JP2599286B2 - ゼラチンの粉砕方法 - Google Patents
ゼラチンの粉砕方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は樹脂フィルム、樹脂皮膜あるいは樹脂塗料
等に混入使用されるゼラチンの粉砕方法に関する。
等に混入使用されるゼラチンの粉砕方法に関する。
(従来の技術) ゼラチンは一種の誘導蛋白質であって有機溶媒に不溶
の特性と、冷水に膨潤し、温水に溶け出し粘性の高いゾ
ルとなる特性並びに2〜3%またはそれ以上の濃度では
温室で弾性のあるゲルを形成する特性から合成ゴムの改
質剤等として用いられている。
の特性と、冷水に膨潤し、温水に溶け出し粘性の高いゾ
ルとなる特性並びに2〜3%またはそれ以上の濃度では
温室で弾性のあるゲルを形成する特性から合成ゴムの改
質剤等として用いられている。
又、同様の特性を活かしてストレッチ性の良好なフィ
ルムを作り出したり吸放湿機能を有し、しかも耐水通気
性の良好なフィルムを作り出すために樹脂フィルム中に
混入することが試みられている。
ルムを作り出したり吸放湿機能を有し、しかも耐水通気
性の良好なフィルムを作り出すために樹脂フィルム中に
混入することが試みられている。
更に、各種の製品の表面に設けられる皮膜あるいは塗
布膜に同様のストレッチ性をもたらしたり、あるいは吸
放湿機能をもたらしたり、更には撥水機能と通気特性と
を同時にもたらすために、これらの皮膜あるいは塗布膜
を作り出す樹脂溶液ないしは塗料中にゼラチンを混入す
ることが試みられている。
布膜に同様のストレッチ性をもたらしたり、あるいは吸
放湿機能をもたらしたり、更には撥水機能と通気特性と
を同時にもたらすために、これらの皮膜あるいは塗布膜
を作り出す樹脂溶液ないしは塗料中にゼラチンを混入す
ることが試みられている。
そして多くの実験の結果、これらの合成ゴムあるいは
樹脂フィルムないしは樹脂皮膜、樹脂塗膜等に含まれる
ゼラチンは、その粒径が微細であればある程、特有の効
果を合成ゴムあるいは樹脂フィルム、樹脂皮膜ないしは
樹脂塗膜にもたらすことが明らかとされている。
樹脂フィルムないしは樹脂皮膜、樹脂塗膜等に含まれる
ゼラチンは、その粒径が微細であればある程、特有の効
果を合成ゴムあるいは樹脂フィルム、樹脂皮膜ないしは
樹脂塗膜にもたらすことが明らかとされている。
特に、樹脂フィルムを薄くすることによって、樹脂フ
ィルムに特有の伸縮性と、吸放湿性並びに撥水性とをも
たらすためには、該樹脂フィルムに含まれるゼラチン粉
の粒径をより微細な範囲で揃える必要があった。
ィルムに特有の伸縮性と、吸放湿性並びに撥水性とをも
たらすためには、該樹脂フィルムに含まれるゼラチン粉
の粒径をより微細な範囲で揃える必要があった。
又、製品等の表面に形成された塗布膜あるいは皮膜面
に特有の滑らかさと汗ばみ感の無い良好な肌触り感及び
特有の手触り感をもたらすためにも、この塗布膜あるい
は皮膜に含まれるゼラチン粉の粒径をより微細な範囲で
揃えることが好都合であった。
に特有の滑らかさと汗ばみ感の無い良好な肌触り感及び
特有の手触り感をもたらすためにも、この塗布膜あるい
は皮膜に含まれるゼラチン粉の粒径をより微細な範囲で
揃えることが好都合であった。
そこで、粉あるいは粒状とされていたゼラチンを乾式
ボールミル等で粉砕し、これを分級した上で使用してい
た。
ボールミル等で粉砕し、これを分級した上で使用してい
た。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、かかる従来のボールミルで粉砕する方
法ではゼラチンの再微粉化に難があり、均一の品質を有
し、しかも均一の微細な粒径からなる粉砕ゼラチン粉を
作り出すことができなかった。
法ではゼラチンの再微粉化に難があり、均一の品質を有
し、しかも均一の微細な粒径からなる粉砕ゼラチン粉を
作り出すことができなかった。
又、このようなゼラチン固有の特性が損われたり、あ
るいは比較的大きい粒径のゼラチン粉が混入されている
粉砕ゼラチン粉を用いて作り出された樹脂フィルムある
いは樹脂皮膜ないし樹脂塗膜には特有の滑らかさや肌触
り感がもたされず、これらのフィルム、皮膜ないしは塗
膜に混入ゼラチンによる特有の吸放湿機能、伸縮機能、
撥水機能等がもたされない欠点を有していた。
るいは比較的大きい粒径のゼラチン粉が混入されている
粉砕ゼラチン粉を用いて作り出された樹脂フィルムある
いは樹脂皮膜ないし樹脂塗膜には特有の滑らかさや肌触
り感がもたされず、これらのフィルム、皮膜ないしは塗
膜に混入ゼラチンによる特有の吸放湿機能、伸縮機能、
撥水機能等がもたされない欠点を有していた。
特に従前の手法である乾式ボールミルによる単純な磨
砕粉砕による粉砕では、この粉砕に際して、磨砕に伴う
多量の熱が発生し、この発熱に伴う種々の不都合がもた
らされた。
砕粉砕による粉砕では、この粉砕に際して、磨砕に伴う
多量の熱が発生し、この発熱に伴う種々の不都合がもた
らされた。
先ず、このボールミルによる粉砕時の発生熱によって
粉砕中のゼラチンが部分的に粘弾性のあるゲル状態とさ
れる場合があり、微粉状に効率良く粉砕できなくなるこ
とが往々にて生じ、あるいは粉又は粒状のゼラチン相互
が融着して粘弾性の塊状となる不都合があった。特に、
かゝる不都合は、粉砕処理対象とされるゼラチンの含有
水分が高い場合、あるいはゼラチンの粉砕が過湿条件下
でなされる場合等に顕著に生じた。
粉砕中のゼラチンが部分的に粘弾性のあるゲル状態とさ
れる場合があり、微粉状に効率良く粉砕できなくなるこ
とが往々にて生じ、あるいは粉又は粒状のゼラチン相互
が融着して粘弾性の塊状となる不都合があった。特に、
かゝる不都合は、粉砕処理対象とされるゼラチンの含有
水分が高い場合、あるいはゼラチンの粉砕が過湿条件下
でなされる場合等に顕著に生じた。
次いで、このボールミルによる粉砕時の発生熱によっ
て粉砕中のゼラチンから急速に水分が消失された場合、
粉砕ゼラチン粉の親水性が阻害され、水分による膨潤な
いしは温水に対する溶出機能が無くなる欠点を有してお
り、特に粉砕ゼラチン中の含有水分が2重量%未満とな
るような条件下での粉砕にもとづく粉砕ゼラチン粉で
は、かゝる親水性を始めとするゼラチン粉固有の粘弾
性、接着性ないしは伸縮性等の種々の特性が損なわれる
欠点を有していた。
て粉砕中のゼラチンから急速に水分が消失された場合、
粉砕ゼラチン粉の親水性が阻害され、水分による膨潤な
いしは温水に対する溶出機能が無くなる欠点を有してお
り、特に粉砕ゼラチン中の含有水分が2重量%未満とな
るような条件下での粉砕にもとづく粉砕ゼラチン粉で
は、かゝる親水性を始めとするゼラチン粉固有の粘弾
性、接着性ないしは伸縮性等の種々の特性が損なわれる
欠点を有していた。
かゝる点から乾式ボールミルによる粉砕の方法によっ
て粉又は粒状のゼラチンを粉砕するためには極力粉砕時
の摩擦に伴う発生熱が蓄積されたり、あるいは、この摩
擦熱等が過度に発生しないように長い時間をかけて、ゆ
っくりと粉砕する必要があった。このため、ゼラチンの
粉砕効率が悪く、又仕上がる粉砕ゼラチン粉の粒径も比
較的大きい範囲で止める必要があり、より微細なゼラチ
ン粉を得ることができなかった。
て粉又は粒状のゼラチンを粉砕するためには極力粉砕時
の摩擦に伴う発生熱が蓄積されたり、あるいは、この摩
擦熱等が過度に発生しないように長い時間をかけて、ゆ
っくりと粉砕する必要があった。このため、ゼラチンの
粉砕効率が悪く、又仕上がる粉砕ゼラチン粉の粒径も比
較的大きい範囲で止める必要があり、より微細なゼラチ
ン粉を得ることができなかった。
そこで、粉又は粒状をなすゼラチンを液状ポリマーあ
るいは各種の溶剤で希釈した樹脂溶液に混配合し、この
粉又は粒状のゼラチンが混配合された液状ポリマーある
いは樹脂溶液を湿式粉砕機に投入して粉砕することが試
みられた。
るいは各種の溶剤で希釈した樹脂溶液に混配合し、この
粉又は粒状のゼラチンが混配合された液状ポリマーある
いは樹脂溶液を湿式粉砕機に投入して粉砕することが試
みられた。
かゝる湿式粉砕の方法では、液状ポリマーあるいは樹
脂溶液の流動抵抗が大きく、撹拌、粉砕が円滑になされ
ないと共に、混配合したゼラチンがポリマー中に均一に
分散されない欠点を有していた。特に、この種の液状ポ
リマーあるいは樹脂溶液の撹拌を続行した場合、これら
のポリマーあるいは樹脂溶液の粘性が経時的に高められ
る傾向にあり、湿式粉砕機による円滑な粉砕処理が困難
とされる場合が多く、粉砕機の撹拌に伴って粉砕機中の
粉砕温度が上昇された場合には、かゝる粉砕上の不都合
は更に顕著に生ずる傾向を示した。
脂溶液の流動抵抗が大きく、撹拌、粉砕が円滑になされ
ないと共に、混配合したゼラチンがポリマー中に均一に
分散されない欠点を有していた。特に、この種の液状ポ
リマーあるいは樹脂溶液の撹拌を続行した場合、これら
のポリマーあるいは樹脂溶液の粘性が経時的に高められ
る傾向にあり、湿式粉砕機による円滑な粉砕処理が困難
とされる場合が多く、粉砕機の撹拌に伴って粉砕機中の
粉砕温度が上昇された場合には、かゝる粉砕上の不都合
は更に顕著に生ずる傾向を示した。
更に、このような乾式ボールミルによって粉又は粒状
のゼラチンを粉砕した場合、粉砕機内の温度、湿度ある
いはボールの撹拌速度等の諸条件によって作り出される
ゼラチン粉の粒径にバラつきを生じ、長時間に亘る粉砕
によっても粒径の大きいゼラチン粉が微細な粒径のゼラ
チン粉中に残る不都合があった。
のゼラチンを粉砕した場合、粉砕機内の温度、湿度ある
いはボールの撹拌速度等の諸条件によって作り出される
ゼラチン粉の粒径にバラつきを生じ、長時間に亘る粉砕
によっても粒径の大きいゼラチン粉が微細な粒径のゼラ
チン粉中に残る不都合があった。
特に乾式ボールミルによって粉又は粒状のゼラチンを
粉砕した場合、粒径が1.0ミクロン(細長状の粒の場合
には短い側で測定した。以下μmと表示する。)から50
μm前後のものとなり、極めて微細な粒径のゼラチン粉
が作り出され反面、比較的大きい粒径のゼラチン粉が相
当量残される不都合があり、かゝる不都合は長時間に亘
ってボールミルによる粉砕を続行した場合でも同様であ
った。
粉砕した場合、粒径が1.0ミクロン(細長状の粒の場合
には短い側で測定した。以下μmと表示する。)から50
μm前後のものとなり、極めて微細な粒径のゼラチン粉
が作り出され反面、比較的大きい粒径のゼラチン粉が相
当量残される不都合があり、かゝる不都合は長時間に亘
ってボールミルによる粉砕を続行した場合でも同様であ
った。
この結果、これらのゼラチン粉をポリウレタン樹脂溶
液等の樹脂素材に含ませてシート、フィルム類を成形し
た場合、シート、フィルムの面から混入ゼラチンの一部
が突き出し、これがシート、フィルムの面にザラつき感
をもたらすと共に、この大きいゼラチン粒子の周縁部分
とシートあるいはフィルムとの間に縁切れを生じ易く、
この大きい粒径のゼラチン粒子がシートないしはフィル
ムから抜け落ちたり、あるいは該部からシート、フィル
ムの面にひび割れを生ずる不都合があった。
液等の樹脂素材に含ませてシート、フィルム類を成形し
た場合、シート、フィルムの面から混入ゼラチンの一部
が突き出し、これがシート、フィルムの面にザラつき感
をもたらすと共に、この大きいゼラチン粒子の周縁部分
とシートあるいはフィルムとの間に縁切れを生じ易く、
この大きい粒径のゼラチン粒子がシートないしはフィル
ムから抜け落ちたり、あるいは該部からシート、フィル
ムの面にひび割れを生ずる不都合があった。
特に叙上におけるゼラチン粉の粒子径の不揃いに伴う
不都合は、成形されるフィルムの厚さを0.02〜0.006mm
のように極薄状とした場合、あるいはシート、布巾、
革、紙ないしは各種の成形品の表面に極薄状の0.002mm
程度の皮膜を作り出し、更には塗料として、このゼラチ
ン粉を混入して使用する場合に顕著に生ずるものであっ
た。
不都合は、成形されるフィルムの厚さを0.02〜0.006mm
のように極薄状とした場合、あるいはシート、布巾、
革、紙ないしは各種の成形品の表面に極薄状の0.002mm
程度の皮膜を作り出し、更には塗料として、このゼラチ
ン粉を混入して使用する場合に顕著に生ずるものであっ
た。
更に、塗装膜あるいは各種物品の皮膜等の組成分とし
て、このゼラチン粉を混合した場合、これらの塗料ない
しは皮膜の構成要素中に含まれている粒径の大きいゼラ
チン粉が塗膜あるいは皮膜の形成に際して、これらの塗
膜ないしは皮膜の面に筋状の傷をもたらし、あるいはス
プレーガンの目詰りをもたらす不都合があった。
て、このゼラチン粉を混合した場合、これらの塗料ない
しは皮膜の構成要素中に含まれている粒径の大きいゼラ
チン粉が塗膜あるいは皮膜の形成に際して、これらの塗
膜ないしは皮膜の面に筋状の傷をもたらし、あるいはス
プレーガンの目詰りをもたらす不都合があった。
本発明はかゝる従来例における不都合に鑑み、粉又は
粒状をなすゼラチン粉の粉砕に際して生ずる摩擦に伴う
熱によってもたらされる粉砕ゼラチンに対する悪影響を
取り除くと共に、短時間で、しかも均一の粒径からなる
微細なゼラチン粉の粉砕成形を可能とし、しかもゼラチ
ン特有の品質が損われず、且つ均一の粒径からなるゼラ
チン粉をジェットミルを用いて形成し、しかもこのゼラ
チン粉を溶剤中に懸濁状に配合して用意することによっ
て、各種の樹脂素材あるいは塗料と円滑に、しかも均一
に混ざり合うゼラチン粉の提供を目的としている。
粒状をなすゼラチン粉の粉砕に際して生ずる摩擦に伴う
熱によってもたらされる粉砕ゼラチンに対する悪影響を
取り除くと共に、短時間で、しかも均一の粒径からなる
微細なゼラチン粉の粉砕成形を可能とし、しかもゼラチ
ン特有の品質が損われず、且つ均一の粒径からなるゼラ
チン粉をジェットミルを用いて形成し、しかもこのゼラ
チン粉を溶剤中に懸濁状に配合して用意することによっ
て、各種の樹脂素材あるいは塗料と円滑に、しかも均一
に混ざり合うゼラチン粉の提供を目的としている。
(課題を解決するための手段) 本発明に係るゼラチンの粉砕方法は叙上の目的を達成
するものとして、その請求項1の発明は、粉又は粒状を
なす固体ゼラチンを用意し、このゼラチンをジェットミ
ルで粉砕、分級して粒径が6μmよりも細かいゼラチン
粉を作り出すものであり、請求項2の発明は、前記請求
項1の発明でのジェットミルによる粉砕に先立って、粉
砕対象とされる粉又は粒状のゼラチンを篩又は風量分級
機等を用いて分級し、粉又は粒状のゼラチンが100μm
よりも微細な範囲に属するゼラチンを、そのゼラチン全
量の少なくとも90重量%以上のものとして用意し、この
分級により粒径の揃えられたゼラチンを請求項1の発明
の同一の方法で、しかも低温エアーを用いたジェットミ
ルで粉砕するのもである。
するものとして、その請求項1の発明は、粉又は粒状を
なす固体ゼラチンを用意し、このゼラチンをジェットミ
ルで粉砕、分級して粒径が6μmよりも細かいゼラチン
粉を作り出すものであり、請求項2の発明は、前記請求
項1の発明でのジェットミルによる粉砕に先立って、粉
砕対象とされる粉又は粒状のゼラチンを篩又は風量分級
機等を用いて分級し、粉又は粒状のゼラチンが100μm
よりも微細な範囲に属するゼラチンを、そのゼラチン全
量の少なくとも90重量%以上のものとして用意し、この
分級により粒径の揃えられたゼラチンを請求項1の発明
の同一の方法で、しかも低温エアーを用いたジェットミ
ルで粉砕するのもである。
(作用) 本発明に係るゼラチンの粉砕方法は叙上の構成からし
て以下の作用を有している。
て以下の作用を有している。
先ず請求項1の発明においては、ジェットミルのエア
ーの介在によって粉砕ゼラチン粉相互が互に密着し合っ
た状態で摩砕、衝撃されることが無く、常にゼラチン粉
相互がジェットエアーを介在して接触される状況とされ
ていることから、ゼラチン粉相互が粉砕時に溶着し合っ
たり、粉砕機の面に付着することがない。
ーの介在によって粉砕ゼラチン粉相互が互に密着し合っ
た状態で摩砕、衝撃されることが無く、常にゼラチン粉
相互がジェットエアーを介在して接触される状況とされ
ていることから、ゼラチン粉相互が粉砕時に溶着し合っ
たり、粉砕機の面に付着することがない。
又、粉砕時の摩砕、衝撃に伴う発生熱がジェットエア
ーに吸収され、しかも粉砕ゼラチン粉がジェットエアー
によって表面を覆われたような状況とされていることか
ら、発熱に伴うゼラチンの特性の毀損がなく、軟化ある
いは硬化することがない。
ーに吸収され、しかも粉砕ゼラチン粉がジェットエアー
によって表面を覆われたような状況とされていることか
ら、発熱に伴うゼラチンの特性の毀損がなく、軟化ある
いは硬化することがない。
請求項2の発明では、粉砕されるゼラチンの粒径を一
定の範囲に揃え、しかも低温エアーを用いたジェットミ
ルで粉砕したことから、粉砕がより短時間で目的とする
粒径のゼラチン粉とすることができ、しかも粉砕された
ゼラチン粉の粒径が概ね均一とされる。又、低温エアー
を用いることによってゼラチンの粉砕が更に効率良く、
しかも粉砕ゼラチン粉の品質の劣化が避けられた。
定の範囲に揃え、しかも低温エアーを用いたジェットミ
ルで粉砕したことから、粉砕がより短時間で目的とする
粒径のゼラチン粉とすることができ、しかも粉砕された
ゼラチン粉の粒径が概ね均一とされる。又、低温エアー
を用いることによってゼラチンの粉砕が更に効率良く、
しかも粉砕ゼラチン粉の品質の劣化が避けられた。
(実施例) 以下、本発明に係るゼラチンの粉砕方法の典型的な一
実施例について説明する。
実施例について説明する。
通例、無味、無臭の白粉又は透明は薄片として用意さ
れる固体ゼラチン(こゝでゼラチンとは、主として工業
用ゼラチンが用いられているが各種性状及び濃度のゼラ
チンのいずれでも良く、にかわをも含むものである。)
を基本的には気乾含水率(大気中に放置した状態での含
水率=平衡含水率)の状態でジェットミルに投入して粉
砕する。このジェットミルによる粉砕はジェットエアー
によってゼラチン相互が接触、磨砕されない状態で粉砕
ゼラチン粉の粒径が6μmよりも微細な範囲となるまで
続けられる。
れる固体ゼラチン(こゝでゼラチンとは、主として工業
用ゼラチンが用いられているが各種性状及び濃度のゼラ
チンのいずれでも良く、にかわをも含むものである。)
を基本的には気乾含水率(大気中に放置した状態での含
水率=平衡含水率)の状態でジェットミルに投入して粉
砕する。このジェットミルによる粉砕はジェットエアー
によってゼラチン相互が接触、磨砕されない状態で粉砕
ゼラチン粉の粒径が6μmよりも微細な範囲となるまで
続けられる。
又、このジェットミルにより粉砕されるゼラチン粉の
粒径を均一とし、しかも短時間に粉砕ゼラチンを目的と
する粒径にまで粉砕するためには、ジェットミルに用い
られるジェットエアーをマイナス(以下単に−と表示す
る)15℃前後のものとして粉砕機内に噴出させ、しかも
このジェットミルに投入するゼラチン粉を分級し、その
ゼラチン粉が100μmよりも細かい範囲に属している微
細ゼラチン粉をゼラチン粉全量の90重量%以上となるよ
うに篩又は風量分級機で分級しておくのが良い。
粒径を均一とし、しかも短時間に粉砕ゼラチンを目的と
する粒径にまで粉砕するためには、ジェットミルに用い
られるジェットエアーをマイナス(以下単に−と表示す
る)15℃前後のものとして粉砕機内に噴出させ、しかも
このジェットミルに投入するゼラチン粉を分級し、その
ゼラチン粉が100μmよりも細かい範囲に属している微
細ゼラチン粉をゼラチン粉全量の90重量%以上となるよ
うに篩又は風量分級機で分級しておくのが良い。
尚、このジェットミルによる粉砕は、投入された粒又
は粉状のゼラチの粒径が6μmよりも微細なものなるま
で続行される。従って、このジェットミルによる粉砕時
間等の粉砕条件は、ジェットミルの容量と、このジェッ
トミルで用いられるエアー圧及びエアー投入量と、この
ジェットミルに投入されるゼラチンの種別及び投入量並
びにジェットミルの粉砕温度等の諸条件によって随時変
更されるが、極力粉砕中のジェットエアーの温度が上昇
されない範囲でゼラチンの粉砕をなすことが、粉砕ゼラ
チンの品質の劣化をもたらさないために必要である。
は粉状のゼラチの粒径が6μmよりも微細なものなるま
で続行される。従って、このジェットミルによる粉砕時
間等の粉砕条件は、ジェットミルの容量と、このジェッ
トミルで用いられるエアー圧及びエアー投入量と、この
ジェットミルに投入されるゼラチンの種別及び投入量並
びにジェットミルの粉砕温度等の諸条件によって随時変
更されるが、極力粉砕中のジェットエアーの温度が上昇
されない範囲でゼラチンの粉砕をなすことが、粉砕ゼラ
チンの品質の劣化をもたらさないために必要である。
又、請求項2の発明に係る実施例では、叙上の粉砕機
による粉砕をより効果的になすために、粉砕されるゼラ
チンに対し予備粉砕を施し、これを真比重による風量分
級又は嵩による篩分級によって、その粒径を揃えるもの
であり、通例ターボミル等の乾式粉砕機による粉砕によ
り用意する。
による粉砕をより効果的になすために、粉砕されるゼラ
チンに対し予備粉砕を施し、これを真比重による風量分
級又は嵩による篩分級によって、その粒径を揃えるもの
であり、通例ターボミル等の乾式粉砕機による粉砕によ
り用意する。
又、このジェットミルでの粉砕に用いるエアーを略−
15℃に冷却して除湿したものとし、ジェットミル内で生
ずる衝撃破砕に伴う温度の上昇を極力抑制する。
15℃に冷却して除湿したものとし、ジェットミル内で生
ずる衝撃破砕に伴う温度の上昇を極力抑制する。
この請求項2の発明では、ジェットミルに投入される
ゼラチンの平均粒径を100μmとし、ジェットミル内に
噴出されるジェットエアーを6kg/cm2〜8kg/cm2とし、し
かも該エアーを−15℃に冷却して用いたところ、粉砕さ
れたゼラチンの親水性が損なわれず乾式ボールミルによ
る粉砕に比し極めて短かい時間で6μmよりも微細な粒
径のゼラチン粉とすることができた。
ゼラチンの平均粒径を100μmとし、ジェットミル内に
噴出されるジェットエアーを6kg/cm2〜8kg/cm2とし、し
かも該エアーを−15℃に冷却して用いたところ、粉砕さ
れたゼラチンの親水性が損なわれず乾式ボールミルによ
る粉砕に比し極めて短かい時間で6μmよりも微細な粒
径のゼラチン粉とすることができた。
このようにゼラチンがジェットミルのエアーを介在し
て粉砕されたことから粉砕中のゼラチンが粉砕時の発生
熱によって溶け出したり、膨潤したり、あるいは硬くな
ったりすることが少なく、粉砕中におけるゼラチンの吸
放湿現象が少ない特長を有している。この結果、ゼラチ
ンの粉砕の過程においてゼラチンの含水率が高められて
相互に融着し合ったり、柔らかくなって磨砕あるいは衝
撃粉砕に適しなくなったりすることがない。又、ゼラチ
ンの粉砕の過程においてゼラチンの含水率が低められて
親水性を阻害されるまで品質が劣化されることもない。
このようにして粉砕されたゼラチン粉は、溶剤に配合さ
れて塗料あるいは樹脂の成形用に用いられる。
て粉砕されたことから粉砕中のゼラチンが粉砕時の発生
熱によって溶け出したり、膨潤したり、あるいは硬くな
ったりすることが少なく、粉砕中におけるゼラチンの吸
放湿現象が少ない特長を有している。この結果、ゼラチ
ンの粉砕の過程においてゼラチンの含水率が高められて
相互に融着し合ったり、柔らかくなって磨砕あるいは衝
撃粉砕に適しなくなったりすることがない。又、ゼラチ
ンの粉砕の過程においてゼラチンの含水率が低められて
親水性を阻害されるまで品質が劣化されることもない。
このようにして粉砕されたゼラチン粉は、溶剤に配合さ
れて塗料あるいは樹脂の成形用に用いられる。
例 1 ゼラチンを気乾含水率の状態でターボミルで粉砕し、
これを分級して平均粒径が34μmとなるようにした。こ
のゼラチン粉の含有水分は12重量%であったが、実際の
ゼラチン粉の粉砕では5〜15重量%の範囲にある含水率
のゼラチン粉の使用が可能であった。前記の平均粒径が
34μmのゼラチンをジェットの粉砕エアー8kg/cm2、分
級ローター7000rpmで60分間粉砕し、逐次分級補正をし
ながら6μm未満のゼラチン粉を作り出した。このジェ
ットミルによって粉砕されたゼラチンの粒度分布は以下
のとおりであり、この粉砕ゼラチン粉を真比重による風
量分級機で分級して6μmよりも細かい範囲のゼラチン
粉とした。
これを分級して平均粒径が34μmとなるようにした。こ
のゼラチン粉の含有水分は12重量%であったが、実際の
ゼラチン粉の粉砕では5〜15重量%の範囲にある含水率
のゼラチン粉の使用が可能であった。前記の平均粒径が
34μmのゼラチンをジェットの粉砕エアー8kg/cm2、分
級ローター7000rpmで60分間粉砕し、逐次分級補正をし
ながら6μm未満のゼラチン粉を作り出した。このジェ
ットミルによって粉砕されたゼラチンの粒度分布は以下
のとおりであり、この粉砕ゼラチン粉を真比重による風
量分級機で分級して6μmよりも細かい範囲のゼラチン
粉とした。
10.00μm以上〜 0.0重量% 9.00μm以上〜10.00μm未満 39.4重量% 8.00μm以上〜 9.00μm未満 36.0重量% 7.00μm以上〜 8.00μm未満 0.0重量% 6.00μm以上〜 7.00μm未満 10.6重量% 5.00μm以上〜 6.00μm未満 7.0重量% 4.00μm以上〜 5.00μm未満 2.4重量% 3.00μm以上〜 4.00μm未満 3.0重量% 2.00μm以上〜 3.00μm未満 1.0重量% 1.00μm以上〜 2.00μm未満 0.5重量% 0.09μm以上〜 1.00μm未満 0.1重量% 例 2 前記のターボミルで粉砕し、その粒径を100μmで分
級したゼラチン粉をジェットミルに投入し、6kg/cm2の
粉砕エアーを−15℃に冷却してジェットミル内に噴射し
てゼラチン粉の粉砕をした。このジェットミルによる粉
砕を7000rpmの分級ローターによって分級しながら70分
間続けたところ、その大部分が6μmよりも細かい範囲
のゼラチン粉とされた。
級したゼラチン粉をジェットミルに投入し、6kg/cm2の
粉砕エアーを−15℃に冷却してジェットミル内に噴射し
てゼラチン粉の粉砕をした。このジェットミルによる粉
砕を7000rpmの分級ローターによって分級しながら70分
間続けたところ、その大部分が6μmよりも細かい範囲
のゼラチン粉とされた。
8.0 μm以上〜 9.0 μm未満 21.0重量% 7.0 μm以上〜 8.0 μm未満 18.0重量% 6.0 μm以上〜 7.0 μm未満 15.0重量% 5.0 μm以上〜 6.0 μm未満 19.0重量% 4.0 μm以上〜 5.0 μm未満 12.0重量% 3.0 μm以上〜 4.0 μm未満 10.0重量% 2.0 μm以上〜 3.0 μm未満 3.0重量% 1.0 μm以上〜 2.0 μm未満 1.7重量% 0.09μm以上〜 1.0 μm未満 0.3重量% この実施例では、先の例1の実施例より以上に粉砕ゼ
ラチン粉中に含水率の低下が避けられ、粉砕ゼラチン粉
が粉砕時の発生熱によって、その品質を損なわれること
がなかった。従って、この例2の方法で粉砕されたゼラ
チン粉は、粉砕処理前のゼラチン素材が有していたと同
様の親水性を有し、吸湿に伴う膨潤と、適度のゾル並び
にゲル化をもたらす特性を有していた。
ラチン粉中に含水率の低下が避けられ、粉砕ゼラチン粉
が粉砕時の発生熱によって、その品質を損なわれること
がなかった。従って、この例2の方法で粉砕されたゼラ
チン粉は、粉砕処理前のゼラチン素材が有していたと同
様の親水性を有し、吸湿に伴う膨潤と、適度のゾル並び
にゲル化をもたらす特性を有していた。
叙上の方法で粉砕されたゼラチン粉は、その粉砕の過
程並びに作り出されたゼラチン粉が以下の特長を有して
いる。
程並びに作り出されたゼラチン粉が以下の特長を有して
いる。
先ず、ジェットミルに投入された粒又は粉状のゼラチ
ンは、ジェットミルのエアーで包みこまれた状態で粉砕
されるため、ゼラチン相互が融着し合うことがなく、又
ボールないしは粉砕機の面に融着することがない。特
に、ボールの磨砕ないしは衝撃に伴って生ずる熱が、ジ
ェットミルのエアーにより分散されて直接ゼラチンに伝
達されることがなく、熱によるゼラチンの変質ないしは
ゼラチンの溶融着の虞れがない。又、ゼラチンが低温の
ジェットエアーによって覆われた状態で粉砕された場
合、このゼラチンの粉砕過程において、ゼラチンが湿気
を帯びて膨潤ないしはゾル状となったり、この粉砕過程
での水分の蒸散加熱に伴うゲル化現象を生ずることがな
い。従って、このジェットミルで粉砕されたゼラチンは
ゼラチン特有の膨潤機能あるいは親水性と特有の粘弾性
等の特性を損うことがない。又、ゼラチンの粉砕過程に
おいてゼラチンが湿気を帯び、且つ加熱に伴って粘性を
帯びることによって粉砕が困難とされることもなく、均
一の粒径からなる微細なゼラチン粉を確実且つ容易に作
り出すことができる。
ンは、ジェットミルのエアーで包みこまれた状態で粉砕
されるため、ゼラチン相互が融着し合うことがなく、又
ボールないしは粉砕機の面に融着することがない。特
に、ボールの磨砕ないしは衝撃に伴って生ずる熱が、ジ
ェットミルのエアーにより分散されて直接ゼラチンに伝
達されることがなく、熱によるゼラチンの変質ないしは
ゼラチンの溶融着の虞れがない。又、ゼラチンが低温の
ジェットエアーによって覆われた状態で粉砕された場
合、このゼラチンの粉砕過程において、ゼラチンが湿気
を帯びて膨潤ないしはゾル状となったり、この粉砕過程
での水分の蒸散加熱に伴うゲル化現象を生ずることがな
い。従って、このジェットミルで粉砕されたゼラチンは
ゼラチン特有の膨潤機能あるいは親水性と特有の粘弾性
等の特性を損うことがない。又、ゼラチンの粉砕過程に
おいてゼラチンが湿気を帯び、且つ加熱に伴って粘性を
帯びることによって粉砕が困難とされることもなく、均
一の粒径からなる微細なゼラチン粉を確実且つ容易に作
り出すことができる。
更に、粉砕分級されて得られたゼラチン粉は、叙上の
粉砕方法による場合では、その粒径がいずれも6μmよ
りも微細なものとされ、相互に融着し合ったり、絡み合
ったりしていない特長を有しており、この粉砕したゼラ
チン粉を溶剤中に混合した場合、この溶剤中に均一に分
散され、概ねゼラチン粉が懸濁様に分散される特長を有
している。
粉砕方法による場合では、その粒径がいずれも6μmよ
りも微細なものとされ、相互に融着し合ったり、絡み合
ったりしていない特長を有しており、この粉砕したゼラ
チン粉を溶剤中に混合した場合、この溶剤中に均一に分
散され、概ねゼラチン粉が懸濁様に分散される特長を有
している。
このようにしてジェットミルを用いて粉砕されたゼラ
チンを溶剤に混配合する。
チンを溶剤に混配合する。
そして、これらの溶剤に混配合されたゼラチン粉は一
個一個が夫々に独立の状態で溶剤中に浮遊しており、外
気から完全に遮断されている。このことから粉砕された
ゼラチン粉の管理が容易とされ、粉砕後にゼラチン粉が
湿気を帯びたり、硬化したり、あるいは相互に融着し合
ったりすることがない。
個一個が夫々に独立の状態で溶剤中に浮遊しており、外
気から完全に遮断されている。このことから粉砕された
ゼラチン粉の管理が容易とされ、粉砕後にゼラチン粉が
湿気を帯びたり、硬化したり、あるいは相互に融着し合
ったりすることがない。
このようにして粉砕されたゼラチン粉を、このゼラチ
ン粉の混配合した溶液と共に成形用の樹脂あるいは塗料
に配合する。この配合の方法と配合の量は、成形される
樹脂製品、フィルムないしはシートの特性及び塗料の特
性等に合せて適宜決定される。
ン粉の混配合した溶液と共に成形用の樹脂あるいは塗料
に配合する。この配合の方法と配合の量は、成形される
樹脂製品、フィルムないしはシートの特性及び塗料の特
性等に合せて適宜決定される。
尚、叙上において用いられる溶剤は有機溶剤を典型例
とするものであり、この粉砕ゼラチンを混入使用する樹
脂溶液等の樹脂素材ないしはこの粉砕ゼラチンを配合さ
れる塗料に適応する溶剤が用いられる。そして、この溶
剤はゼラチンが不溶であることを要し、典型的にはジメ
チルフォルムアミド、トルエン、メチルエチルケトン等
が用いられる他メタノール、イソプロピルアルコール、
n−ブタノール、ベンジルアルコール、酢酸エチル、酢
酸ブチル、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、キシロー
ル、2・ニトルプロパン、二塩化エタン、トリクロール
エチレン、パークロールエチレン、メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ等が用いられている。
とするものであり、この粉砕ゼラチンを混入使用する樹
脂溶液等の樹脂素材ないしはこの粉砕ゼラチンを配合さ
れる塗料に適応する溶剤が用いられる。そして、この溶
剤はゼラチンが不溶であることを要し、典型的にはジメ
チルフォルムアミド、トルエン、メチルエチルケトン等
が用いられる他メタノール、イソプロピルアルコール、
n−ブタノール、ベンジルアルコール、酢酸エチル、酢
酸ブチル、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、キシロー
ル、2・ニトルプロパン、二塩化エタン、トリクロール
エチレン、パークロールエチレン、メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ等が用いられている。
かゝる溶剤はゼラチンが不溶のものであることから、
これにゼラチンを混入してもゼラチンが膨潤したり、溶
けだしたりすることがなく、又ゼラチン中の水分等が溶
剤に吸収されてゼラチンが硬化したりすることがない。
又、ゼラチンの保管過程において、この溶剤中に投入さ
れたゼラチンが、この溶剤に混入したときと同様の状態
で保管される特長を有している。
これにゼラチンを混入してもゼラチンが膨潤したり、溶
けだしたりすることがなく、又ゼラチン中の水分等が溶
剤に吸収されてゼラチンが硬化したりすることがない。
又、ゼラチンの保管過程において、この溶剤中に投入さ
れたゼラチンが、この溶剤に混入したときと同様の状態
で保管される特長を有している。
前記のゼラチン粉を有する溶剤の配合される樹脂は、
作り出されるフィルム、皮膜あるいは塗装塗膜の形成に
適する樹脂であり、前記溶剤により溶液状とされるもの
である。即ち、通例は成形される樹脂フィルム、シート
等の樹脂素材に適する溶剤を用いて前記のゼラチン粉の
粉砕をなす。
作り出されるフィルム、皮膜あるいは塗装塗膜の形成に
適する樹脂であり、前記溶剤により溶液状とされるもの
である。即ち、通例は成形される樹脂フィルム、シート
等の樹脂素材に適する溶剤を用いて前記のゼラチン粉の
粉砕をなす。
従って、前記のゼラチン粉の混配合に用いる溶剤と樹
脂素材の選択により、各種の樹脂フィルム、シート等の
成形と、各種の樹脂皮膜の形成及び各種樹脂塗料が作り
出される。
脂素材の選択により、各種の樹脂フィルム、シート等の
成形と、各種の樹脂皮膜の形成及び各種樹脂塗料が作り
出される。
又、このゼラチン粉を含む溶剤に配合される樹脂及び
塗液は、ペースト状であっても粉体状ないしは液状であ
っても良く、この溶剤の配合量を調節することによって
ペースト状ないしは粘性の高い溶液状又は粘性の低い希
釈溶液状とされる。
塗液は、ペースト状であっても粉体状ないしは液状であ
っても良く、この溶剤の配合量を調節することによって
ペースト状ないしは粘性の高い溶液状又は粘性の低い希
釈溶液状とされる。
このようにして溶剤の配合された樹脂又は塗液を用い
てフィルムないしはシート、あるいは皮膜と、塗料とを
作り出す。このフィルム、シートを作り出す方法はカレ
ンダーロール、インフレーション成形等適宜の方法が用
いられる他、離型紙の表面にコーティングした後に、こ
の離型紙を剥ぎとってフィルム、シートを作る方法等が
ある。又、各種の皮膜は布、紙、皮革あるいは木製品そ
の他の製品の表面に塗布形成する方法と、前記溶剤を配
合された樹脂溶液中に布、紙等を漬け込み形成する方法
及び離型紙の表面にコーティングした後、この離型紙面
上の樹脂皮膜を布、樹脂シート、紙、皮革等の面に転写
接着する方法等により作り出す。更に、塗料は、各種の
用途に合せた塗膜形成要素及び顔料に対し、塗膜形成助
要素の一部として又は改良ないしは増量要素として前記
のゼラチン粉を有する溶剤の添加配合がされるものであ
り、一般的な撹拌、混合で作り出される。
てフィルムないしはシート、あるいは皮膜と、塗料とを
作り出す。このフィルム、シートを作り出す方法はカレ
ンダーロール、インフレーション成形等適宜の方法が用
いられる他、離型紙の表面にコーティングした後に、こ
の離型紙を剥ぎとってフィルム、シートを作る方法等が
ある。又、各種の皮膜は布、紙、皮革あるいは木製品そ
の他の製品の表面に塗布形成する方法と、前記溶剤を配
合された樹脂溶液中に布、紙等を漬け込み形成する方法
及び離型紙の表面にコーティングした後、この離型紙面
上の樹脂皮膜を布、樹脂シート、紙、皮革等の面に転写
接着する方法等により作り出す。更に、塗料は、各種の
用途に合せた塗膜形成要素及び顔料に対し、塗膜形成助
要素の一部として又は改良ないしは増量要素として前記
のゼラチン粉を有する溶剤の添加配合がされるものであ
り、一般的な撹拌、混合で作り出される。
このようにして作り出されるフィルム、皮膜及び塗装
塗膜は、これらの素材中に含まれるゼラチン粉の粒径が
6μmよりも微細な範囲に属していることから、フィル
ム、皮膜ないしは塗装塗膜の厚さが0.02〜0.002mmの範
囲であっても、これらのフィルム、皮膜ないしは塗装塗
膜の面から混入ゼラチン粉が浮き出したり、突き出した
りすることがなく、平滑で良好な肌触り感のあるフィル
ム、皮膜あるいは塗膜とされた。
塗膜は、これらの素材中に含まれるゼラチン粉の粒径が
6μmよりも微細な範囲に属していることから、フィル
ム、皮膜ないしは塗装塗膜の厚さが0.02〜0.002mmの範
囲であっても、これらのフィルム、皮膜ないしは塗装塗
膜の面から混入ゼラチン粉が浮き出したり、突き出した
りすることがなく、平滑で良好な肌触り感のあるフィル
ム、皮膜あるいは塗膜とされた。
又、叙上のようにして作り出されたフィルム、皮膜あ
るいは塗膜等の樹脂成形品中に含まれるゼラチン粉の一
部を溶出することにより、このフィルム、皮膜あるいは
塗膜等の面に数ミクロンよりも微細な多数の孔を設ける
ことができる。
るいは塗膜等の樹脂成形品中に含まれるゼラチン粉の一
部を溶出することにより、このフィルム、皮膜あるいは
塗膜等の面に数ミクロンよりも微細な多数の孔を設ける
ことができる。
このように2〜3μmよりも微細な孔をフィルム、皮
膜あるいは塗膜の面に設けることによって、これらのフ
ィルム、皮膜あるいは塗膜に通気性がもたらされること
ゝなり、特にこのフィルム、皮膜あるいは塗膜にもたら
される通気性は、0.0004μm前後の粒径からなる水蒸気
を通し、水滴を通さない特長を有している。このことか
ら耐水、透湿機能をフィルム、皮膜あるいは塗膜にもた
らすことができる。
膜あるいは塗膜の面に設けることによって、これらのフ
ィルム、皮膜あるいは塗膜に通気性がもたらされること
ゝなり、特にこのフィルム、皮膜あるいは塗膜にもたら
される通気性は、0.0004μm前後の粒径からなる水蒸気
を通し、水滴を通さない特長を有している。このことか
ら耐水、透湿機能をフィルム、皮膜あるいは塗膜にもた
らすことができる。
従って、各種の布地、皮革あるいは木製品等の表面に
前記のゼラチン粉を含む0.02〜0.002mm厚さからなる皮
膜あるいは塗膜を形成し、ないしはフィルムを貼り合せ
て、この皮膜、塗膜あるいはフィルム中のゼラチン粉を
溶出した場合、これらの布地、皮革あるいは木製品等に
特有の耐水性と透湿性とがもたらされることゝなる。因
みに、通例の雨滴の径は2000μmであり、微細な霖雨に
おいても100μmであって、これらのフィルム等に設け
られた微細な孔を通過することがない。又、これらのフ
ィルム面等に付着した雨滴も表面張力の関係から前記の
微細な孔を通して滲潤することがない。
前記のゼラチン粉を含む0.02〜0.002mm厚さからなる皮
膜あるいは塗膜を形成し、ないしはフィルムを貼り合せ
て、この皮膜、塗膜あるいはフィルム中のゼラチン粉を
溶出した場合、これらの布地、皮革あるいは木製品等に
特有の耐水性と透湿性とがもたらされることゝなる。因
みに、通例の雨滴の径は2000μmであり、微細な霖雨に
おいても100μmであって、これらのフィルム等に設け
られた微細な孔を通過することがない。又、これらのフ
ィルム面等に付着した雨滴も表面張力の関係から前記の
微細な孔を通して滲潤することがない。
例 3 前記ゼラチン粉を含む溶剤を、用いてポリウレタン樹
脂フィルムを作り、このフィルムを織編布の面に転写し
た。
脂フィルムを作り、このフィルムを織編布の面に転写し
た。
6μmよりも微細なゼラチン粉 10重量部 トルエン 70重量部 ポリウレタン樹脂固形分 30重量部 この樹脂溶液を離型紙の面にドクターナイフコーティ
ング法により0.008mmの厚さで塗着し、これを乾燥した
後に該離型紙より剥ぎとって厚さ0.008mmのフィルムを
作った。
ング法により0.008mmの厚さで塗着し、これを乾燥した
後に該離型紙より剥ぎとって厚さ0.008mmのフィルムを
作った。
又、このフィルムを引き剥すことなく1.5mm厚の不織
布の面に接着しながら前記離型紙を剥ぎとって不織布の
面にフィルムスキン層を作り出した。そして、この不織
布を60℃の温水中に漬け込んで15分間湯洗いしたところ
フィルム中に含まれているゼラチン粉が、その全量の35
重量%相当消失した。
布の面に接着しながら前記離型紙を剥ぎとって不織布の
面にフィルムスキン層を作り出した。そして、この不織
布を60℃の温水中に漬け込んで15分間湯洗いしたところ
フィルム中に含まれているゼラチン粉が、その全量の35
重量%相当消失した。
尚、前記のゼラチン粉の混入量を3重量部〜30重量部
の間で各5重量部づつ増しながらフィルムを作ったとこ
ろ、前記例3の割合でゼラチンを3重量部としたところ
作り出されたフィルム面の光沢が良好で、充分な腰の強
さを有している反面、接触時のベタつき感があった。
又、35重量部のゼラチン粉を配合したフィルム面はゼラ
チン特有の接触抵抗と良好な肌触り感がある反面、フィ
ルム面に強い力が作用した場合に、このフィルム面にシ
ワよれを生じ、又前記のフィルムをラミネートした製品
では、表面がヨレた状態で下地の生地面が一部露出する
ことがあった。従って、前記のゼラチン粉の配合量は3
〜30重量部が最適である。しかしながら、フィルムの成
形樹脂の種別、使用溶剤の配合量及び成形条件等によっ
て前記のゼラチン粉の配合量を更に変更することもでき
る。
の間で各5重量部づつ増しながらフィルムを作ったとこ
ろ、前記例3の割合でゼラチンを3重量部としたところ
作り出されたフィルム面の光沢が良好で、充分な腰の強
さを有している反面、接触時のベタつき感があった。
又、35重量部のゼラチン粉を配合したフィルム面はゼラ
チン特有の接触抵抗と良好な肌触り感がある反面、フィ
ルム面に強い力が作用した場合に、このフィルム面にシ
ワよれを生じ、又前記のフィルムをラミネートした製品
では、表面がヨレた状態で下地の生地面が一部露出する
ことがあった。従って、前記のゼラチン粉の配合量は3
〜30重量部が最適である。しかしながら、フィルムの成
形樹脂の種別、使用溶剤の配合量及び成形条件等によっ
て前記のゼラチン粉の配合量を更に変更することもでき
る。
又、前記の湯洗いによるゼラチン粉の溶出は、使用温
水の湯温を高くする程、短時間で多量の含有ゼラチン粉
の溶出が可能とされる反面、フィルムないしはラミネー
トフィルムが毀損されたり、ベースとなる生地が損傷さ
れる不都合があった。このことからフィルムラミネート
される生地の種別、素材特性とフィルム自体の素材特性
並びにフィルム中に含まれているゼラチン粉の量並びに
フィルムから溶出されるゼラチン粉の量等を総合的に勘
案して、このフィルム、皮膜あるいは塗膜中に含まれて
いるゼラチ粉の溶出がなされる。尚、前記実施例のポリ
ウレタン樹脂フィルムにおいては60〜150℃の温水又は
熱水で含有ゼラチン粉の溶出をなすことが理想的であ
り、60℃以下の温水では含有ゼラチン粉の溶出量が少な
く、時間も長く必要とされた。
水の湯温を高くする程、短時間で多量の含有ゼラチン粉
の溶出が可能とされる反面、フィルムないしはラミネー
トフィルムが毀損されたり、ベースとなる生地が損傷さ
れる不都合があった。このことからフィルムラミネート
される生地の種別、素材特性とフィルム自体の素材特性
並びにフィルム中に含まれているゼラチン粉の量並びに
フィルムから溶出されるゼラチン粉の量等を総合的に勘
案して、このフィルム、皮膜あるいは塗膜中に含まれて
いるゼラチ粉の溶出がなされる。尚、前記実施例のポリ
ウレタン樹脂フィルムにおいては60〜150℃の温水又は
熱水で含有ゼラチン粉の溶出をなすことが理想的であ
り、60℃以下の温水では含有ゼラチン粉の溶出量が少な
く、時間も長く必要とされた。
例 4 トルエン 70重量部 6μmよりも微細なゼラチン粉 10重量部 ポリ塩化ビニル樹脂 30重量部 この例4で作り出された塩ビフィルムでは柔軟性が増
し、通例の塩ビフィルムに比し伸縮性が著しく増すと共
に吸湿機能がもたらされた。又、前記配合量によってフ
ィルム、皮膜の形成と共に塗料が作り出された。
し、通例の塩ビフィルムに比し伸縮性が著しく増すと共
に吸湿機能がもたらされた。又、前記配合量によってフ
ィルム、皮膜の形成と共に塗料が作り出された。
例 5 トルエン 70重量部 6μmよりも微細なゼラチン粉 10重量部 アクリル樹脂 30重量部 この例5の配合比率で作り出されたフィルムは耐候性
に優れており、耐摩耗性が良好である割に接触時のベタ
つき感がない特長を有し、フィルム面の光沢も良好であ
った。又、この配合比率からなる樹脂溶液で皮膜を形成
し、又塗料として塗膜を形成したところ同様に耐摩耗性
に優れ、且つ吸湿機能を有する皮膜ないしは塗膜とされ
た。
に優れており、耐摩耗性が良好である割に接触時のベタ
つき感がない特長を有し、フィルム面の光沢も良好であ
った。又、この配合比率からなる樹脂溶液で皮膜を形成
し、又塗料として塗膜を形成したところ同様に耐摩耗性
に優れ、且つ吸湿機能を有する皮膜ないしは塗膜とされ
た。
例 6 トルエン 70重量部 6μmよりも微細なゼラチン粉 10重量部 ポリ塩化ビニル樹脂 15重量部 アクリル樹脂 15重量部 この例6の配合比率で作り出されたフィルムは前記例
5のフィルムに比し耐摩耗性が劣る傾向を示したが肌触
りが良く、ラミネート時の接着性が良好であった。又、
この配合比率からなる樹脂溶液を用いて形成した皮膜及
び、この樹脂溶液を含む塗料を用いて形成した塗膜は吸
湿性と、接触抵抗とが良好で適度の肌触り感を有してい
る。
5のフィルムに比し耐摩耗性が劣る傾向を示したが肌触
りが良く、ラミネート時の接着性が良好であった。又、
この配合比率からなる樹脂溶液を用いて形成した皮膜及
び、この樹脂溶液を含む塗料を用いて形成した塗膜は吸
湿性と、接触抵抗とが良好で適度の肌触り感を有してい
る。
例 7 トルエン中に粉砕ゼラチン粉を混配合し、この粉砕ゼ
ラチン粉を有するトルエンに二液反応タイプのウレタン
塗料のポリエステルを配合し、その後イソシアネートを
添加配合してスプレーガンで膜厚0.006mmの塗膜を得
た。
ラチン粉を有するトルエンに二液反応タイプのウレタン
塗料のポリエステルを配合し、その後イソシアネートを
添加配合してスプレーガンで膜厚0.006mmの塗膜を得
た。
この塗膜は艶消し効果に優れ、手に触れたときの風合
いはベトつき感がなく良好であった。この実施例では、
二液反応型ウレタン樹脂塗料中のポルエステルとゼラチ
ン粉との合計重量に対するゼラチン粉を10〜40重量%の
範囲で塗膜を形成した。
いはベトつき感がなく良好であった。この実施例では、
二液反応型ウレタン樹脂塗料中のポルエステルとゼラチ
ン粉との合計重量に対するゼラチン粉を10〜40重量%の
範囲で塗膜を形成した。
例 8 液状ウレタン樹脂液(無黄変一液型ポリウレタン、不
揮発分30%)をメチルエチルケトンの混合剤を用いて20
〜50poise(25℃)に調整し、このウレンタン樹脂100重
量部にゼラチン粉50重量部をトルエンと共に混合し、10
0poise(25℃)となるように撹拌混合した。この混合物
をPVC板にスプレーガンで吹きつけ100℃で1分間乾燥し
たところ吸湿性の良好な、しかも艶消し効果の高い塗膜
が得られた。
揮発分30%)をメチルエチルケトンの混合剤を用いて20
〜50poise(25℃)に調整し、このウレンタン樹脂100重
量部にゼラチン粉50重量部をトルエンと共に混合し、10
0poise(25℃)となるように撹拌混合した。この混合物
をPVC板にスプレーガンで吹きつけ100℃で1分間乾燥し
たところ吸湿性の良好な、しかも艶消し効果の高い塗膜
が得られた。
例 9 ウレタン樹脂100重量部中にゼラチン粉30重量部を含
む溶剤を配合して得られた混合液を離型紙上にコーティ
ングし、乾燥後得られた0.006mmの厚さのフィルムを織
物基材に転写して張り合せた。このようにして作り出さ
れた織物の表面はベトつき感がなく、感触にも優れてい
た。
む溶剤を配合して得られた混合液を離型紙上にコーティ
ングし、乾燥後得られた0.006mmの厚さのフィルムを織
物基材に転写して張り合せた。このようにして作り出さ
れた織物の表面はベトつき感がなく、感触にも優れてい
た。
例 10 離型紙上にゼラチン粉を含む一液型ウレタン樹脂(ゼ
ラチン粉含有のメチルエチルケトンを溶剤とした不揮発
分30重量%の混合液)をコンマロールで塗布、乾燥し、
更に、このコーティング層の上に、ゼラチン粉を含む二
液型ウレタン樹脂(ゼラチン粉含有のメチルエチルケト
ンを溶剤とした不揮発分50重量%の混合液)を塗布、乾
燥して積層皮膜を作り、この積層皮膜を離型敷から引き
剥がすようにして不織布の面にラミネート接着した。こ
のラミネートフィルムを有する不織布の表面はベトつき
感がなく、又ゼラチン粉を含まないラミネート接着と同
様の接着強度が得られた。
ラチン粉含有のメチルエチルケトンを溶剤とした不揮発
分30重量%の混合液)をコンマロールで塗布、乾燥し、
更に、このコーティング層の上に、ゼラチン粉を含む二
液型ウレタン樹脂(ゼラチン粉含有のメチルエチルケト
ンを溶剤とした不揮発分50重量%の混合液)を塗布、乾
燥して積層皮膜を作り、この積層皮膜を離型敷から引き
剥がすようにして不織布の面にラミネート接着した。こ
のラミネートフィルムを有する不織布の表面はベトつき
感がなく、又ゼラチン粉を含まないラミネート接着と同
様の接着強度が得られた。
(効果) 本発明に係るゼラチンの粉砕方法では、ゼラチン粉が
ジェットミルのエアーによって夫々に分離された状態で
粉砕されることから、ゼラチン粉相互が直接々触して融
着し合うことがない。
ジェットミルのエアーによって夫々に分離された状態で
粉砕されることから、ゼラチン粉相互が直接々触して融
着し合うことがない。
又、ゼラチン粉の粉砕に際して衝撃粉砕に伴う熱の発
生が無く、熱変化に伴うゼラチン粉相互の融着あるいは
品質劣化の不都合を生ずることがない。
生が無く、熱変化に伴うゼラチン粉相互の融着あるいは
品質劣化の不都合を生ずることがない。
更に、ジェットミルのエアーで包みこまれた状態でゼ
ラチン粉が粉砕されることから、粉砕の過程においてゼ
ラチン粉が極端に乾燥したり、膨潤したりすることがな
い。このことからゼラチン粉の乾燥に伴う親水性の阻害
が少なく、又膨潤に伴ってゼラチン粉が粘性を帯びて粉
砕が阻害される不都合も少ない。これらのことから粒径
が6μmよりも微細な範囲に属するゼラチン粉を確実
に、しかも短時間で効率良く作り出すことができた。
ラチン粉が粉砕されることから、粉砕の過程においてゼ
ラチン粉が極端に乾燥したり、膨潤したりすることがな
い。このことからゼラチン粉の乾燥に伴う親水性の阻害
が少なく、又膨潤に伴ってゼラチン粉が粘性を帯びて粉
砕が阻害される不都合も少ない。これらのことから粒径
が6μmよりも微細な範囲に属するゼラチン粉を確実
に、しかも短時間で効率良く作り出すことができた。
更に、この微細な粉状に粉砕されたゼラチンが溶剤中
に懸濁状に分散されていることからフィルム、シートあ
るいは皮膜等の成形樹脂との配合が円滑、容易とされ、
これらの樹脂混合液中にゼラチン粉が均一に分散される
特長を有している。又、かゝる特長は、粉砕されたゼラ
チン粉を、溶剤と共に塗料成分とした場合でも同様であ
る。
に懸濁状に分散されていることからフィルム、シートあ
るいは皮膜等の成形樹脂との配合が円滑、容易とされ、
これらの樹脂混合液中にゼラチン粉が均一に分散される
特長を有している。又、かゝる特長は、粉砕されたゼラ
チン粉を、溶剤と共に塗料成分とした場合でも同様であ
る。
従って、叙上の6μmよりも微細な範囲に属するゼラ
チン粉を含む樹脂混合液あるいは塗料を用いてフィル
ム、皮膜あるいは塗膜を形成した場合、これらのフィル
ム、皮膜あるいは塗膜中にゼラチン粉が均一に分散され
た状態で、これらのフィルム等が形成される。このこと
から、これらのフィルム等にゼラチン特有の吸放湿性、
適度の接触抵抗、及び伸縮性がもたらされると共に静電
気の帯電が防止される特長を有している。
チン粉を含む樹脂混合液あるいは塗料を用いてフィル
ム、皮膜あるいは塗膜を形成した場合、これらのフィル
ム、皮膜あるいは塗膜中にゼラチン粉が均一に分散され
た状態で、これらのフィルム等が形成される。このこと
から、これらのフィルム等にゼラチン特有の吸放湿性、
適度の接触抵抗、及び伸縮性がもたらされると共に静電
気の帯電が防止される特長を有している。
又、これらのフィルム、シート、皮膜ないしは塗膜に
含まれるゼラチン粉の粒径が6μmよりも微細であるこ
とから、これらのフィルム、シート、皮膜ないしは塗膜
を薄く形成することが可能とされた。特にフィルムない
しは皮膜としては0.006mmの厚さのものが、又塗膜とし
ては0.002mmの厚さのものが作られ、そのいずれにおい
ても形成されたフィルム、皮膜あるいは塗膜の面から混
入ゼラチン粉が浮き出したり、突き出したりすることが
なく、肌触りが良好で滑らかな面とされた。
含まれるゼラチン粉の粒径が6μmよりも微細であるこ
とから、これらのフィルム、シート、皮膜ないしは塗膜
を薄く形成することが可能とされた。特にフィルムない
しは皮膜としては0.006mmの厚さのものが、又塗膜とし
ては0.002mmの厚さのものが作られ、そのいずれにおい
ても形成されたフィルム、皮膜あるいは塗膜の面から混
入ゼラチン粉が浮き出したり、突き出したりすることが
なく、肌触りが良好で滑らかな面とされた。
又、形成されるフィルム、皮膜あるいは塗膜の面にゼ
ラチン粉が均一に露呈していることから、これらのフィ
ルム、皮膜あるいは塗膜の面に吸湿性が効果的にもたら
され、良好な肌触り感がもたらされる。
ラチン粉が均一に露呈していることから、これらのフィ
ルム、皮膜あるいは塗膜の面に吸湿性が効果的にもたら
され、良好な肌触り感がもたらされる。
更に、形成されるフィルム、皮膜あるいは塗膜の面か
ら混入ゼラチン粉を溶出させた場合、これらのフィル
ム、皮膜あるいは塗膜の面に数ミクロンの微細な孔が無
数に設けられることゝなり、形成されるフィルム等の面
に特有の吸放湿機能、特に耐水透湿機能がもたらされる
特長を有している。
ら混入ゼラチン粉を溶出させた場合、これらのフィル
ム、皮膜あるいは塗膜の面に数ミクロンの微細な孔が無
数に設けられることゝなり、形成されるフィルム等の面
に特有の吸放湿機能、特に耐水透湿機能がもたらされる
特長を有している。
又、叙上で形成されたフィルム、皮膜あるいは塗膜の
面にサンディング処理を施した場合、フィルム等に含ま
れているゼラチン粉の有する吸湿機能、耐水透湿機能
と、良好な肌触り感が更に助長される。
面にサンディング処理を施した場合、フィルム等に含ま
れているゼラチン粉の有する吸湿機能、耐水透湿機能
と、良好な肌触り感が更に助長される。
本発明に係るゼラチンの粉砕方法と、この粉砕方法に
よって得られるゼラチン粉を用いたフィルム、皮膜並び
に塗料は叙上における特長ある内容から合成皮革材とし
て各種の家具あるいは鞄等の身の回り用品ないしは自動
車の内装材等として用いられる他、静電気を帯びない特
性を活かして各種の電子機器と、これらのオペレーター
用のキーボード等として用いられる。
よって得られるゼラチン粉を用いたフィルム、皮膜並び
に塗料は叙上における特長ある内容から合成皮革材とし
て各種の家具あるいは鞄等の身の回り用品ないしは自動
車の内装材等として用いられる他、静電気を帯びない特
性を活かして各種の電子機器と、これらのオペレーター
用のキーボード等として用いられる。
又、叙上のゼラチン粉を有するフィルム及び皮膜並び
に塗料は、ゼラチン粉を含まない通例のフィルムの成形
方法あるいは皮膜の形成方法ないしは塗膜の形成方法と
同一の方法ないしは手法で作り出したり、用いたりする
ことができる。このことから本発明に係る粉砕ゼラチン
粉を用いたフィル、皮膜及び塗膜は日常身の回りにある
全ての商品の成形ないしは表面化粧等の手段として用い
ることができる。
に塗料は、ゼラチン粉を含まない通例のフィルムの成形
方法あるいは皮膜の形成方法ないしは塗膜の形成方法と
同一の方法ないしは手法で作り出したり、用いたりする
ことができる。このことから本発明に係る粉砕ゼラチン
粉を用いたフィル、皮膜及び塗膜は日常身の回りにある
全ての商品の成形ないしは表面化粧等の手段として用い
ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】粉又は粒状をなすゼラチンのジェットミル
で粉砕、分級して、6ミクロンよりも微細な粒径のゼラ
チン粉としたことを特徴とするゼラチンの粉砕方法。 - 【請求項2】平均粒径が100ミクロンとされた粉又は粒
状のゼラチンを低温エアーを用いたジェットミルで粉砕
して分級し、6ミクロンよりも微細な粒径のゼラチン粉
としたとを特徴とするゼラチンの粉砕方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12302288A JP2599286B2 (ja) | 1988-05-21 | 1988-05-21 | ゼラチンの粉砕方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12302288A JP2599286B2 (ja) | 1988-05-21 | 1988-05-21 | ゼラチンの粉砕方法 |
Related Child Applications (3)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22077996A Division JP2673881B2 (ja) | 1996-08-05 | 1996-08-05 | 樹脂フィルム |
JP22073396A Division JPH0920829A (ja) | 1996-08-05 | 1996-08-05 | 塗 料 |
JP22078496A Division JPH0920880A (ja) | 1996-08-05 | 1996-08-05 | 樹脂皮膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01294740A JPH01294740A (ja) | 1989-11-28 |
JP2599286B2 true JP2599286B2 (ja) | 1997-04-09 |
Family
ID=14850285
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12302288A Expired - Lifetime JP2599286B2 (ja) | 1988-05-21 | 1988-05-21 | ゼラチンの粉砕方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2599286B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5225536A (en) * | 1989-08-16 | 1993-07-06 | Sadao Nishibori | Particles of gelatin and amino acid to be blended in resins |
JPH03197571A (ja) * | 1989-12-26 | 1991-08-28 | Ain Kk | 塗装皮膜 |
US8074906B2 (en) * | 2005-07-07 | 2011-12-13 | Nanotherapeutics, Inc. | Process for milling and preparing powders and compositions produced thereby |
CN105251593A (zh) * | 2015-11-10 | 2016-01-20 | 北京金隅水泥节能科技有限公司 | 用气流粉碎高吸水树脂型混凝土内养生材料的方法 |
-
1988
- 1988-05-21 JP JP12302288A patent/JP2599286B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01294740A (ja) | 1989-11-28 |
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