JPH05222293A - 樹脂組成物及びそれを用いた成形品 - Google Patents

樹脂組成物及びそれを用いた成形品

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JPH05222293A
JPH05222293A JP12566091A JP12566091A JPH05222293A JP H05222293 A JPH05222293 A JP H05222293A JP 12566091 A JP12566091 A JP 12566091A JP 12566091 A JP12566091 A JP 12566091A JP H05222293 A JPH05222293 A JP H05222293A
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JP
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resin
powder
weight
resin composition
feather
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JP12566091A
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English (en)
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Tatsuya Date
辰也 伊達
Nobuo Ito
信男 伊藤
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Ajinomoto Co Inc
Ajinomoto Healthy Supply Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Ajinomoto Takara Corp KK
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Abstract

(57)【要約】 (構成) 樹脂100重量部に対して獣毛粉末及び/ま
たは羽毛粉末を1〜100重量部含有してなる樹脂組成
物及び該樹脂組成物を成形するかまたは基材にコートし
た成形品。 (効果) 本発明の樹脂組成物を用いることにより、優
れた透湿性、漆黒性、耐スクラッチ性及びドライタッチ
でスエード調の風合いが付与された成形品を得ることが
出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂組成物及びそれを用
いた成形品に係わり、詳しく述べると合成皮革、人工皮
革、透湿性防水布帛等の合成シート、立体成形品、糸等
の成形品の製造に、または塗料等のコーティング剤とし
て用いる際に該合成樹脂の特性を損なわずに、優れた透
湿性、漆黒性、耐スクラッチ性及びドライタッチでスエ
ード調の風合いを付与する有用な樹脂組成物及びそれを
用いた成形品に関するものである。
【従来の技術】合成皮革、人工皮革、金属、プラスチッ
ク、セラミックス、木材等の表面をスエード調触感に仕
上げるための表面処理剤は従来から種々開発されてい
る。代表的なものとしては(1)ポリウレタン樹脂溶液
に脂肪酸エステル、シリカを配合したもの、(2)ポリ
ウレタン樹脂溶液、アクリル樹脂溶液にジメチルポリシ
ロキサン、シリカを配合したもの、(3)ポリウレタン
樹脂溶液にポリエチレン微粉末、ポリブチレン微粉末、
アクリル樹脂微粉末、ウレタン樹脂微粉末、ナイロン樹
脂微粉末あるいはシリコン樹脂微粉末等の1種とシリカ
を配合したもの、等がある。しかし、これらの処理剤で
合成皮革、例えばポリ塩化ビニルレザー(以下、PVC
レザーという)や合成樹脂成形品等をグラビアプリンタ
ー法、スプレー法等により表面処理して形成した被覆層
表面は爪で引っかくことにより容易に破壊、変形すると
いう現象が見られ、耐スクラッチ性に欠け、また手で触
れた部分は指紋等が残る、あるいはべた付き感がある等
の問題がある。また、ポリウレタン樹脂、アクリル樹
脂、ナイロン樹脂等の粉体をポリイソシアネート類と共
にウレタン樹脂有機溶媒溶液中で調合し、スプレー処理
する方法も提案されているが、風合い、ポットライフ、
焼付け温度等の問題がある。一方、透湿性を付与する方
法も種々開発されており、代表的なものとしては(4)
ポリウレタン樹脂溶液ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液
等を用いて多孔質合成シートとする方法、(5)ポリウ
レタン樹脂溶液等にゼラチン微粒子、またはゼラチン微
粒子と微細粉状の革粉を含有させて被膜を形成させ、温
水でゼラチン粒子を一部溶出させる方法(特開平1−2
22938、特開平1−222939)、等がある。し
かし、(4)の方法については、被膜を極薄状にする必
要があるため耐摩耗性が悪く、またそれ自体において吸
湿機能が小さいため、接触時にべた付き感が生ずるとい
う問題点がある。また、(5)の方法については、工程
が煩雑であり、樹脂に対する分散性が悪く、漆黒性、風
合いがやや劣るという問題点がある。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
に鑑みて行われたもので、優れた透湿性、耐スクラッチ
性、および柔らかくドライタッチでべた付き感がなく、
スエード調の風合いを有する分散性のよい合成樹脂組成
物およびこれを加工して得られる成形品を得ることを目
的とするものである。
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる問題
を解決するために各種合成樹脂について鋭意研究を行っ
た結果、合成樹脂に獣毛粉末及び/または羽毛粉末を含
有させることにより、好適な特性を損なわずに優れた透
湿性、耐スクラッチ性、漆黒性および柔らかくドライタ
ッチでべた付き感がなく、スエード調の風合いを有する
分散性のよい樹脂組成物が得られることを見いだし、本
発明を完成するに至ったものである。即ち、本発明は合
成樹脂100重量部に対して獣毛粉末及び/または羽毛
粉末を1〜100重量部含有することを特徴とする樹脂
組成物及び該樹脂組成物からなるまたは該樹脂組成物が
基材にコートされている成形品に関する。以下、本発明
を詳細に説明する。本発明で用いられる樹脂としては種
類を問わずいずれのものでも使用でき、例えばポリアミ
ノ酸、ポリアミノ酸ウレタン、ポリアミド、ポリウレタ
ン、ポリエステル、ポリエステルアミド、アクリロニト
リル系重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン及びその
共重合体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリ
酢酸ビニル及びその共重合体、ポリアクリルアミドまた
はポリメタクリルアミド及びこれらの誘導体、天然ゴム
及びポリイソプレン、ポリブタジエンなどの合成ゴム並
びにこれらの混合物、ボリエチレン及びその共重合体、
ポリプレン及びその共重合体、フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂、尿素樹脂等の1種または2種以上の混合物が挙
げられ、必要に応じて溶剤で希釈して用いることが出来
る。これらの中ではポリウレタン、ポリアミノ酸ウレタ
ン及びポリ塩化ビニルが獣毛粉末及び羽毛粉末の樹脂へ
の分散性及び成形品とした場合の風合い、耐スクラッチ
性等の理由から好ましい。本発明でいう獣毛粉末とは
羊、山羊、兎、ラクダ、アルパカ等の動物より得られる
獣毛(天然ケラチン質繊維)を粉砕したものを意味し、
平均粒径は80ミクロン以下が好ましく、さらに好まし
くは10ミクロン以下である。平均粒径が80ミクロン
より大きいと加工して得られる成形品にざらつき感が生
じ、風合い上好ましくない。本発明でいう羽毛粉末とは
鶏、あひる、がちょう等の家禽、鴨等の水鳥、鳩、ダチ
ョウ等の鳥類より得られる羽毛(天然ケラチン質繊維)
を粉砕したものを意味し、平均粒径は80ミクロン以上
が好ましく、さらに好ましくは10ミクロン以下であ
る。平均粒径が80ミクロンより大きいと加工して得ら
れる成形品にざらつき感が生じ、風合い上好ましくな
い。獣毛粉末および羽毛粉末はそれぞれ単用してもよく
また併用してもよいが、これらの樹脂に対する添加量の
合計は樹脂100重量部に対して1〜100重量部、好
ましくは5〜30重量部である。添加量が1重量部未満
だと透湿性、及びスエード調の風合いが不充分であり、
100重量部より多いと樹脂に対する分散が困難であ
り、また耐摩耗性、剥離強度、風合い等が低下し好まし
くない。なお、獣毛粉末及び/または羽毛粉末と他のフ
ィラーを併用して樹脂に添加して用いてもなんら差し支
えない。獣毛粉末及び羽毛粉末を樹脂に分散含有させる
方法は用いる樹脂により適宜選択でき、ディスパー分
散、アトマイザー、ダイモミル、ボールミル、三本ロー
ル、万能混合機による混練り等が挙げられる。本発明の
樹脂組成物は成形品の基材として、また塗料、コーティ
ング剤等の用途で用いることができる。本発明の樹脂組
成物からなる成形品は合成シート、、立体成形品、糸等
の形状であり、合成シートとしては合成皮革、人工皮
革、フィルム、板、弾性体等が挙げられる。樹脂組成物
の成形法としては圧縮成形、トランスファー成形、射出
成形、積層成形、押出成形、カレンダー成形等が挙げら
れ、樹脂に応じて適宜選択できる。また、本発明の樹脂
組成物が基材にコートされている成形品の場合の、コー
ティングする成形物に用いることの出来る基材として
は、例えば綿、麻、パルプ、木材、竹、ビスコース人
絹、ベンベルグ人絹、セルロースアセテート等の繊維素
及びその誘導体、絹、羊毛、天然皮革、再生皮革、合成
皮革、人工皮革、ポリアミノ酸、ポリアミノ酸ウレタ
ン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエ
ステルアミド、アクリロニトリル系重合体、ポリ塩化ビ
ニル、ポリスチレン及びその共重合体、ポリビニルアル
コール及びその誘導体、ポリ酢酸ビニル及びその共重合
体、ポリアクリルアミド及びポリメタクリルアミド並び
にこれらの誘導体、天然ゴム及びポリイソプレン、ポリ
ブタジエン等の合成ゴム並びにこれらの混合物、ポリエ
チレン及びのその共重合体、ポリプロピレン及びその共
重合体、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の
各種プラスチックス、石英、ガラス、セラミックス、セ
メント類、各種金属類等の1種または2種以上の混合材
が挙げられる。これらの基材による成形品としては、例
えば、布帛、合成皮革、人工皮革、フィルム、紙類、
板、ゴム、プラスチック等のシート状成形品や自動車等
のプラスチック製ハンドル等が挙げられる。また、これ
らの基材による成形品に獣毛粉末及び/または羽毛粉末
を樹脂に添加した本発明の樹脂組成物を塗布による加
工、浸漬による加工、スプレー加工、グラビア加工等を
行うことにより加工することができ、また乾式法で離型
紙上にフィルム化して上記基材とラミネート加工等によ
り表皮材として用いることが出来る。すなわち、加工法
そのものは従来法によることができる。
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。 実施例1 羊毛粉末の製法 1,1,1−トリクロロエタンにより充分脱脂後の羊毛
をカッターにより数ミリ長のチップとなした脱脂チップ
1kgを0.1N水酸化ナトリウム水溶液5リットルを
加えて常圧、80℃にて30分間撹拌しながら部分加水
分散処理した。これを濾過し、水中に再分散させ、塩酸
溶液で中和、洗浄後、セラミックス製ボールミルにて2
4時間湿式法により微粒子化した。これを遠沈処理後、
乾燥し、平均粒径5〜10ミクロンの羊毛粉末900g
を得た。 実施例2 羽毛粉末の製法 実施例1におけると同様に処理した水鳥(がちょう)の
羽毛チップ1kgを0.1N水酸化ナトリウム水溶液5
リットルに分散させ、10リットル容の加圧容器にて1
20℃で30分間攪拌しながら部分加水分解した。以
下、再び実施例1におけると同様に処理して平均粒径5
〜10ミクロンの羽毛微細粉末920gを得た。 実施例3 ポリウレタン樹脂溶液と羊毛粉末との配合 ポリウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製「ラック
スキン5005」)に、その樹脂固形分100重量部に
対して実施例1で得た羊毛粉末を5,30及び100重
量部添加し、ディスパー撹拌して均一に分散させた後、
脱泡を行い、3種の樹脂組成物A1,B1及びC1を得
た。樹脂組成物A1,B1及びC1における羊毛粉末の
分散性はいずれも良好であった。 実施例4 ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液と羊毛粉末と
の配合 ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製
「ラックスキンA3571」)に、その樹脂固形分10
0重量部に対して実施例1で得た羊毛粉末を5,30及
び100重量部添加し、ディスパー撹拌して均一に分散
させた後、脱泡を行い、樹脂組成物D1,E1及びF1
を得た。樹脂組成物D1,E1及びF1における羊毛粉
末の分散性はいずれも良好であった。 実施例5 塩化ビニル樹脂溶液と羊毛粉末との配合 ポリ塩化ビニル樹脂溶液(セイコー化成(株)製「ラッ
クスキン301)に、その樹脂固形分100重量部に対
して実施例1で得た羊毛粉末を5,30及び100重量
部添加し、3本ロールで均一に分散させた後、脱泡を行
い、樹脂組成物G1,H1及び11を得た。樹脂組成物
G1,H1及びI1における羊毛粉末の分散性はいずれ
も良好であった。 実施例6 ポリウレタン樹脂溶液と羽毛粉末との配合 ポリウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製「ラック
スキン5005」)に、その樹脂固形分100重量部に
対して実施例2で得た羽毛粉末を5,30及び100重
量部添加し、ディスパー撹拌して均一に分散させた後、
脱泡を行い、樹脂組成物A2,B2,及びC2を得た。
樹脂組成物A2,B2及びC2における羽毛粉末の分散
性はいずれも良好であった。 実施例7 ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液と羽毛粉末と
の配合 ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製
「ラックスキンA3571」)に、その樹脂固形分10
0重量部に対して実施例2で得た羽毛粉末を5,30及
び100重量部添加し、ディスパー撹拌して均一に分散
させた後、脱泡を行い、樹脂組成物D2,E2及びF2
を得た。樹脂組成物D2,E2及びF3における羽毛粉
末分の散性はいずれも良好であった。 実施例8 ポリ塩化ビニル樹脂溶液と羽毛粉末との配合 ポリ塩化ビニル樹脂溶液(セイコー化成(株)製「ラッ
クスキン301」)に、その樹脂固形分100重量部に
対して実施例2で得た羽毛粉末を5,30及び100重
量部添加し、3本ロールで均一に分散させた後、脱泡を
行い、樹脂組成物G2,H2及びI2を得た。樹脂組成
物G2,H2及びI2における羽毛粉末の分散性はいず
れも良好であった。 比較例1 ポリウレタン樹脂溶液とコラーゲン粉末との
配合 ポリウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製「ラック
スキン5005」)100重量部に粉砕したコラーゲン
粉末(昭和電工(株)製「CX−240−1」)を樹脂
固形分に対して5,30及び100重量部添加し、3本
ロールで均一に分散させた後、脱泡を行い、樹脂組成物
J1,K1及びL1を得た。 比較例2 ポリウレタン樹脂溶液とシリカ粉末との配合 ポリウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製「ラック
スキン5005」)100重量部に粉砕したシリカ粉末
(デグサジャパン(株)製「OK−412」)を樹脂固
形分に対して5,30及び100重量部添加し、3本ロ
ールで均一に分散させた後、脱泡を行い、樹脂組成物J
2,K2及びL2を得た。 比較例3 ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液とコラーゲン
粉末との配合 ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製
「ラックスキンA3571」)100重量部に粉砕した
コラーゲン粉末(昭和電工(株)製「CX−240−
1」)を樹脂固形分に対して5,30及び100重量部
添加し、3本ロールで均一に分散させた後、脱泡を行
い、樹脂組成物M1,N1,及びP1を得た。 比較例4 ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液とシリカ粉末
との配合 ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製
「ラックスキンA3571) 100重量部に粉砕した
シリカ粉末(デグサジャパン(株)製「OK−41
2」)を樹脂固形分に対して5,30及び100重量部
添加し、3本ロールで均一に分散させた後、脱泡を行
い、樹脂組成物M2,N2及びP2を得た。 比較例5 ポリ塩化ビニル樹脂溶液とコラーゲン粉末と
の配合 ポリ塩化ビニル樹脂溶液(セイコー化成(株)製「ラッ
クスキン301」)100重量部に粉砕したコラーゲン
粉末(昭和電工(株)製「CX−240−1」)を樹脂
固形分に対して5,30及び100重量部添加し、3本
ロールで均一に分散させた後、脱泡を行い、樹脂組成物
Q1,R1及びS1を得た。 比較例6 ポリ塩化ビニル樹脂溶液とシリカ粉末との配
合 ポリ塩化ビニル樹脂溶液(セイコー化成(株)製「ラッ
クスキン301」)100重量部に粉砕したシリカ粉末
(デグサジャパン(株)製「OK−412」)を樹脂固
形分に対して5,30及び100重量部添加し、3本ロ
ールで均一に分散させた後、脱泡を行い、樹脂組成物Q
2,R2及びS2を得た。 検査例1 透湿度及びスエード調外観の評価 実施例3〜8及び比較例1〜6で得た樹脂組成物及び粉
末無添加の樹脂溶液をそれぞれ離型紙上に溶剤除去後の
厚さが20ミクロンとなるようにロールコーターで塗布
し、80℃で5分間、120℃で10分間乾燥して評価
用膜とし、透湿度およびスエード調外観の評価を行っ
た。なお、評価基準は次の通りである。 (1)透湿度 JIS L 1099(塩化カルシウム
法)に準じた。 (2) スエード調外観 目視により以下の基準で判定
した。 ○ 天然皮革に酷似している。 △ 天然皮革にやや似ている。 × 天然皮革の感じがない。 結果を表1〜3に示す。表1〜3より、本発明により得
られたシートは透湿度及びスエード調外観ともに優れて
いることは明らかである。
【表1】
【表2】
【表3】 検査例2 漆黒性及び耐スクラッチ性の評価 実施例3〜8及び比較例1〜6で得た樹脂組成物及び粉
末無添加の樹脂溶液を黒色ABSシートにグラビヤプリ
ンターを用いて30g/m塗工し、120℃で5分間
乾燥して表面仕上げして評価用シートとし、漆黒性及び
耐スクラッチ性の評価を行った。なお、評価基準は次の
通りである。 (3)漆黒性 目視により以下の基準で判定した。 ○ 黒さが充分である。 △ 黒さがやや欠ける。 × 黒さが欠ける。 (4)耐スクラッチ性 硬度Hの鉛筆で表面をこすり、
目視により以下の基準で判定した。 ○ 異常なし。 △ 引きかき傷ややあり。 × 引きかき傷大。 結果を表4〜6に示す。表4〜6より、本発明により得
られたシートは漆黒性及び耐スクラッチ性ともに優れて
いることは明らかである。
【表4】
【表5】
【表6】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物を用いることによ
り、羊毛粉末及び/または羽毛粉末を加えないで用いた
樹脂本来の好適な特性を損なわずにしかも優れた透湿
性、、漆黒性、耐スクッチ性及びドライタッチでスエー
ド調の風合いが付与された成形品を得ることができる。
故に本発明の樹脂組成物は塗料等のコーティング剤とし
て、また成形用基材として合成皮革、人工皮革等の合成
シート、立体成形品、糸等の各種成形品の幅広い用途へ
用いることが可能である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年6月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂組成物及びそれを用
いた成形品に係わり、詳しく述べると合成皮革、人工皮
革、透湿性防水布帛等の合成シート、立体成形品、糸等
の成形品の製造に、または塗料等のコーティング剤とし
て用いる際に該合成樹脂の特性を損なわずに、優れた透
湿性、漆黒性、耐スクラッチ性及びドライタッチでスエ
ード調の風合いを付与する有用な樹脂組成物及びそれを
用いた成形品に関するものである。
【従来の技術】合成皮革、人工皮革、金属、プラスチッ
ク、セラミックス、木材等の表面をスエード調触感に仕
上げるための表面処理剤は従来から種々開発されてい
る。代表的なものとしては(1)ポリウレタン樹脂溶液
に脂肪酸エステル、シリカを配合したもの、(2)ポリ
ウレタン樹脂溶液、アクリル樹脂溶液にジメチルポリシ
ロキサン、シリカを配合したもの、(3)ポリウレタン
樹脂溶液にポリエチレン微粉末、ポリブチレン微粉末、
アクリル樹脂微粉末、ウレタン樹脂微粉末、ナイロン樹
脂微粉末あるいはシリコン樹脂微粉末等の1種とシリカ
を配合したもの、等がある。しかし、これらの処理剤で
合成皮革、例えばポリ塩化ビニルレザー(以下、PVC
レザーという)や合成樹脂成形品等をグラビアプリンタ
ー法、スプレー法等により表面処理して形成した被覆層
表面は爪で引っかくことにより容易に破壊、変形すると
いう現象が見られ、耐スクラッチ性に欠け、また手で触
れた部分は指紋等が残る、あるいはべた付き感がある等
の問題がある。また、ポリウレタン樹脂、アクリル樹
脂、ナイロン樹脂等の粉体をポリイソシアネート類と共
にウレタン樹脂有機溶媒溶液中で調合し、スプレー処理
する方法も提案されているが、風合い、ポットライフ、
焼付け温度等の問題がある。一方、透湿性を付与する方
法も種々開発されており、代表的なものとしては(4)
ポリウレタン樹脂溶液、ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液
等を用いて多孔質合成シートとする方法、(5)ポリウ
レタン樹脂溶液等にゼラチン微粒子、またはゼラチン微
粒子と微細粉状の革粉を含有させて被膜を形成させ、温
水でゼラチン粒子を一部溶出させる方法(特開平1−2
22938、特開平1−222939)、等がある。し
かし、(4)の方法については、被膜を極薄状にする必
要があるため耐摩耗性が悪く、またそれ自体において吸
湿機能が小さいため、接触時にべた付き感が生ずるとい
う問題点がある。また、(5)の方法については、工程
が煩雑であり、樹脂に対する分散性が悪く、漆黒性、風
合いがやや劣るという問題点がある。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
に鑑みて行われたもので、優れた透湿性、耐スクラッチ
性、および柔らかくドライタッチでべた付き感がなく、
スエード調の風合いを有する分散性のよい合成樹脂組成
物およびこれを加工して得られる成形品を得ることを目
的とするものである。
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる問題
を解決するために各種合成樹脂について鋭意研究を行っ
た結果、合成樹脂に獣毛粉末及び/または羽毛粉末を含
有させることにより、好適な特性を損なわずに優れた透
湿性、耐スクラッチ性、漆黒性および柔らかくドライタ
ッチでべた付き感がなく、スエード調の風合いを有する
分散性のよい樹脂組成物が得られることを見いだし、本
発明を完成するに至ったものである。即ち、本発明は合
成樹脂100重量部に対して獣毛粉末及び/または羽毛
粉末を1〜100重量部含有することを特徴とする樹脂
組成物及び該樹脂組成物からなるまたは該樹脂組成物が
基材にコートされている成形品に関する。以下、本発明
を詳細に説明する。本発明で用いられる樹脂としては種
類を問わずいずれのものでも使用でき、例えばポリアミ
ノ酸、ポリアミノ酸ウレタン、ポリアミド、ポリウレタ
ン、ポリエステル、ポリエステルアミド、アクリロニト
リル系重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン及びその
共重合体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリ
酢酸ビニル及びその共重合体、ポリアクリルアミドまた
はポリメタクリルアミド及びこれらの誘導体、天然ゴム
及びポリイソプレン、ポリブタジエンなどの合成ゴム並
びにこれらの混合物、ボリエチレン及びその共重合体、
ポリプレン及びその共重合体、フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂、尿素樹脂等の1種または2種以上の混合物が挙
げられ、必要に応じて溶剤で希釈して用いることが出来
る。これらの中ではポリウレタン、ポリアミノ酸ウレタ
ン及びポリ塩化ビニルが獣毛粉末及び羽毛粉末の樹脂へ
の分散性及び成形品とした場合の風合い、耐スクラッチ
性等の理由から好ましい。本発明でいう獣毛粉末とは
羊、山羊、兎、ラクダ、アルパカ等の動物より得られる
獣毛(天然ケラチン質繊維)を粉砕したものを意味し、
平均粒径は80ミクロン以下が好ましく、さらに好まし
くは10ミクロン以下である。平均粒径が80ミクロン
より大きいと加工して得られる成形品にざらつき感が生
じ、風合い上好ましくない。本発明でいう羽毛粉末とは
鶏、あひる、がちょう等の家禽、鴨等の水鳥、鳩、ダチ
ョウ等の鳥類より得られる羽毛(天然ケラチン質繊維)
を粉砕したものを意味し、平均粒径は80ミクロン以下
が好ましく、さらに好ましくは10ミクロン以下であ
る。平均粒径が80ミクロンより大きいと加工して得ら
れる成形品にざらつき感が生じ、風合い上好ましくな
い。獣毛粉末および羽毛粉末はそれぞれ単用してもよく
また併用してもよいが、これらの樹脂に対する添加量の
合計は樹脂100重量部に対して1〜100重量部、好
ましくは5〜30重量部である。添加量が1重量部未満
だと透湿性、及びスエード調の風合いが不充分であり、
100重量部より多いと樹脂に対する分散が困難であ
り、また耐摩耗性、剥離強度、風合い等が低下し好まし
くない。なお、獣毛粉末及び/または羽毛粉末と他のフ
ィラーを併用して樹脂に添加して用いてもなんら差し支
えない。獣毛粉末及び羽毛粉末を樹脂に分散含有させる
方法は用いる樹脂により適宜選択でき、ディスパー分
散、アトマイザー、ダイモミル、ボールミル、三本ロー
ル、万能混合機による混練り等が挙げられる。本発明の
樹脂組成物は成形品の基材として、また塗料、コーティ
ング剤等の用途で用いることができる。本発明の樹脂組
成物からなる成形品は合成シート、、立体成形品、糸等
の形状であり、合成シートとしては合成皮革、人工皮
革、フィルム、板、弾性体等が挙げられる。樹脂組成物
の成形法としては圧縮成形、トランスファー成形、射出
成形、積層成形、押出成形、カレンダー成形等が挙げら
れ、樹脂に応じて適宜選択できる。また、本発明の樹脂
組成物が基材にコートされている成形品の場合の、コー
ティングする成形物に用いることの出来る基材として
は、例えば綿、麻、パルプ、木材、竹、ビスコース人
絹、ベンベルグ人絹、セルロースアセテート等の繊維素
及びその誘導体、絹、羊毛、天然皮革、再生皮革、合成
皮革、人工皮革、ポリアミノ酸、ポリアミノ酸ウレタ
ン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエ
ステルアミド、アクリロニトリル系重合体、ポリ塩化ビ
ニル、ポリスチレン及びその共重合体、ポリビニルアル
コール及びその誘導体、ポリ酢酸ビニル及びその共重合
体、ポリアクリルアミド及びポリメタクリルアミド並び
にこれらの誘導体、天然ゴム及びポリイソプレン、ポリ
ブタジエン等の合成ゴム並びにこれらの混合物、ポリエ
チレン及びのその共重合体、ポリプロピレン及びその共
重合体、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の
各種プラスチックス、石英、ガラス、セラミックス、セ
メント類、各種金属類等の1種または2種以上の混合材
が挙げられる。これらの基材による成形品としては、例
えば、布帛、合成皮革、人工皮革、フィルム、紙類、
板、ゴム、プラスチック等のシート状成形品や自動車等
のプラスチック製ハンドル等が挙げられる。また、これ
らの基材による成形品に獣毛粉末及び/または羽毛粉末
を樹脂に添加した本発明の樹脂組成物を塗布による加
工、浸漬による加工、スプレー加工、グラビア加工等を
行うことにより加工することができ、また乾式法で離型
紙上にフィルム化して上記基材とラミネート加工等によ
り表皮材として用いることが出来る。すなわち、加工法
そのものは従来法によることができる。
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。 実施例1 羊毛粉末の製法 1,1,1−トリクロロエタンにより充分脱脂後の羊毛
をカッターにより数ミリ長のチップとなした脱脂チップ
1kgを0.1N水酸化ナトリウム水溶液5リットルを
加えて常圧、8o℃にて30分間撹拌しながら部分加水
分散処理した。これを濾過し、水中に再分散させ、塩酸
溶液で中和、洗浄後、セラミックス製ボールミルにて2
4時間湿式法により微粒子化した。これを遠沈処理後、
乾燥し、平均粒径5〜10ミクロンの羊毛粉末900g
を得た。 実施例2 羽毛粉末の製法 実施例1におけると同様に処理した水鳥(がちょう)の
羽毛チップ1kgを0.1N水酸化ナトリウム水溶液5
リットルに分散させ、10リットル容の加圧容器にて1
20℃で30分間攪拌しながら部分加水分解した。以
下、再び実施例1におけると同様に処理して平均粒径5
〜10ミクロンの羽毛微細粉末920gを得た。 実施例3 ポリウレタン樹脂溶液と羊毛粉末との配合 ポリウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製「ラック
スキン5005」)に、その樹脂固形分100重量部に
実施例1で得た羊毛粉末を5,30及び100重量部添
加し、ディスパー撹拌して均一に分散させた後、脱泡を
行い、3種の樹脂組成物A1,B1及びC1を得た。樹
脂組成物A1,B1及びC1における羊毛粉末の分散性
はいずれも良好であった。 実施例4 ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液と羊毛粉末と
の配合 ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製
「ラックスキンA3571」)に、その樹脂固形分10
0重量部に対して実施例1で得た羊毛粉末を5,30及
び100重量部添加し、ディスパー撹拌して均一に分散
させた後、脱泡を行い、樹脂組成物D1,E1及びF1
を得た。樹脂組成物D1,E1及びF1における羊毛粉
末の分散性はいずれも良好であった。 実施例5 塩化ビニル樹脂溶液と羊毛粉末との配合 ポリ塩化ビニル樹脂溶液(セイコー化成(株)製「ラッ
クスキン301」)に、その樹脂固形分100重量部に
対して実施例1で得た羊毛粉末を5,30及び100重
量部添加し、3本ロールで均一に分散させた後、脱泡を
行い、樹脂組成物G1,H1及びI1を得た。樹脂組成
物G1,H1及びI1における羊毛粉末の分散性はいず
れも良好であった。 実施例6 ポリウレタン樹脂溶液と羽毛粉末との配合 ポリウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製「ラック
スキン5005」)に、その樹脂固形分100重量部に
対して実施例2で得た羽毛粉末を5,30及び100重
量部添加し、ディスパー撹拌して均一に分散させた後、
脱泡を行い、樹脂組成物A2,B2,及びC2を得た。
樹脂組成物A2,B2及びC2における羽毛粉末の分散
性はいずれも良好であった。 実施例7 ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液と羽毛粉末と
の配合 ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製
「ラックスキンA3571」)に、その樹脂固形分10
0重量部に対して実施例2で得た羽毛粉末を5,30及
び100重量部添加し、ディスパー撹拌して均一に分散
させた後、脱泡を行い、樹脂組成物D2,E2及びF2
を得た。樹脂組成物D2,E2及びF2における羽毛粉
末の分散性はいずれも良好であった。 実施例8 ポリ塩化ビニル樹脂溶液と羽毛粉末との配合 ポリ塩化ビニル樹脂溶液(セイコー化成(株)製「ラッ
クスキン301」)に、その樹脂固形分100重量部に
対して実施例2で得た羽毛粉末を5,30及び100重
量部添加し、3本ロールで均一に分散させた後、脱泡を
行い、樹脂組成物G2,H2及びI2を得た。樹脂組成
物G2,H2及びI2における羽毛粉末の分散性はいず
れも良好であった。 比較例1 ポリウレタン樹脂溶液とコラーゲン粉末との
配合 ポリウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製「ラック
スキン5005」)100重量部に粉砕したコラーゲン
粉末(昭和電工(株)製「CX−240−1」)を樹脂
固形分に対して5,30及び100重量部添加し、3本
ロールで均一に分散させた後、脱泡を行い、樹脂組成物
J1,K1及びL1を得た。 比較例2 ポリウレタン樹脂溶液とシリカ粉末との配合 ポリウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製「ラック
スキン5005」)100重量部に粉砕したシリカ粉末
(デグサジャパン(株)製「OK−412」)を樹脂固
形分に対して5,30及び100重量部添加し、3本ロ
ールで均一に分散させた後、脱泡を行い、樹脂組成物J
2,K2及びL2を得た。 比較例3 ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液とコラーゲン
粉末との配合 ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製
「ラックスキンA3571」)100重量部に粉砕した
コラーゲン粉末(昭和電工(株)製「CX−240−
1」)を樹脂固形分に対して5,30及び100重量部
添加し、3本ロールで均一に分散させた後、脱泡を行
い、樹脂組成物M1,N1,及びP1を得た。 比較例4 ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液とシリカ粉末
との配合 ポリアミノ酸ウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製
「ラックスキンA3571」)100重量部に粉砕した
シリカ粉末(デグサジャパン(株)製「OK−41
2」)を樹脂固形分に対して5,30及び100重量部
添加し、3本ロールで均一に分散させた後、脱泡を行
い、樹脂組成物M2,N2及びP2を得た。 比較例5 ポリビニル樹脂溶液とコラーゲン粉末との配
合 ポリ塩化ビニル樹脂溶液(セイコー化成(株)製「ラッ
クスキン301」)100重量部に粉砕したコラーゲン
粉末(昭和電工(株)製「CX一240−1」)を樹脂
固形分に対して5,30及び100重量部添加し、3本
ロールで均一に分散させた後、脱泡を行い、樹脂組成物
Q1,R1及びS1を得た。 比較例6 ポリ塩化ビニル樹脂溶液とシリカ粉末との配
合 ポリ塩化ビニル樹脂溶液(セイコー化成(株)製「ラッ
クスキン301」)100重量部に粉砕したシリカ粉末
(デグサジャパン(株)製「OK−412」)を樹脂固
形分に対して5,30及び100重量部添加し、3本ロ
ールで均一に分散させた後、脱泡を行い、樹脂組成物Q
2,R2及びS2を得た。 検査例1 透湿度及びスエード調外観の評価 実施例3〜8及び比較例1〜6で得た樹脂組成物及び粉
末無添加の樹脂溶液をそれぞれ離型紙上に溶剤除去後の
厚さが20ミクロンとなるようにロールコーターで塗布
し、80℃で5分間、120℃で10分間乾燥して評価
用膜とし、透湿度およびスエード調外観の評価を行っ
た。なお、評価基準は次の通りである。 (1)透湿度 JIS L 1099(塩化カルシウム
法)に準じた。 (2)スエード調外観 目視により以下の基準で判定し
た。 ○ 天然皮革に酷似している。 △ 天然皮革にやや似ている。 × 天然皮革の感じがない。 結果を表1〜3に示す。表1〜3より、本発明により得
られたシートは透湿度及びスエード調外観ともに優れて
いることは明らかである。
【表1】
【表2】
【表3】 検査例2 漆黒性及び耐スクラッチ性の評価 実施例3〜8及び比較例1〜6で得た樹脂組成物及び粉
末無添加の樹脂溶液を黒色ABSシートにグラビヤプリ
ンターを用いて30g/m塗工し、120℃で5分間
乾燥して表面仕上げして評価用シートとし、漆黒性乃び
耐スクラッチ性の評価を行った。なお、評価基準は次の
通りである。 (3)漆黒性 目視により以下の基準で判定した。 ○ 黒さが充分である。 △ 黒さがやや欠ける。 × 黒さが欠ける。 (4)耐スクラッチ性 硬度Hの鉛筆で表面をこすり、
目視により以下の基準で判定した。 ○ 異常なし。 △ 引きかき傷ややあり。 × 引きかき傷大。 結果を表4〜6に示す。表4〜6より、本発明により得
られたシートは漆黒性及び耐スクラッチ性ともに優れて
いることは明らかである。
【表4】
【表5】
【表6】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物を用いることによ
り、羊毛粉末及び/または羽毛粉末を加えないで用いた
樹脂本来の好適な特性を損なわずにしかも優れた透湿
性、、漆黒性、耐スクッチ性及びドライタッチでスエー
ド調の風合いが付与された成形品を得ることができる。
故に本発明の樹脂組成物は塗料等のコーティング剤とし
て、また成形用基材として合成皮革、人工皮革等の合成
シート、立体成形品、糸等の各種成形品の幅広い用途へ
用いることが可能である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂100重量部に対して獣毛粉末及び
    /または羽毛粉末を1〜100重量部含有することを特
    徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 該獣毛粉末及び該羽毛粉末の平均粒径が
    10ミクロン以下であることを特徴とする請求項1記載
    の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 該樹脂がポリウレタン、ポリアミノ酸ウ
    レタン及びポリ塩化ビニールから選ばれる1種以上の樹
    脂が主体であることを特徴とする請求項1または2記載
    の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組
    成物からなる、または該樹脂組成物が基材にコートされ
    ている成形品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021002762A1 (en) * 2019-07-03 2021-01-07 Peter John Crone Fire-retardant composite materials

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