JPH0522636B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は車両の前後に装着固定するスポイラー
等のように、合成樹脂で成る部品を他部材に装着
する構造に関する。

従来の技術 従来よりスポイラー等合成樹脂部品を、車体側
のバンパーに装着するに際し、締付具としてボル
ト、ナツトを用いて固定する手段が通例である
が、前記締付具が車外から見えない位置であるこ
とが外観上の要件であるため、スポイラーの裏側
に固定用フランジ、リブ等を突設して、これらフ
ランジ、リブを利用して前記スポイラーを車体側
に固定している。更に上記の作業を簡易化するた
めに、予じめスポイラー等の被固定体に、ボルト
の頭部を固定したボツクスを設けておき、固定体
側に設けたボルト孔内に、前記ボツクスから突出
するボルトを挿通させて、ナツトによる締付を行
う手段も用いられている。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、単にボルト、ナツトを用いて合
成樹脂部品を車体側に固定することは、該合成樹
脂部品の形状及び狭い作業空間という悪条件とも
相俟つて、極めて非能率的であり、且つボルトの
挿通とナツトの締付を単独作業で行い難い欠点が
あつた。更に被固定体にボルトの頭部を固定した
ボツクスを予め設ける手段によれば、ナツト締付
時の作業性は改善されるが、前記ボルトを固定し
たボツクスを別途作成して、被固定体に溶接固定
させる等の工程を必要とするので、構造の複雑化
と相俟つて、コストの上昇を招く等の難点を有し
ている。

そこで本発明は上記の如き従来の合成樹脂部品
の取付手段に存する欠点を解消して、簡易な構成
で作業性が良く、しかも取付強度も充分なボルト
プレート付合成樹脂部品の提供を目的とするもの
である。

問題点を解決するための手段 本発明は上記の目的を達成するために、合成樹
脂部品の一側部に断面略コ字状の曲折部を形成す
るとともに、該曲折部外側のフランジにその端縁
よりボルト挿通用スリツトを設け、更に前記スリ
ツトの開口部付近の両側に曲折部内に伸びる一対
のストツパを突設する一方、上記合成樹脂部品の
弾性変形によつて曲折部内に嵌入可能な厚みを有
する略矩形状のボルトプレートを上面にボルトを
立設固定し、該ボルトを前記ボルト挿通用スリツ
トに挿通しつつ前記ボルトプレートを前記曲折部
内に嵌装し、前記ストツパでボルトプレートの抜
け止めをしたことを特徴とするボルトプレート付
合成樹脂部品の構成にしてある。

作 用 上記の構成としたことによつて、合成樹脂部品
の一側部に形成された断面略コ字状の曲折部に上
面のボルトを立設したボルトプレートの該ボルト
を合成樹脂部品の弾性変形に伴つて嵌装するだけ
の操作を行うことにより、ストツパによつてボル
トプレートの抜けが防止され、端部からボルトの
螺子切り部が突出した部分を容易に得ることがで
きる。従つて得られた合成樹脂部分の固定体への
取付作業が極めて容易となり、作業性が向上する
という作用が得られるものである。

実施例 以下に本発明に係るボルトプレート付合成樹脂
部品の実施例を図面に基づいて説明する。第１図
において、１は合成樹脂で成るスポイラーを示
し、該スポイラー１の一側部に、断面略コ字状の
曲折部１ａを設けてフランジ１ｂを形成する。更
にフランジ１ｂの縁端より、ボルトが挿通可能な
スリツト１ｃを設け、更に該スリツト１ｃの両側
に前記曲折部１ａ内に伸びる一対のストツパ２，
２を対称的に突設する。一方３はボルトプレート
であつてこのボルトプレート３は平面視が略矩形
状で断面略Ｌ字状を呈し、且つ該ボルトプレート
３の上面には予じめボルト４の頭部４ａを固定し
たことにより、ボルト４の螺子切り部が上方に立
設している。尚、曲折部１ａの開口部分の幅l₁
は、ボルトプレート３のＬ形折曲部の幅l₂と略等
しく、ストツパ２によつて限定された開口部分の
幅l₃はl₂よりも小さくなつている。又ボルトプレ
ート３は、その全体がスポイラー１の弾性変形に
伴つて該曲折部１ａ内に嵌装可能な大きさを有し
ている。

第１図に示う状態より、ボルトプレート３のボ
ルト４を前記スリツト１ｃ内に挿通しつつ、ボル
トプレート３の全体をスポイラー１を弾性変形さ
せながら曲折部１ａ内に押し込むことにより、第
２図に示した取付構造が得られる。第２図におい
て、５は締付ナツト、６はスポイラー１を固定す
るバンパーを示す。上記した取付構造によればボ
ルトプレート３全体が曲折部１ａ内に嵌装され、
ストツパ２によつて容易に抜去し難い構造が得ら
れる。

第３図は本発明装置の他の実施例を示してお
り、基本的な構成要素は略同一であつて、同一の
符号を付してある。この実施例によれば合成樹脂
部品の一側部を略フ字状に折曲し、該折曲部近傍
に水平方向に伸びるリブ７を突設したことによつ
て、実質的に第１図に示した略コ字状の曲折部と
同一の構造を得ているものである。

発明の効果 以上詳細に説明した本発明装置によれば、以下
に記す作用効果をもたらすことができる。即ち合
成樹脂部品に形成した断面略コ字状を呈する曲折
部外側のフランジ端縁部に設けたスリツトに、上
面にボルトを立設したボルトプレートの該ボルト
を嵌装するだけの操作を行うことにより、スリツ
トの開口部付近の両側に突設されたストツパによ
つて上記ボルトプレートの抜けが防止された状態
として前記合成樹脂部品の一側部にボルトを立設
させることができて、装置の製作が極めて容易に
なる。又、装置の構成要素も簡易であるため、コ
ストを低廉化させることができる。又得られたボ
ルトプレート付合成樹脂部品を、バンパー等の固
定体へ固定させる際には、フランジから突出する
ボルトの螺子切り部が安定した姿勢を保つている
ので、取付作業が極めて容易であり、作業性を向
上させることができるので、各種合成樹脂部品の
組付構造に適用して有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るボルトプレート付合成樹
脂部品の組付前の状態を示す斜視図、第２図は同
じく組付状態を示すものであつて第１図の−
線に沿う断面図、第３図は本発明の他の実施例を
示す断面図である。 １……スポイラー（合成樹脂部品）、１ａ……
曲折部、１ｂ……フランジ、１ｃ……スリツト、
２……ストツパ、３……ボルトプレート、４……
ボルト、４ａ……頭部、５……締付ナツト、６…
…バンパー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 合成樹脂部品の一側部に断面略コ字状の曲折
   部を形成するとともに、該曲折部外側のフランジ
   にその端縁よりボルト挿通用スリツトを設け、更
   に前記スリツトの開口部付近の両側に曲折部内に
   伸びる一対のストツパを突設する一方、上記合成
   樹脂部品の弾性変形によつて曲折部内に嵌入可能
   な厚みを有する略矩形状のボルトプレートを上面
   にボルトを立設固定し、該ボルトを前記ボルト挿
   通用スリツトに挿通しつつ前記ボルトプレートを
   前記曲折部内に嵌装し、前記ストツパでボルトプ
   レートの抜け止めをしたことを特徴とするボルト
   プレート付合成樹脂部品。