JPH0522780Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は冷蔵室内に第３の室を備えた冷蔵庫に
関するものである。

従来の技術 近年冷蔵庫では、魚、肉類等の生鮮食品に対し
て夫々の最適な貯蔵温度帯を維持させて鮮度を落
とさず、比較的長期間の貯蔵を可能とさせる機能
が要求されており、魚類の最適貯蔵温度−３℃付
近、肉類の最適貯蔵温度０℃付近を選択可能とす
る−３〜０℃の温度調節機能を有する低温容器が
必要となつてきている。

以下図面を参照しながら従来例について説明す
る。

第３図から第４図において、１は冷蔵庫本体で
ある。２は外箱である。３は内箱である。４は両
箱間に充填された発泡断熱材である。５は内箱３
を二室に区画する区画壁である。６は区画壁５で
区画形成された冷凍室、７は冷蔵室である。８は
冷蔵室７天部に設けた第３の室である。９は第３
の室８の前面開口部を覆う扉である。１０は第３
の室８の前面上部に設けられたトリムで、前記扉
９を回動自在に枢支している。トリム１０は、前
面壁１１と底面壁１２及び背面壁１３とで形成さ
れ、前記壁と上部の区画壁５とで形成される空間
部を吐出通路１４とし、一部に第３の室８へ冷気
を吐出する吐出口１５を、トリム１０の底面に設
けている。１６はトリム１０の前面壁１１と対向
する区画壁５に設けられた係止穴である。１７は
前面壁１１の先端に設けられた突起である。トリ
ム１０は第３の室８の前面枠を形成しており、左
辺１８、右辺１９の一部にそれぞれネジ２０によ
り、内箱３に固定されている。

２１は第３の室８前方の区画壁５の一部に設け
られた吸込口である。

以上の様に構成された冷蔵庫について、以下そ
の動作について説明する。

トリム１０は、区画壁５の係止穴１６に、前面
壁１１の先端に設けられた突起１７を係止した
後、左辺１８、右辺１９を内箱３にネジ２０によ
り取付け固定されている。

冷蔵室７へ吐出された冷気は、収納食品と熱交
換され吸込口２１より吸込まれる。一方第３の室
８へ吐出される冷気は、トリム１０内の吐出通路
１４を通り、吐出口１５より吐出され第３の室８
を冷却している。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら上記の様な構成では、トリム１０
の前面壁１１の一部に突起１７を設けている為、
区画壁５の係止穴１６と位置ズレが生じた場合、
前面壁１１は波打ちを発生し外観不良となつてい
た。また前面壁１１の吐出通路１４側は−10℃、
表面側は８℃と温度差が大きく、トリム１０の前
面壁１１表面に結露し、場合によつては氷結し、
扉９が回動しないといつた問題点を有していた。

本考案は上記の問題点に鑑み、トリム前面壁の
波打ちを解消すると共に、トリム前面壁表面の結
露をも解消する冷蔵庫を提供するものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本考案の冷蔵庫
は、第３の室の前面上部に位置し、前面枠を形成
すると共に第３の室を冷却する為の吐出通路及び
吐出口を備えたトリムの前面壁と、吐出通路を仕
切る仕切壁を一体に設け、区画壁に設けた係止穴
に係止される突起仕切壁先端の一部に設けたもの
である。

作 用 本考案は上記した構成によつて、前面壁の後方
に設けた仕切壁に突起を設けたため、位置ズレに
よる前面壁の波打ちを解消すると共に、前面壁表
面への結露も解消できるものである。

実施例 以下本考案の一実施の冷蔵庫について、図面を
参照しながら説明するが、従来と同一構成につい
ては同一番号を付してその詳細な説明を省略す
る。

第１図から第２図において、２２は第３の室８
の前面上部に設けられたトリムで、扉９を回動自
在に枢支している。トリム２２は前面壁２３と底
面壁２４及び背面壁２５とで形成されている。前
面壁２３の後方には、前面壁２３と平行に、区画
壁５に先端が当接する仕切壁２６が設けられてい
る。２７は区画壁５と仕切壁２６、底面壁２４、
背面壁２５で形成される吐出通路である。２８は
底面壁２４に設けられた吐出口である。２９は仕
切壁２６と対向する区画壁５の一部に設けられた
係止穴である。３０は係止穴２９に対向する仕切
壁２６の先端の一部に設けた突起である。３１は
トリム２２の左辺、３２は右辺である。３３はト
リム２２の左辺３１、右辺３２を内箱３に固定す
るネジである。

かかる構成において、区画壁５の一部に設けら
れた係止穴２９に、トリム１０の仕切壁２６先端
に設けた突起３０が係止され位置決めされた後、
左辺３１、右辺３２はそれぞれネジ３３にて内箱
３に固定されている。第３の室８へ吐出される冷
気は、仕切壁２６と底面壁２４、背面壁２５及び
区画壁５とで形成される吐出通路２７を通り、底
面壁２４の吐出口２８より吐出され冷却される。

以上のように本実施例によれば、トリム２２の
前面壁２３の後方に設けた仕切壁２６に、区画壁
５の係止穴２９に係止される突起３０を設けた
為、位置ズレにより仕切壁２６が波打ちしても、
前面壁２３にはなんら影響が及ばず波打ちのない
品位の良い前面壁２３が得られる。またトリム２
２の吐出通路２７内を流れる冷気は、前面壁２３
の後方に前面壁２３と平行に設けられた仕切壁２
６に遮断されるため、前面壁２３は冷気により直
接冷却されることがなく、冷蔵室７側との温度差
が小さくなり、前面壁２３表面に結露することが
ない。

考案の効果 以上のように本実施例によれば、第３の室の前
面上部に位置し、前面枠を形成すると共に、第３
の室を冷却する為の吐出通路及び吐出口を備えた
トリムの前面壁と、吐出通路を仕切る仕切壁を一
体に設け、区画壁に設けた係止穴に係止される突
起を、仕切壁先端の一部に設けたことにより、位
置ズレにより仕切壁は波打ちが発生しても、前面
壁には影響が及ばず、波打ちのない品位の良い前
面壁が得られる。また、吐出通路内を流れる冷気
が仕切壁で遮断されるため直接前面壁に触れるこ
とがなく、冷蔵室側との温度差が小さくなり、前
面壁表面に結露することがなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す冷蔵庫の要部
縦断面図、第２図は本考案の一実施例のトリムの
斜視図、第３図は従来の冷蔵庫の縦断面図、第４
図は従来の要部縦断面図である。 ２２……トリム、２３……前面壁、２６……仕
切壁、２７……吐出通路、２９……係止穴、３０
……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 区画壁にて区画形成された冷凍室と、冷蔵室
   と、前記冷蔵室内にあつて冷蔵室とは独立して温
   度調節できる第３の室と、前記第３の室の前面上
   部に位置し、前面枠を形成すると共に、第３の室
   を冷却する為の吐出通路及び吐出口を備えたトリ
   ムと、前記トリムの前面壁と吐出通路を仕切る仕
   切壁と、前記仕切壁と対向する前記区画壁の一部
   に設けた係止穴と、前記第３の室の前面開口部を
   覆う扉とよりなり、前記仕切壁の先端に、前記係
   止穴に係止される突起を備えた冷蔵庫。