JPH06330472A - 耐擦り傷性に優れた吸放湿性を有する皮革様表面層形成剤 - Google Patents

耐擦り傷性に優れた吸放湿性を有する皮革様表面層形成剤

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JPH06330472A
JPH06330472A JP11870393A JP11870393A JPH06330472A JP H06330472 A JPH06330472 A JP H06330472A JP 11870393 A JP11870393 A JP 11870393A JP 11870393 A JP11870393 A JP 11870393A JP H06330472 A JPH06330472 A JP H06330472A
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surface layer
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organic solvent
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Tetsuo Wada
哲夫 和田
Yoshihiko Maeda
喜彦 前田
Masahiro Okubo
雅裕 大久保
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 シート状物、家具、家庭用電気製品等の表面
に塗布し、これらに天然皮革に近い性質を付与すること
の出来る、耐擦り傷性に優れた吸放湿性を有する皮革様
表面層形成剤を提供する。 【構成】 有機溶剤に可溶性の合成樹脂をバインダーと
する表面層形成剤において、コラーゲン粉末と有機溶剤
不溶性合成樹脂粉末の両方を含有することを特徴とし、
コラーゲン粉末と有機溶剤不溶性合成樹脂粉末との添加
配合比が、コラーゲン粉末が20〜80重量%、有機溶
剤不溶性合成樹脂粉末が80〜20重量%であり、合成
樹脂バインダーと、コラーゲン粉末と有機溶剤不溶性合
成樹脂粉末の合計の添加量が、合成樹脂バインダー固形
分100重量部に対して5〜200重量部であることを
特徴とする耐擦り傷性に優れた吸放湿性を有する皮革様
表面層形成剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な皮革様表面層形成
剤に関する。更に詳しくは、表面層形成剤中にコラーゲ
ン粉末と有機溶剤不溶性合成樹脂粉末とを特定の比率で
添加含有させることによって、成型品、シート状物等の
表面にこれを塗布し、表面層を形成させた場合に、耐擦
り傷性に優れた吸放湿性を有する天然皮革様の外観、感
触を付与するに適した皮革様表面層形成剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、塩化ビニル、合成皮革等のシー
ト、家具、家庭用電気製品等の器物は高級化志向に伴
い、表面が天然皮革のような外観、感触、機能等を持つ
ことが要求されている。この皮革様表面層形成は、古く
は、塩化ビニルシート、器物等の表面に、ウレタン樹
脂、アクリル樹脂等の有機溶剤に可溶性の合成樹脂をバ
インダーとし、シリカ等の無機顔料を艶消し剤として配
合した仕上げ剤を塗布し、更には表面をシボ等の皮革模
様の加工をしてなされていたが、これでは、外観は艶、
模様等皮革様になるが、感触、機能は、暖かみ、さらさ
ら感、吸放湿性等全く皮革様とはならなかった。
【0003】又、上記無機顔料以外に、有機溶剤不溶性
合成樹脂粉末を添加した表面層形成剤も特に塗料の分野
で現在一般的に用いられており、艶消しの外観と、スエ
ード調の感触を被塗工物に付与し、さらに弾性を有する
樹脂を用いた粉末の場合、耐擦り傷性も良好な表面層を
得ることが出来る(特公昭51−10251号公報
等)。しかし、これらの有機溶剤不溶性合成樹脂粉末を
添加した表面層形成剤を用いた表面層の場合、コラーゲ
ン粉末を添加した時に発現される皮革様のソフトフィー
ル感より劣る感触となり、吸放湿性、接触温感等の機能
性は発現されない。
【0004】最近になって、これらの要求に対応すべ
く、上記無機顔料、有機溶剤不溶性合成樹脂粉末の替わ
りに皮革屑を粉砕して得られる皮革繊維粉または皮革粉
を用いた表面層形成剤が、自動車内装材料、家具、家庭
用電気製品等に天然皮革に近い性能を付与する塗工剤と
して用いられている。この皮革粉を用いる皮革様表面層
形成剤及び皮革様表面層形成方法は、いくつか提案され
ており、その先行例として、例えば、特開昭49−74
05号公報、同63−218286号公報、同63−2
36636号公報等がある。
【0005】又、動物組織中のコラーゲンを特殊な方法
で精製し、耐熱安定化、微粉末化を施したコラーゲン粉
末についても提案されており、表面層形成剤用途に使用
した場合、上記皮革粉に比較して優れた物性を発現させ
ることができる。(特開平3−124800号公報、同
3−195800号公報、同3−255200号公報
等) これらの皮革粉、コラーゲン粉末を用いた皮革様表面層
形成剤は、被塗工物に優れた皮革様外観、暖かみ、さら
さら感等の感触、吸放湿性等の機能を付与する。これら
の添加効果のうち外観、感触は、塗膜表面に皮革粉、コ
ラーゲン粉末の添加により複雑な微小な凹凸が形成され
ることに由来する。しかし、この表面の複雑な微小な凹
凸は、塗膜を爪等で摩擦した場合、摩擦された方向につ
ぶれて光沢が出、白い痕跡を残す原因にもなる。この傾
向は、塗膜を柔らかくソフトフィールにするほど顕著に
なり、この耐擦り傷性の欠如は、コラーゲン粉末を用い
た皮革様表面層形成剤の大きな問題点となっていた。
【0006】一般的に、この問題を解決する方法とし
て、合成皮革等の比較的柔らかいシート状物に塗布する
表面層形成剤の場合には、ポリイソシアネート等の架橋
剤を少量混合することによりある程度の改良が可能であ
るが、家庭用電気製品等のプラスチックなど比較的硬い
基材上に塗布する場合には、上記方法はあまり有効では
無く、スリップ剤等を添加して耐擦り傷性を向上させる
方法などがとられているが今だ充分であるとは言い難
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点が改良され、シート状物、家具、家庭
用電気製品等の表面に塗布し、これらに天然皮革に近い
性質を付与することの出来る、耐擦り傷性に優れた吸放
湿性を有する皮革様表面層形成剤を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に種々検討した結果、コラーゲン粉末と有機溶剤不溶性
合成樹脂粉末とを併用し、ある適性な配合比で合成樹脂
バインダーと添加混合することにより、耐擦り傷性に優
れた吸放湿性を有する皮革様表面層形成剤が得られるこ
とを見出し本発明を完成するに至った。本発明の皮革様
表面層形成剤は、皮革様の外観、感触及び機能を付与す
る目的で、合成樹脂バインダーにコラーゲン粉末を配合
したものであり、これを塗布した基材の表面に平滑性を
与えると共に、高い吸放湿性を持たせて、天然皮革に近
い性質を有する皮革様表面層を形成する。又、同時に有
機溶剤不溶性合成樹脂粉末を配合することにより、皮革
様表面層を爪等で摩擦し、一定の圧力を加えた場合、そ
れによって表面層が圧縮されるが、圧力を除くとそれ自
身の弾性によって圧縮部分が復元する性能が付与され、
これによって優れた耐擦り傷性を有することが特徴であ
る。
【0009】本発明に用いられるコラーゲン粉末は、特
に限定は無く、「従来の技術」の項で挙げた皮革粉、精
製コラーゲン粉末等を用いることが出来、例えば、特開
平3ー255200号公報に記載された方法で調製され
る。しかし、その他の方法によって製造されたものであ
っても良い。
【0010】本発明に使用される合成樹脂バインダーと
しては、一般的にはウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化
ビニル樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂が用いられる。
また、これらの樹脂は表面層形成剤の状態で有機溶剤に
可溶性である必要があり、これら樹脂の溶剤の種類とし
ては、トルエン、キシレン等の非極性溶剤から、酢酸ブ
チル、酢酸エチル、ブチルセロソルブアセテート、MI
BK、MEK、アノン、アセトン等のエステル・ケトン
類、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、THF等
のエーテル類、エタノール、IPA、ブチルアルコール
等のアルコール類、または、DMF、N−メチルピロリ
ドン等の高沸点溶剤等があり、さらにはこれらの混合溶
剤でも良い。
【0011】ここで言う「有機溶剤に可溶性である」と
は、上記有機溶剤のいずれか又はそれらの混合溶剤に合
成樹脂を添加し、良く混合した場合、目視にて均質な液
体の混合物となる状態のことを言う。また、上記であえ
て「表面層形成剤の状態で」と言及しているのは、ウレ
タン樹脂やエポキシ樹脂等の場合、表面層形成剤の状態
即ち硬化前の状態では有機溶剤に可溶性なものの、硬化
後の架橋構造が形成された状態では、上記有機溶剤には
不溶性となる樹脂もある為である。本発明の表面層形成
剤は、上記合成樹脂バインダーが上記有機溶剤に溶解し
ている状態あるいは水に溶解または分散している状態で
使用される。
【0012】バインダー合成樹脂と、コラーゲン粉末と
有機溶剤不溶性合成樹脂粉末との合計の添加量は、バイ
ンダー樹脂固形分100重量部に対して5〜200重量
部が好適である。5重量部より少ない添加量では艶消
し、吸放湿性等の効果の発現が不十分となり、200重
量部を越えると表面層が固く脆くなる等の物性上の低下
を招く。
【0013】コラーゲン粉末と有機溶剤不溶性合成樹脂
粉末との添加配合比は、コラーゲン粉末が20〜80重
量%、有機溶剤不溶性合成樹脂粉末が80〜20重量%
の範囲が好適である。さらに、好ましくは、コラーゲン
粉末が30〜70重量%、有機溶剤不溶性合成樹脂粉末
が70〜30重量%の範囲が好適である。コラーゲン粉
末の添加配合比率を20重量%以下にした場合は、吸放
湿性等のコラーゲン由来の機能性がほとんど発現されな
い為好ましくない。これらのコラーゲン由来の機能性を
より明確に発現させたい場合には、コラーゲン粉末の添
加配合比率を50重量%より多く設定すると好適であ
る。
【0014】但し、表面層の耐擦り傷性は、有機溶剤不
溶性合成樹脂粉末の添加配合比の減少と共に悪化するの
で、有機溶剤不溶性合成樹脂粉末の添加配合比率を20
重量%以下にすることは避けるべきである。更に、本発
明で用いる有機溶剤不溶性合成樹脂粉末としては、一般
に市販されている塗料添加用の平均粒子径数〜数十ミク
ロンの粉末を用いることが出来る。樹脂の種類として
は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂が樹脂の柔軟性、弾力
性、耐久性等の物性的に最も適しており、その他、ナイ
ロン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹
脂、シリコーン樹脂、テフロン樹脂、ポリエステル樹脂
等の粉末も使用することが出来る。
【0015】具体的な市販の有機溶剤不溶性合成樹脂粉
末としては、ウレタン樹脂粉末としては、アートパール
Cシリーズ(根上工業製)、デコソフト(CU CH
EMIE UETIKON AG製)、バーノック C
FBシリーズ(大日本インキ化学工業製)等、アクリル
樹脂粉末としては、テクポリマー MBXシリーズ、E
AXシリーズ(積水化成品製)、アートパール Aシリ
ーズ(根上工業製)、FR−3(綜研化学製)、タフチ
ック ARシリーズ(東洋紡製)、ラブコロール(大日
精化製)、ファインパール PBシリーズ(住友化学
製)等、ナイロン樹脂粉末としては、オルガソール 2
002シリーズ(日本リルサン製)、ダイアミド WS
(ダイセルヒュルス製)等、
【0016】フェノール樹脂粉末としては、ベルパール
Rシリーズ(鐘紡製)、ユニベックス Cシリーズ
(ユニチカ製)等、メラミン樹脂粉末としては、エポス
ター Sシリーズ(日本触媒製)等、ユリア樹脂粉末と
しては、パーゴパック Mシリーズ(ロンザジャパン
製)、エポスター Mシリーズ(日本触媒製)等、
【0017】シリコーン樹脂粉末としては、トスパール
(東芝シリコーン製)等、テフロン樹脂粉末としては、
ルブロン Lシリーズ(ダイキン工業製)、セフラルル
ーブ(セントラル硝子製)、フルオン Lシリーズ(旭
硝子製)等、ポリエステル樹脂粉末としては、バリナッ
クス FCシリーズ(三井東圧化学製)等が本発明に使
用出来る。
【0018】又、本特許で言う「有機溶剤不溶性」と
は、皮革様表面層形成剤の合成樹脂バインダーを溶解す
る有機溶媒に対して合成樹脂粉末を添加し、良く撹拌混
合した場合でも目視にて均質な液体の混合物とならず
に、合成樹脂粉末が有機溶剤中に分離して存在する状態
のことを言う。さらに定量的には、合成樹脂粉末がその
10倍重量部の有機溶剤中に添加され、良く撹拌混合さ
れた後、該混合物を濾紙にて濾過分離した場合に、その
濾液を蒸発乾固させた残差の重量(合成樹脂粉末中の有
機溶剤可溶性部分に相当する)が、合成樹脂粉末全体の
重量の5%以下の場合、この合成樹脂粉末を本特許では
「有機溶剤不溶性」と定義する。
【0019】表面層形成剤中に配合するコラーゲン粉末
の最適粒子径は、希望する表面のタッチと、表面層の膜
厚とによって決まってくるので一概には言えないが、一
般的には粒子径40μm以下(粉末の粒子径及び粒径分
布はコールターカウンターを使用して測定)である粒子
の含量が85重量%以上であるものが好適である。これ
は、粒子径40μm以下である粒子の含量が85重量%
未満である場合、塗膜表面が粗くなりタッチ感が損なわ
れ、さらさらした平滑感が得られない等の不都合が発生
する為で、又、機能面からも、同重量のコラーゲン粉末
を添加した場合、粒子径が細かく表面積が大きい方が、
より優れた吸放湿性等が発現できるので有利である。
【0020】更に、表面層形成剤中に配合する有機溶剤
不溶性合成樹脂粉末の粒子径は、これもコラーゲン粉末
と同様、表面層の膜厚と希望する表面のタッチによって
一概には決まらないが、一般的には粒子径64μm以上
(粉末の粒子径及び粒径分布はコールターカウンターを
使用して測定)の粒子を含有しないものが好適である。
これは、有機溶剤不溶性合成樹脂粉末の様に真球状の粉
末の場合、一般的な表面層形成剤使用時の塗膜厚(乾燥
後、30〜60μm程度)で、表面が粗くなりタッチ感
が損なわれ、さらさらした平滑感が得られないと人間が
感じるのは、その塗膜中に粒子径64μm程度以上の粒
子が存在する場合であるからである。
【0021】又、予め、64μmより大きな粒子を含む
有機溶剤不溶性合成樹脂粉末を合成樹脂バインダー中に
添加した後、ボールミル等の粉砕装置によって再粉砕
し、調製したものを使用することも可能である。尚、粒
径分布が正規分布類似である場合、粒子径64μm以上
の粒子を含まない有機溶剤不溶性合成樹脂粉末の平均粒
子径は概ね18μm以下となる。
【0022】尚、有機溶剤に可溶性の合成樹脂バインダ
ー、コラーゲン粉末、有機溶剤不溶性合成樹脂粉末とを
含有する表面層形成剤において、これらの成分以外に、
従来より使用されているシリカ等の無機顔料艶消し剤、
ポリエチレンワックス等の有機艶消し剤、さらには、シ
リコン樹脂、アクリルポリマー等のレベリング剤、スリ
ップ剤、ポリシロキサンポリマー等の消泡剤、ポリアマ
イド、ポリカルボン酸、シリコーン樹脂、界面活性剤等
の沈降防止剤、分散剤等を配合することも可能である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例で説明する。 実施例 1 粒子径40μm以下である粒子の含量が100重量%で
あるコラーゲン粉末(トリアゼット CX260−1、
昭和電工製)69重量部、粒子径64μm以上の粒子の
含量が0重量%のウレタン樹脂粉末(アートパール C
−400、根上工業製)69重量部、カーボンブラック
(スペシャルブラック 6、デグサ製)40重量部を、
酢酸ブチル/キシレン/トルエン(7/2/1)の混合
シンナー595重量部中に分散させ、そこに、ポリウレ
タン用ポリエステル樹脂(デスモフェン 670−80
B、住友バイエルウレタン製)115重量部、(デスモ
フェン 1652、住友バイエルウレタン製)92重量
部、レベリング剤(ペレノール F40、サンノプコ
製)9重量部、硬化促進触媒ジブチルチンジラウレート
(STANN BL、三共有機合成製)の1%酢酸ブチ
ル溶液 7重量部を加え、ペイントコンディショナーを
用いて3時間分散する。
【0024】これに、イソシアネート硬化剤(バーノッ
ク DN−981、大日本インキ化学工業製)97重量
部を加え、混合後、スプレーでABS樹脂板上に塗装を
行った。室温で10分間セッティングした後、80℃で
30分間乾燥を行い、皮革様表面層を形成させたABS
樹脂板を得た。
【0025】実施例 2 粒子径40μm以下である粒子の含量が99重量%であ
るコラーゲン粉末(トリアゼット CX260−3、昭
和電工製)52重量部、粒子径64μm以上の粒子の含
量が0重量%のアクリル樹脂粉末(テクポリマー EA
X−15、積水化成品工業製)52重量部、カーボンブ
ラック(スペシャルブラック 6、デグサ製)30重量
部を、酢酸ブチル/キシレン/トルエン(7/2/1)
の混合シンナー658重量部中に分散させ、そこに、ポ
リウレタン用ポリエステル樹脂(バーノック D6−4
39、大日本インキ化学工業製)86重量部、(バーノ
ック D−57−70、大日本インキ化学工業製)10
0重量部、レベリング剤(ペレノール F40、サンノ
プコ製)14重量部、硬化促進触媒ジブチルチンジラウ
レート(STANN BL、三共有機合成製)の1%酢
酸ブチル溶液 5重量部を加え、ペイントコンディショ
ナーを用いて3時間分散する。
【0026】これに、イソシアネート硬化剤(バーノッ
ク DN−981、大日本インキ化学工業製)87重量
部を加え、混合後、スプレーでABS樹脂板上に塗装を
行った。室温で10分間セッティングした後、80℃で
30分間乾燥を行い、皮革様表面層を形成させたABS
樹脂板を得た。
【0027】実施例 3 粒子径40μm以下である粒子の含量が100重量%で
あるコラーゲン粉末(トリアゼット CX260−1、
昭和電工製)6重量部、粒子径64μm以上の粒子の含
量が0重量%のウレタン樹脂粉末(アートパール C−
400、根上工業製)6重量部を、トルエン100重量
部、メチルエチルケトン30重量部中に分散させ、そこ
に、ウレタン樹脂(バイデルム シーラー OS Ne
w(固形分15重量%)、バイエル製)100重量部を
添加し、ペイントコンディショナーを用いて3時間分散
する。
【0028】さらに、これを100メッシュのグラビア
コーターを用いて、乾燥後の塗膜厚が10μmになる様
に合成皮革上に塗布して、80℃で2分間乾燥を行い、
皮革様表面層を形成させた合成皮革を得た。
【0029】比較例 1 有機溶剤不溶性合成樹脂粉末を添加せず、コラーゲン粉
末だけを138重量部添加して実施例1と同様の条件で
表面層形成剤を調製し、塗布を行った。この場合、耐擦
り傷性試験において、実施例1と比較してはるかに劣る
結果となった。
【0030】比較例 2 粒子径40μm以下である粒子の含量が54重量%であ
る皮革繊維粉を使用して、実施例2と同様の条件で表面
層形成剤を調製し、塗布を行った。この場合、塗膜の表
面が粗くなりタッチ感が損なわれ、さらさらした平滑感
が得られない等の不都合が生じた。
【0031】比較例 3 実施例1で用いたものと同様のコラーゲン粉末を10重
量部、実施例1で用いたものと同様の有機溶剤不溶性合
成樹脂粉末を128重量部使用して、実施例1と同様の
条件で表面層形成剤を調製し、塗布を行った。この場
合、耐擦り傷性試験において非常に良好な結果が得られ
るものの、コラーゲン粉末由来の吸放湿性等の機能性は
ほとんど発現されなかった。
【0032】比較例 4 実施例1で用いたものと同様のコラーゲン粉末を128
重量部、実施例1で用いたものと同様の有機溶剤不溶性
合成樹脂粉末を10重量部使用して、実施例1と同様の
条件で表面層形成剤を調製し、塗布を行った。この場
合、コラーゲン粉末由来の塗膜のソフト感、さらに吸放
湿性等の機能性は非常に良好に発現されるものの、耐擦
り傷性試験においては実施例1と比較してはるかに劣る
結果が得られた。
【0033】比較例 5 実施例1で用いたものと同様のコラーゲン粉末を5重量
部、実施例1で用いたものと同様の有機溶剤不溶性合成
樹脂粉末を5重量部使用して、実施例1と同様の条件で
表面層形成剤を調製し、塗布を行った。この場合、耐擦
り傷性試験において非常に良好な結果が得られるもの
の、外観はかなり高光沢となり、ほとんど艶消し効果が
発現されていなかった。また、コラーゲン粉末由来の吸
放湿性等の機能性はほとんど発現されなかった。
【0034】実施例1〜3及び比較例1〜5の結果を表
1に示す。
【表1】
【0035】※吸放湿性 :試料片を予め40℃で乾燥
した後、40℃−90%RH環境下に試験片表面のみが
曝されるように静置した場合における重量増加量を測定
し、続いて、吸湿した試料片を40℃−30%RHで乾
燥した場合の経時における重量減少量を測定した。重量
増加・減少の度合いが大きいもの程、吸放湿性良好と判
断した。 ※耐擦り傷性:試料片表面を人指し指の爪を用いて軽く
摩擦した時の白い痕跡の付き具合で判断した。
【0036】
【発明の効果】本発明により、表面層形成剤中にコラー
ゲン粉末と有機溶剤不溶性合成樹脂粉末を特定の比率で
添加含有させることによって、成型品、シート状物等に
塗布して表面層を形成させることにより、それらに吸放
湿性を有する天然皮革様の優れた外観、感触を付与する
ことができ、さらに、表面層の耐擦り傷性を向上させる
ことが可能となった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶剤に可溶性の合成樹脂をバインダ
    ーとする表面層形成剤において、コラーゲン粉末と有機
    溶剤不溶性合成樹脂粉末を含有し、前記コラーゲン粉末
    と有機溶剤不溶性合成樹脂粉末との配合比が、コラーゲ
    ン粉末が20〜80重量%、有機溶剤不溶性合成樹脂粉
    末が80〜20重量%であり、合成樹脂バインダーと、
    コラーゲン粉末と有機溶剤不溶性合成樹脂粉末の合計の
    添加量が、合成樹脂バインダー固形分100重量部に対
    して5〜200重量部であることを特徴とする耐擦り傷
    性に優れた吸放湿性を有する皮革様表面層形成剤。
  2. 【請求項2】 粒子径が40μm以下である粒子の含量
    が85重量%以上であるコラーゲン粉末を用いる請求項
    1の表面層形成剤。
JP11870393A 1993-05-20 1993-05-20 耐擦り傷性に優れた吸放湿性を有する皮革様表面層形成剤 Pending JPH06330472A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000185321A (ja) * 1998-10-15 2000-07-04 Idemitsu Petrochem Co Ltd ポリウレタン微粉末、それを配合してなる樹脂組成物、レザ―調物品用素材、および高周波ウエルダ―加工素材
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