び膜乳化法によれば、直鎖型
及び三次元橋かけした平均粒径5μm以下の耐熱樹脂微
粒子を簡略なプロセスで任意の粒径で得ることができ
る。さらに、ポリエステルと親和性のある分散剤を粒子
表面に形成でき、フィルムの機械的性質等の向上が図れ
る。また、膜乳化法によればシャープな粒度分布の微粒
子が得られる。
【0024】本発明においては、耐熱樹脂微粒子にフリ
ーのカルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、イソシア
ナート基又はイソシアナート基をモノアルコール、モノ
オキシム、ラクタム等で封鎖したウレタン基等を任意の
量含有させることができる。このような耐熱樹脂微粒子
はポリエステルとの親和性に優れる。このような活性官
能基含有耐熱樹脂微粒子は出発原料である上記した酸成
分とアミン又はイソシアナート成分の配合モル比を変え
ることによって任意に調製できる。
【0025】耐熱樹脂微粒子の平均粒径は5μm以下で
あり、好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.5μ
m以下とされる。5μmを越えるとフィルムの表面粗
度、特に最大突起が大きくなり過ぎる。
【0026】耐熱樹脂微粒子のポリエステルフィルムに
対する配合量は、0.01〜5重量%とされる。0.0
1重量%未満では滑り性等の効果が不十分であり、5重
量%を越えると金属蒸着層や磁性層に擦り傷をつけ易く
なる。0.1〜1重量%の範囲が好ましく用いられる。
【0027】耐熱樹脂微粒子をポリエステルフィルムに
含有させる方法としては、通常、常法により耐熱樹脂微
粒子を水又はエチレングリコールスラリーとしてポリエ
ステル製造の初期段階で反応系に添加する方法が好まし
く用いられるが、フィルム化前のポリエステルに直接溶
融ブレンドする方法を用いてもよく特に制限はない。
【0028】なお、ポリエステル製造には300℃以上
の高温を必要とするので、耐熱樹脂微粒子としては熱的
及び化学的に安定な前述の三次元橋かけした不溶、不融
のゲル粒子が好ましく用いられる。
【0029】また、本発明においては、必要に応じて平
均粒径5μm以下の無機の微粒子を併用できる。このよ
うな無機の微粒子としては、例えばシリカ(Si
2)、アルミナ(Al23)、チタニア(TiO2)、
酸化タンタル(Ta25)、ジルコニア(ZrO2)、
窒化硅素(Si34)、チタン酸バリウム(BaO・T
iO2)、炭酸バリウム(BaCO3)、炭酸カルシウム
(CaCO3)、チタン酸鉛(PbO・TiO2)、チタ
ン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ラン
タン鉛(PLZT)、酸化ガリウム(Ga23)、スピ
ネル(MgO・Al23)、ムライト(3Al23・2
SiO2)、コーディエライト(2MgO・2Al23
・5SiO2)、タルク(3MgO・4SiO2・H
2O)、チタン酸アルミニウム(TiO2−Al23)、
イットリア含有ジルコニア(Y23−ZrO2)、硅酸
バリウム(BaO・8SiO2)等の絶縁性無機微粒
子、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタ
ンブラック(TiO2)、酸化錫(SnO2)、アンチモ
ン含有酸化錫(SbIII−SnO2)、錫含有酸化インジ
ウム(SnIV−In23)等の導電性無機微粒子が用い
られる。
【0030】本発明における耐熱樹脂微粒子含有ポリエ
ステルフィルムはビデオテープ用及びオーディオ用のベ
ースフィルムとして特に有用なものである。また、本発
明のフィルムに金属蒸着を施した積層体は例えば包装
用、ラベル用、ホイル用、装飾用、金銀系用、コンデン
サー用、エレクトロルミネッセンス用、プリント基板用
等に用いることができる。
【0031】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
【実施例】
実施例1 (A)耐熱樹脂微粒子の調製 (1)分散安定剤の合成 温度計、かきまぜ機、球管冷却器を付けた四つ口フラス
コに、ISOPAR−H(エッソスタンダード石油社製
脂肪族炭化水素、商品名)152g、ラウリルメタクリ
レート74.5g、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル10.2gを入れ、120℃に昇温した。窒素ガスを
通しながら、あらかじめ調製したラウリルメタクリレー
ト74.5g、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル4
0.8g、過酸化ベンゾイルベースト(過酸化ベンゾイ
ルの含分50重量%)2gの混合物をかくはんしながら
2時間かけて滴下した。引き続き120℃でISOPA
R−H100gを1時間かけて滴下し、140℃に昇温
し、同温度で4時間反応させた。この分散安定剤溶液は
170℃で2時間乾燥した時の不揮発分が51重量%で
あり、分散安定剤の数平均分子量(分子量既知のポリス
チレンを検量線とするゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィ法によって求めた。以下同じ)は45000であ
った。
【0033】(2)ポリアミドイミド樹脂微粒子の調製 4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート35.1
g、MR−100(日本ポリウレタン社製、芳香族ポリ
イソシアナート)16.3g、上記(1)で得た分散安
定剤溶液(不揮発分が51重量%)15g、ISOPA
R−H150g、N−メチル−2−ピロリドン90gを
混合した溶液にトリメリット酸無水物38.5gを添加
し、100℃に昇温した後、ホモミキサーを使用して高
速かく拌下に1時間反応を進めた。その後、上記(1)
と同様の装置に移し、120℃で1時間、140℃で1
時間、更に170℃に昇温して4時間反応を進めた。速
続相のISOPAR−H中に分散した褐色のポリアミド
イミド樹脂の微粒子を得たので、これを濾過によって回
収し、更に水及びメタノールで煮沸後濾別したものを減
圧下、60℃で5時間乾燥させた。このポリアミドイミ
ド樹脂微粒子の赤外吸収スペクトルには、1780cm
-1にイミド結合、1650cm-1と1540cm-1にア
ミド結合の吸収が認められた。このポリアミドイミド樹
脂微粒子の平均粒径は0.5μmであった。
【0034】(B)耐熱樹脂微粒子含有ポリエステルフ
ィルムの調製 ジメチルテレフタレート100g、エチレングリコール
60g、酢酸マグネシウムの四水塩0.10gを混合、
加熱して230℃に昇温した。途中生成するメタノール
はすみやかに系外に留去した。230℃まで昇温するの
に5時間を要し、230℃に到達した時点で実質的にエ
ステル交換反応を終了した。次いでトリメチルホスフィ
ート0.05gを添加した後、上記(A)、(2)で得
た平均粒径0.5μmのポリアミドイミド樹脂微粒子
0.45gをエチレングリコール1.5gに分散させた
スラリーを添加し、さらに三酸化アンチモン0.05g
を加えて5時間反応させて耐熱樹脂微粒子含有ポリエチ
レンテレフタレートのポリマーを得た。
【0035】このポリマーを窒素雰囲気下、180℃で
5時間加熱乾燥後、押出機により280〜300℃で溶
融押出しし、次いで冷却しながら厚さ200μmのシー
ト状物を作成した。これを85〜90℃で縦方向に3.
6倍、さらに横方向に4.0倍延伸した後、220℃で
5秒間熱処理を行って厚さ16μmの二軸延伸された耐
熱樹脂微粒子含有ポリエチレンテレフタレートフィルム
を得た。
【0036】このフィルムについて、細幅にスリットし
たフィルムを金属性ドラムにこすりつけて高速、長時間
走行させてフィルムの滑り性と耐摩耗性を評価した。そ
の結果、擦り傷はまったくなく良好な滑り性を示すとと
もに、金属性ドラムに付着して汚れを発生することがな
く良好な耐摩耗性を示した。また、フィルムの断面を走
査型電子顕微鏡で観察したところ、ポリアミドイミド樹
脂微粒子とマトリックスのポリエステルとの界面に空隙
は少なく、ポリアミドイミド樹脂微粒子の良好な親和性
が示された。
【0037】実施例2 (A)耐熱樹脂微粒子の調製 トリメリット酸無水物38.5gを1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)プロパン二無水物89gに、N−メ
チル−2−ピロリドンを90gから140gに代えた以
外は実施例1、(A)、(2)と全く同様に操作してポ
リイミド樹脂微粒子を得た。このポリイミド樹脂微粒子
の平均粒径は0.6μmであった。
【0038】(B)耐熱樹脂微粒子含有ポリエステルフ
ィルムの調製 平均粒径0.5μmのポリアミドイミド樹脂微粒子0.
45gを上記(A)の平均粒径0.6μmのポリイミド
樹脂微粒子0.45gに代えた以外は実施例1、(B)
と全く同様に操作して厚さ16μmの二軸延伸された耐
熱樹脂微粒子含有ポリエステルフィルムを得た。
【0039】このフィルムについて、実施例1、(B)
に記載した方法で滑り性と耐摩耗性を評価した。その結
果、擦り傷はまったくなく良好な滑り性を示すととも
に、金属性ドラムに付着して汚れを発生することがなく
良好な耐摩耗性を示した。また、フィルムの断面を走査
型電子顕微鏡で観察したところ、ポリイミド樹脂微粒子
とマトリックスのポリエステルとの界面に空隙は少な
く、ポリイミド樹脂微粒子の良好な親和性が示された。
【0040】
【発明の効果】本発明の耐熱樹微粒子含有ポリエステル
フィルムは、用いる耐熱樹脂微粒子がフィルムポリマー
との良好な親和性を有することを特長としている。本発
明の耐熱樹脂微粒子は適度な硬さをもち、その粒子の大
きさが5μm以下と非常に小さいため、フィルム表面の
凹凸が微細であり、良好な滑り性、耐摩耗性及び耐久走
行性を示す。また、滑剤となる耐熱樹脂微粒子は金属元
素を含まないので電気的な阻害要素が発生しにくく、高
級グレードの磁気記録媒体用及び電気用途ポリエステル
フィルムとして有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石丸 敏明 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)、一般式(II)又は一般式
    (III)で表される繰り返し単位を有し、平均粒径が5
    μm以下の耐熱樹脂微粒子を0.01〜5重量%含有す
    ることを特徴とする耐熱樹脂微粒子含有ポリエステルフ
    ィルム。 【化1】 (式中、R1、R3、R5及びR6は2価の有機基を表し、
    2は4価の有機基を表し、R4は3価の有機基を表す)
  2. 【請求項2】 一般式(I)で表される繰り返し単位を
    有する耐熱樹脂がテトラカルボン酸二無水物とジアミン
    又はジイソシアナートを反応させて得られるポリイミド
    樹脂である請求項1記載の耐熱樹脂微粒子含有ポリエス
    テルフィルム。
  3. 【請求項3】 一般式(II)で表される繰り返し単位を
    有する耐熱樹脂がトリメリット酸無水物と芳香族ジイソ
    シアナート及び必要に応じて用いる芳香族ジイソシアナ
    ート以外の芳香族ポリイソシアナートとを反応させるこ
    とにより得られるポリアミドイミド樹脂である請求項1
    又は2記載の耐熱樹脂微粒子含有ポリエステルフィル
    ム。
  4. 【請求項4】 耐熱樹脂微粒子が非水分散重合法及び膜
    乳化法で得られるものである請求項1、2又は3記載の
    耐熱樹脂微粒子含有ポリエステルフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20220064771A (ko) * 2020-11-12 2022-05-19 한국화학연구원 저유전성 폴리이미드 수지 및 그 제조방법

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