JPH0522748U - 床材の固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 縁側の床張り作業において、床材間の排水溝
用の隙間を有する床材固定の作業能率を高め、しかも美
的外観の向上を計ることができる床材の固定装置を提供
する。 【構成】 塑性変形部材から成る複数のフック部２ａを
有する固定金具２が溶着されている根太１に、床材３の
底部凹部３ｄ内に前記フック部２ａを収納し固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、住宅建築等における縁側の床材の固定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

住宅の縁側にあっては、図５に示すように、根太101に床材102を固定する場合 、雨水を流す排水溝103を設けるため、床材102、102 間を排水溝103として隙間 を設けているが、この施工においては現状では、例えば５mmの隙間を設けるには 、板厚５mmの部材等を定規として床材間にセットしながら、順次施工して縁側を 作る場合や、上記隙間を目見当で施行するのが一般的であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述したごとき、縁側の床張施工にあっては、定規等を用いた場合には、定規 で位置決めをしながら床材を一つ一つ固定していかねばならず、作業能率が悪い という欠点を有する。 また、目見当で隙間を定め、床材を固定する場合には、施工後の床材間の隙間 が不均一となり、美的外観に欠けるという不具合を有する。

【０００４】 さらに、最近の根太材としては、コンクリート材や金属材を用い、床材として は低発泡体の塩化ビニル等が用いられるため、根太側からビス等によって床材を 固定することが難しく、しかも床材に直接ネジ止めすると、床材が破損すること が多々あった。 本考案は、上述したごとき従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので 、その目的とするところは、排水溝としての隙間を有する床材固定の作業能率を 高め、しかもその美的外観の向上を計ることができる床材の固定装置を提供する ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するために本考案は、単数の床材を固定する塑性変形部材か ら成る複数のフック部を有する固定金具を長さ方向に複数組固着してなる根太と 、前記固定金具の複数のフック部をそれぞれ収納する凹部を底部に形成してなる 床材とからなる床材の固定装置を開示する。

【０００６】 上記の床材の固定装置によれば、根太上に固着された固定金具のフック部に、 床材底部の凹部をセットし、押し付け固定する施工を順次床材ごとに行えばよい ため、床材固定の作業能率を高めることができる。 また、フック部が塑性変形部材であるため、床材底部の凹部にセット押し付け た時、フック部が塑性変形して凹部に収納されることになり、フック部は容易に とれることのない堅固な状態で設置されることになる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を実施例に基づきより詳細に説明する。 図１、２は本考案による床材の固定装置の一実施例を示している。縁側のベラ ンダ等において金属等から成る複数本の根太１上の長さ方向に沿って、固定金具 ２が複数組溶着によって固定されている。

【０００８】 固定金具２は、底板２ｃ上に垂直に立設された側部２ｂの先端部に塑性変形部 材から成るフック部２ａが、同側部２ｂに垂直にかつ底板２ｃに平行に形成され ており、この側部２ｂを有するフック部２ａは、１つの固定金具に対し底板２ｃ 上に２つ形成され、２つのフック部２ａは共に同一方向となるように形成されて いる。

【０００９】 そして、フック部２ａが２つ形成されている固定金具２が、根太１上に床材３ の枚数分だけ溶着されている。 また、固定金具２の底板２ｃの長さは、床材３の長さと、雨水の排水溝用の隙 間４の幅を加えた長さになっている。即ち、底板２ｃの長さには、底板２ｃのフ ック部２ａの先端方向側の底板２ｃの端部２ｄ部分に隙間４の幅分を加えた長さ を有している。

【００１０】 床材３は、塩化ビニルの低発泡体からなり、両端部３ａ、３ｂの底部３ｃに前 記固定金具２と凹凸の組合せを構成する凹部３ｄがそれぞれ形成されている。即 ち、凹部３ｄには、固定金具２のフック部２ａ及び側部２ｂが収納できるスペー スを有し、フック部２ａを床材３にセットすることから、床材３に形成された凹 部３ｄの幅ｌは、少なくとも固定金具２のフック部２ａの長さｈよりも長く形成 されている。

【００１１】 また、フック２ａが凹部３ｄに押し込まれるスペース３ｅは、フック部２ａの 形状よりも僅かに狭く形成されており、さらに、好ましくは凹部３ｄの高さを固 定金具２の側部２ｂよりも幾分低く形成する。 従って、フック部２ａが塑性変形する部材から成るため、凹部３ｄ内にフック が押し込まれると、フック部用スペース３ｅ内にフック部２ａが押込まれフック 部２ａは塑性変形した状態でスペース３ｅ内に納まって、容易に抜けることはな い状態で固定される。しかもこのフック部２ａが１つの床材３に対し２ヶ所で固 定することになることから、前記フック部２ａによる固定はより強固なものとな る。

【００１２】 以上のごとくして構成される本考案の床材の固定装置は、その施工にあたって は、まず、根太１上の長さ方向に予め排水溝用の隙間４の幅の長さを加えた固定 金具２を溶着し、さらにフック部２ａが同一方向を示す状態で２枚目の前記固定 金具２と同じものを固定し、順次床材３と同じ数だけの固定金具２を溶着する。 そして、床材３の前記フック部２ａと対応する凹部３ｄ、３ｄに固定金具２を 挿入し、上方から押圧しながら図において左方に押しつけ移動させる。それによ り、フック２は塑性変形しつつそのフック部２ａ、２ａを凹部３ｄ、３ｄのスペ ース部３ｅ、３ｅ内に完全に収納させる。すなわち、フック部２ａは塑性変形し た状態でスペース部３ｅ内に納まっているため、床材３と固定金具２とは堅固な 固定状態となっており、従って床材３を根太１に確実に固定することができる。

【００１３】 次に、同様の施工方法にて、２枚目の床材３を根太１に固定し、順次、必要枚 数の床材３の固定施工を行って床張を完成する。 以上のようにして施工された床材張りの施工は、根太１上に床材３を容易に、 しかも確実に固定することができ、排水溝用の隙間４も均一に設けることができ る。

【００１４】 また、床材３の端部の納まりも良く、外観の良い仕上がりとなる。 図３、４は、本考案の床材の固定装置の第２実施例を示すもので、固定金具５ が、底板５ｃ上に垂直に立設された側部５ｂの先端部に塑性変形部材から成る略 球状のフック部５ａを有し、前述の第１実施例と同様に、前記フック部５ａを２ ヶ所設け、この固定金具５が根太１に溶着されている。

【００１５】 そして、フック部５ａを２つ有してなる固定金具５が、根太１上の長さ方向に 床材３と同一枚数分溶着されている。 また雨水の排水溝用の隙間４の幅分は、固定金具５の端部５ｄ部分に加えられ ている。従って、固定金具５の長さは、床材３の長さと、前記隙間４の幅の長さ を加えた長さを有することになる。

【００１６】 一方、床材３の底部３ｃには、前記固定金具５と凹凸の組合せを構成する凹部 ３ｆがそれぞれ形成されている。即ち、凹部３ｆには、固定金具５の球状フック 部５ａを収納するスペース３ｇを有し、このスペース３ｇは、フック部５ａの球 状形よりも僅かに小さい球状空間になっている。 従って、フック部５ａが塑性変形部材から成っているため、凹部３ｆのフック 用スペース３ｇ内に球状のフック５ａが押込まれると、フック部５ａは塑性変形 し、その形成状態でスペース３ｇ内に納まり、容易に抜け出すことはない。

【００１７】 しかも、このフック部２ａが１つの床材３に対し２ヶ所で固定することになる から、より堅固な固定状態で収納されることになる。 なお、図中に使用されている符号において、図１と同一符号は同一の物を示し ている。 以上のごとき構成からなる本考案の第２実施例の床材固定装置にあっては、前 述の第１実施例と略同様の作用効果を得ることができる。

【００１８】 すなわち、根太１上の長さ方向に、予め排水溝用の隙間４の幅の長さを加えた 固定金具５を、床材３と同一枚数分だけ溶着し、次に床材３の凹部３ｆを固定金 具５のフック部５ａにセットし、上から床材３を押し付けてフック部５ａを塑性 変形させながらスペース３ｇ内に収納させる。 従って、根太１への床材３の固定も容易に、かつ堅固に固定することができ、 排水溝用の隙間４も均一に設けることができるとともに、床材３の端部の納まり も良好なため、外観の良い仕上がりとなる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案の床材の固定装置は、以上のごとき構成としたものであるから、床材の 根太への固定施工の作業能率を高めることができるとともに、床材の美的外見の 向上を計ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例を示す斜視図。

【図２】固定金具を根太に溶着した状態を示す斜視図。

【図３】本考案の第２実施例を示す斜視図。

【図４】固定金具を根太に溶着した状態を示す斜視図。

【図５】従来例の住宅を示す概略図。

【符号の説明】

１…根太２…固定金具２ａ…フック部３…床材４…排水
溝用の隙間５…固定金具５ａ…フック部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 床材を固定する塑性変形部材から成る複
   数のフック部を有する固定金具を長さ方向に複数組固着
   してなる根太と、前記固定金具の複数のフック部をそれ
   ぞれ収納する凹部を底部に形成してなる床材、とを有す
   ることを特徴とする床材の固定装置。