JPH05229825A - 酸化物超電導体及びその製造法及び酸化物超電導線材の製造方法 - Google Patents
酸化物超電導体及びその製造法及び酸化物超電導線材の製造方法Info
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- JPH05229825A JPH05229825A JP4069861A JP6986192A JPH05229825A JP H05229825 A JPH05229825 A JP H05229825A JP 4069861 A JP4069861 A JP 4069861A JP 6986192 A JP6986192 A JP 6986192A JP H05229825 A JPH05229825 A JP H05229825A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
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- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】タリウム系超電導体にアルカリ元素を添加する
か、あるいは超電導体の一部をアルカリ元素により置換
し、熱処理により結晶成長させ、プレス加工などのプロ
セスを組合わせる。この熱処理は従来のタリウム系超電
導線材の焼結温度よりも約150℃低いため、タリウム
の揮散を抑制し、組成ずれを防ぐことが出来る。また、
熱処理によりタリウム系超電導体の結晶粒径は、約12
0μmの板状晶に結晶成長するため、タリウム系超電導
体の配向化に有効であり、超電導臨界電流密度を向上さ
せるのに有効である。 【効果】液体ヘリウム及び液体窒素によって冷却したタ
リウム系超電導線材は、配向化しているため高い臨界電
流密度を持つことが出来る。
か、あるいは超電導体の一部をアルカリ元素により置換
し、熱処理により結晶成長させ、プレス加工などのプロ
セスを組合わせる。この熱処理は従来のタリウム系超電
導線材の焼結温度よりも約150℃低いため、タリウム
の揮散を抑制し、組成ずれを防ぐことが出来る。また、
熱処理によりタリウム系超電導体の結晶粒径は、約12
0μmの板状晶に結晶成長するため、タリウム系超電導
体の配向化に有効であり、超電導臨界電流密度を向上さ
せるのに有効である。 【効果】液体ヘリウム及び液体窒素によって冷却したタ
リウム系超電導線材は、配向化しているため高い臨界電
流密度を持つことが出来る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリ元素を添加し
たTl−M(MはBaまたはSrの少なくとも一方)−
Ca−Cu−O系超電導体、その製造方法並びに超電導
線材を製造する方法に関する。
たTl−M(MはBaまたはSrの少なくとも一方)−
Ca−Cu−O系超電導体、その製造方法並びに超電導
線材を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導体の用途は、強電分野の線材,超
電導コイル,弱電分野のエクトロニクスデバイス等が挙
げられる。
電導コイル,弱電分野のエクトロニクスデバイス等が挙
げられる。
【0003】超電導体の分野で、Y系,Bi系,Tl
系、等の酸化物超電導体が、最近注目されている。この
超電導体は臨界温度(以下Tcと略す)が液体窒素温度
77Kを大きく上回っており安価な液体窒素で超電導特
性を得ることができる。このため、超電導材料として実
用化が要望されている。酸化物超電導体はペロブスカイ
ト構造を元にした層状の結晶構造であり、電流は結晶の
a軸b軸面であるCuO導電面を流れる。このため、酸
化物超電導体に電流を流す場合、結晶の導電面を揃えて
配向化する必要がある。酸化物超電導体に結晶成長させ
配向化を行う従来の技術は、特開平1−224261 号公報に
記載のように、希土類−Ba−Cu−O系酸化物超電導
体にアルカリ金属元素を加え、30μm以上の板状の酸
化物超電導材料を得ることが知られていた。
系、等の酸化物超電導体が、最近注目されている。この
超電導体は臨界温度(以下Tcと略す)が液体窒素温度
77Kを大きく上回っており安価な液体窒素で超電導特
性を得ることができる。このため、超電導材料として実
用化が要望されている。酸化物超電導体はペロブスカイ
ト構造を元にした層状の結晶構造であり、電流は結晶の
a軸b軸面であるCuO導電面を流れる。このため、酸
化物超電導体に電流を流す場合、結晶の導電面を揃えて
配向化する必要がある。酸化物超電導体に結晶成長させ
配向化を行う従来の技術は、特開平1−224261 号公報に
記載のように、希土類−Ba−Cu−O系酸化物超電導
体にアルカリ金属元素を加え、30μm以上の板状の酸
化物超電導材料を得ることが知られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、超電
導体としてY系あるいはLa系の希土類元素について、
結晶成長させ配向化することを検討したが、Tl系につ
いては考慮されていなかった。
導体としてY系あるいはLa系の希土類元素について、
結晶成長させ配向化することを検討したが、Tl系につ
いては考慮されていなかった。
【0005】本発明の超電導体は、従来よりも低温で熱
処理を行い結晶成長させることを特徴とする。
処理を行い結晶成長させることを特徴とする。
【0006】まず、Tl系超電導体を結晶成長させると
きに生じる問題点について述べる。従来、Tl系超電導
体に結晶成長させるために必要な熱処理は、830℃〜
890℃であり、これ以上熱処理温度をあげると、Tcが
120Kである Tl2Ba2Ca2Cu3O10(以下、Tl−2223とす
る)相は、Tcが110KであるTl2Ba2Ca1Cu2
O8(以下、Tl−2212とする)相に分解する。ま
た、Tlは蒸気圧が高いため、熱処理時にTlが揮散
し、組成ずれの原因となった。そして、結晶成長したT
l−2223相の粒径も15μm程度であった。
きに生じる問題点について述べる。従来、Tl系超電導
体に結晶成長させるために必要な熱処理は、830℃〜
890℃であり、これ以上熱処理温度をあげると、Tcが
120Kである Tl2Ba2Ca2Cu3O10(以下、Tl−2223とす
る)相は、Tcが110KであるTl2Ba2Ca1Cu2
O8(以下、Tl−2212とする)相に分解する。ま
た、Tlは蒸気圧が高いため、熱処理時にTlが揮散
し、組成ずれの原因となった。そして、結晶成長したT
l−2223相の粒径も15μm程度であった。
【0007】次に、従来のTl系超電導体の線材化技術
について述べる。超電導体粉末を金属パイプ等に充填
し、線引き圧延加工することにより、テープ状線材とす
る。この後、熱処理あるいはプレス加工により、線材の
長手方向に結晶を成長させ配向化させる。図1はこのよ
うにしてできた超電導線材の横断面図を示す。だが、上
記のように、Tl−2223相の結晶成長は15μmほ
どであったため、配向性が不十分であった。
について述べる。超電導体粉末を金属パイプ等に充填
し、線引き圧延加工することにより、テープ状線材とす
る。この後、熱処理あるいはプレス加工により、線材の
長手方向に結晶を成長させ配向化させる。図1はこのよ
うにしてできた超電導線材の横断面図を示す。だが、上
記のように、Tl−2223相の結晶成長は15μmほ
どであったため、配向性が不十分であった。
【0008】本発明の目的は、Tl系についても結晶成
長し配向化したJcの高い新規な酸化物超電導体を提供
することにある。
長し配向化したJcの高い新規な酸化物超電導体を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】Tl−2223相が結晶
成長しないという問題を解決するため、Tl−2223相に
結晶成長助剤であるカリウムを添加するか、あるいは、
Tl−2223のMサイトにカリウムを置換することに
より、Tl−2223相を結晶成長させることを考案し
た。
成長しないという問題を解決するため、Tl−2223相に
結晶成長助剤であるカリウムを添加するか、あるいは、
Tl−2223のMサイトにカリウムを置換することに
より、Tl−2223相を結晶成長させることを考案し
た。
【0010】この結晶成長する超電導粉末を金属パイプ
等に充填し、線引き圧延加工することにより、テープ状
線材とした。この後、熱処理あるいはプレス加工によ
り、線材の長手方向に結晶を成長させて配向化させた。
また、このテープ状線材にホットプレス、あるいはゾー
ンメルトを行いて配向化を達成した。
等に充填し、線引き圧延加工することにより、テープ状
線材とした。この後、熱処理あるいはプレス加工によ
り、線材の長手方向に結晶を成長させて配向化させた。
また、このテープ状線材にホットプレス、あるいはゾー
ンメルトを行いて配向化を達成した。
【0011】
【作用】以下では、一例にTl系超電導体(Tl−22
23)にカリウムを含有させた場合についての検討を示
し、本発明の作用を示す。
23)にカリウムを含有させた場合についての検討を示
し、本発明の作用を示す。
【0012】Tl−2223に、炭酸カリウムや硝酸カ
リウムなどのカリウム化合物を混合法または含浸法など
を用いて添加する。次に、このカリウムを含む超電導粉
末を金属パイプ等に充填し、線引き圧延加工によりテー
プ状線材に加工する。この線材に請求項2の熱処理を行
った結果、熱処理温度と粒径の関係を図2に示す。この
結果から、Tl−2223にカリウムを添加すると、熱
処理温度700℃付近で、非常に結晶が成長することが
明らかになった。結晶が成長した線材の横断面の偏光顕
微鏡視した説明図を図3(a)に、比較のために調製時
にカリウムを含有させなかった線材を図3(b)に示
す。調製時にカリウムを含有させた線材の結晶粒径は1
80μm程度であり、含有させなかった線材の結晶粒径
は10μm程度であった。この結晶成長した線材の横断
面の微小部X線回折結果を図4に示す。この結果から、
成長した結晶相はTl−2223相であることが明らか
になった。次に、プレス加工と熱処理を組み合わせて行
った線材の横断面の偏光顕微鏡観察結果を図5に示す。
倍率が一千倍であるこの図から、Tl−2223相がシ
ース材に沿って配向したことが明らかになった。
リウムなどのカリウム化合物を混合法または含浸法など
を用いて添加する。次に、このカリウムを含む超電導粉
末を金属パイプ等に充填し、線引き圧延加工によりテー
プ状線材に加工する。この線材に請求項2の熱処理を行
った結果、熱処理温度と粒径の関係を図2に示す。この
結果から、Tl−2223にカリウムを添加すると、熱
処理温度700℃付近で、非常に結晶が成長することが
明らかになった。結晶が成長した線材の横断面の偏光顕
微鏡視した説明図を図3(a)に、比較のために調製時
にカリウムを含有させなかった線材を図3(b)に示
す。調製時にカリウムを含有させた線材の結晶粒径は1
80μm程度であり、含有させなかった線材の結晶粒径
は10μm程度であった。この結晶成長した線材の横断
面の微小部X線回折結果を図4に示す。この結果から、
成長した結晶相はTl−2223相であることが明らか
になった。次に、プレス加工と熱処理を組み合わせて行
った線材の横断面の偏光顕微鏡観察結果を図5に示す。
倍率が一千倍であるこの図から、Tl−2223相がシ
ース材に沿って配向したことが明らかになった。
【0013】
〈実施例−1〉Tl−2223組成(Tl:Ba:S
r:Ca:Cu=2:1.6:0.4:2:2:3)とな
るように、酸化タリウム,酸化バリウム,酸化ストロン
チウム,酸化カルシウム,酸化銅を秤量した。まず、酸
化バリウム,酸化ストロンチウム,酸化カルシウム,酸
化銅をメノウ製のライカイ機で十分に混合した。これを
900℃で二時間仮焼した後、粉砕する。この粉末に酸
化タリウムを、ライカイ機で十分に混合し、φ30mm×
3mmtにペレット化し845℃で四時間焼成してTl−
2223超電導体を得た。これを粉砕し、炭酸カリウム
と混合し、エタノールを溶媒として遠心ボールミルで二
時間湿式混合を行った。次に、エタノールを湯せんで蒸
発させた後、ライカイ機で十分に混合した。この粉末を
外径6mm,内径5mmのAgパイプに充填し、φ1.0mm
まで線引きし、厚さ0.3mm まで冷間圧延してテープ状
線材を得た。この線材を、大気中700℃で二十時間焼
成した。次にプレス加工を行い板厚0.3mm から0.2m
m とした後、再度700℃で二十時間熱処理し、プレス
加工により板厚0.2mm から0.15mm としてから、三
回目の熱処理(700℃/20h)を行い配向した線材
を得た。
r:Ca:Cu=2:1.6:0.4:2:2:3)とな
るように、酸化タリウム,酸化バリウム,酸化ストロン
チウム,酸化カルシウム,酸化銅を秤量した。まず、酸
化バリウム,酸化ストロンチウム,酸化カルシウム,酸
化銅をメノウ製のライカイ機で十分に混合した。これを
900℃で二時間仮焼した後、粉砕する。この粉末に酸
化タリウムを、ライカイ機で十分に混合し、φ30mm×
3mmtにペレット化し845℃で四時間焼成してTl−
2223超電導体を得た。これを粉砕し、炭酸カリウム
と混合し、エタノールを溶媒として遠心ボールミルで二
時間湿式混合を行った。次に、エタノールを湯せんで蒸
発させた後、ライカイ機で十分に混合した。この粉末を
外径6mm,内径5mmのAgパイプに充填し、φ1.0mm
まで線引きし、厚さ0.3mm まで冷間圧延してテープ状
線材を得た。この線材を、大気中700℃で二十時間焼
成した。次にプレス加工を行い板厚0.3mm から0.2m
m とした後、再度700℃で二十時間熱処理し、プレス
加工により板厚0.2mm から0.15mm としてから、三
回目の熱処理(700℃/20h)を行い配向した線材
を得た。
【0014】〈実施例−2〉まず、Tl−M−Ca−C
u−O系のMサイトをカリウムで置換するため、Tl:
Ba:Sr:K:Ca:Cu=2:1.4:0.4:0.
2:2:3の組成となるように、酸化タリウム,酸化バ
リウム,酸化ストロンチウム,炭酸カリウム,酸化カル
シウム,酸化銅を秤量した。まず、酸化バリウム,酸化
ストロンチウム,酸化カルシウム,炭酸カリウム,酸化
銅をメノウ製のライカイ機で十分に混合した。これを9
00℃で二時間仮焼した後、粉砕する。この粉末に酸化
タリウムを、ライカイ機で十分に混合し、φ30mm×3
mmtにペレット化し845℃で四時間焼成してMサイト
をカリウムで置換したTl系超電導体を得た。この粉末
をAgパイプに充填し、φ1.0mm まで線引きし、厚さ
0.3mm まで冷間圧延してテープ状線材を得た。この線
材を、大気中700℃で二十時間焼成した。次にプレス
加工を行い板厚0.3mm から0.2mm とした後、再度7
00℃で二十時間熱処理し、プレス加工により板厚0.
2mm から0.15mm としてから、三回目の熱処理を行
い配向した線材を得た。
u−O系のMサイトをカリウムで置換するため、Tl:
Ba:Sr:K:Ca:Cu=2:1.4:0.4:0.
2:2:3の組成となるように、酸化タリウム,酸化バ
リウム,酸化ストロンチウム,炭酸カリウム,酸化カル
シウム,酸化銅を秤量した。まず、酸化バリウム,酸化
ストロンチウム,酸化カルシウム,炭酸カリウム,酸化
銅をメノウ製のライカイ機で十分に混合した。これを9
00℃で二時間仮焼した後、粉砕する。この粉末に酸化
タリウムを、ライカイ機で十分に混合し、φ30mm×3
mmtにペレット化し845℃で四時間焼成してMサイト
をカリウムで置換したTl系超電導体を得た。この粉末
をAgパイプに充填し、φ1.0mm まで線引きし、厚さ
0.3mm まで冷間圧延してテープ状線材を得た。この線
材を、大気中700℃で二十時間焼成した。次にプレス
加工を行い板厚0.3mm から0.2mm とした後、再度7
00℃で二十時間熱処理し、プレス加工により板厚0.
2mm から0.15mm としてから、三回目の熱処理を行
い配向した線材を得た。
【0015】〈実施例−3〉Tl−2223組成(T
l:Ba:Sr:Ca:Cu=2:1.6:0.4:2:
2:3)となるように、酸化タリウム,酸化バリウム,
酸化ストロンチウム,酸化カルシウム,酸化銅を秤量し
た。まず、酸化バリウム,酸化ストロンチウム,酸化カ
ルシウム,酸化銅をメノウ製のライカイ機で十分に混合
した。これを900℃で二時間仮焼した後、粉砕する。
この粉末に酸化タリウムを、ライカイ機で十分に混合
し、φ30mm×3mmtにペレット化し845℃で四時間
焼成してTl系超電導体を得た。これを粉砕し、炭酸カ
リウムと混合し、エタノールを溶媒として遠心ボールミ
ルで二時間湿式混合した。エタノールを湯せんで蒸発さ
せた後、ライカイ機で十分に混合した。この粉末をAg
パイプに充填し、φ1.0mmまで線引きし、厚さ0.3mm
まで冷間圧延してテープ状線材を得た。このテープ状
線材に、熱処理温度700℃,圧力1ton/cm2で四時間
のホットプレスを行い配向した。
l:Ba:Sr:Ca:Cu=2:1.6:0.4:2:
2:3)となるように、酸化タリウム,酸化バリウム,
酸化ストロンチウム,酸化カルシウム,酸化銅を秤量し
た。まず、酸化バリウム,酸化ストロンチウム,酸化カ
ルシウム,酸化銅をメノウ製のライカイ機で十分に混合
した。これを900℃で二時間仮焼した後、粉砕する。
この粉末に酸化タリウムを、ライカイ機で十分に混合
し、φ30mm×3mmtにペレット化し845℃で四時間
焼成してTl系超電導体を得た。これを粉砕し、炭酸カ
リウムと混合し、エタノールを溶媒として遠心ボールミ
ルで二時間湿式混合した。エタノールを湯せんで蒸発さ
せた後、ライカイ機で十分に混合した。この粉末をAg
パイプに充填し、φ1.0mmまで線引きし、厚さ0.3mm
まで冷間圧延してテープ状線材を得た。このテープ状
線材に、熱処理温度700℃,圧力1ton/cm2で四時間
のホットプレスを行い配向した。
【0016】〈実施例−4〉まず、Tl−M−Ca−C
u−O系のMサイトをカリウムで置換するため、Tl:
Ba:Sr:K:Ca:Cu=2:1.4:0.4:0.
2:2:3の組成となるように、酸化タリウム,酸化バ
リウム,酸化ストロンチウム,炭酸カリウム,酸化カル
シウム,酸化銅を秤量した。まず、酸化バリウム,酸化
ストロンチウム,酸化カルシウム,炭酸カリウム,酸化
銅をメノウ製のライカイ機で十分に混合した。これを9
00℃で二時間仮焼した後、粉砕する。この粉末に酸化
タリウムを、ライカイ機で十分に混合し、φ30mm×3
mmtにペレット化し845℃で四時間焼成してMサイト
をカリウムで置換したTl系超電導体を得た。この粉末
をAgパイプに充填し、φ1.0mm まで線引きし、厚さ
0.3mm のテープ状線材を得た。このテープ状線材に、
熱処理温度700℃,圧力1ton/cm2で四時間のホット
プレスを行い配向させた。
u−O系のMサイトをカリウムで置換するため、Tl:
Ba:Sr:K:Ca:Cu=2:1.4:0.4:0.
2:2:3の組成となるように、酸化タリウム,酸化バ
リウム,酸化ストロンチウム,炭酸カリウム,酸化カル
シウム,酸化銅を秤量した。まず、酸化バリウム,酸化
ストロンチウム,酸化カルシウム,炭酸カリウム,酸化
銅をメノウ製のライカイ機で十分に混合した。これを9
00℃で二時間仮焼した後、粉砕する。この粉末に酸化
タリウムを、ライカイ機で十分に混合し、φ30mm×3
mmtにペレット化し845℃で四時間焼成してMサイト
をカリウムで置換したTl系超電導体を得た。この粉末
をAgパイプに充填し、φ1.0mm まで線引きし、厚さ
0.3mm のテープ状線材を得た。このテープ状線材に、
熱処理温度700℃,圧力1ton/cm2で四時間のホット
プレスを行い配向させた。
【0017】〈実施例−5〉Tl−2223組成(T
l:Ba:Sr:Ca:Cu=2:1.6:0.4:2:
2:3)となるように、酸化タリウム,酸化バリウム,
酸化ストロンチウム,酸化カルシウム,酸化銅を秤量し
た。まず、酸化バリウム,酸化ストロンチウム,酸化カ
ルシウム,酸化銅をメノウ製のライカイ機で十分に混合
した。これを900℃で二時間仮焼した後、粉砕する。
この粉末に酸化タリウムを、ライカイ機で十分に混合
し、φ30mm×3mmtにペレット化し845℃で四時間
焼成してTl系超電導体を得た。これを粉砕し、炭酸カ
リウムと混合し、エタノールを溶媒として遠心ボールミ
ルで二時間湿式混合した。エタノールを湯せんで蒸発さ
せた後、ライカイ機で十分に混合した。この粉末をAg
パイプに充填し、φ1.0mmまで線引きし、厚さ0.3mm
まで冷間圧延してテープ状線材を得た。このテープ状
線材に、熱処理温度700℃,溶融帯移動速度6mm/h
でゾーンメルトを行い、ゾーンメルトの温度勾配により
熱的に配向化した。
l:Ba:Sr:Ca:Cu=2:1.6:0.4:2:
2:3)となるように、酸化タリウム,酸化バリウム,
酸化ストロンチウム,酸化カルシウム,酸化銅を秤量し
た。まず、酸化バリウム,酸化ストロンチウム,酸化カ
ルシウム,酸化銅をメノウ製のライカイ機で十分に混合
した。これを900℃で二時間仮焼した後、粉砕する。
この粉末に酸化タリウムを、ライカイ機で十分に混合
し、φ30mm×3mmtにペレット化し845℃で四時間
焼成してTl系超電導体を得た。これを粉砕し、炭酸カ
リウムと混合し、エタノールを溶媒として遠心ボールミ
ルで二時間湿式混合した。エタノールを湯せんで蒸発さ
せた後、ライカイ機で十分に混合した。この粉末をAg
パイプに充填し、φ1.0mmまで線引きし、厚さ0.3mm
まで冷間圧延してテープ状線材を得た。このテープ状
線材に、熱処理温度700℃,溶融帯移動速度6mm/h
でゾーンメルトを行い、ゾーンメルトの温度勾配により
熱的に配向化した。
【0018】〈実施例−6〉まず、Tl−M−Ca−C
u−O系のMサイトをカリウムで置換するため、Tl:
Ba:Sr:K:Ca:Cu=2:1.4:0.4:0.
2:2:3の組成となるように、酸化タリウム,酸化バ
リウム,酸化ストロンチウム,炭酸カリウム,酸化カル
シウム,酸化銅を秤量した。まず、酸化バリウム,酸化
ストロンチウム,酸化カルシウム,炭酸カリウム,酸化
銅をメノウ製のライカイ機で十分に混合した。これを9
00℃で二時間仮焼した後、粉砕する。この粉末に酸化
タリウムを、ライカイ機で十分に混合し、φ30mm×3
mmtにペレット化し845℃で四時間焼成してMサイト
をカリウムで置換したTl系超電導体を得た。この粉末
をAgパイプに充填し、φ1.0mm まで線引きし、厚さ
0.3mm まで冷間圧延してテープ状線材を得た。このテ
ープ状線材に、熱処理温度700℃,溶融帯移動速度6
mm/hでゾーンメルトを行い、ゾーンメルトの温度勾配
により熱的に配向化した。
u−O系のMサイトをカリウムで置換するため、Tl:
Ba:Sr:K:Ca:Cu=2:1.4:0.4:0.
2:2:3の組成となるように、酸化タリウム,酸化バ
リウム,酸化ストロンチウム,炭酸カリウム,酸化カル
シウム,酸化銅を秤量した。まず、酸化バリウム,酸化
ストロンチウム,酸化カルシウム,炭酸カリウム,酸化
銅をメノウ製のライカイ機で十分に混合した。これを9
00℃で二時間仮焼した後、粉砕する。この粉末に酸化
タリウムを、ライカイ機で十分に混合し、φ30mm×3
mmtにペレット化し845℃で四時間焼成してMサイト
をカリウムで置換したTl系超電導体を得た。この粉末
をAgパイプに充填し、φ1.0mm まで線引きし、厚さ
0.3mm まで冷間圧延してテープ状線材を得た。このテ
ープ状線材に、熱処理温度700℃,溶融帯移動速度6
mm/hでゾーンメルトを行い、ゾーンメルトの温度勾配
により熱的に配向化した。
【0019】
【発明の効果】従来の固相焼結法(熱処理温度840
℃)によると、Tl系超電導体のTc=120Kの高温
相であるTl−2223相の結晶粒径は約15μmであ
った。さらに、熱処理温度を上げてこれ以上の結晶成長
を行おうとするとTl−2223相はTc=110Kで
あるTl−2212相に分解してしまう。本発明のアル
カリ金属添加あるいは置換により、熱処理温度を800
℃以下Tl−2223相を結晶成長させ、その結晶粒径
は50〜150μmに成長する。また、従来法と比較し
て低温で結晶成長させることが出来るため、タリウムの
蒸発を抑制することが出来る。
℃)によると、Tl系超電導体のTc=120Kの高温
相であるTl−2223相の結晶粒径は約15μmであ
った。さらに、熱処理温度を上げてこれ以上の結晶成長
を行おうとするとTl−2223相はTc=110Kで
あるTl−2212相に分解してしまう。本発明のアル
カリ金属添加あるいは置換により、熱処理温度を800
℃以下Tl−2223相を結晶成長させ、その結晶粒径
は50〜150μmに成長する。また、従来法と比較し
て低温で結晶成長させることが出来るため、タリウムの
蒸発を抑制することが出来る。
【図1】従来法による結晶成長の光学顕微鏡によるタリ
ウム系超電導線材の組織観察結果の説明図。
ウム系超電導線材の組織観察結果の説明図。
【図2】カリウム添加した線材の熱処理温度と結晶粒径
の関係の説明図。
の関係の説明図。
【図3】カリウム添加及びカリウム添加線材の熱処理後
の光学顕微鏡の組織観察結果の説明図。
の光学顕微鏡の組織観察結果の説明図。
【図4】カリウム添加線材の微小部X線回折結果の説明
図。
図。
【図5】配向化したカリウム添加線材の偏光顕微鏡観察
結果の説明図。
結果の説明図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法により結晶成長させたタリウム系超電導
線材の結晶構造を示す光学顕微鏡写真。
線材の結晶構造を示す光学顕微鏡写真。
【図2】カリウム添加した線材の熱処理温度と結晶粒径
の関係の説明図。
の関係の説明図。
【図3】カリウム添加及びカリウム添加線材の熱処理後
の結晶構造を示す光学顕微鏡写真。
の結晶構造を示す光学顕微鏡写真。
【図4】カリウム添加線材の微小部X線回析結果の説明
図。
図。
【図5】配向化したカリウム添加線材の結晶構造を示す
偏光顕微鏡写真。
偏光顕微鏡写真。
Claims (5)
- 【請求項1】Cuを含むTl系超電導体において、アル
カリ金属を少なくとも一種を30%以下添加したことを
特徴とする酸化超電導体。 - 【請求項2】請求項1において、前記超電導体を600
〜800℃で熱処理する酸化物超電導体の製造方法。 - 【請求項3】請求項2の熱処理により、結晶粒径が50
〜150μmに結晶成長した超電導体。 - 【請求項4】請求項2において、800℃以下の熱処理
温度で、液相が存在する超電導体。 - 【請求項5】請求項3において、結晶成長した前記超電
導体の元素分析を行った結果、0.1mol% 以上のアルカ
リ元素検出する超電導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4069861A JPH05229825A (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 酸化物超電導体及びその製造法及び酸化物超電導線材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4069861A JPH05229825A (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 酸化物超電導体及びその製造法及び酸化物超電導線材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05229825A true JPH05229825A (ja) | 1993-09-07 |
Family
ID=13415012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4069861A Pending JPH05229825A (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 酸化物超電導体及びその製造法及び酸化物超電導線材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05229825A (ja) |
-
1992
- 1992-02-19 JP JP4069861A patent/JPH05229825A/ja active Pending
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