JP3129383B2 - 酸化物被覆炭化珪素材とその製法 - Google Patents

酸化物被覆炭化珪素材とその製法

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JP3129383B2
JP3129383B2 JP07017923A JP1792395A JP3129383B2 JP 3129383 B2 JP3129383 B2 JP 3129383B2 JP 07017923 A JP07017923 A JP 07017923A JP 1792395 A JP1792395 A JP 1792395A JP 3129383 B2 JP3129383 B2 JP 3129383B2
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lanthanoid
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立男 森本
謙 小椋
雅之 近藤
啓 納富
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は宇宙往還機、次世代超音
速旅客機の機体構造、エンジン部品やガスタービンなど
の耐熱構造材として有利に適用されるランタノイド系希
土類元素酸化物含有被膜被覆炭化珪素材及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素素材の耐酸化性向上を狙いとし
て、炭化珪素素材の表面に耐酸化性の優れた各種の金属
酸化物層を被覆した炭化珪素素材が提案されている。し
かし、炭化珪素は、それ自体の酸化によって形成される
二酸化珪素の被膜を除いて、他の金属酸化物の被覆とは
密着性が乏しいため十分な耐酸化性を得ることができな
い。
【0003】このため、炭化珪素素材と耐酸化性の優れ
た金属酸化物を密着させるため、両者の間に中間層を設
けて密着性を向上させる方法が提案されている(特開平
3−221444号公報、特願平4−202230号な
ど参照)。しかしながら、上記中間層を設ける方法には
いくつかの問題が認められた。特開平3−221444
号公報で提案されている中間層は、金属酸化物と金属炭
化物から構成されたもので、高温環境下で両者は反応生
成物を形成してしまうので耐久性に問題がある。また、
特願平4−202230号で提案されている方法は、こ
れまでにランタノイド系希土類元素(ただし、イットリ
ウムを含む)の酸化物と炭化珪素の組合せまたはランタ
ノイド系希土類元素(ただし、イットリウムを含む)と
珪素との複合酸化物と炭化珪素の組合せについて具体的
に適用していない。加えて、実際にこれらの組合せにつ
いて適用した場合、中間層の組成によっては長期間大気
中に放置することで酸化などのため粉塵化してしまうた
め非常に短時間のうちに接合を行わなければならないと
いう不具合が生じる恐れがあった。また、上記の先願明
細書に開示されているトリウム、ハフニウム等の金属で
は、金属酸化物の熱膨張係数が炭化珪素のそれと相違す
るため、加熱時の熱応力が大きく、密着性が不充分であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記技術水準
に鑑み、炭化珪素素材と耐酸化性に優れた金属酸化物、
すなわちランタノイド系希土類元素(但し、イットリウ
ムを含む)の酸化物とが強固に密着したランタノイド系
希土類元素酸化物含有被膜被覆炭化珪素材及びその製造
法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は (1)ランタノイド系希土類元素(但し、イットリウム
を含む)の酸化物と炭化珪素との反応生成物またはラン
タノイド系希土類元素(但し、イットリウムを含む)と
珪素との複合酸化物と炭化珪素との反応生成物からなる
シリサイドに表面が覆われた炭化珪素素材であるランタ
ノイドシリサイド被覆炭化珪素材の表面に、ランタノイ
ド系希土類元素(但しイットリウムを含む)の酸化物ま
たはランタノイド系希土類元素(但し、イットリウムを
含む)と珪素との複合酸化物を被覆してなることを特徴
とするランタノイド系希土類元素酸化物含有被膜被覆炭
化珪素材、 (2)シリサイドの組成がランタノイド系希土類元素
(但し、イットリウムを含む)と珪素が主成分で残りを
炭素が最大で30原子%、酸素が最大で5原子%まで占
めるものであることを特徴とする前記(1)のランタノ
イド系希土類元素酸化物含有被膜被覆炭化珪素材、 (3)炭化珪素素材が表面を炭化珪素で覆われた炭素材
であることを特徴とする前記(1)または(2)のラン
タノイド系希土類元素酸化物含有被膜被覆炭化珪素材、 (4)炭素材がカーボン/カーボンコンポジットである
ことを特徴とする前記(3)のランタノイド系希土類元
素酸化物含有被膜被覆炭化珪素材、 (5)ランタノイド系希土類元素(但し、イットリウム
を含む)の酸化物と炭化珪素との反応生成物またはラン
タノイド系希土類元素(但し、イットリウムを含む)と
珪素との複合酸化物と炭化珪素との反応生成物からなる
シリサイドに表面が覆われた炭化珪素素材であるランタ
ノイドシリサイド被覆炭化珪素材の表面に、ランタノイ
ド系希土類元素(但しイットリウムを含む)の酸化物ま
たはランタノイド系希土類元素(但し、イットリウムを
含む)と珪素との複合酸化物をプラズマ溶射法により被
覆することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか
1つのランタノイド系希土類元素酸化物含有被膜被覆炭
化珪素材の製造方法、 (6)ランタノイド系希土類元素(但し、イットリウム
を含む)の酸化物と炭化 珪素との反応生成物またはラン
タノイド系希土類元素(但し、イットリウムを含む)と
珪素との複合酸化物と炭化珪素との反応生成物からなる
シリサイドに表面が覆われた炭化珪素素材であるランタ
ノイドシリサイド被覆炭化珪素材の表面に、ランタノイ
ド系希土類元素(但しイットリウムを含む)の酸化物ま
たはランタノイド系希土類元素(但し、イットリウムを
含む)と珪素との複合酸化物をプラズマ溶射法により被
覆した後、大気中または不活性ガス雰囲気中で熱処理
し、前記ランタノイド系希土類元素の酸化物またはラン
タノイド系希土類元素と珪素との複合酸化物被膜の緻密
性及び密着性を高めることを特徴とする前記(1)〜
(4)のいずれか1つのランタノイド系希土類元素酸化
物含有被膜被覆炭化珪素材の製造方法、である。
【0006】
【作用】本発明でいう炭化珪素素材としては殆んどが炭
化珪素で構成されている素材、表面の一部が炭化珪素で
覆われた素材及び表面の全部が炭化珪素で覆われた素材
があげられる。殆んどが炭化珪素で構成される素材とし
ては炭化珪素粉を炭素またはボロンまたはアルミナを助
剤として焼結して作製した素材であり、市販されている
ものは殆んどがこの炭化珪素である。表面の一部が炭化
珪素で覆われた素材としては、カーボン/カーボンコン
ポジットなどの板状の炭素材の表面の片面に化学蒸着法
により炭化珪素を被覆した素材、板状の窒化珪素焼結体
の表面の片面に化学蒸着法により炭化珪素を被覆した素
材などがあげられる。また、表面の全部が炭化珪素で覆
われた素材としては、カーボン/カーボンコンポジット
などの炭素材の全面に化学蒸着法により炭化珪素を被覆
した素材、片面に化学蒸着法により炭化珪素を被覆した
素材、窒化珪素焼結体の表面の片面に化学蒸着法により
炭化珪素を被覆した素材などがあげられる。
【0007】本発明においてランタノイドシリサイド被
覆炭化珪素材は上記(1)〜(4)の発明のランタノイ
ド系希土類元素酸化物含有被膜被覆炭化珪素材の前駆体
の地位をもつものである。こゝにおいて、ランタノイド
シリサイドに表面が覆われた炭化珪素素材とはランタノ
イドシリサイドが炭化珪素素材全面を覆うものに限ら
ず、その表面の一部を覆うものも意味する。例えば、宇
宙往還機に使用が考えられる直径2メートルの半円球状
の部材の外表面の一部(直径1メートル相当)が被覆さ
れたもの、板状の部材で片面が被覆されているが、端部
ともう片面が被覆されていないもの、パイプ状の部材で
外表面には被覆されているが、内表面には被覆されてい
ないものなどが、これに相当する。
【0008】上記ランタノイドシリサイド被覆炭化珪素
のランタノイドシリサイドを構成するランタノイド系
希土類元素(但し、イットリウムを含む。以下、これら
の元素をLnと略記する)としては、イットリウム
(Y)、ルテシウム(Lu)、イッテルビウム(Y
b)、ツリウム(Tm)、エルビウム(Er)、ホルミ
ウム(Ho)、ディスプロシウム(Dy)、テルビウム
(Tb)、ガドリウム(Gd)が選定されるが、コスト
的にイットリウム次いでイッテルビウムが好ましい。
【0009】また、上記ランタノイドシリサイドは炭化
珪素とLn酸化物との化学反応により形成される物質に
よって構成されるものであって、Lnと珪素が主成分で
残りを炭素と酸素が占めるものである。ここでLn酸化
物としては、Lnの酸化物並びにLnと珪素との複合酸
化物がある。この場合、上記(2)の発明に示したよう
に、ランタノイドシリサイドの組成を炭素を最大30原
子%、酸素を最大5原子%にすることにより、ランタノ
イドシリサイドの粉塵化を抑制することができる。
【0010】上記ランタノイドシリサイドに覆われた炭
化珪素素材はLnの酸化物またはLnと珪素の複合酸化
物をスパッタリング法、スラリーを塗布して焼成する方
法などにより炭化珪素素材と界面反応させることによっ
て作製することができる。これらのランタノイドシリサ
イドはLn酸化物またはLnと珪素の複合酸化物と炭化
珪素との界面反応生成物として生じるので、素材である
炭化珪素に容易に密着し、しかも目的物であるランタノ
イド系希土類元素酸化物含有被膜被覆炭化珪素材(以
下、これをLn酸化物含有被膜被覆炭化珪素材と略称す
る)を作製する際に適用されるLnの酸化物またはLn
と珪素の複合酸化物とも容易に密着する。
【0011】上記(1)の発明のLn酸化物含有被膜被
覆炭化珪素材は上記のランタノイドシリサイド(以下、
これをLnシリサイドと略称する)で表面が覆われた炭
化珪素素材前駆体の表面に、Lnの酸化物またはLnと
珪素の複合酸化物で被覆した耐酸化性の優れたLn酸化
物含有被膜被覆炭化珪素である。これらLnの酸化物及
びLnと珪素の複合酸化物は、酸素バリア機能(ある物
質を膜状にし、これに酸素原子を拡散透過させた際の透
過しにくさ。透過しにくいほど耐酸化性が良い。)が高
く、とりわけLnがイットリウムである場合は最も高
い。
【0012】更に、前記前駆体表面には既にLnシリサ
イドが形成されているので、耐酸化性に優れたLn酸化
物またはLnと珪素の複合酸化物を被覆した場合に前駆
体に十分強固に密着したLn酸化物含有被膜被覆を形成
することができる。特に、Lnがイットリウム、イッテ
ルビウム、ジスプロシウム又はエルビウムである複合酸
化物(珪酸塩)では、それぞれの熱膨張係数が下地の炭
化珪素とほぼ同じ約5×10-6/℃であり、高温環境下
においても熱応力がほとんど生じず、密着性がより良好
となる。
【0013】上記(3)、(4)の発明は、それぞれ上
記(1)、(2)の発明において炭化珪素材を表面が炭
化珪素で覆われた炭素材または表面が炭化珪素で覆われ
たカーボン/カーボンコンポジットとしたもので、炭素
材の軽量、高強度、耐熱材としての特性をもあわせも
ち、極めて有用な極限材料としうる。
【0014】上記(5),(6)の発明は上記(1)〜
(4)の発明のLn酸化物含有被膜被覆炭化珪素材の製
造方法に関するもので、上記ランタノイドシリサイド被
覆炭化珪素材である前駆体の表面にLn酸化物またはL
nと珪素との複合酸化物をプラズマ溶射法で被覆させる
方法である。一般的にはプラズマガスとしてはアルゴン
とヘリウムを、キャリヤガスとしてはアルゴンガスを使
用して大気圧下で溶射することによって達成される。上
(6)の発明は上記(7)の発明のプラズマ溶射法に
より上記前駆体にLn酸化物またはLnと珪素との複合
酸化物を溶射した後、その溶射層を前駆体にさらに強固
に密着させるための熱処理方法であり、その熱処理は大
気中または不活性ガス中で行われる。その熱処理条件の
温度、時間などは前駆体の種類及びLn酸化物またはL
nと珪素との複合酸化物の種類によって一概には特定で
きないが、一例をあげるとアルゴンガス中で1700℃
×1時間加熱後大気中で1500℃×1時間加熱する熱
処理方法があげられる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の各種の例をあげ、本発明の効
果をより明らかにする。例1〜5はLn酸化物含有被膜
被覆炭化珪素材の前駆体の製造方法の例であり、例6は
Ln酸化物含有被膜被覆炭化珪素材の製造方法の実施例
である。
【0016】(例1)炭化珪素表面にイットリア粉をス
ラリー状にしたものを塗布し、乾燥してAr雰囲気で1
700℃の熱処理を施すことにより、表面にイットリウ
ム45原子%、珪素30原子%、炭素23原子%、酸素
2原子%なるイットリウムシリサイドを被覆することが
できた。
【0017】(例2)炭化珪素表面にイットリア粉をス
ラリー状にしたものを塗布し、乾燥して一酸化炭素ガス
雰囲気で1700℃の熱処理を施すことにより、表面に
イットリウム45原子%、珪素5原子%、炭素48原子
%、酸素2原子%なるイットリウムシリサイド(但し、
イットリウムカーバイドを多量に含む)を被覆すること
ができた。
【0018】(例3)炭化珪素表面にイットリアとシリ
カ(SiO2 )のモル比1:1の混合粉をスラリー状に
したものを塗膜、乾燥してAr雰囲気で1700℃の熱
処理を施すことにより、表面にイットリウム30原子
%、珪素60原子%、炭素8原子%、酸素2原子%なる
イットリウムシリサイドを被覆することができた。
【0019】(例4)イットリアあるいはイットリアと
シリカとのモル比が1:1なる複合酸化物と炭化珪素と
の反応生成物のうち表Aに示す組成の素材を溶解法によ
り作製して、これをスパッタターゲットに加工してスパ
ッタ法により炭化珪素にコーティングの後、Ar雰囲気
で1700℃の熱処理を施して、最終的に表Aに示す界
面反応層を被覆した炭化珪素材を作製した。溶解につい
てはAr雰囲気でアーク溶解で行い、電極にはタングス
テンを用いた。素材の原料には純度99.9原子%のイ
ットリウム粉末、組成がイットリウム90.5原子%で
酸素が9.5原子%の合金粉末、純度99.9原子%炭
素粉末、純度99.9原子%のシリコン粉末を用い、こ
れを混合したものをペレット状に圧粉成形し、水冷銅電
極ハース上に設置して溶解して素材を作製した。
【0020】(例5)イッテルビウムあるいはイッテル
ビウムとシリカとのモル比が1:1なる複合酸化物と炭
化珪素との反応生成物のうち表Bに示す組成の素材を溶
解法により作製して、スパッタターゲットに加工してス
パッタ法により炭化珪素にコーティングの後、Ar雰囲
気で1700℃の熱処理を施して、最終的に表Bに示す
組成の界面反応層を被覆した炭化珪素材を作製した。溶
解についてはAr雰囲気でアーク溶解で行い、電極には
タングステンを用いた。素材の原料には純度99.9原
子%のイッテルビウム粉末、組成がイッテルビウム9
0.8原子%で酸素が9.2原子%の合金粉末、純度9
9.9原子%炭素粉末、純度99.9原子%のシリコン
粉末を用い、これを混合したものをペレット状に圧粉成
形し、水冷銅電極ハース上に設置して溶解して素材を作
製した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】例1〜例3により作製した試料の内、例1
と例3で作製したイットリウムシリサイド被覆炭化珪素
材については、大気中に24時間以上放置しても粉塵化
しなかったが、例2で作製したイットリウムシリサイド
(但し、イットリウムカーバイドを多量に含む)被覆炭
化珪素については1時間以内に粉塵化した。しかし、形
成時の被膜の密着性は良好であった。さらに、例4で作
製したものを調べた結果を示す表Aより、イットリウム
シリサイドの組成について、主成分をイットリウムと珪
素で構成し、残りを炭素が最大でも30原子%、酸素が
最大でも5原子%の範囲で、粉塵化を防ぐことができる
ことが確認された。
【0024】また、先の例5で作製した試料について、
大気中に放置し粉塵化を調べた結果を示す表Bより、イ
ッテルビウムシリサイドの組成について、主成分をイッ
テルビウムと珪素で構成し、残りを炭素が最大でも30
原子%、酸素が最大でも5原子%の範囲で、粉塵化を防
ぐことができることが確認された。これらイットリアと
イッテルビウムの結果から、ランタノイド系金属元素に
同様な効果が期待される。
【0025】(例6)図1によって本発明のLn酸化物
含有被膜被覆炭化珪素材の構成を説明する。図1におい
て、1は炭化珪素基材、2はLnシリサイド層、3はL
n酸化物含有被膜である。Lnシリサイド層2は前記例
4によって形成された層である。
【0026】前記例に示したLnシリサイドを表面に形
成した炭化珪素基材及び比較材として表面に何の処理も
施していない炭化珪素基材を使用して、種々のLn酸化
物含有被膜をプラズマ溶射してLn酸化物含有被膜被覆
炭化珪素を製造した。プラズマ溶射はプラズマガスとし
てアルゴンとヘリウムを、キャリアガスとしてアルゴン
を用いて大気圧下で実施し、しかる後、本発明材の一部
について、アルゴンガス中で1700℃×1時間加熱
後、大気中で1500℃×1時間加熱する熱処理を施し
た。その結果を表Cにまとめて示す。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】表Dにプラズマ溶射試験結果並びに170
0℃の大気中で90分加熱を2回繰り返した結果を示
す。比較材はいずれも溶射膜が密着せず膜に亀裂や剥離
が生じたが、本発明は基材上に密着したLn酸化物含有
被膜が維持された。次に加熱試験後の状況であるが、成
膜が不完全であった比較材はいずれも被膜が剥離、脱落
し、炭化珪素基材表面に酸化珪素の気泡が形成され、表
面の荒れと重量減少が確認されたが、本発明材ではいず
れも外観上の変化は認められず、重量変化もわずかであ
った。特に溶射後に熱処理を施したものについては、熱
処理しないものよりも重量変化が少ない傾向が認められ
た。
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】
【発明の効果】本発明により耐酸化性に優れたランタノ
イド系希土類元素酸化物被膜被覆炭化珪素材を提供する
ことができ、その工業的効果は極めて顕著なものがあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のランタノイド系希土類元素酸化物被膜
被覆炭化珪素材の模式図。
フロントページの続き (72)発明者 近藤 雅之 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地 1 三菱重工業株式会社 基盤技術研究 所内 (72)発明者 納富 啓 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三菱重工業株式会社 長崎研究所内 (56)参考文献 特開 平5−330960(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 41/80 - 41/91

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ランタノイド系希土類元素(但し、イッ
    トリウムを含む)の酸化物と炭化珪素との反応生成物ま
    たはランタノイド系希土類元素(但し、イットリウムを
    含む)と珪素との複合酸化物と炭化珪素との反応生成物
    からなるシリサイドに表面が覆われた炭化珪素素材であ
    るランタノイドシリサイド被覆炭化珪素材の表面に、ラ
    ンタノイド系希土類元素(但しイットリウムを含む)の
    酸化物またはランタノイド系希土類元素(但し、イット
    リウムを含む)と珪素との複合酸化物を被覆してなるこ
    とを特徴とするランタノイド系希土類元素酸化物含有被
    膜被覆炭化珪素材。
  2. 【請求項2】 シリサイドの組成がランタノイド系希土
    類元素(但し、イットリウムを含む)と珪素が主成分で
    残りを炭素が最大で30原子%、酸素が最大で5原子%
    まで占めるものであることを特徴とする請求項1に記載
    ランタノイド系希土類元素酸化物含有被膜被覆炭化珪
    素材。
  3. 【請求項3】 炭化珪素素材が表面を炭化珪素で覆われ
    た炭素材であることを特徴とする請求項1または2に記
    載のランタノイド系希土類元素酸化物含有被膜被覆炭化
    珪素材。
  4. 【請求項4】 炭素材がカーボン/カーボンコンポジッ
    トであることを特徴とする請求項3に記載のランタノイ
    ド系希土類元素酸化物含有被膜被覆炭化珪素材。
  5. 【請求項5】 ランタノイド系希土類元素(但し、イッ
    トリウムを含む)の酸化物と炭化珪素との反応生成物ま
    たはランタノイド系希土類元素(但し、イットリウムを
    含む)と珪素との複合酸化物と炭化珪素との反応生成物
    からなるシリサイドに表面が覆われた炭化珪素素材であ
    るランタノイドシリサイド被覆炭化珪素材の表面に、ラ
    ンタノイド系希土類元素(但しイットリウムを含む)の
    酸化物またはランタノイド系希土類元素(但し、イット
    リウムを含む)と珪素との複合酸化物をプラズマ溶射法
    により被覆することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載のランタノイド系希土類元素酸化物含有被
    膜被覆炭化珪素材の製造方法。
  6. 【請求項6】 ランタノイド系希土類元素(但し、イッ
    トリウムを含む )の酸化物と炭化珪素との反応生成物ま
    たはランタノイド系希土類元素(但し、イットリウムを
    含む)と珪素との複合酸化物と炭化珪素との反応生成物
    からなるシリサイドに表面が覆われた炭化珪素素材であ
    るランタノイドシリサイド被覆炭化珪素材の表面に、ラ
    ンタノイド系希土類元素(但しイットリウムを含む)の
    酸化物またはランタノイド系希土類元素(但し、イット
    リウムを含む)と珪素との複合酸化物をプラズマ溶射法
    により被覆した後、大気中または不活性ガス雰囲気中で
    熱処理し、前記ランタノイド系希土類元素の酸化物また
    はランタノイド系希土類元素と珪素との複合酸化物被膜
    の緻密性及び密着性を高めることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項に記載のランタノイド系希土類元素
    酸化物含有被膜被覆炭化珪素材の製造方法。
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