JPH05222528A - セラミックス回転カソードターゲット及びその製造方法 - Google Patents
セラミックス回転カソードターゲット及びその製造方法Info
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- JPH05222528A JPH05222528A JP31288392A JP31288392A JPH05222528A JP H05222528 A JPH05222528 A JP H05222528A JP 31288392 A JP31288392 A JP 31288392A JP 31288392 A JP31288392 A JP 31288392A JP H05222528 A JPH05222528 A JP H05222528A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】Zr,Ti,Ta,Hf,Mo,W,Nb,S
n,La,In,Crのうち少なくとも1種(以下金属
Mという)と、Siとを主成分とし、金属Mの総量とS
iとを原子比で4:96〜35:65の割合で有するセ
ラミックス粉末を減圧非酸化雰囲気下で円筒状ターゲッ
トホルダー上にプラズマ溶射する。 【効果】低屈折率で高耐久性酸化物透明薄膜を高速でス
パッタできる回転カソードターゲットを提供できる。
n,La,In,Crのうち少なくとも1種(以下金属
Mという)と、Siとを主成分とし、金属Mの総量とS
iとを原子比で4:96〜35:65の割合で有するセ
ラミックス粉末を減圧非酸化雰囲気下で円筒状ターゲッ
トホルダー上にプラズマ溶射する。 【効果】低屈折率で高耐久性酸化物透明薄膜を高速でス
パッタできる回転カソードターゲットを提供できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックス膜、特に低
屈折率を有する酸化物透明薄膜をスパッタリングにより
形成する際に用いるセラミックス回転カソードターゲッ
ト及びその製造方法に関するものである。
屈折率を有する酸化物透明薄膜をスパッタリングにより
形成する際に用いるセラミックス回転カソードターゲッ
ト及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からガラス、プラスチック等の透明
基板に薄膜を形成して光学的機能を付加したものとして
ミラー、熱線反射ガラス、低放射ガラス、干渉フィルタ
ー、カメラレンズやメガネレンズの反射防止コート等が
ある。通常のミラーでは無電解メッキ法でAgが、ま
た、真空蒸着法、スパッタリング法などでAlやCrな
どが形成される。これらの中でCr膜は比較的丈夫なの
でコート面が露出した表面鏡として一部用いられてい
る。
基板に薄膜を形成して光学的機能を付加したものとして
ミラー、熱線反射ガラス、低放射ガラス、干渉フィルタ
ー、カメラレンズやメガネレンズの反射防止コート等が
ある。通常のミラーでは無電解メッキ法でAgが、ま
た、真空蒸着法、スパッタリング法などでAlやCrな
どが形成される。これらの中でCr膜は比較的丈夫なの
でコート面が露出した表面鏡として一部用いられてい
る。
【0003】熱線反射ガラスは酸化チタンや酸化スズ等
がスプレー法、CVD法あるいは浸漬法等で形成されて
きた。最近では金属膜、窒化膜、スズをドープした酸化
インジウム(ITO)等がスパッタリング法でガラス表
面に形成されたものが熱線反射ガラスとして使われるよ
うになってきた。スパッタリング法は膜厚コントロール
が容易で、かつ複数の膜を連続して形成でき、透明酸化
膜と組合せて透過率、反射率、色調などを設計すること
が可能である。このため意匠性を重視する建築などに需
要が伸びている。
がスプレー法、CVD法あるいは浸漬法等で形成されて
きた。最近では金属膜、窒化膜、スズをドープした酸化
インジウム(ITO)等がスパッタリング法でガラス表
面に形成されたものが熱線反射ガラスとして使われるよ
うになってきた。スパッタリング法は膜厚コントロール
が容易で、かつ複数の膜を連続して形成でき、透明酸化
膜と組合せて透過率、反射率、色調などを設計すること
が可能である。このため意匠性を重視する建築などに需
要が伸びている。
【0004】室内の暖房機や壁からの輻射熱を室内側に
反射する低放射ガラス(Low Emissivityガラス)は銀を
酸化亜鉛で挟んだZnO/Ag/ZnOの3層系又はZ
nO/Ag/ZnO/Ag/ZnOの5層系(特開昭6
3−239043参照)などの構成をもち、複層ガラス
か合せガラスの形で使われる。近年ヨーロッパの寒冷地
での普及が目ざましい。レンズ等の反射防止コートは酸
化チタン、酸化ジルコニウム等の高屈折率膜と酸化ケイ
素、フッ化マグネシウム等の低屈折率膜を交互に積層す
る。通常は真空蒸着法が用いられ、成膜時は基板加熱し
て耐擦傷性の向上を計っている。
反射する低放射ガラス(Low Emissivityガラス)は銀を
酸化亜鉛で挟んだZnO/Ag/ZnOの3層系又はZ
nO/Ag/ZnO/Ag/ZnOの5層系(特開昭6
3−239043参照)などの構成をもち、複層ガラス
か合せガラスの形で使われる。近年ヨーロッパの寒冷地
での普及が目ざましい。レンズ等の反射防止コートは酸
化チタン、酸化ジルコニウム等の高屈折率膜と酸化ケイ
素、フッ化マグネシウム等の低屈折率膜を交互に積層す
る。通常は真空蒸着法が用いられ、成膜時は基板加熱し
て耐擦傷性の向上を計っている。
【0005】表面鏡や単板の熱線反射ガラス及びレンズ
等の反射防止コートなどはコートされた膜が空気中に露
出した状態で使用される。このため化学的な安定性や耐
摩耗性に優れていなければならない。一方低反射ガラス
でも複層ガラス又は合せガラスになる前の運搬や取り扱
い時の傷などにより不良品が発生する。このため安定で
耐摩耗性に優れた保護膜あるいは保護膜を兼ねた光学薄
膜が望まれている。
等の反射防止コートなどはコートされた膜が空気中に露
出した状態で使用される。このため化学的な安定性や耐
摩耗性に優れていなければならない。一方低反射ガラス
でも複層ガラス又は合せガラスになる前の運搬や取り扱
い時の傷などにより不良品が発生する。このため安定で
耐摩耗性に優れた保護膜あるいは保護膜を兼ねた光学薄
膜が望まれている。
【0006】耐久性向上のためには通常化学的に安定で
透明な酸化物膜が空気側に設けられる。これらの酸化膜
としては酸化チタン、酸化スズ、酸化タンタル、酸化ジ
ルコニウム、酸化ケイ素等があり、また、低屈折率を有
する代表的な膜としてフッ化マグネシウム等があり、必
要な性能に応じて選択され使用されてきた。酸化チタ
ン、酸化スズ、酸化タンタル、酸化ジルコニウムは屈折
率が高く、一方酸化ケイ素、フッ化マグネシウムは屈折
率が低い。
透明な酸化物膜が空気側に設けられる。これらの酸化膜
としては酸化チタン、酸化スズ、酸化タンタル、酸化ジ
ルコニウム、酸化ケイ素等があり、また、低屈折率を有
する代表的な膜としてフッ化マグネシウム等があり、必
要な性能に応じて選択され使用されてきた。酸化チタ
ン、酸化スズ、酸化タンタル、酸化ジルコニウムは屈折
率が高く、一方酸化ケイ素、フッ化マグネシウムは屈折
率が低い。
【0007】しかし、これらの膜は大面積の基板への成
膜は困難であり、建築用ガラスや自動車用ガラス等の大
面積の成膜が必要なところには対応できなかった。とい
うのは大面積の成膜には直流スパッタリング法が最適で
あるが、低屈折率を有する透明薄膜を提供する適当なタ
ーゲット材がなく、大面積成膜の可能な直流スパッタリ
ング法を用いて所望の薄膜を得ることができなかった。
膜は困難であり、建築用ガラスや自動車用ガラス等の大
面積の成膜が必要なところには対応できなかった。とい
うのは大面積の成膜には直流スパッタリング法が最適で
あるが、低屈折率を有する透明薄膜を提供する適当なタ
ーゲット材がなく、大面積成膜の可能な直流スパッタリ
ング法を用いて所望の薄膜を得ることができなかった。
【0008】例えば酸化ケイ素薄膜を直流スパッタリン
グ法で成膜するには導電性を有するSiターゲットを酸
素を含む雰囲気で反応スパッタして二酸化ケイ素薄膜を
形成する方法が考えられるが、Siターゲットはスパッ
タ中に表面が酸化して導電性が低下し、スパッタを安定
的に持続させることができなかった。また、成膜された
二酸化ケイ素薄膜はアルカリ性に対して弱く、長時間の
浸漬には耐えない。そこで本出願人は特開平3−177
568にて高い耐久性をもち、低屈折率で広い光学設計
の自由度を併せもつ非晶質酸化物薄膜及びターゲットを
提案した。
グ法で成膜するには導電性を有するSiターゲットを酸
素を含む雰囲気で反応スパッタして二酸化ケイ素薄膜を
形成する方法が考えられるが、Siターゲットはスパッ
タ中に表面が酸化して導電性が低下し、スパッタを安定
的に持続させることができなかった。また、成膜された
二酸化ケイ素薄膜はアルカリ性に対して弱く、長時間の
浸漬には耐えない。そこで本出願人は特開平3−177
568にて高い耐久性をもち、低屈折率で広い光学設計
の自由度を併せもつ非晶質酸化物薄膜及びターゲットを
提案した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一方、スパッタ用プレ
ーナ型ターゲットは、無機化合物の原料を混合し成形、
焼成及びスパッタ装置に合った形状にするための加工及
びボンディングと長い工程を通って作成される。このな
かで成形、焼成、加工、ボンディング等の工程はターゲ
ットが小さい場合には大がかりな治具装置は必要でない
が、大型の生産機用ターゲットでは上記治具装置は大が
かりとなり、またボンディングにおいてもセラミックス
ターゲットをターゲットホルダー金属板に接合する場合
分割して加工接合する等して作製されているが、大がか
りな装置、高価なInハンダを大量に使用する等、労
力、コストがかかる。
ーナ型ターゲットは、無機化合物の原料を混合し成形、
焼成及びスパッタ装置に合った形状にするための加工及
びボンディングと長い工程を通って作成される。このな
かで成形、焼成、加工、ボンディング等の工程はターゲ
ットが小さい場合には大がかりな治具装置は必要でない
が、大型の生産機用ターゲットでは上記治具装置は大が
かりとなり、またボンディングにおいてもセラミックス
ターゲットをターゲットホルダー金属板に接合する場合
分割して加工接合する等して作製されているが、大がか
りな装置、高価なInハンダを大量に使用する等、労
力、コストがかかる。
【0010】さらに建築用の大面積ガラスのスパッタに
おいては、生産性を上げるため高いスパッタパワーをか
け成膜速度を上げているが、この場合ターゲットの冷却
が成膜速度を制限しており、ターゲットの割れ、剥離等
のトラブルが起きている。
おいては、生産性を上げるため高いスパッタパワーをか
け成膜速度を上げているが、この場合ターゲットの冷却
が成膜速度を制限しており、ターゲットの割れ、剥離等
のトラブルが起きている。
【0011】これらの点を改良した新しいタイプのマグ
ネトロン型回転カソードターゲットが知られている(特
表昭58−500174)。これは、円筒状ターゲット
の内側に磁場発生手段を設置し、ターゲットの内側から
冷却しつつ、ターゲットを回転させながらスパッタを行
うものであるため、プレーナ型ターゲットより、単位面
積あたり大きなパワーを投入でき、したがって高速成膜
が可能とされている。かかるターゲットはほとんどがス
パッタすべき金属や合金からなる円筒状の回転カソード
であり、スパッタすべき物質が、柔らかく、又は脆い金
属や合金の場合は円筒状のターゲットホルダー上に製作
されている。
ネトロン型回転カソードターゲットが知られている(特
表昭58−500174)。これは、円筒状ターゲット
の内側に磁場発生手段を設置し、ターゲットの内側から
冷却しつつ、ターゲットを回転させながらスパッタを行
うものであるため、プレーナ型ターゲットより、単位面
積あたり大きなパワーを投入でき、したがって高速成膜
が可能とされている。かかるターゲットはほとんどがス
パッタすべき金属や合金からなる円筒状の回転カソード
であり、スパッタすべき物質が、柔らかく、又は脆い金
属や合金の場合は円筒状のターゲットホルダー上に製作
されている。
【0012】しかし金属ターゲットの場合各種のスパッ
タ雰囲気で酸化物、窒化物、炭化物等の多層膜のコート
が可能であるが異種雰囲気によりコート膜が損傷し、目
的の組成のものが得られず、また低融点金属ターゲット
ではパワーをかけすぎると溶融してしまう等の欠点があ
り、セラミックスのターゲットが望まれる。
タ雰囲気で酸化物、窒化物、炭化物等の多層膜のコート
が可能であるが異種雰囲気によりコート膜が損傷し、目
的の組成のものが得られず、また低融点金属ターゲット
ではパワーをかけすぎると溶融してしまう等の欠点があ
り、セラミックスのターゲットが望まれる。
【0013】特開昭60−181270に溶射によるス
パッタターゲットの製法が提案されているが、セラミッ
クスと金属の熱膨張の差が大きくて溶射膜を厚くでき
ず、また使用時の熱ショックにより密着性が低下し剥離
する等の問題がある。また、セラミックス焼結体を円筒
状に製作してターゲットホルダー金属にIn金属にて接
合する方法もあるが、作りにくくコストもかかる。
パッタターゲットの製法が提案されているが、セラミッ
クスと金属の熱膨張の差が大きくて溶射膜を厚くでき
ず、また使用時の熱ショックにより密着性が低下し剥離
する等の問題がある。また、セラミックス焼結体を円筒
状に製作してターゲットホルダー金属にIn金属にて接
合する方法もあるが、作りにくくコストもかかる。
【0014】本出願人は、特願平3−242557にて
円筒状ターゲットホルダーの外表面を荒し、その上に後
で形成するセラミックス層の熱膨張係数と前記ターゲッ
トホルダーの熱膨張係数との中間の熱膨張係数を有する
金属又は合金からなる層をアンダーコートとして形成
し、次いで、セラミックス粉末を高温ガス中で半溶融状
態にしつつこのガスにより前記アンダーコート上に輸送
して付着させ、スパッタすべきターゲットとなるセラミ
ックス層を形成することを特徴とするセラミックス回転
カソードターゲットの製造方法を提案した。
円筒状ターゲットホルダーの外表面を荒し、その上に後
で形成するセラミックス層の熱膨張係数と前記ターゲッ
トホルダーの熱膨張係数との中間の熱膨張係数を有する
金属又は合金からなる層をアンダーコートとして形成
し、次いで、セラミックス粉末を高温ガス中で半溶融状
態にしつつこのガスにより前記アンダーコート上に輸送
して付着させ、スパッタすべきターゲットとなるセラミ
ックス層を形成することを特徴とするセラミックス回転
カソードターゲットの製造方法を提案した。
【0015】しかし、前記セラミックス層とターゲット
ホルダーとの熱膨張係数の差が大きい場合では、プラズ
マ溶射やスパッタ時にセラミックス被覆に亀裂が入る等
の問題や前記セラミックス層の化学組成が大気中のプラ
ズマ溶射のため、酸化等により変化する問題があった。
ホルダーとの熱膨張係数の差が大きい場合では、プラズ
マ溶射やスパッタ時にセラミックス被覆に亀裂が入る等
の問題や前記セラミックス層の化学組成が大気中のプラ
ズマ溶射のため、酸化等により変化する問題があった。
【0016】本発明は、上記の目的に鑑み鋭意研究の結
果、ターゲットホルダーとセラミックス層の密着性を更
に向上し、またセラミックス層の化学組成の変化のない
均質で安定にスパッタできるセラミックス回転カソード
ターゲットの製造方法を提案するものである。
果、ターゲットホルダーとセラミックス層の密着性を更
に向上し、またセラミックス層の化学組成の変化のない
均質で安定にスパッタできるセラミックス回転カソード
ターゲットの製造方法を提案するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決すべくなされたものであり、円筒状ターゲットホル
ダーの外表面を荒し、その上に、後で形成するセラミッ
クス層の熱膨張係数と前記ターゲットホルダーの熱膨張
係数との中間の熱膨張係数を有する金属又は合金からな
る層と、前記セラミックス層の熱膨張係数に近似した熱
膨張係数を有する金属又は合金からなる層のうち少なく
とも1層をアンダーコートとして形成し、次いで、セラ
ミックス粉末を減圧非酸化雰囲気下での高温ガス中で半
溶融状態にしつつこのガスにより前記アンダーコート上
に輸送して付着させ、スパッタすべきターゲットとなる
セラミックス層を形成するセラミックス回転カソードタ
ーゲットの製造方法であって、前記セラミックス粉末
は、Zr,Ti,Ta,Hf,Mo,W,Nb,Sn,
La,In,Crのうち少なくとも1種(以下金属Mと
いう)と、Siとを主成分とし、金属Mの総量とSiと
を原子比で4:96〜35:65の割合で有する粉末で
あることを特徴とするセラミックス回転カソードターゲ
ットの製造方法を提供するものである。
解決すべくなされたものであり、円筒状ターゲットホル
ダーの外表面を荒し、その上に、後で形成するセラミッ
クス層の熱膨張係数と前記ターゲットホルダーの熱膨張
係数との中間の熱膨張係数を有する金属又は合金からな
る層と、前記セラミックス層の熱膨張係数に近似した熱
膨張係数を有する金属又は合金からなる層のうち少なく
とも1層をアンダーコートとして形成し、次いで、セラ
ミックス粉末を減圧非酸化雰囲気下での高温ガス中で半
溶融状態にしつつこのガスにより前記アンダーコート上
に輸送して付着させ、スパッタすべきターゲットとなる
セラミックス層を形成するセラミックス回転カソードタ
ーゲットの製造方法であって、前記セラミックス粉末
は、Zr,Ti,Ta,Hf,Mo,W,Nb,Sn,
La,In,Crのうち少なくとも1種(以下金属Mと
いう)と、Siとを主成分とし、金属Mの総量とSiと
を原子比で4:96〜35:65の割合で有する粉末で
あることを特徴とするセラミックス回転カソードターゲ
ットの製造方法を提供するものである。
【0018】また、本発明は、円筒状ターゲットホルダ
ーの外表面上に、スパッタすべきターゲットとなるセラ
ミックス層が形成され、前記セラミックス層の熱膨張係
数と前記ターゲットホルダーの熱膨張係数との中間の熱
膨張係数を有する金属又は合金からなる層と、前記セラ
ミックス層の熱膨張係数に近似した熱膨張係数を有する
金属又は合金からなる層のうち少なくとも1層が、前記
セラミックス層と前記ターゲットホルダーとの間にアン
ダーコートとして形成されてなるセラミックス回転カソ
ードターゲットであって、前記セラミックス層は、Z
r,Ti,Ta,Hf,Mo,W,Nb,Sn,La,
In,Crのうち少なくとも1種(以下金属Mという)
と、Siとを主成分とし、金属Mの総量とSiとを原子
比で4:96〜35:65の割合で有することを特徴と
するセラミックス回転カソードターゲットをも提供する
ものである。
ーの外表面上に、スパッタすべきターゲットとなるセラ
ミックス層が形成され、前記セラミックス層の熱膨張係
数と前記ターゲットホルダーの熱膨張係数との中間の熱
膨張係数を有する金属又は合金からなる層と、前記セラ
ミックス層の熱膨張係数に近似した熱膨張係数を有する
金属又は合金からなる層のうち少なくとも1層が、前記
セラミックス層と前記ターゲットホルダーとの間にアン
ダーコートとして形成されてなるセラミックス回転カソ
ードターゲットであって、前記セラミックス層は、Z
r,Ti,Ta,Hf,Mo,W,Nb,Sn,La,
In,Crのうち少なくとも1種(以下金属Mという)
と、Siとを主成分とし、金属Mの総量とSiとを原子
比で4:96〜35:65の割合で有することを特徴と
するセラミックス回転カソードターゲットをも提供する
ものである。
【0019】本発明の方法は、基本的にセラミックス粉
末を例えば減圧非酸化雰囲気下でのプラズマ溶射装置を
用いて半溶融状態にし、ターゲットホルダーに溶射付着
せしめ、直接ターゲットとなるセラミックス層を形成す
るものである。これによって金型に粉末を詰めてプレス
成形する工程、それを電気炉中で焼結する工程、又はホ
ットプレスにより焼結する工程、適当な形状に加工修正
する工程、セラミックスとホルダーを接合する工程等を
必要としない。ただ溶射粉末を得るまでの工程で、特に
容易に入手できない複雑な化合物の場合、化学的合成あ
るいは固相反応を利用して作製する。この粉末を粉砕分
級して溶射に適当な流動しやすい粒径に揃えることで利
用できる。
末を例えば減圧非酸化雰囲気下でのプラズマ溶射装置を
用いて半溶融状態にし、ターゲットホルダーに溶射付着
せしめ、直接ターゲットとなるセラミックス層を形成す
るものである。これによって金型に粉末を詰めてプレス
成形する工程、それを電気炉中で焼結する工程、又はホ
ットプレスにより焼結する工程、適当な形状に加工修正
する工程、セラミックスとホルダーを接合する工程等を
必要としない。ただ溶射粉末を得るまでの工程で、特に
容易に入手できない複雑な化合物の場合、化学的合成あ
るいは固相反応を利用して作製する。この粉末を粉砕分
級して溶射に適当な流動しやすい粒径に揃えることで利
用できる。
【0020】本発明において、セラミックス層は、Z
r,Ti,Ta,Hf,Mo,W,Nb,Sn,La,
In,Crのうち少なくとも1種(以下金属Mという)
と、Siとを主成分とし、金属Mの総量とSiとを原子
比で4:96〜35:65の割合で有するものである。
特に、4:96〜15:85とすることが成膜した薄膜
の屈折率が1.6以下と非常に低い理由から好ましい。
Zr等の金属Mの含有量がSiとの総量中において4原
子%より少ないと、酸化雰囲気中では、ターゲットの表
面酸化により安定的にスパッタすることが困難であり、
また、成膜した薄膜(例えばZrとSiの酸化物膜)の
耐アルカリ性は悪い。Zr等の金属Mの含有量が、Si
との総量中において35原子%より多いと成膜した薄膜
の屈折率が高くなるので好ましくない。
r,Ti,Ta,Hf,Mo,W,Nb,Sn,La,
In,Crのうち少なくとも1種(以下金属Mという)
と、Siとを主成分とし、金属Mの総量とSiとを原子
比で4:96〜35:65の割合で有するものである。
特に、4:96〜15:85とすることが成膜した薄膜
の屈折率が1.6以下と非常に低い理由から好ましい。
Zr等の金属Mの含有量がSiとの総量中において4原
子%より少ないと、酸化雰囲気中では、ターゲットの表
面酸化により安定的にスパッタすることが困難であり、
また、成膜した薄膜(例えばZrとSiの酸化物膜)の
耐アルカリ性は悪い。Zr等の金属Mの含有量が、Si
との総量中において35原子%より多いと成膜した薄膜
の屈折率が高くなるので好ましくない。
【0021】本発明で用いるセラミックス粉末は例えば
次の方法で作製することができる。すなわち、Zr等の
金属M,Si,ZrSi2 ,ZrO2 (Y2 O3 ,Ca
O,MgO等を3〜8モル%添加した安定化あるいは部
分安定化ZrO2 を含む),SiO2 等の粉末あるいは
混合粉末、及び非酸化物のターゲットを形成する場合に
は、必要に応じて、酸化物を還元するためのカーボン粉
末を混合したものを化学的合成あるいは固相反応を利用
した高温非酸化雰囲気炉中で焼成することにより塊状の
単一系あるいは複合系の粉末が得られる。
次の方法で作製することができる。すなわち、Zr等の
金属M,Si,ZrSi2 ,ZrO2 (Y2 O3 ,Ca
O,MgO等を3〜8モル%添加した安定化あるいは部
分安定化ZrO2 を含む),SiO2 等の粉末あるいは
混合粉末、及び非酸化物のターゲットを形成する場合に
は、必要に応じて、酸化物を還元するためのカーボン粉
末を混合したものを化学的合成あるいは固相反応を利用
した高温非酸化雰囲気炉中で焼成することにより塊状の
単一系あるいは複合系の粉末が得られる。
【0022】この粉末を粉砕し10〜75μm程度の粒
径に分級して、溶射するセラミックス粉末を得るのが好
ましい。75μmより大きいと高温ガス中で半溶融状態
にしにくく、また、10μmより小さいと溶射時にこの
粉末が供給しにくく、また、ガス中で分散してしまう等
ターゲットホルダー上に付着しにくくなる。
径に分級して、溶射するセラミックス粉末を得るのが好
ましい。75μmより大きいと高温ガス中で半溶融状態
にしにくく、また、10μmより小さいと溶射時にこの
粉末が供給しにくく、また、ガス中で分散してしまう等
ターゲットホルダー上に付着しにくくなる。
【0023】なお、前述のセラミックス粉末にFe,A
l,Mg,Y,Mn,Hを総計3重量%以下含んでいて
もよく、Cは成膜中にCO2 となって消えてしまうので
Cを20重量%以下含んでいてもよい。さらに不純物程
度のCu,V,Co,Rh,Ir等を含んでいてもよ
い。
l,Mg,Y,Mn,Hを総計3重量%以下含んでいて
もよく、Cは成膜中にCO2 となって消えてしまうので
Cを20重量%以下含んでいてもよい。さらに不純物程
度のCu,V,Co,Rh,Ir等を含んでいてもよ
い。
【0024】円筒状ターゲットホルダーとしては、ステ
ンレスや、銅、あるいはセラミックス層の熱膨張係数に
近似した熱膨張係数を有するTi,Moなどが使用で
き、セラミックス粉末の溶射に先だって、密着性向上の
ため、その外表面をAl2 O3やSiCの砥粒を用いて
サンドブラストする等により、荒しておくことが必要で
ある。あるいはまた、セラミックス粉末の溶射に先だっ
て、その外表面をV溝状やネジ状に加工した後、Al2
O3 やSiCの砥粒を用いてサンドブラストして密着性
がよくなるように荒しておくことも好ましい。
ンレスや、銅、あるいはセラミックス層の熱膨張係数に
近似した熱膨張係数を有するTi,Moなどが使用で
き、セラミックス粉末の溶射に先だって、密着性向上の
ため、その外表面をAl2 O3やSiCの砥粒を用いて
サンドブラストする等により、荒しておくことが必要で
ある。あるいはまた、セラミックス粉末の溶射に先だっ
て、その外表面をV溝状やネジ状に加工した後、Al2
O3 やSiCの砥粒を用いてサンドブラストして密着性
がよくなるように荒しておくことも好ましい。
【0025】外表面を荒面加工した円筒状ターゲットホ
ルダーには、セラミックス層とターゲットホルダーとの
熱膨張差を緩和し、またスパッタ時の熱ショックによる
剥離にも耐えるよう密着力を高めるために、アンダーコ
ートを形成しておくのが好ましい。かかるアンダーコー
トとしては、ターゲットホルダーの熱膨張係数とターゲ
ット材料の熱膨張係数との中間の熱膨張係数を有する金
属又は合金からなる層(以下、A層という)及びターゲ
ット材料に近い熱膨張係数を有する金属又は合金からな
る層(以下、B層という)のうち少なくとも1層、その
粉末をプラズマ溶射して形成するのが好ましい。特に両
方の層を形成し、ターゲットホルダー/A層/B層/タ
ーゲット材料という構成とするのが最適である。
ルダーには、セラミックス層とターゲットホルダーとの
熱膨張差を緩和し、またスパッタ時の熱ショックによる
剥離にも耐えるよう密着力を高めるために、アンダーコ
ートを形成しておくのが好ましい。かかるアンダーコー
トとしては、ターゲットホルダーの熱膨張係数とターゲ
ット材料の熱膨張係数との中間の熱膨張係数を有する金
属又は合金からなる層(以下、A層という)及びターゲ
ット材料に近い熱膨張係数を有する金属又は合金からな
る層(以下、B層という)のうち少なくとも1層、その
粉末をプラズマ溶射して形成するのが好ましい。特に両
方の層を形成し、ターゲットホルダー/A層/B層/タ
ーゲット材料という構成とするのが最適である。
【0026】アンドーコートがB層だけであっても、金
属や合金は弾性が高く、脆さが小さいので、ターゲット
材料のターゲットホルダーへの密着力を高めることがで
きる。B層の熱膨張係数は、セラミックス層の熱膨張係
数±2×10-6/℃の範囲内の値であることが好まし
い。
属や合金は弾性が高く、脆さが小さいので、ターゲット
材料のターゲットホルダーへの密着力を高めることがで
きる。B層の熱膨張係数は、セラミックス層の熱膨張係
数±2×10-6/℃の範囲内の値であることが好まし
い。
【0027】アンダーコートの材料としては、Mo,T
i,Ni,Nb,Ta,W,Ni−Al,Ni−Cr,
Ni−Cr−Al,Ni−Cr−Al−Y,Ni−Co
−Cr−Al−Y等の導電性の粉末を用いることができ
る。アンダーコートの膜厚はそれぞれ30〜100μm
程度が好ましい。
i,Ni,Nb,Ta,W,Ni−Al,Ni−Cr,
Ni−Cr−Al,Ni−Cr−Al−Y,Ni−Co
−Cr−Al−Y等の導電性の粉末を用いることができ
る。アンダーコートの膜厚はそれぞれ30〜100μm
程度が好ましい。
【0028】具体的には、アンダーコートの材料は、セ
ラミックス層の熱膨張係数に応じて変わってくる(ター
ゲットホルダーに使用可能な、CuやSUS304等の
熱膨張係数は、17〜18×10-6/℃である。)。
ラミックス層の熱膨張係数に応じて変わってくる(ター
ゲットホルダーに使用可能な、CuやSUS304等の
熱膨張係数は、17〜18×10-6/℃である。)。
【0029】例えば、セラミックス層が、Hf−Si
系、Cr−Si系、Sn−Si系、Zr−Si系(Z
r:Si(原子比)=33:67よりZrが少ない場
合)等(熱膨張係数5〜6×10-6/℃)の場合は、ア
ンダーコートA層の好ましい熱膨張係数は12〜15×
10-6/℃であり、その材料としては、Ni,Ni−A
l,Ni−Cr,Ni- Cr−Al,Ni−Cr−Al
−Y,Ni−Co−Cr−Al−Y等が挙げられる。ま
た、アンダーコートB層の好ましい熱膨張係数は5〜8
×10-6/℃であり、その材料としては、Mo,W,T
a,Nb等が挙げられる。
系、Cr−Si系、Sn−Si系、Zr−Si系(Z
r:Si(原子比)=33:67よりZrが少ない場
合)等(熱膨張係数5〜6×10-6/℃)の場合は、ア
ンダーコートA層の好ましい熱膨張係数は12〜15×
10-6/℃であり、その材料としては、Ni,Ni−A
l,Ni−Cr,Ni- Cr−Al,Ni−Cr−Al
−Y,Ni−Co−Cr−Al−Y等が挙げられる。ま
た、アンダーコートB層の好ましい熱膨張係数は5〜8
×10-6/℃であり、その材料としては、Mo,W,T
a,Nb等が挙げられる。
【0030】また、セラミックス層が、Ta−Si系、
Ti−Si系(Ti:Si(原子比)=33:67より
Tiが少ない場合)、Zr−Si系(Zr:Si( 原子
比)=33:67又はこれよりZrが多い場合、ZrS
i2 を含む)等(熱膨張係数8〜9×10-6/℃)の場
合は、アンダーコートA層の好ましい熱膨張係数は12
〜15×10-6/℃であり、その材料としては、Ni,
Ni−Al,Ni−Cr,Ni−Cr−Al,Ni−C
r−Al−Y,Ni−Co−Cr−Al−Y等が挙げら
れる。また、アンダーコートB層の好ましい熱膨張係数
は8〜10×10-6/℃であり、その材料としては、T
i,Nb等が挙げられる。
Ti−Si系(Ti:Si(原子比)=33:67より
Tiが少ない場合)、Zr−Si系(Zr:Si( 原子
比)=33:67又はこれよりZrが多い場合、ZrS
i2 を含む)等(熱膨張係数8〜9×10-6/℃)の場
合は、アンダーコートA層の好ましい熱膨張係数は12
〜15×10-6/℃であり、その材料としては、Ni,
Ni−Al,Ni−Cr,Ni−Cr−Al,Ni−C
r−Al−Y,Ni−Co−Cr−Al−Y等が挙げら
れる。また、アンダーコートB層の好ましい熱膨張係数
は8〜10×10-6/℃であり、その材料としては、T
i,Nb等が挙げられる。
【0031】さらに、セラミックス層が、Ti−Si系
(Ti:Si(原子比)=33:67又はこれよりTi
が多い場合、TiSi2 を含む)等(熱膨張係数10〜
13×10-6/℃)の場合は、アンダーコートの好まし
い熱膨張係数は10〜13×10-6/℃であり、その材
料としては、Ni,Ni−Al,Ni−Cr,Ni−C
r−Al,Ni−Cr−Al−Y,Ni−Co−Cr−
Al−Y等が挙げられる。このようにセラミックス層と
ターゲットホルダーの熱膨張係数の差が小さい場合に
は、アンダーコートは1層でもよい。また、かかるアン
ダーコートの材料のなかでも、組成比を変えて、ターゲ
ットホルダーに近い熱膨張係数の層と、セラミックス層
に近い熱膨張係数の層の2層を設けてもよい。
(Ti:Si(原子比)=33:67又はこれよりTi
が多い場合、TiSi2 を含む)等(熱膨張係数10〜
13×10-6/℃)の場合は、アンダーコートの好まし
い熱膨張係数は10〜13×10-6/℃であり、その材
料としては、Ni,Ni−Al,Ni−Cr,Ni−C
r−Al,Ni−Cr−Al−Y,Ni−Co−Cr−
Al−Y等が挙げられる。このようにセラミックス層と
ターゲットホルダーの熱膨張係数の差が小さい場合に
は、アンダーコートは1層でもよい。また、かかるアン
ダーコートの材料のなかでも、組成比を変えて、ターゲ
ットホルダーに近い熱膨張係数の層と、セラミックス層
に近い熱膨張係数の層の2層を設けてもよい。
【0032】その上に前述のセラミックス粉末を減圧
(Ar,He,N2 等の)非酸化雰囲気下での高温ガス
中で半溶融状態にしつつこのガスにより上記アンダーコ
ート上に輸送して付着させ、スパッタすべきターゲット
となるセラミックス層を形成する。特に、これは減圧非
酸化雰囲気下での高温ガスプラズマ中で行う減圧プラズ
マ溶射法により形成するのが好ましい。上記アンダーコ
ートを挿入したことにより2〜5mm以上の膜厚の安定
な密着性の高いセラミックス層を形成することができ
る。また、前述のアンダーコートを形成する際も、減圧
非酸化雰囲気下での高温プラズマ中での高温プラズマ溶
射法により形成するのが好ましい。
(Ar,He,N2 等の)非酸化雰囲気下での高温ガス
中で半溶融状態にしつつこのガスにより上記アンダーコ
ート上に輸送して付着させ、スパッタすべきターゲット
となるセラミックス層を形成する。特に、これは減圧非
酸化雰囲気下での高温ガスプラズマ中で行う減圧プラズ
マ溶射法により形成するのが好ましい。上記アンダーコ
ートを挿入したことにより2〜5mm以上の膜厚の安定
な密着性の高いセラミックス層を形成することができ
る。また、前述のアンダーコートを形成する際も、減圧
非酸化雰囲気下での高温プラズマ中での高温プラズマ溶
射法により形成するのが好ましい。
【0033】セラミックス粉末を減圧非酸化雰囲気下で
の高温ガス中で、半溶融状態にしつつアンダーコート上
に付着させてセラミックス層を形成する場合には、セラ
ミックス層形成中のセラミックス粉末の酸化が少なく、
化学組成の変動もなく均質なセラミックス層を形成でき
る。
の高温ガス中で、半溶融状態にしつつアンダーコート上
に付着させてセラミックス層を形成する場合には、セラ
ミックス層形成中のセラミックス粉末の酸化が少なく、
化学組成の変動もなく均質なセラミックス層を形成でき
る。
【0034】このようにして作製した回転カソードター
ゲットはターゲット物質の酸化もなく化学組成の変動も
なく均質であり、ターゲット物質からターゲットホルダ
ー、さらにはカソード電極への熱伝導もよく、また強固
にターゲットホルダーに密着しているので成膜速度を上
げるための高いスパッタパワーをかけた場合でも冷却が
十分行われ、急激な熱ショックによるターゲットの剥
離、割れもなく、単位面積当りに大きな電力を投入する
ことが可能である。
ゲットはターゲット物質の酸化もなく化学組成の変動も
なく均質であり、ターゲット物質からターゲットホルダ
ー、さらにはカソード電極への熱伝導もよく、また強固
にターゲットホルダーに密着しているので成膜速度を上
げるための高いスパッタパワーをかけた場合でも冷却が
十分行われ、急激な熱ショックによるターゲットの剥
離、割れもなく、単位面積当りに大きな電力を投入する
ことが可能である。
【0035】また、ターゲットの侵食ゾーンが全面にな
るため、ターゲットの利用効率もプレーナ型と比べ高い
という利点がある。また、ターゲットの侵食部分が薄く
なってもターゲット物質が減少した部分に同じ物質の溶
射粉末を同様の方法で溶射することにより元の状態に再
生することもできる。さらにターゲットの厚みに場所に
よる分布をもたせることも容易に可能であり、それによ
ってターゲット表面での磁界の強さや温度の分布をもた
せて生成する薄膜の厚み分布をコントロールすることも
できる。
るため、ターゲットの利用効率もプレーナ型と比べ高い
という利点がある。また、ターゲットの侵食部分が薄く
なってもターゲット物質が減少した部分に同じ物質の溶
射粉末を同様の方法で溶射することにより元の状態に再
生することもできる。さらにターゲットの厚みに場所に
よる分布をもたせることも容易に可能であり、それによ
ってターゲット表面での磁界の強さや温度の分布をもた
せて生成する薄膜の厚み分布をコントロールすることも
できる。
【0036】また、本発明の方法を従来のプレーナ型タ
ーゲットに用いればターゲットとターゲットホルダーと
のボンディングも不用で均質で密着性の高いターゲット
が容易に製造でき更に侵食部分の再生も可能である。
ーゲットに用いればターゲットとターゲットホルダーと
のボンディングも不用で均質で密着性の高いターゲット
が容易に製造でき更に侵食部分の再生も可能である。
【0037】本発明のセラミックス回転カソードターゲ
ットを用いてArとO2 の混合雰囲気中で通常の1×1
0-3〜1×10-2Torr程度の真空中でスパッタする
と、Zr,Ti,Ta,Hf,Mo,W,Nb,Sn,
La,In,Crのうち少なくとも1種と、Siとを含
む酸化物からなる低屈折率膜を均一に高速にて成膜する
ことができる。
ットを用いてArとO2 の混合雰囲気中で通常の1×1
0-3〜1×10-2Torr程度の真空中でスパッタする
と、Zr,Ti,Ta,Hf,Mo,W,Nb,Sn,
La,In,Crのうち少なくとも1種と、Siとを含
む酸化物からなる低屈折率膜を均一に高速にて成膜する
ことができる。
【0038】本発明のターゲットは導電性があり、しか
もスパッタ中にターゲットの表面酸化が少ないため、直
流(DC)スパッタ法を用いて成膜でき、大面積にわた
り均一な膜を高速で成膜できる。これは、ターゲット中
のZr,Ti,Ta,Hf,Mo,W,Nb,La,I
n,Cr等は大部分ケイ素化合物として,また、Snは
Si−Sn合金として存在し、Siに比べ酸素に対する
活性が小さいため酸化されにくく、ターゲットの表面酸
化による導電性の低下を抑制するように働くからと考え
られる。
もスパッタ中にターゲットの表面酸化が少ないため、直
流(DC)スパッタ法を用いて成膜でき、大面積にわた
り均一な膜を高速で成膜できる。これは、ターゲット中
のZr,Ti,Ta,Hf,Mo,W,Nb,La,I
n,Cr等は大部分ケイ素化合物として,また、Snは
Si−Sn合金として存在し、Siに比べ酸素に対する
活性が小さいため酸化されにくく、ターゲットの表面酸
化による導電性の低下を抑制するように働くからと考え
られる。
【0039】本発明のセラミックス回転カソードターゲ
ットは、マグネトロンスパッタにてDC,RFの両者の
スパッタリング装置に用いることが可能であり、高速成
膜、ターゲット使用効率も大であり、安定して成膜でき
る。
ットは、マグネトロンスパッタにてDC,RFの両者の
スパッタリング装置に用いることが可能であり、高速成
膜、ターゲット使用効率も大であり、安定して成膜でき
る。
【0040】
[実施例1]本実施例では、低屈折率で優れた耐久性を
有する酸化物膜が安定して高速成膜できるSi−Zrセ
ラミックス回転カソードターゲットの製法を説明する。
まず、溶射用セラミックス粉末原料としてZrO2 ,S
iO2 及びカーボンの混合物を、非酸化雰囲気中で、高
温で反応させて塊状の焼結物を得た。この塊状粉末を粉
砕分級して99.5%純度の75〜20μm粒径のSi
−Zr(Si:Zr=9:1(原子比))粉末を得た。
有する酸化物膜が安定して高速成膜できるSi−Zrセ
ラミックス回転カソードターゲットの製法を説明する。
まず、溶射用セラミックス粉末原料としてZrO2 ,S
iO2 及びカーボンの混合物を、非酸化雰囲気中で、高
温で反応させて塊状の焼結物を得た。この塊状粉末を粉
砕分級して99.5%純度の75〜20μm粒径のSi
−Zr(Si:Zr=9:1(原子比))粉末を得た。
【0041】内径50.5mm×外径67.5mm×長
さ406mmの銅製円筒状ターゲットホルダーを旋盤に
取付け、その外表面側をネジ状に加工しさらにAl2 O
3 砥粒を用いてサンドブラストにより表面を荒し粗面の
状態にした。次にアンダーコートとして、Ni−Al
(配合重量比8:2)の合金粉末を減圧プラズマ溶射
し、膜厚50μmの被覆を施した。さらに、その上にS
i−Zr(Si:Zr=9:1(原子比))のセラミッ
クス層に近似した熱膨張係数のMo金属粉末を減圧プラ
ズマ溶射により膜厚50μmの被覆を得た。
さ406mmの銅製円筒状ターゲットホルダーを旋盤に
取付け、その外表面側をネジ状に加工しさらにAl2 O
3 砥粒を用いてサンドブラストにより表面を荒し粗面の
状態にした。次にアンダーコートとして、Ni−Al
(配合重量比8:2)の合金粉末を減圧プラズマ溶射
し、膜厚50μmの被覆を施した。さらに、その上にS
i−Zr(Si:Zr=9:1(原子比))のセラミッ
クス層に近似した熱膨張係数のMo金属粉末を減圧プラ
ズマ溶射により膜厚50μmの被覆を得た。
【0042】この減圧プラズマ溶射は、プラズマ溶射機
を真空チャンバー内で50〜300Torrの減圧にし
て、このチャンバー内にArガスを導入した非酸化雰囲
気下で溶射を行うもので、Arガスをプラズマガスに用
い、毎分42.5リットルの流量で700A・35kV
のパワーを印加して行い、10000〜20000℃の
Arガスプラズマにより、Ni−Al(配合重量比8:
2)の合金粉末やMo金属粉末を瞬間的に加熱し、ガス
と共にターゲットホルダーに輸送し、そこで凝集させて
行った。ターゲットホルダーを旋盤にて回転させながら
プラズマ溶射ガンを左右に動かす操作を何度も繰返して
アンダーコートを形成した。
を真空チャンバー内で50〜300Torrの減圧にし
て、このチャンバー内にArガスを導入した非酸化雰囲
気下で溶射を行うもので、Arガスをプラズマガスに用
い、毎分42.5リットルの流量で700A・35kV
のパワーを印加して行い、10000〜20000℃の
Arガスプラズマにより、Ni−Al(配合重量比8:
2)の合金粉末やMo金属粉末を瞬間的に加熱し、ガス
と共にターゲットホルダーに輸送し、そこで凝集させて
行った。ターゲットホルダーを旋盤にて回転させながら
プラズマ溶射ガンを左右に動かす操作を何度も繰返して
アンダーコートを形成した。
【0043】次に、上述のSi−Zr粉末を用いて、同
様のプラズマ溶射法によって最終厚み3mmのSi−Z
r(Si:Zr=9:1(原子比))を被覆した回転カ
ソードターゲットを得た。このセラミックスターゲット
層の相対密度は98.3%で酸素含有量は0.21重量
%であった。
様のプラズマ溶射法によって最終厚み3mmのSi−Z
r(Si:Zr=9:1(原子比))を被覆した回転カ
ソードターゲットを得た。このセラミックスターゲット
層の相対密度は98.3%で酸素含有量は0.21重量
%であった。
【0044】このようにして得られたSi−Zr製回転
カソードターゲットをマグネトロンスパッタ装置に装填
しガラス基板上にSiZrx Oy 膜(Si:Zr:O=
9:1:20(原子比))を形成した。形成条件はAr
+O2 の混合雰囲気中で1×10-3〜1×10-2Tor
r程度の真空中でスパッタし、1000Åの低屈折率透
明酸化物膜を得た。この低屈折率透明酸化物膜の化学組
成Si:Zr原子比はターゲットの化学組成比と同一で
あった。
カソードターゲットをマグネトロンスパッタ装置に装填
しガラス基板上にSiZrx Oy 膜(Si:Zr:O=
9:1:20(原子比))を形成した。形成条件はAr
+O2 の混合雰囲気中で1×10-3〜1×10-2Tor
r程度の真空中でスパッタし、1000Åの低屈折率透
明酸化物膜を得た。この低屈折率透明酸化物膜の化学組
成Si:Zr原子比はターゲットの化学組成比と同一で
あった。
【0045】上記ターゲットは従来の窯業的手法により
セラミックスを作りそれをターゲットホルダーにはりつ
けたプレーナ型ターゲットと比較し熱ショックによる破
損に対し強固であった。上記の従来法ではスパッタ電力
が1.2kW程度でクラックが入り一部剥離を起すが、
本発明の回転カソードでは4kWでも何らクラックは認
められず、アーキングも発生せず安定して成膜でき、従
来の方法で25Å/secの成膜速度が約4倍の100
Å/secの高速成膜速度が得られた。得られた酸化物
膜の屈折率は1.49で低屈折率であり、膜の耐アルカ
リ性も優れていた。
セラミックスを作りそれをターゲットホルダーにはりつ
けたプレーナ型ターゲットと比較し熱ショックによる破
損に対し強固であった。上記の従来法ではスパッタ電力
が1.2kW程度でクラックが入り一部剥離を起すが、
本発明の回転カソードでは4kWでも何らクラックは認
められず、アーキングも発生せず安定して成膜でき、従
来の方法で25Å/secの成膜速度が約4倍の100
Å/secの高速成膜速度が得られた。得られた酸化物
膜の屈折率は1.49で低屈折率であり、膜の耐アルカ
リ性も優れていた。
【0046】[実施例2〜8]実施例1と同様にして、
ターゲットの構成物質やその割合を変えて各種のターゲ
ットを作成し、それを用いて実施例1と同様にしてスパ
ッタにより成膜を行った。ただし、実施例2及び実施例
6については、Mo金属粉末のかわりにTi金属粉末を
用い、Ni−Al(50μm)/Ti(50μm)の2
層のアンダーコートとした。また、実施例5については
Ni−Al(100μm)の1層のアンダーコートとし
た。実施例3、4、7、8については実施例1と全く同
じアンダーコートとした。以上、いずれもアンダーコー
トの形成方法は実施例1と同じとした。
ターゲットの構成物質やその割合を変えて各種のターゲ
ットを作成し、それを用いて実施例1と同様にしてスパ
ッタにより成膜を行った。ただし、実施例2及び実施例
6については、Mo金属粉末のかわりにTi金属粉末を
用い、Ni−Al(50μm)/Ti(50μm)の2
層のアンダーコートとした。また、実施例5については
Ni−Al(100μm)の1層のアンダーコートとし
た。実施例3、4、7、8については実施例1と全く同
じアンダーコートとした。以上、いずれもアンダーコー
トの形成方法は実施例1と同じとした。
【0047】[比較例1]ターゲットとなるセラミック
ス層をSi粉末を用いて形成した以外は実施例1と同様
な方法で回転カソードを作成した。同様なスパッタ条件
で成膜したがアーキングの発生が激しく、安定して成膜
できなかった。
ス層をSi粉末を用いて形成した以外は実施例1と同様
な方法で回転カソードを作成した。同様なスパッタ条件
で成膜したがアーキングの発生が激しく、安定して成膜
できなかった。
【0048】[比較例2]実施例1と同様のSi−Zr
(Si:Zr=9:1(原子比))粉末を用い、大気中
でのプラズマ溶射により、ターゲットとなるセラミック
ス層を被覆したこと以外は実施例1と同様にして回転カ
ソードターゲットを得た。このセラミックスターゲット
層の相対密度は89%で酸素含有量は3.1重量%であ
った。
(Si:Zr=9:1(原子比))粉末を用い、大気中
でのプラズマ溶射により、ターゲットとなるセラミック
ス層を被覆したこと以外は実施例1と同様にして回転カ
ソードターゲットを得た。このセラミックスターゲット
層の相対密度は89%で酸素含有量は3.1重量%であ
った。
【0049】このターゲットを用いて実施例1と同様に
スパッタにより成膜を行った。スパッタ中においては、
使用初期のアーキングが激しく約40分のプレスパッタ
が必要となり、4kWの高速成膜では小さなアーキング
は起こるものの従来の4倍の成膜速度が得られた。スパ
ッタ中のターゲットセラミックス層の亀裂や剥離は認め
られなかったもののターゲット表面にはところどころに
細かいアーキングスポットが形成されていた。
スパッタにより成膜を行った。スパッタ中においては、
使用初期のアーキングが激しく約40分のプレスパッタ
が必要となり、4kWの高速成膜では小さなアーキング
は起こるものの従来の4倍の成膜速度が得られた。スパ
ッタ中のターゲットセラミックス層の亀裂や剥離は認め
られなかったもののターゲット表面にはところどころに
細かいアーキングスポットが形成されていた。
【0050】[比較例3]実施例1と同じSi−Zr
(Si:Zr=9:1(原子比))の組成の粉末をホッ
トプレスして焼結体を形成し、Inを用いてプレーナ型
のバッキングプレートに接合し、プレーナ型のターゲッ
トを作成した。これを用いてスパッタを行ったところ、
ターゲットが割れたり、一部剥離したりして、安定して
成膜できなかった。
(Si:Zr=9:1(原子比))の組成の粉末をホッ
トプレスして焼結体を形成し、Inを用いてプレーナ型
のバッキングプレートに接合し、プレーナ型のターゲッ
トを作成した。これを用いてスパッタを行ったところ、
ターゲットが割れたり、一部剥離したりして、安定して
成膜できなかった。
【0051】実施例1〜8、比較例1〜3の比較を表1
に示す。表1中に示した膜の耐アルカリ性は0.1N
NaOH中に室温で240時間浸漬した結果、浸漬前に
対する膜厚の変化率が10%以内のものを○、膜が溶解
してしまったものを×とした。
に示す。表1中に示した膜の耐アルカリ性は0.1N
NaOH中に室温で240時間浸漬した結果、浸漬前に
対する膜厚の変化率が10%以内のものを○、膜が溶解
してしまったものを×とした。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ターゲットを減
圧非酸化雰囲気下でのプラズマ溶射法を用いて作成する
ので、従来のセラミックス製造設備を必要とせず、また
加工接合工程なしに容易に低コストで短時間に作成で
き、多くの無機質材料に対して適用することができる。
圧非酸化雰囲気下でのプラズマ溶射法を用いて作成する
ので、従来のセラミックス製造設備を必要とせず、また
加工接合工程なしに容易に低コストで短時間に作成で
き、多くの無機質材料に対して適用することができる。
【0054】特にセラミックス化が困難な高融点物質や
高融点金属は粉末状の方が廉価であり、また、プラズマ
溶射時に酸化しやすい金属や2成分系以上の化合物をタ
ーゲットにする場合、化学組成の変化もなく均質なター
ゲットとすることができ、特に効果的である。また、本
発明の方法を従来のプレーナ型ターゲットに用いればタ
ーゲットとターゲットとのボンディングも不用であり容
易にターゲットが製造でき、また侵食部分の再生も可能
である。
高融点金属は粉末状の方が廉価であり、また、プラズマ
溶射時に酸化しやすい金属や2成分系以上の化合物をタ
ーゲットにする場合、化学組成の変化もなく均質なター
ゲットとすることができ、特に効果的である。また、本
発明の方法を従来のプレーナ型ターゲットに用いればタ
ーゲットとターゲットとのボンディングも不用であり容
易にターゲットが製造でき、また侵食部分の再生も可能
である。
【0055】本発明の回転カソードターゲットを用いれ
ば、スパッタ時の冷却効率も高く、スパッタパワーを高
くしてもターゲットの亀裂や破損がないため、低温で安
定して高速成膜が可能となり、建築用や自動車用の大面
積ガラスの生産性が著しく向上しターゲット使用効率も
高くなるなど工業的価値は多大である。
ば、スパッタ時の冷却効率も高く、スパッタパワーを高
くしてもターゲットの亀裂や破損がないため、低温で安
定して高速成膜が可能となり、建築用や自動車用の大面
積ガラスの生産性が著しく向上しターゲット使用効率も
高くなるなど工業的価値は多大である。
【0056】本発明の回転カソードを用いることによ
り、低屈折率で耐アルカリ性に優れた透明薄膜を大面積
にわたり高速で安定的に提供できる。また高屈折率の酸
化物透明薄膜との組合せにより薄膜の光学設計を容易に
することができる。
り、低屈折率で耐アルカリ性に優れた透明薄膜を大面積
にわたり高速で安定的に提供できる。また高屈折率の酸
化物透明薄膜との組合せにより薄膜の光学設計を容易に
することができる。
【0057】また本発明により得られる低屈折率膜は化
学的安定性を有するので各種物品のオーバーコートとし
て用いることができる。例えば建築用や自動車用等の熱
線反射ガラス、バーコードリーダーの読取り部の保護板
等や反射防止膜、眼鏡レンズ等の最外層に最適であり、
また機械要素の用途も広く摺動部材のコート材にも使用
できる。
学的安定性を有するので各種物品のオーバーコートとし
て用いることができる。例えば建築用や自動車用等の熱
線反射ガラス、バーコードリーダーの読取り部の保護板
等や反射防止膜、眼鏡レンズ等の最外層に最適であり、
また機械要素の用途も広く摺動部材のコート材にも使用
できる。
Claims (5)
- 【請求項1】円筒状ターゲットホルダーの外表面を荒
し、その上に、後で形成するセラミックス層の熱膨張係
数と前記ターゲットホルダーの熱膨張係数との中間の熱
膨張係数を有する金属又は合金からなる層と、前記セラ
ミックス層の熱膨張係数に近似した熱膨張係数を有する
金属又は合金からなる層のうち少なくとも1層をアンダ
ーコートとして形成し、次いで、セラミックス粉末を減
圧非酸化雰囲気下での高温ガス中で半溶融状態にしつつ
このガスにより前記アンダーコート上に輸送して付着さ
せ、スパッタすべきターゲットとなるセラミックス層を
形成するセラミックス回転カソードターゲットの製造方
法であって、前記セラミックス粉末は、Zr,Ti,T
a,Hf,Mo,W,Nb,Sn,La,In,Crの
うち少なくとも1種(以下金属Mという)と、Siとを
主成分とし、金属Mの総量とSiとを原子比で4:96
〜35:65の割合で有する粉末であることを特徴とす
るセラミックス回転カソードターゲットの製造方法。 - 【請求項2】セラミックス粉末を減圧非酸化雰囲気下で
のプラズマ溶射法によりターゲットホルダーに付着させ
てセラミックス層を形成する請求項1のセラミックス回
転カソードターゲットの製造方法。 - 【請求項3】アンダーコートを減圧非酸化雰囲気下での
プラズマ溶射法により形成する請求項1又は2のセラミ
ックス回転カソードターゲットの製造方法。 - 【請求項4】円筒状ターゲットホルダーの外表面上に、
スパッタすべきターゲットとなるセラミックス層が形成
され、前記セラミックス層の熱膨張係数と前記ターゲッ
トホルダーの熱膨張係数との中間の熱膨張係数を有する
金属又は合金からなる層と、前記セラミックス層の熱膨
張係数に近似した熱膨張係数を有する金属又は合金から
なる層のうち少なくとも1層が、前記セラミックス層と
前記ターゲットホルダーとの間にアンダーコートとして
形成されてなるセラミックス回転カソードターゲットで
あって、前記セラミックス層は、Zr,Ti,Ta,H
f,Mo,W,Nb,Sn,La,In,Crのうち少
なくとも1種(以下金属Mという)と、Siとを主成分
とし、金属Mの総量とSiとを原子比で4:96〜3
5:65の割合で有することを特徴とするセラミックス
回転カソードターゲット。 - 【請求項5】請求項4のセラミックス回転カソードター
ゲットをスパッタすることにより低屈折率膜を形成する
ことを特徴とするスパッタによる成膜法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31288392A JPH05222528A (ja) | 1991-12-18 | 1992-10-28 | セラミックス回転カソードターゲット及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35383091 | 1991-12-18 | ||
JP3-353830 | 1991-12-18 | ||
JP31288392A JPH05222528A (ja) | 1991-12-18 | 1992-10-28 | セラミックス回転カソードターゲット及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05222528A true JPH05222528A (ja) | 1993-08-31 |
Family
ID=26567362
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31288392A Pending JPH05222528A (ja) | 1991-12-18 | 1992-10-28 | セラミックス回転カソードターゲット及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05222528A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1992
- 1992-10-28 JP JP31288392A patent/JPH05222528A/ja active Pending
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