JPH05228206A - ニードルパーク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 １個又は複数個の外科用の針と縫合糸を保持
するパッケージ用のニードルパークは、一般に平坦なベ
ース及びこのベースに直角な２個の同一線上の壁を持
つ。第１の壁の一方の端部の付近の切取り部が壁の端部
域をベースから分離し、更に端部域の頂部域を除いた総
てを壁のその他の部分から分離する。第２の壁は隙間に
より上記端部域から分離される。第１の壁の端部域と頂
部域とがヒンジを形成し、これにより針を壁の間の隙間
内に保持することができる。別の実施例においては、両
方の壁が切取り部及び形成されたヒンジを有し、従って
ニードルパークはより大きな直径の針を保持できる。好
ましくは、ニードルパークの材料は成形可能な熱可塑性
プラスチックである。 【効果】 このニードルパークは製造費が少なく、かつ
広範囲の直径の針を簡単かつ確実に保持することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の背景】

１．発明分野 本発明は針を固定するためのニードルパーク(needle pa
rk)に関し、特に１個又は複数個の外科用の針及び縫合
糸を保持するパッケージ用のニードルパークに関する。

【０００２】２．関連技術の説明 外科用の針及び縫合糸用のパッケージは、特に、針を確
実に固定し、しかもこれらを使用すべきときには容易に
取り外せることが必要である。これを遂行するための簡
単な保持具(即ちニードルパーク)は、パッケージのベー
スに接着された発泡物のストリップよりなる。針は発泡
物に刺すか又は発泡物内の切り込み内に差し込まれる。
発泡物ストリップの欠点は、これがパッケージのその他
の部分とは別の要素であってパッケージのベースに接着
しなければならず、パッケージ製造中に余分な作業を要
することである。

【０００３】カリンスキ他の１９９０年１０月９日付け
米国特許第４９６１４９８号は、成形ポスト及び隣接す
る成形レールを備え、この両者とも縫合糸パッケージの
フロアに形成された別のニードルパークを明らかにす
る。このポストとレールとは、保持すべき針の直径より
やや小さい距離に隔てられる。針がポストとレールとの
間に置かれたときは、レールは少し撓み、針は針の両側
とポスト、レールとの接触により正しい位置に保持され
る。この設計は、一つの直径の針の保持に限定される。
ある狭い直径範囲の針を保持できる幾分類似したニード
ルパークが米国特許第４４２４８９８号に開示される。

【０００４】広範囲の直径を有する針を保持するように
されたニードルパークは高くされたプラットフォームよ
りなり、このプラットフォームは、互いに平行に並べら
れかつ端部がプラットフォームに固定された２個の弦状
の部分を持つ。この弦は下側に刻み目が付けられ、プラ
ットフォームは弦の下方で開口される。針はプラットフ
ォームの頂部でかつ弦の下に挿入することにより留置さ
れる。弦の刻み目は、針が弦の長さに沿って滑ることを
防止する。この形式のパークはある範囲の直径の針を保
持できる。しかし、これは弦の弾力性によるものであ
り、その他のニードルパークと同様に製造が簡単でなく
又は低費用でない。

【０００５】ソベル他の１９９０年１１月６日付け米国
特許第４９６７９０２号は、針のパッケージのベースか
ら上方に延び更に針を差し込みうる隙間により中断され
た壁を備えた別形式のニードルパークを明らかにする。
この形式のパークは、壁端部間の隙間の幅と実質的に同
じ直径の針を保持できるだけである。保持しうる針の直
径範囲を広げるため、壁端部をベース付近でアンダーカ
ットしかつ隙間の下のベースを除去して壁端部が撓んで
曲がれるようにし、これにより幾分か広い範囲の直径の
針を受け入れることができる。しかし、確実に保持でき
る針の直径範囲は限定される。

【０００６】

【発明の概要】本発明により、針を固定するためのニー
ドルパークは一般に平坦なベースを備え、その上に一般
にベースと直角であり、かつ壁の端部域をベースから分
離する切取り部を一方の端部の近くに有し、更に端部域
の頂部域を除いた総てを壁のその他の部分から分離する
第１の壁; 及び一般にベースと直角であり、一般に第１
の壁と同一直線上にあり、更に第１の壁の端部域に隣接
する第１の端部を有する第２の壁があり、これにより針
が第１の壁の端部域と第２の壁の第１の端部との間に固
定される。

【０００７】別の実施例においては、針を固定するため
のニードルパークは一般に平坦なベースを備え、その上
に、一般にベースと直角でありかつ隙間により分離され
た２個の一般に同一直線上にある壁を有し、各壁は隙間
に隣接した壁の端部の付近に切取り部を有し、これが壁
の端部域をベースから分離させ、更に端部域の頂部域を
除いた総てを壁のその他の部分から分離し、これにより
針を端部域間の隙間内に固定することができる。

【０００８】本発明のニードルパークは、針と縫合糸の
パッケージの部品として成型されるようにされ、パッケ
ージを簡単かつ低費用で作ることができる。同時に、１
個のパークで、直径が広範囲に渡って変動する針を確実
に保持できる。

【０００９】

【発明の詳細説明】本発明のニードルパークは、直径が
広範囲のいかなる直径の外科用の針でもこれを確実に固
定するようにされる。このニードルパークは、針及び縫
合糸のパッケージの代表的な部品であり、かつパッケー
ジからの針の取出しを不当に妨げることがない。同時
に、このニードルパークは製造が経済的である。そこ
で、このニードルパークを用いた縫合糸のパッケージ
は、これを成形、スタンピング、又は熱可塑性材料の熱
成形により製造することができる。

【００１０】図１は本発明の一体型の針及び縫合糸のパ
ッケージの平面図である。パッケージ１０は、２個の半
円状の端部域で連結された２個の対向した直線部分を有
する長円状の外側溝１２で囲まれた中央のフロア領域１
８を持つ。溝はフロア領域から上方に延びる内壁１４に
より定められる。溝１２の底部及び外周はパッケージの
湾曲部分１６により定められ、かつこれはフロア１８の
高さで内壁１４から外向きに延び更にほぼ内壁１４の高
さに上方に湾曲する。多数のヒンジ式のドア２０が湾曲
部分１６の外周に取り付けられる。このドアは湾曲部の
外周及び内壁の最高点よりやや下方の高さにおいて旋回
可能にされ、従って、ドアが溝の上に折り曲げられその
位置に止められたとき、ドアの上面は外周及び内壁の上
方の高さとそろうであろう。各ドアには、ラッチ用の突
起２８と２個のフィン３６とにより境界の定められたラ
ッチ開口２６を有するドア固定用手段２４の部分が形成
される。ドアが溝１２の上方で閉じられたときは、ラッ
チポスト３０の頂部がドアラッチ開口２６と組み合い、
ドアラッチ突起２８がラッチポスト突起３２の回りに掛
かり、ドアを閉鎖位置に固定する。

【００１１】長円形の溝の内側にニードルパークが置か
れ、これの拡大図が図２に見られ、以下説明される。ニ
ードルパークに隣接して切取り部５２により定められた
リリーフフラップ(relief flup)５０がある。ニードル
パークの付近において内壁１４のある部分が無くされて
溝の壁に口４０が形成され、これを通って針の縫合糸が
ドア２０'と２０"との間で溝に接近する。

【００１２】湾曲部分１６により形成された溝１２の底
は、溝の周囲を回って穴８０及び８２が周期的に設けら
れる。これらの穴は以下のように縫合糸、及び必要に応
じて針をパッケージに組み合わせるために使用される。
即ち、パッケージ１０は多数の上方に延びているピンを
持った組立用プラットフォーム上に置かれる。プラット
フォーム上のパッケージの組立位置にパッケージを保持
するために、２本のピンがパッケージの中央の穴６６及
び６８を通って上向きに延びるように並べられる。その
他の８個のピンが上方に延び、かつ溝の穴８２を通過す
るように並べられる。プラットフォームは溝のその他の
穴８０の下方で開口し、プラットフォームの下の真空源
が穴８０を経て空気を吸い出す。パッケージがこのよう
に置かれると、針が針保持器内に置かれ、縫合糸は、穴
６６を通って延びているピンの上方で輪にされ、次いで
口４０を下向きに通り溝の中に入る。次いで、縫合糸は
溝の穴８２を通って延びるピンの回りに時計方向に巻か
れる。

【００１３】図１の縫合糸パッケージの構成に関する更
に詳細は、ここに参照として組み込まれた米国特許第４
９６７９０２号に見られる。

【００１４】図２はニードルパーク５４の拡大等角図を
示す。このニードルパークは、第１の壁５５及び第２の
壁５６を備え、この両者は一般にフロア１８と直角であ
りかつ隙間５７により分離される。切取り部５８がベー
ス１８から端部域５９を分離し、更に端部域５９の頂部
域を除いた総てを壁５５のその他の部分から分離する。
好ましくは、隙間５７に対向する側の頂部域の上面と壁
５６の頂部とは針を案内するようにテーパーにされる。

【００１５】図示の実施例においては、ベース１８から
の端部域５９の分離は、壁５５と５６との間にあるベー
ス１８の部分を含むように下向きに延びている切取り部
５８により得られる。別の実施例においては、ベース１
８は手を付けずに残すが端部域５９の底部が切り取られ
る。ベースの一部分を含んだ切取り部のある図示の実施
例は、パッケージ１０の製造の好ましい方法である成型
により容易に形成しうるため、これが好ましい。

【００１６】壁５５及び５６の対向面は、これらの面上
に実質的に一定の分離を維持する相補的な形状を有する
ことが好ましい。図２の実施例においては、壁５５の対
向面は壁の上から下まで垂直方向に走るＶ型の溝６０を
有し、壁５６の対向面は相補的な上から下までの延長部
６１を持つ。壁の隣接面に非平坦な相補的な面を設ける
ことの利点は、極めて小さな(実質的にゼロの)実効分離
を得られることであり、これにより非常に細い針を保持
することができる。更に、図２の対向面により与えられ
る(針への)３点接触が、ニードルパーク内での針の滑り
防止を支援する。針の滑りは、図１に示されるように、
ニードルパークが密集して隣接しているときに特に問題
となりうるものである。この場合は、滑りは隣接パーク
内の針との相互接触を引き起こすことが可能であり、こ
れは望ましくない。

【００１７】図３は、図２に示された形式のニードルパ
ークに保持されている針６２の部分を示す。端部域５９
の頂部域が旋回点となり、端部域５９の底部は針６２を
受け入れるように切取り部５８内に曲げられる。端部域
５９の実質的に固定された頂部域と撓みうる底部とが組
み合って「アンダーカット」を形成し、これがニードルパ
ークからの針の不慮の抜出しの危険を最小にする。直径
が極めて小さな針を保持するため、隙間５７の両側で針
を支持するフロア領域６３は、針がフロア１８と端部域
５９の底との間を滑ることを防ぐように、図２及び図３
に示されるように少し高くすることができる。

【００１８】図４は、本発明のニードルパーク、特に大
直径の針を保持するように変更された別の実施例を示
す。この実施例においては、第２の壁５６もまた切取り
部５８Ａを持つ。その結果、両方の壁は切取り部内に曲
がり込む旋回点と底部とを与える頂部域のある端部域を
持つ。図３に示された実施例と比べて、２個の切取り部
構造はより対称的であり、従って端部域の頂部により形
成されたヒンジをより剛性の大きなものにすることがで
きる。

【００１９】パッケージ１０及びニードルパーク５４の
材料は、成形可能な熱可塑性であることが好ましい。ポ
リプロピレンは、その柔軟性、成形可能性、及び端部域
５９に「リビングヒンジ(living hinge)」を形成する能力
のため好ましい。ニードルパークの諸要素の寸法、例え
ば、隙間の幅、切取り部の寸法、壁の隣接面における溝
と延長部の寸法などは、保持すべき針の直径の範囲、及
びニードルパーク材料の機械的性質、例えば強度、曲げ
係数（flex modulus）、メモリーなどにより決定され
る。

【００２０】本発明は特に詳細に説明され、実行しうる
方法が例示された。本発明の精神又は範囲より逸脱する
ことなく含まれた基本原理の多くの変更、応用、変化及
び外延をなしうることは当業者に容易に明らかであろ
う。

【００２１】本発明の実施態様は次の通りである。

【００２２】１．一般に平坦なベースを備え、その上に
一般にベースと直角であり、かつ壁の端部域をベースか
ら分離しかつ端部域の頂部域を除いた総てを壁のその他
の部分から分離する切取り部を一方の端部の近くに有す
る第１の壁；及び一般にベースと直角であり、一般に第
１の壁と同一線上にあり、更に第１の壁の端部域に隣接
する第１の端部を有する第２の壁があり、これにより針
が第１の壁の端部域と第２の壁の第１の端部との間に固
定される、針を固定するためのニードルパーク。

【００２３】２．第１の壁の端部域と第２の壁の第１の
端部とが、面上に実質的に一定の分離のある相補的形状
を有する隣接対向面を持つ実施態様１のニードルパー
ク。

【００２４】３．第１の壁の端部域の対向面は、一般に
面の頂部から底部に延びかつ一般に第２の壁の第１の端
部の対向面の頂部から底部に延びている突起と隣接する
一般に垂直方向の溝を有する実施態様２のニードルパー
ク。

【００２５】４．ベースが第１の壁と第２の壁との下方
かつこれらの間の領域で切り取られる実施態様１のニー
ドルパーク。

【００２６】５．パークの材料が熱可塑性プラスチック
を含む実施態様１のニードルパーク。

【００２７】６．パークの材料がポリプロピレンを含む
実施態様５のニードルパーク。

【００２８】７．実施態様１のニードルパークを備えた
外科用の針と縫合糸のパッケージ。

【００２９】８．一般に平坦なベースを備え、その上に
一般に同一線上にあり、一般にベースに直角であり、か
つ隙間により分離された２個の壁を有し、各壁は隙間に
隣接した壁の端部の付近に切取り部を有し、これが壁の
端部域をベースから分離し、かつ端部域の頂部域を除い
た総てを壁のその他の部分から分離し、これにより針を
端部域間の隙間内に固定することができる針固定用のニ
ードルパーク。

【００３０】９．壁の端部域が、相補的な形状を有し面
の上で実質的に一定の分離のある対向面を有する実施態
様８のニードルパーク。

【００３１】１０．ベースが壁間の隙間において切り取
られた実施態様８のニードルパーク。

【００３２】１１．パークの材料が成形可能な熱可塑性
プラスチックを含む実施態様８のニードルパーク。

【００３３】１２．実施態様８のニードルパークを備え
た針と縫合糸のパッケージ。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の外科用の針と縫合糸のパッケージを示
す。

【図２】本発明のニードルパークの等角図である。

【図３】図２のニードルパークに固定された針を示す。

【図４】本発明の別の実施例のニードルパークに固定さ
れた針を示す。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一般に平坦なベースを備え、その上に一
   般にベースと直角であり、かつ壁の端部域をベースから
   分離しかつ、端部域の頂部域を除いた総てを壁のその他
   の部分から分離する切取り部を一方の端部の近くに有す
   る第１の壁；及び一般にベースと直角であり、一般に第
   １の壁と同一線上にあり、更に第１の壁の端部域に隣接
   する第１の端部を有する第２の壁を備え、これにより針
   が第１の壁の端部域と第２の壁の第１の端部との間に固
   定されることを特徴とする、針を固定するためのニード
   ルパーク。
2. 【請求項２】 請求項１のニードルパークを備えた外科
   用の針と縫合糸のパッケージ。
3. 【請求項３】 一般に平坦なベースを備え、その上に一
   般に同一線上にあり、一般にベースに直角であり、かつ
   隙間により分離された２個の壁を有し、各壁は隙間に隣
   接した壁の端部の付近に切取り部を有し、これが壁の端
   部域をベースから分離し、かつ端部域の頂部域を除いた
   総てを壁のその他の部分から分離し、これにより針を端
   部域間の隙間内に固定することができることを特徴とす
   る、針固定用のニードルパーク。
4. 【請求項４】 請求項３のニードルパークを備えた針と
   縫合糸のパッケージ。