JPS6127610B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はフアスナーに関し、更に詳しくは細長
いトリムストリツプを自動車の内部等に保持する
一体成形弾性クリツプに関する。

自動車産業の分野では、風よけ、尾灯あるいは
固定窓の内部とその隣接構造体の間のギヤツプを
カバーしたり、屋根の側部レールと天井とを架橋
するために細長いトリムストリツプを設けること
が通常行なわれている。一般に、このトリムスト
リツプはクロムメツキしたシートメタルあるいは
他の材料から作られ、窓の表面部分に装飾的なフ
レームを形成している。

この細長いトリムストリツプは一般にこれま
で、自動車の窓保持構体と本体部との間のギヤツ
プに配置されたパネルに設けられたシートメタル
ねじによつて締付けられていた。

この取付け型式は殆んどの場合において満足な
ものではあるが、この取付け型式に起因する問題
があり、望ましくない製品を作り出し、組込み作
業に悪影響を与えることもある。

ねじ付フアスナーによつてトリムストリツプを
取付ける場合、いつも誤整合という問題があり、
特にトリムストリツプを除去して自動車の内部へ
再組込みするときに問題がある。更に、時折トリ
ムストリツプを除去して交換する必要性によつ
て、その組込みや取外しの間にフアスナーの頭部
が変形してフアスナーも取扱えねばならないこと
もある。また、フアスナーは、その頭部が挿入さ
れるはめ穴が損傷してより大きなねじがフアスナ
ーを適所に保持するために必要とする場合に取換
えねばならない。

多くの場合、細長いトリムストリツプはその開
口を通るフアスナーの挿入によつてトリツプ自身
が変形し、好ましい外観を与えない。これは、ト
リムストリツプの表面が穴ぐり（ドリル加工）を
受けずに滑らかであつてもまたねじ付フアスナー
の設置による力がなく滑らかであつても同様であ
る。

それ故、本発明の目的は、上記した型式の細長
いトリムストリツプを尾灯、風よけあるいは他の
ガラス構造体に隣接する自動車の内部表面に保持
する一体成形フアスナーを提供するにある。

本発明の別の目的は、２つの隔置した部材間の
ギヤツプを覆う位置であつてそのギヤツプに配置
されたパネルに取付けるようになつた位置に、細
長いトリムストリツプを保持する一体成形クリツ
プを提供するにある。

本発明の更に別の目的は、再使用可能なそして
製造容易な、更に自動車内部の前記隣接構造体に
細長いトリムストリツプを組込んだりそれを取外
したりすることの容易な一体成形クリツプを提供
するにある。

上記目的及び他の目的は次の記述によつて明ら
かになるであろう。すなわち、本発明は、２つの
隔置された部材間のギヤツプ上を架橋する位置に
細長い成型用トリムストリツプを保持する一体成
形クリツプによつて達成され、クリツプはギヤツ
プに配置されたパネルに取付けられる。クリツプ
は本体部を有し、この本体部にはクリツプをギヤ
ツプに配置したままトリムストリツプの下面側に
保持する手段が設けられている。弾性脚が本体部
からギヤツプに向つて下方に延びて保持手段がト
リムストリツプに係合してギヤツプを架橋する。
脚は弾性材料から成り、ほぼダイヤ（菱）形状の
横断面を有しており、一対の末広がりの脚部分が
延びる彎曲部を備えた下部Ｖ字型部分と、１方が
本体部へ連結した１対の先細の上部脚部分とを有
している。他方の上部脚部分は前記一方の上部脚
部分に対して離れた関係でその端部は自由になつ
ている。下部脚部分は、ギヤツプに配置されたパ
ネルのスロツト型開口に脚を挿入するのを容易に
し、そして上部脚部分は、下部脚部分がスロツト
型開口に完全に貫通することにより脚をスロツト
型開口保持する作用をする。

本発明をより詳細に理解して頂くために、本発
明の好ましい実施例について図面を参照しながら
以下に記述する。

第１〜３図には、好ましくはばね性鋼あるいは
他の適当な弾性材料から作られた一体成形クリツ
プ１０が示されている。このクリツプ１０は本体
部１２と舌部１４とを有し、舌部１４は本体部と
ほぼ同じ長さを有し、本体部から横方向に延びて
いる。本体部１２の反対の側には、舌部１４とは
反対の方向の外方に、１対のアーム１６，１８が
延びている。このアーム１６と１８は相互に離隔
しており、相互にほぼ平行である。

アーム１６と１８の内側には、１対のばねフイ
ンガー２０，２２が配設され、両フインガーは舌
部１４に向つて後方に延び、アーム１６，１８と
ほぼ同じ平面内にある。

特に、第２図を参照して、断面がほぼダイヤす
なわち菱形状の弾性脚２４がクリツプ１０の本体
部１２から下方に突出していることに注目された
い。この脚２４は彎曲部２５で終端しており、こ
の彎曲部２５から、末広がりの１対の下部脚部分
２６，２８が延びている。脚２４の中間部では、
下部脚部分２６，２８が１対の先細の上部脚部分
３０，３２に連結している。上部脚部分３０はク
リツプすなわちフアスナーの本体部１２に弾性脚
２４を連結する働きをし、上部脚部分３２はほぼ
矩形表面のタブ３４を備えた自由端で終つてい
る。上部脚部分３０には矩形の開口３５が設けら
れ、この開口は、その１部が本体部１２に延び、
且つ後述するようにタブ３４に適合させるためこ
のタブの幅より大きい幅になつている。

第４図を参照すると、本発明の別の実施例が示
され、この図では第１〜３図に示した実施例と同
じ部材に対しては同じ参照番号が付されている。
図から明らかなように、クリツプ１０ａには、上
部脚部分３２に形成された矩形の開口３５ａと、
上部脚部分３０に形成されたタブ３４ａとが設け
られている。矩形開口３５ａはタブ３４ａの幅よ
り広く、タブ３４をクリツプ１０の構造と同じよ
うに受入れるようになつている。これにより、ク
リツプ１０ａは上記した上部脚部分３０，３２に
受け入れうるようなはめ合い部材を除いてクリツ
プ１０と同じである。

第５図を参照すると、本発明を用いた代表的な
例が示されており、細長いトリムストリツプ３６
が自動車の内部構造体に組込まれるようになつて
いる。図示するように、トリムストリツプ３６は
一対のパネル部材４０，４２の間に形成されたギ
ヤツプ３８を橋架するために用いられる。パネル
部材４０は固定窓パネル４４に隣接した構造体で
あり、一方本実施例のパネル部材４２は図示のよ
うな装飾ビニールカバー４６を備えた内側パネル
である。Ｚ字形構造体４８がパネル５０を備えて
おり、このパネルは前記ギヤツプ長さ全体に延び
て部材４２を部材４０に対して保持する。

トリムストリツプ３６にはそのいずれの端にも
内曲りフランジ５２，５４が設けられ、両フラン
ジは、トリムストリツプがギヤツプ３８上に位置
したとき、パネル部材４０，４２と接触する。ト
リムストリツプを自動車の内側に組込むとき、複
数の弾性クリツプ１０がトリムストリツプ３６上
に組込まれ、アーム１６，１８は内曲りフランジ
５２中に配置され、舌部１４がフランジ５４に受
入れられる。クリツプ１０をストリツプ３６に組
込むのを助けるために、内曲りフランジ５４は舌
部１４の幅でその長手方向に沿つた位置にノツチ
すなわち切り込みを設けられるのが好ましく、こ
れによりクリツプすなわちフアスナーがその位置
に挿入されうるようになり、フランジ５２に保持
されたアーム１６，１８がしつかりと係合するま
でストリツプの長手方向に動かされうるような
る。舌部１４はフランジ５４に保持され、１対の
ばねフインガー２０，２２はトリムストリツプの
内側面に接触する。第５図において注目すると、
ばねフインガー２０，２２は、それらがストリツ
プ３６の内側面によつて弾性的に反らされるよう
に配置され、クリツプをスリツプ３６の長手方向
に沿つた設定位置に弾性的に保持するようになつ
ている。

更に第５図から明らかなように、複数のスロツ
ト型開口５６がパネル５０の選択位置に設けられ
ている。トリムストリツプ３６を自動車の内部側
に組込むために、複数のクリツプ１０がトリムス
トリツプ３６に沿つて配置され、パネル５０の開
口５６と整合するようになつている。図示するよ
うに、パネル部材４０，４２に対してトリムスト
リツプ３６がしつかりと着座する位置に、開口５
６を貫通すべく脚２４を押込むことにより弾性ク
リツプがそれぞれパネル５０に取付けられる。

第５図において、仮想線すなわち一点鎖線Ｖに
よりクリツプ１０の未変形位置が示される。一
方、クリツプ１０の脚２４の最大変形位置は一点
鎖線Ｄで示されている。脚２４の開口５６の挿入
を容易にする上部脚部分３０，３２間に角度を設
けるために、そして開口中で脚をしつかりと保持
ししかもパネル５０から脚を除去できる、上部脚
部分３０，３２間の角度を設けるために脚の最大
変形位置Ｄが上部脚部分３０，３２の間に中間面
を作り出す。上部脚部分３０，３２の最大形位置
に適合するために、開口３５が上部脚部分３０に
設けられ、タブ３４が上部脚部分３２に設けられ
ている。タブ３４を備えた上部脚部分３２は開口
５６に脚２４を保持ししかも開口中にクリツプす
なわちフアスナーを挿入している間は第５図の位
置Ｄの姿勢をとるように作用する。図示した脚構
造は、スロツト型開口５６のスロツト幅が2.3mm
までの範囲で変化した場合でも、クリツプ１０を
用いることを可能にしている。

図示したクリツプ１０は一般に用いられている
自動車構造のトリムストリツプ３６とともに用い
るフアスナーを提供し、シートメタルねじの必要
性をなくし、組立の仕上りに満足のいく外観を与
える。前述したフアスナー脚構造は上部脚部分３
０，３２の間にフアスナーを除去するのに破壊し
てしまう程の急峻ではないが、使用時には簡単に
フアスナーが抜けてしまうことのないように十分
な角度を与えている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によつて構成されたクリツプ
の、前面から見た斜視図、第２図は細部をよりよ
く見せるために第１図のクリツプを180度回転し
て後面から見たクリツプの斜視図、第３図は第１
及び２図のクリツプを詳細に見せるため拡大して
示したクリツプの平面図、第４図は本発明の別の
実施例のクリツプを第２図と同じ方向から見た斜
視図、第５図は第１〜３図に示すクリツプを組込
んだ様子を示す、第３図と同じ寸法でもつて部分
的に破断しそして仮想線を設けた立面図である。 １０，１０ａ……クリツプ、１２……本体部、
１４……舌部、１６，１８……アーム、２０，２
２……ばねフインガー、２４……弾性脚、２６，
２８……下部脚部分、３０，３２……上部脚部
分、３４，３４ａ……タブ、３５，３５ａ……開
口、３６……細長いトリムストリツプ、３８……
ギヤツプ、４０，４２……パネル、５０……パネ
ル、５６……パネルのスロツト型開口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ２つの隔置した部材間のギヤツプ上の架橋位
   置に細長いトリムストリツプを保持該ギヤツプ内
   に配置されたパネルに取付けるようになつたクリ
   ツプにおいて、本体部と、該本体部にあつてクリ
   ツプをギヤツプに保持したままトリムストリツプ
   の下面側にクリツプを保持する手段と、該保持手
   段がトリツプストリツプにギヤツプを架橋するよ
   うに係合した状態で前記本体部からギヤツプに向
   けて下方に延びる弾性脚とから成り、前記弾性脚
   はほぼダイヤ形の横断面を有し且つ１対の末広が
   り下部脚部分に延びる彎曲部を有する下部のＶ字
   型部分と先細の上部脚部分とを有し、前記上部脚
   部分の第１脚部分は脚を本体に連結して前記下部
   脚部分の一方とにより鈍角を形成しており、第２
   上部脚部分は他方の下部脚部分に連結されて該下
   部脚部分とにより鈍角を形成しており且つ前記第
   １上部脚部分とは離隔した関係で先端は自由にな
   つており、これにより前記他方の下部脚部分は前
   記ギヤツプに配置されたパネルのスロツト型開口
   に前記脚を挿入させるのを容易にし、前記第２脚
   部分は、前記他方の下部脚部分がスロツト型開口
   を十分に貫通することにより該スロツト型開口に
   脚を保持するように作用し、更に１対の細長いば
   ねフインガーが本体部から延びる１対のアームに
   それぞれ配置され且つ全体として舌部に向つて延
   びており、トリムストリツプの横方向部分におい
   て、その１側縁には前記アームが係合し他の側縁
   に前記舌部が係合していることを特徴とするクリ
   ツプ。 ２ 前記上部脚部分の一方には他方の上部脚部分
   に隣接する部分に開口されており、前記他方の上
   部脚部分にはその端部に、前記開口より小さな幅
   のタブが形成されて該タブが前記開口を通りうる
   ようになつておりパネルのスロツト型開口への前
   記脚の貫通を容易にするようになつた特許請求の
   範囲第１項記載のクリツプ。 ３ 前記開口は前記第１上部脚部分に形成されて
   おり、前記タブは第２上部脚部分に形成されてい
   る特許請求の範囲第２項記載のクリツプ。 ４ 前記開口は前記第２上部脚部分に形成されて
   おり、前記タブは第１上部脚部分に形成されてい
   る特許請求の範囲第２項記載のクリツプ。 ５ クリツプはばね性鋼材料から作られている特
   許請求の範囲第２項記載のクリツプ。