JPH05230095A - 治療薬としての新規5−アミノ−4−ヒドロキシヘキサン酸誘導体 - Google Patents

治療薬としての新規5−アミノ−4−ヒドロキシヘキサン酸誘導体

Info

Publication number
JPH05230095A
JPH05230095A JP4238424A JP23842492A JPH05230095A JP H05230095 A JPH05230095 A JP H05230095A JP 4238424 A JP4238424 A JP 4238424A JP 23842492 A JP23842492 A JP 23842492A JP H05230095 A JPH05230095 A JP H05230095A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phe
val
ylamide
boc
morpholin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4238424A
Other languages
English (en)
Inventor
Marc Lang
ラン マルク
Guido Bold
ボルト ギドー
Alexander Faessler
フェスラー アレクサンダー
Peter Dr Schneider
シュナイダー ペーター
Peter Van Hoogevest
ファン ホーゲフェスト ペーター
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Novartis AG
Original Assignee
Ciba Geigy AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ciba Geigy AG filed Critical Ciba Geigy AG
Publication of JPH05230095A publication Critical patent/JPH05230095A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/02Linear peptides containing at least one abnormal peptide link
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • A61P31/14Antivirals for RNA viruses
    • A61P31/18Antivirals for RNA viruses for HIV
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K5/00Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K5/02Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof containing at least one abnormal peptide link
    • C07K5/0207Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof containing at least one abnormal peptide link containing the structure -NH-(X)4-C(=0), e.g. 'isosters', replacing two amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • AIDS & HIV (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式: 具体的には、例えば Boc-Cha〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-Phe−モルホリン
−4−イルアミド (式中、Boc:tert−ブトキシカルボニル、-Cha-:シク
ロヘキシルアラニル、Phe:フェニルアラニン、Val:バ
リンを示す)および塩形成性基が存在するならばそれら
の化合物の塩。 【効果】 これらの化合物は、HIV-1プロテアーゼ阻害
剤としてエイズ(AIDS)の治療に利用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アスパラギン酸プロテ
アーゼにより開裂され得るペプチドの新規非加水分解性
類似体、即ち、5−アミノ−4−ヒドロキシヘキサン酸
誘導体、その製造方法、それらのペプチド類似体を含む
医薬組成物、およびレトロウイルスにより引き起こされ
る病気と闘う医薬組成物の医薬品としての利用または該
医薬組成物の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日の知見によれば、AIDSはレトロウイ
ルス HIV(ヒト免疫不全ウイルス)により引き起こされ
る免疫系の病気である。WHOの見積りによれば、約10
00万人がこの病気にかかっており、更に広がり続けてい
る。この病気はほとんど患者の致死をもたらす。
【0003】レトロウイルス HIV-1およびHIV-2 (HIV
はヒト免疫不全ウイルスを意味する)を病因であると同
定し、そしてそれらを分子生物学によって特徴付けるこ
とは現在までに可能になった。AIDSの症状を軽減する可
能性と或る種の予防の可能性の他に、治療の見地から、
患者の無傷の細胞や組織を傷つけることなくウイルス自
体の増殖を減らす組成物の探索に特に興味がもたれてい
る。特に着目されているものは、感染性ウイルス粒子の
構築を防止することによりウイルスの増殖を阻止する化
合物である。
【0004】HIV-1 とHIV-2 は各々それらのゲノムの中
に「 gag−プロテアーゼ」をコードする領域を含む。こ
の「 gag−プロテアーゼ」は、「群特異性抗原」(gag)
をコードするゲノムの領域から作られる前駆体タンパク
質の適切なタンパク質分解的開裂を担っている。その開
裂の間に、ウイルスコアの構造タンパク質が遊離され
る。この「 gag−プロテアーゼ」自体はHIV-1 およびHI
V-2 の pol−ゲノム領域によりコードされそして「逆転
写酵素」と「インテグラーゼ」の領域を更に含む前駆体
タンパク質の構成要素であり、そしておそらく自己タン
パク質分解によって開裂される。
【0005】この「 gag−プロテアーゼ」はHIV-1 およ
びHIV-2 の主要コアタンパク質p24を、卓越的にはプロ
リン残基のN末端側で、例えば二価残基Phe-Pro, Leu-P
roまたはTyr-Pro において開裂せしめる。該プロテアー
ゼは活性中心の中に触媒的に活性なアスパラギン酸残基
を有するプロテアーゼ、いわゆるアスパラギン酸プロテ
アーゼである。
【0006】上述のコアタンパク質のプロセシングにお
ける「 gag−プロテアーゼ」の中心的役割のため、生体
内での該酵素の効果的阻害が成熟ウイルス粒子の構築を
防止し、その結果適当な阻害剤を治療に利用できるであ
ろうことが推測される。生体内での治療活性の必要条件
は、優れた生体適合性、例えば感染細胞において十分に
高濃度を達成できるための高い血中レベルの獲得であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】タンパク質分解的に開
裂可能なペプチド等配電子体でない中心基を含んで成る
多数の「 gag−プロテアーゼ」阻害剤が既に合成されて
いる。しかしながら、徹底的な研究にもかかわらず、感
染患者の大部分においてヒトへの投与に適当であるアス
パラギン酸プロテアーゼ阻害剤をAIDSと闘うために利用
することは現在まで可能でなかった。特に、この点にお
いて薬力学的問題が主たる決定的要因である。本発明の
目的は、利用可能な新規HIV-1 アスパラギン酸プロテア
ーゼ阻害剤を作ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る化合物は、
式Iの化合物:
【化13】
【0009】〔上式中、R1 は水素;低級アルコキシカ
ルボニル;複素環カルボニル;非置換であるかまたはフ
ッ素、ハロ−低級アルキル、低級アルカノイル、スル
ホ、低級アルキルスルホニルおよびシアノから成る群か
ら選択された同一もしくは異なる3個以下の基により置
換されたベンジルオキシカルボニル;複素環が炭素原子
経由で結合している複素環オキシカルボニル;結合カル
ボニル基がチオカルボニル基により置き換えられている
上記カルボニル基の1つ;複素環スルホニル;低級アル
キルスルホニルまたはN−(複素環−低級アルキル)−
N−低級アルキルアミノカルボニルであり、
【0010】B1 は結合またはα−アミノ酸の二価の基
であって、前記基はN末端側がR1に結合しそしてC末
端側がR2 −CH2 を担持している炭素原子のところの
アミノ基に結合し、R2 およびR3 は各々互いに独立的
に、フェニルまたはシクロヘキシル基であって、それら
の基は非置換であるかまたはヒドロキシ、低級アルコキ
シ、ハロゲン、ハロ−低級アルキル、スルホ、低級アル
キルスルホニル、シアノおよびニトロから成る群から選
択された同一もしくは異なる1〜3個の基により置換さ
れており、
【0011】A1 は-C=OとA2 との間の結合であるかま
たはα−アミノ酸の二価の基であり、前記基はN末端側
が基-C=Oに結合しそしてC末端側がA2 に結合し、A2
はα−アミノ酸の二価の基であり、前記基はN末端側が
1 に結合しそしてC末端側が基NR4 5 に結合し、
またはA1 とA2 が一緒になって、中心のアミド結合が
還元されておりそしてN末端側が基-C=Oに結合しそして
C末端側が基NR4 5 に結合しているジペプチドの二
価の基を形成し、
【0012】そしてR4 とR5 は結合窒素原子と一緒に
なって、非置換のまたは置換されたチオモルホリノまた
はモルホリノである〕もしくは塩形成性基が存在する場
合には該化合物の塩、または該化合物のヒドロキシ保護
誘導体もしくはその塩である。
【0013】本発明の明細書中、基、例えば低級アルキ
ル、低級アルコキシカルボニル等の基の定義において使
用する「低級」なる用語は、表現上異なる定義がない限
り、7個以下、好ましくは4個以下の炭素原子を含む基
を意味する。
【0014】置換基R1 ,B1 ,R2 ,R3 ,A1 およ
び/またはA2 中、並びに結合窒素原子と一緒にR4
5 により形成される置換チオモルホリノまたはモルホ
リノ中に存在し得る不斉原子は、(R)−,(S)−ま
たは(R,S)−配置であることができる。従って、本
発明の化合物は、異性体混合物の形、純粋な異性体の
形、特にジアステレオマー混合物の形、対掌体のペアま
たは純粋な対掌体の形であることができる。
【0015】本発明の明細書中に使われる一般用語と一
般名は好ましくは下記の意味であるが、様々な定義のレ
ベルにおいて、一般定義の代わりに上記および下記に指
摘される基の任意の組合せまたは任意の個々の基を用い
ることが可能である。
【0016】低級アルコキシカルボニルR1 は、好まし
くは枝分かれ低級アルキル基、特にsec-またはtert- 低
級アルキル基を含み、例えばブトキシカルボニル、例え
ばtert−ブトキシカルボニルまたはイソブトキシカルボ
ニルである。tert−ブトキシカルボニルが特に好まし
い。
【0017】複素環カルボニルR1 は、特に、S,Oお
よびNから選択された同一もしくは異なる1〜3個のヘ
テロ原子を含み、不飽和であるかまたは完全にもしくは
部分的に飽和されており、そしてモノ−〜トリ−ベンゾ
縮合またはシクロペンタ−、シクロヘキサ−もしくはシ
クロヘプタ−縮合である5−もしくは6−員の複素環を
含み、ここで前記縮合環はヘテロ原子として更に窒素原
子を含むこともでき、例えばピロリル、フラニル、チエ
ニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チア
ゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、インド
リル、キノリル、イソキノリル、キノオキサリニル、β
−カルボリニルおよびそれらの基のベンゾ縮合またはシ
クロペンタ−、シクロヘキサ−もしくはシクロヘプタ−
縮合誘導体(これらは完全にもしくは部分的に飽和され
ていてもよく、好ましくは部分的に飽和されている)か
ら成る群から選択された複素環基を含み、あるいは、ピ
リジルカルボニル、例えばピリジル−3−カルボニル、
モルホリニルカルボニル、例えばモルホリノカルボニ
ル、およびベンゾフラノイル、例えば3−ベンゾフラノ
イル、またはそれらとは別にもしくはそれらに加えて、
テトラヒドロイソキノリルカルボニル、例えばテトラヒ
ドロイソキノリル−3−カルボニル、好ましくはテトラ
ヒドロイソキノリル−3(S)−カルボニルから選択さ
れる。
【0018】ベンジルオキシカルボニルR1 は、非置換
であるかまたはフッ素、ハロ−低級アルキル、例えはト
リフルオロメチルもしくはペンタフルオロエチル、低級
アルカノイル、例えばアセチル、プロパノイル、ブチリ
ルもしくはピバロイル、スルホ、低級アルキルスルホニ
ル、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、n−
プロピルスルホニルもしくはイソプロピルスルホニル、
およびシアノから成る群から選択された同一もしくは異
なる3個以下の基により置換されている。好ましいの
は、非置換であるかまたはフェニル環においてフッ素、
トリフルオロメチル、スルホ、メチルスルホニル、エチ
ルスルホニルおよびシアノから成る群から選択された基
により、o−,m−もしくはp−置換、特にp−置換さ
れたベンジルオキシカルボニルであり、例えばベンジル
オキシカルボニル、フルオロフェニルメトキシカルボニ
ル、例えばp−フルオロフェニルメトキシカルボニル、
トリフルオロメチルフェニルメトキシカルボニル、例え
ばp−トリフルオロメチルフェニルメトキシカルボニ
ル、メチルスルホニルフェニルメトキシカルボニル、例
えばp−メチルスルホニルフェニルメトキシカルボニ
ル、またはシアノフェニルメトキシカルボニル、例えば
p−シアノフェニルメトキシカルボニルである。
【0019】複素環オキシカルボニルR1 は、複素環と
して、特にS,OおよびNから選択された同一もしくは
異なる1〜3個のヘテロ原子を含み、不飽和であるかま
たは完全にもしくは部分的に飽和されており、そしてモ
ノ−〜トリ−ベンゾ縮合またはシクロペンタ−、シクロ
ヘキサ−もしくはシクロヘプタ−縮合している5もしく
は6員の複素環を含み、ここで前記縮合環はヘテロ原子
として更に窒素原子を含むこともでき、例えばピロリ
ル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリ
ル、チアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、インドリ
ル、キノリル、イソキノリル、キノオキサリニル、β−
カルボリニルおよびそれらの基のベンゾ縮合またはシク
ロペンタ−、シクロヘキサ−もしくはシクロヘプタ−縮
合誘導体(これらは完全にもしくは部分的に飽和されて
いてもよい)から成る群から選択された複素環基を含
み、前記複素環基は環炭素原子を経由して結合オキシカ
ルボニル基の酸素に結合しており、そして好ましくはピ
ロリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサ
ゾリル、チアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、イン
ドリル、キノリル、イソキノリル、キノオキサリニル、
β−カルボリニルおよびそれらの基の完全または部分飽
和誘導体、例えばそれらの基の部分飽和誘導体から成る
群から選択され、あるいはインドール−3−イルオキシ
カルボニル、ベンゾチアゾール−6−イルオキシカルボ
ニルまたはキノール−8−イルオキシカルボニルであ
る。R1 の定義のごく特に好ましい変形によれば、複素
環オキシカルボニルの置換基として定義された基は、ど
の定義のレベルにおいても含まれない。
【0020】上述の基において、結合カルボニル基がチ
オカルボニル基により置き換えられていてもよい。カル
ボニル基の方が好ましい。低級アルキルスルホニルR1
は、好ましくは、メチルスルホニル、エチルスルホニ
ル、n−プロピルスルホニルまたはイソプロピルスルホ
ニルである。R1 が低級アルキルスルホニルでありそし
てその他の基が定義された通りである式Iの化合物は、
式Iの化合物の定義から省かれることがあり、またはそ
れらが特に好ましい。
【0021】複素環スルホニルR1 は、複素環として、
好ましくは複素環カルボニルR1 のもとで言及された複
素環のうちの1つ、例えば非置換であるかまたは低級ア
ルキルにより、例えばメチルもしくはエチルにより置換
された複素環を含み、ここで複素環はスルホニル基の硫
黄に結合している少なくとも1つの窒素原子を含むもの
が好ましく、そして特にピペリジノスルホニル、非置換
であるかまたはスルホニル−硫黄に結合していない窒素
原子のところで低級アルキルにより、例えばメチルによ
り置換されたピペラジン−1−イルスルホニル、ピロリ
ジン−1−イルスルホニル、イミダゾリジン−1−イル
スルホニル、ピリミジン−1−イルスルホニル、キノリ
ン−1−イルスルホニル、モルホリノスルホニルまたは
チオモルホリノスルホニルであり、特にチオモルホリノ
スルホニルまたはモルホリノスルホニルである。R1
複素環スルホニルでありそしてその他の基が定義された
通りである式Iの化合物は、式Iの化合物の定義から省
かれることがあり、またはそれらが特に好ましい。
【0022】N−(複素環−低級アルキル)−N−低級
アルキルアミノカルボニルR1 は、複素環として複素環
カルボニルR1 のもとで言及された複素環のうちの1
つ、特にピリジル、例えば2−,3−もしくは4−ピリ
ジル、ピラジニル、ピリミジニル、モルホリニル、例え
ばモルホリノ、チオモルホリニル、例えばチオモルホリ
ノ、またはキノリル、例えば2−もしくは3−キノリル
を含み、そして特に、N−(複素環−メチル)−N−メ
チルアミノカルボニル、例えばN−(ピリジルメチル)
−N−メチルアミノカルボニル、例えばN−(2−ピリ
ジルメチル)−N−メチルアミノカルボニルである。
【0023】R1 がN−(複素環−低級アルキル)−N
−低級アルキルアミノカルボニルでありそしてその他の
基が定義された通りである式Iの化合物は、式Iの化合
物の定義から省かれることがあり、またはそれらが特に
好ましい。
【0024】α−アミノ酸の二価の基B1 であってN末
端側がR1 に結合しそしてC末端側がR2 −CH2 を担
持している炭素原子のところのアミノ基に結合している
二価の基B1 は、好ましくは、グリシン(H-Gly-OH)、
アラニン(H-Ala-OH)、バリン(H-Val-OH)、ノルバリ
ン(α−アミノ吉草酸)、ロイシン(H-Leu-OH)、イソ
ロイシン(H-Ile-OH)、ノルロイシン(α−アミノヘキ
サン酸、H-Nle-OH)、セリン(H-Ser-OH)、ホモセリン
(α−アミノ−γ−ヒドロキシ酪酸)、スレオニン(H-
Thr-OH)、メチオニン(H-Met-OH)、システイン(H-Cy
s-OH)、プロリン(H-Pro-OH)、トランス−3−および
トランス−4−ヒドロキシプロリン、フェニルアラニン
(H-Phe-OH)、p−フルオロフェニルアラニン(H-(p-F
-Phe)-OH)、チロシン(H-Tyr-OH)、p−メトキシフェ
ニルアラニン(H-(p-CH3O-Phe)-OH )、4−アミノフェ
ニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、4−カル
ボキシフェニルアラニン、β−フェニルセリン(β−ヒ
ドロキシフェニルアラニン)、フェニルグリシン、α−
ナフチルアラニン(H-Nal-OH)、シクロヘキシルアラニ
ン(H-Cha-OH)、シクロヘキシルグリシン、トリプトフ
ァン(H-Trp-OH)、インドリン−2−カルボン酸、1,
2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン
酸、アミノマロン酸、アミノマロン酸モノアミド、アス
パラギン酸(H-Asp-OH)、アスパラギン(H-Asn-OH)、
グルタミン酸(H-Glu-OH)、グルタミン(H-Gln-OH)、
ヒスチジン(H-His-OH)、アルギニン(H-Arg-OH)、リ
ジン(H-Lys-OH)、δ−ヒドロキシリジン、オルニチン
(α,δ−ジアミノ吉草酸)、α,γ−ジアミノ酪酸お
よびα,β−ジアミノプロピオン酸、またはそれとは別
にもしくはそれらに加えて、4−シアノフェニルアラニ
ン(H-(p-CN-Phe)-OH )から選択され、そして特に好ま
しくは疎水性アミノ酸、例えばプロリン、フェニルアラ
ニン、p−フルオロフェニルアラニン、p−メトキシフ
ェニルアラニン、チロシン、フェニルグリシン、α−ナ
フチルアラニン、シクロヘキシルアラニン、シクロヘキ
シルグリシン残基、またはグリシン、バリン、ノルバリ
ン、アラニン、ロイシン、ノルロイシンおよびイソロイ
シンから選択された脂肪族α−アミノ酸、特にバリン残
基であり、言及したα−アミノ酸(グリシン以外)は各
々、D−,L−または(D,L)−形であり、好ましく
はL−形であり、そして特に低級アルキルコキシカルボ
ニル、例えばtert−ブトキシカルボニル、または複素環
カルボニル、例えばモルホリノカルボニルから選択され
た基R1 と結合している。
【0025】B1 が結合である時、R1 は式I中のR2
−CH2 −基を担持している炭素原子により結合してい
るアミノ−窒素に直結している。フェニルまたはシクロ
ヘキシルR2 またはR3 は、非置換であるかまたはヒド
ロキシ、低級アルコキシ、例えばメトキシもしくはエト
キシ、ハロゲン、例えばフッ素、ハロ−低級アルキル、
例えばトリフルオロメチル、スルホ、低級アルキルスル
ホニル、例えばメチル−もしくはエチル−スルホニル、
シアノおよびニトロから成る群から選択された同一もし
くは異なる1〜3個の基により、好ましくはヒドロキ
シ、メトキシ、フッ素、トリフルオロメチル、スルホ、
低級アルキルスルホニル、例えばメチル−もしくはエチ
ル−スルホニル、およびシアノから成る群から選択され
た1個もしくは2個の基により、置換されており;フェ
ニルの場合には、非常に好ましくはフッ素またはシアノ
から選ばれた基により;シクロヘキシルの場合には、非
常に好ましくはフッ素、トリフルオロメチル、スルホま
たは低級アルキルスルホニルにより、特にフッ素によ
り、置換されている。ここで上述の置換基は、フェニル
環またはシクロヘキシル環の2−,3−または4−位に
おいて、特に4位において結合しており、フェニル、シ
クロヘキシル、4−フルオロフェニルもしくは4−シア
ノフェニルまたは4−フルオロシクロヘキシルとして、
特にフェニル、シクロヘキシル、4−シアノフェニルま
たは4−フルオロフェニルとして結合している。
【0026】特に好ましいのは、基R2 とR3 のうちの
少なくとも一方がハロゲン、特にフッ素、ハロ−低級ア
ルキル、特にトリフルオロメチル、スルホ、低級アルキ
ルスルホニル、特にメチル−もしくはエチル−スルホニ
ル、シアノおよびニトロから成る群から選択された1〜
3個の基により置換されているR2 とR3 の組合せであ
る。フッ素またはシアノから選ばれた置換基が非常に好
ましい。
【0027】更により一層好ましいのは、フェニル、4
−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−フ
ルオロフェニル、シクロヘキシルまたは4−トリフルオ
ロメチルフェニルから選択されたR2 であり、一方R3
はフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフ
ェニル、シクロヘキシル、4−フルオロフェニル、4−
トリフルオロメチルフェニルまたは4−シアノフェニル
から選択される。R2 は特に、フェニル、4−フルオロ
フェニルまたはシクロヘキシルから選択され、一方R3
はフェニル、シクロヘキシル、4−フルオロフェニルま
たは4−シアノフェニルから選択される。
【0028】最も好ましいのは次の組合せである:R2
がフェニルでR3 がフェニル;R2がシクロヘキシルで
3 が4−シアノフェニル;R2 がシクロヘキシルでR
3 が4−フルオロフェニル;およびR2 とR3 が各々シ
クロヘキシル。それらとは別にまたはそれらに加えて、
次の組合せ:R2 がフェニルでR3 が4−フルオロフェ
ニル;R2 がフェニルでR3 が4−シアノフェニル;R
2 が4−フルオロフェニルでR3 が4−フルオロフェニ
ル;R2 が4−フルオロフェニルでR3 が4−トリフル
オロメチルフェニル;R2 が4−トリフルオロメチルフ
ェニルでR3 がフェニル;R2 が4−トリフルオロメチ
ルフェニルでR3 が4−フルオロフェニル;R2 が4−
トリフルオロメチルフェニルでR3 が4−トリフルオロ
メチルフェニル;R2 がヒドロキシフェニルでR3 がフ
ェニル;R2 がフェニルでR3 がヒドロキシフェニル;
またはR2 がヒドロキシフェニルでR3 がヒドロキシフ
ェニル、もまた最も好ましい。
【0029】ヒドロキシ基、特に式Iの化合物中のR2
−CH2 −基を担持している炭素原子と隣位である炭素
原子のところのヒドロキシ基は、遊離であっても保護さ
れた形態であってもよく、適当なヒドロキシ保護基は、
式Iの化合物の調製方法の記載において後述される基で
あり、特に遊離であるかまたは生理学的に開裂可能なエ
ステルの形、例えば低級アルカノイルオキシ、例えばア
セトキシの形で保護された基である。
【0030】α−アミノ酸の二価の基A1 であって、N
末端側が基-C=Oに結合しておりそしてC末端側がA2
結合している基A1 は、例えば、B1 について上記に挙
げたα−アミノ酸の1つであり、それらのアミノ酸は
(D)-, (L)-または(D,L)-形、好ましくは(D)-または(L)-
形、特に(L)-形であることができる。好ましいのは、B
1 のもとで言及された疎水性α−アミノ酸、特に脂肪族
疎水性α−アミノ酸、例えばグリシン、バリンまたはイ
ソロイシンである。上記α−アミノ酸において、A2
結合しているカルボキシ基は非還元であるかまたは、例
えば上記疎水性α−アミノ酸では、還元アミノ酸残基Gl
y(red), Val(red)またはIle(red)、特にVal(red)では、
特にメチレン基に更に還元される。接尾辞(red) は対応
するアミノ酸残基のカルボニル基がメチレン基に還元さ
れていることを示す。A1 が結合であるならば、A2
基R3 −CH2 −基を担持している炭素原子のところの
カルボニル基に直接結合している。
【0031】α−アミノ酸の二価の基A2 であって、N
末端側がA1 に結合しておりそしてC末端側が基NR4
5 に結合している基A2 は、例えば、B1 について上
記に挙げたα−アミノ酸の1つであり、それらのアミノ
酸は(D)-, (L)-または(D,L)-形であることができ、好ま
しくは(D)-または(L)-形、特に(L)-形である。好ましい
のは、B1 のもとで言及された疎水性α−アミノ酸、例
えばグリシン、バリン、フェニルアラニン、p−フルオ
ロフェニルアラニン、チロシン、p−メトキシフェニル
アラニン、フェニルグリシン、α−ナフチルアラニン、
シクロヘキシルアラニンまたはシクロヘキシルグリシン
であり、好ましくはグリシン、バリン、フェニルアラニ
ン、p−フルオロフェニルアラニン、p−メトキシフェ
ニルアラニンまたはシクロヘキシルアラニンである。上
述の基は(D)-または(L)-形であることができるが、好ま
しくは、(D)-または(L)-形であるフェニルアラニンを除
いて(L)-形である。
【0032】A1 とA2 から形成される二価の基であっ
て、中心のペプチド結合が還元されており、N末端側が
-C=OにそしてC末端側が基NR4 5 に結合しているジ
ペプチドの二価の基は、好ましくは上記に挙げた疎水性
α−アミノ酸を2つ含んで成り、特に1つがGly(red),
Val(red)およびIle(red)から選ばれたN末端アミノ酸残
基であってもう1つがグリシン、フェニルアラニン、チ
ロシン、p−メトキシフェニルアラニン、シクロヘキシ
ルアラニンおよびp−フルオロフェニルアラニンから選
ばれたC末端アミノ酸残基を含んで成る。
【0033】特に好ましくは、A1 とA2 は一緒になっ
て、式Val-Phe, Ile-Phe, Val-Cha,Ile-Cha, Val-Gly,
Val-(p-F-Phe), Val-(p-CH3O-Phe)またはGly-(p-F-Phe)
のジペプチドの;あるいはまたは更に、式Val-Tyr, Il
e-Tyr, Gly-Tyr, Ile-GlyまたはVal-Val のジペプチド
の二価の基を形成し、ここで各アミノ酸は(D)-または
(L)-形であり、特に(L)-形であり(ただしフェニルアラ
ニンが(D)-または(L)-形である(L)-Val-Phe を除く);
あるいは中心のアミド結合が還元されており、N末端側
が-C=OにそしてC末端側が基NR4 5 に結合している
それらの誘導体、例えば式Val(red)-Pheを有する誘導体
の二価の基を形成する。
【0034】本発明の好ましい態様は、B1 が上述のα
−アミノ酸の二価の基の1つでありそして基A1 とA2
のうちの一方が結合であって他方が上述のα−アミノ酸
の1つである式Iの化合物;またはB1 が結合でありそ
してA1 とA2 の各々が上述のα−アミノ酸の二価の基
の1つであるかまたはそれらが一緒になって還元された
中心アミド結合を有するジペプチドの二価の基の1つで
ある式Iの化合物に関する。
【0035】結合窒素原子と一緒になってR4 とR5
ら形成されるチオモルホリノまたはモルホリノは、非置
換であるか、あるいは1もしくは複数の炭素原子のとこ
ろで低級アルキルにより、例えばエチル、プロピル、ブ
チル、イソブチルもしくはtert−ブチルにより、フェニ
ル−もしくはナフチル−低級アルキルにより、例えばベ
ンジルにより、1−もしくは2−ナフチルメチルまたは
フェニル−1−もしくはフェニル−2−エチルにより、
特にフェニル−1−もしくはフェニル−2−エチルによ
り、ヒドロキシにより、低級アルコキシにより、例えば
メトキシ、エトキシもしくはtert−ブトキシにより、ア
ミノにより、低級アルキルアミノにより、例えばメチル
−もしくはエチル−アミノにより、ジ−低級アルキルア
ミノにより、例えばジメチルアミノもしくはジエチルア
ミノにより、低級アルカノイルにより、例えばアセチル
もしくはプロピオニルにより、フェニル−もしくはナフ
チル−低級アルカノイルにより、例えばフェニルアセチ
ルまたは1−もしくは2−ナフチルアセチルにより、カ
ルボキシにより、低級アルコキシカルボニルにより、例
えばイソプロポキシカルボニルもしくはtert−ブトキシ
カルボニルにより、フェニル−、ナフチル−もしくはフ
ルオレニル−低級アルコキシカルボニルにより、例えば
ベンジルオキシカルボニル、1−もしくは2−ナフチル
メトキシカルボニルまたは9−フルオレニルメトキシカ
ルボニルにより、カルバモイルにより、モノ−もしくは
ジ−低級アルキルカルバモイルにより、例えばジメチル
カルバモイルにより、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ−
低級アルキルカルバモイルにより、例えばジヒドロキシ
メチルカルバモイルにより、スルホにより、低級アルキ
ルスルホニルにより、例えばメチルスルホニルもしくは
エチルスルホニルにより、フェニル−もしくはナフチル
−スルホニルにより(ここでフェニルは低級アルキルに
より、例えばメチルもしくはエチルにより置換されるこ
とがある)、例えばフェニルスルホニルもしくはトルエ
ンスルホニルにより、スルファモイルにより、ハロゲン
により、例えばフッ素もしくは塩素により、シアノによ
り、ニトロによりおよび/またはオキソにより置換され
る。非常に好ましくは、R4 とR5 は結合窒素原子と一
緒になって、非置換のチオモルホリノまたはモルホリ
ノ、特に非置換のモルホリノを形成する。
【0036】式Iの化合物の塩は特に酸付加塩、塩基と
の塩、または複数の塩形成性基が存在している場合、混
合塩もしくは分子内塩であることもできる。塩は特に、
式Iの化合物の医薬上許容される非毒性の塩である。
【0037】このような塩は、例えば、酸性基、例えば
カルボキシ基またはスルホ基を有する式Iの化合物から
形成され、そして例えば、適当な塩基との塩、例えば元
素周期表のIa,Ib,IIa及びIIb族の金属から誘導
される非毒性の金属塩、特に適当なアルカリ金属塩、例
えばリチウム、ナトリウムもしくはカリウム塩、または
アルカリ土類金属塩、例えばマグネシウムもしくはカル
シウム塩、更には亜鉛塩もしくはアンモニウム塩、更に
有機アミン、例えば非置換のまたはヒドロキシ置換され
たモノ−、ジ−もしくはトリ−アルキルアミン、特にモ
ノ−、ジ−もしくはトリ−低級アルキルアミン、または
第四アンモニウム化合物、例えばN−メチル−N−エチ
ルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ
−、ビス−もしくはトリス−(2−ヒドロキシ−低級ア
ルキル)アミン、例えばモノ−、ビス−もしくはトリス
−(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−ヒドロキシ−
tert−ブチルアミンもしくはトリス(ヒドロキシメチ
ル)メチルアミン、N,N−ジ−低級アルキル−N−
(ヒドロキシ−低級アルキル)アミン、例えばN,N−
ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミンもしく
はトリ(2−ヒドロキシエチル)アミン、またはN−メ
チル−D−グルカミンとで形成される塩、あるいは第四
アンモニウム塩、例えばテトラブチルアンモニウム塩で
ある。塩基性基、例えばアミノ基を有する式Iの化合物
は、酸付加塩、例えば無機酸、例えばハロゲン化水素
酸、例えば塩酸、硫酸もしくはリン酸、または有機カル
ボン酸、スルホン酸、スルホ酸もしくはホスホ酸または
N−置換スルファミン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、
グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、ヒドロキシマレ
イン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石
酸、グルコン酸、グルカル酸、グルクロン酸、クエン
酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、サルチル酸、4−
アミノサルチル酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセ
ト安息香酸、エンボン酸、ニコチン酸もしくはイソニコ
チン酸と、並びにアミノ酸、例えば前記α−アミノ酸
と、更にはメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−
ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスル
ホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、2−もしくは3
−ホスホグリセリン酸、グルコース−6−リン酸、N−
シクロヘキシルスルファミン酸(シクラメートを形成す
る)と、またはその他の酸性有機化合物、例えばアスコ
ルビン酸とで酸付加塩を形成する。酸性基と塩基性基と
を有する式Iの化合物は分子内塩を形成することもでき
る。
【0038】単離または精製目的には、医薬上許容され
ない塩を利用することも可能である。「化合物」および
「塩」なる用語は、表現上個々の化合物または個々の塩
も包含する。
【0039】本発明の化合物はレトロウイルスのアスパ
ラギン酸プロテアーゼに対する阻害作用、特に gag−プ
ロテアーゼ阻害作用を示す。下記の試験において、それ
らは10-6〜10-9モルの濃度で特にHIV-1 の gag−プロテ
アーゼの作用を阻害し、従って該プロテアーゼによりま
たは関連するレトロウイルスにより引き起こされる病
気、例えばAIDSに対する薬剤として適当である。
【0040】例えばHIV-1 プロテアーゼのタンパク質分
解活性を阻害する式Iの化合物の能力は、例えばJ. Han
sen ら、The EMBO Journal 7, 1785-1791 (1988)により
記載された方法により証明することができる。この方法
では、HIV-1 プロテアーゼの作用の阻害は、E.コリ
E. coli )中で発現される gag−前駆体タンパク質と
MS-2との融合タンパク質である基質に対して測定され
る。この基質およびその分解生成物はポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動により分離され、そしてMS-2に対するモ
ノクローナル抗体を用いたイムノブロッティングにより
可視化される。
【0041】実施することが一層簡単であり且つ正確な
定量的推定を可能にする試験において、このgag −前駆
体タンパク質の開裂部位の1つに相当する合成ペプチド
を gag−プロテアーゼの基質として使用する。この基質
及びその分解生成物は高圧液体クロマトグラフィー(HP
LC)によって分析することができる。
【0042】例えば、組換えHIV−1プロテアーゼ
〔Billich, S. ら, J. Biol. Chem. 263(34), 17905-17
908 (1990)に従った調製〕のための基質として、 gag−
前駆体タンパク質の開裂部位の1つに相当する合成発色
性ペプチド〔例えばHKARVL(NO2) FEANleS (Bachem, Swi
tzerland) またはエイコサペプチド例えばRrSNQVSQNYPI
VQNIQGRR(既知の方法に従ったペプチド合成により調
製)〕を用いる。この基質およびその分解生成物は高圧
液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析することが
できる。
【0043】このために、試験しようとする式Iの阻害
化合物をジメチルスルホキシドに溶解させる。酵素試験
は、20mMのβ−モルホリノエタンスルホン酸(MES) 緩衝
液pH6.0中の前記阻害化合物の適当な希釈液を、0.3M酢
酸ナトリウム、0.1M NaCl pH7.4中67.2μM の前記発色
性ペプチドまたは20mM MES緩衝液pH 6.0中122 μM の前
記エイコサペプチドを含んで成るアッセイ混合物に加え
ることにより実施する。バッチのサイズは100 μl であ
る。最初のケースでは 2μl そして2番目のケースでば
10μl のHIV-1 プロテアーゼの添加により反応を開始
し、次いで最初のケースでは15分後に100 μl の0.3M H
ClO4の添加により、そして2番目のケースでは37℃で1
時間のインキュベーション後に10μl の0.3M HClO4の添
加により、反応を停止させる。試料を10,000×g にて5
分間遠心した後、得られた上清の100 μl (発色性ペプ
チドを有するバッチ)または20μl (エイコサペプチド
のバッチ)を125 ×4.6 mmのNucleosil TM C-18-5μ H
PLC カラム(Macherey & Nagel, Duren )に適用し溶出
させた反応生成物を、280 nm(発色ペプチドを有するバ
ッチ)または215 nm(エイコサペプチドを有するバッ
チ)において分解生成物のピーク高さに基づいて定量す
る。勾配:15分間に渡り、溶出液1 100 % →溶出液
1 50%/溶液2 50%〔溶出液1:10%アセトニトリ
ル、90% H2O、0.1 %トリフルオロ酢酸(TFA) ;溶出液
2:75%アセトニトリル、25%H2O 、0.08% TFA〕;流
速:1ml/分。
【0044】この試験において、好ましくは約10-6〜10
-9M、特に約10-7〜約10-8MのIC50値(IC50=阻害化合
物を含まない対照と比較してHIV-1 プロテアーゼ活性を
50%低下させる濃度)が式Iの化合物について測定され
る。
【0045】別の試験において、本発明の化合物が、通
常HIV により感染される細胞をそのような感染から保護
するかまたは少なくともそのような感染を遅らせること
を証明することができる。この試験では、HIVの細胞
障害性作用に感受性であるヒトT細胞白血病細胞系MT
−2〔Science 229 , 563 (1985)〕をHIV−1 のみと
または本発明の化合物の存在下でHIV−1と共にイン
キュベートし、そして数日後、このように処理した細胞
の生存率を評価する。
【0046】このために、10%熱不活性化ウシ胎児血
清、L−グルタミン、Hepes (2−〔4−(2−ヒドロ
キシエチル)−1−ピペラジノ〕エタンスルホン酸)お
よび標準抗生物質が補足されたRPMI 1640 培地(Gibco,
Switzerland ; RPMI 1640はL-Gln 以外のアミノ酸混合
物を含有する)中のMT-2細胞を 5% CO2を有する湿潤空
気中で37℃にて維持する。培地中の試験化合物50μl お
よび培地中のHIV-1 100μl (800 TCID50/ml)(TCID5
0=組織培養感染用量50=MT−2細胞の50%を感染せ
しめる用量)を、96ウエルミクロタイタープレート上の
1ウエル当たり50μl の培地中の4×103 個の指数増殖
MT−2細胞に添加する。細胞および試験化合物を有す
る別のミクロタイタープレート上での平行バッチに、ウ
イルスを含まない培地 100μl を加える。4日間のイン
キュベーション後、10μl の細胞上清中の逆転写酵素
(RT)活性を測定する。RT活性は、50mMトリス
〔α,α,α−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミ
ン、超高純度、Merck, Federal Republic of Germany〕
pH 7.8;75mM KCl、2mMジチオトレイトール、5mMMgCl
2 ;0.05% Nonidet P-40 (洗浄剤;Sigma, Switzerla
nd);50μg/mlのポリアデニル酸(Pharmacia, Sweden
);1.6 μg/mlのdT(12-18) (Sigma, Switzerland)
中で測定する。この混合物を0.45μのAcrodiscTMフィル
ター(Gellman ScienceInc., Ann Arbor )を通して濾
過し、そして−20℃で保存する。0.1 %(v/v) 〔α−32
P〕dTTPを小分けしてこの溶液に加え、最終放射活性を
10μCi/mlにする。培養上清 10 μl を新しい96ウエル
のミクロタイタープレートに移し、そして上記の混合物
30 μl をこれに加える。混合した後、このプレートを
37℃で1.5〜3時間インキュベートする。この反応混合
物5μlをWhatman DE81濾紙(Whatman) 上に移す。乾燥
させた濾紙を300mM NaCl/25mM クエン酸三ナトリウム
で各回5分間3回、そして95%エタノールで1回洗浄
し、そして再び風乾する。評価はMatrix Packard 96 ウ
エルカウンター(Packard )中で行う。ED90値は、試験
化合物で処理されていない細胞バッチと比較してRT活
性を90%低下させる試験化合物の最少濃度として計算・
定義される。RT活性はHIV−1増殖の指標である。
【0047】この試験において、本発明の化合物は10-5
〜10-8M、好ましくは約10-7〜10-8MのED90値を示す。
本発明の化合物は、それらが生体内で上記阻害作用を発
揮するであろうという推測を引き出すことができるよう
な有利な薬力学的性質を示す。例えば、上述の化合物の
場合、マウスへの式Iの化合物20 mg/kgの静脈内または
腹腔内投与の10分後における血中レベルは4μg/ml血液
またはそれより高い。更に、式Iの化合物120 mg/kg を
経口(p.o.)投与すると、90分後の濃度は上述の細胞試験
におけるED90値とほぼ同等であるかまたはそれより高
い。
【0048】血中レベルの測定は、例えば次のようにし
て行われる:調べようとする化合物を有機溶媒、例えば
ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解する。水中のヒド
ロキシプロピル−β−シクロデキストリン(20% w/v)
の溶液を、所望の活性成分濃度に達するまで(例えば非
経口投与の場合には 2 mg/ml、経口投与の場合には12mg
/ml)、同時にDMSOの濃度を5%(v/v) に調整しなが
ら、添加する。それらの条件下で不溶性である化合物
は、非経口投与用の場合は腹腔内のみに投与されるが、
可溶性の化合物は静脈内にも投与することができる。化
合物を投与した後(例えば20 mg/kg静脈内もしくは腹腔
内、または120 mg/kg 経口)、様々な時点、例えば非経
口投与の場合は10分後、または経口投与の場合は90分後
に採血する。各時点で、3匹のマウスの血液を使用し、
そして各マウスを個別にまたは3匹のマウスの合わせた
血液から、溶媒、例えばアセトニトリルを添加しそして
遠心した後、上清を得る。活性成分の濃度は、HPLC、例
えば長さ120 mm直径4.6 mmのNucleosil TM 5C18 カラム
上で、溶離液として60%アセトニトリル/40%水/0.05
%トリフルオロ酢酸(v/v) または50%アセトニトリル/
50%水/0.05%トリフルオロ酢酸(v/v) を用いて、1 ml
/分の流速で200 nmで検出と定量を行うHPLCにより、決
定される。
【0049】後述の式Iの化合物の群において、適当で
あれば、例えばやや一般的な定義をより具体的な定義に
置き換えるために、前記の一般定義からの基の定義を使
うことまたは別の基からの定義を追加もしくは削除する
ことが可能である。
【0050】本発明の好ましい変形は、R1 が水素;低
級アルコキシカルボニル;複素環カルボニル;非置換で
あるかまたはフッ素、ハロ−低級アルキル、低級アルカ
ノイル、スルホ、低級アルキルスルホニルおよびシアノ
から成る群から選択された同一もしくは異なる3個以下
の基により置換されたベンジルオキシカルボニル;複素
環が炭素原子経由で結合している複素環オキシカルボニ
ル;または結合カルボニルがチオカルボニル基により置
き換えられている上記カルボニル基の1つであり、B1
が結合またはα−アミノ酸の二価の基であって、前記基
はN末端側がR1に結合しそしてC末端側がR2 −CH
2 を担持している炭素原子のところのアミノ基に結合
し、R2 およびR3 は各々互いに独立的に、フェニルま
たはシクロヘキシル基であって、それらの基は非置換で
あるかまたはヒドロキシ、メトキシ、ハロゲン、ハロ−
低級アルキル、スルホ、低級アルキルスルホニル、シア
ノおよびニトロから成る群から選択された同一もしくは
異なる1〜3個の基により置換されており、A1 が-C=O
とA2 との間の結合であるかまたはα−アミノ酸の二価
の基であって、前記基はN末端側が基-C=Oに結合しそし
てC末端側がA2 に結合し、A2 がα−アミノ酸の二価
の基であって、前記基はN末端側がA1 に結合しそして
C末端側が基NR4 5 に結合し、またはA1 とA2
一緒になって、中心のアミド結合が還元されておりそし
てN末端側が基-C=Oに結合しそしてC末端側が基NR 4
5 に結合しているジペプチドの二価の基を形成し、そ
してR4 とR5 が結合窒素原子と一緒になって、非置換
のまたは置換されたチオモルホリノまたはモルホリノで
ある、式Iの化合物;それとは別にまたはそれに加え
て、R1 が複素環スルホニル、低級アルキルスルホニル
またはN−(複素環−低級アルキル)−N−低級アルキ
ルアミノカルボニルであり、そしてその他の基が定義し
た通りである式Iの化合物;および塩形成性基が存在す
るならば、それらの化合物の塩に関し、ここで、式Iの
化合物の基R2 −CH2 を担持している炭素原子の隣位
である炭素原子のところのヒドロキシ基は、遊離である
かまたは保護された形、特に生理学的に開裂可能なエス
テルの形、例えば低級アルカノイルオキシ、例えばアセ
トキシの形において保護された形であり、その他の全て
の基が定義した通りである式Iの遊離化合物と保護され
た形の化合物の両方が好ましい。A1 とA2 が各々α−
アミノ酸の二価の基でありそして残りの基が定義の通り
である化合物、またはその塩が特に言及される。
【0051】R1 が水素;低級アルコキシカルボニル;
複素環カルボニル;非置換であるかまたはフッ素、ハロ
−低級アルキル、低級アルカノイル、スルホ、低級アル
キルスルホニルおよびシアノから成る群から選択された
同一もしくは異なる3個以下の基により置換されたベン
ジルオキシカルボニル;複素環が炭素原子経由で結合し
ている複素環カルボニル;または結合カルボニル基がチ
オカルボニル基により置き換えられている上記カルボニ
ルのうちの1つであり、B1 が結合またはα−アミノ酸
の二価の基であって、前記基はN末端側がR1に結合し
そしてC末端側がR2 −CH2 を担持している炭素原子
のところのアミノ基に結合し、R2 およびR3 が各々互
いに独立的に、フェニルまたはシクロヘキシル基であっ
て、それらの基は非置換であるかまたはハロゲン、ハロ
−低級アルキル、スルホ、低級アルキルスルホニル、シ
アノおよびニトロから成る群から選択された同一もしく
は異なる1〜3個の基により置換されており、A1 が-C
=OとA2 との間の結合であるかまたはα−アミノ酸の二
価の基であって、前記基はN末端側が基-C=Oに結合しそ
してC末端側がA2 に結合し、A2 がα−アミノ酸の二
価の基であって、前記基はN末端側がA1 に結合しそし
てC末端側が基NR4 5 に結合し、またはA1 とA2
が一緒になって、中心のアミド結合が還元されておりそ
してN末端側が基-C=Oに結合しそしてC末端側が基NR
4 5 に結合しているジペプチドの二価の基を形成し、
そしてR4 とR5 が結合窒素原子と一緒になって、非置
換のまたは置換されたモルホリノである式Iの化合物;
それとは別にまたはそれに加えて、R1 が複素環スルホ
ニル、低級アルキルスルホニルまたはN−(複素環−低
級アルキル)−N−低級アルキルアミノカルボニルであ
り、そしてその他の基が定義した通りである式Iの化合
物;および塩形成性基が存在するならば、それらの化合
物の塩も好ましく、ここで、式Iの化合物の基R2 −C
2 を担持している炭素原子の隣位である炭素原子のと
ころのヒドロキシ基は、遊離であるかまたは保護された
形、特に生理学的に開裂可能なエステルの形、例えば低
級アルカノイルオキシ、例えばアセトキシの形において
保護された形であり、その他の全ての基が定義した通り
である式Iの遊離化合物と保護された形の化合物の両
者、またはその塩が特に好ましい。
【0052】基R2 とR3 のうちの少なくとも一方が、
ヒドロキシ、メトキシ、ハロゲン、ハロ−低級アルキ
ル、スルホ、低級アルキルスルホニル、シアノおよびニ
トロから成る群から選択された1〜3個の基により置換
されており、そして基R1 ,B 1 ,A1 ,A2 およびN
4 5 が上記の最後の2段落において定義した通りで
ある式Iの化合物、および塩形成性基が存在する場合に
は該化合物の塩もまた好ましい。
【0053】より一層好ましいのは、R1 が水素;tert
−ブトキシカルボニル;イソブトキシカルボニル;ピリ
ジン−3−カルボニル;モルホリノカルボニル;3−ベ
ンゾフラノイル;1,2,3,4−テトラヒドロイソキ
ノリン−3−カルボニル;フッ素、ハロ−低級アルキ
ル、低級アルカノイル、スルホ、低級アルキルスルホニ
ルおよびシアノから成る群から選択された同一もしくは
異なる1〜3個の基により置換されたベンジルオキシカ
ルボニル;または複素環オキシカルボニルであって、こ
こで複素環は炭素原子経由で結合しており、そしてピロ
リル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾ
リル、チアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、インド
リル、キノリル、イソキノリル、キノオキサリニル、β
−カルボリニルおよび前記基の完全もしくは部分飽和誘
導体から成る群から選択され、または複素環オキシカル
ボニルR1 の意味が削除され;B1 が結合またはα−ア
ミノ酸の二価の基であって、前記基はN末端側がR1
結合しそしてC末端側がR2 −CH2 を担持している炭
素原子のところのアミノ基に結合しており、好ましくは
疎水性アミノ酸の残基、例えばプロリン、フェニルアラ
ニン、p−フルオロフェニルアラニン、フェニルグリシ
ン、α−ナフチルアラニン、シクロヘキシルアラニンも
しくはシクロヘキシルグリシン残基、またはグリシン、
バリン、ノルバリン、アラニン、ロイシン、ノルロイシ
ンおよびイソロシンから成る群から選択された脂肪族α
−アミノ酸の残基、特にバリン残基であり、好ましくは
上述の各α−アミノ酸は(D)-, (L)-または(D,L)-形であ
り、好ましくは(L)-形であり、上述の各アミノ酸は、好
ましくは水素、N−tert−ブトキシカルボニルまたはモ
ルホリノカルボニルから選択されたR1 のもとで言及し
た基のうちの1つによって置換されており;R2 および
3 が各々互いに独立的に、フェニルまたはシクロヘキ
シル基であって、それらの基は非置換であるかまたはヒ
ドロキシ、メトキシ、フッ素、スルホ、低級アルキルス
ルホニル、トリフルオロメチルおよびシアノから成る群
から選択された同一もしくは異なる1個もしくは2個の
基により置換されており、A1 が一般定義のところで指
摘したような疎水性α−アミノ酸の二価の基であって、
前記基はN末端側が基-C=Oに結合しそしてC末端側がA
2 に結合しており、上述のアミノ酸残基は(L)-または
(D)-形であるが、好ましくは(L)-または(D)-形であるフ
ェニルアラニンを除いて(L)-形であり、A2 が疎水性α
−アミノ酸の二価の基であって、前記基はN末端側がA
1 に結合しそしてC末端側が基NR45 に結合してお
り;特にA1 とA2 が一緒になって、式Val-Phe, Ile-P
he, Val-Cha, Ile-Cha, Ile-Gly, Val-Val, Val-Gly, V
al-(p-F-Phe), Val-Tyr, Val-(p-CH3O-Phe) もしくはGl
y-(p-F-Phe) のジペプチドの二価の基であって、ここで
前記アミノ酸は(L)-または(D)-形であり、特にPhe が
(L)-または(D)-形である(L)-Val-Phe を除いて(L)-形で
あり;あるいはA1 とA2 が一緒になって、中央のアミ
ド結合が還元されておりそしてN末端側が基-C=Oに結合
しそしてC末端側が基NR4 5 に結合している2個の
疎水性α−アミノ酸、好ましくは一般定義のもとで列挙
したような疎水性α−アミノ酸を含んで成るジペプチド
の二価の基、例えば式Val(red)-Pheを有する二価の基を
形成し、そしてR4 とR5 が結合窒素原子と一緒になっ
てチオモルホリノまたはモルホリノ、特にモルホリノで
ある式Iの化合物;それとは別にまたはそれに加えて、
1 がモルホリノスルホニルまたはN−(2−ピリジル
メチル)−N−メチルアミノカルボニルでありそしてそ
の他の基が定義した通りである式Iの化合物;および塩
形成性基が存在する場合には該化合物の医薬上許容され
る塩であり、ここで基R2 −CH2 −を担持している炭
素原子の隣位である炭素原子のところのヒドロキシ基は
遊離であるかまたは低級アルカノイルにより保護された
形であり、特に遊離形である。複素環オキシカルボニル
をR1 の定義から省くことも可能である。
【0054】R1 が水素;tert−ブトキシカルボニル;
イソブトキシカルボニル;ピリジン−3−カルボニル;
モルホリノカルボニル;3−ベンゾフラノイル;1,
2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニ
ル;フッ素、ハロ−低級アルキル、低級アルカノイル、
スルホ、低級アルキルスルホニルおよびシアノから成る
群から選択された同一もしくは異なる1〜3個の基によ
り置換されたベンジルオキシカルボニル;または複素環
オキシカルボニルであって、ここで複素環は炭素原子経
由で結合しており、そしてピロリル、チエニル、イミダ
ゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラ
ジニル、ピリミジニル、インドリル、キノリル、イソキ
ノリル、キノオキサリニル、β−カルボリニルおよび前
記基の完全もしくは部分飽和誘導体から成る群から選択
され、またはR1 についての複素環オキシカルボニルの
意味が省略され;B1 が結合またはα−アミノ酸の二価
の基であって、前記基はN末端側がR1に結合しそして
C末端側がR2 −CH2 を担持している炭素原子のとこ
ろのアミノ基に結合しており、好ましくは疎水性アミノ
酸、例えばプロリン、フェニルアラニン、p−フルオロ
フェニルアラニン、フェニルグリシン、α−ナフチルア
ラニン、シクロヘキシルアラニンもしくはシクロヘキシ
ルグリシンの残基、またはグリシン、バリン、ノルバリ
ン、アラニン、ロイシン、ノルロイシンおよびイソロシ
ンから成る群から選択された脂肪族α−アミノ酸の残
基、特にバリン残基であり、好ましくは上述の各α−ア
ミノ酸は(D)-, (L)-または(D,L)-形であり、好ましくは
(L)-形であり、上述の各アミノ酸は、好ましくは水素、
N−tert−ブトキシカルボニルまたはモルホリノカルボ
ニルから選択されたR1 のもとで言及した基のうちの1
つによって置換されており;R2 およびR3 が各々互い
に独立的に、フェニルまたはシクロヘキシル基であっ
て、それらの基は非置換であるかまたはフッ素、スル
ホ、低級アルキルスルホニル、トリフルオロメチルおよ
びシアノから成る群から選択された同一もしくは異なる
1個もしくは2個の基により置換されており;A1 が一
般定義のところで指摘したような疎水性α−アミノ酸の
二価の基であって、前記基はN末端側が基-C=Oに結合し
そしてC末端側がA2 に結合し、A2が一般定義のとこ
ろで指摘したような疎水性α−アミノ酸の二価の基であ
って、前記基はN末端側がA1 に結合しそしてC末端側
が基NR4 5 に結合し、上述のアミノ酸残基は(L)-ま
たは(D)-形であり、好ましくは(L)-または(D)-形である
フェニルアラニンを除いて(L)-形であり;特にA1 とA
2 が一緒になって、式Val-Phe, Ile-Phe, Val-Cha, Ile
-Cha, Ile-Gly, Val-Val, Val-Gly, Val-(p-F-Phe), Va
l-(p-CH3O-Phe)もしくはGly-(p-F-Phe) のジペプチドの
二価の基であって、ここで前記アミノ酸は(L)-または
(D)-形であり、特にPhe が(L)-または(D)-形である(L)-
Val-Phe を除いて(L)-形であり;あるいはA1 とA2
一緒になって、中央のアミド結合が還元されておりそし
てN末端側が基-C=Oに結合しそしてC末端側が基NR4
5 に結合している2個の疎水性α−アミノ酸、好まし
くは一般定義のもとで列挙したような疎水性α−アミノ
酸を含んで成るジペプチドの二価の基、例えば式Val(re
d)-Pheを有する二価の基を形成し;そしてR4 とR5
結合窒素原子と一緒になってチオモルホリノまたはモル
ホリノ、特にモルホリノである式Iの化合物;それとは
別にまたはそれに加えて、R1 がモルホリノスルホニル
もしくはN−(2−ピリジルメチル)−N−メチルアミ
ノカルボニルである式Iの化合物;および塩形成性基が
存在するならば該化合物の塩もまた非常に好ましい。こ
こで基R2 −CH2 −を担持している炭素原子の隣位で
ある炭素原子のところのヒドロキシ基は遊離であるかま
たは低級アルカノイルにより保護された形であり、特に
遊離形であり、そして複素環オキシカルボニルをR1
定義から省くことも可能である。
【0055】非常に好ましいのは、R1 が水素、tert−
ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、ピリジ
ン−3−カルボニル、モルホリノカルボニル、3−ベン
ゾフラノイル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノ
リン−3−カルボニル、またはそれらとは別にもしくは
それらに加えて、モルホリノスルホニルもしくはN−
(2−ピリジルメチル)−N−メチルアミノカルボニル
であり、B1 が結合またはα−アミノ酸の二価の基であ
って、前記基はN末端側がR1に結合しそしてC末端側
がR2 −CH2 を担持している炭素原子のところのアミ
ノ基に結合し、後者の場合にはR1 が好ましくは水素、
tert−ブトキシカルボニルもしくはモスホリノカルボニ
ル、またはそれらとは別にもしくはそれらに加えて、モ
ルホリノスルホニルもしくはN−(2−ピリジルメチ
ル)−N−メチルアミノカルボニルであり、R2 および
3 が各々互いに独立的に、フェニルまたはシクロヘキ
シル基であって、それらの基は非置換であるかまたはヒ
ドロキシ、メトキシ、フッ素、スルホ、低級アルキルス
ルホニル、トリフルオロメチルおよびシアノから成る群
から選択された同一もしくは異なる1個もしくは2個の
基により置換されており、A1 がα−アミノ酸グリシ
ン、バリンおよびイソロイシンのうちの1つの二価の基
であって、前記基はN末端側が基-C=Oに結合しそしてC
末端側がA2 に結合しており、A2 がα−アミノ酸グリ
シン、バリン、フェニルアラニン、チロシン、シクロヘ
キシルアラニン、p−メトキシフェニルアラニンおよび
p−フルオロフェニルアラニンのうちの1つの二価の基
であって、前記基はN末端側がA1 に結合しそしてC末
端側が基NR4 5 に結合しており、またはA1 とA2
が一緒になって、中心のアミド結合が還元されているジ
ペプチドの二価の基であって、Gly(red), Val(red)また
はIle(red)から選択されたN末端アミノ酸残基とグリシ
ン、フェニルアラニン、シクロヘキシルアラニン、チロ
シン、p−メトキシフェニルアラニンまたはp−フルオ
ロフェニルアラニンから選択されたC末端アミノ酸残基
とを含んで成り、そしてA1 とA2 について定義したよ
うにN末端側が基-C=Oに結合しそしてC末端側が基NR
4 5 に結合しているジペプチドの二価基を形成し、そ
してR4 とR5 が結合窒素原子と一緒になってチオモル
ホリノまたはモルホリノ、特にモルホリノである式Iの
化合物、および塩形成性基が存在する場合には該化合物
の医薬上許容される塩である。
【0056】R1 が水素、tert−ブトキシカルボニル、
イソブトキシカルボニル、ピリジン−3−カルボニル、
モルホリノカルボニル、3−ベンゾフラノイルもしくは
1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カル
ボニル;またはそれらとは別にもしくはそれらに加え
て、モルホリノスルホニルもしくはN−(2−ピリジル
メチル)−N−メチルアミノカルボニルであり、B1
結合またはα−アミノ酸バリンの二価の基であって、前
記基はN末端側がR1 に結合しそしてC末端側がR2
CH2 を担持している炭素原子のところのアミノ基に結
合し、後者の場合にはR1 が好ましくは水素、tert−ブ
トキシカルボニルもしくはモルホリノカルボニル、また
はそれらとは別にもしくはそれらに加えて、モルホリノ
スルホニルもしくはN−(2−ピリジルメチル)−N−
メチルアミノカルボニルであり、R2 およびR3 が各々
互いに独立的に、フェニルまたはシクロヘキシル基であ
って、それらの基は非置換であるかまたはフッ素、スル
ホ、低級アルキルスルホニルおよびシアノから成る群か
ら選択された同一もしくは異なる1個もしくは2個の基
により置換されており、A1 がα−アミノ酸グリシン、
バリンおよびイソロイシンのうちの1つの二価の基であ
って、前記基はN末端側が基-C=Oに結合しそしてC末端
側がA2 に結合しており、A2 がα−アミノ酸グリシ
ン、バリン、フェニルアラニン、チロシン、シクロヘキ
シルアラニン、p−メトキシフェニルアラニンおよびp
−フルオロフェニルアラニンのうちの1つの二価の基で
あって、前記基はN末端側がA1 に結合しそしてC末端
側が基NR4 5 に結合し、またはA1 とA2 が一緒に
なって、中心のアミド結合が還元されているジペプチド
の二価の基であって、Gly(red), Val(red)またはIle(re
d)から選択されたN末端アミノ酸残基とグリシン、フェ
ニルアラニン、チロシン、シクロヘキシルアラニン、p
−メトキシフェニルアラニンまたはp−フルオロフェニ
ルアラニンから選択されたC末端アミノ酸残基とを含ん
で成り、そしてA1 とA2 について定義したようにN末
端側が基-C=Oに結合しそしてC末端側が基NR4 5
結合しているジペプチドの二価の基を形成し、そしてR
4 とR5 が結合窒素原子と一緒になってチオモルホリノ
またはモルホリノ、特にモルホリノである式Iの化合
物、および塩形成性基が存在する場合には該化合物の医
薬上許容される塩もまた非常に好ましい。
【0057】更に一層好ましいのは、B1 が上述のα−
アミノ酸の二価の基であり、そして基A1 とA2 のうち
の一方が結合であって他方が上述のα−アミノ酸のうち
の1つである上記定義に従った式Iの化合物;またはB
1 が結合であり、そして基A 1 とA2 が各々、上述のα
−アミノ酸の二価の基のうちの1つであるかまたはA 1
とA2 が一緒になって、中心のジプチド結合が還元され
ている上述のジペプチドの二価の基のうちの1つであ
り、そしてその他の基が定義した通りである式Iの化合
物である。
【0058】B1 が結合であるかまたは上述のα−アミ
ノ酸の二価の基の1つであり、そしてA1 とA2 が各
々、上述のα−アミノ酸のうちの1つの二価の基であ
り、その他の基が定義した通りである式Iの化合物;ま
たは少なくとも1つの塩形成性基が存在する場合には該
化合物の医薬上許容される塩もまた更に一層好ましい。
【0059】特に着目されるのは、R1 が水素、tert−
ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、ピリジ
ン−3−カルボニル、モルホリノカルボニル、3−ベン
ゾフラノイルもしくは1,2,3,4−テトラヒドロイ
ソキノリン−3−カルボニル;またはそれらとは別にも
しくはそれらに加えて、モルホリノスルホニルもしくは
N−(2−ピリジルメチル)−N−メチルアミノカルボ
ニルであり;B1 が結合であるかまたはα−アミノ酸バ
リンの二価の基であって、前記基はN末端側がR1 に結
合しそしてC末端側がR2 −CH2 を担持している炭素
原子のところのアミノ基に結合し、後者の場合にはR1
が好ましくは水素、tert−ブトキシカルボニルもしくは
モルホリノカルボニル、またはそれらとは別にもしくは
それらに加えて、モルホリノスルホニルもしくはN−
(2−ピリジルメチル)−N−メチルアミノカルボニル
であり;R2 およびR3 が各々互いに独立的に、フェニ
ルまたはシクロヘキシル基であって、それらの基は非置
換であるかまたはヒドロキシ、メトキシ、フッ素および
シアノから成る群から選択された同一もしくは異なる1
個もしくは2個の基により置換されており、特に前記の
基のうちの1つにより4位において置換されており、例
えば4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニル、
4−フルオロフェニル、4−シアノフェニルまたは4−
フルオロシクロヘキシルであり、ここで上記の一般定義
のところで特に好ましいと言及したR2 とR3 の組合せ
が好ましく、それらの他にまたはそれらに加えて、R2
およびR3 が各々互いに独立的に、非置換であるかまた
はトリフルオロメチル、シアノもしくはフッ素から選択
された同一もしくは異なる1個もしくは2個の基、特に
1個の前記基により、好ましくは4位において、例えば
4−トリフルオロメチルフェニル、4−シアノフェニル
もしくは4−フルオロフェニルとして置換されているフ
ェニルまたはシクロヘキシル基であり;A1 とA2 が一
緒になって、式Val-Phe, Ile-Phe, Val-Cha, Ile-Cha,
Ile-Gly, Val-Val, Val-Gly, Val-(p-F-Phe), Val-Tyr,
Val-(p-CH3O-Phe) もしくはGly-(p-F-Phe) の二価の
基、または式Val(red)-Pheを有する還元された中心アミ
ド結合を有するその誘導体の二価の基を形成し、前記基
はN末端側が基-C=Oに結合しそしてC末端側が基NR4
5 に結合しており;そしてR4 とR5 が結合窒素原子
と一緒になってチオモルホリノまたはモルホリノ、特に
モルホリノである式Iの化合物、および塩形成性基が存
在する場合には該化合物の医薬上許容される塩である。
式Iの化合物の基R2 −CH2 −を担持している炭素原
子の隣位である炭素原子のところのヒドロキシ基が遊離
であるかまたはアセチルにより保護された形であり、そ
の他の全ての基が定義された通りである化合物、または
その塩が特に好ましい。
【0060】同じく特に着目されるのは、R1 が水素、
tert−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、
ピリジン−3−カルボニル、モルホリノカルボニル、3
−ベンゾフラノイルもしくは1,2,3,4−テトラヒ
ドロイソキノリン−3−カルボニル、またはそれらとは
別にもしくはそれらに加えて、モルホリノスルホニルも
しくはN−(2−ピリジルメチル)−N−メチルアミノ
カルボニルであり;B1 が結合であるかまたはα−アミ
ノ酸バリンの二価の基であって、前記基はN末端側がR
1 に結合しそしてC末端側がR2 −CH2 を担持してい
る炭素原子のところのアミノ基に結合し、後者の場合に
はR1 が好ましくは水素、tert−ブトキシカルボニルも
しくはモルホリノカルボニル、またはそれらとは別にも
しくはそれらに加えて、モルホリノスルホニルもしくは
N−(2−ピリジルメチル)−N−メチルアミノカルボ
ニルであり;R2 およびR3 が各々互いに独立的に、フ
ェニルまたはシクロヘキシル基であって、それらの基は
非置換であるかまたはフッ素もしくはシアノから選択さ
れた同一もしくは異なる1個もしくは2個の基により置
換されており、特に前記の基の1個により、好ましくは
4位において4−フルオロフェニル、4−シアノフェニ
ルまたは4−フルオロシクロヘキシルとして、上記の一
般定義のところで特に好ましいと言及したR2 とR3
組合せのように置換されており、あるいはそれらの他に
またはそれらに加えて、R2 およびR3 が各々互いに独
立的に、非置換であるかまたはトリフルオロメチル、シ
アノもしくはフッ素から選択された同一もしくは異なる
1個もしくは2個の基、特に1個の前記基により、好ま
しくは4位において、例えば4−トリフルオロメチルフ
ェニル、4−シアノフェニルもしくは4−フルオロフェ
ニルとして置換されているフェニルまたはシクロヘキシ
ル基であり;A1 とA2 が一緒になって、式Val-Phe, I
le-Phe, Val-Cha, Ile-Cha, Ile-Gly, Val-Val, Val-Gl
y, Val-(p-F-Phe), Val-(p-CH3O-Phe)もしくはGly-(p-F
-Phe) の二価の基、または式Val(red)-Pheを有する還元
された中心アミド結合を有するその誘導体の二価の基を
形成し、前記基はN末端側が基-C=Oに結合しそしてC末
端側が基NR4 5 に結合しており;そしてR4 とR5
が結合窒素原子と一緒になってチオモルホリノまたはモ
ルホリノ、特にモルホリノである式Iの化合物、および
塩形成性基が存在する場合には該化合物の医薬上許容さ
れる塩である。ここで式Iの化合物の基R2 −CH2
を担持している炭素原子の隣位である炭素原子のところ
のヒドロキシ基は遊離であるかまたはアセチルにより保
護された形であり、その他の全ての基が定義された通り
である化合物、またはその塩が特に好ましい。
【0061】特に最も着目される化合物は、実施例にお
いて言及される化合物、および塩形成性基が存在する場
合にはそれらの化合物の塩、特に医薬上許容される塩で
ある。
【0062】それらとしては、Boc-Cha〔C〕(p-F)Phe-
(L)-Ile-(L)-Phe−モルホリン−4−イルアミド、Boc-
(p-F)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-Phe−モルホリン
−4−イルアミド、Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-V
al-(L)-(p-F-Phe)−モルホリン−4−イルアミド、Boc-
(p-F)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe) −
モルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-
F)Phe-(L)-Val-(L)-Cha−モルホリン−4−イルアミ
ド、Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe−モ
ルホリン−4−イルアミド、
【0063】Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-
(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-F)Phe
〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モルホリン
−4−イルアミド、Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-
Val-(L)-(p-CH3O-Phe)−モルホリン−4−イルアミド、
Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-Cha −モル
ホリン−4−イルアミド、Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CN)Ph
e-(L)-Ile-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、
【0064】Boc-Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-Phe
−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-F)Ph
e-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe)−モルホリン−4−イルアミ
ド、Boc-Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe)
−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-F)P
he-(L)-Val-(L)-Cha−モルホリン−4−イルアミド、Bo
c-Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe−モルホリン−
4−イルアミド、
【0065】Boc-Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-Phe
−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-CN)
Phe-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モルホリン−4−イルア
ミド、Boc-Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-P
he)−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-C
N)Phe-(L)-Val-(L)-Cha −モルホリン−4−イルアミ
ド、Boc-Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe −モル
ホリン−4−イルアミド、
【0066】Boc-Phe〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-P
he −モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-C
H3O)Phe-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モルホリン−4−イ
ルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-(p-
CH3O-Phe)−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe
〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-Cha −モルホリン−4
−イルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Ile-(L)
-Phe −モルホリン−4−イルアミド、
【0067】Boc-Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-Ph
e−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-C
F3)Phe-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe)−モルホリン−4−イル
アミド、Boc-Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3
O-Phe) −モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕
(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-Cha−モルホリン−4−イルア
ミド、Boc-Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe−モ
ルホリン−4−イルアミド、
【0068】Boc-Cha〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-Phe
−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-CN)
Phe-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モルホリン−4−イルア
ミド、Boc-Cha〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-P
he)−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-C
N)Phe-(L)-Val-(L)-Cha −モルホリン−4−イルアミ
ド、Boc-Cha〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe −モル
ホリン−4−イルアミド、
【0069】Boc-Cha〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-P
he −モルホリン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-C
H3O)Phe-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モルホリン−4−イ
ルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-(p-
CH3O-Phe)−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Cha
〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-Cha −モルホリン−4
−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Ile-(L)
-Phe −モルホリン−4−イルアミド、
【0070】Boc-Cha〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-Ph
e−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-C
F3)Phe-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe)−モルホリン−4−イル
アミド、Boc-Cha〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3
O-Phe) −モルホリン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕
(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-Cha−モルホリン−4−イルア
ミド、もしくはBoc-Cha〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Ile-(L)-
Phe−モルホリン−4−イルアミドの名称を有する式I
の化合物、または−モルホリン−4−イルアミドが−チ
オモルホリン−4−イルアミド基により置き換えられた
対応化合物が挙げられる。
【0071】更にBoc-(L)-Val-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-
(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、H-(L)-Val-Ph
e〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イル
アミド、Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(D)-Phe −モルホ
リン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val(re
d)-(L)-Phe−モルホリン−4−イルアミドもしくはイソ
ブチルオキシカルボニル− Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-
Phe −モルホリン−4−イルアミドの名称を有する式I
の化合物;または−モルホリン−4−イルアミドが−チ
オモルホリン−4−イルアミド基により置き換えられた
対応化合物;または塩形成性基が存在する場合にはそれ
らの塩;あるいは
【0072】Boc-Cha〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-Phe
−チオモルホリン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p
-F)Phe-(L)-Val-(L)-Phe−チオモルホリン−4−イルア
ミド、Boc-Cha〔C〕(p-F)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe−モル
ホリン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-F)Phe-(L)-
Val-(L)-Cha−モルホリン−4−イルアミド、
【0073】Boc-(p-CF3)Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Ph
e −モルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-CF3)Phe
〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-(p-F)Phe−モルホリン−4−イ
ルアミド、Boc-(p-CF3)Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-(p-C
H3O)Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-CF3)P
he〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Cha −モルホリン−4−イル
アミド、Boc-(p-CF3)Phe〔C〕Phe-(L)-Ile-(L)-Phe −
モルホリン−4−イルアミド、
【0074】Boc-(p-CF3)Phe C (p-F)Phe-(L)-Val-(L)-
Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-CF3)Phe C
(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-(p-F)Phe−モルホリン−4−イ
ルアミド、Boc-(p-CF3)Phe C (p-F)Phe-(L)-Val-(L)-Ch
a −モルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-CF3)Phe C
(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O)Phe −モルホリン−4
−イルアミド、Boc-(p-CF3)Phe C (p-F)Phe-(L)-Ile-
(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、
【0075】Boc-(p-CF3)Phe C (p-CF3)Phe-(L)-Val-
(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-CF3)P
he C (p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-(p-F)Phe−モルホリン−
4−イルアミド、Boc-(p-CF3)Phe C (p-CF3)Phe-(L)-Il
e-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-C
F3)Phe C (p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O)Phe −モル
ホリン−4−イルアミド、Boc-(p-CF3)Phe C (p-CF3)Ph
e-(L)-Val-(L)-Cha −モルホリン−4−イルアミドの名
称を有する式Iの化合物;または−モルホリン−4−イ
ルアミドが−チオモルホリン−4−イルアミド基により
置き換えられた対応化合物;あるいは
【0076】Boc-Phe C Phe-(L)-Val-(L)-Tyr −モルホ
リン−4−イルアミド、Boc-Tyr C Phe-(L)-Val-(L)-Ph
e −モルホリン−4−イルアミド、Boc-Tyr C Phe-(L)-
Val-(L)-Tyr −モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe
C Tyr-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミ
ド、Boc-Phe C Tyr-(L)-Val-(L)-Tyr −モルホリン−4
−イルアミド、Boc-Tyr C Tyr-(L)-Val-(L)-Phe −モル
ホリン−4−イルアミド、Boc-Tyr C Tyr-(L)-Val-(L)-
Tyr −モルホリン−4−イルアミドの名称を有する式I
の化合物;または−モルホリン−4−イルアミドが−チ
オモルホリン−4−イルアミド基により置き換えられた
対応化合物が挙げられる。
【0077】特に非常に重要であるのは、R1 がtert−
ブトキシカルボニルであり、B1 が結合であり、R2
シクロヘキシルであり、R3 がp−フルオロフェニルで
あり、A1 がバリンであり、A2 がフェニルアラニンで
あり、そしてR4 とR5 が結合窒素原子と一緒になって
モルホリノである式Iの化合物である。R1 がtert−ブ
トキシカルボニルであり、B1 が結合であり、R2 とR
3 がフェニルであり、A1 がバリンであり、A2 がフェ
ニルアラニンであり、そしてR 4 とR5 が結合窒素原子
と一緒になってモルホリノである式Iの化合物も非常に
重要である。
【0078】R1 がtert−ブトキシカルボニルであり、
1 が結合であり、R2 がシクロヘキシルであり、R3
がp−フルオロフェニルであり、A1 がバリンであり、
2がp−フルオロフェニルアラニンであり、そしてR
4 とR5 が結合窒素原子と一緒になってモルホリノであ
る式Iの化合物も非常に重要である。R1 がtert−ブト
キシカルボニルであり、B1 が結合であり、R2 がシク
ロヘキシルであり、R3 がp−フルオロフェニルであ
り、A1 がバリンであり、A2がp−メトキシフェニル
アラニンであり、そしてR4 とR5 が結合窒素原子と一
緒になってモルホリノである式Iの化合物も非常に重要
である。
【0079】R1 がtert−ブトキシカルボニルであり、
1 が結合であり、R2 がシクロヘキシルであり、R3
がp−フルオロフェニルであり、A1 がバリンであり、
2がシクロヘキシルアラニンであり、そしてR4 とR
5 が結合窒素原子と一緒になってモルホリノである式I
の化合物も非常に重要である。R1 がtert−ブトキシカ
ルボニルであり、B1 が結合であり、R2 がシクロヘキ
シルであり、R3 がp−フルオロフェニルであり、A1
がバリンであり、A2がフェニルアラニンであり、そし
てR4 とR5 が結合窒素原子と一緒になってチオモルホ
リノである式Iの化合物も非常に重要である。
【0080】R1 がtert−ブトキシカルボニルであり、
1 が結合であり、R2 がシクロヘキシルであり、R3
がp−フルオロフェニルであり、A1 がイソロイシンで
あり、A2 がフェニルアラニンであり、そしてR4 とR
5 が結合窒素原子と一緒になってモルホリノである式I
の化合物も非常に重要である。R1 がtert−ブトキシカ
ルボニルであり、B1 が結合であり、R2 がフェニルで
あり、R3 がp−フルオロフェニルであり、A1 がバリ
ンであり、A2 がフェニルアラニンであり、そしてR4
とR5 が結合窒素原子と一緒になってモルホリノである
式Iの化合物も非常に重要である。
【0081】R1 がtert−ブトキシカルボニルであり、
1 が結合であり、R2 がp−フルオロフェニルであ
り、R3 がp−フルオロフェニルであり、A1 がバリン
であり、A2 がフェニルアラニンであり、そしてR4
5 が結合窒素原子と一緒になってモルホリノである式
Iの化合物も非常に重要である。R1 がtert−ブトキシ
カルボニルであり、B1 が結合であり、R2 がp−フル
オロフェニルであり、R3 がp−フルオロフェニルであ
り、A1 がバリンであり、A2 がp−フルオロフェニル
アラニンであり、そしてR4 とR5 が結合窒素原子と一
緒になってモルホリノである式Iの化合物も非常に重要
である。
【0082】R1 がtert−ブトキシカルボニルであり、
1 が結合であり、R2 がシクロヘキシルであり、R3
がp−シアノフェニルであり、A1 がバリンであり、A
2 がフェニルアラニンであり、そしてR4 とR5 が結合
窒素原子と一緒になってモルホリノである式Iの化合物
も非常に重要である。R1 がtert−ブトキシカルボニル
であり、B1 が結合であり、R2 とR3 がフェニルであ
り、A1 がバリンであり、A2 がフェニルアラニンであ
り、そしてR 4 とR5 が結合窒素原子と一緒になってチ
オモルホリノである式Iの化合物も非常に重要である。
【0083】式Iの化合物またはそれらのヒドロキシ保
護誘導体、および少なくとも1つの塩形成性基を有する
そのような化合物の塩は、それ自体既知の方法に従っ
て、例えば次のようにして、得ることができる。
【0084】a)式Ib の化合物:
【化14】 (上式中、R1 ′は式Iの化合物中のR1 について定義
した通りであるが、ただし水素ではなく、基R2 −CH
2 −を担持している炭素原子の隣位である炭素原子のと
ころのヒドロキシ基は遊離形であるかまたは保護された
形であり、そしてその他の基は式Iの化合物について定
義した通りである)の調製のためには、式IIの酸: R1 ′−OH (II) (上式中、R1 ′は式Iの化合物中のR1 について定義
した通りであるが、ただし水素ではない)またはその反
応性酸誘導体を、式III のアミノ化合物:
【化15】 (式中の基は式Iの化合物について定義した通りであ
り、反応に関与する基を除いて、式IIおよびIII の出発
物質中の遊離官能基は適宜保護された形である)または
その反応性誘導体と縮合せしめ、そして所望であれば、
存在する保護基を除去し、または
【0085】b)式Ic の化合物:
【化16】 (上式中、B1 ′は式Iの化合物中のB1 について定義
した通りの基であるが、ただし結合ではなく、基R2
CH2 −を担持している炭素原子の隣位にある炭素原子
のところのヒドロキシ基は遊離であるかまたは保護され
た形であり、そしてその他の基は式Iの化合物について
定義した通りである)の調製のためには、式IVのカルボ
ン酸: R1 −B1 ′−OH (IV) (上式中、R1 は式Iの化合物について定義した通りで
あり、そしてB1 ′は上記に定義した通りである)また
はその反応性酸誘導体を、式Vのアミノ化合物:
【化17】 (式中の基は式Iの化合物について定義した通りであ
り、該反応に関与する基を除いて、式IVおよびVの出発
物質中の遊離官能基は適宜保護された形である)または
その反応性誘導体と縮合せしめ、そして所望であれば、
存在する保護基を除去し、または
【0086】c)式VIのカルボン酸:
【化18】 (式中の基は式Iの化合物について定義した通りであ
る)またはその反応性誘導体を、式VII のアミノ化合
物:
【化19】 (上式中、基は式Iの化合物について定義した通りであ
り、該反応に関与する基を除いて、式VIおよびVII の出
発物質中の遊離官能基は適宜保護された形である)また
はその反応性誘導体と縮合せしめ、そして所望であれ
ば、存在する保護基を除去し、または
【0087】d)式Id の化合物:
【化20】 (上式中、A1 ′とA2 ′は式Iの化合物中のA1 とA
2 について定義した通りであるが、ただしA1 ′は結合
ではなく、A1 ′とA2 ′との間のペプチド結合は還元
形ではなく、基R2 −CH2 −を担持している炭素原子
の隣位にある炭素原子のところのヒドロキシ基は遊離で
あるかまたは保護された形であり、そしてその他の基は
式Iの化合物について定義した通りである)の調製のた
めには、式VIIIのカルボン酸:
【化21】 (式中の基は上記で定義した通りである)またはその反
応性誘導体を、式IXのアミノ化合物:
【化22】 (式中の基は上記で定義した通りであり、反応に関与す
る基を除いて、式VIIIおよびIXの出発物質中の遊離官能
基は適宜保護された形である)またはその反応性誘導体
と縮合せしめ、そして所望であれば、存在する保護基を
除去し、または
【0088】e)式Xのカルボン酸:
【化23】 (式中の基は式Iの化合物について定義した通りであ
る)またはその反応性誘導体を、式XIのアミノ化合物:
【化24】 (式中の基は式Iの化合物について定義した通りであ
り、反応に関与する基を除いて、式XおよびXIの出発物
質中の遊離官能基は適宜保護された形である)またはそ
の反応性誘導体と縮合せしめ、そして所望であれば、存
在する保護基を除去し、または
【0089】f)式Iの化合物(ここで置換基は上記で
定義した通りであるが、ただし式Iの化合物中の少なく
とも1つの官能基が保護基により保護されていることを
前提とする)において、存在する保護基を除去し、
【0090】そして所望であれば、前記方法a)〜f)
のいずれかに従って得られる少なくとも1つの塩形成性
基を有する式Iの化合物をその塩に変換し、そして/ま
たは得られる塩を遊離化合物もしくは別の塩に変換し、
そして/または得られる式Iの化合物の異性体混合物を
分離し、そして/または本発明の式Iの化合物を本発明
の別の式Iの化合物に変換する。
【0091】上記に定義した方法をより詳細に下記に記
載する。 方法a)(アミド結合の形成) 式IIおよびIII の出発物質中の官能基は、反応に関与す
る基または反応条件下で反応しない基を除いて、互いに
独立的に、保護基により保護される。
【0092】反応を回避すべき出発物質中の官能基、特
にカルボキシ、アミノ、ヒドロキシ、メルカプトおよび
スルホ基のための保護基としては、特に、ペプチド化合
物の合成においてだけでなく更にセファロスポリンおよ
びペニシリン並びに核酸誘導体および糖の合成において
も汎用されている保護基(常用の保護基)が挙げられ
る。それらの保護基は、既に前駆体中に存在していても
よく、そして望ましくない二次反応、例えばアシル化、
エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解等に対して
対象の官能基を保護するためのものである。ある場合に
は、保護基は反応を選択的に、例えば立体選択的に進行
させることもできる。保護基は、望ましくない二次反応
を伴わずに、例えば加溶媒分解、還元もしくは光分解に
よりまたは更に酵素的に、例えば生理学的条件下で、容
易に除去され得ることが特徴である。しかし、保護基は
最終生成物中に存在してもよい。保護された官能基を有
する式Iの化合物は、遊離官能基を有する対応する化合
物に比べて、一層大きな代謝安定性を有しまたはそうで
なければより改善された薬力学的性質を有する。保護
基、例えば保護されたヒドロキシ基を有する対応化合物
は、酵素的開裂により、例えばエステラーゼにより、生
体内で活性化される「プロドラック」ともなり得る。
【0093】そのような保護基による官能基の保護、保
護基それ自体および保護基の除去のための反応は、例え
ば以下の標準的著作物に記載されている。例えば、J.F.
W. McOmie, "Protective Groups in Organic Chemistr
y", Plenum Press, London およびNew York, 1973年 ;
Th.W. Greene, "Protective Groups in Organic Synthe
sis", Wiley,New York, 1981年 ; "The Peptides" 第
3巻(E. GrossおよびJ.Meienhofer 編), Academic Pr
ess, LondonおよびNew York, 1981年 ; "Methoden der
organischen Chemie", Houben-Weyl,第4版,15/I巻, G
eorg Thieme Verlag, Stuttgart 1974 年 ; H.-D. Jaku
bkeおよびH. Jescheit, "Aminosauren, Peptide, Prote
ine", Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach お
よびBasel1982年;およびJochen Lehmann, "Chemie der
Kohlenhydrate : Monosaccharideund Derivate", Geor
g Thieme Verlag, Stuttgart 1974 年。
【0094】カルボキシ基は、例えば、穏和な条件下で
選択的に除去することができるエステル基の形でで保護
される。エステル化された形で保護されたカルボキシ基
は、特に低級アルキル基(これは好ましくは低級アルキ
ル基の1位で枝分かれしているかまたは低級アルキル基
の1位もしくは2位で適当な置換基により置換されてい
る)によりエステル化されている。
【0095】低級アルキル基によりエステル化された保
護カルボキシ基は、例えばメトキシカルボニルまたはエ
トキシカルボニルである。低級アルキル基の1位で枝分
かれしている低級アルキル基によりエステル化された保
護カルボキシ基は、例えば、tert−低級アルコキシカル
ボニル、例えばtert−ブトキシカルボニルである。
【0096】低級アルキル基の1位または2位において
適当な置換基により置換されている低級アルキル基によ
りエステル化された保護カルボキシ基は、例えば、1個
もしくは2個のアリール基を有するアリールメトキシカ
ルボニルであって、ここで前記アリールは非置換のフェ
ニルであるかまたは例えば低級アルキルにより、例えば
tert−低級アルキルにより、例えばtert−ブチルによ
り、低級アルコキシにより、例えばメトキシにより、ヒ
ドロキシにより、ハロゲンにより、例えば塩素により、
および/またはニトロにより、単置換、二置換もしくは
三置換されたフェニルであり、例えばベンジルオキシカ
ルボニル、上記置換基により置換されたベンジルオキシ
カルボニル、例えば4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ルもしくは4−メトキシベンジルオキシカルボニル、ジ
フェニルメトキシカルボニル、または上記置換基により
置換されたジフェニルメトキシカルボニル、例えばジ
(4−メトキシフェニル)メトキシカルボニルであり;
あるいは低級アルキル基によりエステル化されたカルボ
キシであって、該低級アルキル基は1位または2位にお
いて適当な置換基により置換されており、例えば、1−
低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、例えばメ
トキシメトキシカルボニル、1−メトキシエトキシカル
ボニルもしくは1−エトキシエトキシカルボニル、1−
低級アルキルチオ−低級アルコキシカルボニル、例えば
1−メチルチオメトキシカルボニルもしくは1−エチル
チオエトキシカルボニル、アロイルメトキシカルボニル
であってアロイルが非置換であるかまたは例えばハロゲ
ンにより、例えば臭素により置換されたベンゾイルであ
るアロイルメトキシカルボニル、例えばフェナシルオキ
シカルボニル、2−ハロ−低級アルコキシカルボニル、
例えば2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2
−ブロモエトキシカルボニルもしくは2−ヨードエトキ
シカルボニル、更には2−(三置換シリル)−低級アル
コキシカルボニルであって、前記置換基は各々互いに独
立的に、脂肪族、芳香脂肪族、脂環式または芳香族炭化
水素基であり、これらの基は非置換であるかまたは例え
ば低級アルキルにより、低級アルコキシにより、アリー
ルにより、ハロゲンによりおよび/またはニトロにより
置換されており、例えば低級アルキル、フェニル−低級
アルキル、シクロアルキルまたはフェニルであってこれ
らの各々は非置換であるかまたは上記の如く置換されて
おり、例えば2−トリ低級アルキルシリル−低級アルコ
キシカルボニル、例えば2−トリ低級アルキルシリルエ
トキシカルボニル、例えば2−トリメチルシリルエトキ
シカルボニルもしくは2−(ジ−n−ブチルメチルシリ
ル)エトキシカルボニル、または2−トリアリールシリ
ルエトキシカルボニル、例えばトリフェニルシリルエト
キシカルボニルである。
【0097】カルボキシ基はまた、有機シリルオキシカ
ルボニル基の形で保護される。有機シリルオキシカルボ
ニル基は、例えば、トリ低級アルキルシリルオキシカル
ボニル基、例えばトリメチルシリルオキシカルボニルで
ある。シリルオキシカルボニル基のケイ素原子は、2個
の低級アルキル基、例えば2個のメチル基、および式I
の第二分子の1個のアミノまたはカルボキシ基により置
換されてもよい。そのような保護基を有する化合物は、
例えばシリル化剤としてジメチルクロロシランを使って
調製することができる。
【0098】カルボキシは、分子中のカルボキシ基から
適当な距離(例えばγ位)にあるヒドロキシ基を含む分
子内エステルの形でも保護され、即ちラクトン、好まし
くはγ−ラクトンの形で保護される。保護されたカルボ
キシ基は、好ましくはtert−低級アルコキシカルボニ
ル、例えばtert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシ
カルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、9
−フルオレニルメトキシカルボニルまたはジフェニルメ
トキシカルボニルであり、あるいはラクトン、特にγ−
ラクトンの形で保護されたカルボキシ基である。
【0099】保護されたアミノ基は、アミノ保護基によ
り、例えばアシルアミノ、アリールメチルアミノ、エー
テル化メルカプトアミノ、2−アシル−低級アルカ−1
−エニルアミノもしくはシリルアミノ基の形で、または
アジド基の形で保護される。
【0100】アシルアミノ基において、アシルは、例え
ば、18個までの炭素原子を有する有機カルボン酸のアシ
ル基、特に非置換であるかまたは例えばハロゲンにより
もしくはアリールにより置換された低級アルカンカルボ
ン酸のアシル基、あるいは非置換であるかまたは例えば
ハロゲンにより、低級アルコキシによりもしくはニトロ
により置換された安息香酸のアシル基、あるいは好まし
くは、カルボン酸半−エステルのアシル基である。この
ようなアシル基は、例えば、低級アルカノイル、例えば
ホルミル、アセチル、プロピオニルまたはピバロイル、
ハロ−低級アルカノイル、例えば2−ハロアセチル、例
えば2−クロロ−、2−ブロモー、2−ヨード−、2,
2,2−トリフルオロ−または2,2,2−トリクロロ
−アセチル、非置換であるかまたは例えばハロゲンによ
り、低級アルコキシによりもしくはニトロにより置換さ
れたベンゾイル、例えばベンゾイル、4−クロロベンゾ
イル、4−メトキシベンゾイルまたは4−ニトロベンゾ
イル、低級アルコキシカルボニル、好ましくは低級アル
キル基の1位において枝分かれしているかまたは1位も
しくは2位において適当に置換されている低級アルコキ
シカルボニル、例えばtert−低級アルコキシカルボニ
ル、例えばtert−ブトキシカルボニル、非置換であるか
または例えば低級アルキルにより、特にtert−低級アル
キルにより、例えばtert−ブチルにより、低級アルコキ
シにより、例えばメトキシにより、ヒドロキシにより、
ハロゲンにより、例えば塩素により、および/またはニ
トロにより単置換もしくは多置換されたフェニルである
1個、2個もしくは3個のアリール基を有するアリール
メトキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニ
ル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、ジフェニル
メトキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボ
ニルまたはジ(4−メトキシフェニル)メトキシカルボ
ニル、アロイルメトキシカルボニルであってアロイル基
が好ましくは非置換のベンゾイルであるかまたは例えば
ハロゲンにより、例えば臭素により置換されたベンゾイ
ルであるアロイルメトキシカルボニル、例えばフェナシ
ルオキシカルボニル、2−ハロ−低級アルコキシカルボ
ニル、例えば2,2,2−トリクロロエトキシカルボニ
ル、2−ブロモエトキシカルボニルまたは2−ヨードエ
トキシカルボニル、2−(三置換シリル)−低級アルコ
キシカルボニル、例えば2−トリ低級アルキルシリル−
低級アルコキシカルボニル、例えば2−トリメチルシリ
ルエトキシカルボニルまたは2−(ジ−n−ブチルメチ
ルシリル)エトキシカルボニル、あるいはトリアリール
シリル−低級アルコキシカルボニル、例えば2−トリフ
ェニルシリルエトキシカルボニルである。
【0101】アリールメチルアミノ基、例えばモノ−、
ジ−または特にトリ−アリールメチルアミノ基におい
て、アリール基は特に非置換のまたは置換されたフェニ
ルである。このような基は例えばベンジル−、ジフェニ
ルメチル−または特にトリチル−アミノである。
【0102】エーテル化されたメルカプトアミノ基にお
いて、メルカプト基は、特に置換されたアリールチオま
たはアリール−低級アルキルチオの形であり、ここでア
リールは例えば非置換のフェニルであるかまたは例えば
低級アルキルにより、例えばメチルもしくはtert−ブチ
ルにより、低級アルコキシにより、例えばメトキシによ
り、ハロゲンにより、例えば塩素により、および/また
はニトロにより置換されたフェニルであり、例えば4−
ニトロフェニルチオである。
【0103】アミノ保護基として使用することができる
2−アシル−低級アルカ−1−エニル基において、アシ
ルは、例えば、低級アルカンカルボン酸のアシル基、非
置換であるかまたは例えば低級アルキルにより、例えば
メチルもしくはtert−ブチルにより、低級アルコキシに
より、例えばメトキシにより、ハロゲンにより、例えば
塩素により、および/またはニトロにより置換された安
息香酸のアシル基、または特に炭酸半エステル、例えば
炭酸低級アルキル半エステルのアシル基である。対応す
る保護基は、特に1−低級アルカノイル−低級アルカ−
1−エン−2−イル、例えば1−低級アルカノイルプロ
パ−1−エン−2−イル、例えば1−アセチルプロパ−
1−エン−2−イル、または低級アルコキシカルボニル
−低級アルカ−1−エン−2−イル、例えば低級アルコ
キシカルボニル−プロパ−1−エン−2−イル、例えば
1−エトキシカルボニルプロパ−1−エン−2−イルで
ある。
【0104】シリルアミノ基は、例えば、トリ低級アル
キルシリルアミノ基、例えばトリメチルシリルアミノま
たはtert−ブチルジメチルシリルアミノである。シリル
アミノ基のケイ素原子は、2個だけの低級アルキル基、
例えばメチル基、および式Iの第2分子のアミノ基また
はカルボキシ基により置換されていてもよい。このよう
な保護基を有する化合物は、例えばシリル化剤として対
応するクロロシラン、例えばジメチルクロロシランを使
って調製することができる。
【0105】アミノ基はプロトン化した形に変換するこ
とにより保護することもできる。適当な対応するアニオ
ンは、特に、無機強酸、例えば硫酸、リン酸もしくはハ
ロゲン化水素酸のアニオン、例えば塩素もしくは臭素ア
ニオン、または有機スルホン酸、例えばp−トルエンス
ルホン酸のアニオンである。好ましいアミノ保護基は、
低級アルコキシカルボニル、フェニル−低級アルコキシ
カルボニル、フルオレニル−低級アルコキシカルボニ
ル、2−低級アルカノイル−低級アルカ−1−エン−2
−イルまたは低級アルコキシカルボニル−低級アルカ−
1−エン−2−イルであり、特に好ましくはtert−ブト
キシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルであ
る。
【0106】ヒドロキシ基は、例えばアシル基、例えば
非置換であるかまたは例えばハロゲンにより例えば塩素
により置換された低級アルカノイル、例えばアセチルも
しくは2,2−ジクロロアセチル、または特に保護アミ
ノ基について言及した炭酸半エステルのアシル基により
保護することができる。好ましいヒドロキシ保護基は、
例えば2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、4
−ニトロベンジルオキシカルボニル、ジフェニルメトキ
シカルボニルまたはトリチルである。ヒドロキシ基は、
トリ低級アルキルシリル、例えばトリメチルシリル、ト
リイソプロピルシリルもしくはtert−ブチルジメチルシ
リル、容易に除去可能なエーテル化基、例えばアルキル
基、例えばtert−低級アルキル、例えばtert−ブチル、
オキサ−もしくはチア−脂肪族もしくは−脂環式炭化水
素基、特に2−オキサ−もしくは2−チア−脂肪族もし
くは−脂環式炭化水素基、例えば1−低級アルコキシ−
低級アルキルもしくは1−低級アルキルチオ−低級アル
キル、例えばメトキシメチル、1−メトキシエチル、1
−エトキシエチル、メチルチオメチル、1−メチルチオ
エチルもしくは1−エチルチオエチル、または5〜7個
の環原子を有する2−オキサ−もしくは2−チア−シク
ロアルキル、例えば2−テトラヒドロフリルもしくは2
−テトラヒドロピラニル、または対応するチア同族体に
より保護することができ、更には1−フェニル−低級ア
ルキル、例えばベンジル、ジフェニルメチルまたはトリ
チルにより保護することができ、ここで該フェニル基
は、例えば、ハロゲンにより、例えば塩素により、低級
アルコキシにより、例えばメトキシにより、および/ま
たはニトロにより置換されてもよい。
【0107】分子内に存在する2個のヒドロキシ基、特
に隣接するヒドロキシ基、または相互に隣接する1個の
ヒドロキシ基と1個のアミノ基は、例えば二価の保護
基、例えば好ましくは1個もしくは2個の低級アルキル
基によりまたはオキソにより置換されたメチレン基、例
えば非置換のまたは置換アルキリデン、例えは低級アル
キリデン、例えばイソプロピリデン、シクロアルキリデ
ン、例えばシクロヘキシリデン、カルボニル基またはベ
ンジリデン基により保護することができる。
【0108】カルボキシと隣位であるヒドロキシ基は、
分子内エステル(ラクトン)、特にγ−ラクトンの形成
により保護することができる。保護されたヒドロキシ
は、好ましくはトリ低級アルキルシリルによりまたはラ
クトンの形で、特にtert−ブチルジメチルシリルにより
またはγ−ラクトンの形で保護される。
【0109】例えばシステイン中のメルカプト基は、非
置換のまたは置換されたアルキル基を用いたS−アルキ
ル化により、シリル化により、チオアセタール形成によ
り、S−アシル化により、または不斉ジスルフィド結合
の形成により、保護することができる。好ましいメルカ
プト保護基は、例えば、非置換であるかまたはフェニル
環において例えばメトキシによりもしくはニトロにより
置換されたベンジル、例えば4−メトキシベンジル、非
置換であるかまたはフェニル環において例えばメトキシ
により置換されたジフェニルメチル、例えばジ−(4−
メトキシフェニル)メチル、トリフェニルメチル、ピリ
ジルジフェニルメチル、トリメチルシリル、ベンジルチ
オメチル、テトラヒドロピラニル、アシルアミノメチ
ル、例えばアセトアミドメチル、イソブチリルアセトア
ミドメチルもしくは2−クロロアセトアミドメチル、ベ
ンゾイル、ベンジルオキシカルボニルまたはアルキルア
ミノカルボニル、特に低級アルキルアミノカルボニル、
例えばエチルアミノカルボニル、更には低級アルキルチ
オ、例えばS−エチルチオもしくはS−tert−ブチルチ
オ、またはS−スルホである。
【0110】スルホ基は、例えば、低級アルキルによ
り、例えばメチルもしくはエチルにより、フェニルによ
りまたはスルホンアミドの形で、例えばイミダゾリドの
形で保護することができる。
【0111】本願発明において、保護基、例えばカルボ
キシ保護基は、容易に除去することができる形で、保護
すべき官能基例えばカルボキシ基に結合している重合担
体、例えばメリーフィールド合成に適当である重合担体
をも表わすものとして理解すべきである。そのような適
当な重合性担体の例は、ジビニルベンゼンを用いた共重
合により弱く架橋されておりそして可逆的結合に適する
架橋員を有するポリスチレン樹脂である。
【0112】式IIの酸はカルボン酸またはスルホン酸で
ある。式IIのカルボン酸は、遊離カルボキシを有するか
または遊離カルボキシ化合物から誘導される反応性誘導
体の形、例えば活性エステルの形、反応性無水物の形、
更には反応性環状アミドの形である。反応性誘導体はそ
の場で形成させることもできる。
【0113】カルボキシ基を有する式IIの化合物の活性
エステルは、特にエステル化する基の結合炭素原子のと
ころが不飽和であるエステル、例えばビニルエステル型
のエステル、例えばビニルエステル(例えば、対応する
エステルと酢酸ビニルとのエステル交換により得ること
ができる;活性ビニルエステル法)、カルバモイルエス
テル(例えば、対応する酸をイソキサゾリウム試薬で処
理することにより得ることができる;1,2−オキサゾ
リウムまたはウッドワード法)もしくは1−低級アルコ
キシビニルエステル(例えば、対応する酸を低級アルコ
キシアセチレンで処理することにより得られる;エトキ
シアセチレン法)、またはアミド型のエステル、例えば
N,N′−ジ置換アミジノエステル(例えば、対応する
酸を適当なN,N′−ジ置換カルボジイミド、例えば
N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミドで処理する
ことにより得られる;カルボジイミド法)もしくはN,
N−ジ置換アミジノエステル(例えば、対応する酸を
N,N−ジ置換シアナミドで処理することにより得られ
る;シアナミド法)、適当なアリールエステル、特に電
子吸引性置換基により置換されたフェニルエステル(例
えば、対応する酸を、縮合剤、例えばN,N′−ジシク
ロヘキシルカルボジイミドの存在下で、適当に置換され
たフェノール、例えば4−ニトロフェノール、4−メチ
ルスルホニルフェノール、2,4,5−トリクロロフェ
ノール、2,3,4,5,6−ペンタクロロフェノール
または4−フェニルジアゾフェノールで処理することに
より得られる;活性アリールエステル法)、シアノメチ
ルエステル(例えば、対応する酸を塩基の存在下でクロ
ロアセトニトリルで処理することにより得られる;シア
ノメチルエステル法)、チオエステル、特に非置換のも
しくは置換された例えばニトロ置換されたフェニルチオ
エステル(例えば、特に無水物法またはカルボジイミド
法を使って、対応する酸を非置換のまたは置換された例
えばニトロ置換されたチオフェノールで処理することに
より得られる;活性チオールエステル法)、または特に
アミノもしくはアミドエステル(例えば、対応する酸
を、例えば無水物法またはカルボジイミド法に従って、
それぞれN−ヒドロキシアミノまたはN−ヒドロキシア
ミド化合物、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド、N
−ヒドロキシピペリジン、N−ヒドロキシフタルイミ
ド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボン酸イミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールま
たは3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−
ベンゾトリアジン−4−オンで処理することにより得ら
れる;活性N−ヒドロキシエステル法)である。分子内
エステル、例えばγ−ラクトンを使ってもよい。
【0114】酸無水物は、それらの酸の対称無水物また
は好ましくは混合無水物であり、例えば無機酸との無水
物、例えば酸ハライド、特に酸クロリド(例えば、対応
する酸を、塩化チオニル、五塩化リンまたは塩化オキサ
リルで処理することにより得られる;酸クロリド法)、
アジド(例えば、対応する酸エステルから対応するヒド
ラジドを経て硝酸との処理により得ることができる;ア
ジド法)、炭酸半エステル、例えば炭酸低級アルキル半
エステルとの無水物(例えば、対応する酸をクロロギ酸
低級アルキルエステルまたは1−低級アルコキシカルボ
ニル−2−低級アルコキシ−1,2−ジヒドロキノリン
で処理することにより得られる;混合O−アルキル炭酸
無水物法)、またはジハロゲン化された特にジクロロ化
されたリン酸との無水物(例えば、対応する酸をオキシ
塩化リンで処理することにより得られる;オキシ塩化リ
ン法)、他のリン酸誘導体との無水物(例えば、フェニ
ル−N−フェニルホスホルアミドクロリデートを用い
て、あるいはスルホン酸無水物および/またはラセミ化
を減らす添加剤例えばN−ヒドキシベンゾトリアゾール
の存在下で、またはシアノホスホン酸ジエチルエステル
の存在下で、アルキルリン酸アミドの反応により得られ
る)もしくは亜リン酸誘導体との無水物、あるいは有機
酸との無水物、例えば有機酸との混合無水物、例えば有
機カルボン酸との混合無水物(例えば、対応する酸を、
非置換のまたは置換された低級アルカン−もしくはフェ
ニル−低級アルカンカルボン酸ハライド、例えばフェニ
ル酢酸クロリド、ピバル酸クロリドまたはトリフルオロ
酢酸クロリドで処理することにより得られる;混合カル
ボン酸無水物法)または有機スルホン酸との無水物(例
えば、対応する酸の塩、例えばアルカリ金属塩を、適当
な有機スルホン酸ハライド、例えば低級アルカン−また
はアリール−スルホン酸クロリド、例えばメタン−また
はp−トルエンスルホン酸クロリドで処理することによ
り得られる;混合スルホン酸無水物法)、更には対称無
水物(例えば、対応する酸をカルボジイミドまたは1−
ジエチルアミノプロピンの存在下で縮合させることによ
り得られる;対称無水物法)であることができる。
【0115】適当な環状アミドは、特に芳香性の5員ジ
アザ環を有するアミド、例えばイミダゾールとのアミ
ド、例えばイミダゾールとのアミド(例えば、対応する
酸をN,N′−カルボニルジイミダゾールで処理するこ
とにより得られる;イミダゾール法)、またはピラゾー
ル、例えば3,5−ジメチルピラゾールとのアミド(例
えば、酸ヒドラジドを経由してアセチルアセトンでの処
理により得られる;ピラゾリド法)である。
【0116】上述したように、アシル化剤として使われ
るカルボン酸の誘導体はその場で形成させることもでき
る。例えば、N,N′−二置換アミジノエステルは、式
IIIの出発物質とアシル化剤として使う式IIの酸との混
合物を、適当なN,N′−二置換カルボジイミド、例え
ばN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下
で、例えば適当な塩基、例えばトリエチルアミンの存在
下で反応させることにより、その場で形成せしめること
ができる。アシル化しようとする式III の出発物質の存
在下でアシル化剤として使われるアミノまたはアミドエ
ステルは、対応する酸とアミノ出発物質との混合物を、
N,N′−二置換カルボジイミド例えばN,N′−ジシ
クロヘキシルカルボジイミドの存在下でおよびN−ヒド
ロキシアミンもしくはN−ヒドロキシアミド、例えばN
−ヒドロキシスクシンイミドの存在下で、適当な場合に
は適当な塩基、例えば4−ジメチルアミノピリジンの存
在下で反応させることにより、その場で形成せしめるこ
とができる。N,N,N′,N′−テトラアルキルウロ
ニウム化合物、例えばO−ベンゾトリアゾール−1−イ
ル−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキ
サフルオロホスフェートと反応させることによって、そ
の場での活性化を達成することも可能である。最後に、
アルキルリン酸アミド、例えばヘキサメチルリン酸トリ
アミドを、スルホン酸無水物、例えば4−トルエンスル
ホン酸無水物の存在下で、塩、例えばテトラフルオロボ
レート、例えば四フッ化ホウ素ナトリウムと反応させる
か、または好ましくはラセミ化を減らす添加剤、例えば
N−ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下で、ヘキサ
メチルリン酸トリアミドの他の誘導体、例えばベンゾト
リアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホニウムヘキサフルオリドと反応させることに
より、式IIのカルボン酸のリン酸無水物をその場で製造
することができる。
【0117】反応に関与する式III の化合物のアミノ基
は、特にそれと反応するカルボキシ基が反応性形で存在
する場合には、好ましくは少なくとも1つの反応性水素
原子を有する。しかしながら、それは例えば亜リン酸エ
ステル、例えばジエチルクロロホスフィット、1,2−
フェニレンクロロホスフィット、エチルジクロロホスフ
ィット、エチレンクロロホスフィットまたはテトラエチ
ルピロホスフィットとの反応によってそれ自身が誘導化
されてもよい。アミノ基を有するそのような化合物の誘
導体は、例えばカルバミン酸ハライドであり、反応に関
与するアミノ基はハロカルボニルにより、例えばクロロ
カルボニルにより置換されている。
【0118】アミド結合の形成のための縮合は、それ自
体公知の方法により、例えば標準著作物、例えば"Hoube
n-Weyl, Methoden der organischen Chemie", 第4版,
第15/II 巻(1974)、第IX巻(1955)、第E11 巻(1985), Ge
org Thieme Verlag, Stuttgart ; "The Peptides" (E.
Gross およびJ. Meienhofer 編) 、第1巻と第2巻、Ac
ademic Press, LondonおよびNew York, 1979/1980 ; ま
たはM. Bondanszky, "Principles of Peptide Synthesi
s", Springer-Verlag, Berlin 1984に記載された通りに
実施することができる。
【0119】遊離カルボン酸と対応するアミンとの縮合
は、好ましくは常用の縮合剤のうちの1つの存在下で行
うことができる。常用の縮合剤は、例えばカルボジイミ
ド、例えばジエチル−、ジプロピル−、N−エチル−
N′−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
または特にジシクロヘキシルカルボジイミド、更には適
当なカルボニル化合物、例えばカルボニルイミダゾー
ル、1,2−オキサゾリウム化合物、例えば2−エチル
−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム3′−スルホ
ン酸塩および2−tert−ブチル−5−メチルイソキサゾ
リウム過塩素酸塩、または適当なアシルアミノ化合物、
例えば2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2
−ジヒドロキノリン、N,N,N′,N′−テトラアル
キルウロニウム化合物、例えばO−ベンゾトリアゾール
−1−イル−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニ
ウムヘキサフルオロホスフェート、更には活性化リン酸
誘導体、例えばジフェニルホスホリルアジド、ジエチル
ホスホリルシアニド、フェニル−N−フェニルホスホル
アミドクロリデート、ビス(2−オキソ−3−オキサゾ
リジニル)ホスフィン酸クロリドまたは1−ベンゾトリ
アゾリルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウ
ムヘキサフルオロホスフェートである。
【0120】式IIのカルボン酸の縮合について言及した
反応の型と同様にして、式III の化合物との縮合におい
て末端スルホニル基を有する式IIのスルホン酸を反応せ
しめ、対応する式Ib のスルホンアミドを形成せしめる
ことも可能である。例えば、活性化スルホン酸エステ
ル、例えば対応するアリールエステル、特にニトロ基に
より置換されたアリールエステル、例えばフェニルエス
テルを用いることができ、式Ib のアミン成分をアルカ
リ金属アミド、例えばアルカリ金属アリールアミド、例
えばナトリウムアニリンアミドの形で、または窒素含有
複素環のアルカリ金属塩、例えばカリウムピロリドの形
で用いることもできる。
【0121】反応性無水物、例えば対応する対称酸無水
物(例えば、アルキルスルホン酸銀塩をアルキルスルホ
ニルクロリドと反応させることにより得られる)また
は、好ましくは非対称無水物、例えば無機酸との無水
物、例えばスルホニルハライド、特にスルホニルクロリ
ド(例えば、対応するスルホン酸を無機酸クロリド例え
ばチオニルクロリド、スルフリルクロリドまたは五塩化
リンと反応させることにより得られる)、有機カルボン
酸との無水物(例えば、混合酸無水物の調製について上
述した方法と同様にして、スルホン酸ハライドをカルボ
ン酸の塩、例えばアルカリ金属塩と反応させることによ
り得られる)、またはアジド(例えば、対応するスルホ
ン酸クロリドとアジ化ナトリウムから、または上述のア
シド法と同様に対応するヒドラジンを経由してそれを硝
酸で処理することにより、得られる)を用いることもで
きる。
【0122】所望であれば、有機塩基、例えば嵩張った
基を有するトリ低級アルキルアミン、例えばエチルジイ
ソプロピルアミン、および/または複素環式塩基、例え
ばピリジン、4−ジメチルアミノピリジンもしくは好ま
しくはN−メチルモルホリンが添加される。
【0123】対応するアミンと活性エステル、反応性無
水物または反応性環状アミドとの縮合は、通常は有機塩
基、例えば単純なトリ低級アルキルアミン、例えばトリ
エチルアミンもしくはトリブチルアミン、または上述の
有機塩基のうちの一種の存在下で行なわれる。所望によ
り、遊離カルボン酸について記載したのと同様に、縮合
剤が用いられる。
【0124】アミンと酸無水物との縮合は、例えば、無
機炭酸塩、例えば炭酸アンモニウムもしくは炭酸アルカ
リ金属、または炭酸水素アンモニウムもしくは炭酸水素
アルカリ金属、例えば炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリ
ウムまたは炭酸水素ナトリウムもしくは炭酸水素カリウ
ム(所望により硫酸塩と共に)の存在下で行うことがで
きる。
【0125】カルボン酸クロリド、例えば式IIの酸から
誘導されるクロロ炭酸誘導体は、好ましくは有機アミ
ン、例えば上記のトリ低級アルキルアミンまたは複素環
式塩基の存在下で、適当な場合には硫酸水素塩の存在下
で対応するアミンと縮合させる。
【0126】縮合は、好ましくは、不活性で非プロトン
性の、好ましくは非水性の溶媒または溶媒混合物中で、
例えばカルボン酸アミド、例えばホルムアミドもしくは
ジメチルホルムアミド、ハロゲン化炭化水素、例えば塩
化メチレン、四塩化炭素もしくはクロロベンゼン、ケト
ン、例えばアセトン、環状エーテル、例えばテトラヒド
ロフラン、エステル、例えば酢酸エチル、またはニトリ
ル、例えばアセトニトリル中で、またはそれらの混合物
中で、適当な場合には低温もしくは高温で、例えば約−
40℃〜約+100 ℃の範囲内の温度で、好ましくは約−10
℃〜約+50℃の温度で、不活性ガスを使わずにまたは不
活性ガス雰囲気下で、例えば窒素もしくはアルゴン雰囲
気中で行われる。
【0127】水性溶媒、例えばアルコール性溶媒、例え
ばエタノール、または芳香族溶媒、例えばベンゼンもし
くはトルエンも使用できる。アルカリ金属水酸化物が塩
基として存在する場合、適当ならばアセトンを添加して
もよい。
【0128】縮合は、固相合成として知られる技術に従
って行なうこともでき、この固相合成はR. Merrifield
により開発され、例えばAngew. Chem. 97, 801-812 (1
985), Naturwissenschaften 71, 252-258 (1984)または
R.A. Houghten, Proc. Natl.Acad. Sci. USA 82, 513
1-5135 (1985)に記載されている。保護基を有する式I
の生成化合物において保護基によって保護された官能基
の脱保護は、適当であれば、方法f)のもとに記載され
る1または複数の方法に従って行われる。
【0129】方法b)(アミド結合の形成) 式IVおよび式Vの出発物質中、反応に関与するであろう
基または反応条件下で反応しない基を除き、官能基は互
いに独立に保護基により保護される。保護基、遊離カル
ボン酸およびそれらの反応性誘導体、遊離アミンおよび
それらの反応性誘導体並びに縮合に使われる方法は、式
IIのカルボン酸を式IVのものに置き換え、そして式III
のアミノ化合物を式Vのものに置き換えれば、式IIと式
III の化合物から出発するアミド結合の形成について方
法a)のもとに記載したものと全く同じである。保護基
を有する式Iの生成化合物中の保護基の除去は、適当で
あれば、方法f)のもとに記載される1または複数の方
法に従って行なわれる。
【0130】方法c)(アミド結合の形成) 式VIおよび式VII の出発物質中、反応に関与するであろ
う基または反応条件下で反応しない基を除き、官能基は
互いに独立に保護基により保護される。保護基、遊離カ
ルボン酸およびそれらの反応性誘導体、遊離アミンおよ
びそれらの反応性誘導体並びに縮合に使われる方法は、
式IIのカルボン酸を式VIのものに置き換え、そして式II
I のアミノ化合物を式VII のものに置き換えれば、式II
と式III の化合物から出発するアミド結合の形成につい
て方法a)のもとに記載したものと全く同じである。
【0131】方法d)(アミド結合の形成) 式VIIIおよび式IXの出発物質中、反応に関与するであろ
う基または反応条件下で反応しない基を除き、官能基は
互いに独立に保護基により保護される。保護基、遊離カ
ルボン酸およびそれらの反応性誘導体、遊離アミンおよ
びそれらの反応性誘導体並びに縮合に使われる方法は、
式IIのカルボン酸を式VIIIのものに置き換え、そして式
III のアミノ化合物を式IXのものに置き換えれば、式II
と式III の化合物から出発するアミド結合の形成につい
て方法a)のもとに記載したものと全く同じである。
【0132】方法e)(アミド結合の形成) 式Xおよび式XIの出発物質中、反応に関与するであろう
基または反応条件下で反応しない基を除き、官能基は互
いに独立に保護基により保護される。保護基、遊離カル
ボン酸およびそれらの反応性誘導体、遊離アミンおよび
それらの反応性誘導体並びに縮合に使われる方法は、式
IIのカルボン酸を式Xのものに置き換え、そして式III
のアミノ化合物を式XIのものに置き換えれば、式IIと式
III の化合物から出発するアミド結合の形成について方
法a)のもとに記載したものと全く同じである。
【0133】アミノ基を有する式XIの化合物の反応性誘
導体は、例えば、反応に関与するアミノ基がイソシアネ
ート基を形成するように変形されているイソシアネート
であることもあり、この場合には、反応により形成され
るアミド基の窒素原子のところに水素原子を有する化合
物のみを得ることができる。保護基を有する式Iの生成
化合物中の保護基の除去は、適当であれば、方法f)の
もとに記載される1または複数の方法によって行なわれ
る。
【0134】方法f)(保護基の除去) 式Iの所望の最終生成物の成分でない保護基、例えばカ
ルボキシ−、アミノ−、ヒドロキシ−、メルカプト−お
よび/またはスルホ−保護基の除去は、それ自体既知の
方法により、例えば加溶媒分解、特に加水分解、アルコ
ール分解もしくは酸分解により、または還元、特に水添
分解もしくは他の還元剤を使って、更には光分解によ
り、適宜段階的にまたは連続的に行なわれ、酵素的方法
を用いることもできる。保護基の除去は、例えば「保護
基」に関する章で上述した標準的著作物中に記載されて
いる。
【0135】例えば、保護されたカルボキシ、例えばte
rt−低級アルコキシカルボニル、三置換シリル基により
2位で置換された低級アルコキシカルボニルまたは低級
アルコキシによりもしくは低級アルキルチオにより1位
で置換された低級アルコキシカルボニル、または非置換
のもしくは置換されたジフェニルメトキシカルボニル
は、適当な場合には求核性化合物、例えばフェノールま
たはアニソールの添加を伴って、適当な酸、例えばギ
酸、塩化水素酸またはトルフルオロ酢酸で処理すること
により、遊離カルボキシに変換することができる。非置
換のまたは置換されたベンジルオキシカルボニルは、例
えば水添分解により、即ち金属水素化触媒の存在下、例
えばパラジウム触媒の存在下で水素処理することにより
遊離せしめることができる。更に、適当に置換されたベ
ンジルオキシカルボニル、例えば4−ニトロベンジルオ
キシカルボニルは、還元により、例えばアルカリ金属ジ
チオニット、例えばナトリウムジチオニットで処理する
ことにより、あるいは通常は金属と一緒に水素を発生す
ることができる水素供与体の存在下で、例えば酸、特に
適当なカルボン酸、例えば非置換のまたは例えばヒドロ
キシにより置換された低級アルカンカルボン酸、例えば
酢酸、ギ酸、グリコール酸、ジフェニルグリコール酸、
乳酸、マンデル酸、4−クロロマンデル酸もしくは酒石
酸、またはアルコールもしくはチオールの存在下で、好
ましくは水が加えられて、還元性金属、例えば亜鉛、ま
たは還元性金属塩、例えばクロム(II)塩、例えば塩化
クロム(II)での処理により、遊離カルボキシに変換す
ることもできる。上記の如く、還元性金属または金属塩
で処理することにより、2−ハロ−低級アルコキシカル
ボニル(適当な場合には2−ブロモ−低級アルコキシカ
ルボニル基を対応する2−ヨード−低級アルコキシカル
ボニル基に変換した後に)またはアロイルメトキシカル
ボニルを遊離カルボキシに変換することもできる。アロ
イルメトキシカルボニルはまた、求核性の、好ましくは
塩形成性の試薬、例えばナトリウムチオフェノラートま
たはヨウ化ナトリウムで処理することにより開裂せしめ
ることができる。2−(三置換シリル)−低級アルコキ
シカルボニル、例えば2−トリ低級アルキルシリル−低
級アルコキシカルボニルは、フッ化物アニオンを生成す
るフッ化水素酸の塩、例えばフッ化アルカリ金属、例え
ばフッ化ナトリウムもしくはカリウムでの処理により、
適当な場合には大環状ポリエーテル(「クラウンエーテ
ル」)の存在下で、または有機第四級塩基のフッ化物、
例えばテトラ低級アルキルアンモニウムフッ化物もしく
はトリ低級アルキルアリール−低級アルキルアンモニウ
ムフッ化物、例えばテトラエチルアンモニウムフッ化物
もしくはテトラブチルアンモニウムフッ化物での処理に
より、非プロトン性極性溶剤、例えばジメチルスルホキ
シドまたはN,N−ジメチルアセトアミドの存在下で、
遊離カルボキシに変換することも出来る。有機シリルオ
キシカルボニル、例えばトリ低級アルキルシリルオキシ
カルボニル、例えばトリメチルシリルオキシカルボニル
の形で保護されたカルボキシは、加溶媒分解により、例
えば水、アルコールもしくは酸での処理により、あるい
はまた上述の如きフッ化物での処理により、常法に従っ
て遊離にすることができる。エステル化されたカルボキ
シは、酵素的に、例えばエステラーゼまたは適当なペプ
チダーゼにより遊離にすることができ、例えばエステル
化されたアルギニンまたはリジン、例えばリジンメチル
エステルはトリプシンを使って酵素的に遊離にすること
ができる。分子内エステルの形、例えばγ−ラクトンの
形で保護されたカルボキシは、ヒドロキシド含有塩基、
例えばアルカリ土類金属水酸化物または特にアルカリ金
属水酸化物、例えばNaOH, KOH またはLiOH、特にLiOHの
存在下で、遊離にすることができ、この場合、対応して
保護されたヒドロキシ基も同時に遊離にすることができ
る。
【0136】保護されたアミノ基は、それ自体既知の方
法でそして保護基の性質に応じて種々の方法で、好まし
くは加溶媒分解または還元により、遊離にされる。低級
アルコキシカルボニルアミノ、例えばtert−ブトキシカ
ルボニルアミノは、酸、例えば無機酸、例えばハロゲン
化水素酸、例えば塩化水素酸もしくは臭化水素酸、特に
臭化水素酸、または硫酸もしくはリン酸、好ましくは塩
化水素酸の存在下で、極性溶媒、例えば水、カルボン
酸、例えば酢酸、またはエーテル、好ましくは環状エー
テル、例えばジオキサン中で遊離にすることができ、そ
して2−ハロ−低級アルコキシカルボニルアミノ(適当
な場合には2−ブロモ−低級アルコキシカルボニルアミ
ノ基を2−ヨード−低級アルコキシカルボニルアミノ基
に変換した後に)、アロイルメトキシカルボニルアミノ
または4−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノは、
例えば、適当な還元剤、例えば適当なカルボン酸例えば
水性酢酸の存在下での亜鉛による処理により、開裂せし
めることができる。アロイルメトキシカルボニルアミノ
は、求核性の、好ましくは塩形成性の試薬、例えばナト
リウムチオフェノラートで処理することにより分解する
こともでき、そして4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ルアミノは、アルカリ金属ジチオニット、例えばナトリ
ウムジチオニットで処理することにより分解することも
できる。非置換のまたは置換されたジフェニルメトキシ
カルボニルアミノ、tert−低級アルコキシカルボニルア
ミノまたは2−(三置換シリル)−低級アルコキシカル
ボニルアミノ、例えば2−トリ低級アルキルシリル−低
級アルコキシカルボニルアミノは、適当な酸、例えばギ
酸またはトリフルオロ酢酸で処理することにより遊離に
することができ;非置換のまたは置換されたベンジルオ
キシカルボニルアミノは、例えば好ましくは極性溶媒、
例えばジ低級アルキル−低級アルカノイルアミド、例え
ばジメチルホルムアミド、エーテル、例えば環状エーテ
ル、例えばジオキサン、またはアルコール、例えばメタ
ノール、エタノールもしくはプロパノール(メタノール
が好ましい)中で、水添分解、即ち適当な水素化触媒、
例えばパラジウム触媒の存在下での水素処理により遊離
にすることができ;非置換のまたは置換されたトリアリ
ールメチルアミノもしくはホルミルアミノは、例えば、
適当な場合には水の存在下で、酸、例えば無機酸、例え
ば塩化水素酸、または有機酸、例えばギ酸、酢酸もしく
はトリフルオロ酢酸での処理により遊離にすることがで
き;そしてシリルアミノの形で保護されたアミノ基は、
例えば加水分解またはアルコール分解により遊離にする
ことができる。2−ハロアセチル、例えば2−クロロア
セチルにより保護されたアミノ基は、塩基の存在下でチ
オ尿素を用い、またはチオラート塩、例えばチオ尿素の
アルカリ金属チオラートを用いて処理し、そして得られ
た置換生成物を次いで加溶媒分解、例えばアルコール分
解または加水分解することにより遊離にすることができ
る。2−(三置換シリル)−低級アルコキシカルボニ
ル、例えば2−トリ低級アルキルシリル−低級アルコキ
シカルボニルにより保護されたアミノ基は、対応する保
護されたカルボキシ基の遊離に関連して上記に指摘した
ようなフッ化物アニオンを生じるフッ化水素酸の塩での
処理によっても遊離アミノ基に変換することができる。
同様に、ヘテロ原子、例えば窒素原子に直接結合したシ
リル、例えばトリメチルシリルをフッ化物イオンにより
除去することができる。
【0137】アジド基の形で保護されたアミノは、例え
ば、還元により、例えば水素化触媒、例えば酸化白金、
パラジウムもしくはラネイニッケルの存在下で水素を使
った接触水添により、メルカプト化合物、例えばジチオ
トレイトールもしくはメルカプトエタノールを用いた還
元により、または酸、例えば酢酸の存在下での亜鉛によ
る処理により、遊離アミンに変換される。接触水添は、
好ましくは不活性溶媒中、例えばハロゲン化炭化水素、
例えば塩化メチレン中、あるいは水中または水と有機溶
媒例えばアルコールもしくはジオキサンとの混合物中、
約20℃〜25℃の温度で、または冷却もしくは加熱しなが
ら行なわれる。
【0138】適当なアシル基により、トリ低級アルキル
シリル基によりまたは非置換のもしくは置換された1−
フェニル−低級アルキルにより保護されたヒドロキシま
たはメルカプト基は、対応する保護アミノ基と同様に遊
離にされる。2,2−ジクロロアセチルにより保護され
たヒドロキシまたはメルカプト基は例えば塩基性加水分
解により遊離にされ、そしてtert−低級アルキルにより
または2−オキサ−もしくは2−チア−脂肪族もしくは
−脂環式炭化水素基により保護されたヒドロキシまたは
メルカプト基は酸分解により、例えば鉱酸もしくは強カ
ルボン酸、例えばトリフルオロ酢酸での処理により遊離
にされる。ピリジルジフェニルメチルにより保護された
メルカプトは、例えば水銀(II)塩を用いpH2〜6でま
たは亜鉛/酢酸もしくは電気分解還元により遊離にする
ことができ;アセトアミドメチルによりまたはイソブチ
リルアミドメチルにより保護されたメルカプトは、例え
ばpH2〜6で水銀(II)塩と反応させることにより遊離
にすることができ;2−クロロアセトアミドメチルによ
り保護されたメルカプトは、例えば1−ピペリジノチオ
カルボキサミドにより遊離にすることができ;そしてS
−エチルチオ、S−tert−ブチルチオおよびS−スルホ
により保護されたメルカプトは、例えば、チオフェノー
ル、チオグリコール酸、ナトリウムチオフェノラートま
たは1,4−ジチオトレイトールを用いたチオリシスに
より遊離にすることができる。二価の保護基を用いて、
好ましくは例えば低級アルキルにより単置換もしくは二
置換されたメチレン基、例えば低級アルキリデン、例え
ばイソプロピリデン、シクロアルキリデン、例えばシク
ロヘキシリデンまたはベンジリデンを用いて一緒に保護
された2個のヒドロキシ基または隣接するアミノ基とヒ
ドロキシ基は、酸性加溶媒分解により、特に無機酸また
は有機強酸の存在下で遊離にされ得る。トリ低級アルキ
ルシリル基は、同様にアシドリシス、例えば無機酸、好
ましくはフッ化水素酸、または強カルボン酸により除去
される。2−ハロ−低級アルコキシカルボニルは、上記
の還元剤、例えば還元性金属、例えば亜鉛、還元性金属
塩、例えばクロム(II)塩により、または硫黄化合物、
例えばナトリウムジチオニット、もしくは好ましくは硫
化ナトリウムと二硫化炭素により除去される。エステル
化されたヒドロキシ基、例えば低級アルカノイルオキ
シ、例えばアセトキシは、エステラーゼにより遊離にす
ることができ、そしてアシル化されたアミノは例えば適
当なペプチダーゼによっても遊離にすることができる。
【0139】スルホン酸エステルまたはスルホンアミド
の形で保護されたスルホ基は、例えば、酸性加水分解に
より、例えば無機酸の存在下で、または好ましくは塩基
性加水分解により、例えばアルカリ金属水酸化物もしく
はアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムを使って
遊離にされる。保護された官能基を遊離にする時の温度
は、好ましくは−80℃〜100 ℃、特に好ましくは−20℃
〜50℃、例えば10〜35℃、例えば室温の領域である。
【0140】保護された官能基が幾つか存在する場合、
所望により、複数のそのような基が例えばアシドリシス
により、例えばトリフルオロ酢酸での処理により、また
は水素と水素化触媒例えばパラジウム/炭素触媒を使っ
て同時に除去することができるように保護基を選択して
もよい。逆に、全てを同時に除去するのではなくて所望
のの順序で除去して対応する中間体を得ることができる
ようにそれらの基を選択してもよい。
【0141】追加の処理操作 所望により行われる追加の処理操作の場合、反応に関与
しない出発化合物の官能基は、未保護の形または保護さ
れた形であることができ、例えば方法a)のもとで言及
した1または複数の保護基により保護することができ
る。最終生成物において保護基を保持することができ、
あるいはそれらのうちの幾つかまたは全部を方法f)の
もとで言及した方法の一つに従って除去することができ
る。
【0142】少なくとも1つの塩形成性基を有する式I
の化合物の塩は、それ自体既知の方法で調製することが
できる。例えば、酸性基を有する式Iの化合物の塩は、
金属化合物、例えば適当な有機カルボン酸のアルカリ金
属塩、例えば2−エチルヘキサン酸のナトリウム塩で、
有機アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属化合物、例
えば対応する水酸化物、炭酸塩もしくは炭酸水素塩、例
えば水酸化ナトリウムもしくはカリウム、炭酸ナトリウ
ムもしくはカリウムまたは炭酸水素ナトリウムもしくは
カリウムで、対応するカルシウム化合物で、あるいはア
ンモニアまたは適当な有機アミンで処理することにより
形成せしめることができる。この場合、化学量論的量ま
たは好ましくは小過剰の塩形成性試薬が使われる。式I
の化合物の酸付加塩は、常法により、例えば、酸または
適当なアニオン交換試薬での処理により得られる。酸性
と塩基性の塩形成性基、例えば遊離カルボキシ基と遊離
アミノ基とを含む式Iの化合物の分子内塩は、例えば、
弱塩基を使って、塩、例えば酸付加塩を等電点まで中和
することにより、またはイオン交換体での処理により、
形成せしめることができる。
【0143】塩は常法により、金属およびアンモニウム
塩は例えば適当な酸または酸性イオン交換体での処理に
より、そして酸付加塩は例えば適当な塩基性試薬または
塩基性イオン交換体での処理により、遊離化合物に変換
することができる。
【0144】立体異性体の混合物、即ちジアステレオマ
ーおよび/または鏡像体の混合物、例えばラセミ体混合
物は、適当な分離方法によりそれ自体既知の方法で対応
する個々の異性体に分離することができる。例えば、ジ
アステレオマー混合物は、分別結晶、クロマトグラフィ
フィー、溶媒分配などにより個々のジアステレオマーに
分離することができる。ラセミ体は、例えば光学活性化
合物、例えば光学活性酸もしくは塩基との反応により、
光学活性化合物がコーティングされたカラム材料上での
クロマトグラフィーにより、または酵素的方法により、
例えば2つの鏡像体のうちの一方のみを選択的に反応せ
しめることにより、光学対掌体をジアステレオマーに変
換した後、互いに分離することができる。この分離は出
発物質のうちの一段階でまたは式Iの化合物それ自体が
得られた時のいずれかで実施することができる。
【0145】基R2 −CH2 −を担持している炭素原子
の隣位である炭素原子に結合したヒドロキシ基が遊離で
ある式Iの化合物において、方法a)のところで上述し
たようにして保護基を導入することにより、遊離ヒドロ
キシ基を保護ヒドロキシ基に変換することができる。例
えば、それをエステル化されたヒドロキシ基、例えば低
級アルカノイルオキシ、例えばアセトキシに変換するこ
とができる。エステル化は、方法a)のところで記載し
たアミドを形成する縮合と同様にして、アミノ成分の代
わりにヒドロキシ基を反応させて行われる。該反応は、
好ましくは方法a)のところで言及したのと同様な条件
下で、特に対応する低級アルカノイルオキシ基を形成す
る低級アルカノイル無水物、例えば無水酢酸を使って、
有機溶媒中で、例えば環状エーテル、例えばテトロヒド
ロフラン中で、環状tert−アミン、例えばジメチルアミ
ノピリジン、および/またはトリ低級アルキルアミン、
例えばトリエチルアミンの存在下で、0℃から反応混合
物の沸点までの温度で、特に10〜30℃の温度で行われ
る。
【0146】得ることができる式Iの化合物において、
アミノまたはカルボキサミド基を置換することができ、
遊離形または反応性形にあるカルボキシ基をエステル化
またはアミド化することができ、そしてエステル化また
はアミド化されたカルボキシ基を遊離カルボキシ基に変
換することができる。
【0147】例えば、反応させようとするアミノ基の窒
素原子が水素に結合している式Iの化合物において、結
合窒素原子と一緒になってR4 とR5 により形成された
チオモルホリノまたはモルホリノの置換基として上述し
たカルバモイル誘導体モノ−もしくはジ−低級アルキル
カルバモイルまたはモノ−もしくはジ−ヒドロキシ−低
級アルキルカルバモイルの調製のための、あるいは、結
合窒素原子と一緒になってR4 とR5 により形成された
チオモルホリノまたはモルホリノの置換アミノの前記誘
導体の形成を伴う、カルボキサミド基または別の第一も
しくは第二アミノ基の置換は、例えばアルキル化により
行われる。
【0148】式Iの化合物中のカルボキサミド基のアル
キル化に適当な剤は、例えばジアゾ化合物、例えばジア
ゾメタンである。ジアゾメタンは不活性溶媒中で分解さ
れ、形成した遊離メチレンが式Iの化合物中のカルボキ
サミド基と反応する。ジアゾメタンの分解は、好ましく
は触媒を用い、例えば微粉砕形の貴金属、例えば銅の存
在下で、または貴金属の塩、例えば塩化銅(I)もしく
は硫酸銅(II)の存在下で行なわれる。
【0149】アルキル化剤は、ドイツ公開公報第2 331
133 号にも記載されており、例えばハロゲン化アルキ
ル、スルホン酸エステル、メールバイン塩または1−置
換3−アリールトリアゼンであり、これらは前記文書中
に記載の反応条件下でカルボキサミド基を有する式Iの
化合物と反応することができる。
【0150】他のアルキル化剤は、置換基Xを有する対
応するアルキル化合物から選択される。ここでXは脱離
基である。脱離基は、特に、無機強酸または有機酸によ
りエステル化されたヒドロキシ、例えば鉱酸、例えばハ
ロゲン化水素酸、例えば塩化水素酸、臭化水素酸もしく
はヨウ化水素酸によりエステル化されたヒドロキシ、あ
るいは有機強スルホン酸、例えば非置換であるかまたは
例えばハロゲンにより、例えばフッ素により置換された
低級アルカンスルホン酸、または芳香族スルホン酸、例
えば非置換であるかまたは低級アルキルにより、例えば
メチルにより、ハロゲンにより、例えば臭素により、お
よび/またはニトロにより置換されたベンゼンスルホン
酸、例えばメタンスルホン酸、トリメタンスルホン酸も
しくはp−トルエンスルホン酸によりエステル化された
ヒドロキシ、あるいはヒドラゾ酸によりエステル化され
たヒドロキシから選択された離核性脱離基である。
【0151】アルキル化反応は、一次または二次求核置
換の条件下で行うことができる。例えば、置換基Xを有
する化合物のうちの1つ(ここでXは電子殻が高い分極
性を有する脱離基、例えば臭素またはヨウ素である)
は、極性の非プロトン性溶媒、例えばアセトン、アセト
ニトリル、ニトロメタン、ジメチルスルホキシドまたは
ジメチルホルムアミド中で反応させることができる。置
換反応は、適当な場合、低温または高温において、例え
ば約−40〜約100 ℃、好ましくは約−10〜約50℃の温度
範囲内で、適当ならば不活性ガス、例えば窒素もしくは
アルゴン雰囲気中で行なわれる。
【0152】式Iの化合物中のカルボキシ基のエステル
化またはアミド化、例えばアミノ酸例えばGlu もしくは
Asp の遊離カルボキシ基のアンモニアによるアミド化、
または結合窒素と一緒になってR4 とR5 により形成さ
れるチオモルホリノもしくはモルホリノの遊離カルボキ
シ基のアミド化には、所望により、遊離酸を使用するこ
とができ、あるいは遊離酸を上記反応性誘導体に変換し
そしてアルコール、アンモニアまたは第一もしくは第二
アミンと反応せしめることができる。また、エステル化
には、遊離酸もしくは反応性塩、例えばセシウム塩を、
アルコールの反応性誘導体と反応させることができる。
例えば、カルボン酸のセシウム塩を、該アルコールに対
応するハロゲン化物またはスルホン酸エステルと反応さ
せることができる。カルボキシ基のエステル化は、他の
常用のアルキル化剤、例えばジアゾメタン、ハロゲン化
アルキル、スルホン酸エステル、メールバイン塩または
1−置換3−アリールトリアゼン等を使って行うことも
できる。
【0153】カルボキシ保護基の除去に関して上述した
方法の1つ、または所望により、常用の反応条件下での
アルカリ加水分解、例えば"Organikum" 第17版, VEB De
utscher Verlag der Wissenschaften, Berlin 1988に記
載されたものを使って、エステル化もしくはアミド化さ
れたカルボキシ基を遊離カルボキシ基に変換することが
できる。
【0154】式Iの化合物中のエステル化カルボキシ基
は、アンモニアまたは第一もしくは第二アミンを用いた
アミノリシスにより、非置換のまたは置換されたカルボ
キサミド基に変換することが出来る。アミノリシスは、
常用の反応条件、例えばそのような反応について"Organ
ikum" 第15版, VEB Deutscher Verlag der Wissenschaf
ten, Berlin(East) 1976中に言及された条件に従って行
うことができる。
【0155】式Iの化合物中に存在する遊離アミノ基
は、例えばR1 について言及した基のうちの1つ(水素
を除く)を導入するために、アシル化することができ
る。アシル化は、方法a)のところに記載した方法に従
って、または保護基について言及した方法の1つに従っ
て、または例えば例えば"Organikum" 第17版, VEB Deut
scher Verlag der Wissenschaften, Berlin(East) 1988
に記載の方法の1つに従って行なわれる。
【0156】置換基が定義した通りでありそして少なく
とも1つの遊離ヒドロキシ基が存在し、その他の官能基
が保護された形である得られる式Iの化合物において、
遊離ヒドロキシ基、例えば結合窒素と一緒になってR4
とR5 から形成されるチオモルホリノもしくはモルホリ
ノところのヒドロキシをアシル化もしくはエーテル化す
ることができる。
【0157】アシル化は、アシル化剤を使って、方法
a)〜e)のもとで言及した方法の1つに従って、また
は保護基について言及した方法の1つに従って、または
例えば"Organikum" 第17版, VEB Deutscher Verlag der
Wissenschaften, Berlin(East) 1988に記載の方法の1
つに従って行なわれる。エーテル化は、上記のアルキル
化剤を使ってそして同じ反応条件下で、例えばジアゾメ
タン、ハロゲン化アルキル、スルホン酸エステル、メー
ルバイン塩、1−置換3−アリールトリアゼン等を使っ
て行なうことができる。
【0158】式Iの化合物において、存在する保護基ま
たは適当な基R1 (水素を除く)は、方法f)のもとで
言及した方法の1つに従って、特に加水分解により、例
えば塩基、例えばアルカリもしくはアルカリ土類金属水
酸化物、例えば水酸化ナトリウムの存在下で、または
酸、例えば有機酸もしくは鉱酸、例えばハロゲン化水素
酸、例えば塩化水素酸の存在下で、除去することができ
る。加水分解は、常用の条件下、例えば水性溶液もしく
は無水溶媒中で、特にエーテル、例えばジオキサン中
で、−50℃から対応する反応混合物の還流温度までの温
度において、例えば0℃〜50℃において、好ましくは保
護ガス、例えばアルゴンもしくは窒素の存在下で行なわ
れる。
【0159】基R2 とR3 の少なくとも一方がフェニル
基でありそして/またはB1 ,A1およびA2 の1つも
しくは複数がフェニルアラニンである式Iの化合物にお
いて、各フェニル基を上記に指摘のように置換すること
が可能であり、対応するフェニル基を選択的に還元し、
例えば水素化して対応するシクロヘキシル基を形成せし
めることが可能である。水素化は、好ましくはペプチド
結合の存在下で二重結合の選択的水素化を可能にする触
媒、特に重金属酸化物を含む触媒、例えばNishimura
S. Nishimura, Bull. Chem. Soc. Japan 33, 566 (196
0) に従ったRh(III)/Pt(VI)酸化物の存在下で、適当な
溶媒、特に水、アルコール、例えばメタノールもしくは
エタノール、エステル、例えば酢酸エチル、またはエー
テル、例えばジオキサン中で、例えばメタノール中で、
0〜150 ℃、好ましくは10〜50℃の温度、例えば室温に
おいて、そして1〜50バールの水素圧下で、例えば常圧
で行われる。
【0160】本発明は、いずれかの段階で中間体として
得られる化合物を出発物質として使用して残りの段階を
行うか、方法がいずれかの段階で中断されるか、出発物
質が反応条件下で形成されるかまたは反応性誘導体もし
くは塩の形で使用されるか、あるいは本発明の方法に従
って得られる化合物が反応条件下で形成されそして更に
その場で処理されるという方法の変形にも関する。用い
られる出発物質は、好ましくは、上記において好ましい
ものとして言及した化合物、より一層好ましいものとし
て言及した化合物、非常に好ましいものとして、更に一
層好ましいものとして、特に着目されるものとして、最
も着目されるものとして、または非常に重要なものとし
て言及した化合物をもたらすような出発物質である。
【0161】医薬組成物:本発明は、式Iの化合物を含
有する医薬組成物にも関する。薬理学上許容される本発
明の化合物は、例えば有意な量の無機または有機の、固
体または液体の医薬上許容される担体と一緒にまたは混
合して有効量の活性成分を含んで成る医薬組成物の調製
のために使用することができる。
【0162】本発明の医薬組成物は、温血動物(ヒトお
よび動物)への、腸内、例えば鼻内、直腸もしくは経
口、または非経口、例えば筋肉内もしくは静脈内投与用
の組成物であって、単独でもしくは有意な量の医薬上許
容される担体と共に薬理活性成分の有効量を含んで成
る。活性成分の用量は、温血動物の種、体重、年齢およ
び個体の状態、個体の薬力学的要因、治療すべき病気並
びに投与方法に依存する。
【0163】本発明は、レトロウイルスにより引き起こ
される病気、例えばエイズ(AIDS)の治療方法にも関
し、該方法は本発明の式Iの化合物の治療的有効量を、
上記病気のためそのような治療を必要とする温血動物
に、例えばヒトに投与することを含んで成る。温血動
物、例えば約70kgの体重のヒトに投与すべき用量は、1
日1人当り約3mg〜約10g、好ましくは約40mg〜約4g
、例えば約300mg 〜1.5 g であり、好ましくは1〜3
回の1回量に分けられ、この1回量は例えば同じ大きさ
のものであってよい。通常子供には成人の量の半分を投
与する。
【0164】医薬組成物は約1%〜約95%、好ましくは
約20%〜約90%の活性成分を含有する。本発明の医薬組
成物は、例えば単位用量形態、例えばアンプル、バイア
ル、座剤、糖剤、錠剤またはカプセル剤の形であること
ができる。本発明の医薬組成物は、それ自体公知の方法
により、例えば常用の溶解、凍結乾燥、混合、造粒また
はコーティング方法により調製される。
【0165】活性成分の溶液、懸濁液または分散液、特
に等張水性溶液、分散液または懸濁液を使用することは
好ましい。例えば、単独でまたは担体例えばマンニトー
ルと共に活性成分を含有する凍結乾燥組成物の場合に
は、使用前にそのような溶液、分散液または懸濁液を製
造することが可能である。医薬組成物は滅菌することが
でき、そして/または賦形剤、例えば保存剤、安定剤、
湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧調整用
の塩および/または緩衝剤を含むことができ、そして更
にそれ自体公知の方法で、例えば通常の溶解または凍結
乾燥法により調製される。上述の溶液または懸濁液は、
増粘性物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリ
ウム、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポ
リビニルピロリドンまたはゼラチンを含んでもよい。
【0166】油中懸濁液は、油成分として注射用に通常
使われている合成または半合成の植物油を含んで成る。
そのようなものとしては、8〜22個、特に12〜22個の炭
素原子を有する長鎖脂肪酸、例えばラウリン酸、トリデ
シル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン
酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘ
ン酸または対応する不飽和酸、例えばオレイン酸、エラ
イジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸もしくはリノール酸
を酸成分として含有し、適当であれば酸化防止剤、例え
ばビタミンE、β−カロチンまたは3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシトルエンの添加を伴う、液体脂
肪酸エステルを挙げることができる。それらの脂肪酸エ
ステルのアルコール成分は、最大6個の炭素原子を有し
そして一価または多価、例えば一価、二価もしくは三価
のアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノールもしくはペンタノールまたはそれら
の異性体であるが、特にはグリコールおよびグリセロー
ルである。従って脂肪酸エステルとしては、例えば、オ
レイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチ
ン酸イソプロピル、"Labrafil M 2375" (ポリオキシエ
チレングリセロールトリオレエート、Gattefosse, パ
リ)、"Miglyol 812" (C8 〜C12の鎖長を有する飽和
脂肪酸のトリグリセリド、Huls AG, Germanyにより製
造)が挙げられるが、特には植物油、例えば、綿実油、
扁桃油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、大豆油および
特に落花生油である。
【0167】注射用組成物は滅菌条件下で常法により調
製され、また該組成物をアンプルもしくはバイアルに充
填し次いで容器を密封することもできる。経口投与用の
医薬組成物は、活性成分を固体担体と混合し、所望によ
り得られた混合物を造粒し、次いで所望または必要によ
り適当な賦形剤を添加した後、混合物または顆粒を錠
剤、糖剤コアまたはカプセルに加工することにより、あ
るいは好ましくはリン脂質を使って分散液を調製し、そ
れを小さい瓶に充填することにより調製することができ
る。また、制御された量で活性成分を放出するかまたは
分散させるようなプラスチックキャリヤーに活性成分を
混和させることも可能である。
【0168】適当な担体は、特に、充填剤、例えば糖、
例えば乳糖、ショ糖、マンニトールもしくはソルビトー
ル、セルロース製品および/またはリン酸カルシウム、
例えばリン酸三カルシウムもしくはリン酸水素カルシウ
ム、更には結合剤、例えばトウモロコシ、小麦、米もし
くはジャガイモのデンプンを使ったデンプン糊、ゼラチ
ン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナ
トリウムおよび/またはポリビニルピロリドン、および
/または、所望により、崩壊剤、例えば上述のデンプ
ン、カルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリ
ドン、寒天またはアルギン酸もしくはその塩、例えばア
ルギン酸ナトリウムである。賦形剤は、特に流れ調整剤
および潤滑剤、例えばケイ酸、タルク、ステアリン酸も
しくはその塩、例えばステアリン酸マグネシウムもしく
はカルシウム、および/またはポリエチレングリコール
である。糖剤コアに適当なコーティングが用意され、こ
のコーティングは胃液に耐性であってもよい。該コーテ
ィングは、特にアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロ
リドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化
チタンを含有する濃糖液、適当な有機溶剤中のコーティ
ング溶液、あるいは腸溶コーティングの調製には、適当
なセルロース製品、例えばエチルセルロースフタレート
もしくはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
トの溶液が用いられる。カプセルは、ゼラチンから成る
乾式充填カプセル、更にはゼラチンと可塑剤、例えばグ
リセロールもしくはソルビトールとから成る軟質密閉カ
プセルである。乾式充填カプセルは、例えば充填剤、例
えばラクトース、結合剤、例えばデンプンおよび/また
は滑沢剤、例えばタルクもしくはステアリン酸マグネシ
ウム、並びに所望により安定剤と共に、顆粒の形で活性
成分を含有することができる。軟カプセルでは、活性成
分は好ましくは適当な油状賦形剤、例えば脂肪油、パラ
フィン油または液体ポリエチレングリコール中に懸濁も
しくは溶解され、それに安定剤または抗菌剤を加えても
よい。例えば識別の目的でまたは活性成分の種々の用量
を表示するために、錠剤または糖剤コーティングに着色
剤または顔料を添加してもよい。
【0169】医薬組成物として特に好ましいのは、リン
脂質により安定化された活性成分の分散液、特に経口投
与用の分散液であって、 a)式A:
【化25】 (上式中、RA はC10-20 アシルであり、RB は水素ま
たはC10-20 アシルであり、Ra ,Rb およびRc は各
々水素またはC1-4 アルキルであり、そしてnは2〜4
の整数である)の1種または数種のリン脂質、所望によ
り、 b)他の1種または数種のリン脂質、 c)活性成分、および d)医薬上許容される担体、並びに所望により、更なる
賦形剤および/または保存剤 を含んで成る。
【0170】それらの分散液の調製方法は次のようであ
る。まず、成分a)とc)の溶液もしくは懸濁液または
a),b)およびc)の溶液もしくは懸濁液、好ましく
は20:1〜1:5 、特に5:1 〜1:1 の重量比のa)とb)の
溶液もしくは懸濁液を、水で希釈することにより分散液
に変換し、次いで有機溶媒を例えば遠心、ゲル濾過、限
外濾過または特に透析、例えば接線流透析、好ましくは
水に対する透析によって除去し、得られた分散液を好ま
しくは賦形剤または保存剤の添加後、必要であれば医薬
上許容される緩衝剤、例えばリン酸塩または有機酸(純
粋な形または水に溶解された形)、例えば酢酸またはク
エン酸の添加により、許容されるpH値、好ましくはpH 3
〜6 、例えばpH 4〜5 に調製し、それがまだ正しい活性
成分濃度になっていない場合には、2 〜30 mg/ml、特に
10〜20 mg/mlの活性成分濃度に濃縮する。この濃縮は、
好ましくは有機溶媒の除去について上記に挙げた方法、
特に限外濾過により、例えば特に接線流透析および限外
濾過を行うための装置を使って行われる。
【0171】該方法に従って調製することができるリン
脂質により安定化された分散液は、室温で少なくとも数
時間の間安定であり、成分の構成量に関して再現性があ
り、そして毒物学的に無害であり、従ってヒトへの経口
投与に特に適当である。該分散液中の生成粒子の大きさ
は多様であり、好ましくは約1.0 ×10-8〜約1.0 ×10-5
m、特に約10-7〜約2 ×10-6 mである。
【0172】式Iのリン脂質の命名法および炭素原子の
ナンバリングは、IUPAC-IUB Commission on Biochemica
l Nomenclature(sn命名法、立体特異的ナンバリング)
によるEur. J. of Biochem. 79, 11-21 (1977) "Nomenc
lature of Lipids" において与えられた推奨基準に準じ
る。
【0173】式Aのリン脂質において、各々C10-20
シルを表すRA とRB は、好ましくは偶数の炭素原子を
有する直鎖C10-20 アルカノイルまたは1個の二重結合
と偶数の炭素原子を有する直鎖C10-20 アルケノイルで
ある。偶数の炭素原子を有する直鎖C10-20 アルカノイ
ルRA およびRB は、例えばn−ドデカノイル、n−テ
トラデカノイル、n−ヘキサデカノイルまたはn−オク
タデカノイルである。1個の二重結合と偶数の炭素原子
を有する直鎖C10-20 アルケノイルRA およびRB は、
例えば、6−シス−、6−トランス−、9−シス−また
は9−トランス−ドデセノイル、−テトラデセノイル、
−ヘキサデセノイル、−オクタデセノイルまたは−エイ
コセノイル、特に9−シス−オクタデセノイル(オレオ
イル)である。
【0174】式Aのリン脂質において、nは2〜4の整
数であり、好ましくは2である。式−(Cn 2n)−の
基は直鎖または枝分かれアルキレン、例えば1,1−エ
チレン、1,1−、1,2−もしくは1,3−プロピレ
ンまたは1,2−、1,3−もしくは1,4−ブチレン
である。1,2−エチレン(n=2)が好ましい。
【0175】式Aのリン脂質は、例えば、Ra ,Rb
よびRc が各々水素である天然のセファリン、またはR
a ,Rb およびRc が各々メチルである天然のレシチ
ン、例えば同一もしくは異なるアシル基RA およびRB
を有する大豆、ウシ脳、ウシ肝臓またはニワトリ卵から
のセファリンもしくはレシチン、またはそれらの混合物
である。同一または異なるアシル基RA およびRB を有
する式Aの実質的に純粋な合成リン脂質が好ましい。
【0176】式Aの「合成」リン脂質なる用語は、RA
およびRB に関して均一な組成を有するリン脂質を意味
する。そのような合成リン脂質は、好ましくは下記に定
義されるようなレシチンおよびセファリンであり、その
アシル基RA およびRB が科学的に限定された構造を有
しそして約95%より大きい純度を有する限定された脂肪
酸から誘導されるものである。RA およびRB は同一で
あっても異なってもよく、飽和であっても不飽和であっ
てもよい。RA は好ましくは飽和であり、例えばn−ヘ
キサデカノイルであり、RB は好ましくは不飽和であ
り、例えば9−シス−オクタデセノイル(=オレオイ
ル)である。
【0177】式Aの「天然の」リン脂質なる用語は、R
A およびRB に関して均一な組成を有さないリン脂質を
意味する。そのような天然のリン脂質は、アシル基RA
およびRB が構造的に限定できないものでありそして天
然の脂肪酸混合物から誘導される、レシチンおよびセフ
ァリンである。
【0178】「実質的に純粋な」リン脂質なる表現は、
適当な分析方法、例えば濾紙クロマトグラフィーを使っ
て測定することができる70%(重量)より大きな純度の
式Aのリン脂質を意味する。
【0179】特に好ましいのは、RA が偶数の炭素原子
を有する直鎖C10-20 アルカノイルであり、そしてRB
が1個の二重結合と偶数の炭素原子を有する直鎖C
10-20 アルケノイルであり、Ra ,Rb およびRc が各
々メチルであり、そしてnが2である、式Aの実質的に
純粋な合成リン脂質である。
【0180】特に好ましい式Aのリン脂質では、RA
n−ドデカノイル、n−テトラデカノイル、n−ヘキサ
デカノイルまたはn−オクタデカノイルであり、そして
Bは9−シス−ドデセノイル、9−シス−テトラデセ
ノイル、9−シス−ヘキサデセノイル、9−シス−オク
タデセノイルまたは9−シス−エイコセノイルである。
a ,Rb およびRc は各々メチルであり、そしてnは
2である。
【0181】非常に好ましい式Aのリン脂質は、95%以
上の純度を有する合成の1−n−ヘキサデカノイル−2
−(9−シス−オクタデセノイル)−3−sn−ホスファ
チジルコリンである。式Aの実質的に純粋な好ましい天
然のリン脂質は、特に大豆またはニワトリ卵からのレシ
チン(L−α−ホスファチジルコリン)である。
【0182】式Aのリン脂質中のアシル基に対する名称
として括弧内に示す名称も使われる:9−シス−ドデセ
ノイル(ラウロレオイル)、9−シス−テトラデセノイ
ル(ミリストレオイル)、9−シス−ヘキサデセノイル
(パルミトレオイル)、6−シス−オクタデセノイル
(ペトロセロイル)、6−トランス−オクタデセノイル
(ペトロセライドイル)、9−シス−オクタデセノイル
(オレオイル)、9−トランス−オクタデセノイル(エ
ライドイル)、11−シス−オクタデセノイル(バセノ
イル)、9−シス−エイコセノイル(ガドレオイル)、
n−ドデカノイル(ラウロイル)、n−テトラデカノイ
ル(ミリストイル)、n−ヘキサデカノイル(パルミト
イル)、n−オクタデカノイル(ステアロイル)、n−
エイコサノイル(アラキドイル)。
【0183】他の好ましいリン脂質は、上記のアシル基
を有するホスファチジル酸(3−sn−ホスファチジル
酸)のエステル、例えばホスファチジルセリンおよびホ
スファチジルエタノールアミンである。難溶性の活性成
分は、上記で定義したような水溶性の医薬上許容される
塩の形であることもできる。
【0184】成分a),b)およびc)またはa)およ
びc)は、数日から数週間の間、固体または固体凝集物
例えばミセルが再形成しないように担体液体d)中のリ
ポソームとして含まれ、そして前記成分を有する液体
を、適当であれば濾過した後、好ましくは経口投与する
ことができる。
【0185】担体液体d)は、医薬上許容される非毒性
の賦形剤、例えば等張状態の生成に適当である水溶性賦
形剤、例えばイオン性添加剤、例えば塩化ナトリウム、
または非イオン性添加剤(構造形成剤)、例えばソルビ
トール、マンニトールもしくはグルコース、またはリポ
ソーム分散のための水溶性安定剤、例えばラクトース、
フルクトースもしくはシュクロースを含むことができ
る。
【0186】水溶性賦形剤に加えて、担体液体は液状医
薬組成物に用いることができる乳化剤、湿潤剤または界
面活性剤、特に乳化剤、例えばオレイン酸、脂肪酸ポリ
ヒドロキシアルコールエステル型の非イオン性界面活性
剤、例えばソルビタンモノラウレート、−オレエート、
−ステアレートもしくは−パルミテート、ソルビタント
リステアレートもしくはトリオレエート、脂肪酸ポリヒ
ドロキシアルコールエステルのポリオキシエチレン付加
物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト、−オレエート、−ステアレート、−パルミテート、
トリステアレートもしくはトリオレエート、ポリエチレ
ングリコール脂肪酸エステル、例えばポリオキシエチル
ステアレート、ポリエチレングリコール400 ステアレー
ト、ポリエチレングリコール2000ステアレート、特にPl
uronicTM型(Wyandotte Chem. Corp.) もしくはSynperon
icTM型 (ICI)のエチレンオキシド/プロピレンオキシド
ブロックポリマーを含むことができる。好ましい保存剤
は、例えば、酸化防止剤、例えばアスコルビン酸、また
は抗菌剤、例えばソルビン酸もしくは安息香酸である。
【0187】出発物質:本発明はまた、新規出発物質お
よび/または中間体並びにそれらの製造方法に関する。
使用する出発物質と選択する反応条件は、好ましいもの
として先に挙げた化合物が得られるようなものである。
【0188】全ての出発物質の調製において、特定の反
応に関与しない遊離官能基は、未保護であるかまたは保
護された形であり、例えばそれらは方法a)のもとで記
載した保護基によって保護することができる。これらの
保護基は方法f)のもとで記載した反応により適当な時
期に除去することができる。塩形成性基を有する化合物
は塩の形で用いることもでき、そしていずれかの段階で
塩を形成せしめることができ、または再度遊離化合物に
変換せしめることができる。
【0189】式中、不斉炭素原子の立体化学が対応する
結合記号の選択によって直接定義されない限り、不斉炭
素原子の立体配置は(S),(R)または(S,R)か
ら選ばれた特定の立体配置記号によって定義される。式
IIのカルボン酸もしくはスルホン酸またはその反応性誘
導体は既知であり商業的に入手可能であるか、またはそ
れ自体既知の方法によって調製することができる。
【0190】式III の化合物は既知であるかまたはそれ
自体既知の方法によって調製することができる。例え
ば、式XII の化合物:
【化26】 (式中、R2 は式Iの化合物について定義した通りであ
り、そしてPa はアミノ保護基、特に低級アルコキシカ
ルボニル、例えばtert−ブトキシカルボニル、またはフ
ェニル−低級アルコキシカルボニル、例えばベンジルオ
キシカルボニルである)を還元し、式XIIIの化合物:
【化27】 (式中の基は上記で定義した通りである)を形成せしめ
ることにより得ることができる。
【0191】式XII のアミノ酸誘導体から対応するアル
デヒドXIIIへの還元は、例えば、対応するアルコールへ
の還元そして次に式XIIIのアルデヒドへの酸化によって
行うことができる。
【0192】アルコールへの還元は、特に、方法a)の
もとで言及した対応する酸ハライドもしくは他の活性カ
ルボン酸誘導体の水素化により、または式XII の化合物
の活性カルボン酸誘導体、特に有機カルボン酸との無水
物、好ましくはハロギ酸エステル、例えばクロロギ酸イ
ソブチルエステル(これは好ましくは、式XII の化合物
を塩基性アミン、例えばトリ低級アルキルアミン、例え
ばトリエチルアミンの存在下で、有機溶媒、例えば環状
エーテル、例えばジオキサン中で、−50〜80℃、好まし
くは0 〜50℃の温度で反応させることにより得られる)
を、水性溶液中で上記で使った有機溶媒の存在下または
非存在下で、例えば−50〜80℃、好ましくは0 〜50℃の
温度において、錯体水素化物、例えば水素化ホウ素アル
カリ金属、例えば水素化ホウ素ナトリウムと反応させる
ことにより、行われる。得られたアルコールのその後の
酸化は、例えば、ヒドロキシ基を選択的にアルデヒド基
に変換する酸化剤、例えばクロム酸もしくはその誘導
体、例えばピリジニウムクロメートもしくはtert−ブチ
ルクロメート、ジクロメート/硫酸、複素環式塩基の存
在下での三酸化硫黄、例えばピリジン/SO3 、ジ低級ア
ルキルスルホキシド、例えばジメチルスルホキシド、更
には硝酸、軟マンガン鉱または二酸化セレンを用いて、
水、水性または有機溶媒、例えばハロゲン化溶媒、例え
ば塩化メチレン、カルボン酸アミド、例えばジメチルホ
ルムアミド、および/または環状エーテル、例えばテト
ラヒドロフラン中で、塩基性アミン、例えばトリ低級ア
ルキルアミン、例えばトリエチルアミンの存在下または
非存在下で、−70〜100 ℃、好ましくは−70〜−50℃ま
たは−10〜50℃の温度で、例えばヨーロッパ特許出願EP
-A-0 236 734に記載のようにして行われる。
【0193】式XII の化合物をアルデヒドへ直接還元す
ることも可能であり、例えば部分的に弱力化されたパラ
ジウム触媒の存在下で水素化することにより、あるいは
対応するアミノ酸エステル、例えば低級アルキルエステ
ル、例えばエチルエステルを、錯体水素化物、例えば水
素化ホウ素、例えば水素化ホウ素ナトリウム、または好
ましくは水素化アルミニウム、例えば水素化リチウムア
ルミニウム、水素化トリ(tert−ブトキシ)アルミニウ
ムリチウムもしくは特に水素化アルミニウムジイソブチ
ルを使って、非極性溶媒、例えば炭化水素もしくは芳香
族溶媒、例えばトルエン中で、−100 〜0 ℃、好ましく
は−70〜−30℃で還元し、次いで例えばセミカルバゾン
の対応する酸塩、例えばセミカルバジド塩酸塩を用いて
水性溶媒系、例えばアルコール/水、例えばエタノール
/水中で、−20〜60℃、好ましくは10〜30℃の温度で反
応させて対応するセミカルバゾンを形成させ、そして得
られたセミカルバゾンを、不活性溶媒、例えば極性有機
溶媒、例えばカルボン酸アミド、例えばジメチルホルム
アミド中で、−30〜60℃、好ましくは0 〜30℃の温度
で、反応性アルデヒド、例えばホルムアルデヒドと反応
させ、次いで水性溶液中、所望により前に用いた溶媒の
存在下で、−40〜50℃、好ましくは−10〜30℃の温度
で、酸、例えば無機強酸、例えばハロゲン化水素酸と反
応させることにより行われる。対応するエステルは、方
法b)のもとで縮合に用いた条件と同様に、アミノ酸を
対応するカルボン酸と例えばエタノール中で反応させる
ことにより、例えば有機溶媒混合物、例えば芳香族溶媒
とアルコール性溶媒の混合物、例えばトルエンとエタノ
ールの混合物中で、−50〜50℃、好ましくは−10〜20℃
の温度で、無機酸ハライド、例えばチオニルクロリドと
反応させることにより得られる。
【0194】式XIIIの化合物の調製は、特に好ましくは
J. Org. Chem. 47, 3016 (1982) ;J. Org. Chem. 43, 3
624 (1978) ; またはJ. Org. Chem. 51, 3921 (1986)
に記載された反応条件と同様な条件下で行われる。
【0195】式III の化合物の合成のためには、式XIII
の化合物を、不活性溶媒、例えばエーテル、例えばジエ
チルエーテル、環状エーテル、例えばジオキサン、また
はエステル、例えば酢酸エチル中で、−100 〜50℃、好
ましくは−65〜40℃の温度で、反応性テトラアルキルシ
ラン、好ましくはハロメチルトリ低級アルキルシラン、
例えばクロロメチルトリメチルシランと反応させ、式XI
V の化合物:
【化28】 (上式中、R6 ,R7 およびR8 は各々低級アルキル、
例えばメチルであり、その他の基は上記で定義した通り
である)を得、
【0196】そして得られた式XIV の化合物を、ルイス
酸、例えばトリフッ化ホウ素エチルエーテラートの存在
下で、不活性溶媒、特にハロゲン化炭化水素、例えば塩
化メチレン中で、−30〜80℃、特に0 〜50℃の温度で、
水性塩基、例えば水酸化ナトリウム溶液で後処理し、脱
離せしめそして保護基を除去することにより、式XVのオ
レフィン化合物:
【化29】 (R2 は式Iの化合物について定義した通りである)に
変換し、
【0197】アミノ保護基の導入について方法a)のも
とで記載したようにして、特に酸無水物を使って、塩素
化炭化水素、例えば塩化メチレン中で−50〜80℃、特に
0 〜35℃の温度において、対応するオレフィン化合物に
アミノ保護基Pa を再導入し、式XVI の保護アミノ−オ
レフィン:
【化30】 (式中の基は上記で定義した通りである)を得、
【0198】過酸化物、特にペルオキシカルボン酸、例
えばハロ過安息香酸、例えばm−クロロ過安息香酸を使
って、不活性有機溶媒、好ましくはハロゲン化炭化水
素、例えば塩化メチレン中で、−50〜60℃、特に−10〜
25℃の温度において、好ましくは立体選択的に、二重結
合をオキシランに変換し、そして、必要であれば、ジア
ステレオマーを分離し、式XVIIのエポキシド:
【化31】 (式中の基は上記で定義した通りである)を得、
【0199】次いで、例えばアルカリ金属、例えばナト
リウムを使って、非水性極性溶媒、例えばアルコール、
例えばメタノールまたはエタノール中で、−50〜80℃、
特に0〜35℃の温度において、適当なマロン酸ジエステ
ル、例えばマロン酸ジメチルエステルまたはマロン酸ジ
エチルエステルを前記オレフィンに付加せしめ、そして
該溶液を酸、例えばカルボン酸、例えばクエン酸で処理
し、式XVIII のラクトン:
【化32】 (式中、R9 は低級アルコキシ、例えばメトキシまたは
エトキシであり、その他の基は上記で定義した通りであ
る)を得、
【0200】所望であれば、R2 が非置換のフェニルで
あるかまたは式Iの化合物について記載したように置換
されたフェニルであるそのようなラクトンにおいて、特
に水素化により、好ましくは触媒、例えば貴金属酸化
物、例えばRh(III)/Pt(VI)酸化物の混合物(Nishimura
による)の存在下で、好ましくは極性溶媒、例えばアル
コール、例えばメタノール中で、常圧下または5バール
までの圧力下で、好ましくは常圧下で、−20〜50℃、好
ましくは10〜35℃の温度において、R2 をシクロヘキシ
ルに還元し、
【0201】直接得られたまたは水素化後に得られた式
XVIII の化合物を、基R3 −CH2 −を導入する試薬、
例えば式R3 −CH2 −Wの試薬(ここでR3 は式Iの
化合物について定義した通りであり、Wは強無機酸また
は有機酸によりエステル化されたヒドロキシ、例えば鉱
酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩化水素酸、臭化
水素酸もしくはヨウ化水素酸によりエステル化されたヒ
ドロキシ;あるいは強有機スルホン酸によりエステル化
されたヒドロキシ、例えば非置換であるかまたは例えば
ハロゲンにより例えばフッ素により置換された低級アル
カンスルホン酸、または芳香族スルホン酸、例えば非置
換であるかまたは低級アルキルにより、例えばメチルに
より、ハロゲンにより、例えばフッ素により、および/
またはニトロにより置換されたベンゼンスルホン酸、例
えばメタンスルホン酸、トリメタンスルホン酸またはp
−トルエンスルホン酸によりエステル化されたヒドロキ
シ;あるいはアジ化水素によりエステル化されたヒドロ
キシ、から選ばれた離核性基、特に臭素である)と、非
水性溶媒中、例えばアルコール、例えばエタノール中
で、アルカリ金属、例えばナトリウムの存在下で、−50
〜80℃、好ましくは0 〜35℃の温度において反応させ、
式XIX の化合物:
【化33】 (式中の基は上記で定義した通りである)を得、
【0202】式XIX の化合物を、例えば、塩基、例えば
アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウムを使っ
て、−50〜80℃、好ましくは0 〜35℃において、有機溶
媒、例えばエーテル、例えばジメトキシエタン中で加水
分解し、次いで不活性溶媒、好ましくは炭化水素、例え
ば芳香族炭化水素、例えばトルエン中で、40〜120 ℃、
好ましくは70〜100 ℃の温度に加熱することにより脱炭
酸せしめ、式XXの化合物:
【化34】 (式中の基は上記で定義した通りである)を得、
【0203】こうして得られた(R,S,S)−異性体
と(S,S,S)−異性体をカラムクロマトグラフィー
により分離し、(R,S,S)−異性体を次の反応に使
用し、そしてラクトン環を開環するために、不活性溶
媒、例えばエーテル、例えばジメトキシエタン中で、塩
基、例えばアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウ
ムと反応せしめ、式XXI の化合物:
【化35】 (式中の基は上記で定義した通りである)を得、
【0204】得られた式XXI の化合物に、ヒドロキシ保
護基Py 、例えば方法a)のもとで言及したヒドロキシ
保護基のうちの1つ、特にトリ低級アルキルシリル基
を、方法a)のもとで言及した条件下で、対応するハロ
−トリ低級アルキルシラン、例えばtert−ブチルジメチ
ルクロロシランの助けをかりて、極性溶媒、例えばジ低
級アルキル−低級アルカノイルアミド、例えばジメチル
ホルムアミド中で、立体障害のあるアミノ化合物、例え
ば環状アミン、例えばイミダゾールの存在下で、−50〜
80℃、好ましくは0 〜35℃の温度において導入し、式XX
IIの化合物:
【化36】 (式中の基は上記で定義した通りである)を得、
【0205】そしてこの化合物から、例えば方法a)に
示した条件下で、式VII の化合物〔式中の基は方法c)
のもとで定義した通りである〕との縮合により、特に縮
合剤、例えばベンゾチアゾール−1−イルオキシ−トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホス
フェートまたはO−ベンゾトリアゾール−1−イル−
N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフ
ルオロホスフェート、立体障害のあるアミン、例えばN
−メチルモルホリン、およびラセミ化を防ぐ化合物、例
えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下で、極
性溶媒、好ましくは酸アミド、例えばジ低級アルキルア
ミノ−低級アルカノイルアミド、例えばジメチルホルム
アミド中で、−50〜80℃、特に0 〜35℃の温度において
その場で反応せしめ、
【0206】次いで方法f)のもとで記載した通りに保
護基Pa をその後除去し、ただしPaは式Iの化合物に
ついて基H−B1 −の上記定義と一致する基ではないこ
とを前提とし(B1 が結合である場合の定義から除去す
る)、上記に言及した縮合条件下で式H−B1 ′−OH
の化合物〔B1 は方法b)のもとで定義した通りであ
る〕と縮合せしめ、そして最後に方法f)のもとで記載
したようにPy および/または他の保護基を除去するこ
とにより、方法a)のもとで指摘した基を有する式III
の化合物が製造される。式III の化合物の調製のため
に、式XXIIの化合物を式VII の化合物の基−B1 −,−
1 −,−A2 −,−A1 −A2 −,A2 −NR4 5
および/または−NR4 5 を導入する化合物と連続的
に反応させることも可能である。
【0207】あるいは、前記式XVの化合物は、-NH2基を
担持している炭素原子のところが表示した(S)−配置
の代わりに(R,S)−配置にあることができ、式XII,
XIII, XIVの化合物、特に式XVI, XVII, XVIII, XIX, X
X, XXIおよび/またはXXIIの化合物は、Pa-NH-基を担持
している炭素原子のところが(S)−配置の代わりに
(R,S)−配置にあることができ、そして対応するラ
セミ体混合物またはジアステレオマー混合物を任意の段
階で分離することもできる。
【0208】式XXの化合物(式中の基は上記で定義した
通りである)はまた、式XIIIのアルデヒド(式中の基は
上記で定義した通りである)を2−ハロプロピオン酸エ
ステル、特に2−ヨードプロピオン酸エステル、例えば
2−ヨードプロピオン酸エチルエステルと反応させて、
式XXIII の化合物:
【化37】 〔式中の基は上記で定義した通りであり、そしてPa-NH-
基を担持している炭素原子は(R,S)−配置であるこ
ともできる〕を与えることにより、式XIIIの化合物から
調製される。
【0209】この反応は、最初にジ低級アルキル−低級
アルカノイルアミド、例えばジメチルアセトアミド中
で、0〜100 ℃、特に20〜80℃の温度において、Zn/Cu
の混合物の存在下での2−ハロプロピオン酸エステルの
ホモエノラートの形成によって行われる。もう1つのバ
ッチにおいて、四ハロゲン化チタン、例えば四塩化チタ
ンを、好ましくは保護ガス下で、例えば窒素またはアル
ゴン下で、芳香族溶媒、例えばトルエンまたはキシレン
中で、ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレンの存在
下で、テトラ低級アルキルオルトチタネート、例えばテ
トライソプロピルオルトチタネートに添加し、そして全
体を0〜50℃、特に20〜30℃で攪拌し、対応するジハロ
チタニウムジ低級アルカノラートまたは好ましくはトリ
ハロチタニウム低級アルカノラート、特にトリクロロチ
タニウムジイソプロパノラートを形成させる。それに−
50〜0 ℃、特に−40〜−25℃の温度で亜鉛ホモエノラー
ト溶液を滴下添加し、次いでハロゲン化炭化水素中、例
えば塩化メチレン中の式XIIIのアルデヒドを滴下添加
し、反応を−50〜30℃、好ましくは−20〜5 ℃で行って
式XXIII の化合物のエステル、特にエチルエステルを形
成させる。次いでそのエステルを、好ましくは有機溶
媒、例えば芳香族化合物、例えばトルエンまたはキシレ
ン中で、酸、例えばカルボン酸、例えば酢酸の存在下
で、20℃から反応混合物の沸点までの温度、特に70〜90
℃の温度において加水分解し、上記の式XIIIの化合物を
形成せしめる。必要であれば、ジアステレオマーを、例
えばクロマトグラフィーにより、例えばシリカゲル上で
有機溶媒の混合物を使って、例えばアルカンとエステル
の混合物、例えば低級アルカンと低級アルキル−低級ア
ルカノイルエステルの混合物、例えばヘキサン/酢酸エ
チルの混合物を使って分離する。
【0210】次いで、ラクトンのオキソ基に隣接するα
−炭素のところに形成されるカルバニオンを得るための
強塩基による脱プロトン化、そして次に式R3 −CH2
Wの化合物(ここでR3 とWは、式XIX の化合物の調製
に関して上記で定義した通りである)の基Wの求核置換
により式XXIII の化合物から式XXの対応化合物が得られ
る。この反応は、式XXの化合物中の基R3 −CH2 を担持
している炭素原子のところに立体選択的に(R)−配置
をもたらす。強塩基、特にアルカリ金属有機ケイ素アミ
ド化合物、例えばアルカリ金属ビス(トリ低級アルキル
シリル)アミド、例えばリチウムビス(トリメチルシリ
ル)アミド、またはアルカリ金属ジ低級アルキルアミ
ド、例えばリチウムジイソプロピルアミドとの反応は、
好ましくは不活性有機溶媒、特にエーテル、例えば環状
エーテル、例えばテトラヒドロフラン中で、−100 〜0
℃、好ましくは−78〜50℃の温度において行われ、そし
て求核置換反応は、好ましくは式R3 −CH2 −Wの化合
物を同溶媒中で−100 〜0 ℃、好ましくは−60〜−40℃
の温度において添加することにより、その場で行われ
る。
【0211】基が上記に定義した通りでありそして-NH2
基を担持している炭素原子が好ましくは(R,S)−配
置にある式XVの化合物は、ギ酸エステル、例えばギ酸低
級アルキルエステル、例えばギ酸エチルエステルを、20
〜70℃、特に50〜60℃の温度でのアリルアミンとの反応
により、ギ酸アリルアミドに変換することによっても得
ることができる。次いでそのアミドを、保護ガス下で、
例えば窒素またはアルゴン下で、50〜100 ℃、特に約80
〜約100 ℃の温度で、好ましくは酸ハライド、例えばオ
キシ塩化リン、ホスゲンまたは特に有機スルホン酸ハラ
イド、例えばアリールスルホン酸クロリド、例えばトル
エンスルホン酸クロリドを使って、塩基、例えばトリ低
級アルキルアミン、例えばトリエチルアミン、または特
に単環式もしくは二環式アミン、例えばピリジンもしく
はキノリンの存在下で脱水する。それを行うとアリルイ
ソシアネートが形成し、そして有機リチウム塩、例えば
低級アルキルリチウム、例えばn−ブチルリチウムとの
反応により、アリルイソシアネートを対応するリチウム
塩に変換する。この反応は、好ましくは、不活性有機溶
媒、特にエーテル、例えばジオキサンもしくはジエチル
エーテル、またはアルカン、例えばヘキサン、またはそ
れらの溶媒の混合物中で、−120 〜−50℃の温度、特に
約−100 〜−90℃の温度において行われる。次いで形成
したリチウム塩をその場で式R2 −CH2 −Wの化合物
(ここでR2 は式Iの化合物について定義した通りであ
り、そしてWは式R3 −CH2 −Wの化合物について上記
で定義した通りであり、特に臭素である)と反応させ、
好ましくは上記温度における有機溶媒、例えばエーテ
ル、例えばテトラヒドロフラン中のR2 −CH2 −Wの滴
下添加に次いで0 〜50℃、好ましくは20〜30℃への加熱
により反応させる。式XXIVのイソシアネート:
【化38】 (式中の基は定義した通りである)が形成する。次い
で、式XXIVの化合物を、好ましくは酸が添加されている
水性溶液中で、例えば水性ハロゲン化水素酸、例えば塩
酸、特に濃塩酸中で、−20〜30℃、特に約0 〜10℃の温
度において加水分解すると、式XVの化合物〔式中の基は
定義した通りであり、そして-NH2基を担持している炭素
原子は好ましくは(R,S)−配置にある〕が得られ
る。
【0212】式IVの化合物は既知であるかまたはそれ自
体既知の方法に従って、例えば、式IIのカルボン酸もし
くはスルホン酸またはその反応性誘導体と、式H−
1 ′−OHのアミノ化合物(ここでB1 ′は式IVの化
合物について定義した通りである)との縮合により、調
製することができる。この縮合は、上記に記載のように
して、またはR1 ′がN−(複素環−低級アルキル)−
N−低級アルキルアミノカルボニル、例えばN−(2−
ピリジルメチル)−N−メチルアミノカルボニルである
式IIの化合物の場合には、1990年12月19日のEP 0 402 6
46の実施例218 と同様にして行われる。
【0213】式Vの化合物は、例えば、式VII の化合物
との縮合により、または式VII の化合物の断片に相当す
る化合物(例えばH−A1 ′−OH、H−A2 ′−O
H、H−A1 −A2 −OHまたは式XIの化合物、ここで
各化合物の基はそれぞれ上記で定義した通りである)と
の連続的縮合により、式XXIIの化合物から調製される。
縮合条件は式III の化合物の調製について記載したのと
同様である。
【0214】式VIの化合物は、例えば、式R1 −B1
OH(式中の基は式Iの化合物について定義した通りで
ある)のカルボン酸との縮合により、例えば方法a)に
記載のようにしてカルボキシ保護基を導入しそして方法
f)に記載のようにして保護基Pa を除去することによ
り、式XXIIのアミノ化合物から調製される。
【0215】式VII の化合物は、例えば、対応するアミ
ノ酸H−A1 ′−OHもしくはH−A2 ′−OHまたは
ペプチドH−A1 −A2 −OHと式XIのアミン成分とか
ら、方法a)に記載の方法と同様な縮合により調製され
る。A1 とA2 の間に還元されたペプチド結合を有する
化合物の調製のためには、好ましくはジペプチド段階に
おいて、例えば適当であれば担体上、例えば活性炭上に
担持された、重金属もしくは貴金属触媒、例えば白金も
しくはパラジウム触媒の存在下で水素を使って、または
錯体水素化物、例えば水素化リチウムアルミニウムもし
くはジシアミルボランを使って、極性溶媒中で、例えば
アルコール、例えばエタノール、またはエーテル、例え
ば環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン中で、0 〜
150 ℃、好ましくは20℃から着目の反応混合物の沸点ま
での温度において、A1 とA2 の間のペプチド結合を還
元することができる。式XIのアミンは既知であるかまた
はそれ自体既知の方法に従って調製される。
【0216】式VIIIの化合物は、例えば、式VIの化合物
から、基A1 ′を導入するアミノ酸との縮合により、調
製することができる。この反応は方法a)のもとで記載
したものと同様な条件下で行われる。式IXの化合物は、
例えば、式H−A2 ′−OHのアミノ酸〔ここでA2
は方法d)のもとで定義した通りである〕と式XIのアミ
ン(基は式Iの化合物について定義した通りである)か
ら、縮合により調製される。
【0217】式Xの化合物は、例えば、式VIの化合物と
対応アミノ酸H−A1 ′−OHもしくはH−A2 ′−O
HまたはペプチドH−A1 −A2 −OHとから(各式中
の基は上記で定義した通りである)、方法a)のもとで
記載した方法と同様な縮合により調製される。A1 とA
2 の間に還元されたペプチド結合を有する化合物の調製
のためには、好ましくはジペプチド段階において、例え
ば適当であれば担体上、例えば活性炭上に担持された、
重金属もしくは貴金属触媒、例えば白金もしくはパラジ
ウム触媒の存在下で水素を使って、または錯体水素化
物、例えば水素化リチウムアルミニウムもしくはジシア
ミルボランを使って、極性溶媒中で、例えばアルコー
ル、例えばエタノール、またはエーテル、例えば環状エ
ーテル、例えばテトラヒドロフラン中で、0 〜150 ℃、
好ましくは20℃から反応混合物の沸点までの温度におい
て、A1 とA2 の間のペプチド結合を還元する。
【0218】式XIのアミンは既知であるか、市販されて
いるか、またはそれ自体既知の方法に従って調製され
る。その他の出発物質は既知であるか、それ自体既知の
方法に従って調製されるか、または購入することができ
る。以下の実施例は本発明を説明するためのものである
が、本発明を何ら制限するものではない。
【0219】
【実施例】温度は摂氏度(℃)で与えられる。特に温度
が示されていない場合、反応は室温で行われる。特定の
着目物質の移動距離と溶媒先端の移動距離との関係を示
すRf 値は、下記の溶媒系中での薄層クロマトグラフィ
ー(TLC)によりシリカゲル薄層プレート上で測定さ
れる。
【0220】 TLC溶離液系: A ヘキサン/酢酸エチル 1:1 B 酢酸エチル C ヘキサン/酢酸エチル 4:1 D ヘキサン/酢酸エチル 2:1 E ヘキサン/酢酸エチル 3:1 F 塩化メチレン/メタノール 9:1 G クロロホルム/メタノール/水/氷酢酸 85:13:1.5:0.5 H 酢酸エチル/メタノール 9:1 I ヘキサン/酢酸エチル 1:2 J クロロホルム/メタノール/酢酸/水 75:27:5:0.5 K 酢酸エチル/酢酸 19:1 L 塩化メチレン/メタノール 7:3 M 塩化メチレン/エーテル 49:1 N 塩化メチレン/エーテル 3:1 略号「Rf (A)」は、例えばRf 値が溶媒系A中で測
定されたことを示す。互いに対する溶媒の比は常に容積
部(v/v) で示される。カラムクロマトグラフィーについ
ての溶離液の定義においても、溶媒の比は容積部(v/v)
で示される。
【0221】使用した他の短縮名称および略号は次の意
味を有する: abs. 無水 atm 物理的圧力 (圧力単位)−1気圧は1.013 バールに相当する。 Boc tert−ブトキシカルボニル BOP ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホ
スフェート ブライン 飽和食塩水 DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド DMF ジメチルホルムアミド DMSO ジメチルスルホキシド エーテル ジエチルエーテル 酢酸エチル 酢酸エチルエステル FAB-MS 高速原子衝撃質量分析法 h 時間 HBTU O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,
N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオ
ロホスフェート HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール IR 赤外分光法 min 分 m.p. 融点 NMM N−メチルモルホリン Pd/C 活性炭上のパラジウム(触媒) RT 室温 TBAF テトラブチルアンモニウムフルオリド(三
水和物) TLC 薄層クロマトグラフィー Z ベンジルオキシカルボニル
【0222】質量分析の測定値は「高速原子衝撃」(FA
B-MS)法に従って得られる。質量データは、プロトン化
した分子イオン(M+H)+ に関するものである。IRス
ペクトルの値はcm-1で示され、測定溶媒は丸括弧中に示
される。
【0223】天然のα−アミノ酸の二価の基を表すのに
ペプチド化学において汎用される略号が使われる。α−
炭素原子のところの配置は接頭辞(L)−または(D)
−により示される。-Cha- はシクロヘキシルアラニルで
あり、-(p-F-Phe)- はフェニル環のp位においてフッ素
により置換されているフェニルアラニルであり、-(p-CH
3O-Phe)-はフェニル環のp位においてメトキシ基により
置換されているフェニルアラニルであり、そして-(p-CN
-Phe)-はフェニル環のp位においてシアノ基により置換
されているフェニルアラニルである。下記の基について
の短縮名は、対応する式、図面および名称により定義さ
れる。
【0224】短縮名-Phe〔C〕Phe-を有する基は、5
(S)−アミノ−2(R)−ベンジル−4(S)−ヒド
ロキシ−6−フェニルヘキサン酸の二価の基であり、そ
して次式:
【化39】 を有する。
【0225】短縮名-Cha〔C〕(p-CN)Phe-を有する基
は、5(S)−アミノ−2(R)−(p−シアノフェニ
ルメチル)−6−シクロヘキシル−4(S)−ヒドロキ
シヘキサン酸の二価の基であり、そして次式:
【化40】 を有する。
【0226】短縮名-Cha〔C〕Cha-を有する基は、5
(S)−アミノ−6−シクロヘキシル−2(R)−シク
ロヘキシルメチル−4(S)−ヒドロキシヘキサン酸の
二価の基であり、そして次式:
【化41】 を有する。
【0227】短縮名-Cha〔C〕(p-F)Phe- を有する基
は、5(S)−アミノ−6−シクロヘキシル−2(R)
−(p−フルオロフェニルメチル)−4(S)−ヒドロ
キシヘキサン酸の二価の基であり、そして次式:
【化42】 を有する。
【0228】短縮名 -(p-F)Phe〔C〕Phe-を有する基
は、5(S)−アミノ−2(R)−ベンジル−6−(p
−フルオロフェニル)−4(S)−ヒドロキシヘキサン
酸の二価の基であり、そして次式:
【化43】 を有する。
【0229】下記の表に示される中心の構成単位のその
他の式は次の短縮名に相当し、この短縮名を下記の実施
例において使用する。
【0230】
【表1】
【0231】従って、-Phe〔C〕(p-F)Phe- は5(S)
−アミノ−2(R)−(p−フルオロフェニルメチル)
−4(S)−ヒドロキシ−6−フェニルヘキサン酸の二
価の基であり;-Phe〔C〕(p-CN)Phe-は5(S)−アミ
ノ−2(R)−(p−シアノフェニルメチル)−4
(S)−ヒドロキシ−6−フェニルヘキサン酸の二価の
基であり;-Phe〔C〕(p-CH3O)Phe-は5(S)−アミノ
−4(S)−ヒドロキシ−2(R)−(p−メトキシフ
ェニルメチル)−6−フェニルヘキサン酸の二価の基で
あり;-Phe〔C〕(p-CF3)Phe- は5(S)−アミノ−4
(S)−ヒドロキシ−6−フェニル−2(R)−(p−
トリフルオロメチルフェニルメチル)ヘキサン酸の二価
の基であり; -(p-F)Phe〔C〕(p-F)Phe- は5(S)−
アミノ−6−(p−フルオロフェニル)−2(R)−
(p−フルオロフェニルメチル)−4(S)−ヒドロキ
シヘキサン酸の二価の基であり; -(p-F)Phe〔C〕(p-C
N)Phe-は5(S)−アミノ−2(R)−(p−シアノフ
ェニルメチル)−6−(p−フルオロフェニル)−4
(S)−ヒドロキシヘキサン酸の二価の基であり;-Cha
〔C〕(p-CH3O)Phe-は5(S)−アミノ−2(R)−
(p−メトキシフェニルメチル)−6−シクロヘキシル
−4(S)−ヒドロキシヘキサン酸の二価の基であり;
-Cha〔C〕(p-CF3)Phe- は5(S)−アミノ−6−シク
ロヘキシル−4(S)−ヒドロキシ−2(R)−(p−
トリフルオロメチルフェニルメチル)ヘキサン酸の二価
の基であり;-Tyr〔C〕Tyr-は5(S)−アミノ−4
(S)−ヒドロキシ−6−(p−ヒドロキシフェニル)
−2(R)−(p−ヒドロキシフェニルメチル)ヘキサ
ン酸の二価の基であり;-Phe〔C〕Tyr-は5(S)−ア
ミノ−4(S)−ヒドロキシ−2(R)−(p−ヒドロ
キシフェニルメチル)−6−フェニルヘキサン酸の二価
の基であり;そして-Tyr〔C〕Phe-は5(S)−アミノ
−4(S)−ヒドロキシ−6−(p−ヒドロキシフェニ
ル)−2(R)−ベンジルヘキサン酸の二価の基であ
る。
【0232】
【表2】
【0233】基 -(p-F)Phe〔C〕(p-CF3)Phe- は5
(S)−アミノ−4(S)−ヒドロキシ−6−(p−フ
ルオロフェニル)−2(R)−(p−トリフルオロメチ
ルフェニルメチル)ヘキサン酸の二価の基に相当する。
【0234】記号(±)は、5−アミノ−2−フェニル
−4−ヒドロキシ−6−(p−トリフルオロメチルフェ
ニル)ヘキサン酸、5−アミノ−2−(p−フルオロフ
ェニル)−4−ヒドロキシ−6−(p−トリフルオロメ
チルフェニル)ヘキサン酸および5−アミノ−2−(p
−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−6
−(p−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサン酸の二
価の基にそれぞれ相当する基 -(CF3)Phe〔C〕Phe-, -
(CF3)Phe〔C〕(p-F)Phe- および -(CF3)Phe〔C〕(p-C
F3)Phe- が、対応する実施例において2(R),4
(S),5(S)−異性体と2(S),4(R),5
(R)−異性体の混合物の形であることを表すためのも
のである。
【0235】実施例1 Boc-Cha〔C〕(p-F)Phe-(L)-V
al-(L)-Phe−モルホリン−4−イルアミド 116 mgのTBAFを1.8 mlのabs. DMF中の160 mgの5(S)
−Boc −アミノ−4(S)−tert−ブチルジメチルシリ
ルオキシ)−6−シクロヘキシル−2(R)−(p−フ
ルオロフェニルメチル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Ph
e −モルホリン−4−イルアミドの溶液に添加し、次い
で反応混合物をRTで4.5 h 攪拌する。無色の溶液を50 m
l の水に注ぎ、酢酸エチルで4回抽出する。合わせた抽
出液を各回25 ml の炭酸水素ナトリウム溶液で2回、水
で2回、そしてブラインで1回洗浄し、次いで硫酸ナト
リウム上で乾燥する。溶媒を蒸発によって濃縮した後、
残渣をジイソプロピルエーテルから結晶化せしめると、
表題化合物が得られる。TLC Rf (I)=0.14 ; FAB-M
S (M+H) + =753 。
【0236】出発物質は次のようにして調製する。 1a) N−3(S)−(Boc −アミノ)−2(R,S)
−ヒドロキシ−4−フェニル−1−トリメチルシリルブ
タン 氷浴を使って温度を38℃に維持しながら、24.7 gのマグ
ネシウムを100 mlのabs.エーテル中に導入し、そして35
分間に渡り少量のヨウ素と、同時に132.5 mlのクロロメ
チルトリメチルシランと300 mlのエーテルを添加する。
得られた反応混合物を次いでRTで1.5 h 攪拌する。−60
℃に冷却した後、1.1 リットルのエーテル中の48.6 gの
N−Boc −フェニルアラニナール〔調製:D.J. Kempf,
J. Org.Chem. 51, 3921 (1986) 〕の懸濁液を40分間に
渡り添加する。反応混合物を90分間に渡りRTにまで加温
し、更にその温度で90分間攪拌する。次いでそれを2リ
ットルの氷水と1.5 リットルの10%水性クエン酸に注
ぐ。分離した水相を各回500mlのエーテルで抽出する。
全てのエーテル抽出液を500 mlの10%クエン酸溶液とブ
ラインで2回洗浄する。硫酸ナトリウム上での乾燥後、
真空中で濃縮し、得られた表題化合物を更に精製するこ
となく使用する。TLC Rf (C)=0.6 ; FAB-MS (M+H)
+=338 。
【0237】1b) 1−フェニル−3−ブテン−2
(S)−アミン 三フッ化ホウ素エチルエーテラートの約48%溶液 35.6
mlを、5℃において10分間に渡り、420 mlの塩化メチレ
ン中の18.8 gのn−3(S)−(Boc −アミノ)−2
(R,S)−ヒドロキシ−4−フェニル−1−トリメチ
ルシリルブタンの溶液に添加する。次いで反応混合物を
RTで16 h攪拌し、次いで10℃に冷却し、276 mlの4N水
酸化ナトリウム溶液を20分間に渡り添加する。水相を分
離し、各回400 mlの塩化メチレンで2回抽出する。合わ
せた有機抽出液をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上
で乾燥する。表題生成物は追加精製することなく次に使
用する。TLC Rf (G)=0.15 ; IR (塩化メチレン)
(cm -1) : 3370, 3020, 2920, 1640, 1605。
【0238】1c) N−Boc −1−フェニル−3−ブテ
ン−2(S)−アミン 21.5 gの1−フェニル−3−ブテン−2(S)−アミン
を500 mlのabs.塩化メチレンに溶解し、この溶液に250
mlの塩化メチレン中の38.3 gのBoc 無水物の溶液を滴下
添加する。RTで1.5 h 攪拌した後、バッチを100 mlに濃
縮し、次いで1.5 リットルのエーテルで希釈し、そして
各回400 mlの10%クエン酸で2回、400mlの水で1回、4
00 mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、そして
ブラインで2回順次洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥す
る。蒸発により溶媒を濃縮した後、カラムクロマトグラ
フィー(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル:95/5→80/20 )
により精製を行い、ヘキサンから表題化合物を再結晶す
る。m.p. 67-68℃ ; TLCRf (C)=0.4 ; FAB-MS (M+
H)+ =248 。
【0239】1d) 2(R)−〔1(S)−(Boc −ア
ミノ)−2−フェニルエチル〕オキシラン 50 ml の塩化メチレン中の9.74 gのm−クロロ過安息香
酸の溶液を、0〜5℃において15分間に渡り、20 ml の
塩化メチレン中の1.45 gのN−Boc −1−フェニル−3
−ブテン−2(S)−アミンの溶液に添加する。該バッ
チを同じ温度で18 h攪拌し、次いでRTまで加熱しながら
更に8 h 攪拌して反応を完了させ、氷冷10%炭酸ナトリ
ウム溶液上に注ぐ。水相をエーテルで3回抽出する。合
わせた有機相を10%亜硫酸ナトリウム溶液で3回、飽和
炭酸水素ナトリウム溶液で3回、チオ硫酸ナトリウム溶
液で1回、そしてブラインで1回順次洗浄し、そして硫
酸ナトリウム上で乾燥する。溶媒を濃縮した後、カラム
クロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル: 4
/1)により表題化合物を精製し、ヘキサンから再結晶す
る。m.p. 51-52℃ ; TLC Rf (C)=0.33 ; FAB-MS
(M+H) + =264 。
【0240】1e) 5(S)−〔1(S)−(Boc −ア
ミノ)−2−フェニルエチル〕−3(R,S)−エトキ
シカルボニルジヒドロフラン−2−(3H)−オン 260 mlのabs.エタノール中の26 ml のマロン酸ジエチル
エステルの溶液に3.4g のナトリウムを分割して添加す
る。ナトリウムが消費されたら(約1.5 h )、100 mlの
エタノール中の13 gの2(R)−〔1(S)−(Boc −
アミノ)−2−フェニルエチル〕オキシランの溶液を10
分間に渡り滴下添加する。RTで5 h 攪拌した後、反応混
合物を1.5 リットルの氷水上に注ぎ、10%クエン酸でpH
4に調整する。エーテルで4回抽出した後、合わせた有
機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、ブライ
ン、再び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、そして再
びブラインで1回順次洗浄する。溶媒の濃縮後、カラム
クロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル: 4
/1)により表題化合物が得られる。TLC Rf (C)=0.
22 ; FAB-MS (M+H) + =378 。
【0241】1f) 5(S)−〔1(S)−(Boc −ア
ミノ)−2−シクロヘキシルエチル〕−3(R,S)−
エトキシカルボニルジヒドロフラン−2−(3H)−オ
100 mlのエタノール中の10 gの5(S)−〔1(S)−
(Boc −アミノ)−2−フェニルエチル〕−3(R,
S)−エトキシカルボニルジヒドロフラン−2−(3
H)−オンを、1 g のニシムラ触媒〔Ph(III) およびPt
(VI)酸化物(一水和物,Degussa )〕を使って常圧下で
(約1気圧)2h水素化する。Celite(珪藻土,Sigma,
スイス)を通した濾過により触媒を除去し、エタノール
で洗浄し、そして濾液を蒸発により濃縮する。TLC Rf
(C)=0.23。
【0242】1g) 5(S)−〔1(S)−(Boc −ア
ミノ)−2−シクロヘキシルエチル〕−3(R,S)−
エトキシカルボニル−3−(p−フルオロフェニルメチ
ル)ジヒドロフラン−2−(3H)−オン 10.2 gの5(S)−〔1(S)−(Boc −アミノ)−2
−シクロヘキシルエチル〕−3(R,S)−エトキシカ
ルボニルジヒドロフラン−2−(3H)−オンを室温で
180 mlのエタノール中の0.68 gのナトリウムおよび5.39
gのp−フルオロベンジルブロミド(Fluka, Buchs, ス
イス)と反応させる。TLC によれば前記ラクトンが1.5
h 後に全部反応していなかったため、更に0.2 g のナト
リウムと0.7 g のp−フルオロベンジルブロミドを添加
する。16 h後、バッチを10%クエン酸と氷の混合物上に
注ぎ、そしてエーテルで3回抽出する。有機相を水で2
回そしてブラインで2回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸
発により濃縮する。ヘキサン/酢酸エチルを添加した
後、超音波作用のもとで油状粗生成物の一部が結晶化
し、表題化合物を与える(ジアステレオマーの比 4:
1)。母液のカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサ
ン/酢酸エチル: 4/1)により、更に表題化合物が得ら
れる(ジアステレオマーの比 約 1:4)。TLC R
f (C)=0.29 ; FAB-MS (M+H) + =492 。
【0243】1h) 5(S)−〔1(S)−(Boc −ア
ミノ)−2−シクロヘキシルエチル〕−3(R)−(p
−フルオロフェニルメチル)ジヒドロフラン−2−(3
H)−オンおよび5(S)−〔1(S)−(Boc −アミ
ノ)−2−シクロヘキシルエチル〕−3(S)−(p−
フルオロフェニルメチル)ジヒドロフラン−2−(3
H)−オン 91 ml の1M水酸化リチウム溶液をRTで5分間に渡り、
174 mlの1,2−ジメトキシエタン中の10.3 gの5
(S)−〔1(S)−(Boc −アミノ)−2−シクロヘ
キシルエチル〕−3(R,S)−エトキシカルボニル−
3−(p−フルオロフェニルメチル)ジヒドロフラン−
2−(3H)−オン(ジアステレオマーの比約 1:1)に
滴下添加し、そしてそのバッチをRTで15 h攪拌する。蒸
発により溶媒を濃縮した後、得られた残渣を500 mlの10
%クエン酸上に注ぎ、エーテルで3回抽出する。合わせ
たエーテル相をブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウム
上で乾燥する。蒸発により溶媒を濃縮した後、粗カルボ
ン酸が得られ、これを450 mlのトルエン中で90℃にて9
時間加熱することによる脱炭酸により、表題化合物の混
合物に変換する。カラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘ
キサン/酢酸エチル:9:1 →4:1 )により、まず3
(R)−エピマー〔TLC Rf (E)=0.45〕が得られ、
次いで3(S)−エピマー〔TLC Rf (E)=0.41〕が
得られる。
【0244】1i) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−ヒドロキシ−6−シクロヘキシル−2(R)−
(p−フルオロフェニルメチル)ヘキサン酸 19.6 ml の1M水酸化リチウム溶液を20〜25℃において
2分間に渡り、78 mlのジメトキシエタンと39 ml の水
の中の2.05 gの5(S)−〔1(S)−(Boc−アミ
ノ)−2−シクロヘキシルエチル〕−3(R)−(p−
フルオロフェニルメチル)ジヒドロフラン−2−(3
H)−オンに滴下添加する。RTで3 h 攪拌した後、バッ
チを減圧下で濃縮し、残渣を100 mlの飽和塩化アンモニ
ウム水溶液と5 mlの10%クエン酸中に取り出し、そして
塩化メチレンで4回抽出する。合わせた有機相をブライ
ンで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥する。濃縮すると
フォームの形で表題化合物が得られ、これを更に精製す
ることなく次の段階に使用する。
【0245】1j) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
シクロヘキシル−2(R)−(p−フルオロフェニルメ
チル)ヘキサン酸 6.4 mlのDMF 中の2.01 gの5(S)−(Boc −アミノ)
−4(S)−ヒドロキシ−6−シクロヘキシル−2
(R)−(p−フルオロフェニルメチル)ヘキサン酸の
溶液を、2.73 gのイミダゾールと3.39 gのtert−ブチル
ジメチルクロロシランと共にRTで18 h攪拌する。この反
応混合物を次いで氷水上に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出
する。合わせた有機相を10%クエン酸溶液、水およびブ
ラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして蒸
発により濃縮してオイルを得る。このオイルを68 ml の
メタノールと23 ml のTHF に溶かし、それに23 ml の水
中の4.1 g の炭酸カリウムの溶液をRTで添加し、そして
該バッチを1 h 攪拌し、最後にRTでの蒸発により部分的
に濃縮する。水性残渣を10%クエン酸溶液と氷上に注
ぎ、それを酢酸エチルで3回抽出する。有機相を水で2
回、そしてブラインで2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で
乾燥し、蒸発により濃縮する。カラムクロマトグラフィ
ー(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル:5:1 →2:1 )によ
り、表題化合物が得られる。TLC Rf (E)=0.2 ; FA
B-MS (M+H)+ =552 。
【0246】1k) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
シクロヘキシル−2(R)−(p−フルオロフェニルメ
チル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−
4−イルアミド 約2 mlのDMF 中の102 mgの5(S)−(Boc −アミノ)
−4(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−
6−シクロヘキシル−2(R)−(p−フルオロフェニ
ルメチル)ヘキサン酸、90 mg のBOP および27 mg のHO
BTの溶液をRTで30分間攪拌する。次いでそれに74 mg の
H-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド〔調
製については、1l)〜1o)を参照のこと〕を添加する。
RTで16時間後、バッチを蒸発により濃縮し、残渣を3部
分の酢酸エチル、水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水
およびブラインの間に分配させ、そして有機相を硫酸ナ
トリウムで乾燥し、蒸発により濃縮する。粗生成物の形
で表題化合物が得られる。TLC Rf (I)=0.57 ; FAB
-MS (M+H) + =867 。
【0247】1l) Z-(L)-Phe−モルホリン−4−イル
アミド 190 mlの塩化メチレン中の4.49 gのZ-(L)-Phe-OHの溶液
を0℃に冷却し、3.09gのDCC を添加する。0℃で20分
間攪拌した後、10 ml の塩化メチレン中の1.31ml のモ
ルホリンの溶液を15分間に渡り滴下添加する。反応混合
物を更にRTで24時間攪拌し、そして沈澱したジシクロヘ
キシル尿素を濾過により除去した後、塩化メチレン、水
性炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインで順次洗浄す
る。硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した後、粗表題化
合物が得られ、これをエーテルから再結晶する。TLC R
f (B)=0.55。
【0248】1m) H-(L)-Phe−モルホリン−4−イル
アミド 150 mlのメタノール中の5.5 g のZ-(L)-Phe −モルホリ
ン−4−イルアミドと1.5 g の10% Pd/Cの溶液を、計算
量の水素を使ってRTにて1 h 水添分解することにより表
題化合物に変換する。触媒を濾過した後、濾液を濃縮
し、酢酸エチルで希釈し、生じた溶液を飽和炭酸水素ナ
トリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そ
して減圧下で濃縮する。カラムクロマトグラフィー〔実
施例1o)と同様〕により、純粋な形で表題化合物が得ら
れる。TLC Rf (F)=0.3 。
【0249】1n) Z-(L)-Val-(L)-Phe−モルホリン−
4−イルアミド 80 mlのabs.氷冷塩化メチレン中の2.14 gのZ-(L)-Val-
OH の溶液に1.75 gのDCC を添加し、そしてその温度で2
0分間攪拌した後、塩化メチレン中の2 g の H-(L)-Phe
−モルホリン−4−イルアミドの溶液を15分間に渡り滴
下添加する。反応混合物をRTで更に24時間攪拌し、生じ
た尿素を濾過する。濾液を水性炭酸水素ナトリウム溶液
とブラインで順次洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾
燥した後、濃縮する。エーテルと共に攪拌し、不溶性残
渣を濾過し、濃縮すると表題化合物が得られ、これを追
加精製することなく次の処理を行う。
【0250】1o) H-(L)-Val-(L)-Phe−モルホリン−
4−イルアミド 実施例1m)と同様にして、3.9 g のZ-(L)-Val-(L)-Phe
−モルホリン−4−イルアミドを150 mlのメタノール中
で0.5 g の10% Pd/C上で水添分解することにより粗表題
化合物に変換し、それをカラムクロマトグラフィー〔Si
O2、塩化メチレン→塩化メチレン/メタノール:97.5〜
2.5(v/v)〕により精製する。TLC Rf (F)=0.4 。
【0251】実施例2 Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-
(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、3 mlのabs.DMF 中の330.3 mgの
5(S)−Boc −アミノ−4−(S)−(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2(R)−フ
ェニルメチルヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Phe −モルホ
リン−4−イルアミドを247.2 mgのTBAFにより表題化合
物に変換し、それをヘキサンから再結晶する。TLC Rf
(B)=0.5 ; FAB-MS (M+H)+ =729 。
【0252】出発物質は次のようにして調製する。 2a) 5(S)−〔1(S)−(Boc −アミノ)−2−
フェニルエチル〕−3(R,S)−エトキシカルボニル
−3−フェニルメチルジヒドロフラン−2−(3H)−
オン 410 mlのabs.エタノール中の23.8 gの5(S)−〔1
(S)−(Boc −アミノ)−2−フェニルエチル〕−3
(R,S)−エトキシカルボニルジヒドロフラン−2−
(3H)−オンと14.4 ml のベンジルブロミドの溶液
を、410 mlのabs.エタノール中の2.76 gのナトリウムの
溶液に添加する。反応混合物をアルゴン下でRTにおいて
18 h攪拌し、次いで氷と10%クエン酸の混合物上に注
ぐ。エーテルで3回抽出した後、合わせた有機相を水と
ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮す
ると、無色オイルの形で表題化合物が得られる。それを
追加精製することなく次の段階に使用する。TLC R
f (C)=0.4 ; FAB-MS (M+H)+ =468 。
【0253】2b) 5(S)−〔1(S)−(Boc −ア
ミノ)−2−フェニルエチル〕−3(R)−フェニルメ
チルジヒドロフラン−2−(3H)−オンおよび5
(S)−〔1(S)−(Boc −アミノ)−2−フェニル
エチル〕−3(S)−フェニルメチルジヒドロフラン−
2−(3H)−オン 81.4 ml の1M水酸化リチウム水溶液を、RTにおいて5
分間に渡り、175 mlのジメトキシエタン中の10 gの5
(S)−〔1(S)−(Boc −アミノ)−2−フェニル
エチル〕−3(R,S)−エトキシカルボニル−3−フ
ェニルメチルジヒドロフラン−2−(3H)−オンの溶
液に滴下添加する。次いで該バッチをRTで15 h攪拌し、
そして蒸発により溶媒を濃縮した後、得られた残渣を50
0 mlの10%クエン酸上に注ぎ、エーテルで3回抽出す
る。合わせたエーテル相をブラインで1回洗浄し、そし
て硫酸ナトリウム上で乾燥する。蒸発による溶媒の濃縮
により9.8 g の粗カルボン酸を得る。それを450 mlのト
ルエン中で90℃にて14 h加熱することにより脱炭酸せし
めると、表題生成物が得られる。カラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン/酢酸エチル:9/1 )により表題生成物
を精製すると、まず5(S)−〔1(S)−(Boc −ア
ミノ)−2−フェニルエチル〕−3(R)−フェニルメ
チルジヒドロフラン−2−(3H)−オン〔TLC R
f (C)=0.3 ; FAB-MS (M+H)+ =396 〕が得られ、次
いで5(S)−〔1(S)−(Boc −アミノ)−2−フ
ェニルエチル〕−3(S)−フェニルメチルジヒドロフ
ラン−2−(3H)−オン〔TLC Rf (C)=0.25 ; F
AB-MS (M+H) + =396 〕が得られる。
【0254】2c) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−ヒドロキシ−6−フェニル−2(R)−フェニ
ルメチルヘキサン酸 176 mlの1M水酸化リチウム溶液を20℃において10分間
に渡り、710 mlのエチレングリコールジメチルエーテル
と352 mlの水の中の17.6 gの5(S)−〔1(S)−
(Boc −アミノ)−2−フェニルエチル〕−3(R)−
フェニルメチルジヒドロフラン−2−(3H)−オンの
溶液に滴下添加する。次いで反応混合物をRTで1.5 h 攪
拌した後、溶媒を蒸発により濃縮する。残渣を1リット
ルの冷10%クエン酸上に注ぎ、その酸性溶液を各回800
mlの酢酸エチルで3回抽出する。合わせた抽出液をまず
800 mlの水で次に800 mlのブラインで洗浄する。有機相
を硫酸ナトリウム上で乾燥した後、溶媒を留去せしめ
る。粗表題化合物を更に精製することなく次の段階に使
用する。FAB-MS (M+H) +=414 。
【0255】2d) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−フェニルメチルヘキサン酸 90 ml のDMF 中の6.35 gの5(S)−(Boc −アミノ)
−4(S)−ヒドロキシ−6−フェニル−2(R)−フ
ェニルメチルヘキサン酸の溶液に、攪拌しながら、8 g
のイミダゾールと10 gのtert−ブチルジメチルクロロシ
ランを添加する。 RT で18 h攪拌した後、透明な黄色溶
液を氷水上に注ぎ、各回250 mlの酢酸エチルで3回抽出
する。合わせた抽出液を10%クエン酸で3回、水で1
回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、水で1回、
そして最後にブラインで1回、順次洗浄する。硫酸ナト
リウム上で乾燥した後、蒸発により溶媒を濃縮し、得ら
れたtert−ブチルジメチルシリルエーテル(13.5 g)を53
ml のTHF に溶かし、それを53 ml の酢酸と20 ml の水
で処理する。RTで3 h 攪拌した後、バッチを水の中に注
ぎ、エーテルで3回抽出する。合わせたエーテル抽出液
を水で2回、そしてブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリ
ウム上で乾燥し、蒸発により濃縮する。粗生成物をカラ
ムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル:
3.5/1.5 )により精製すると表題化合物が得られる。TL
C Rf (D)=0.37 ; FAB-MS (M+H) +=528 。
【0256】2e) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−フェニルメチルヘキサノイル−
(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド 実施例1k)と同様にして、3 mlのDMF 中の250 mgの5
(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2(R)−フ
ェニルメチルヘキサン酸を、230.5 mgのBOP 、70.4 mg
のHOBT、182.6 mlのN−メチルモルホリンおよび189.5
mgのH-Val-Phe −モルホリン−4−イルアミドを使って
表題化合物に変換する。TLC Rf (A)=0.24 ; FAB-M
S (M+H) +=843 。
【0257】実施例3: Boc-Cha〔C〕(p-CN)Phe-(L)-
Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、185 mgの5(S)−Boc −アミ
ノ−4−(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−6−シクロヘキシル−2(R)−(p−シアノフ
ェニルメチル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Phe −モル
ホリン−4−イルアミドを、2.5 mlのabs.DMF 中で133
mgのTBAFにより表題化合物に変換する。TLC Rf (B)
=0.33 ; FAB-MS (M+H) + =760 。
【0258】出発物質は次のようにして調製する。 3a) 5(S)−〔1(S)−(Boc −アミノ)−2−
シクロヘキシルエチル〕−3−メトキシカルボニルジヒ
ドロフラン−2−(3H)−オン 2.5 g の5(S)−〔1(S)−(Boc −アミノ)−2
−フェニルエチル〕−3−エトキシカルボニルジヒドロ
フラン−2−(3H)−オン〔実施例1e)〕を、50 ml
のメタノール中で250 mgのRh(III) およびPt(IV)酸化物
(一水和物)(ニシムラ触媒、Degussa )上でRTにおい
て常圧(約1気圧)下で2 h 水素化する。濾過し、次い
で触媒をメタノールで洗浄し、濃縮した後、カラムクロ
マトグラフィー〔SiO2、ヘキサン/酢酸エチル:3/1 (v
/v) 〕により純粋な形で表題化合物が得られる。TLC R
f (E)=0.2 ; FAB-MS (M+H)+ =370 。
【0259】3b) 5(S)−〔1(S)−(Boc −ア
ミノ)−2−シクロヘキシルエチル〕−3−(R,S)
−メトキシカルボニル−3−(p−シアノフェニルメチ
ル)ジヒドロフラン−2−(3H)−オン 実施例1g)と同様にして、メタノール中の156 mgのナト
リウムと1.32 gのp−シアノベンジルブロミド(Fluka,
Buchs,スイス) を使って、2.25 gの5(S)−〔1
(S)−(Boc −アミノ)−2−シクロヘキシルエチ
ル〕−3(R,S)−メトキシカルボニルジヒドロフラ
ン−2−(3H)−オンを表題化合物に変換する。後処
理後、表題化合物が得られる。TLC Rf (E)=0.27。
【0260】3c) 5(S)−〔1(S)−(Boc −ア
ミノ)−2−シクロヘキシルエチル〕−3(R)−(p
−シアノフェニルメチル)ジヒドロフラン−2−(3
H)−オンおよび5(S)−〔1(S)−(Boc −アミ
ノ)−2−シクロヘキシルエチル〕−3(S)−(p−
シアノフェニルメチル)ジヒドロフラン−2−(3H)
−オン 実施例1h)と同様にして、24.4 ml の1M水酸化リチウ
ム溶液を使って55 mlの1,2−ジメトキシエタン中の
2.95 gの5(S)−〔1(S)−(Boc −アミノ)−2
−シクロヘキシルエチル〕−3−メトキシカルボニル−
3−(p−シアノフェニルメチル)ジヒドロフラン−2
−(3H)−オンを対応するカルボン酸に変換し、次い
で130 mlのトルエン中で加熱することによる脱炭酸によ
り、表題化合物に変換する。カラムクロマトグラフィー
〔SiO2、ヘキサン/酢酸エチル:4:1 →3.5/1.5 (v/v)
〕を使った分離により、表題化合物の3(R)−形が
得られ、それをエーテル/ヘキサンから結晶化させ〔m.
p. 106-108℃ ; TLC Rf (A)=0.53 ; FAB-MS (M+
H) + =427 〕、次いで表題化合物の3(S)−形〔TLC
f (A)=0.47 ; FAB-MS (M+H) + =427 〕が得ら
れる。
【0261】3d) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−ヒドロキシ−6−シクロヘキシル−2(R)−
(p−シアノフェニルメチル)ヘキサン酸 7 mlの1M水酸化リチウム溶液を20〜25℃において2分
間に渡り、20 ml の1,2−ジメトキシエタンと14 ml
の水の中の550 mgの5(S)−〔1(S)−(Boc −ア
ミノ)−2−シクロヘキシルエチル〕−3(R)−(p
−シアノフェニルメチル)ジヒドロフラン−2−(3
H)−オンの溶液に滴下添加する。RTで2h 攪拌した
後、バッチを減圧下で濃縮し、残渣を100 mlの飽和塩化
アンモニウム水溶液と5 mlの10%クエン酸中に取り出
し、そして塩化メチレンで4回抽出する。合わせた有機
相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥する。
濃縮すると表題化合物が得られる。TLC Rf (F)=0.
4 。
【0262】3e) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
シクロヘキシル−2(R)−(p−シアノフェニルメチ
ル)ヘキサン酸 攪拌しながら、約10 ml のDMF 中の790 mgの5(S)−
(Boc −アミノ)−4(S)−ヒドロキシ−6−シクロ
ヘキシル−2(R)−(p−シアノフェニルメチル)ヘ
キサン酸の溶液に、1.18 gのtert−ブチルジメチルクロ
ロシランとイミダゾールを添加する。 RT で18 h攪拌し
た後、透明な黄色溶液を氷水上に注ぎ、各回250 mlの酢
酸エチルで3回抽出する。合わせた抽出液を10%クエン
酸で3回、水で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で
3回、水で1回、そして最後にブラインで1回洗浄す
る。硫酸ナトリウム上で乾燥した後、蒸発により溶媒を
濃縮し、得られたtert−ブチルジメチルシリルエーテル
(13.5 g)を53 ml のTHF に溶かし、それを53 ml の酢酸
と20 ml の水で処理する。RTで3 h 攪拌した後、バッチ
を水の中に注ぎ、エーテルで3回抽出する。合わせたエ
ーテル抽出液を水で2回、そしてブラインで1回洗浄
し、硫酸ナトリウム上で乾燥する。濃縮後、粗生成物を
カラムクロマトグラフィー〔SiO2、ヘキサン/酢酸エチ
ル:3/1 から1/1(v/v) 〕による最終精製にかけると表
題化合物が得られる。TLC Rf (A)=0.42 ; IR (塩
化メチレン)(cm-1)2856, 2230, 1711, 1609, 1449。
【0263】3f) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
シクロヘキシル−2(R)−(p−シアノフェニルメチ
ル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4
−イルアミド 実施例1k)と同様にして、122 mgのBOP 、37 mg のHOB
T、0.069 mlのN−メチルモルホリンおよび100 mgのH-
(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミドを使っ
て、3 mlのDMF 中で138 mgの5(S)−(Boc −アミ
ノ)−4(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−6−シクロヘキシル−2(R)−(p−シアノフ
ェニルメチル)ヘキサン酸を表題化合物に変換する。カ
ラムクロマトグラフィー〔SiO2、ヘキサン/酢酸エチ
ル:1/1 (v/v) 〕により精製を行うと純粋な表題化合物
が得られる。TLC Rf (A)=0.25 ; FAB-MS (M+H) +
=874 。
【0264】実施例4 H-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-Phe
−モルホリン−4−イルアミド 20 ml のトリフルオロ酢酸を5℃において3分間に渡
り、20 ml のabs.塩化メチレン中の1.048 g の Boc-Phe
〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe-モルホリン−4−イルアミ
ド(実施例2)の溶液に添加する。RTで更に90分間攪拌
した後、バッチを蒸発により濃縮し、残渣に150 mlの飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、酢酸エチルで3
回抽出を行う。合わせた抽出液を100 mlの水、100 mlの
飽和炭酸水素ナトリウム溶液、100 mlの水およびブライ
ンで順次洗浄する。硫酸ナトリウム上での乾燥後、蒸発
により溶媒を濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフ
ィー〔SiO2、塩化メチレン/メタノール/アンモニア:
95/5/0.1から90/10/0.1 (v/v) 〕により精製すると表題
化合物が得られる。TLC Rf (G)=0.33 ; FAB-MS(M+
H) + =629 。
【0265】実施例53−ベンゾフラノイル− Phe
〔C〕Phe-(L)-Val-Phe −モルホリン−4−イルアミド 93 mg のBOP 、29 mg のHOBTおよび0.044 mlのN−メチ
ルモルホリンを順次、3 mlのDMF 中の30.9 mg のベンゾ
フラン−3−カルボン酸(Chin-Hsing Chou ら、J. Or
g. Chem. 51, 4208-4212, 1986 に従って調製)の溶液
に添加し、次いで該バッチをRTで30分間攪拌する。100
mgの H-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-Phe −モルホリン−4−
イルアミド(実施例4)を添加した後、バッチをRTで3
h 攪拌し、次いで100 mlの水上に注ぐ。各回50 ml の酢
酸エチルで3回抽出し、合わせた有機相を100 mlの水、
100 mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、100 mlの水お
よび100 mlのブラインで順次洗浄する。硫酸ナトリウム
上で乾燥し、蒸発により濃縮した後、残渣をエーテルで
粉砕し、そして固体の形で得られた表題化合物を乾燥す
る。TLC Rf (G)=0.73 ; FAB-MS (M+H) + =773 。
【0266】実施例6ニコチノイル− Phe〔C〕Phe-
(L)-Val-Phe −モルホリン−4−イルアミド 実施例5と同様にして、93 mg のBOP 、29 mg のHOBT、
0.044 mlのN−メチルモルホリンおよび100 mgの H-Phe
〔C〕Phe-(L)-Val-Phe −モルホリン−4−イルアミド
を使って、3 mlのDMF 中の23.5 mg のニコチン酸を表題
化合物に変換する。エーテルから結晶化させ、乾燥する
と、純粋な表題化合物が得られる。TLCRf (G)=0.5
7 ; FAB-MS (M+H) + =734 。
【0267】実施例7モルホリノカルボニル− Val-P
he〔C〕Phe-(L)-Val-Phe −モルホリン−4−イルアミ
実施例5と同様にして、93 mg のBOP 、29 mg のHOBT、
0.044 mlのN−メチルモルホリンおよび100 mgの H-Phe
〔C〕Phe-(L)-Val-Phe −モルホリン−4−イルアミド
(実施例4)を使って、3 mlのDMF 中の44 mg のN−モ
ルホリノカルボニル−(L)-Val を表題化合物に変換す
る。エーテルから結晶化させて乾燥すると、表題化合物
が得られる。TLC Rf (G)=0.5 ; FAB-MS (M+H)+
841.5 。
【0268】7a) N−クロロカルボニルモルホリン RTで5分間に渡り、トルエン中の20%ホスゲン溶液 180
ml を、次いで5 〜10℃に冷却しながら10分間に渡り、
180 mlのトルエン中の18 ml のモルホリンの溶液を、18
0 mlのトルエン中に添加する。得られた白色懸濁液をRT
で1 h 攪拌し、そして窒素流中で更に2 h 攪拌する。固
体を吸引濾過し、次いでそれをトルエンで洗浄した後、
濾液を蒸発により濃縮する。得られた表題化合物を追加
精製することなく更に処理する。IR (CH2Cl2): 1730, 1
400, 1205 cm-1
【0269】7b) N−モルホリノカルボニル−(L)-Va
l −ベンジルエステル 15 gの(L)-バリンベンジルエステルのp−トルエンスル
ホン酸塩(Fluka, Buchs,スイス) および15.4 ml のN−
エチルジイソプロピルアミンを、210 mlのCH2Cl2中の3
mlのN−クロロカルボニルモルホリンの溶液に添加す
る。RTで16 h攪拌した後、更に1.5 mlのN−クロロカル
ボニルモルホリン、そして23 h後更に0.8mlのN−クロ
ロカルボニルモルホリンを添加する。合計39時間後、反
応混合物を濃縮し、酢酸エチルで希釈し、そして1N塩
酸で2回、水で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で
1回、そしてブラインで2回順次洗浄する。硫酸ナトリ
ウム上で乾燥した後、バッチを減圧下で濃縮する。粗生
成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、酢酸エチル)
により精製すると表題化合物が得られる。TLC R
f (B)=0.5 。
【0270】7c) N−モルホリノカルボニル−(L)-Va
l 300 mlの酢酸エチル中の9.7 g のN−モルホリノカルボ
ニル−(L)-Val −ベンジルエステルの溶液を、RTにおい
て常圧下で2 g の10% Pd/Cの存在下で3 h 水素化する。
触媒を濾過し酢酸エチルで洗浄した後、母液を濃縮す
る。残渣を酢酸エチル中に取り出し、Hyflo Super Cel
TM(Kieselguhr, Fluka, Buchs, スイス)上で濾過し、
減圧下で濃縮する。得られた表題化合物を追加精製する
ことなく更に処理する。
【0271】実施例8 Boc-Cha〔C〕Cha-(L)-Val-
(L)-Cha −モルホリン−4−イルアミド 実施例3a)と同様にして、100 mgの Boc-Phe〔C〕Phe-
(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド(実施
例2)を30 ml のメタノール中で、40 mg のニシムラ触
媒の存在下でRTにおいて4 h に渡り水素化する。触媒を
濾過し、濾液を濃縮した後、残渣をヘキサンから再結晶
し、そしてカラムクロマトグラフィー〔SiO2、ヘキサン
/酢酸エチル:1/2 (v/v) 〕により精製すると表題化合
物が得られる。TLC Rf (I)=0.5 ; FAB-MS (M+H) +
=747 。
【0272】実施例9 Boc-Cha〔C〕(p-F)Phe-(L)-V
al-(L)-(p-F-Phe)−モルホリン−4−イルアミド 実施例1l)と同様にして、114 mgのTBAFを使って1.8 ml
のDMF 中で0.18 gの5(S)−(Boc-アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
シクロヘキシル−2(R)−(p−フルオロフェニルメ
チル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モルホ
リン−4−イルアミドを表題化合物に変換する。TLC R
f (B)=0.44 ; FAB-MS (M+H) + =771 。
【0273】出発物質は次のようにして調製する。 9a) Z−(L)−p−フルオロフェニルアラニン 55 ml のTHF と20 ml のH2O 中の5.0 g のH-(L)-(p-F-P
he)-OH〔(L)−p−フルオロフェニルアラニン(Fluk
a, Buchs, スイス)〕の溶液に、2N NaOH を約10のpHが
得られるまで添加する。得られた懸濁液に4.66 gのクロ
ロギ酸ベンジルエステルを滴下添加し、次いで該バッチ
をRTで4 h 攪拌する。この際、2N NaOHの添加によりpH
を約10に維持する。反応混合物を蒸発により濃縮し、残
渣を酢酸エチル、10%クエン酸溶液およびブラインの間
に分配させ、そしてNa2SO4で乾燥する。カラムクロマト
グラフィー(SiO2、ジクロロメタン/メタノール 7:3
)により表題化合物が得られる。TLC Rf (K)=0.5
0。
【0274】9b) Z−(L)-(p-F-Phe) −モルホリン−
4−イルアミド 実施例1l)と同様にして、5.62 gのDCC を使って350 ml
のジクロロメタン中の9.01 gのZ-(L)-(p-F-Phe)-OHと2.
38 gのモルホリンを表題化合物に変換する。カラムクロ
マトグラフィー(SiO2、酢酸エチル)後、純粋な形で表
題化合物が得られる。TLC Rf (B)=0.6 。
【0275】9c) H-(L)-(p-F-Phe) −モルホリン−4
−イルアミド 実施例1m)と同様にして、0.2 g の10% Pd/Cを使った水
素化により、50 ml のMeOH中の0.90 gのZ−(L)-(p-F-P
he) −モルホリン−4−イルアミドを表題化合物に変換
する。TLC Rf (L)=0.4 。
【0276】9d) Z-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モルホ
リン−4−イルアミド 実施例1n)と同様にして、1.11 gのDCC を使って70 ml
のジクロロメタン中の1.36 gのH-(L)-(p-F-Phe) −モル
ホリン−4−イルアミドと1.36 gのZ-(L)-Valを表題化
合物に変換する。TLC Rf (B)=0.55。
【0277】9e) H-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モルホ
リン−4−イルアミド 実施例1m)と同様にして、0.6 g の10% Pd/Cを使った水
素化により、150 mlのMeOH中の2.80 gのZ-(L)-Val-(L)-
(p-F-Phe) −モルホリン−4−イルアミドを表題化合物
に変換する。カラムクロマトグラフィー(SiO2、ジクロ
ロメタン/メタノール 9:1 )後、純粋な形で表題化合
物が得られる。TLC Rf (F)=0.44 ;FAB-MS (M+H)
+ =352 。
【0278】9f) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
シクロヘキシル−2(R)−(p−フルオロフェニルメ
チル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モルホ
リン−4−イルアミド 1.7 mlの0.25M NMM/CH3N(CH3N中0.25M NMM )中の100
mgの5(S)−(Boc−アミノ)−4(S)−(tert−
ブチルジメチルシリルオキシ)−6−シクロヘキシル−
2(R)−(p−フルオロフェニルメチル)ヘキサン酸
〔実施例1j)〕と70.3 mg のH-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe)
−モルホリン−4−イルアミドの溶液に、76 mg のHBTU
を添加する。RTで16 h後、バッチを蒸発により濃縮す
る。残渣を3部分の酢酸エチル、水、2部分の10%クエ
ン酸溶液、水、2部分の飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、水および最後にブラインに分配させ、有機相を硫酸
ナトリウム上で乾燥し、そして蒸発により濃縮すると表
題化合物が得られる。TLC Rf(A)=0.20 ; FAB-MS
(M+H) + =885 。
【0279】実施例10 Boc-Cha〔C〕(p-F)Phe-(L)-V
al-(L)-(p-CH3O-Phe) −モルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、114 mgのTBAFを使って、1.8 ml
のDMF 中で0.18 gの5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
シクロヘキシル−2(R)−(p−フルオロフェニルメ
チル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-(p-CH3O)Phe −モル
ホリン−4−イルアミドを表題化合物に変換する。TLC
f (B)=0.40 ; FAB-MS (M+H) + =783 。
【0280】出発物質は次のようにして調製する。 10a) Z−(DL)−p−メトキシフェニルアラニン 実施例9a)と同様にして、1N Na2CO3 溶液の添加により
pHを約10に維持しながら、64 ml のTHF と17.9 ml のH2
O 中の2.5 g のDL−p−メトキシフェニルアラニン(Ba
chem, Bubendorf,スイス)を2.3 g のクロロギ酸ベンジ
ルエステルと反応させる。反応混合物を蒸発により濃縮
し、残渣を酢酸エチル、希塩酸およびブラインに分配せ
しめると、表題化合物が得られる。TLC Rf (B)=0.
3 ; IR (CH2Cl2): 1720, 1612, 1513 cm-1
【0281】10b) Z-(DL)-(p-CH3O-Phe) −モルホリン
−4−イルアミド 実施例1l)と同様にして、36 ml の塩化メチレン中の2.
4 g のZ-(DL)-(p-CH3O-Phe)-OH〔Z−(DL)−p−メトキ
シフェニルアラニン〕および36 ml の塩化メチレン中の
0.63 gのモルホリンを1.5 g のDCC と反応させて表題化
合物を形成せしめる。TLC Rf (B)=0.5 ; IR (CH2C
l2): 1720, 1641, 1612, 1512 cm-1
【0282】10c) H-(DL)-(p-CH3O-Phe) −モルホリン
−4−イルアミド 実施例1m)と同様にして、0.8 g の10% Pd/Cを使った水
素化により、170 mlのメタノール中の3.8 g のZ-(DL)-
(p-CH3O-Phe) −モルホリン−4−イルアミドを表題化
合物に変換する。カラムクロマトグラフィー(SiO2、塩
化メチレン/メタノール 9:1 )後、純粋な形で表題化
合物が得られる。TLC Rf (F)=0.3 ;IR (CH2Cl2):
1642, 1613, 1514, 1463, 1443 cm-1
【0283】10d) Z-(L)-Val-(DL)-(p-CH3O-Phe) −モ
ルホリン−4−イルアミド 実施例1n)と同様にして、40 ml の塩化メチレン中の1.
80 gのZ-(L)-Val-OHと40 ml の塩化メチレン中の1.90 g
のH-(DL)-(p-CH3O-Phe) −モルホリン−4−イルアミド
を1.48 gのDCC と反応させて表題化合物を形成せしめ
る。TLC Rf (B)=0.12 ; IR (CH2Cl2) : 1722, 167
4, 1643, 1612, 1512, 1465, 1443 cm-1
【0284】10e) H-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe)−モル
ホリン−4−イルアミドおよびH-(L)-Val-(D)-(p-CH3O-
Phe)−モルホリン−4−イルアミド 実施例1m)と同様にして、0.6 g の10% Pd/Cを使った水
素化により、150 mlのMeOH中の3.6 g のZ-(L)-Val-(DL)
-(p-CH3O-Phe) −モルホリン−4−イルアミドを表題化
合物の混合物に変換する。カラムクロマトグラフィー
(SiO2、ジクロロメタン→ジクロロメタン/メタノール
9:1 )後、Chirasil-L-Valカラム(E.Bayer, Z. Natur
forschung, B 1983, 38, 1281) 上でのGCを使ったアミ
ノ酸分析によれば、H-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe)−モル
ホリン−4−イルアミド{TLC R f (F)=0.52 ; FAB
-MS (M+H) + =364 ; GC TRet (p-CH3O)Phe誘導体=
27.65 分}を含む最初の画分と、次いでエピマーH-(L)-
Val-(D)-(p-CH3O-Phe)−モルホリン−4−イルアミド
{TLC Rf (F)=0.37 ; GC TRet (p-CH3O)Phe誘導
体=27.26 分}を含む画分が得られる。
【0285】10f) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
シクロヘキシル−2(R)−(p−フルオロフェニルメ
チル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe)−モル
ホリン−4−イルアミド 実施例9f)と同様にして、1.7 mlの0.25M NMM/CH3Nと1
mlのDMF 中の100 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
シクロヘキシル−2(R)−(p−フルオロフェニルメ
チル)ヘキサン酸〔実施例1j)〕と72.7 mg のH-(L)-Va
l-(L)-(p-CH3O-Phe)−モルホリン−4−イルアミドを、
76 mg のHBTUと反応させて表題化合物を形成せしめる。
TLC Rf(A)=0.18 ; FAB-MS (M+H) + =897 。
【0286】実施例11 Boc-Cha〔C〕(p-F)Phe-(L)-V
al-(L)-Cha−モルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、114 mgのTBAFを使って1.8 mlの
DMF 中で0.16 gの5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
シクロヘキシル−2(R)−(p−フルオロフェニルメ
チル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Cha −モルホリン−
4−イルアミドを表題化合物に変換する。TLC R
f (B)=0.49 ; FAB-MS (M+H) + =759 。
【0287】出発物質は次のようにして調製する。 11a) H-(L)-Val-(L)-Cha −モルホリン−4−イルアミ
実施例3a)と同様にして、25 ml のメタノール中の1.0
g のH-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド
〔実施例1o)〕を、0.15 gのニシムラ触媒の存在下で水
素化して表題化合物を形成せしめ、それをカラムクロマ
トグラフィー(SiO2、塩化メチレン→塩化メチレン/メ
タノール 40:1)により精製しヘキサンで粉砕すると純
粋な形で表題化合物が得られる。TLC Rf (F)=0.50
; FAB-MS (M+H) + =340 ; IR (CH2Cl2): 1645, 1509,
1463, 1449 cm-1
【0288】11b) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
シクロヘキシル−2(R)−(p−フルオロフェニルメ
チル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Cha −モルホリン−
4−イルアミド 実施例9f)と同様にして、1.7 mlの0.25M NMM/CH3N中の
100 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−シクロヘキシ
ル−2(R)−(p−フルオロフェニルメチル)ヘキサ
ン酸〔実施例1j)〕と67.9 mg のH-(L)-Val-(L)-Cha-モ
ルホリン−4−イルアミドを、76 mg のHBTUと反応させ
て表題化合物を形成せしめる。TLC Rf (A)=0.47 ;
FAB-MS(M+H) + =873 。
【0289】実施例121,2,3,4−テトラヒドロ
イソキノリン−3(S)−カルボニル− Val-Phe〔C〕
Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド 実施例4と同様にして、8 mlの塩化メチレン中の242 mg
のN−Boc −1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリ
ン−3(S)−カルボニル− Val-Phe〔C〕Phe-(L)-Va
l-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミドを8 mlのトリ
フルオロ酢酸で開裂せしめると表題化合物が得られる。
TLC Rf (J)=0.5 ; FAB-MS (M+H) +=887.5 ; IR
(KBr) : 1639, 1531, 1495, 1453 cm-1
【0290】出発物質は次のようにして調製する。 12a) N−Boc −1,2,3,4−テトラヒドロイソキ
ノリン−3(S)−カルボン酸 20 gの1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3
(S)−カルボン酸〔調製については、P.L. Julilan,
W.J. Karpel, A. Magnani およびE.W. Meyer,J. Am. Ch
em. Soc. 1948, 70, 180 を参照のこと。ただし、出発
物質として(L)−β−フェニルアラニンを使う〕、23
3.6 g の炭酸カリウムおよび37 gのBoc無水物を、400 m
lのジオキサン/水 (1:1)中でRTにおいて4 h 攪拌す
る。反応混合物を希塩酸によりpH 2に酸性にし、酢酸エ
チルで3回抽出する。有機相を1N硫酸水素カリウム、
水およびブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発に
より濃縮し、そして塩化メチレン/ヘキサンから結晶化
させると、表題化合物が得られる。TLC Rf (C)=0.
2 ; 〔α〕D =16 (c=1, MeOH)。
【0291】12b) N−Boc −1,2,3,4−テトラ
ヒドロイソキノリン−3(S)−カルボニル−L−Val
−ベンジルエステル2 雰囲気下で0 ℃において、4.7 g の1−クロロ−
N,N,2−トリメチルプロパ−1−エニルアミン(Ha
veaux, B., Dekoker, A., Rens, M., Sidani, A.R., To
ye, J.およびGhosez, L., Org. Synth. 59, 26-34 )を
使って、70 ml の塩化メチレン中の6.47 gのN−Boc −
1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3(S)
−カルボン酸を対応する酸クロリドに変換し、そして15
分後に、9.0 g のHunig 塩基と54 ml の塩化メチレン中
の6.83 gのL−Val −ベンジルエステル塩酸塩の溶液を
添加する。0 ℃で15分そしてRTで16 h後、反応混合物を
10%クエン酸溶液、水、飽和炭酸ナトリウム溶液、水お
よびブラインで順次洗浄する。水相を塩化メチレンで2
回抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥
し、そして蒸発により濃縮する。1H-NMRによれば、Boc
保護基の一部が反応中に失われてしまったため、粗生成
物を更に160 mlの塩化メチレン中の6.8 g のBoc-無水物
および2.7 g のHunig 塩基と反応させる。カラムクロマ
トグラフィー(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 3:1)によ
り、純粋な表題化合物が得られる。TLC R f (E)=0.
15。
【0292】12c) N−Boc −1,2,3,4−テトラ
ヒドロイソキノリン−3(S)−カルボニル−L−Val 実施例7c)と同様にして、50 ml の酢酸エチル中の1.97
gのN−Boc −1,2,3,4−テトラヒドロイソキノ
リン−3(S)−カルボニル−L−Val −ベンジルエス
テルを0.4 g の10% Pd/Cの存在下で水素化し、表題化合
物を形成させる。それを更に精製することなく次の段階
に使用する。TLC Rf (J)=0.53 ; FAB-MS (M+H) +
=377 。
【0293】12d) N−Boc −1,2,3,4−テトラ
ヒドロイソキノリン−3(S)−カルボニル− Val-Phe
〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルア
ミド 実施例5と同様にして、4 mlのDMF 中の180 mgのN−Bo
c −1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3
(S)−カルボニル−L−Val を、232 mgのBOP、71 mg
のHOBT、0.11 ml のNMM および2 mlのDMF 中の250 mg
の H-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4
−イルアミド(実施例4)と反応させる。カラムクロマ
トグラフィー(SiO2、酢酸エチル)を行うと、アミノ酸
分析(GC,Chirasil-L-Val : E. Bayer, Z. Naturforsch
ung, B 1983, 38, 1281)によれば二次生成物としてエ
ピマー(約14%のD-Val 含量)を含む表題化合物が得ら
れる。TLC Rf (B)=0.4 ; FAB-MS (M+H) +=987 ;
IR (KBr) : 1697, 1643, 1523, 1496 cm-1
【0294】実施例13 Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-
(L)-(p-F-Phe) −モルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、275 mgのTBAFを使って7 mlのDM
F 中の375 mgの5(S)−(Boc-アミノ)−4(S)−
(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−フェニル
−2(R)−フェニルメチルヘキサノイル−(L)-Val-
(L)-(p-F-Phe) −モルホリン−4−イルアミドを脱シリ
ル化して表題化合物に変換し、ジエチルエーテル/ヘキ
サンからの結晶化後、純粋な形で表題化合物を得る。TL
C Rf (B)=0.50 ; FAB-MS (M+H) + =747 。
【0295】出発物質は次のようにして調製する。 13a) 5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(tert
−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2
(R)−フェニルメチルヘキサノイル−(L)-Val-(L)-(p
-F-Phe) −モルホリン−4−イルアミド 実施例1k)と同様にして、5 mlのDMF 中の250 mgの5
(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2(R)−フ
ェニルメチルヘキサン酸〔実施例2d)〕を、2 mlのDMF
中に溶解された230.6 mgのBOP 、70.4 mg のHOBT、130
μl のNMM および199.7 mgのH-(L)-Val-(L)-(p-F)Phe−
モルホリン−4−イルアミド〔調製については実施例9
e)を参照のこと〕と反応させる。カラムクロマトグラフ
ィー(SiO2、酢酸エチル/ヘキサン2:1 )により表題化
合物が得られる。TLC Rf (I)=0.43 ; FAB-MS (M+
H) + =861 。
【0296】実施例14 Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-
(L)-(p-CH3O-Phe)−モルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、204.5 mgのTBAFを使って7 mlの
DMF 中の283 mgの5(S)−(Boc-アミノ)−4(S)
−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−フェニ
ル−2(R)−フェニルメチルヘキサノイル−(L)-Val-
(L)-(p-CH3O-Phe)−モルホリン−4−イルアミドを脱シ
リル化して表題化合物に変換する。ジエチルエーテル/
ヘキサンで粉砕しカラムクロマトグラフィー(SiO2、酢
酸エチル)により精製した後、純粋な形で表題化合物が
得られる。TLC Rf (B)=0.37; FAB-MS (M+H) + =7
59 。
【0297】出発物質は次のようにして調製する。 14a) 5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(tert
−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2
(R)−フェニルメチルヘキサノイル−(L)-Val-(L)-(p
-CH3O-Phe)−モルホリン−4−イルアミド 実施例1k)と同様にして、5 mlのDMF 中の250 mgの5
(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2(R)−フ
ェニルメチルヘキサン酸〔実施例2d)〕を、2 mlのDMF
中に溶解された230.6 mgのBOP 、70.4 mg のHOBT、130
μl のNMM および206.6 mgのH-(L)-Val-(L)-(p-CH3O)Ph
e −モルホリン−4−イルアミド〔調製については実施
例10e)を参照のこと〕と反応させる。カラムクロマトグ
ラフィー(SiO2、酢酸エチル/ヘキサン 2:1 )により
表題化合物が得られる。TLC Rf (I)=0.37 ; FAB-M
S (M+H) + =873 。
【0298】実施例15 Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-
(L)-Cha −モルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、320 mgのTBAFを使って5 mlのDM
F 中の430 mgの5(S)−(Boc-アミノ)−4(S)−
(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−フェニル
−2(R)−フェニルメチルヘキサノイル−(L)-Val-
(L)-Cha −モルホリン−4−イルアミドを脱シリル化し
て表題化合物に変換する。カラムクロマトグラフィー
(SiO2、酢酸エチル)およびヘキサンによる粉砕後、純
粋な形で表題化合物が得られる。TLC Rf (F)=0.51
; FAB-MS (M+H) + =735 。
【0299】出発物質は次のようにして調製する。 15a) 5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(tert
−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2
(R)−フェニルメチルヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Ch
a −モルホリン−4−イルアミド 実施例1k)と同様にして、3 mlのDMF 中の300 mgの5
(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2(R)−フ
ェニルメチルヘキサン酸〔実施例2d)〕を、2 mlのDMF
中に溶解された277 mgのBOP 、84.5 mg のHOBT、0.22 m
l のNMM および231 mgのH-(L)-Val-(L)-Cha −モルホリ
ン−4−イルアミド〔調製については実施例11a)を参照
のこと〕と反応させる。カラムクロマトグラフィー(Si
O2、酢酸エチル/ヘキサン 1:1)により表題化合物が得
られる。TLC Rf (A)=0.28 ; FAB-MS (M+H) + =84
9 。
【0300】実施例16 Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Ile-
(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、242.7 mgのTBAFを使って5 mlの
DMF 中の329.8 mgの5(S)−(Boc-アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−フェニルメチルヘキサノイル−
(L)-Ile-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミドを脱シ
リル化して表題化合物に変換する。ヘキサンで粉砕した
後、純粋な形で表題化合物が得られる。TLC Rf (B)
=0.57 ; FAB-MS (M+H) + =743 。
【0301】出発物質は次のようにして調製する。 16a) Z-(L)-Ile-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミ
実施例1n)と同様にして、229 mgのDCC と260 mgのH-
(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド〔実施例1m)〕
を使って10 ml のジクロロメタン中の294 mgのZ-(L)-Il
e を表題化合物に変換する。カラムクロマトグラフィー
(SiO2、酢酸エチル/ヘキサン 1:1)後、純粋な形で表
題化合物が得られる。TLC Rf (A)=0.43 ; FAB-MS
(M+H) + =482 。
【0302】16b) H-(L)-Ile-(L)-Phe −モルホリン−
4−イルアミド 実施例1m)と同様にして、0.12 gの10% Pd/Cを使った水
素化により、15 ml のMeOH中の0.38 gのZ-(L)-Ile-(L)-
Phe −モルホリン−4−イルアミドを表題化合物に変換
する。カラムクロマトグラフィー(SiO2、ジクロロメタ
ン/メタノール9:1 )後、純粋な形で表題化合物が得ら
れる。TLC Rf (F)=0.5 ; FAB-MS(M+H)+ =348 。
【0303】16c) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−フェニルメチルヘキサノイル−
(L)-Ile-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド 実施例1k)と同様にして、5 mlのDMF 中の240.5 mgの5
(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2(R)−フ
ェニルメチルヘキサン酸〔実施例2d)〕を、242 mgのBO
P 、73.8 mg のHOBT、125.5 μl のNMM および190 mgの
H-(L)-Ile-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミドと反
応させる。カラムクロマトグラフィー(SiO2、酢酸エチ
ル/ヘキサン 1:1)により表題化合物が得られる。TLC
f (A)=0.21 ; FAB-MS (M+H) + =857 。
【0304】実施例17 Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-Gl
y −モルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、282.7 mgのTBAFを使って5 mlの
DMF 中の343.7 mgの5(S)−(Boc-アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−フェニルメチルヘキサノイル−
(L)-Val-Gly −モルホリン−4−イルアミドを脱シリル
化して表題化合物に変換し、最後にジエチルエーテルで
粉砕する。TLC Rf (B)=0.23 ; FAB-MS (M+H) +
639 。
【0305】出発物質は次のようにして調製する。 17a) Z-Gly-モルホリン−4−イルアミド 実施例1l)と同様にして、8.25 gのDCC と3.49 ml のモ
ルホリンを使って500mlのジクロロメタン中のZ-Gly-OH
を表題化合物に変換する。TLC Rf (B)=0.28。
【0306】17b) H-Gly-モルホリン−4−イルアミド 実施例1m)と同様にして、3 g の10% Pd/Cを使った水素
化により、600 mlのMeOH中の10.8 gのZ-Gly-モルホリン
−4−イルアミドを表題化合物に変換する。触媒を濾過
により除去し、そして濾液を蒸発により濃縮した後、表
題化合物を直接次の段階に使用する。TLC Rf (F)=
0.2 ; IR (CH2Cl2): 1654, 1461, 1440cm-1
【0307】17c) Z-(L)-Val-Gly-モルホリン−4−イ
ルアミド 実施例1n)と同様にして、2.09 gのDCC と1.14 gのH-Gl
y-モルホリン−4−イルアミドを使って75 ml のジクロ
ロメタン中の2.51 gのZ-(L)-Val を表題化合物に変換す
る。TLC Rf (B)=0.21。
【0308】17d) H-(L)-Val-Gly-モルホリン−4−イ
ルアミド 実施例1m)と同様にして、0.6 g の10% Pd/Cを使った水
素化により、160 mlのMeOH中の3.7 g のZ-(L)-Val-Gly-
モルホリン−4−イルアミドを表題化合物に変換する。
触媒の濾過およびカラムクロマトグラフィー(SiO2、ジ
クロロメタン/メタノール 9:1→4:1 )後、純粋な形で
表題化合物が得られる。TLC Rf (F)=0.23; FAB-MS
(M+H) +=244 ; IR (CH2Cl2): 1650, 1508, 1467, 143
9 cm-1
【0309】17e) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−フェニルメチルヘキサノイル−
(L)-Val-Gly −モルホリン−4−イルアミド 実施例1k)と同様にして、5 mlのDMF 中の300 mgの5
(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2(R)−フ
ェニルメチルヘキサン酸〔実施例2d)〕を、302 mgのBO
P 、92.1 mg のHOBT、156.5 μl のNMM および175.5 mg
のH-(L)-Val-Gly −モルホリン−4−イルアミドと反応
させる。カラムクロマトグラフィー(SiO2、酢酸エチル
/ヘキサン1:9→酢酸エチル)により表題化合物が得ら
れる。TLC Rf (B)=0.44 ; FAB-MS (M+H) + =753
【0310】実施例18 Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Ile-Gl
y −モルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、292.7 mgのTBAFを使って5 mlの
DMF 中の362.4 mgの5(S)−(Boc-アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−フェニルメチルヘキサノイル−
(L)-Ile-Gly −モルホリン−4−イルアミドを脱シリル
化して表題化合物に変換し、最後にジエチルエーテルで
粉砕する。TLC Rf (B)=0.30 ; FAB-MS (M+H) +
653 。
【0311】出発物質は次のようにして調製する。 18a) Z-(L)-Ile-Gly −モルホリン−4−イルアミド 実施例1n)と同様にして、75 ml のジクロロメタン中の
2.65 gのZ-(L)-Ile を2.06 gのDCC および1.44 gのH-Gl
y-モルホリン−4−イルアミド〔実施例17b)〕と反応さ
せる。ジエチルエーテルで粉砕後、表題化合物が得られ
る。TLC Rf (F)=0.7 。
【0312】18b) H-(L)-Ile-Gly −モルホリン−4−
イルアミド 実施例1m)と同様にして、0.6 g の10% Pd/Cを使った水
添分解により、160 mlのMeOH中の3.2 g のZ-(L)-Ile-Gl
y −モルホリン−4−イルアミドを目的化合物に変換す
る。触媒の濾過およびクロマトグラフィー(SiO2、ジク
ロロメタン/メタノール 9:1)後、純粋な形で表題化合
物が得られる。TLC Rf (F)=0.3 ;FAB-MS (M+H) +
=258 ; IR (CH2Cl2): 1653, 1510, 1467, 1439 cm-1
【0313】18c) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−フェニルメチルヘキサノイル−
(L)-Ile-Gly −モルホリン−4−イルアミド 実施例1k)と同様にして、5 mlのDMF 中の300 mgの5
(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2(R)−フ
ェニルメチルヘキサン酸〔実施例2d)〕を、301.8 mgの
BOP 、92.1 mg のHOBT、156.5 μl のNMM および185 mg
のH-(L)-Ile-Gly −モルホリン−4−イルアミドと反応
させる。カラムクロマトグラフィー(SiO2、酢酸エチル
/ヘキサン9:1)により表題化合物が得られる。TLC R
f (B)=0.40 ; FAB-MS (M+H) +=767 。
【0314】実施例19 Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-
(L)-Val −モルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、330 mgのTBAFを使って10 ml の
DMF 中の416 mgの5(S)−(Boc-アミノ)−4(S)
−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−フェニ
ル−2(R)−フェニルメチルヘキサノイル−(L)-Val-
(L)-Val −モルホリン−4−イルアミドを脱シリル化し
て表題化合物を形成せしめ、それを最後にジエチルエー
テルで粉砕する。TLC Rf (B)=0.39 ; FAB-MS (M+
H) + =681 。
【0315】出発物質は次のようにして調製する。 19a) Z-(L)-Val-(L)-Val −モルホリン−4−イルアミ
実施例1l)と同様にして、1.17 gのDCC と0.96 ml のモ
ルホリンを使って50 ml のジクロロメタン中の2.0 g の
Z-(L)-Val-(L)-Val-OH (Bachem, Bubendorf,スイス) を
表題化合物に変換する。TLC Rf (B)=0.5 。
【0316】19b) H-(L)-Val-(L)-Val −モルホリン−
4−イルアミド 実施例1m)と同様にして、0.5 g の10% Pd/Cを使った水
添分解により、220 mlのMeOH中の2.3 g のZ-(L)-Val-
(L)-Val −モルホリン−4−イルアミドを表題化合物に
変換する。濾過により触媒を除去し、カラムクロマトグ
ラフィー(SiO2、ジクロロメタン→ジクロロメタン/メ
タノール 19:1 →9:1 )により精製し、そしてジエチル
エーテル/ヘキサン中で攪拌した後、表題化合物が純粋
な形で得られる。TLC Rf (F)=0.74 ; FAB-MS (M+
H) + =286 ; IR (CH2Cl2): 1642, 1507, 1461, 1440 c
m-1
【0317】19c) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−フェニルメチルヘキサノイル−
(L)-Val-(L)-Val −モルホリン−4−イルアミド 実施例1k)と同様にして、5 mlのDMF 中の300 mgの5
(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2(R)−フ
ェニルメチルヘキサン酸〔実施例2d)〕を、277 mgのBO
P 、84.5 mg のHOBT、156.5 μl のNMM および194.6 mg
のH-(L)-Val-(L)-Val −モルホリン−4−イルアミドと
反応させる。カラムクロマトグラフィー(SiO2、酢酸エ
チル/ヘキサン 2:1)により表題化合物が得られる。TL
C Rf (I)=0.27 ; FAB-MS (M+H) + =795 。
【0318】実施例20 Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-
(L)-Phe −チオモルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、356 mgのTBAFを使って5 mlのDM
F 中の484 mgの5(S)−(Boc-アミノ)−4(S)−
(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−フェニル
−2(R)−フェニルメチルヘキサノイル−(L)-Val-
(L)-Phe −チオモルホリン−4−イルアミドを脱シリル
化する。カラムクロマトグラフィー(SiO2、酢酸エチル
/ヘキサン 2:1)およひヘキサンでの粉砕により表題化
合物が得られる。TLC Rf (I)=0.31 ; FAB-MS (M+
H) + =745 。
【0319】出発物質は次のようにして調製する。 20a) Z-(L)-Val-(L)-Phe −チオモルホリン−4−イル
アミド 実施例1l)と同様にして、40 ml のジクロロメタン中の
1.99 gのZ-(L)-Val-(L)-Phe-OH (Bachem, Bubendorf,ス
イス) を1.03 gのDCC および40 ml のジクロロメタン中
の0.52 gのチオモルホリンと反応させ、表題化合物を形
成せしめる。抽出後、オイルの形で表題化合物が得られ
る。TLC Rf (F)=0.8 ; IR (CH2Cl2): 1725, 1675,
1642, 1499, 1465, 1454 cm-1
【0320】20b) H-(L)-Val-(L)-Phe −チオモルホリ
ン−4−イルアミド 氷冷しながら、45 ml の33% HBr /酢酸(Fluka, Buch
s, スイス)を2 g のZ-(L)-Val-(L)-Phe −チオモルホ
リン−4−イルアミドに添加し、そして反応混合物をRT
で1.5 h 攪拌する。次いでそれを蒸発により濃縮し、残
渣を3部分の酢酸エチル、飽和炭酸水素ナトリウム溶
液、水およびブラインの間に分配させ、有機相をNa2SO4
上で乾燥し、そして蒸発により濃縮する。カラムクロマ
トグラフィー(SiO2、塩化メチレン/メタノール 9:1)
により最初に表題化合物が得られ、次いでおそらくエピ
マーと思われる二次生成物が得られる。TLC Rf (F)
=0.56; FAB-MS (M+H) + =350 ; IR (CH2Cl2): 1641,
1502, 1463, 1454, 1448 ; アミノ酸分析{GC, Chirasi
l-L-Valカラム(E. Bayer, Z. Naturforschung, B 1983,
38, 1281) }:TRet {(L)-Val 誘導体}=8.36分(e
e≧99%)、TRet {(L)-Phe 誘導体}=22.73 分(ee
=94%)。
【0321】20c) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−フェニルメチルヘキサノイル−
(L)-Val-(L)-Phe −チオモルホリン−4−イルアミド 実施例1k)と同様にして、5 mlのDMF 中の300 mgの5
(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2(R)−フ
ェニルメチルヘキサン酸〔実施例2d)〕を、3 mlのDMF
中に溶解された277 mgのBOP 、84.5 mg のHOBT、219 μ
l のNMM および238.4 mgのH-(L)-Val-(L)-Phe −チオモ
ルホリン−4−イルアミドと反応させる。カラムクロマ
トグラフィー(SiO2、酢酸エチル/ヘキサン 1:1)によ
り表題化合物が得られる。TLC Rf(A)=0.43 ; FAB-
MS (M+H) + =859 。
【0322】実施例21:上記実施例のいずれか1つに記
載のものと同様な方法で、または下記に詳細に記載され
る方法で、次の化合物が得られる。 A) 1)−モルホリン−4−イルアミドが−チオモル
ホリン−4−イルアミド基に置き換えられた下記B)〜
J)に挙げた化合物。
【0323】B) 1)Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-Phe−モ
ルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、60 mg のTBAFを使って0.95 ml
のDMF 中の83 mg の5(S)−(Boc-アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
(p−フルオロフェニル)−2(R)−(p−フルオロ
フェニルメチル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Phe −モ
ルホリン−4−イルアミドを表題化合物に変換する。FA
B-MS (M+H)+ =765 。
【0324】出発物質は次のようにして調製する。 1)a) N−Boc −(p−フルオロフェニルアラニ
ン):0.4 リットルのジオキサン/水 (1:1)中、20 g
(109 ミリモル) のp−フルオロフェニルアラニン(Flu
ka, Buchs, スイス)を、35.5 g (163 ミリモル) のBoc
無水物および150 g (1.09 モル) の炭酸カリウムと反
応させる。4 h 後、反応混合物をクエン酸溶液で酸性化
し、酢酸エチルで3回抽出する。有機相を10%クエン
酸、水およびブラインで洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥
し、蒸発により濃縮する。残渣を少量の塩化メチレンに
溶解し、ヘキサンの添加により結晶化させると、表題化
合物が得られる。
【0325】1)b) N−Boc −(p−フルオロフェニ
ルアラニノール):−5℃〜−10℃で、9.66 ml (69 ミ
リモル) のトリエチルアミンを、73 ml のabs.THF に溶
解した17.9 g (63ミリモル) のN−Boc −(p−フルオ
ロフェニルアラニン)の溶液に加え、次いで44 ml のab
s. THF中の9.05 ml (69 ミリモル)のクロロギ酸イソブ
チルエステルの溶液をそれに滴下添加する。RTで0.5 h
攪拌後、生成した沈殿物を吸引濾過する。濾液を冷却し
ながら、28 ml の水中の4.77g (126 ミリモル) の水素
化ホウ素ナトリウムに滴下添加する。混合物をRTで4h
攪拌し、10%クエン酸で酸性化し、ロータリーエバポレ
ーター中でTHF を一部蒸発せしめ、その残渣を3部分の
酢酸エチル、2部分の2N水酸化ナトリウム溶液、水、
飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインの間に分配
せしめる。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発によ
り濃縮し、そして少量の塩化メチレン中に溶解した後、
ヘキサンの添加により結晶化させると表題化合物が得ら
れる。TLC Rf (A)=0.36 ; 1H-NMR (200 MHz, CD3O
D): 7.24 (dd, 8 および5 Hz, 2H), 6.98 (t, 8 Hz, 2
H), 3.73 (m, 1H), 3.47 (d, 5 Hz, 2H), 2.88 (dd, 13
および6 Hz, 1H), 2.62 (dd, 13 および8 Hz, 1H),
1.36 (s, 9H)。
【0326】1)c) N−Boc −(p−フルオロフェニ
ルアラニナール):76 ml の塩化メチレン中に溶解した
4.44 ml (62.4 ミリモル) のDMSOを、窒素雰囲気下で、
44 ml の塩化メチレン中の4.0 ml (46.8ミリモル) のオ
キサリルクロリドの−60℃冷却溶液に滴下添加する。15
分間攪拌した後、8.4 g (31.2 ミリモル) のN−Boc −
(p−フルオロフェニルアラニノール)を185 mlの塩化
メチレン/THF (1:1) 中の溶液の形で透明な反応液に添
加し(沈澱が起こる)、次いで該バッチを25分間攪拌し
た後、38 ml の塩化メチレン中に溶解した17.3 ml (12
4.8ミリモル) のトリエチルアミンを添加する。30分間
攪拌した後、278 mlの20%硫酸水素カリウム溶液を滴下
添加し、次いで220 mlのヘキサンを滴下添加する。バッ
チをRTまで温め、水相を分離し、エーテルで2回抽出す
る。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水およびブ
ラインで順次洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発
により濃縮した後、表題化合物が得られる。それを更に
精製することなく次の段階に使用する。1H-NMR (200 MH
z, CDCl3): 9.63 (s, 1H), 6.9-7.2(2m, 4H), 5.04 (m,
1H), 4.42 (m, 1H), 3.10 (m, 2H), 1.43 (s, 9H) 。
【0327】1)d) 5(S)−〔1(S)−(Boc −
アミノ)−2−(p−フルオロフェニル)エチル〕ジヒ
ドロフラン−2−(3H)−オン 実施例21D)1)b)と同様にして、124 mlのトルエン中
の16.7 gの2−ヨードプロピオン酸エチルエステル、8.
1 g のZn/Cu および12.4 ml のジメチルアセトアミドか
らZnホモエノラートを形成させる。このZnホモエノラー
トを、−40℃〜−25℃に冷却されたトリクロロチタニウ
ムンイソプロパノラート(16 ml のトルエンと88.5 ml
の塩化メチレン中で5.11 ml のテトライソプロピルオル
トチタネートと5.71 ml の四塩化チタンから調製)にカ
ニューレで移す。該バッチを−25℃で5分間加熱し、次
に−40℃に再冷却する。次いで33 ml の塩化メチレン中
の9.28 gのN−Boc −(p−フルオロフェニルアラニナ
ール)の溶液を滴下添加し、該バッチを約−20℃にて15
h攪拌し、最後に0 ℃にて1 h 攪拌する。反応混合物を
0.4 kgの氷水と0.55リットルのtert−ブチルメチルエー
テル上に注ぎ、10分間激しく攪拌する。水相を分離し、
エーテルで2回抽出し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウ
ム溶液、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上
で乾燥し、蒸発により濃縮すると、結晶5(S)−(Bo
c −アミノ)−4(S)−ヒドロキシ−6−(p−フル
オロフェニル)ヘキサン酸エチルエステルが中間体とし
て得られ、これを244 mlのトルエンと7.3 mlの酢酸中で
100 ℃にて2 h 加熱する。次いで冷却した反応混合物に
0.5 リットルの水を添加し、水相を分離し、エーテルで
2回抽出する。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、
水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥
し、蒸発により濃縮する。カラムクロマトグラフィー
(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 2:1)により、純粋な表
題化合物が得られる。TLC Rf (D)=0.22 ; FAB-MS
(M+H)+ =324 ; 〔α〕D =20.7°(c=1 ;エタノー
ル)。
【0328】1)e) 5(S)−〔1(S)−(Boc −
アミノ)−2−(p−フルオロフェニル)エチル〕−3
(R)−(p−フルオロフェニルメチル)ジヒドロフラ
ン−2−(3H)−オン 実施例21D)1)c)と同様にして、7.9 mlのTHF 中に溶
解した1.0 g の5(S)−〔1(S)−(Boc −アミ
ノ)−2−(p−フルオロフェニル)エチル〕ジヒドロ
フラン−2−(3H)−オンを、THF 中1Mのリチウム
ビス(トリメチルシリル)アミド 6.50 mlを使って脱プ
ロトン化し、そして−75℃(1 h) において0.673 g のp
−フルオロベンジルブロミドを使ってアルキル化する。
カラムクロマトグラフィー(SiO2、塩化メチレン/エー
テル 49:1)により、純粋な表題化合物が得られる。TL
C Rf (M)=0.17 ; 1H-NMR (200 MHz, CDCl3): 7.19
-7.05 および7.04-6.88 (2m,各4H), 4.50 (d, 10 Hz, H
N), 4.11 (m, 1H), 3.87 (qm, 約8 Hz, 1H), 3.1-2.7
(m, 5H), 2.33-2.14 および2.02-1.85 (2m,各1H), 1.35
(s, 9H) 。
【0329】1)f) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−ヒドロキシ−6−(p−フルオロフェニル)−
2(R)−(p−フルオロフェニルメチル)ヘキサン酸 実施例1i)と同様にして、29 ml のジメトキシエタンと
15 ml の水中の790 mgの5(S)−〔1(S)−(Boc
−アミノ)−2−(p−フルオロフェニル)エチル〕−
3(R)−(p−フルオロフェニルメチル)ジヒドロフ
ラン−2−(3H)−オンを7.3 mlの1M水酸化リチウ
ム溶液で加水分解して表題化合物を形成させ、それを直
接次の段階に使用する。
【0330】1)g) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
(p−フルオロフェニル)−2(R)−(p−フルオロ
フェニルメチル)ヘキサン酸 実施例1j)と同様にして、1.47 gのtert−ブチルジメチ
ルクロロシランと1.19gのイミダゾールを使って、2.3 m
lのDMF 中の956 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−ヒドロキシ−6−(p−フルオロフェニル)−
2(R)−(p−フルオロフェニルメチル)ヘキサン酸
をシリル化する。このシリルエステル機能を50 ml のメ
タノール/THF /水 (3:1:1) 中で1.76 gの炭酸カリウ
ムにより加水分解すると、カラムクロマトグラフィー
(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 2:1)後、表題化合物が
得られる。TLC Rf (D)=0.13 ; FAB-MS (M+H) +
564。
【0331】1)h) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
(p−フルオロフェニル)−2(R)−(p−フルオロ
フェニルメチル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Phe −モ
ルホリン−4−イルアミド 実施例9f)と同様にして、1.83 ml の0.25M NMM/CH3N中
の110 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−
(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−(p−フ
ルオロフェニル)−2(R)−(p−フルオロフェニル
メチル)ヘキサン酸と71.5 mg のH-(L)-Val-(L)-Phe −
モルホリン−4−イルアミド〔実施例1o)〕を81.5 mg
のHBTUと反応させる。カラムクロマトグラフィー(Si
O2、塩化メチレン/エーテル 3:1)後、表題化合物が得
られる。TLC Rf (N)=0.14 ; FAB-MS (M+H) + =87
9 。
【0332】2) Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-V
al-(L)-(p-F-Phe)−モルホリン−4−イルアミド 実施例1)と同様にして、105 mgのTBAFを使って2.5 ml
のDMF 中で150 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
(p−フルオロフェニル)−2(R)−(p−フルオロ
フェニルメチル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-(p-F-Ph
e) −モルホリン−4−イルアミドを表題化合物に変換
する。FAB-MS (M+H)+ =783 。
【0333】出発物質は次のようにして調製する。 2)a) 5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−(p−フルオ
ロフェニル)−2(R)−(p−フルオロフェニルメチ
ル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モルホリ
ン−4−イルアミド 実施例9f)と同様にして、1.67 ml の0.25M NMM/CH3N中
の100 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−
(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−(p−フ
ルオロフェニル)−2(R)−(p−フルオロフェニル
メチル)ヘキサン酸〔実施例21B)1)g)〕と68.5 m
g のH-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モルホリン−4−イル
アミド〔実施例9e)〕を74 mg のHBTUと反応させると表
題化合物が得られる。TLC Rf (A)=0.17 ; FAB-MS
(M+H) + =897 。
【0334】3) Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-V
al-(L)-(p-CH3O-Phe) −モルホリン−4−イルアミド 実施例1)と同様にして、87 mg のTBAFを使って2 mlの
DMF 中で126 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
(p−フルオロフェニル)−2(R)−(p−フルオロ
フェニルメチル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-(p-CH3O-
Phe)−モルホリン−4−イルアミドを表題化合物に変換
する。FAB-MS (M+H)+ =795 。
【0335】出発物質は次のようにして調製する。 3)a) 5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−(p−フルオ
ロフェニル)−2(R)−(p−フルオロフェニルメチ
ル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe)−モルホ
リン−4−イルアミド 実施例9f)と同様にして、1.3 mlの0.25M NMM/CH3N中の
80 mg の5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−(p−フルオ
ロフェニル)−2(R)−(p−フルオロフェニルメチ
ル)ヘキサン酸〔実施例21B)1)g)〕と56.7 mg の
H-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe)−モルホリン−4−イルア
ミド〔実施例10e)〕を59.2 mg のHBTUと反応させると表
題化合物が得られる。FAB-MS (M+H)+ =909 。
【0336】4) Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-V
al-(L)-Cha−モルホリン−4−イルアミド 実施例1)と同様にして、164 mgのTBAFを使って3.8 ml
のDMF 中で230 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
(p−フルオロフェニル)−2(R)−(p−フルオロ
フェニルメチル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Cha −モ
ルホリン−4−イルアミドを表題化合物に変換する。FA
B-MS (M+H)+ =771 。
【0337】出発物質は次のようにして調製する。 4)a) 5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−(p−フルオ
ロフェニル)−2(R)−(p−フルオロフェニルメチ
ル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Cha −モルホリン−4
−イルアミド 実施例9f)と同様にして、2.4 mlの0.25M NMM/CH3N中の
150 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−(p−フルオ
ロフェニル)−2(R)−(p−フルオロフェニルメチ
ル)ヘキサン酸〔実施例21B)1)g)〕と99.4 mg の
H-(L)-Val-(L)-Cha-モルホリン−4−イルアミド〔実施
例11a)〕を111 mgのHBTUと反応させると表題化合物が得
られる。FAB-MS (M+H)+ =885 。
【0338】5) Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-I
le-(L)-Phe−モルホリン−4−イルアミド
【0339】C) 1) Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-Phe
−モルホリン−4−イルアミド 2) Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-(p-F
-Phe) −モルホリン−4−イルアミド 3) Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-(p-C
H3O-Phe)−モルホリン−4−イルアミド 4) Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-Phe
−モルホリン−4−イルアミド 5) Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Ile-(L)-Cha
−モルホリン−4−イルアミド
【0340】D) 1) Boc-Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-Phe−モル
ホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、3.0 mlのDMF 中の226 mgのTBAF
を使って、0.31 gの5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−(p−フルオロフェニルメチル)
ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イ
ルアミドを脱保護し、カラムクロマトグラフィー(Si
O2、酢酸エチル)後、純粋な形で表題化合物を得る。TL
C Rf (B)=0.55 ;FAB-MS (M+H)+ =747 。
【0341】出発物質は次のようにして調製する。 1)a) 2−ヨードプロピオン酸エチルエステル 1.8 リットルのアセトン中の170 mlの2−ブロモプロピ
オン酸エチルエステル(Fluka, Buchs, スイス)と950
g のヨウ化ナトリウムの懸濁液を60℃で20 h攪拌する。
この反応混合物を濾過し、濾液を蒸発により部分的に濃
縮し、約2.5 リットルのエーテル上に注ぎ、1.0 リット
ルの1%チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、最後にブラ
インで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥しそして蒸発に
より濃縮する。蒸留(83℃;20ミリバール)により純粋
な表題化合物が得られる。MS (M) + =228 ; 1H-NMR (20
0 MHz, CDCl3): 4.17 (q, 7 Hz, 2H), 3.34 および2.97
(2t, 7 Hz, 2 ×2H), 1.28 (t, 7 Hz, 3H) 。
【0342】1)b) 5(S)−〔1(S)−(Boc −
アミノ)−2−フェニルエチル〕ジヒドロフラン−2−
(3H)−オン 〔A.E. DeCamp, A.T. Kawaguchi, R.P. Volante および
I. Shinkai, Tetrahedron Lett. 32, 1867 (1991) に準
じる〕。N2 雰囲気下で、8.03 gのZn/Cu 〔調製:R.D.
Smith, H.E. Simmons, W.E. Parham, M.D. Bhavsar, O
rg. Synth., Coll. Vol.5 , 855 (1973)〕と12.96 mlの
ジメチルアセトアミドを、130 mlのトルエン中の17.4 g
の2−ヨードプロピオン酸エチルエステルの溶液に添加
し、次いで該バッチをRTにおいて1 h 、そして80℃にお
いて4 h 激しく攪拌する(→Znホモエノラート溶液)。
第二の装置中で(N2 雰囲気下)、わずかに冷却しなが
ら、5.90 ml (53.8 ミリモル) の四塩化チタンを、16.4
ml のトルエンと91.8 mlの塩化メチレン中の5.58 ml
(18.9 ミリモル) のテトライソプロピルオルトチタネー
トの溶液に添加する。該バッチをRTで15分間攪拌し(→
黄色溶液)そして−40℃に冷却する(→トリクロロチタ
ニウムイソプロパノラートが一部晶出する)。温度を−
40℃〜−30℃に維持しながら、カニューレを使って、RT
に冷却したZnホモエノラート溶液を金属固体から分離
し、トリクロロチタニウムイソプロパノラート溶液に滴
下添加し(→暗赤色溶液)、次いで該バッチを−25℃に
5分間加熱し、そして−40℃に再冷却する。32.8 ml の
塩化メチレン中の9.0 g のN−Boc −フェニルアラニナ
ール〔調製:D.J. Kempf, J. Org. Chem. 51, 3921 (19
86) 〕をそれに滴下添加し、次いで該バッチを約−20℃
で15 h、最後に0 ℃で1 h激しく攪拌する。反応混合物
を0.5 kgの氷水と0.5 リットルのエーテル上に注ぎ、10
分間攪拌する。水相を分離し、エーテルで2回抽出し、
有機相を水で2回、飽和炭酸ナトリウム溶液およびブラ
インで順次洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして
蒸発により濃縮すると中間体として結晶5(S)−(Bo
c −アミノ)−4(S)−ヒドロキシ−6−フェニルヘ
キサン酸エチルエステルを得る。この中間体を295 mlの
トルエンと9 mlの酢酸中80℃で2.5 h 加熱する。0.5 リ
ットルの水を反応混合物に添加し、水相を分離し、エー
テルで2回抽出し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶
液、水およびブラインで順次洗浄し、そして硫酸ナトリ
ウム上で乾燥する。有機相を蒸発により部分的に濃縮し
そしてヘキサンで粉砕すると、分析によれば約10%の4
(R)−エピマー〔TLC Rf (E)=0.08〕を含む結晶
の表題化合物が得られる。カラムクロマトグラフィー
(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 2:1)により、純粋な表
題化合物が得られる。TLC Rf (E)=0.14;〔α〕D
=17.7°(c=1;エタノール)。
【0343】1)c) 5(S)−〔1(S)−(Boc −
アミノ)−2−フェニルエチル〕−3(R)−(p−フ
ルオロフェニルメチル)ジヒドロフラン−2−(3H)
−オン 〔A.K. Ghosh, S.P. McKeeおよびW.J. Thompson, J. Or
g. Chem 56, 6500 (1991) に準じる〕。THF (Aldrich)
中の1Mリチウムビス(トリメチルシリル)アミド 1.9
2 mlを、−75℃において窒素雰囲気下で、6 mlのTHF 中
の300 mg (0.982 ミリモル) の5(S)−〔1(S)−
(Boc −アミノ)−2−フェニルエチル〕ジヒドロフラ
ン−2−(3H)−オンの溶液に添加し、次いで該バッ
チをその温度で15分間攪拌する。132 μl (1.077ミリモ
ル) のp−フルオロベンジルブロミド(Fluka ; Buchs,
スイス)を滴下添加し、−50℃において30分間攪拌して
反応を完了させる。再度−75℃に冷却した後、0.3 mlの
プロピオン酸、次に0.3 mlの水を添加する。該バッチを
0 ℃に加熱し、酢酸エチルで希釈し、10%クエン酸溶
液、飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインで順次
洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして蒸発により
濃縮する。カラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン
/酢酸エチル 4:1)により、純粋な表題化合物が得られ
る。TLC Rf (D)=0.54 ; FAB-MS (M+H) + =414 。
【0344】1)d) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−ヒドロキシ−6−フェニル−2(R)−(p−
フルオロフェニルメチル)ヘキサン酸 実施例1i)と同様にして、14.1 ml の1M水酸化リチウ
ム溶液を使って、57 ml のジメトキシエタンと29 ml の
水の中の1.46 gの5(S)−〔1(S)−(Boc −アミ
ノ)−2−フェニルエチル〕−3(R)−(p−フルオ
ロフェニルメチル)ジヒドロフラン−2−(3H)−オ
ンを加水分解し、表題化合物を形成せしめる。これを更
に精製することなく次の段階に使用する。
【0345】1)e) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−(p−フルオロフェニルメチル)
ヘキサン酸 実施例1j)と同様にして、1.49 gのtert−ブチルジメチ
ルクロロシランと1.2g のイミダゾールを使って、4 ml
のDMF 中の0.9 g の5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−ヒドロキシ−6−フェニル−2(R)−(p−
フルオロフェニルメチル)ヘキサン酸をシリル化する。
このシリルエステル機能を50 ml のメタノール/THF /
水 (3:1:1) 中で1.9 g の炭酸カリウムにより加水分解
し、クエン酸で酸性化しそして酢酸エチルで抽出後、表
題化合物が得られる。TLC Rf (D)=0.2 。
【0346】1)f) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−(p−フルオロフェニルメチル)
ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イ
ルアミド 実施例9f)と同様にして、3.6 mlの0.25M NMM/CH3N中の
200 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2
(R)−(p−フルオロフェニルメチル)ヘキサン酸と
134 mgのH-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルア
ミド〔実施例1o)〕を153 mgのHBTUと反応させる。ヘキ
サンからの結晶化により、純粋な表題化合物が得られ
る。TLC R f (A)=0.25。
【0347】2) Boc-Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-
(L)-(p-F-Phe)−モルホリン−4−イルアミド 3) Boc-Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-P
he) −モルホリン−4−イルアミド
【0348】4) Boc-Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-
(L)-Cha−モルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、1.4 mlのDMF 中の87 mg のTBAF
を使って、120 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−(p−フルオロフェニルメチル)
ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Cha −モルホリン−4−イ
ルアミドを脱保護し、表題化合物を得る。TLC R
f (B)=0.61 ;FAB-MS (M+H)+ =753 。
【0349】出発物質は次のようにして調製する。 4)a) 5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2
(R)−(p−フルオロフェニルメチル)ヘキサノイル
−(L)-Val-(L)-Cha −モルホリン−4−イルアミド 実施例9f)と同様にして、1.8 mlの0.25M NMM/CH3N中の
100 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2
(R)−(p−フルオロフェニルメチル)ヘキサン酸
〔実施例21D)1)e)〕と68 mg のH-(L)-Val-(L)-Cha
−モルホリン−4−イルアミド〔実施例11e)〕を76.4 m
g のHBTUと反応させる。TLC Rf (A)=0.50。 5) Boc-Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe−モルホ
リン−4−イルアミド
【0350】E) 1) Boc-Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モ
ルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、1.0 mlのDMF 中の64.3 mg のTB
AFを使って、60 mg の5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−(p−シアノフェニルメチル)ヘ
キサノイル−(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イル
アミドを脱保護し、表題化合物を得る。カラムクロマト
グラフィー(SiO2、酢酸エチル)により、純粋な表題化
合物が得られる。TLC Rf (B)=0.26 ; FAB-MS (M+
H) + =754 。
【0351】出発物質は次のようにして調製する。 1)a) 5(S)−〔1(S)−(Boc −アミノ)−2
−フェニルエチル〕−3(R)−(p−シアノフェニル
メチル)ジヒドロフラン−2−(3H)−オン 実施例21D)1)c)と同様にして、THF 中の1Mリチウ
ムビス(トリメチルシリル)アミド溶液 9.8 ml を使っ
て、32 ml のTHF 中に溶解した1.5 g の5(S)−〔1
(S)−(Boc −アミノ)−2−フェニルエチル〕ジヒ
ドロフラン−2−(3H)−オン〔実施例21D)1)
b)〕を脱プロトン化し、次いで3 mlのTHF中に溶解した
1.0 g の4−ブロモメチルベンゾニトリル(Fluka ; Bu
chs,スイス)を使ってアルキル化する。カラムクロマト
グラフィー(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 2:1)によ
り、純粋な表題化合物が得られる。TLC Rf (D)=0.
33。
【0352】1)b) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−ヒドロキシ−6−フェニル−2(R)−(p−
シアノフェニルメチル)ヘキサン酸 実施例1i)と同様にして、4.8 mlの1M水酸化リチウム
溶液を使って、19 mlのジメトキシエタンと10 ml の水
に溶解した0.50 gの5(S)−〔1(S)−(Boc −ア
ミノ)−2−フェニルエチル〕−3(R)−(p−シア
ノフェニルメチル)ジヒドロフラン−2−(3H)−オ
ンを加水分解し、表題化合物を形成せしめる。TLC Rf
(F)=0.3 。
【0353】1)c) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−(p−シアノフェニルメチル)ヘ
キサン酸 実施例1j)と同様にして、0.98 gのtert−ブチルジメチ
ルクロロシランと0.79g のイミダゾールを使って、6.2
mlのDMF 中の0.62 gの5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−ヒドロキシ−6−フェニル−2(R)−(p−
シアノフェニルメチル)ヘキサン酸をシリル化する。こ
のシリルエステル機能を31 ml のメタノール/THF /水
(3:1:1) 中で1.2 g の炭酸カリウムにより加水分解
し、クエン酸で酸性化しそして酢酸エチルで抽出後、表
題化合物が得られる。TLC Rf (D)=0.29 ; FAB-MS
(M+H) + =553 。
【0354】1)d) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−(p−シアノフェニルメチル)ヘ
キサノイル−(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イル
アミド 実施例9f)と同様にして、1.14 ml の0.25M NMM/CH3N中
の72 mg の5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−
(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−フェニル
−2(R)−(p−シアノフェニルメチル)ヘキサン酸
と43.3 mg のH-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イ
ルアミド〔実施例1o)〕を50 mg のHBTUと反応させる
と、表題化合物が得られる。TLC Rf (A)=0.19。
【0355】2) Boc-Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-
(L)-(p-F-Phe) −モルホリン−4−イルアミド 3) Boc-Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-
Phe)−モルホリン−4−イルアミド 4) Boc-Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-Cha-モル
ホリン−4−イルアミド
【0356】5) Boc-Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Ile-
(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、10 ml のDMF 中の362.3 mgのTB
AFを使って、510 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
フェニル−2(R)−(p−シアノフェニルメチル)ヘ
キサノイル−(L)-Ile-(L)-Phe −モルホリン−4−イル
アミドを脱シリル化する。反応混合物を氷水上に注ぎ、
塩化メチレンで3回抽出し、有機相を飽和炭酸水素ナト
リウム溶液、水およびブラインで順次洗浄し、硫酸ナト
リウム上で乾燥し、そして蒸発により濃縮する。カラム
クロマトグラフィー(SiO2、酢酸エチル)により、純粋
な表題化合物が得られる。TLC Rf (B)=0.51 ; FAB
-MS (M+H) + =768 。
【0357】出発物質は次のようにして調製する。 5)a) 5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−フェニル−2
(R)−(p−シアノフェニルメチル)ヘキサノイル−
(L)-Ile-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド 実施例9f)と同様にして、6.36 ml の0.25M NMM/CH3N中
の360mg の5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−
(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−フェニル
−2(R)−(p−シアノフェニルメチル)ヘキサン酸
〔実施例21E)1)d)〕と253 mgのH-(L)-Ile-(L)-Phe
−モルホリン−4−イルアミド〔実施例16b)〕を276 mg
のHBTUと反応させる。蒸発残渣を塩化メチレン、10%ク
エン酸溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水およ
びブラインの間に順次分配させ、有機相を硫酸ナトリウ
ム上で乾燥し、そして蒸発により濃縮すると表題化合物
が得られる。TLC Rf (D)=0.07。
【0358】F) 1) Boc-Phe〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-Phe −
モルホリン−4−イルアミド 2) Boc-Phe〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-(p-F-P
he) −モルホリン−4−イルアミド 3) Boc-Phe〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3
O-Phe)−モルホリン−4−イルアミド 4) Boc-Phe〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-Cha −
モルホリン−4−イルアミド 5) Boc-Phe〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe −
モルホリン−4−イルアミド
【0359】G) 1) Boc-Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-Phe−モ
ルホリン−4−イルアミド 2) Boc-Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-(p-F-Ph
e)−モルホリン−4−イルアミド 3) Boc-Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O
-Phe) −モルホリン−4−イルアミド 4) Boc-Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-Cha−モ
ルホリン−4−イルアミド 5) Boc-Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe−モ
ルホリン−4−イルアミド
【0360】H) 1) Boc-Cha〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-(p-F-Ph
e) −モルホリン−4−イルアミド 2) Boc-Cha〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-
Phe)−モルホリン−4−イルアミド 3) Boc-Cha〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-Cha −モ
ルホリン−4−イルアミド 4) Boc-Cha〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe −モ
ルホリン−4−イルアミド
【0361】I) 1) Boc-Cha〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-Phe −
モルホリン−4−イルアミド 2) Boc-Cha〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-(p-F-P
he) −モルホリン−4−イルアミド 3) Boc-Cha〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3
O-Phe)−モルホリン−4−イルアミド 4) Boc-Cha〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-Cha −
モルホリン−4−イルアミド 5) Boc-Cha〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe −
モルホリン−4−イルアミド
【0362】J) 1) Boc-Cha〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-Phe−モ
ルホリン−4−イルアミド 2) Boc-Cha〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-(p-F-Ph
e)−モルホリン−4−イルアミド 3) Boc-Cha〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O
-Phe) −モルホリン−4−イルアミド 4) Boc-Cha〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-Cha−モ
ルホリン−4−イルアミド 5) Boc-Cha〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe−モ
ルホリン−4−イルアミド
【0363】実施例22:上記実施例のいずれか1つと同
様にして、または下記に詳述される方法で、適当な出発
物質を選択することにより次の化合物が調製される。 A) Boc-(L)-Val-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-Phe −モル
ホリン−4−イルアミド B) H-(L)-Val-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-Phe −モルホ
リン−4−イルアミド
【0364】C) Boc-Cha〔C〕(p-F)Phe-(L)-Ile-
(L)-Phe−モルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、1.7 mlのDMF 中の117 mgのTBAF
を使って、0.15 gの5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
シクロヘキシル−2(R)−(p−フルオロフェニルメ
チル)ヘキサノイル−(L)-Ile-(L)-Phe −モルホリン−
4−イルアミドを表題化合物に変換する。TLC R
f (I)=0.18 ; FAB-MS (M+H) + =767 。出発物質は
次のようにして調製する。
【0365】C)a) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
シクロヘキシル−2(R)−(p−フルオロフェニルメ
チル)ヘキサノイル−(L)-Ile-(L)-Phe −モルホリン−
4−イルアミド 実施例9f)と同様にして、1.77 ml の0.25M NMM/CH3N中
の102mg の5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−
(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−シクロヘ
キシル−2(R)−(p−フルオロフェニルメチル)ヘ
キサン酸〔実施例1j)〕と70.8 mg のH-(L)-Ile-(L)-Ph
e −モルホリン−4−イルアミド〔実施例16b)〕を77.4
mg のHBTUと反応させると、表題化合物が得られる。TL
C Rf (A)=0.17 ; FAB-MS (M+H) + =881 。
【0366】D) Boc-Cha〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-
(L)-Cha−モルホリン−4−イルアミド E) Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(D)-Phe −モルホリ
ン−4−イルアミド F) Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val(red)-(L)-Phe−モル
ホリン−4−イルアミド G) イソブトキシカルボニル− Phe〔C〕Phe-(L)-Va
l-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド H) Boc-Cha〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-Phe −チ
オモルホリン−4−イルアミド
【0367】I) Boc-Cha〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-
(L)-Phe−チオモルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、1.8 mlのDMF 中の114 mgのTBAF
を使って、0.16 gの5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
シクロヘキシル−2(R)−(p−フルオロフェニルメ
チル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Phe −チオモルホリ
ン−4−イルアミドを表題化合物に変換する。TLC Rf
(I)=0.38 ; FAB-MS (M+H) + =769 。
【0368】出発物質は次のようにして調製する。 I)a) 5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−シクロヘキシ
ル−2(R)−(p−フルオロフェニルメチル)ヘキサ
ノイル−(L)-Val-(L)-Phe −チオモルホリン−4−イル
アミド 実施例9f)と同様にして、1.7 mlの0.25M NMM/CH3N中の
100mg の5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−シクロヘキシ
ル−2(R)−(p−フルオロフェニルメチル)ヘキサ
ン酸〔実施例1j)〕と70 mg のH-(L)-Val-(L)-Phe −チ
オモルホリン−4−イルアミド〔実施例20b)〕を76 mg
のHBTUと反応させる。RTにおいて18 h後、一部の表題化
合物は濾過により反応混合物から直接得られる。より多
くの表題化合物は、濾液の濃縮残渣を酢酸エチルに2
回、10%クエン酸溶液に2回、水に1回、飽和炭酸水素
ナトリウム溶液に2回、水およびブラインに1回順次分
配させ、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発によ
り濃縮した後に得られる。TLC Rf (A)=0.55 ; FAB
-MS (M+H) + =883 。 J)−モルホリン−4−イルアミドを−チオモルホリン
−4−イルアミド基により置き換えた実施例22A)〜22
G)の化合物。
【0369】実施例23 上記方法のいずれかにより次の化合物が調製される。 a) Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −(4−メ
チルピペラジン−1−イル)アミド b) Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −ピペリジ
ン−1−イルアミド c) Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −ピロリジ
ン−1−イルアミド
【0370】実施例24ゼラチン溶液 上記または下記の実施例1〜23と33〜41に言及した式I
の化合物のいずれか1つの滅菌濾過水溶液(この溶液は
20%シクロデキストリンを更に含む)と、保存剤として
フェノールが添加されている滅菌ゼラチン溶液とを、無
菌条件下で加熱しながら、1.0 mlが下記の組成を有する
ように混合する。 活性成分 3 mg ゼラチン 150.0 mg フェノール 4.7 mg 20%シクロデキストリンを含む蒸留水 1.0 ml
【0371】実施例25注射用無菌乾燥物質 活性成分として、上記または下記の実施例1〜23と33〜
41に言及した式Iの化合物のいずれか1つ 5 mg を、可
溶化剤としての20%シクロデキストリンと20 mg のマン
ニトールを含む水溶液 1 ml に溶解する。この溶液を滅
菌濾過し、そして無菌条件下で2 mlのアンプルに充填
し、深冷凍結し、次いで凍結乾燥する。使用前に、凍結
乾燥物を1 mlの蒸留水と1 mlの生理食塩水に溶解する。
この溶液を筋肉内または静脈内に投与する。該製剤は2
室シリンジアンプル中に充填することもできる。
【0372】実施例26点鼻用スプレー 活性成分として、上記または下記の実施例1〜23と33〜
41に言及した式Iの化合物のいずれか1つの微粉末(<
5.0 μm )500 mgを、3.5 mlのMyglyol 812 TMと0.08 g
のベンジルアルコールの混合物中に懸濁させる。この懸
濁液を測量弁を有する容器に入れる。5.0 g のFreon 12
TMを、加圧下で弁を通して該容器中に導入する。振盪す
ることにより"Freon" をMyglyol −ベンジルアルコール
混合物中に溶解させる。このスプレー容器は、個々に投
与することができる約100 回分の用量を含む。
【0373】実施例27フィルムコーティング錠 各々100 mgの活性成分を含む10,000錠の調製のために次
の成分を加工する。 活性成分 1000 g コーンスターチ 680 g コロイド状シリカ 200 g ステアリン酸マグネシウム 20 g ステアリン酸 50 g カルボキシメチルスターチナトリウム 250 g 水 適量
【0374】活性成分として、上記または下記の実施例
1〜23と33〜41に言及した式Iの化合物のいずれか1
つ、50 gのコーンスターチおよびコロイド状シリカの混
合物を、250 g のコーンスターチと2.2 kgの脱イオン水
とから成るデンプンペーストで処理し、湿潤物を形成さ
せる。これを3 mmの網目を有する篩を通して押し出し、
流動床式乾燥機中で45℃にて30分間乾燥する。乾燥顆粒
を1 mmの網目を有する篩を通して押し出し、そして予め
篩別した(1 mmの篩)330 g のコーンスターチ、ステア
リン酸マグネシウム、ステアリン酸およびカルボキシメ
チルスターチナトリウムの混合物と混合し、混合物をわ
ずかに凸型の錠剤に圧縮成形する。
【0375】実施例28経口投与用分散液1 活性成分として、625 mgの上記または下記の実施例1〜
23と33〜41に言及した式Iの化合物のいずれか1つ、例
えば Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe-モルホリン−
4−イルアミド、および625 mgのPOPC〔1−パルミトイ
ル−2−オレオイルホスファチジルコリン=1−ヘキサ
デカノイル−2−(9−シス−オクタデセノイル)−3
−sn−ホスファチジルコリン〕を25 ml のエタノールに
溶かす。この溶液を10倍量の水で希釈する。このため
に、まずエタノール性溶液を、室温において10 ml/分の
速度で、決められた量の水に滴下添加する。1750 ml の
水に対する接線流透析(交差流濾過)により混合物から
エタノールを除去する〔システム:Minitan TM、100 kD
の排除限界を有する700 cm2 ポリエーテルスルホン膜、
Millipore(USA)により製造〕。同じシステムを使って、
混合物を限外濾過により15 mg の活性成分に濃縮する。
1.24 mg/mlのクエン酸と1.24 mg/mlの硫酸水素二ナトリ
ウム二水和物を添加してpHを4.2 に調整し、抗菌性保存
剤として1 mg/ml のソルビン酸を添加した後、分散液を
再び15 mg/mlに濃縮し、小瓶、例えば20ml の容積を有
する小瓶に充填する。分散粒子は0.1 〜2 μm の直径を
有する。それらは+2 〜8 ℃で少なくとも6か月間安定
であり、経口投与に適する。
【0376】実施例29経口投与用分散液2 25 mg の活性成分と50 mg のPOPCを使ってエタノール性
溶液を作製すること以外は、実施例28と同様にして調製
を行う。
【0377】実施例30経口投与用分散液3 25 mg の活性成分と125 mgのPOPCを使ってエタノール性
溶液を作製すること以外は、実施例28と同様にして調製
を行う。
【0378】実施例31経口投与用分散液4 50 mg の活性成分と50 mg のPOPCを使ってエタノール性
溶液を作製すること以外は、実施例28と同様にして調製
を行う。
【0379】実施例32経口投与用分散液5 POPCの代わりに大豆からのホスファチジルコリンまたは
卵黄からのホスファチジルコリン(純度70〜100 %)お
よび活性成分を使ってエタノール性溶液を作製すること
以外は、実施例28〜31のいずれかと同様にして調製を行
う。所望であれば、酸化防止剤、例えばアスコルビン酸
を5 mg/ml の濃度で添加する。
【0380】実施例33Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CF3)Phe
-(L)-Val-(L)-Phe−モルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、4.2 mlのDMF 中で180 mgのTBAF
を使って265 mgの5(S)−(Boc-アミノ)−4(S)
−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−(p−
トリフルオロフェニル)−2(R)−(p−トリフルオ
ロメチルフェニルメチル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-
Phe −モルホリン−4−イルアミドを表題化合物に変換
する。TLC Rf (I)=0.3 ; FAB-MS (M+H)+ =815 。
【0381】出発物質は次のようにして調製する。 33a) 5(S)−〔1(S)−(Boc −アミノ)−2−
(p−フルオロフェニル)エチル〕−3−(R)−(p
−トリフルオロメチルフェニルメチル)ジヒドロフラン
−2−(3H)−オン 実施例21D)1)c)と同様にして、THF 中の1Mリチウ
ムビス(トリメチルシリル)アミド溶液 6.05 mlを使っ
て、6.3 mlのTHF 中に溶解した1.0 g の5(S)−〔1
(S)−(Boc −アミノ)−2−(p−フルオロフェニ
ル)エチル〕ジヒドロフラン−2−(3H)−オンを脱
プロトン化し、次いで0.739 g のp−トリフルオロメチ
ルベンジルブロミド(Fluka ; Buchs,スイス)を使って
−75℃にて40分間アルキル化する。カラムクロマトグラ
フィー(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 2:1)により、純
粋な表題化合物が得られる。TLC Rf (D)=0.48 ; F
AB-MS (M+H) + =482 。
【0382】33b) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−ヒドロキシ−6−(p−フルオロフェニル)−
2(R)−(p−トリフルオロメチルフェニルメチル)
ヘキサン酸 実施例1i)と同様にして、8.7 mlの1M水酸化リチウム
溶液を使って、35.5 ml のジメトキシエタンと17.9 ml
の水に溶解した1.05 gの5(S)−〔1(S)−(Boc
−アミノ)−2−(p−フルオロフェニル)エチル〕−
3−(R)−(p−トリフルオロメチルフェニルメチ
ル)ジヒドロフラン−2−(3H)−オンを加水分解し
て表題化合物を形成せしめ、それを直接次の段階に使用
する。
【0383】33c) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
(p−フルオロフェニル)−2(R)−(p−トリフル
オロメチルフェニルメチル)ヘキサン酸 実施例1j)と同様にして、1.47 gのtert−ブチルジメチ
ルクロロシランと1.18g のイミダゾールを使って、2.3
mlのDMF 中の1.06 gの5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−ヒドロキシ−6−(p−フルオロフェニル)−
2(R)−(p−トリフルオロメチルフェニルメチル)
ヘキサン酸をシリル化する。このシリルエステル機能を
50 ml のメタノール/THF /水 (3:1:1) 中で1.76 gの
炭酸カリウムにより加水分解し、カラムクロマトグラフ
ィー(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 2:1)後、表題化合
物が得られる。TLC Rf (D)=0.15 ; 1H-NMR (200 M
Hz, CD3OD): 7.59および7.39 (2d, 8 Hz, 各2H), 7.19
および6.98 (2m, 各2H), 6.47 および5.90 (d,約8 Hz,
一緒に1H), 3.9-3.65 (m, 2H), 3.15-2.8 (m, 4H),2.53
-2.37, 2.07-1.9および1.6-1.4 (3m,各1H), 1.37-1.22
(m, 9H), 0.94 (s,9H), 0.2-0.1 (m, 6H) 。
【0384】33d) 5(S)−(Boc −アミノ)−4
(S)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−
(p−フルオロフェニル)−2(R)−(p−トリフル
オロメチルフェニルメチル)ヘキサノイル−(L)-Val-
(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド 実施例9f)と同様にして、2.8 mlの0.25M NMM/CH3N中の
180 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−(p−フルオ
ロフェニル)−2(R)−(p−トリフルオロメチルフ
ェニルメチル)ヘキサン酸と107.5 mgのH-(L)-Val-(L)-
Phe −モルホリン−4−イルアミド〔実施例1o)〕を12
2 mgのHBTUと反応させる。FAB-MS (M+H)+ =929 。
【0385】実施例34Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CF3)Phe
-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe)−モルホリン−4−イルアミド 実施例1と同様にして、4.2 mlのDMF 中で180 mgのTBAF
を使って270 mgの5(S)−(Boc-アミノ)−4(S)
−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−(p−
フルオロフェニル)−2(R)−(p−トリフルオロメ
チルフェニルメチル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-(p-F
-Phe) −モルホリン−4−イルアミドを表題化合物に変
換する。TLC Rf (I)=0.2 ; FAB-MS (M+H)+ =833
【0386】出発物質は次のようにして調製する。 34a) 5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(tert
−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−(p−フルオロ
フェニル)−2(R)−(p−トリフルオロメチルフェ
ニルメチル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −
モルホリン−4−イルアミド 実施例9f)と同様にして、2.8 mlの0.25M NMM/CH3N中の
180 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−(p−フルオ
ロフェニル)−2(R)−(p−トリフルオロメチルフ
ェニルメチル)ヘキサン酸〔実施例33c)〕と113.2 mgの
H-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モルホリン−4−イルアミ
ド〔実施例9e)〕を122 mgのHBTUと反応させる。FAB-MS
(M+H)+=947 。
【0387】実施例35Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CF3)Phe
-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe) −モルホリン−4−イルア
ミド 実施例1と同様にして、3 mlのDMF 中で127 mgのTBAFを
使って193 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)
−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−(p−
フルオロフェニル)−2(R)−(p−トリフルオロメ
チルフェニルメチル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-(p-C
H3O-Phe)−モルホリン−4−イルアミドを表題化合物に
変換する。TLC Rf (I)=0.47 ; FAB-MS (M+H) +
845 。
【0388】出発物質は次のようにして調製する。 35a) 5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(tert
−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−(p−フルオロ
フェニル)−2(R)−(p−トリフルオロメチルフェ
ニルメチル)ヘキサノイル−(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe)
−モルホリン−4−イルアミド 実施例9f)と同様にして、2.8 mlの0.25M NMM/CH3N中の
180 mgの5(S)−(Boc −アミノ)−4(S)−(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−(p−フルオ
ロフェニル)−2(R)−(p−トリフルオロメチルフ
ェニルメチル)ヘキサン酸〔実施例33c)〕と117.2 mgの
H-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe)−モルホリン−4−イルア
ミド〔実施例10e)〕を122 mgのHBTUと反応させる。FAB-
MS (M+H) + =959 。
【0389】実施例36モルホリノスルホニル− (L)-V
al-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−
イルアミド 実施例5と同様にして、186 mgのBOP 、57 mg のHOBTお
よび0.09 ml のNMM を使って、4 ml のDMF 中の102 mg
のN−モルホリノスルホニル−(L)-Val を活性化し、次
いで1 mlのDMF 中の200 mgのH-Phe C Phe-(L)-Val-(L)-
Phe −モルホリン−4−イルアミド(実施例4)と反応
させ、表題化合物を形成させる。反応混合物を水中に注
ぎ、多量の酢酸エチルで抽出し(難溶性であるため)、
水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水およびブラインで
順次洗浄する。粗生成物をエーテル中で攪拌すると純粋
な表題化合物が得られる。FAB-MS (M+H)+ =877 。
【0390】出発物質は次のようにして調製する。 36a) N−クロロスルホニルモルホリン 強力に冷却しながら、32.7 ml のスルフリルクロリドを
約0 ℃において23.5 ml のモルホリンに添加する。次い
で懸濁液を注意深く60℃に加熱すると塩化水素の発生が
起こる。60℃で5 h 後、塩化水素の発生が終了する。冷
却した褐色反応混合物を氷上に注ぎ、そして沈澱したオ
イルをエーテルで抽出し、水、5%炭酸水素ナトリウム
溶液および水で順次洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥す
る。有機相を蒸発により濃縮し、高温・減圧(90℃;1
ミリバール)下で蒸留すると、表題化合物が得られる。
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): 3.80 および3.29 (2t, 5
Hz, 各4H) 。
【0391】36b) N−モルホリノスルホニル−(L) −
Val 50 ml の1N NaOH 中に溶解した2 g の(L)-Val を、20 m
l のTHF 中の6.3 g のN−クロロスルホニルモルホリン
に滴下添加し、該バッチをRTで17 h攪拌して反応を完了
させる。黄色の乳濁液に15 ml の1N NaOH を加え、それ
をエーテルで抽出する。水相を2N HClで酸性にした後、
酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル相を硫酸ナトリウム
上で乾燥し、蒸発により濃縮する。1H-NMRによれば、エ
ーテルからの結晶化は二次生成物を与える。濾液を蒸発
により濃縮した後に得られた残渣をヘキサンから結晶化
することにより純粋な表題化合物が得られる。TLC Rf
(F)=0.25。
【0392】実施例37モルホリノスルホニル− Phe
〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルア
ミド 1 mlのDMF 中の0.132 mlのトリエチルアミンと71 mg の
N−クロロスルホニルモルホリン〔実施例36a)〕を、5
mlのDMF 中の H-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モル
ホリン−4−イルアミド(実施例4)の溶液に添加す
る。RTで2 h 後、TLC によればまだ多量の H-Phe〔C〕
Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミドが
残っていたので、更に71 mg のN−クロロスルホニルモ
ルホリンを添加する。18 h後、バッチを水中に注ぎ、酢
酸エチルで3回抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、
水およびブラインで順次洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾
燥し、蒸発により濃縮する。カラムクロマトグラフィー
(SiO2、塩化メチレン/メタノール 9:1)により、純粋
な表題化合物が得られる。TLC Rf (F)=0.60 ; FAB
-MS (M+H) + =778 。
【0393】実施例38N−〔N−(2−ピリジルメチ
ル)−N−メチルアミノカルボニル)− (L)-Val-Phe
〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルア
ミド 実施例5と同様にして、279 mgのBOP 、85 mg のHOBTお
よび0.132 mlのNMM を使って、5 ml のDMF 中の152 mg
のN−〔N−(2−ピリジルメチル)−N−メチルアミ
ノカルボニル〕−(L)-Val (調製については、1990年12
月19日のEP 402646 A1 を参照のこと)を活性化し、次
いで300 mgの H-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モル
ホリン−4−イルアミド(実施例4)と反応させ、表題
化合物を形成させる。カラムクロマトグラフィー(Si
O2、酢酸エチル/アセトン 9:1→アセトン)とエーテル
での粉砕により、純粋な表題化合物が得られる。TLC R
f (F)=0.28 ; FAB-MS (M+H) + =876 。
【0394】実施例395(S)−(Boc −アミノ)−
4(S)−(アセトキシ)−6−フェニル−2(R)−
フェニルメチルヘキサノイル−(L)-Val-(L)-Phe −モル
ホリン−4−イルアミド 0.114 mlのトリエチルアミン、1 mgのジメチルアミノピ
リジンおよび0.08 mlの無水酢酸を、8 mlのTHF 中の400
mgの Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリ
ン−4−イルアミド(実施例2)に添加する。RTで30分
間後、無色溶液を水中に注ぎ、それを酢酸エチルで3回
抽出する。有機相を水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、
水およびブラインで順次洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾
燥し、蒸発により濃縮する。カラムクロマトグラフィー
(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 1:2)後、純粋な形で表
題化合物が得られる。TLC Rf (B)=0.59 ; FAB-MS
(M+H) + =771 。
【0395】実施例40:上記実施例のいずれかと同様な
方法で、次の化合物が得られる。 A) Boc-(p-CF3)Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モ
ルホリン−4−イルアミド B) Boc-(p-CF3)Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-(p-F)Phe
−モルホリン−4−イルアミド C) Boc-(p-CF3)Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O)
Phe −モルホリン−4−イルアミド D) Boc-(p-CF3)Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Cha −モ
ルホリン−4−イルアミド
【0396】E) Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)
-Ile-(L)-Phe−モルホリン−4−イルアミド F) Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-Phe
−モルホリン−4−イルアミド G) Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-(p-
F)Phe −モルホリン−4−イルアミド H) Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-Cha
−モルホリン−4−イルアミド I) Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-(p-
CH3O)Phe−モルホリン−4−イルアミド J) Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe
−モルホリン−4−イルアミド
【0397】K) Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-CF3)Phe-
(L)-Val-(L)-Phe−モルホリン−4−イルアミド L) Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-
(p-F)Phe −モルホリン−4−イルアミド M) Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Ile-(L)-P
he−モルホリン−4−イルアミド N) Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-
(p-CH3O)Phe−モルホリン−4−イルアミド O) Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-C
ha−モルホリン−4−イルアミド P) −モルホリン−4−イルアミド基を−チオモルホ
リン−4−イルアミド基により置き換えた上記実施例
A)〜O)に記載の化合物。
【0398】出発物質は次のようにして調製する。 40a) N−アリルホルムアミド 1288 ml のギ酸エチルエステル中の300 mlのアリルアミ
ンの溶液を60℃に8 h加熱する。反応混合物をロータリ
ーエバポレーター中で濃縮し、残渣をVigreuxカラムを
通して蒸留する(77℃;1ミリバール)。1H-NMR (200
MHz, CDCl3): 8.2-7.95 (m, 1H), 6.5-5.8 (sb, 1H),
5.9-5.7 (m, 1H), 5.3-5.05 (m, 2H), 3.95-3.75 (m, 2
H) 。
【0399】40b) アリルイソシアニド 〔U. Schollkopf, R. Jentsch, K. MadawinataおよびR.
Harms, Liebigs Ann.Chem. (1976) 2105〕。517 g の
キノリンと286 g のp−トルエンスルホン酸クロリドを
2 雰囲気下で90℃に置く。2 〜4 ミリバールの真空を
適用し、85 gのN−アリルホルムアミドを滴下添加し、
生成したイソシアニドを、85〜95℃の内部温度において
Vigreux カラムを通して凝縮トラップ(アセトン/ドラ
イアイス)中に連続的に蒸留する。反応が完了したら、
留出物を即座にVigreux カラムを通して再蒸留する(N
2 雰囲気、常圧、100 ℃)。1H-NMR (200 MHz, CDCl3):
5.9-5.7 (m, 1H), 5.45 (d, 16 Hz, 1H), 5.32 (d, 10
Hz, 1H), 4.05 (m, 2H) ;IR (CH2Cl2): 2150, 1650。
【0400】40c) rac.1−(p−トリフルオロメチル
フェニル)−3−ブテン−2−アミン2 雰囲気下で、4.5 g のアリルイソシアニドを100 ml
の無水THF /エーテル/ペンタン (4:1:1)に溶解し、−
100 ℃に冷却する。それに−100 〜−90℃において42 m
l のn−ブチルリチウム(ヘキサン中 1.6M)を滴下添
加すると、最初に黄色が現れ、添加の終了の直前に固体
が沈澱する。反応混合物を−70℃までゆっくり温め、次
いで−100 ℃に再冷却する。−100 〜85℃において、10
ml のTHF 中の16 gのp−トリフルオロメチルベンジル
ブロミド(Fluka ; Buchs,スイス)の溶液を滴下添加
し、反応混合物を室温までゆっくり温める。それをロー
タリーエバポレーター中での蒸発(80ミリバール;30
℃)により濃縮し、残渣を150mlの氷水上に注ぎ、エー
テルで3回抽出する。エーテル相を蒸発により濃縮す
る。85 ml のメタノールと17 ml の濃塩酸を0 ℃におい
て褐色残渣に添加し、混合物を冷蔵庫に一晩置いてお
く。それをロータリーエバポレーター中での蒸発により
濃縮し、残渣を2×150 mlの2M塩酸と2×200 mlのエ
ーテルの間に分配させる。冷却しながら、合わせた水相
を固体の水酸化ナトリウムでアルカリ性にし、そしてそ
れを3部分の酢酸エチルで抽出する。有機相をブライン
で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発により濃縮
し、そしてバルブチューブ中で蒸留すると(0.1 ミリバ
ール;170 ℃)純粋な表題化合物が得られる。1H-NMR
(200 MHz, CDCl3): 7.56 および7.32 (2d, 8 Hz, 各2
H), 5.96-5.78 (m, 1H), 5.19-5.02 (m, 2H), 3.68-3.5
5 (m, 1H), 2.87および2.71 (AB×d, Jab=13 Hz, J1
=6 Hz,J2=8 Hz, 2H), 1.4 (sb, 2H) 。
【0401】実施例1d)〜1k)および1l)、9f)と9、
10f)と10、15a)と15、または16c)と16と同様にして更に
反応を行うと、a)〜o)のもとに上記で言及した化合物を
もたらす。
【0402】実施例41:上記実施例のいずれかと同様に
して次の化合物を調製する。 a) Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Tyr −モルホリ
ン−4−イルアミド; b) Boc-Tyr〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリ
ン−4−イルアミド; c) Boc-Tyr〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Tyr −モルホリ
ン−4−イルアミド; d) Boc-Phe〔C〕Tyr-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリ
ン−4−イルアミド; e) Boc-Phe〔C〕Tyr-(L)-Val-(L)-Tyr −モルホリ
ン−4−イルアミド; f) Boc-Tyr〔C〕Tyr-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリ
ン−4−イルアミド; g) Boc-Tyr〔C〕Tyr-(L)-Val-(L)-Tyr −モルホリ
ン−4−イルアミド; h) −モルホリン−4−イルアミド基が−チオモルホ
リン−4−イルアミド基により置き換えられた上記例
a)〜h)に記載の化合物。
【0403】実施例42HIV-1 プロテアーゼの阻害 gag-前駆体タンパク質の開裂部位の1つに相当するエイ
コサペプチド RRSNQVSQNYPIVQNIQGRR を組換えHIV-1 プ
ロテアーゼの基質として使って、阻害剤の非存在下また
は存在下で、上記のような高圧液体クロマトグラフィー
(HPLC)により前記基質とその開裂生成物を測定すること
により、それぞれの実施例の阻害剤に関して下記のIC50
値 (μM)が得られた。
【0404】 使用した阻害剤の実施例番号 IC50 (μM) 1 0.03 2 0.048 3 0.025 5 0.07 6 0.04 7 0.042 9 0.078 10 0.0085 11 0.032 12 0.0055 16 0.054 17 0.028 18 0.06 20 0.043 21 b) 1) 0.037 21 b) 2) 0.014 21 d) 4) 0.07 22 i) 0.018 33 0.015 34 0.016 35 0.022 36 0.02 38 0.0045
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ギドー ボルト スイス国,5264 ギフ−オベルフリク,ブ リューマッテーヘ 16 (72)発明者 アレクサンダー フェスラー スイス国,4104 オベルビル,ハーレンシ ュトラーセ 10 (72)発明者 ペーター シュナイダー スイス国,4103 ボットミンゲン,ボイム リアカーシュトラーセ 8 (72)発明者 ペーター ファン ホーゲフェスト スイス国,4125 リーエン,ブルクシュト ラーセ 5

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式Iの化合物: 【化1】 〔上式中、R1 は水素;低級アルコキシカルボニル;複
    素環カルボニル;非置換であるかまたはフッ素、ハロ−
    低級アルキル、低級アルカノイル、スルホ、低級アルキ
    ルスルホニルおよびシアノから成る群から選択された同
    一もしくは異なる3個以下の基により置換されたベンジ
    ルオキシカルボニル;複素環が炭素原子経由で結合して
    いる複素環オキシカルボニル;結合カルボニル基がチオ
    カルボニル基により置き換えられている上記カルボニル
    基の1つ;複素環スルホニル;低級アルキルスルホニル
    またはN−(複素環−低級アルキル)−N−低級アルキ
    ルアミノカルボニルであり、 B1 は結合またはα−アミノ酸の二価の基であって、前
    記基はN末端側がR1に結合しそしてC末端側がR2
    CH2 を担持している炭素原子のところのアミノ基に結
    合し、 R2 およびR3 は各々互いに独立的に、フェニルまたは
    シクロヘキシル基であって、それらの基は非置換である
    かまたはヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロゲン、ハロ
    −低級アルキル、スルホ、低級アルキルスルホニル、シ
    アノおよびニトロから成る群から選択された同一もしく
    は異なる1〜3個の基により置換されており、 A1 は-C=OとA2 との間の結合であるかまたはα−アミ
    ノ酸の二価の基であって、前記基はN末端側が基-C=Oに
    結合しそしてC末端側がA2 に結合し、A2 はα−アミ
    ノ酸の二価の基であって、前記基はN末端側がA1 に結
    合しそしてC末端側が基NR4 5 に結合し、またはA
    1 とA2 が一緒になって、中心のアミド結合が還元され
    ておりそしてN末端側が基-C=Oに結合しそしてC末端側
    が基NR 4 5 に結合しているジペプチドの二価の基を
    形成し、 そしてR4 とR5 は結合窒素原子と一緒になって、非置
    換のまたは置換されたチオモルホリノまたはモルホリノ
    である〕もしくは塩形成性基が存在する場合には該化合
    物の塩、または該化合物のヒドロキシ保護誘導体もしく
    はその塩。
  2. 【請求項2】 基R2 とR3 のうちの少なくとも一方
    が、ハロゲン、ハロ−低級アルキル、スルホ、低級アル
    キルスルホニル、シアノおよびニトロから成る群から選
    択された1〜3個の基により置換されており、そして他
    方の基、R1 ,B1 ,A1 ,A2 およびNR4 5 が定
    義された通りである請求項1に記載の式Iの化合物、ま
    たは塩形成性基が存在する場合には該化合物の塩。
  3. 【請求項3】 R1 が水素;tert−ブトキシカルボニ
    ル;イソブトキシカルボニル;ピリジン−3−カルボニ
    ル;モルホリノカルボニル;3−ベンゾフラノイル;
    1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カル
    ボニル;フッ素、ハロ−低級アルキル、低級アルカノイ
    ル、スルホ、低級アルキルスルホニルおよびシアノから
    成る群から選択された同一もしくは異なる1〜3個の基
    により置換されたベンジルオキシカルボニル;または複
    素環オキシカルボニルであって、ここで複素環は炭素原
    子経由で結合しており、そしてピロリル、チエニル、イ
    ミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、
    ピラジニル、ピリミジニル、インドリル、キノリル、イ
    ソキノリル、キノオキサリニル、β−カルボリニルおよ
    び前記基の完全もしくは部分飽和誘導体から成る群から
    選択され;またはモルホリノスルホニルもしくはN−
    (2−ピリジルメチル)−N−メチルアミノカルボニル
    であり、 B1 が結合またはα−アミノ酸の二価の基であって、前
    記基はN末端側がR1に結合しそしてC末端側がR2
    CH2 を担持している炭素原子のところのアミノ基に結
    合し、 R2 およびR3 が各々互いに独立的に、フェニルまたは
    シクロヘキシル基であって、それらの基は非置換である
    かまたはヒドロキシ、メトキシ、フッ素、スルホ、低級
    アルキルスルホニル、トリフルオロメチルおよびシアノ
    から成る群から選択された同一もしくは異なる1個もし
    くは2個の基により置換されており、 A1 が疎水性α−アミノ酸の二価の基であって、前記基
    はN末端側が基-C=Oに結合しそしてC末端側がA2 に結
    合し、A2 が疎水性α−アミノ酸の二価の基であって、
    前記基はN末端側がA1 に結合しそしてC末端側が基N
    4 5 に結合し、またはA1 とA2 が一緒になって、
    中心のアミド結合が還元されておりそしてN末端側が基
    -C=Oに結合しそしてC末端側が基NR4 5 に結合して
    いる2つの疎水性α−アミノ酸を含んで成るジペプチド
    の二価の基を形成し、 そしてR4 とR5 が結合窒素原子と一緒になってチオモ
    ルホリノまたはモルホリノである、請求項1に記載の式
    Iの化合物もしくは塩形成性基が存在する場合には該化
    合物の医薬上許容される塩であって、ここで基R2 −C
    2 −を担持している炭素原子の隣位である炭素原子の
    ところのヒドロキシ基は遊離であるかまたは低級アルカ
    ノイルにより保護されている化合物。
  4. 【請求項4】 R1 が水素、tert−ブトキシカルボニ
    ル、イソブトキシカルボニル、ピリジン−3−カルボニ
    ル、モルホリノカルボニル、3−ベンゾフラノイル、
    1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カル
    ボニル、モルホリノスルホニルまたはN−(2−ピリジ
    ルメチル)−N−メチルアミノカルボニルであり、 B1 が結合であるかまたはα−アミノ酸バリンの二価の
    基であって、前記基はN末端側がR1 に結合しそしてC
    末端側がR2 −CH2 を担持している炭素原子のところ
    のアミノ基に結合し、 R2 およびR3 が各々互いに独立的に、フェニルまたは
    シクロヘキシル基であって、それらの基は非置換である
    かまたはヒドロキシ、メトキシ、フッ素、トリフルオロ
    メチルおよびシアノから成る群から選択された同一もし
    くは異なる1個もしくは2個の基により置換されてお
    り、 A1 とA2 が一緒になって式Val-Phe, Ile-Phe, Val-Ch
    a, Ile-Cha, Ile-Gly,Val-Val, Val-Gly, Val-(p-F-Ph
    e), Val-(p-CH3O-Phe), Gly-(p-F-Phe) もしくはVal-Ty
    r のジペプチドまたは中央のアミド結合が還元されてい
    る式Val(red)-Pheの誘導体の二価の基であって、これは
    N末端側が基-C=Oに結合しそしてC末端側が基NR4
    5 に結合しており、 そしてR4 とR5 が結合窒素原子と一緒になってチオモ
    ルホリノまたはモルホリノである、請求項1に記載の式
    Iの化合物もしくは塩形成性基が存在する場合には該化
    合物の医薬上許容される塩であって、ここで基R2 −C
    2 −を担持している炭素原子の隣位である炭素原子の
    ところのヒドロキシ基は遊離であるかまたはアセチルに
    より保護されている化合物。
  5. 【請求項5】 R1 がtert−ブトキシカルボニルであ
    り、B1 が結合であり、R2 とR3 が各々フェニルであ
    り、A1 がバリンであり、A2 がフェニルアラニンであ
    り、そしてR4 とR5 が結合窒素原子と一緒になってモ
    ルホリノである、請求項1に記載の式Iの化合物。
  6. 【請求項6】 次の名称:Boc-Cha〔C〕(p-F)Phe-(L)-
    Ile-(L)-Phe−モルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-F)
    Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-Phe−モルホリン−4
    −イルアミド、Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-
    (L)-(p-F-Phe)−モルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-
    F)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe) −モ
    ルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-F)P
    he-(L)-Val-(L)-Cha−モルホリン−4−イルアミド、Bo
    c-(p-F)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe−モルホリ
    ン−4−イルアミド、Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CN)Phe-
    (L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc-
    (p-F)Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モ
    ルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CN)
    Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe)−モルホリン−4−イル
    アミド、Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-Ch
    a −モルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-F)Phe〔C〕
    (p-CN)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe −モルホリン−4−イルア
    ミド、Boc-Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-Phe−モル
    ホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-
    Val-(L)-(p-F-Phe)−モルホリン−4−イルアミド、Boc
    -Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe) −モル
    ホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-
    Val-(L)-Cha−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe
    〔C〕(p-F)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe−モルホリン−4−イ
    ルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-Phe
    −モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-CN)P
    he-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モルホリン−4−イルア
    ミド、Boc-Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-P
    he)−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-C
    N)Phe-(L)-Val-(L)-Cha −モルホリン−4−イルアミ
    ド、Boc-Phe〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe −モル
    ホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-CH3O)Phe-
    (L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc-
    Phe〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モル
    ホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-CH3O)Phe-
    (L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe)−モルホリン−4−イルアミ
    ド、Boc-Phe〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-Cha −モ
    ルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-CH3O)Phe
    -(L)-Ile-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc
    -Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-Phe−モルホリン−
    4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-
    (L)-(p-F-Phe)−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe
    〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe) −モルホ
    リン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-
    Val-(L)-Cha−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe
    〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe−モルホリン−4−
    イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-Phe
    −モルホリン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-CN)
    Phe-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モルホリン−4−イルア
    ミド、Boc-Cha〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-P
    he)−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-C
    N)Phe-(L)-Val-(L)-Cha −モルホリン−4−イルアミ
    ド、Boc-Cha〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe −モル
    ホリン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-CH3O)Phe-
    (L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc-
    Cha〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe) −モル
    ホリン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-CH3O)Phe-
    (L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe)−モルホリン−4−イルアミ
    ド、Boc-Cha〔C〕(p-CH3O)Phe-(L)-Val-(L)-Cha −モ
    ルホリン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-CH3O)Phe
    -(L)-Ile-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc
    -Cha〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-Phe−モルホリン−
    4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-
    (L)-(p-F-Phe)−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Cha
    〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe) −モルホ
    リン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-
    Val-(L)-Cha−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Cha
    〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe−モルホリン−4−
    イルアミド、Boc-(L)-Val-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-P
    he −モルホリン−4−イルアミド、H-(L)-Val-Phe
    〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルア
    ミド、Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(D)-Phe −モルホリ
    ン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val(red)-
    (L)-Phe−モルホリン−4−イルアミド、イソブチルオ
    キシカルボニル− Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モ
    ルホリン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-CN)Phe-
    (L)-Val-(L)-Phe −チオモルホリン−4−イルアミド、
    Boc-Cha〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-Phe−チオモルホ
    リン−4−イルアミド、Boc-(p-CF3)Phe〔C〕Phe-(L)-
    Ile-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-C
    F3)Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-(p-F)Phe−モルホリン−
    4−イルアミド、Boc-(p-CF3)Phe〔C〕Phe-(L)-Val-
    (L)-(p-CH3O)Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc-
    (p-CF3)Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Cha −モルホリン−
    4−イルアミド、Boc-(p-CF3)Phe〔C〕Phe-(L)-Val-
    (L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-CF3)P
    he〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-Phe−モルホリン−4−
    イルアミド、Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-
    (L)-(p-F)Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-
    CF3)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-Cha−モルホリン
    −4−イルアミド、Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)
    -Val-(L)-(p-CH3O)Phe−モルホリン−4−イルアミド、
    Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-F)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe−モル
    ホリン−4−イルアミド、Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-C
    F3)Phe-(L)-Val-(L)-Phe−モルホリン−4−イルアミ
    ド、Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-(p-
    F)Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc-(p-CF3)Phe
    〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Ile-(L)-Phe−モルホリン−4−
    イルアミド、Boc-(p-CF3)Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val
    -(L)-(p-CH3O)Phe−モルホリン−4−イルアミド、Boc-
    (p-CF3)Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-Cha−モルホ
    リン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-F)Phe-(L)-Va
    l-(L)-Phe−モルホリン−4−イルアミド、Boc-Cha
    〔C〕(p-CN)Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−
    イルアミド、H-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モル
    ホリン−4−イルアミド、3−ベンゾフラノイル− Phe
    〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルア
    ミド、ニコチノイル− Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe
    −モルホリン−4−イルアミド、モルホリノカルボニル
    − Val-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−
    4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕Cha-(L)-Val-(L)-Cha
    −モルホリン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-F)Ph
    e-(L)-Val-(L)-(p-F-Phe)−モルホリン−4−イルアミ
    ド、Boc-Cha〔C〕(p-F)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe)
    −モルホリン−4−イルアミド、Boc-Cha〔C〕(p-F)P
    he-(L)-Val-(L)-Cha−モルホリン−4−イルアミド、
    1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3(S)
    −カルボニル−Val-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −
    モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-V
    al-(L)-(p-F-Phe) −モルホリン−4−イルアミド、Boc
    -Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH3O-Phe)−モルホリン
    −4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Cha
    −モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕Phe-
    (L)-Ile-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc-
    Phe〔C〕Phe-(L)-Val-Gly −モルホリン−4−イルア
    ミド、Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Ile-Gly −モルホリン−
    4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Val
    −モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕Phe-(L)
    -Val-(L)-Phe −チオモルホリン−4−イルアミド、Boc
    -(p-F)Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-Phe−モルホ
    リン−4−イルアミド、Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CF3)Phe
    -(L)-Val-(L)-(p-F-Phe)−モルホリン−4−イルアミ
    ド、Boc-(p-F)Phe〔C〕(p-CF3)Phe-(L)-Val-(L)-(p-CH
    3O-Phe) −モルホリン−4−イルアミド、モルホリノス
    ルホニル− (L)-Val-Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −
    モルホリン−4−イルアミド、モルホリノスルホニル−
    Phe〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イ
    ルアミド、N−〔N−(2−ピリジルメチル)−N−メ
    チルアミノカルボニル〕− (L)-Val-Phe〔C〕Phe-(L)-
    Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、5(S)
    −(Boc-アミノ)−4(S)−(アセトキシ)−6−フ
    ェニル−2(R)−フェニルメチルヘキサノイル−(L)-
    Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe
    〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Tyr −モルホリン−4−イルア
    ミド、Boc-Tyr〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-Phe −モルホリ
    ン−4−イルアミド、Boc-Tyr〔C〕Phe-(L)-Val-(L)-T
    yr −モルホリン−4−イルアミド、Boc-Phe〔C〕Tyr-
    (L)-Val-(L)-Phe −モルホリン−4−イルアミド、Boc-
    Phe〔C〕Tyr-(L)-Val-(L)-Tyr −モルホリン−4−イ
    ルアミド、Boc-Tyr〔C〕Tyr-(L)-Val-(L)-Phe −モル
    ホリン−4−イルアミドおよびBoc-Tyr〔C〕Tyr-(L)-V
    al-(L)-Tyr −モルホリン−4−イルアミドを有する式
    Iの化合物から選択された式Iの化合物、または基−モ
    ルホリン−4−イルアミドを有するそれらの化合物のい
    ずれか1つであって前記基−モルホリン−4−イルアミ
    ドが基−チオモルホリン−4−イルアミドにより置き換
    えられた化合物、または少なくとも1つの塩形成性基が
    存在する場合にはその塩。
  7. 【請求項7】 医薬上許容される担体と共に、請求項1
    〜6のいずれか一項に記載の式Iの化合物または少なく
    とも1つの塩形成性基を有する該化合物の医薬上許容さ
    れる塩を含んで成る医薬組成物。
  8. 【請求項8】 医薬組成物の調製方法であって、請求項
    1〜6のいずれか一項に記載の式1の化合物またはその
    塩を、少なくとも1種の医薬上許容される担体と混合す
    ることを含んで成る方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の式Iの化合物もしくは
    それらのヒドロキシ保護誘導体、または少なくとも1つ
    の塩形成性基を有するそのような化合物の製造方法であ
    って、 a)式Ib の化合物: 【化2】 (上式中、R1 ′は式Iの化合物中のR1 について定義
    した通りであるが、ただし水素ではなく、基R2 −CH
    2 −を担持している炭素原子の隣位である炭素原子のと
    ころのヒドロキシ基は遊離形であるかまたは保護された
    形であり、そしてその他の基は式Iの化合物について定
    義した通りである)の調製のためには、式IIの酸: R1 ′−OH (II) (上式中、R1 ′は式Iの化合物中のR1 について定義
    した通りであるが、ただし水素ではない)またはその反
    応性酸誘導体を、式III のアミノ化合物: 【化3】 (式中の基は式Iの化合物について定義した通りであ
    り、反応に関与する基を除いて、式IIおよびIII の出発
    物質中の遊離官能基は適宜保護された形である)または
    その反応性誘導体と縮合せしめ、そして所望であれば、
    存在する保護基を除去し、または b)式Ic の化合物: 【化4】 (上式中、B1 ′は式Iの化合物中のB1 について定義
    した通りの基であるが、ただし結合ではなく、基R2
    CH2 −を担持している炭素原子の隣位にある炭素原子
    のところのヒドロキシ基は遊離であるかまたは保護され
    た形であり、そしてその他の基は式Iの化合物について
    定義した通りである)の調製のためには、式IVのカルボ
    ン酸: R1 −B1 ′−OH (IV) (上式中、R1 は式Iの化合物について定義した通りで
    あり、そしてB1 ′は上記に定義した通りである)また
    はその反応性酸誘導体を、式Vのアミノ化合物: 【化5】 (式中の基は式Iの化合物について定義した通りであ
    り、該反応に関与する基を除いて、式IVおよびVの出発
    物質中の遊離官能基は適宜保護された形である)または
    その反応性誘導体と縮合せしめ、そして所望であれば、
    存在する保護基を除去し、または c)式VIのカルボン酸: 【化6】 (式中の基は式Iの化合物について定義した通りであ
    る)またはその反応性誘導体を、式VII のアミノ化合
    物: 【化7】 (式中の基は式Iの化合物について定義した通りであ
    り、該反応に関与する基を除いて、式VIおよびVII の出
    発物質中の遊離官能基は適宜保護された形である)また
    はその反応性誘導体と縮合せしめ、そして所望であれ
    ば、存在する保護基を除去し、または d)式Id の化合物: 【化8】 (上式中、A1 ′とA2 ′は式Iの化合物中のA1 とA
    2 について定義した通りであるが、ただしA1 ′は結合
    ではなく、A1 ′とA2 ′との間のペプチド結合は還元
    形ではなく、基R2 −CH2 −を担持している炭素原子
    の隣位にある炭素原子のところのヒドロキシ基は遊離で
    あるかまたは保護された形であり、そしてその他の基は
    式Iの化合物について定義した通りである)の調製のた
    めには、式VIIIのカルボン酸: 【化9】 (式中の基は上記で定義した通りである)またはその反
    応性誘導体を、式IXのアミノ化合物: 【化10】 (式中の基は上記で定義した通りであり、該反応に関与
    する基を除いて、式VIIIおよびIXの出発物質中の遊離官
    能基は適宜保護された形である)またはその反応性誘導
    体と縮合せしめ、そして所望であれば、存在する保護基
    を除去し、または e)式Xのカルボン酸: 【化11】 (式中の基は式Iの化合物について定義した通りであ
    る)またはその反応性誘導体を、式XIのアミノ化合物: 【化12】 (式中の基は式Iの化合物について定義した通りであ
    り、該反応に関与する基を除いて、式XおよびXIの出発
    物質中の遊離官能基は適宜保護された形である)または
    その反応性誘導体と縮合せしめ、そして所望であれば、
    存在する保護基を除去し、または f)式Iの化合物(ここで置換基は上記で定義した通り
    であるが、ただし式Iの化合物中の少なくとも1つの官
    能基が保護基により保護されていることを前提とする)
    において、存在する保護基を除去し、 そして所望であれば、前記方法a)〜f)のいずれかに
    従って得られる少なくとも1つの塩形成性基を有する式
    Iの化合物をその塩に変換し、そして/または得られる
    塩を遊離化合物もしくは別の塩に変換し、そして/また
    は得られる式Iの化合物の異性体混合物を分離し、そし
    て/または本発明の式Iの化合物を本発明の別の式Iの
    化合物に変換することを含んで成る方法。
JP4238424A 1991-09-12 1992-09-07 治療薬としての新規5−アミノ−4−ヒドロキシヘキサン酸誘導体 Pending JPH05230095A (ja)

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CH268991 1991-09-12
CH98092 1992-03-27
CH200792 1992-06-25
CH00980/92-4 1992-06-25
CH02007/92-1 1992-06-25
CH02689/91-2 1992-06-25

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05230095A true JPH05230095A (ja) 1993-09-07

Family

ID=27172572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4238424A Pending JPH05230095A (ja) 1991-09-12 1992-09-07 治療薬としての新規5−アミノ−4−ヒドロキシヘキサン酸誘導体

Country Status (15)

Country Link
EP (1) EP0532466A3 (ja)
JP (1) JPH05230095A (ja)
KR (1) KR930006050A (ja)
AU (1) AU661018B2 (ja)
CA (1) CA2077948A1 (ja)
CZ (1) CZ280292A3 (ja)
FI (1) FI924035A (ja)
HU (1) HUT63632A (ja)
IL (1) IL103126A (ja)
MX (1) MX9205208A (ja)
NO (1) NO923533L (ja)
NZ (1) NZ244288A (ja)
PL (1) PL169969B1 (ja)
RU (1) RU2067585C1 (ja)
SK (1) SK280292A3 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004508299A (ja) * 2000-08-09 2004-03-18 マグネシウム ダイアグノスティックス,インク. 治療薬としてのマグネシウム結合異常のアンタゴニストと、異常な生理的状態の治療方法
JP2006510736A (ja) * 2002-11-01 2006-03-30 バイロファーマ・インコーポレイテッド ベンゾフラン化合物、組成物およびc型肝炎感染症および関連疾患の治療または予防方法

Families Citing this family (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5643878A (en) * 1991-09-12 1997-07-01 Ciba-Geigy Corporation 5-amino-4-hydroxyhexanoic acid derivatives
ATE253050T1 (de) 1992-03-11 2003-11-15 Narhex Ltd Aminderivate von oxo- und hydroxy- substituierten kohlenwasserstoffen
US5888992A (en) * 1992-03-11 1999-03-30 Narhex Limited Polar substituted hydrocarbons
RU2126794C1 (ru) * 1992-03-11 1999-02-27 Нархекс Лимитед Аминопроизводные оксо- или гидроксизамещенных гидразинов, способ их получения и фармацевтические композиции для ингибирования ретровирусной протеазы
US6071895A (en) 1992-03-11 2000-06-06 Narhex Limited Polar-substituted hydrocarbons
TW217410B (ja) * 1992-04-01 1993-12-11 Ciba Geigy
DE59303870D1 (de) 1992-12-23 1996-10-24 Ciba Geigy Ag Antiretrovirale hydrazinderivate
EP0618222A3 (en) * 1993-03-11 1997-01-02 Ciba Geigy Ag Dipeptid derivatives of 5-amino-4-hydroxy-hexanoic acid.
EP0626178A1 (de) * 1993-05-17 1994-11-30 Ciba-Geigy Ag Verwendung von Hemmstoffen von HIV-Aspartatproteasen zur Bekämpfung von Tumorerkrankungen
IL110898A0 (en) * 1993-09-10 1994-11-28 Narhex Australia Pty Ltd Polar-substituted hydrocarbons
IL110752A (en) * 1993-09-13 2000-07-26 Abbott Lab Liquid semi-solid or solid pharmaceutical composition for an HIV protease inhibitor
US5559158A (en) * 1993-10-01 1996-09-24 Abbott Laboratories Pharmaceutical composition
IL111991A (en) * 1994-01-28 2000-07-26 Abbott Lab Liquid pharmaceutical composition of HIV protease inhibitors in organic solvent
WO1996016980A1 (en) * 1994-11-29 1996-06-06 Novartis Ag Morpholinoethylamide derivatives
US6037157A (en) 1995-06-29 2000-03-14 Abbott Laboratories Method for improving pharmacokinetics
US5840835A (en) * 1995-10-30 1998-11-24 Merck & Co., Inc. Inhibitors of peptide binding to MHC class II proteins
AU7475396A (en) * 1995-10-30 1997-05-22 Merck & Co., Inc. Novel inhibitors of peptide binding to mhc class ii proteins
US5817757A (en) * 1995-10-30 1998-10-06 Merck & Co., Inc. Inhibitors of peptide binding to MHO class II proteins
US5914332A (en) 1995-12-13 1999-06-22 Abbott Laboratories Retroviral protease inhibiting compounds
US6232333B1 (en) 1996-11-21 2001-05-15 Abbott Laboratories Pharmaceutical composition
WO2000044770A1 (fr) * 1999-01-28 2000-08-03 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Derives phenethylamine substitues
KR100708221B1 (ko) 1999-08-31 2007-04-17 아지노모토 가부시키가이샤 에폭사이드 결정의 제조방법
PT2269591T (pt) 2000-01-19 2018-07-09 Abbvie Inc Formulações farmacêuticas melhoradas
US6506786B2 (en) * 2001-02-13 2003-01-14 Pharmacor Inc. HIV protease inhibitors based on amino acid derivatives
US7388008B2 (en) 2004-08-02 2008-06-17 Ambrilia Biopharma Inc. Lysine based compounds
ES2452718T3 (es) 2005-11-30 2014-04-02 Taimed Biologics, Inc. Profármacos a base de lisina de inhibidores de la aspartil proteasa y procesos para su preparación
EP2476669A1 (en) 2006-01-27 2012-07-18 Fibrogen, Inc. Cyanoisoquinoline compounds and methods of use thereof
KR101084635B1 (ko) 2006-04-04 2011-11-18 피브로겐, 인크. Hif 조절제로서 피롤로- 및 티아졸로-피리딘 화합물
US8410300B2 (en) 2006-09-21 2013-04-02 Taimed Biologics, Inc. Protease inhibitors
EP2370422B1 (en) 2008-11-14 2019-06-05 Fibrogen, Inc. Thiochromene derivatives as hif hydroxylase inhibitors
TWI685487B (zh) 2013-01-24 2020-02-21 美商費比羅根公司 {[1-氰基-5-(4-氯苯氧基)-4-羥基-異喹啉-3-羰基]-胺基}-乙酸之晶形

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5126326A (en) * 1989-06-06 1992-06-30 Bio-Mega, Inc. Enzyme inhibiting peptide derivatives

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004508299A (ja) * 2000-08-09 2004-03-18 マグネシウム ダイアグノスティックス,インク. 治療薬としてのマグネシウム結合異常のアンタゴニストと、異常な生理的状態の治療方法
JP2006510736A (ja) * 2002-11-01 2006-03-30 バイロファーマ・インコーポレイテッド ベンゾフラン化合物、組成物およびc型肝炎感染症および関連疾患の治療または予防方法

Also Published As

Publication number Publication date
FI924035A (fi) 1993-03-13
IL103126A (en) 1997-09-30
KR930006050A (ko) 1993-04-20
NZ244288A (en) 1995-03-28
AU2288992A (en) 1993-03-18
SK280292A3 (en) 1995-02-08
RU2067585C1 (ru) 1996-10-10
PL295905A1 (en) 1993-05-17
NO923533L (no) 1993-03-15
EP0532466A2 (de) 1993-03-17
HU9202925D0 (en) 1992-11-30
MX9205208A (es) 1993-03-01
AU661018B2 (en) 1995-07-13
CZ280292A3 (en) 1994-01-19
PL169969B1 (pl) 1996-09-30
CA2077948A1 (en) 1993-03-13
EP0532466A3 (en) 1993-06-16
NO923533D0 (no) 1992-09-11
FI924035A0 (fi) 1992-09-09
IL103126A0 (en) 1993-02-21
HUT63632A (en) 1993-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05230095A (ja) 治療薬としての新規5−アミノ−4−ヒドロキシヘキサン酸誘導体
JP3192070B2 (ja) アスパラギン酸プロテアーゼ基質同配体の抗ウイルス性エーテル
RU2092492C1 (ru) Производные гидразина или их соли, фармацевтическое средство, аминоалкилгидразины или их соли
HUT74453A (en) 2,9-diamino- and 2-amino-8-carbamoyl-4-hydroxy-alkane-carboxylic acid derivatives, process for preparing them, their intermediates, use and pharmaceutical compns. contg. the said compds.
JPH02212434A (ja) レトロウイルスプロテアーゼインヒビターとしてのペプチドアイソスターの使用
US5643878A (en) 5-amino-4-hydroxyhexanoic acid derivatives
JPH02300199A (ja) レトロウイルスプロテアーゼ阻害剤
JPH06279386A (ja) 抗レトロウイルス・ヒドラジン誘導体
AU678202B2 (en) Acyloxyhexanoic acid derivatives
JPH04235999A (ja) Hivプロテアーゼ阻害剤およびその製法
JPH0649093A (ja) モルホリン−およびチオモルホリン−4−イルアミド
NO317185B1 (no) Acylerte enolderivater som prolegemidler av elastaseinhibitorer og farmasoytisk preparat
PT742791E (pt) Derivados de difluorostatona macrolitica uteis como agentes antivirais