JPH024830Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車用等車両において、樹脂部
品、例えばオーナメントの表面に締付ビスを顕在
化させず、しかも車体からの脱着を複数回行なう
ような部品であつて、部品脚柱への固定クリツプ
と脱落防止用保持クリツプで、部品を車体の各挿
入孔に取付ける構造に関するものである。

従来、例えば第１図に示すオーナメントを車両
に取付ける方法は、該オーナメント裏面の四隅に
設けた脚柱に、ばね鋼板の固定クリツプを仮組付
し、この仮組付の状態で、車両の外板ブラケツト
に差込むとともに、ビスなどで共締めする方法が
採られていた。

この取付け方法では、部品の着脱操作を繰返す
ことにより、該固定クリツプの係止爪が、部品脚
柱の表面などを傷つけ、固定クリツプと脚柱の差
込みとの間に滑りが生じ、該オーナメントの取付
ガタや保持力の低下が顕著であつた。

この考案は上述のような従来の欠点を解決する
もので、オーナメント裏面の脚柱と固定クリツプ
との挿着保持を、該固定クリツプの係止爪のみに
頼るのではなく、係止爪による保持は半分の役割
分担に改め、さらに、樹脂製保持クリツプの底部
支持片の片側を保持するようにした取付構造で、
前記脚柱の滑りを防ぎ、車両振動による騒音やビ
ビリ音を防ぎ、長年月に亘る車両使用後であつて
も、オーナメント裏面の脚柱の固定クリツプのガ
タ、保持力の低下を極力阻止するようにした取付
構造を得るにある。

以下、第２図ないし第４図に示す一実施例によ
り、この考案を詳細に説明する。

自動車等車両１０の外板とは、第２図に示すヘ
ツドランプオーナメント２を介在して面一に延展
するように、あらかじめ車両１０の外表面を凹ま
せ、該オーナメント２の四隅相当の箇所に、第３
図に示す長孔の挿入孔４ｂを持つＺ型断面のブラ
ケツト４が、取付面４ａで溶着してある。

第３図および第４図に示すヘツドランプオーナ
メント（以下、単に部品という）２の内板２１よ
り水平突出する脚柱２２の四周に、複数本の補強
リブ２５，２５と、水平リブ２６とを持ち内板２
１より所定の突出位置に端面２４，２４′が、当
該脚柱２２の両側に設けてある。

該脚柱２２の先端には、ばね鋼板製の固定クリ
ツプ１が挿着してあり、当該端面２４，２４′に
固定クリツプ１の底部支持片１１，１２が当接し
て止まる。

第４図に明示するように、上下対称形の固定ク
リツプ１には、該底部支持片１１，１２に続く、
両側の脚部材１６と、頂上の２つ折れ屈曲部１５
で継がり、この位置より板幅の中央を打抜いて末
廣がりにした側方支持部１３を具備するものであ
る。

図中５は、ナイロン製保持クリツプである。該
保持クリツプ５は、固定片５ｄが脚柱２２の上方
片側の補強リブ２５，２５の間に介挿され、第３
図に明示するように、脚柱２２の該固定クリツプ
２本をともに引寄せるようにし、熱カシメ部２８
を形造つて固着してある。前記端面２４に対峙す
る向きにＵ字形係止部５ｂと、脚柱２２に直角対
峙する同一向きのＵ字形係止部５ａを持ち該係止
部５ａと固着片５ｄとの間に、Ｓ字形を描き、僅
かくびれさせた弾性部５ｃが設けてある。

一方、前記ブラケツトの取付部位において、該
挿入孔４ｂに向け、固定クリツプ１を挿着した脚
柱２２の先端を嵌入する。それ故、第４図に示す
ように、ブラケツト４の挿入孔４ｂに、脚柱２２
の両脇と、固定クリツプ１の両翼の側方支持部１
３が、その弾発力で孔周囲の端面に係合する。該
保持クリツプ５の頭端５ｅは、該ブラケツト４の
外面４ｃに当接して止まる。

なお、固定クリツプ１の両側の脚部材１６に
は、抜止めのための内向きで片側２か所の係止爪
１４が切起してあることからして、部品２の脚柱
２２の先端に、固定クリツプ１を、一旦挿入した
後には、該係止爪１４が深く食込んで止まる。そ
の上、該保持クリツプ５のＵ字形係止部５ｂは、
固定クリツプ１の底部支持片１１を嵌着して、固
定クリツプ１の脚柱２２からの抜け防止を計るも
のである。部品２の取付け時には、保持クリツプ
５を、第４図の２点鎖線形状に撓ませて取付け
る。

逆に、部品２の取はずし時には、保持クリツプ
５のＵ字形係止部５ｂの先端が、固定クリツプ１
より抜けようとする荷重が加わり、保持クリツプ
５の先端が上方へ撓み、はずれる。その結果、底
部支持片１１の保持がなくなり、固定クリツプ１
はブラケツト４側に残り、部品２の脚柱２２の先
端から抜ける。しかる後、固定クリツプ１をブラ
ケツト４より抜取る。また、逆に固定クリツプ１
を脚柱２２の先端に取付ける場合は、この保持ク
リツプ５を背後に撓ませてから嵌め込めばよい。

このように、従来の構造では、部品２の脱着の
回数を重ねる毎に、固定クリツプと樹脂脚柱との
保持力が低下していたが、保持クリツプ５の弾性
部５ｃの形状の選択で、撓み量を調整でき、固定
クリツプ１の底部支持片１２への保持力を確保で
きる。

以上の説明から明らかなように、この考案にあ
つては、ブラケツトの挿入孔に嵌挿する固定クリ
ツプと、該固定クリツプの底部支持片の片側を、
保持クリツプでもつて嵌挿保持するほか、弾性部
を持つ該保持クリツプを、部品の脚柱の補強リブ
間に嵌着させ、かつ、リブ間で熱カシメ部を形造
つて、確実な脱落防止を行なうようにしたから、
これまでの車両の振動による騒音や、ビビリ音を
防ぎ、前記脚柱の傷つきも防ぐものである。

また、長年月に亘る車両使用後であつても、こ
の実施例にみられる部品のように、比較的軽量な
樹脂部品であるからして、部品裏面の四隅に、こ
の考案の取付構造を用いることで、ガタも無く、
その固定クリツプの保持力の低下もない。また、
外装部品の外表面に、締付ビスの頭部を臨ませず
とも良いという実用上、すぐれた利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は車両に樹脂製ヘツドランプオーナメントを取
付けた状態を示す説明図、第２図は樹脂製ヘツド
ランプオーナメントの斜視図、第３図はこの考案
のオーナメントの取付構造の裏面斜視図、第４図
は第３図のＣ−Ｃ矢視線に沿う断面図である。 １……固定クリツプ、２……オーナメント、４
……ブラケツト、５……保持クリツプ、５ａ，５
ｂ……Ｕ字形係止部、５ｃ……弾性部、１０……
自動車、１１，１２……底部支持片、１３……側
方支持部、１４……係止爪、１５……２つ折れ屈
曲部、１６……脚部材、２１……内板、２２……
脚柱、２４，２４′……端面、２５……補強リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 樹脂部品を車体に取付けるための挿入孔を持つ
   ブラケツトを固着した取付部位において、該挿入
   孔に嵌入する固定クリツプを樹脂部品の脚柱先端
   に挿着するとともに、該脚柱四周の補強リブ間に
   樹脂製保持クリツプを固着し、該保持クリツプの
   Ｕ字形係止部に前記固定クリツプの底部支持片を
   嵌着するように配設したことを特徴とする車両用
   樹脂部品の取付構造。