JPH0522837A - 携帯用電源装置 - Google Patents

携帯用電源装置

Info

Publication number
JPH0522837A
JPH0522837A JP3194902A JP19490291A JPH0522837A JP H0522837 A JPH0522837 A JP H0522837A JP 3194902 A JP3194902 A JP 3194902A JP 19490291 A JP19490291 A JP 19490291A JP H0522837 A JPH0522837 A JP H0522837A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
output
overload state
time
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3194902A
Other languages
English (en)
Inventor
Motohisa Shimizu
元壽 清水
Masafumi Nakamura
政史 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP3194902A priority Critical patent/JPH0522837A/ja
Publication of JPH0522837A publication Critical patent/JPH0522837A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一時的な過負荷状態が繰り返して発生して
も、内部の回路要素の加熱状態の許容範囲を考慮しつつ
この範囲内で電動機等の負荷の始動動作等を円滑に動作
せることのできる携帯用電源装置を提供すること。 【構成】 計時手段30は、過負荷状態の発生と同時に
計時動作を開始し、所定の遮断時間に達する前に過負荷
状態が解消した場合は、計時動作を停止して、過負荷状
態計時動作継続時間に応じた復帰時間後に初期状態に復
帰し、復帰時間経過以前に過負荷状態が再発した場合に
は、前記遮断時間より短い時間で出力電流を遮断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、携帯用エンジン発電機
等のように、携帯用交流電源装置として使用される携帯
用電源装置に関する。
【0002】
【従来技術】近年、携帯用の交流電源装置には、出力周
波数を安定化させるためにインバータ装置を使用するこ
とが多くなってきており、例えばエンジンで駆動される
交流発電機によって商用周波数の交流電力を出力する携
帯用電源装置においては、エンジンを回転数の高い領域
にて運転させて発電機から高出力の交流電流を得、この
交流電流を一旦直流に変換した後、インバータ装置によ
り商用周波数の交流に変換して出力するようにした装置
が、実開昭59−132398号公報等によって知られ
ている。
【0003】ところで、このような交流電源装置におい
て、その使用用途によっては出力波形をできるだけ正弦
波に近似したものにしたいという要請があり、この要請
に応えるべく上記インバータ装置にパルス幅変調(PW
M)方式を採用した交流電源装置も検討され始めている
(特開昭60−82098号公報)ところで、以上のよ
うな携帯用の電源装置においては、出力回路保護のため
に種々の工夫がなされているが、電源装置の出力特性や
負荷の特性によっては出力される負荷電流の大小がその
まま負荷状態を表わす指標となっていない場合があり、
適切な保護システムを構成していない一面があった。例
えば、ただ単に負荷電流が大きくなったときに出力を遮
断するというような構成では、電動機等のように始動時
に一時的に大電流が流れるような負荷装置が出力回路に
接続された場合、負荷装置の始動時に必要以上に出力遮
断を施してしまう可能性があり、出力回路の最適な保護
システムとはなっていなかった。
【0004】以上に鑑み、本願出願人は、インバータ制
御方式の発電機に対してではあるが、過電流状態を検出
したときには一定時間のみ出力を停止し、この一定時間
後に再び通電する、といった動作を繰返しながら電動機
等の始動が行なえるシステムを提案している(特開昭6
3−114527号公報)。
【0005】また、これとは着眼点を変え、負荷装置に
短絡等が発生したら素早く出力を遮断する一方、過電流
状態であっても出力電圧があまり低下していないときに
は出力遮断を遅らせることにより、電動機等の負荷装置
の始動も容易ならしめるシステムも提案している(特願
平2−414927号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来から
提案されている各種のシステムによって、電動機の始動
時のように、携帯用電源装置が一時的に大電流を出力す
る場合にも携帯用電源装置の動作を完全に遮断してしま
うことなく、一時的に出力を停止させる等の手段により
電動機等の始動を容易ならしめることができるが、この
ような始動動作が短時間内で繰り返された場合、例えば
インバータ式発電機では、出力段のスイッチング素子の
ような電流回路部分が過熱して故障の原因になり易くな
り、このため、回路要素の電流容量をかなり余裕をもた
せて設定しなければならない等の問題を生じる。
【0007】すなわち、図6(2)に示すように短時間
に出力遮断までに至らない過負荷状態が繰り返され、携
帯用電源装置の出力電流が規定値Iを中心に断続的に変
化すると、図6(1)に示すように、携帯用電源装置の
回路要素が、冷却し切らないうちに加熱されることの繰
り返しにより、素子温度が徐々に上昇し、遂には素子の
破壊温度Tに達してしまうことになる。
【0008】本発明は、従来の携帯用電源装置のこのよ
うな欠点を解消するためになされたものであり、一時的
な過負荷状態が繰り返し発生しても、内部の回路要素の
加熱状態の許容範囲を考慮しつつこの範囲内で電動機等
の負荷の始動動作等を円滑に動作させることのできる携
帯用電源装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の携帯用電源装置は、出力電流を検出する電流
検出手段と、該電流検出手段が検出した出力電流を所定
の閾値と比較する比較手段と、前記出力電流が前記閾値
を超えた過負荷状態の継続時間を計時する計時手段と、
該計時手段が計時した前記過負荷状態の継続時間が所定
の時間に達した時に前記出力電流を遮断する保護手段と
を備えた携帯用電源装置において、前記計時手段は、前
記過負荷状態の発生と同時に計時動作を開始し、前記所
定の時間に達する前に該過負荷状態が解消した場合には
前記過負荷状態計時動作を停止し、該過負荷状態計時動
作の開始時から該過負荷状態の解消時までの過負荷状態
計時動作継続時間に応じた復帰時間の経過後に初期状態
に復帰するとともに、該復帰時間の経過以前に再び前記
過負荷状態が発生した場合には前記所定の時間より短い
時間の該過負荷状態の継続で前記保護手段を動作させる
信号を出力するよう構成したことを特徴とする。
【0010】また、本発明の携帯用電源装置の前記復帰
時間は、前記過負荷状態計時動作継続時間より長いこと
を特徴とする。
【0011】また、本発明の携帯用電源装置の前記計時
手段は、前記過負荷状態計時動作時には高い周波数のク
ロック信号を供給し、前記初期状態への復帰時には低い
周波数のクロック信号を供給するクロック信号供給手段
と、該クロック信号供給手段から供給されたクロック信
号を計数するカウンタとを備えたことを特徴とする。さ
らに、本発明の携帯用電源装置の前記計時手段は、前記
過負荷状態計時動作中はアップカウントし、前記復帰動
作中はダウンカウントするとともに、該復帰動作中に再
び前記過負荷状態が発生した場合に、該過負荷状態発生
時の計数値を初期値としてアップカウントするアップダ
ウンカウンタを備えたことを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明の携帯用電源装置においては、過負荷状
態発生と同時に計時手段が過負荷状態計時動作を開始
し、過負荷状態が解消した場合には過負荷状態計時動作
を停止し、該過負荷状態計時動作の開始時から該過負荷
状態の解消時までの過負荷状態計時動作継続時間に応じ
た復帰時間の経過後に初期状態に復帰するとともに、該
復帰時間の経過以前に再び前記過負荷状態が発生した場
合には前記所定の時間より短い時間の該過負荷状態の継
続で前記保護手段を動作させるので、一時的な過負荷状
態が繰り返して発生しても内部回路が過熱し過ぎて破損
することがない。
【0013】また、本発明の携帯用電源装置の前記復帰
時間は、前記過負荷状態計時動作継続時間より長くする
ことによって、内部回路の過熱抑制効果は大きくなる。
【0014】また、本発明の携帯用電源装置の計時手段
は、前記過負荷状態計時動作時には高い周波数のクロッ
ク信号をカウントし、前記初期状態への復帰時には低い
周波数のクロック信号をカウントするように構成するこ
とによって、簡単な構成で過負荷状態計時動作継続時間
より復帰時間を長くすることができる。
【0015】さらに、本発明の携帯用電源装置の前記計
時手段は、前記過負荷状態計時動作中はアップカウント
し、前記復帰動作中はダウンカウントするとともに、該
復帰動作中に再び前記過負荷状態が発生した場合に、該
過負荷状態発生時の計数値を初期値としてアップカウン
トするように構成することによって、復帰動作中に再び
過負荷状態が発生した場合、前回の過負荷状態と今回の
過負荷状態の合算した継続時間が所定の時間に達した時
間に保護手段が動作して内部回路の過熱を防止する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
説明する。
【0017】図1〜図5は、本発明に係る携帯用電源装
置の一実施例の回路図であり、図2中1、2はそれぞれ
交流発電機の固定子に独立して巻装された出力巻線であ
り、1は三相出力巻線、2は単相補助巻線である。また
回転子(図示せず)には多極の永久磁石の磁極が形成さ
れており、エンジン(図示せず)によって回転駆動され
るように構成されている。三相出力巻線1の出力端は、
3つのサイリスタと3つのダイオードとで構成されるブ
リッジ整流回路3に接続され、ブリッジ整流回路3の出
力端は平滑回路4に接続される。
【0018】単相補助巻線2の出力端は、正負両極出力
端子E,Fを有する定電圧供給装置5に接続される。定
電圧供給装置5は2組の整流回路、平滑回路、定電圧回
路5aから成り、単相補助巻線2からの一の方向の電流に
対しては一方の組の各回路が働き、反対の方向の電流に
対しては他方の組の各回路が働き、これによって出力端
子E,Fに夫々正負の定電圧が出力される。
【0019】6はサイリスタ制御回路であり、電源入力
側の一端が定電圧供給装置5の正極出力端子Eに接続さ
れ、他端が平滑回路4の正極側端子とともに接地され
る。サイリスタ制御回路6の信号入力端はコンデンサC
1、抵抗R1〜R3の直列回路で構成され、コンデンサ
C1側の一端は定電圧供給装置5の正極出力端子Eに接
続され、抵抗R3側の他端は平滑回路4の負極側端子に
接続される。抵抗R1と抵抗R2との接続点はトランジ
スタQ1のベースに、このトランジスタQ1のコレクタ
はトランジスタQ2のベースに、このトランジスタQ2
のコレクタはブリッジ整流回路3の各サイリスタのゲー
ト入力回路に接続され、抵抗R1と抵抗R2との接続点
の電位に応じてゲート入力回路の入力信号を制御するよ
うに構成されている(サイリスタ制御回路6に関する詳
細な説明は、後述する)。
【0020】コンデンサC1と抵抗R1との接続点Kに
は過渡抑制回路7の出力側が接続される。過渡抑制回路
7によれば、定電圧供給装置5の正極出力端子E側に設
けられた定電圧回路5aの入力側(G)にツェナーダイ
オードD1のカソード側が接続され、ツェナーダイオー
ドD1のアノード側が抵抗を介して定電圧供給装置5の
負極出力端子Fに接続されるとともに、オペアンプから
成る反転比較器701の反転端子(−)に接続され、反
転比較器701の非反転端子(+)は抵抗を介して接地
される。反転比較器701の出力側はNOR回路702
の入力側に接続され、またNOR回路702の入力側に
は後述のタイマ回路30及び運転停止指令回路31から
の出力がそれぞれ供給される。NOR回路702の出力
側はインバータ703、抵抗を介してトランジスタQ3
のベースに接続される。トランジスタQ3のエミッタは
定電圧供給装置5の負極出力端子Fに接続され、一方コ
レクタは、抵抗R4を介して定電圧供給装置5の正極出
力端子Eに接続されるとともにコンデンサC2を介して
定電圧供給装置5の負極出力端子Fに接続される。コン
デンサC2の正極端子にはトランジスタQ4のベースが
接続され、トランジスタQ4のコレクタは定電圧供給装
置5の正極出力端子Eに接続され、一方エミッタは、ダ
イオードD2のアノードに接続されるとともにサイリス
タ制御回路6のコンデンサC1と抵抗R1との接続点K
に接続される。ダイオードD2のカソードはコンデンサ
C2の正極端子に接続される。
【0021】平滑回路4の出力側は、図3に示すよう
に、インバータ回路9(スイッチング装置)に接続され
る。インバータ回路9は4つのFET(電界効果トラン
ジスタ)Q5〜Q8から成るブリッジ回路で構成され
る。FETQ5,Q6のドレインと接地されている共通
ラインとの間には負荷電流を検出するための電流検出用
抵抗R5,R6が接続されている。FETQ5〜Q8の
各ゲート端子に接続される駆動信号回路に関しては後述
する。
【0022】インバータ回路9の出力側はローパスフィ
ルタから成る出力回路10を介して負荷(図示せず)が
接続される出力端子11、12に接続される。出力回路
10は、負荷に対し直列接続されるコイルL1,L2及
び負荷に対し並列接続されるコンデンサC3で構成され
るローパスフィルタから成る。
【0023】出力端子11、12の両端(ローパスフィ
ルタを構成するコンデンサの両端H)は、図4に示すよ
うに、分割抵抗や差動アンプから成る歪検出回路13に
接続される。歪検出回路13は、出力端子11、12に
現れる出力電圧の波形どうしを直接比較することによっ
て出力の波形歪みあるいはオフセット成分を検出し、検
出信号を出力するものである。
【0024】14は商用周波数、例えば50Hzまたは
60Hzの正弦波を発生する正弦波発振器である。この
正弦波発振器14の出力側は差動増幅器15のオペアン
プの反転入力端子(−)に抵抗を介して接続される。差
動増幅器15のオペアンプの非反転入力端子(+)に
は、ピーク検出回路16の出力側が接続される。
【0025】図3のピーク検出回路16は次のように構
成される。電流検出用抵抗R5,R6とFETQ5,Q
6との接続点は、それぞれ2段増幅器161の入力側増
幅器1611の非反転入力端子(+)、反転入力端子
(−)に接続され、増幅器1611の出力側は2段増幅
器161の出力側増幅器1612に接続される。そし
て、増幅器1612の出力側はオフセット増幅器162
及びオフセット増幅器163の各非反転入力端子(+)
に接続される。
【0026】164は上下限値設定回路であり、4つの
直列抵抗R7〜R10から成り、一端が定電圧供給回路
5の正極出力端子Eに接続され、他端が定電圧供給回路
5の負極出力端子Fに接続されるとともに、抵抗R8と
R9との接続点が接地される。この上下限値設定回路1
64により得られた所定の上限電圧値がオフセット増幅
器162のオペアンプの反転入力端子(−)に供給さ
れ、また所定の下限電圧値がオフセット増幅器163の
オペアンプの反転入力端子(−)に供給される。
【0027】オフセット増幅器162の出力側はダイオ
ードD3のアノードに接続され、オフセット増幅器16
3の出力側はダイオードD4のカソードに接続される。
ダイオードD3のカソードとダイオードD4のアノード
とは非反転増幅器165のオペアンプの非反転入力端子
(+)に接続されるとともに、抵抗を介して接地され
る。非反転増幅器165の出力側(L)は図4の差動増
幅器15のオペアンプの非反転入力端子(+)に接続さ
れるとともに抵抗を介して接地される。差動増幅器15
は、後に詳述するように、出力端子11,12の出力電
流(負荷電流)に応じたフィードバック信号によって、
正弦波発振器14から出力される正弦波基準信号を補正
するものである。
【0028】差動増幅器15の出力側は差動増幅器17
のオペアンプの反転入力端子(−)に接続され、差動増
幅器17のオペアンプの非反転入力端子(+)には歪検
出回路13の出力側が接続される。差動増幅器17は、
差動増幅器15から出力される補正された正弦波の振幅
基準レベルを歪検出回路13から出力される検出信号で
更に補正し、補正された正弦波信号を出力するものであ
る。
【0029】18は矩形波発振器であり、この矩形波発
振器18で発振される矩形波の周波数は正弦波発振器1
4から出力される正弦波の周波数よりも格段に大きい値
に設定される。矩形波発振器18の出力側は積分回路1
9に接続され、積分回路19は矩形波を積分して三角波
信号に変換する。
【0030】差動増幅器17から出力される補正された
正弦波信号と積分回路19から出力される三角波信号と
は重畳されてインバータバッファ20(パルス幅変調回
路)に供給される。インバータバッファ20は所定の閾
値(スレッシュホールドレベル)を有し、この閾値を超
えたレベルの信号が入力したときは低レベルの信号を出
力し、一方閾値以下のレベルの信号が入力したときは高
レベルの信号を出力し、いわゆるパルス幅変調(PW
M)信号を形成するものであり、例えばゲート端子への
入力信号に対し固定された閾値を有するC−MOSゲー
トICで構成する。
【0031】インバータバッファ20の出力側は、イン
バータ21を経てNAND回路22の一方の入力端に入
力するとともにそのまま直接NAND回路23の一方の
入力端にも入力する。NAND回路22の他方の入力端
とNAND回路23の他方の入力端には、図2に示す、
過渡抑制回路7のNOR回路702の出力端Jが接続さ
れる。
【0032】NAND回路22、23の各出力端はFE
Tゲート駆動信号用回路24、25に夫々接続される。
FETゲート駆動信号用回路24はプッシュプル増幅
器、サージ吸収用ダイオード、低周波成分カット用のコ
ンデンサC4、パルストランスA、Cの一次側コイルか
ら構成され、同様にFETゲート駆動信号用回路25は
プッシュプル増幅器、サージ吸収用ダイオード、低周波
成分カット用のコンデンサC5,パルストランスB,D
の一次側コイルから構成される。
【0033】パルストランスAの二次側コイル(図3の
インバータ回路9内に表示)は減衰抵抗、復調用のコン
デンサC6、双方向電圧規制ダイオードD5,D6を介
してFETQ5のゲートに接続される。パルストランス
B,C,Dの各二次側コイルも、パルストランスAの二
次側回路と全く同様な回路を介してFETQ6,Q7,
Q8の各ゲートに夫々接続される。
【0034】次に、過負荷検出部の回路構成を図1及び
図5を参照して説明する。
【0035】図3の2段増幅器161の出力側増幅器1
612の出力端子は、抵抗とコンデンサから成る積分回
路を介して、図5の過電流検出回路28に接続される。
過電流検出回路28はオペアンプ26、27、29、抵
抗R11、R12を有しており、前記積分回路の出力側
(P)は抵抗を介してオペアンプ26の非反転端子
(+)に接続されるとともに、抵抗を介してオペアンプ
27の反転端子(−)に接続される。オペアンプ26の
反転端子(−)及びオペアンプ27の非反転端子(+)は
夫々抵抗を介して接地され、オペアンプ26及びオペア
ンプ27の各出力端子は夫々ダイオードを介して接続さ
れて、続く積分回路Sに接続される。オペアンプ26で
はP点から入力する信号のプラス側のみを増幅し、オペ
アンプ27ではP点から入力する信号のマイナス側のみ
を反転増幅して、それらを重畳した上で、積分回路Sで
平滑する。
【0036】この平滑出力はオペアンプ29の非反転端
子(+)に接続され、オペアンプ29の反転端子(−)に
は、定電圧供給装置5の正極出力端子Eとグランドとの
電位差を抵抗R11,R12で分割した所定比較電圧が
供給される。オペアンプ29の出力側は、図1のタイマ
回路30のカウント開始用の端子(W)に接続される。
タイマ回路30のカウント停止用の端子(Z)には、図
5の運転停止指令回路31の出力が接続される。タイマ
回路30は、例えば汎用のC−MOSゲートのアップダ
ウンカウンタ「4516」を使用したカウンタ301を
有し、カウンタ301のP0〜P3端子及びQ0〜Q3
端子はそれぞれ互いに接続されている。Q0〜Q3の各
端子には4端子NOR回路302及び4端子AND回路
303の各入力端子が接続されている。NOR回路30
2の出力端子はインバータ304の入力端子に接続さ
れ、インバータ304の出力端子はNOR回路306の
一方の入力端子に接続されている。NOR回路306の
他方の入力端子は、カウント開始用端子W及びインバー
タ305の入力側並びにカウンタ301のアップダウン
端子U/Dに接続され、インバータ305の出力側は、
クロックパルス発生回路33のNAND回路333の一
方の入力端子及びインバータ332の入力側に接続され
ている。NOR回路306の出力側はNOR回路307
の一方の入力端子に接続され、NOR回路307の他方
の入力端子はカウント停止用の端子Z及び図2の過渡抑
制回路7のNOR回路702の一入力端子に接続されて
いる。NOR回路307の出力端子は、インバータ30
8を介して、カウンタ301のリセット端子Rに接続さ
れている。
【0037】NAND回路303の出力端子Qは、カウ
ンタ301のプリセットイネイブル端子PEに接続され
るとともに、過渡抑制回路7のNOR回路702の他の
入力端子に接続されている。
【0038】図5の運転停止指令回路31は、携帯用電
源装置の発電出力を停止させたいとき、例えば人為的に
操作して止めたいときとかその他のオプショナルな付加
機能に応動させて止めたいときとかに高レベル信号を出
力するものであり、この停止用の高レベル信号の入力に
よりタイマ回路30は、クロックパルスのカウントを停
止し、タイマ回路が作動開始する前の状態に復帰する。
【0039】タイマ回路30の出力端子(Q)は、図2
の過渡抑制回路7のNOR回路702の入力側に接続
し、また図5の運転停止指令回路31の出力端子(R)
もNOR回路702の入力側に接続する。
【0040】クロックパルス発生回路33の入力端子に
は図4の正弦波発振器14の出力端子(N)がパルス列
形成回路141および分周器34を介して接続される。
クロックパルス発生回路33の出力はタイマ回路30の
クロックパルス端子(CK)に供給される。
【0041】クロックパルス発生回路33のNAND回
路331の一方の入力端子は分周器34の1/16分周
の出力端子に接続され、他方の入力端子はインバータ3
32の出力端子に接続されている。NAND回路333
の一方の入力端子は分周器34の1/32分周の出力端
子に接続され、他方の入力端子はインバータ305の出
力端子に接続されている。NAND回路331と333
の出力端子はNAND回路334の各入力端子と接続さ
れ、NAND回路334の出力端子は、前述の如く、カ
ウンタ301のクロックパルス端子(CK)に接続され
ている。
【0042】図4の正弦波発振器14から出力する所定
周波数の正弦波信号は、パルス列形成回路141でパル
ス列信号に成形された後分周器34に入力され、これを
1/16、1/32に分周してクロックパルス発生回路
33に供給する。
【0043】次に以上のように構成される携帯用電源装
置の作動について説明する。
【0044】エンジンの駆動に伴い三相出力巻線1から
出力された三相交流電力はブリッジ整流回路3で整流さ
れ、続く平滑回路4で平滑されて直流電力に変換される
とともに、平滑回路4での直流電圧の変動が抵抗R2,
R3を介してサイリスタ制御回路6で検出され、その検
出信号に基づいてブリッジ整流回路3の各サイリスタの
導通制御することにより平滑回路4の出力電圧が所定の
直流電圧に安定に維持されるようなフィードバック制御
が行われる。なおサイリスタ制御回路6には過渡抑制回
路7からの出力信号も入力するが、この信号に基づくサ
イリスタ制御回路6及びブリッジ整流回路3の作動につ
いては後述する。
【0045】インバータ回路9のFETQ5,Q7及び
FETQ6,Q8のゲートには後述するパルス幅変調
(PWM)信号が入力され、このPWM信号に応じてF
ETQ5,Q7及びFETQ6,Q8を交互に導通させ
ることにより平滑回路4の直流出力をスイッチング制御
して出力回路10へ出力させる。出力回路10は高周波
成分をカットして商用周波数の交流電力を出力端子1
1、12から負荷に供給する。
【0046】出力端子11に現れる出力電圧の波形と出
力端子12に現れる出力電圧の波形は、歪検出回路13
で比較され、その差、即ち出力電圧の波形の歪みあるい
はオフセット成分が検出され、その検出信号が差動増幅
器17に出力される。
【0047】正弦波発振器14から出力された商用周波
数の正弦波基準信号は後に詳述する差動増幅器15の作
動により交流出力電流に応じてピーク値補正を行われた
後、差動増幅器17に入力される。
【0048】差動増幅器17は、差動増幅器15から出
力された補正正弦波信号と歪検出回路13から出力され
た直流分のフィードバック信号とを比較し、フィードバ
ック信号によって補正正弦波信号の振幅基準レベルを補
正し、この再度補正された正弦波信号を出力する。
【0049】矩形波発振器18から出力された矩形波信
号は積分回路19で積分されて三角波信号に変換され
る。この三角波信号と差動増幅器17からの補正正弦波
信号とが重畳されて重畳信号が形成され、インバータバ
ッファ20に入力される。インバータバッファ20で
は、重畳信号が閾値を超えるときには低レベルの信号を
出力し、一方閾値以下のときには高レベルの信号を出力
して、結果的に三角波信号を搬送波とし、補正正弦波に
よりパルス幅変調されたPWM信号を出力することとな
る。このPWM信号は、補正された正弦波信号に基づき
形成されるため、交流出力電流のピーク値補正が行われ
ることはもとより、前記出力電圧の歪み及びオフセット
成分を減少させることが可能となるとともに、応答時間
がコンパレータ(約1μsec)に比べ格段に速いイン
バータバッファ(約50nsec)をPWM信号の形成
に使用するため搬送波の周波数をより高くすることが可
能となり、これにより出力波形をより正弦波に近似させ
た、より高品質の交流電力を供給することを可能ならし
める。
【0050】インバータバッファ20から出力されたP
WM信号は一方はインバータ21で反転されてNAND
回路22へ、他方はそのままNAND回路23へ入力さ
れる。NAND回路22、23には過渡抑制回路7か
ら、過電流状態等の、保護が必要な状態が検出された時
またはエンジン始動時等の低回転状態が検出された時に
低レベル信号が供給され、この時にはNAND回路2
2、23の出力はPWM信号のいかんに拘らず高レベル
信号となり、この状態が継続されるためPWM信号は伝
送されない。一方、後述のように過負荷時やエンジンの
低回転でないときには過渡抑制回路7から高レベル信号
が供給され、この時にはNAND回路22、23は夫々入
力した反転または非反転PWM信号に応じて夫々反転ま
たは非反転PWM信号を反転した信号を出力し、FET
ゲート駆動信号用回路24にはPWM信号が、またFE
Tゲート駆動信号用回路25には反転したPWM信号が
供給される。
【0051】FETゲート駆動信号用回路24では、P
WM信号は、プッシュプル増幅された後、コンデンサC
4で低周波成分、即ち商用周波数成分がカットされる。
コンデンサC4を通過する直前の信号は基準レベルに対
し振幅一定のPWM信号であるが、この信号の平均電圧
(積分値)は、正弦波発振器14からの正弦波と同一の
周期で変化しており、従ってこのPWM信号はこの正弦
波と同一の周波数(商用周波数)成分を含んでいる。こ
のPWM信号がコンデンサC4を通過した後は商用周波
数成分とは逆相にパルス列全体が上下して平均電圧が常
時零であるパルス信号列に変換される。
【0052】この平均電圧が常時零であるパルス信号列
がパルストランスA,Cの各一次コイルに供給されるの
で、パルストランスA,Cを構成するトランスコアに
は、商用周波数成分による磁気飽和の悪影響がほとんど
なくなり、従ってトランスA,Cは、PWM搬送周波数
で磁気飽和しない程度の小型サイズのもので構成するこ
とが可能となる。
【0053】FETゲート駆動信号用回路25の作動も
上記FETゲート駆動信号用回路24の作動と全く同様で
ある。
【0054】パルストランスAの二次コイルから出力し
たパルス信号はツェナーダイオードD5,D6の各降伏
電圧と比較され、各降伏電圧を超えた分によりコンデン
サC6が充放電され、コンデンサC6の両端には各降伏
電圧を超えた分による平均電圧(これは商用周波数を有
する)が現れる。従って、FETQ5のゲート・ソース
間には、商用周波数を有するコンデンサC6の両端電圧
と、パルストランスAの二次コイルから出力したパルス
信号とが重畳した信号、即ちコンデンサC4を通過前の
PWM信号が復調される。FETQ5は、PWM信号の
正パルスがゲートに入力されている間だけ導通する。
【0055】パルストランスCの二次コイルから出力し
たパルス信号も上述のパルストランスAの二次コイルか
ら出力したパルス信号と全く同様に処理され、FETQ
7の導通はFETQ5の導通と同じタイミングで行われ
る。
【0056】パルストランスB,Dの二次コイルから出
力したパルス信号も上述のパルストランスA,Cの二次
コイルから出力したパルス信号と全く同様に処理され
る。但しパルストランスB,Dに入力するPWM信号と
パルストランスA,Cに入力するPWM信号とは位相が
逆であるから、FETQ5,Q7が導通するときはFE
TQ6,Q8が非導通となり、反対にFETQ5,Q7
が非導通となるときはFETQ6,Q8が導通するよう
に作動する。
【0057】以上のように、出力波形に基づきフィード
バック補正された商用周波数の正弦波を高周波の三角波
でパルス幅変調し、このパルス幅変調信号に基づきイン
バータ回路9でスイッチング制御が行われ、その後出力
回路10で搬送周波数成分がカットされ、ほぼ正弦波に
近似した商用周波数の交流電力が出力端子11、12か
ら負荷に供給される。
【0058】以上のインバータ回路9及び歪検出回路1
3乃至FETゲート駆動信号用回路25(但し、差動増
幅器15及びピーク検出回路16を除く)の構成及び作
動に関する、より詳細な説明は、既に本願出願人により
出願されたインバータ装置(特願平2−307823
号)に記載されている。
【0059】次に過渡抑制回路7の作動を説明する。
【0060】エンジン始動直後は交流発電機の出力電圧
が低いため、定電圧供給装置5を構成する定電圧回路5
aの入力端の電圧は低く、従って始動当初、ツェナーダ
イオードD1の降伏電圧(定格運転時の回転数よりも低
い値に設定したエンジン回転数の設定値に相当)を超え
ることはなく、ツェナーダイオードD1は非導通であ
る。そのため反転比較器701の反転端子(−)は低レ
ベルであり、反転比較器701の出力は高レベルとな
る。
【0061】NOR回路702は入力側の少なくとも1
つに高レベル信号が入力すれば低レベル信号を出力する
ので、NOR回路702の出力は、反転比較器701の
高レベル出力またはタイマ回路30又は運転停止指令回
路31からの高レベル出力で低レベルとなる。
【0062】この低レベル信号がインバータ703で反
転されて高レベル信号となり、トランジスタQ3を導通
してコンデンサC2を放電させる。従ってトランジスタ
Q4は非導通となり、コンデンサC1と抵抗R1との接
続点Kの電位は低レベルとなる。
【0063】従ってサイリスタ制御回路6のトランジス
タQ1は非導通となり、トランジスタQ2は導通とな
り、ブリッジ整流回路3の各サイリスタのゲートには低
レベル信号が供給される。これにより、各サイリスタは
導通せず、ブリッジ整流回路3は整流出力を供給しな
い。即ち、エンジン回転数が設定値以下であるか、また
は過負荷が検出されたときにはブリッジ整流回路3は整
流出力を供給しないようにされ、これによりエンジン始
動時におけるインバータ回路の不安定動作が抑制される
とともに過負荷による過電流状態等の、保護が必要とさ
れる状態が検出された時の出力供給も停止される。
【0064】次に、エンジン始動後、交流発電機の出力
電圧が徐々に上昇し、定電圧回路5aの入力端の電圧が高
くなり、ツェナーダイオードD1の降状電圧を超える
と、即ちエンジン回転数が設定値を超えるとツェナーダ
イオードD1は導通し、反転比較器701の反転端子
(−)は高レベルに転じ、反転比較器701の出力は低
レベルとなる。
【0065】このときタイマ回路30又は、運転停止指
令回路31から高レベル信号が入力していなければ、N
OR回路702の出力は高レベルに転じ、インバータ7
03の出力は低レベルとなる。従ってトランジスタQ3
は非導通となり、コンデンサC2は抵抗R4を介して充
電される。この充電によりコンデンサC2の正極側電位
は、コンデンサC2の容量及び抵抗R4の抵抗値で決ま
る時定数に基づき徐々に上昇する。コンデンサC2の正
極側電位の上昇によりトランジスタQ4が導通するが、
このトランジスタQ4の導通によりトランジスタQ4の
エミッタ電位が上昇してトランジスタQ4のベース電位
より高くなるようなことがあればトランジスタQ4は非
導通に転じるので、K点の電位はコンデンサC2の正極
側電位より僅か低い値に常時維持されることになる。従
ってK点の電位は、エンジン回転数が設定値を超えた時
点以降、コンデンサC2の容量及び抵抗R4の抵抗値で
決まる時定数に基づき徐々に上昇することとなる。
【0066】従って、サイリスタ制御電圧(X,Y間)
はK点電位に比例するため徐々に上昇し、最終的にK点
電位が略定電圧供給装置5の正極出力電位に至り、各サ
イリスタのゲート電圧は抵抗R1と抵抗R2との接続点
の電位を所定値に維持するための所定のフィードバック
制御入力値に至る。
【0067】斯くして、たとえエンジン始動のとき出力
端子11,12に負荷が接続されたままの状態であって
も交流発電機の出力電圧が十分上昇していない不安定な
状態でブリッジ整流回路3の各サイリスタに急激に電流
が突入することを防止できるものである。これによりイ
ンバータ回路9の各FETに対して不安定な状態で急激
な電圧変化が加わることも防止される。こうした防止効
果は、エンジン始動時に出力端子11,12に接続され
ている負荷が大きい程大きく、特に負荷が短絡状態にあ
る場合にはサイリスタやFETに対する悪影響の抑制効
果がきわめて大きい。
【0068】次に、補正回路を構成するピーク検出回路
16及び差動増幅器15の作動について説明する。
【0069】インバータ回路9の一対の電流検出用抵抗
R5,R6にはインバータ回路9の出力電流(負荷電
流)に応じた電圧が生じる。電流検出用抵抗R5,R6
の検出電流波形信号(出力電流信号)はピーク検出回路
16のオペアンプ1611の非反転入力端子(+)、反
転入力端子(−)に入力される。オペアンプ1611は
積分回路を構成しており、入力された電流検出用抵抗R
5,R6の電位信号は高周波成分が除去され、直流成分
および商用周波数成分を含む信号がオペアンプ1611
の出力側に現われる。この信号は積分回路を構成するオ
ペアンプ1612で反転増幅されることにより高周波成
分が除去された商用周波数の信号となり、オフセット増
幅器162,163に出力される。オフセット増幅器1
62では、オペアンプ1612からの商用周波数信号の
振幅を、上下限値設定回路164からオペアンプの反転
端子(−)に入力した所定の上限電圧値と比較し、この
ピーク電流判別の閾値となる所定の上限電圧値を越えた
分のみを増幅する(オフセット増幅)。オフセット増幅
器163では、オペアンプ1612からの商用周波数信
号の振幅を、上下限値設定回路164からオペアンプの
反転端子(−)に入力したピーク電流判別の閾値となる
所定の下限電圧値と比較し、この所定の下限電圧値を下
回った分のみを増幅する(オフセット増幅)。オフセッ
ト増幅器162,163の出力はダイオードD3,D4
を夫々通過して重畳される。従ってこの重畳後の信号
は、増幅された商用周波数信号のレベルが所定の上限電
圧値を越えた部分のみまたは下限電圧値を下回った部分
のみが合成された信号であり、増幅された商用周波数信
号のレベルが所定の上下限電圧値を越えないときにはこ
の合成信号は零レベルを維持することとなる。
【0070】この合成信号は非反転増幅器165で増幅
されたあと、差動増幅器15のオペアンプの非反転端子
(+)に入力される。差動増幅器15では、この合成信
号が正弦波発振器14からの正弦波と比較され、差動増
幅される。即ち、交流出力電流が大きくなってこれに対
応する商用周波数信号のレベルが所定の上下限電圧値を
超えた場合、その超えた量に応じてフィードバック補正
が行われて対応する正弦波のピーク部が潰され、このピ
ーク部が補正された正弦波が次の差動増幅器17に出力
される。
【0071】その結果、このように補正された正弦波信
号に基づいて行われるパルス幅変調制御によって得られ
る交流出力電流は対応するピーク部が潰され、これによ
り、交流出力電流のピーク電流値が制限されたことにな
る。なお、過電流が流れたときにピーク電流値を制限す
るだけで、電流供給を遮断してしまうことはせず、従っ
て一時的に出力のピーク電流値が大きくなる負荷にも何
等支障なく通電状態を継続させることができる。
【0072】次に、過負荷検出部の回路(図5)の作動
を説明する。
【0073】まず図3の電流検出用抵抗R5,R6で負
荷電流が検出され、検出された負荷電流がオペアンプ1
611,1612及び図5の過電流検出回路28のオペ
ンプ26,27で全波整流された後に平滑され、オペア
ンプ29で基準電圧と比較される。従って負荷電流が所
定値より大きいとき、即ち過電流が流れているときには
オペアンプ29の出力が高レベルとなり、タイマ回路3
0は入力しているクロックパルスのカウントを開始す
る。
【0074】図1のタイマ回路30のZ端子から入力さ
れる信号をz、W端子から入力される信号をw、インバ
ータ304の出力信号をk、AND回路303の出力信
号をqとすると、カウンタ301のアップダウン端子U
/Dの入力信号の論理式U/DSは、U/DS=w、リ
セット端子Rの入力信号の論理式RSは、RS=k′
w′+z(以下、論理式上反転記号として′を用い
る)、プリセットイネイブル端子PEの入力信号の論理
式PESは、PES=qとなる。また、分周器34の1
/16分周のクロックパルス信号をA、1/32分周の
クロックパルス信号をBとすると、クロックパルス発生
回路33の出力信号、即ちカウンタ301のクロック端
子CKの入力信号の論理式CKSは、CKS=Aw+B
w′となる。
【0075】したがって、過電流が検出され、信号wが
論理レベル“1”となると、カウンタ301の各端子の
入力信号は、U/DS=1、RS=z、PES=q、C
KS=Aとなり、いま、運転停止指令信号zの論理レベ
ルは“0”であると仮定するとRS=0となり、また、
カウンタ301の初期状態では、AND回路303の出
力レベルは「L」レベルで、信号qの論理レベルは
“0”となるから、PES=0となる。このことから、
カウンタ301は、高速の1/16分周のクロックパル
ス信号Aのアップカウント動作を開始し、Q0〜Q3の全
ての出力端子が論理レベル“1”となったときにAND
回路303の出力信号qの論理レベルが“1”となっ
て、プリセットイネイブル端子PEの論理レベルが
“1”となる。したがって、カウンタ301は計数値を
保持するとともに、図2の過渡抑制回路7のNOR回路
702の出力信号が「L」レベルとなり、インバータ9
は動作を停止し、本実施例の携帯用電源装置は出力電流
を遮断する。この状態になると、エンジンを停止し、全
ての電源を遮断して、一旦初期状態に復帰しないと携帯
用電源装置は再起動しない。
【0076】この状態に至る直前、例えばカウンタ30
1がクロックパルス信号を14個カウントした時に過負
荷状態が解消されて、信号wが論理レベル“0”となる
と、カウンタ301の各端子の入力信号は、U/DS=
0、RS=k′+z=k′、PES=q、CKS=Bと
なり、この状態ではNOR回路302の出力信号k′は
論理レベル“0”であるから、RS=0、また、AND
回路303の出力信号qは論理レベル“0”であるから
PES=0であり、したがってカウンタ301はカウン
ト値14から1/32分周の低速クロックパルス信号B
のダウンカウント動作を開始する。カウンタ301が1
4個のクロックパルスをカウントし、表示値が0に戻る
と、NOR回路302の出力信号k′が論理レベル
“1”となり、したがってRS=1となって、カウンタ
301はリセットされる。
【0077】カウンタ301は、過負荷状態でアップカ
ウントするときは1/16分周のクロックパルス信号A
をカウントし、本実施例の携帯用電源装置が遮断される
前に過負荷状態が解消されたときには、過負荷状態にカ
ウントアップした計数値から1/32分周のクロックパ
ルス信号Bでカウントダウンするので、図7に示すよう
に、例えば過負荷状態時にクロックパルス信号Aを14
個カウントアップするのに10秒間かかったとすると、
完全にカウントダウンするには、その倍の20秒間かか
る。
【0078】このカウントダウンの途中で、例えば図8
に示すようにクロックパルスを7個カウントした後(復
帰動作開始後10秒後)に、再び過負荷状態となり信号
wの論理レベルが“1”となると、U/DS=1、RS
=0、PES=q=0、CKS=Aとなって、カウンタ
301は、過負荷状態となったときのカウント値からク
ロックパルス信号Aをカウントアップすることとなるの
で、カウントダウンしていた時間に反比例した時間で、
出力端子Q0〜Q3の全てが論理レベル“1”となって
しまう。図8の例では、10秒間カウントダウンしてい
たので、5秒間過負荷状態が継続すると本実施例の携帯
用電源装置は出力電流を遮断してしまうこととなる。こ
のことにより、内部回路の過熱状態が十分に解消しない
うちに、再び過負荷状態となって内部回路が破壊されて
しまうことが防止できる。
【0079】また、例えば図9に示すように、過負荷状
態となっている時間が短ければ(図9の例では5秒
間)、過負荷状態時にカウントアップされる計数値が小
さいので、リセット状態になるまでカウントダウンする
のに要する復帰時間が短くて済み(図9の例では10秒
間)、短時間の復帰時間後に再び過負荷状態となっても
出力電流が遮断されるまでに十分な時間が得られる。
【0080】以上の如く、本実施例では、過負荷状態が
続いてカウンタ301がカウントアップしている過負荷
状態計時動作継続時間に応じた復帰時間の経過後に初期
状態に復帰し、該復帰時間の経過以前に再び前記過負荷
状態が発生した場合には、図10(2)に示すように、
予め設定された出力電流遮断時間より短い時間の過負荷
状態の継続でインバータ回路9の動作を停止させるの
で、図10(1)に示すように、本実施例の内部回路の
温度が上昇して破壊温度Tにまで達することを防止でき
る。また、例えば電動機のような始動時に一時的に大電
流が流れるもののような負荷についてのくり返し始動
も、内部回路に悪影響をおよぼさない範囲内で出力遮断
されることなく立ち上げることが可能となる。
【0081】なお、運転停止指令回路31から高レベル
信号が出力されると、タイマ回路30のカウント動作は
停止され、またNOR回路702を経て、ブリッジ整流
回路3及びインバータ回路9の作動が停止される。
【0082】
【発明の効果】本発明の携帯用電源装置は、以上の如く
構成したので、一時的な過負荷状態が繰り返して発生し
ても、内部の回路要素の加熱状態の許容範囲を考慮しつ
つこの範囲内で電動機等の負荷の始動動作等を円滑に動
作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の携帯用電源装置の一実施例の全体構成
図の一部である。
【図2】本発明の携帯用電源装置の一実施例全体構成図
の一部である。
【図3】本発明の携帯用電源装置の一実施例全体構成図
の一部である。
【図4】本発明の携帯用電源装置の一実施例全体構成図
の一部である。
【図5】本発明の携帯用電源装置の一実施例全体構成図
の一部である。
【図6】従来の携帯用電源装置の温度特性と出力電流特
性を示す図である。
【図7】本発明の携帯用電源装置の一実施例の出力電流
特性の一例を示す図である。
【図8】本発明の携帯用電源装置の一実施例の出力電流
特性の他の例を示す図である。
【図9】本発明の携帯用電源装置の一実施例の出力電流
特性の他の例を示す図である。
【図10】本発明の携帯用電源装置の一実施例の温度特
性と出力特性の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 三相出力巻線 2 単相補助巻線 3 ブリッジ整流回路 5 定電圧供給装置 6 サイリスタ制御回路 7 過渡抑制回路 9 インバータ回路 10 出力回路 13 歪検出回路 16 ピーク検出回路 24,25 FETゲート駆動信号用回路 28 過電流検出回路 30 タイマ回路 31 運転停止指令回路 33 クロックパルス発生回路 34 分周器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力電流を検出する電流検出手段と、該
    電流検出手段が検出した出力電流を所定の閾値と比較す
    る比較手段と、前記出力電流が前記閾値を超えた過負荷
    状態の継続時間を計時する計時手段と、該計時手段が計
    時した前記過負荷状態の継続時間が所定の時間に達した
    時に前記出力電流を遮断する保護手段とを備えた携帯用
    電源装置において、前記計時手段は、前記過負荷状態の
    発生と同時に計時動作を開始し、前記所定の時間に達す
    る前に該過負荷状態が解消した場合には前記過負荷状態
    計時動作を停止し、該過負荷状態計時動作の開始時から
    該過負荷状態の解消時までの過負荷状態計時動作継続時
    間に応じた復帰時間の経過後に初期状態に復帰するとと
    もに、該復帰時間の経過以前に再び前記過負荷状態が発
    生した場合には前記所定の時間より短い時間の該過負荷
    状態の継続で前記保護手段を動作させる信号を出力する
    よう構成したことを特徴とする携帯用電源装置。
  2. 【請求項2】 前記復帰時間は、前記過負荷状態計時動
    作継続時間より長い請求項1記載の携帯用電源装置。
  3. 【請求項3】 前記計時手段は、前記過負荷状態計時動
    作時には高い周波数のクロック信号を供給し、前記初期
    状態への復帰時には低い周波数のクロック信号を供給す
    るクロック信号供給手段と、該クロック信号供給手段か
    ら供給されたクロック信号を計数するカウンタとを備え
    た請求項2記載の携帯用電源装置。
  4. 【請求項4】 前記計時手段は、前記過負荷状態計時動
    作中はアップカウントし、前記復帰動作中はダウンカウ
    ントするとともに、該復帰動作中に再び前記過負荷状態
    が発生した場合に、該過負荷状態発生時の計数値を初期
    値としてアップカウントするアップダウンカウンタを備
    えた請求項1又は3記載の携帯用電源装置。
JP3194902A 1991-07-09 1991-07-09 携帯用電源装置 Pending JPH0522837A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3194902A JPH0522837A (ja) 1991-07-09 1991-07-09 携帯用電源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3194902A JPH0522837A (ja) 1991-07-09 1991-07-09 携帯用電源装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0522837A true JPH0522837A (ja) 1993-01-29

Family

ID=16332237

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3194902A Pending JPH0522837A (ja) 1991-07-09 1991-07-09 携帯用電源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0522837A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010154750A (ja) * 2001-03-14 2010-07-08 Power Integrations Inc スイッチ・モード電源の障害状態保護のための方法および装置
WO2011108172A1 (ja) * 2010-03-05 2011-09-09 株式会社日立産機システム 電力変換装置および過負荷保護方法
JP2012151919A (ja) * 2011-01-14 2012-08-09 Hitachi Koki Co Ltd インバータ装置及びそれを備えた電動工具
JP2012228162A (ja) * 2011-04-07 2012-11-15 Fanuc Ltd 直流交流変換装置を接続可能なモータ駆動制御装置
US9337763B2 (en) 2010-10-27 2016-05-10 Hitachi Koki Co., Ltd. Power tool system and power supply device
CN108270201A (zh) * 2016-12-30 2018-07-10 孙麓轩 过载长延时保护方法、装置和系统

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010154750A (ja) * 2001-03-14 2010-07-08 Power Integrations Inc スイッチ・モード電源の障害状態保護のための方法および装置
WO2011108172A1 (ja) * 2010-03-05 2011-09-09 株式会社日立産機システム 電力変換装置および過負荷保護方法
JP2011188581A (ja) * 2010-03-05 2011-09-22 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 電力変換装置および過負荷保護方法
CN102742139A (zh) * 2010-03-05 2012-10-17 株式会社日立产机系统 电力转换装置和过载保护方法
TWI458249B (zh) * 2010-03-05 2014-10-21 Hitachi Ind Equipment Sys The power conversion apparatus and method of overload protection
US9337763B2 (en) 2010-10-27 2016-05-10 Hitachi Koki Co., Ltd. Power tool system and power supply device
JP2012151919A (ja) * 2011-01-14 2012-08-09 Hitachi Koki Co Ltd インバータ装置及びそれを備えた電動工具
JP2012228162A (ja) * 2011-04-07 2012-11-15 Fanuc Ltd 直流交流変換装置を接続可能なモータ駆動制御装置
US8575884B2 (en) 2011-04-07 2013-11-05 Fanuc Corporation Motor drive control system enabling connection of direct current/alternating current conversion device
CN108270201A (zh) * 2016-12-30 2018-07-10 孙麓轩 过载长延时保护方法、装置和系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2587806B2 (ja) 携帯用エンジン発電機
JP2816387B2 (ja) 電源装置
US5229929A (en) Output peak current correction for PWM invertors
JP3283042B2 (ja) 携帯用電源装置
JPH04183275A (ja) パルス幅変調制御装置
JPH0522837A (ja) 携帯用電源装置
JP3113294B2 (ja) 携帯用発電機
JP3105576B2 (ja) 携帯用交流電源装置
JP3173677B2 (ja) インバータ制御式発電機
JPH04355672A (ja) インバータ装置
JP2892862B2 (ja) インバータ装置
JP2977604B2 (ja) インバータ制御式エンジン発電機
JP3192587B2 (ja) 電源装置
JP2934679B2 (ja) インバータ装置
JP2934690B2 (ja) インバータ装置
JP3192498B2 (ja) インバータ装置
JP2557365Y2 (ja) インバータ装置
JP3300221B2 (ja) インバータ式電源装置
JPH04207973A (ja) インバータ装置
Kislovski Fast active inrush current limiter for boost-based resistor emulators
JP2934691B2 (ja) インバータ装置
JP2688661B2 (ja) インバータ装置
JP3290066B2 (ja) 並列同期運転機能を備える携帯用電源装置
JPH0591751A (ja) 携帯用交流電源装置
JP2986200B2 (ja) インバータ装置