JPH05222932A - 内燃機関の冷却制御装置 - Google Patents

内燃機関の冷却制御装置

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JPH05222932A
JPH05222932A JP2292892A JP2292892A JPH05222932A JP H05222932 A JPH05222932 A JP H05222932A JP 2292892 A JP2292892 A JP 2292892A JP 2292892 A JP2292892 A JP 2292892A JP H05222932 A JPH05222932 A JP H05222932A
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JP
Japan
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cooling water
temperature
intake air
engine
density
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JP2292892A
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Takao Tate
▲隆▼雄 館
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は内燃機関の冷却制御装置に関し、燃料
消費量の低減、および排気エミッションの向上を図るこ
とを目的とする。 【構成】ラジエータ12を通過した低温の冷却水を流す
冷却水通路15bと、ラジエータ12を通過させずに高
温の冷却水を流す冷却水通路20とに夫々接続し、低温
の冷却水と高温の冷却水をミキシングして冷却水ポンプ
13の吸入側に流す3方流量制御弁30を設ける。ま
た、吸入空気の密度を検出する圧力センサ42と吸気温
センサ44とを設ける。ECU50は圧力センサ42と
吸気温センサ44の信号から吸入空気の密度を演算し、
この密度が上昇するほどエンジン入口の冷却水温度を低
くするよう、また、密度が低下するほど冷却水温度を高
くするよう、3方流量制御弁30の弁開度をフィードバ
ック制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の冷却制御装置
に係り、特に冷却装置の冷却能力を制御して燃料消費量
および排気エミッションの向上を図るようにした内燃機
関の冷却制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関の冷却制御装置について
は、例えば特開昭57−168017号公報に開示され
たものがある。この公報に開示された冷却制御装置は、
吸気管圧力に代表される内燃機関(エンジン)負荷に応
じてラジエータの冷却水循環量、即ちエンジン入口にお
ける冷却水温度を制御することにより、低、中負荷域に
おけるエンジンの過冷却を防止して機関効率および排気
エミッションを向上させたものである。
【0003】このように、例えばサーモスタットバルブ
等によりエンジンの入口における冷却水温度を一定の値
に制御していた技術に対して、エンジン運転状態の各値
(エンジン回転数、負荷等)をパラメータとしてエンジ
ン入口における冷却水温度を変化させて制御する冷却制
御装置が従来において周知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般的にエンジンの吸
入空気における各種データ(湿度、温度、空気密度等)
の変化は、エンジンの出力、ノッキングの発生し易さ
等、主にエンジン出力に関するエンジン性能に影響を及
ぼすことが知られている。また、従来の冷却制御装置に
おいては、上記の如くエンジン回転数や負荷等をパラメ
ータとして冷却能力を制御しているものの、吸入空気の
上記各種データをパラメータとした冷却能力の制御を行
っていない。このため、吸入空気の上記各種データの変
化に応じて冷却能力を変化させる制御を行うことによ
り、エンジン出力の増大、これに伴う燃焼消費量の低
減、排気エミッションの向上等の効果が期待できるもの
の、これらの効果は従来の技術において不明確とされた
ままとなっている。
【0005】そこで本発明は上記課題に鑑みなされたも
ので、吸入空気の密度に応じて冷却能力を制御すること
により、燃料消費量の低減、および排気エミッションの
向上を図った内燃機関の冷却制御装置を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1は上記目的を達成す
る本発明の原理構成図である。同図に示すように本発明
は、内燃機関1の冷却系統2の冷却能力を変化せしめる
冷却能力調節手段3と、吸入空気の密度を検出する密度
センサ4と、前記密度センサ4の出力信号を入力して、
前記吸入空気の密度が高いほど前記冷却能力を高めるよ
うに前記冷却能力調節手段3を制御する冷却能力制御手
段5とを設けた構成である。
【0007】
【作用】一般に吸入空気の密度が高いほど、吸入空気中
の酸素濃度が増して燃焼温度が上昇し、これに伴って燃
焼室壁温が上昇するため、ノッキングが発生しやすくな
るということが知られている。従って、本発明におい
て、冷却能力制御手段5が、吸入空気の密度が高いほど
冷却能力を高めるように冷却能力調節手段3を制御する
ことにより、吸入空気の密度が高いほど燃焼室の壁温が
低下し、点火遅角を行うことなくノッキングを防止する
とこができる。このように、ノッキングが発生する状態
においても点火遅角が行われないため、点火遅角分の出
力が増大する。また、燃焼室の壁温が低下することによ
り最高燃焼温度が低下し、最高燃焼温度に応じてその発
生量が増減する窒素酸化物(NOx)の発生が抑制され
る。
【0008】また、反対に吸入空気の密度が低いほど、
上記とは反対の理由によりノッキングが発生しにくい。
従って、本発明において、吸入空気の密度が低いほど冷
却能力を低下させるように冷却能力調節手段3を制御す
ることにより、ノッキングが発生することなく燃焼室の
壁温が上昇し、これによるフリクションロスの低減、お
よび燃焼室内の燃焼エネルギが壁面に吸収されることに
よる出力の損失、所謂、冷却損失の低減により、その分
の出力が増大する。また、燃焼室の壁温が上昇し、燃焼
速度がアップすることによっても出力が増大する。
【0009】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図2は本発明が適用される内燃機関およびその周辺装置
の一実施例のシステム構成図を示す。
【0010】同図中、11は機関本体(単にエンジンと
も称する)、12はラジエータ、13はエンジンの出力
軸によって回転駆動される冷却水ポンプ、14は機関本
体11内に設けられ、シリンダブロックおよびシリンダ
ヘッドを冷却する冷却水の冷却水通路、15a、15b
は冷却水通路14とラジエータ12とを接続する冷却水
通路、16はスロットルボデー、17はアイドルスピー
ドコントロールバルブ(ISCV)、18はリヤウォー
タバイパスジョイント、19はウォータアウトレットハ
ウジング、20はリヤウォータバイパスジョイント18
からの冷却水をスロットルボデー16およびISCV1
7へ流す冷却水通路である。
【0011】また、30はISCV17を通過した後の
冷却水通路20と、ラジエータ12を通過した後の冷却
水通路15bとが夫々接続され、冷却水通路15b,2
0を夫々流れる冷却水をミキシングして冷却水ポンプ1
3の吸入側に流す、前記冷却能力調節手段3に該当する
3方流量制御弁である。冷却水通路20を流れる冷却水
は、機関本体11内の冷却水通路14を流れて加熱され
ているため比較的高い温度を有しており、冷却水通路1
5bを流れる冷却水はラジエータ12を通過しているた
め低い温度を有している。このため、3方流量制御弁3
0は、弁開度を調節して、冷却水通路20から冷却水ポ
ンプ13に流れる流量と、冷却水通路15bから冷却水
ポンプ13に流れる流量との割合を変えることにより、
エンジン入口における冷却水温度を変えることができ
る。
【0012】更に図2において、31はヒータ、32は
リヤウォータバイパスジョイント18からの冷却水の一
部をヒータ31を介して上記3方流量制御弁30と冷却
水ポンプ13との間の冷却水通路15bに流す冷却水通
路、33はヒータウォータバルブ、34はラジエータ1
2のリザーブタンク、35はリザーブタンク34への冷
却水通路、36はラジエータキャップである。
【0013】更に、41はエンジン入口部における冷却
水温度THWを検出する水温センサ、42は機関本体1
1の周囲の大気圧Pを検出する圧力センサ、43は吸入
空気量Qを検出するエアーフローメータ、44は吸入空
気の温度THA(=大気温度)を検出する吸気温セン
サ、45は吸入空気の湿度Huを検出する湿度センサ、
46はディストリビュータ(図示せず)に設けられ、エ
ンジン回転数Neに対応する信号を出力する回転角セン
サ、47はスロットルバルブの開度θthを検出するス
ロットルポジションセンサ、48はノッキングを検出す
ると共に点火時期を制御してノッキングの発生を防止す
るノックコントロールシステム(KCS)である。尚、
上記圧力センサ42はエンジン11の吸気管(図示せ
ず)の外部に設けられており、エンジン運転状態におい
ても常にエンジン11の周囲の大気圧を検出しうるもの
である。
【0014】また、エンジンコントロールユニット(E
CU)50はマイクロコンピュータからなり、一般的に
各種センサからの信号を入力して所定の演算、制御を行
うことにより、図示されていない燃料噴射弁、イグナイ
タおよびISCV17等の各種アクチュエータに対して
適当な信号を出力し、エンジンを所望の運転状態とする
制御が行われている。本実施例においては、後で詳述す
るが、上記各種センサ41〜48からの信号を入力して
演算および各種処理を行い、これによって上記3方流量
制御弁30を適当な開度とする制御が、上記各種アクチ
ュエータの制御に加えて行われている。
【0015】図3はECU50の具体的な構成要素を示
す。同図中、図2と同一構成部分には同一符号を付し、
その説明を省略する。同図中、中央処理ユニット(CP
U)51は、各センサから出力されるデータを制御プロ
グラムに従って入力、演算すると共に、燃料噴射弁、イ
グナイタ、ISCV17等の各種アクチュエータ、およ
び3方流量制御弁30を制御するための処理を行うよう
になっている。リードオンリメモリ(ROM)52は、
上記制御プログラム、点火時期演算マップ等のデータを
格納する記憶装置であり、ランダムアクセスメモリ(R
AM)53は、各センサから出力されるデータや演算制
御に必要なデータを一時的に読み書きする記憶装置であ
り、バックアップランダムアクセスメモリ(バックアッ
プRAM)54は、図示しないイグニッションスイッチ
がオフになっても機関駆動に必要なデータ等がバッテリ
ー電源によりバックアップされる記憶装置である。
【0016】また入力部55は圧力センサ42、エアー
フローメータ43等の各センサからの入力信号を図示し
ない波形整形回路により波形整形し、この信号を図示し
ないマルチプレクサによりCPU51に選択的に出力す
るようにしている。入力部55では、各センサからの出
力信号がアナログ信号であればこれをA/Dコンバータ
57によりデジタル信号に変換する。入出力部56は、
エンジン回転数Neの信号の基となる回転角センサ46
等からの入力信号を波形整形回路により波形整形し、こ
の信号を入力ポートを介してRAM53等に書き込む。
また入出力部56は、上記CPU51の指令により出力
ポートを介して駆動する駆動回路により、図示されてい
ない燃料噴射弁、イグナイタ、およびISCV17、3
方流量制御弁30等を所定のタイミングで所定量駆動す
る。バスライン58は、上記CPU51、ROM52等
の各素子および入力部55に接続されるA/Dコンバー
タ57、入出力部56を結び各種データを送るものであ
る。
【0017】ECU50は、上記の如く、燃料噴射弁、
イグナイタおよびISCV17等の各種アクチュエータ
を制御する他に、前記冷却能力調節手段3に該当する3
方流量制御弁30を適当な開度に制御する。即ち、EC
U50内のCPU51は、ROM52内に格納されたプ
ログラムに従い、以下に説明するフローチャートの処理
を実行し、前記した冷却能力制御手段5をソフトウェア
処理にて実現する。
【0018】次に、本発明装置の一実施例の要部を構成
する制御プログラムとして、冷却水温度制御ルーチンに
ついて説明する。
【0019】図4は上記の冷却水温度制御ルーチンのフ
ローチャートを示す。同図に示す冷却水温度制御ルーチ
ンは所定時間毎に割り込み起動される。ルーチンが起動
されると先ずステップ102において、CPU51の初
期化、および上記各種センサ41〜48からの入力デー
タを読み込む。次のステップ104ではエンジン回転数
Ne、負荷Q/Neをパラメータとした燃費が最も良好
となる冷却水温度THWを図5に示すマップから求め、
これを冷却水温度制御の目標値THW0 とする。即ち、
上記ステップ102における各種入力データのうち、回
転角センサ46の入力データからエンジン回転数Ne、
回転角センサ46およびエアーフローメータ43の入力
データからエンジン負荷Q/Neの値を算出し、これを
図5に示すマップに当てはめることにより、現在のエン
ジン運転状態において燃費が最良となる冷却水温度TH
0 が得られる。
【0020】ここで、図5に示すマップは、標準状態
(例えば、大気の密度γa0 =1.2kg/m3 、吸気
温度T0 =20℃、吸気湿度Hu0 =50%)におい
て、エンジン回転数Ne、負荷Q/Neをパラメータと
して燃費が最も良好となる冷却水温度を実験により求
め、これをプロットして作成されたものであり、ECU
50内のROM52に格納されている。同図に示すよう
に、燃費が最良となる冷却水温度は常に一定ではなく、
低回転、低負荷域ほど高く、高回転、高負荷域となるに
従って低くなる傾向を有する。また、同図の縦軸となる
エンジン負荷を表す値は、同図に示す如く吸入空気量Q
をエンジン回転数Neで割った値に限らず、ECU50
内で算出される燃料噴射量Qf、またはスロットルポジ
ションセンサ47により検出されるスロットルバルブ開
度θthであってもよい。
【0021】次のステップ106では、水温センサ41
によるエンジン入口部における現時点での冷却水温度T
HWs、およびKCS48による現在ノッキングが発生
しているか否かのノッキング信号を夫々読み込む。ま
た、続くステップ108では、圧力センサ42の出力信
号による現時点におけるエンジン11の周囲の大気圧
P、および吸気温センサ44の出力信号による現時点に
おける吸気温度THAを夫々読み込み、吸入空気の密度
(=エンジン11の周囲の大気の密度:以下、これを吸
気密度と称する)γaを演算して求め、この値を読み込
む。
【0022】ここで、一般に気体の密度は、理想気体の
状態方程式PV=RTより圧力と温度の関数であること
が分かる。従って、本実施例では、上記の如く圧力セン
サ42と吸気温センサ44の出力信号を入力して所定の
演算を行うことにより、上記吸気密度γaを求めること
ができる。このように、本実施例においては、圧力セン
サ42と吸気温センサ44とが前記した密度センサ4を
構成している。また、ステップ106,108において
読み込まれた冷却水温度THWs、ノッキング信号、大
気圧Pおよび吸気温度THA夫々は上記ステップ102
において一度読み込まれているが、このステップ10
6,108にて更新する。
【0023】次のステップ110では、図6に示される
吸気密度γaに対する補正値K2 のマップより、ステッ
プ108にて読み込まれた現時点での吸気密度γaに対
応する補正値K2 を求める。この補正値K2 とは、ステ
ップ104で求められた標準状態(吸気密度γa0
1.2kg/m3 )における冷却水温度の目標値THW
0 を、現時点の吸気密度の場合における目標値に補正す
るための補正値である。標準状態での目標値THW0
後述するようにこの補正値K2 により加算補正される。
このため、図6中、上記標準状態の吸気密度γa0 にお
ける補正値K2 は0とされている。尚、図6に示される
マップも図5に示すマップと同様に予め実験により求め
られたものである。
【0024】次のステップ112では上記ステップ10
8により読み込まれた現時点での吸気温度THAによ
り、上記ステップ110で算出された補正値K2 に所定
のガードを設ける。図7は吸気温度THAに対応する上
限ガードKmaxと下限ガードKminを表したマップ
である。吸気温センサ44から得られる吸気温度THA
により上下限ガードKmax,Kminが設定され、補
正値K2 が上下限ガードKmax,Kminを越える場
合には、K2 =Kmax或いはK2 =Kminとされ
る。従って、補正値K2 は、図7中、ハッチングで示さ
れる範囲内となるようにガードされる。図7に示す上下
限ガードKmax,Kminの基本的な考え方は、過補
正防止と、寒冷時における最低水温の確保と、酷暑時の
オーバーヒートの防止である。
【0025】次にステップ114では、次式により冷却
水温度制御の最終目標値THWfを算出する。
【0026】 THWf=THW0 +K2 ……(1) 次のステップ116では、上記ステップ106にて読み
込まれたノッキング信号により現時点においてノッキン
グが発生しているか否かの判定を行う。ノッキングが発
生していない場合にはステップ118に進み、上記ステ
ップ106にて読み込まれた現時点における冷却水温度
THWsと上記ステップ114にて算出された冷却水温
度の最終目標値THWfとを比較する。冷却水温度TH
Wsが目標値THWfを越えてしまっている場合にはス
テップ120に進み、ステップ120で3方流量制御弁
(単に制御弁ともいう)30を現時点の開度から更に開
方向に駆動せしめる。制御弁30が開方向に駆動される
と、即ち制御弁30の開度が増すと、図2中、高温側の
冷却水通路20よりも低温側の冷却水通路15bから冷
却水ポンプ13に流れる冷却水の割合が増加し、エンジ
ン入口における冷却水温度を低下せしめる。このため、
検出される冷却水温度THWsが最終目標値THWfに
近づく方向に制御される。
【0027】また、ステップ118にて、冷却水温度T
HWsが目標値THWf未満である場合にはステップ1
22に進み、制御弁30を現時点の開度から閉方向に駆
動せしめる。制御弁30が閉方向に駆動されると、即ち
制御弁30の開度が減ると、上記とは反対に低温側の冷
却水通路15bよりも高温側の冷却水通路20から冷却
水ポンプ13に流れる冷却水の割合が増加し、エンジン
入口における冷却水温度を上昇せしめる。従ってこの場
合にも、検出される冷却水温度THWsが最終目標値T
HWfに近づく方向に制御される。
【0028】ステップ120,122のいずれかの処理
が行われた後は、再び上記ステップ106に戻され、ス
テップ106以降の処理が繰り返し実行される。このよ
うに、上記ステップ118,120、122の処理を繰
り返し実行することにより、冷却水温度THWsが最終
目標値THWfと一致するように制御弁30のフィード
バック制御が行われる。
【0029】また、ステップ116においてノッキング
発生有りと判定された場合には、無条件でステップ12
0に進んで冷却水温度を低下せしめ、燃焼室壁面の温度
を低下させてノッキングの発生を防止する。このように
本実施例においては、燃焼室壁面の温度を低下させてノ
ッキングの発生を防止するため、上述したKCS48は
ノッキングが検出されている場合においても点火遅角を
実行しないように制御されている。
【0030】以上のように図4に示す冷却水温度制御ル
ーチンによれば、吸気密度γaが低いほど、図6に示す
マップから大きい値の補正値K2 が得られ、冷却水温度
THWsは、上式(1)により得られる高めの最終目標
値THWfにフィードバック制御される。よって、エン
ジン入口における冷却水温度が高くなり冷却能力が低下
する。また反対に、吸気密度γaが高いほど、小さい値
の補正値K2 (標準状態の吸気密度γa0 よりも高い場
合には、補正値K2 は負の値)により低めの最終目標値
THWfにフィードバック制御される。よって、エンジ
ン入口における冷却水温度が低くなり冷却能力が高ま
る。従って、図4に示す冷却水温度制御ルーチンによ
り、前記冷却能力制御手段5が実現される。
【0031】次に本実施例における効果について説明す
る。
【0032】同一大気条件で密度のみ上昇すると、吸入
空気中の酸素濃度が増加し、これに対応して燃料噴射量
も増加する。このため、燃焼時の燃焼温度が上昇し、燃
焼室の壁面の温度も上昇する。従って、吸入空気の密度
が上昇すると一般的にノッキングが発生しやすくなる。
【0033】そこで本実施例では、上記の如く吸気密度
γaが高いほど冷却能力が高まるように構成されている
ため、吸気密度γaが高い場合には、燃焼室の壁面の温
度が低下し、ノッキングが発生しにくくなる。即ち、本
実施例によれば、吸気密度γaが高い場合でも点火遅角
を行うことなくノッキングの発生を防止することができ
る。このように、本実施例ではノッキングが発生するよ
うな状態においても点火遅角を行わないため、従来に比
べて点火遅角分の出力が増大する。また、この出力の増
大により従来に比べて少ない燃料量で同じ出力を発生さ
せることができるため、燃料消費量を低減することがで
きる。また、一般に吸気密度γaが高いほど最高燃焼温
度も上昇するため、最高燃焼温度に応じてその発生量が
増減するNOxの発生量が増大する。しかしながら本実
施例では、上記の如く燃焼室壁面の温度を低下させるこ
とにより最高燃焼温度を低下させることができるため、
NOxの発生が従来に比べて抑制され、排気エミッショ
ンを向上させることができる。
【0034】また反対に吸入空気の密度が低下すると、
上記とは反対に吸入空気中の酸素濃度が低下し、これに
対応して燃料噴射量も低下する。このため、燃焼時の燃
焼温度が低下し、燃焼室の壁面の温度も低下するため、
ノッキングが発生しにくくなる。従って、吸入空気の密
度が低いほど、ノッキングを発生させることなく燃焼室
壁面の温度を上昇させることができる。
【0035】そして本実施例では、上記の如く吸気密度
γaが低いほど冷却能力が低下するように構成されてい
るため、吸気密度γaが低下すると実際に燃焼室の壁面
の温度が上昇する。このため、潤滑油の粘性低下により
フリクションロスが低減し、また燃焼室内の燃焼エネル
ギが壁面に吸収される冷却損失が低減することにより、
エンジンの出力が増大する。また、燃焼室壁面の温度が
上昇するとこにより燃焼速度が速まり、これによっても
出力が増大する。そして、上述した出力の増大により、
上記と同様に燃料消費量を低減することができる。
【0036】以上のように本実施例によれば、エンジン
運転状態に応じて燃費が最良となる冷却水温度THW0
に、エンジン入口の冷却水温度が基本的に制御されるた
め、従来に比べて燃料消費量が低減する。そして、更に
吸気密度γaが上昇するほどエンジン入口の冷却水温度
を低くして冷却能力を高め、また、吸気密度γaが低下
するほどエンジン入口の冷却水温度を高くして冷却能力
を低下させるように、エンジン入口の冷却水温度が制御
されるため、上記の如く従来に比べてエンジンの出力を
増大させることができ、これによって更に燃料消費量を
低減させることができる。また、高密度の条件下におい
ては、排気エミッションを向上させることができる。
【0037】尚、上記実施例においては、前記冷却能力
調節手段3として3方流量制御弁30を設け、低温の冷
却水と高温の冷却水とを適当にミキシングすることによ
りエンジン入口における冷却水温度を変えて冷却能力を
変化させていた。しかしながら、本発明は上記実施例の
構成に限定されるものではなく、前記冷却能力調節手段
3の一例として以下に示す他の方法も考えられる。例え
ば、ラジエータファンの回転数を調節する方法、ラ
ジエータにおける冷却水の通過面積を変化させる方法、
ラジエータにおける冷却空気の通過面積を変化させる
方法、冷却水ポンプの回転数を調節する方法等の各方
法によりエンジン入口における冷却水温度を変化させる
構成であってもよい。そして、前記冷却能力調節手段3
として、上記〜の構成を設けた実施例においても、
上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0038】また、上記実施例では大気圧を測定する圧
力センサ42を独自に設けているが、イグニッションを
オンとしてからエンジンがクランキングするまでの間の
吸気管圧力、或いは、スロットルバルブ全開時の吸気管
圧力が大気圧とほぼ同じ圧力となることから、吸気管内
の圧力を検出する圧力センサを例えば燃料噴射制御用に
設けている構成のエンジンにおいては、上記吸気管圧力
をを記憶してこれをエンジンの周囲の大気圧として代用
しても上記実施例と同様の結果を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、ノッキン
グが発生しやすい吸入空気の密度が高い状態において
は、燃焼室の壁温が低下して点火遅角を行うことなくノ
ッキングが防止されるため、点火遅角分の内燃機関の出
力を増大させることができ、また、ノッキングが発生し
にくい吸入空気の密度が低い状態においては、燃焼室の
壁温が上昇してフリクションロスの低減、冷却損失の低
減、および燃焼速度の向上が図られるため、内燃機関の
出力を増大させることができる。そしてこれらの出力増
大により燃料消費量を低減させることができる。また、
吸入空気の密度が高い状態においては、燃焼室の壁温が
低下してNOxの排出量が抑制されるため、排気エミッ
ションの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明が適用される内燃機関およびその周辺装
置の一実施例のシステム構成図である。
【図3】図2中のエンジンコントロールユニット(EC
U)の具体的な構成要素を示す図である。
【図4】本発明装置の一実施例の要部を構成する冷却水
温度制御ルーチンのフローチャートである。
【図5】エンジン回転数および負荷をパラメータとして
燃費が最良となる冷却水温度を求めるマップを表す図で
ある。
【図6】吸入空気の密度γaに対する補正値K2 のマッ
プを表す図である。
【図7】吸気温度THAに対応する上限ガードKmax
と下限ガードKminのマップを表した図である。
【符号の説明】
1 内燃機関 2 冷却系統 3 冷却能力調節手段 4 密度センサ 5 冷却能力制御手段 11 機関本体 12 ラジエータ 13 冷却水ポンプ 14,15a,15b,20,32,35 冷却水通路 30 3方流量制御弁 41 水温センサ 42 圧力センサ 44 吸気温センサ 48 ノックコントロールシステム(KCS) 50 エンジンコントロールユニット(ECU) 51 中央処理ユニット(CPU)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の冷却系統の冷却能力を変化せ
    しめる冷却能力調節手段と、 吸入空気の密度を検出する密度センサと、 前記密度センサの出力信号を入力して、前記吸入空気の
    密度が高いほど前記冷却能力を高めるように前記冷却能
    力調節手段を制御する冷却能力制御手段とを設けたこと
    を特徴とする内燃機関の冷却制御装置。
JP2292892A 1992-02-07 1992-02-07 内燃機関の冷却制御装置 Pending JPH05222932A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0712999A1 (en) 1994-11-21 1996-05-22 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Engine cooling apparatus
US6433201B2 (en) 2000-02-14 2002-08-13 Nisshin Flour Milling Co., Ltd. Process for separating and purifying eicosapentaenoic acid or its ester
CN104813003A (zh) * 2012-12-13 2015-07-29 宝马股份公司 用于内燃机的冷却剂循环系统

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EP0712999A1 (en) 1994-11-21 1996-05-22 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Engine cooling apparatus
US6433201B2 (en) 2000-02-14 2002-08-13 Nisshin Flour Milling Co., Ltd. Process for separating and purifying eicosapentaenoic acid or its ester
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