JPH05228496A - 生物難分解性物質の処理方法 - Google Patents

生物難分解性物質の処理方法

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JPH05228496A
JPH05228496A JP4035896A JP3589692A JPH05228496A JP H05228496 A JPH05228496 A JP H05228496A JP 4035896 A JP4035896 A JP 4035896A JP 3589692 A JP3589692 A JP 3589692A JP H05228496 A JPH05228496 A JP H05228496A
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ozone
reactor
substance
biodegradable substance
treatment
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Koji Ishida
宏司 石田
Akio Toriyama
明夫 鳥山
Hirokazu Minami
南  宏和
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生物処理だけでは不十分な生物難分解性物質
の水処理を効率よく行なう。 【構成】 過酸化水素の注入、紫外線照射、超音波発
射、触媒の使用の少なくとも1つを併用したオゾンリア
クター1によってオゾン反応およびオゾンラジカル反応
で処理水3の中の生物難分解性物質を酸化分解して生物
易分解性物質に変えた後、生物処理リアクター2で前記
生物易分解性物質を微生物によってさらに分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、し尿処理、埋
め立て浸出水処理、写真現像廃液処理などの水処理にお
いて、生物処理だけでは不十分な水処理を行なう生物難
分解性物質の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水処理の方法として、例えば、活性汚泥
処理法で処理水中の有機物を分解し、生物学的窒素除去
法によって処理水中の窒素化合物を不活性な窒素ガスな
どに変換して除去している。しかし、処理水の中には生
物によって分解しない生物難分解性有機物(以下、生物
難分解性物質という。)、例えば、オレフイン二重結合
を有する有機化合物、ベンゼン誘導体、脂肪族化合物な
どが残存している。そのため、従来は、これらの生物難
分解性有機物を除去する方法として活性炭を用いて物理
的に吸着する方法がとられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、活性炭
吸着処理は、吸着力が徐々に低下するために、再生、ま
たは、新炭との交換をしなければならず、処理全体にし
めるランニングコストが高くなるという問題点があっ
た。
【0004】本発明は、このような従来の問題点を解決
するためになされたもので、活性炭を使用しない生物難
分解性物質の処理方法を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の生物難分解性物
質の処理方法は、過酸化水素の注入、紫外線照射、超音
波発射、触媒の使用の少なくとも1つを併用したオゾン
リアクターによってオゾン反応およびオゾンラジカル反
応で処理水中の生物難分解性物質を酸化分解して生物易
分解性物質に変えた後、生物処理リアクターで前記生物
易分解性物質を微生物によってさらに分解する。
【0006】
【作用】上記構成において、オゾンリアクターの上流側
ではオゾン分子直接反応が優勢であるため、処理水中に
吹き込まれたオゾンは、処理水と接触し、処理水中の生
物難分解性物質、例えば、オレフイン二重結合を有する
有機化合物、ベンゼン誘導体、脂肪族化合物などと直接
反応してこれらの有機物を酸化分解する。
【0007】オゾンリアクターの下流側ではオゾン分子
直接反応が減少してきてOHラジカル反応が優勢となり
強力な酸化力によって上記以外の残りの有機化合物を酸
化分解する。このため、下流側において過酸化水素の注
入、超音波発射、紫外線照射、触媒の使用の少なくとも
1つを併用してOHラジカル反応を高効率に促進する。
特に、触媒はOHラジカル反応を促進させると共に、残
存過酸化水素を分解して除去する作用がある。
【0008】上記のようにしてオゾンリアクターで生物
難分解性物質を生物易分解性物質に変える。さらに、生
物処理リアクターにおいて前記の生物易分解性物質に生
物処理を施して分解除去する。これによって、生物処理
リアクターだけでは処理が難しい生物難分解性物質を生
物処理リアクターによって処理することが可能となり、
水処理に要するランニングコストを安くできる。
【0009】
【実施例】以下に本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。図1は、生物難分解性物質の処理
方法に用いられる処理装置の一例の概略図である。この
図1において、1は、オゾンリアクターであって、上流
側のオゾン反応部1Aと、下流側のオゾンラジカル反応
部1Bとから構成されている。さらに、このオゾンリア
クター1の下流に生物処理リアクター2が設けられてい
る。
【0010】オゾン反応部1Aは、上部から原水(前工
程での処理水)が流入して下部から流出し、前記オゾン
ラジカル反応部1Bの下部に流入するよう構成されてい
る。さらに、オゾン反応部1Aの底部にはオゾン化空気
を吹き出すための吹出部4が設けられ、オゾン化空気が
吹き込まれる。
【0011】オゾンラジカル反応部1Bの下部には過酸
化水素(H2O2)を注入する注入部5が設けられている。
過酸化水素は、自身酸化作用があって生物難分解性物質
を分解すると共に、オゾンのOHラジカル反応を活発に
する働きがある。
【0012】過酸化水素の注入部5の上部に超音波を発
生する超音波発生機6が設けられ、この超音波発生機6
の上部でオゾンラジカル反応部1Bの内部にUVランプ
(紫外線ランプ)7が設けられている。これら超音波発
生機6とUVランプ7は、オゾンのOHラジカル反応を
促進する働きがある。
【0013】UVランプ7のさらに上部には触媒充填層
8が設けられ、触媒が充填されている。この触媒は、例
えば、アルミナに白金やパラジウムで表面処理を施した
ものを使用し、オゾンのOHラジカル反応を促進すると
共に、残存溶解オゾンと過酸化水素を分解除去する働き
がある。
【0014】生物処理リアクター2は、既に周知の技術
である微生物を用いた処理槽であって、オゾンリアクタ
ー1で生物難分解性物質を酸化分解して生成した生物易
分解性物質を微生物によってさらに分解する。
【0015】次に、上記装置を用いた生物難分解性物質
の処理方法を説明する。オゾン反応部1Aにおいは、オ
ゾンの吹出部4から吹き出されたオゾンが原水と接触
し、原水の中の生物難分解性物質、例えばオレフイン二
重結合を有する有機化合物、ベンゼン誘導体、脂肪族化
合物などとオゾン分子が直接反応し、生物難分解性物質
を酸化分解する。
【0016】さらに、オゾン反応部1Aより下流のオゾ
ンラジカル反応部1Bにおいては、OHラジカル反応が
活発化して上記以外の残りの有機化合物を酸化分解す
る。このOHラジカル反応は強力な酸化作用があり、触
媒などを併用することにより反応がいっそう促進され
る。そこで、オゾンラジカル反応部1Bでは過酸化水素
の注入、超音波発射、紫外線照射、触媒との接触の少な
くとも1つを用いてOHラジカル反応を高効率に促進す
る。特に、触媒はOHラジカル反応を促進させると共
に、残存過酸化水素を分解して除去する作用がある。な
お、原水の水質によってオゾン吹出部4、過酸化水素を
注入する注入部5、超音波発生機6、UVランプ7、触
媒充填層8の位置、順序、必要性は変わるものである。
【0017】そして、オゾンリアクター1によって生物
難分解性物質が生物易分解性物質に変化し、この生物易
分解性物質を生物処理リアクター2に導いて微生物によ
って生物学的に分解除去する。生物処理リアクター2で
処理された原水は、放流されるか、分解の程度によって
再度オゾン反応部1Aにもどして目標水質になるまで上
記サイクルを複数回繰り返す。なお、オゾン反応部1
A、オゾンラジカル反応部1B、生物処理リアクター2
を複数段設けて目標値になるよう生物難分解性物質を分
解除去するよう構成してもよい。
【0018】ところで、図2は原水をオゾン処理のみを
施し、生物処理を施さない場合のBODとCODの濃度
の関係を示した関係図である。この図2のように生物難
分解性物質がオゾンにより酸化分解され、原水のCOD
が減少する。反対にオゾン処理によって生物易分解物質
が増すため、処理水3のBODが上昇する。このBOD
もオゾン処理が続くと減少する(対象とする水や処理方
法では減少しない)が、生物易分解物質を物理化学的に
全部分解処理するのはコストが高くなる。そこで、オゾ
ン処理をおこなった後、上記のように生物処理に切り換
える。具体的にはオゾン処理でBODが最大になった時
(図2のt1 )に生物処理に切り換えるのが望ましい。
【0019】図3は、原水をオゾン処理した後、生物処
理を施した場合のBODとCODの濃度の関係を示した
関係図である。この図において、0〜t1 はオゾン処理
を施した時間で、t1 〜t 2は生物処理を施した時間で
ある。このように生物処理を行なえばBODとCODの
処理時間が早まり、生物処理を併用することと相まっ
て、水処理のランニングコストを下げることができる。
【0020】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、過酸化
水素の注入、超音波発射、紫外線照射、触媒の使用の少
なくとも1つを併用し、生物難分解性物質をオゾンの酸
化反応によって高効率に分解できることから、オゾンリ
アクターで生物難分解性物質を活性炭を使用せずに処理
できると共に、生物処理リアクターで生物易分解性物質
を効率よく処理できる。このため、水処理全体にしめる
ランニングコストを低くおさえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理方法に用いられる処理装置の一例
の概略図である。
【図2】生物処理を行なわない場合のBODとCODの
濃度の関係図である。
【図3】本発明の生物処理を行なった場合のBODとC
ODの濃度の関係図である。
【符号の説明】
1 オゾンリアクター 1A オゾン反応部 1B オゾンラジカル反応部 2 生物処理リアクター 4 オゾン吹出部4 5 過酸化水素注入部 6 超音波発生機 7 UVランプ(紫外線ランプ) 8 触媒充填層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の生物難分解性物
質の処理方法は、オゾンリアクターでオゾン反応によっ
て処理水中の生物難分解性物質を酸化分解して生物易分
解性物質に変えた後、生物処理リアクターで前記生物易
分解性物質を微生物によってさらに分解する。また、本
発明の生物難分解性物質の処理方法は、オゾンリアクタ
ーでオゾン反応と、過酸化水素の注入、紫外線照射、超
音波発射、触媒の使用のうちの少なくとも1つのオゾン
ラジカル反応とを併用することによって、処理水中の生
物難分解性物質を酸化分解して生物易分解性物質に変え
た後、生物処理リアクターで前記生物易分解性物質を微
生物によってさらに分解する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【作用】上記構成において、オゾン反応イキは、オゾン
分子直接反応が優勢であるため、処理水中に吹き込まれ
たオゾンは処理水と接触し、処理水中の生物難分解性物
質、例えば、オレフイン二重結合を有する有機化合物、
ベンゼン誘導体、脂肪族化合物などと直接反応してこれ
らの有機物を酸化分解する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】オゾンラジカル反応は、強力な酸化力によ
って上記以外の残りの有機化合物を酸化分解する。この
ため、下流側において過酸化水素の注入、超音波発射、
紫外線照射、触媒の使用の少なくとも1つを用いてOH
ラジカル反応を高効率に促進する。特に、触媒はOHラ
ジカル反応を促進させると共に、残存過酸化水素を分解
して除去する作用がある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】上記のようなオゾン反応、オゾンラジカル
反応で生物難分解性物質を生物易分解性物質に変えた
後、生物処理リアクターにおいて前記の生物易分解性物
質に生物処理を施して分解除去する。これによって、生
物処理リアクターだけでは処理が難しい生物難分解性物
質をオゾンリアクターと生物処理リアクターの組み合わ
せによって処理することが可能となり、水処理に要する
ランニングコストを安くできる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】そして、オゾンリアクター1によって生物
難分解性物質が生物易分解性物質に変化し、この生物易
分解性物質を生物処理リアクター2に導いて微生物によ
って生物学的に分解除去する。生物処理リアクター2で
処理された原水は、放流されるか、分解の程度によって
再度オゾン反応イキにもどして目標水質になるまで上記
サイクルを複数回繰り返す。なお、オゾン反応部1A、
オゾンラジカル反応部1B、生物処理リアクター2を複
数段設けて目標値になるよう生物難分解性物質を分解除
去するよう構成してもよい。また、上記実施例では、オ
ゾン反応部1Aとオゾンラジカル反応部1Bからなるオ
ゾンリアクター1によって生物難分解性物質を生物易分
解性物質に変えているが、本発明では生物難分解性物質
をオゾン反応部だけで分解し、その後に生物処理リアク
ターによって生物学的に分解除去するよう構成してもよ
い。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、生物難
分解性物質をオゾンの酸化反応によって高効率に分解で
きることから、生物難分解性物質を活性炭を使用せずに
処理できると共に、生物処理リアクターで生物易分解性
物質を効率よく処理できる。このため、水処理全体にし
めるランニングコストを低くおさえることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/78 9045−4D 3/12 N 9153−4D

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過酸化水素の注入、紫外線照射、超音波
    発射、触媒の使用の少なくとも1つを併用したオゾンリ
    アクターによってオゾン反応およびオゾンラジカル反応
    で処理水中の生物難分解性物質を酸化分解して生物易分
    解性物質に変えた後、生物処理リアクターで前記生物易
    分解性物質を微生物によってさらに分解することを特徴
    とする生物難分解性物質の処理方法。
JP4035896A 1992-02-24 1992-02-24 生物難分解性物質の処理方法 Pending JPH05228496A (ja)

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